| レッスンスタジオ |
| キュッキュッキュッ♪ |
麗奈 | プククク、完璧だわ!我ながらセンスのある落書きね。 |
麗奈 | これで、あの子たちがいつもみたいに鏡の前に立ったら、自分にちょび髭が生えてるってビックリするはずよ! |
麗奈 | アーッハッハッハ!愉快、痛快だわ! |
光 | タオル、たぶんこの辺りで落としたと思うんだよな……あっ!あった、あった。 |
光 | って、鏡に落書きされているじゃないか!まったく、一体だれがこんなことを……。 |
光 | ……いや、犯人の目星はつくけれど……はぁ……。仕方ない、とりあえず今は綺麗に拭いておこう。 |
| キュッキュッキュッ |
| 数日後── |
麗奈 | よーし、誰もいないわね?今のうちに、このクッションをプロデューサーの椅子にそぉっと乗せて……っと。 |
麗奈 | これでプロデューサーが座ろうとしたら、プゥ〜って恥ずかしい音が鳴り響くわ!クックックック、傑作ね! |
麗奈 | ……あら?誰か来た……!マズイ、さっさと退散よッ! |
光 | お疲れさまです!……あれ、誰もいないのか?声がしたと思ったんだけど。 |
光 | プロデューサーも留守、か。……ん?このクッションは、たしか子どもたちの間で最近流行ってるって噂の……。 |
光 | ……やれやれ、またか。このクッションは、アタシが預かっておこう。今度会ったら注意しないとな。 |
| さらに数日後── |
麗奈 | 小春の席、ここだったわね。ここに、ペットボトルを置いて……メモも書いておきましょ!『差し入れです、どうぞ』と。 |
麗奈 | どんな顔するかしら?ラベルにはイチゴフレーバーと書いてあるのに、飲んでみるとラムネ味だなんて! |
麗奈 | クヒヒ♪見届けたいところだけど、みんなが戻ってくる前に帰らなきゃ怪しまれるわ!じゃ、お先〜♪ |
光 | ……あれ?いない?麗奈の撮影は、終わったはずなんだけど。もう帰ったのか? |
光 | 二人で話すチャンスだと思ったのにな……。 |
光 | ん?このペットボトル……小春のか?でもスタジオで水飲んでたよな……?『差し入れです、どうぞ』? |
光 | これ、麗奈の字じゃないか!されは何か仕掛けがあるな。はぁ……まったく。小春には注意するように言っておこう。 |
| 帰り道── |
麗奈 | フンフフンフン♪ |
麗奈 | あ〜今日もいい仕事をしたわ!小春、アタシの置き土産を気に入ってくれたかしら? |
| タッタッタッタッ |
光 | 待てっ、麗奈!悪事はここまでだ! |
麗奈 | げっ……光!?なんでアンタがここに? |
光 | 追いかけて来たんだよ。なあ、麗奈……イタズラは、もういい加減にしないか? |
麗奈 | ……はぁ???なによッ、藪から棒に! |
光 | 麗奈にイタズラされて、困っている人がいるんだよ。一度でもイラズラされた人の気持ちになったことはあるか? |
麗奈 | フンッ!そんなの、あるワケないわ! |
光 | じゃあ、一度想像してみるといいよ。予想していなかったことが自身の身に起きたり、人前で恥をかくことを……。 |
光 | そうしたら、きっとわかるんじゃないか?イタズラされると、どんな気持ちになるのかがさ。 |
麗奈 | はぁ?なにそれ?アタシが悪いって言いたいの?イタズラなんて、引っかかる方が間抜けなのよ! |
光 | 自分がされたくないことを他人にするのは良くないよ。 |
麗奈 | なによ、偉ぶっちゃって!他人にされてみなきゃ、嫌だってわからないこともたくさんあるんじゃないの? |
麗奈 | それに、意外性のない毎日なんて退屈なだけよ! |
麗奈 | アタシは、間抜けで退屈なアンタたちに、教訓と刺激を与えてあげてるのッ!むしろ感謝してほしいくらいだわ! |
光 | ああ、そうだね。キミのすることで、みんなが笑顔になるなら良いよ。 |
光 | でも、相手が嫌がるイタズラをアタシは絶対見過ごせない!! |
麗奈 | フン、勝手にしなさいよ!アタシは反省なんてしないからね、絶対にッ!! |
光 | ……そうか。交渉決裂だな。 |
麗奈 | それよりも、レイナサマにそんな口を聞いたこと、きっと後悔させてあげるわ!覚えてらっしゃいッ! |
光 | …………。 |
光 | ちょっと言い過ぎたかな……でも、大切なことだし……。 |
光 | ……そうだ、あの人に相談してみよう!何かいいアドバイスをくれるかもしれない。 |
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