事務所 | |
琴歌 | 〜♪ |
瞳子 | こんにちは、琴歌ちゃん。綺麗な花を飾っているのね。琴歌ちゃんが持ってきたのかしら? |
琴歌 | ごきげんよう、瞳子さん♪そうなのです。お花屋さんで、可愛らしいガーベラが並んでいるのを見かけてしまい…… |
琴歌 | ぜひ、事務所のみなさんにも見ていただきたくて。 |
琴歌 | プロデューサー様から許可をいただいて、こうして飾らせてもらっていますのよ♪ |
瞳子 | 花は、私も好きよ。美しく咲く姿を見ていると、私もこうありたいと奮い立つ心地になるわ。 |
瞳子 | この前のお仕事だって……あら、こっちの花たちは? |
琴歌 | 事務所にもともと飾ってあったお花ですわ。残念ですが、少ししおれてしまっていたのでお取り換えしましたの。 |
瞳子 | そう……盛りを過ぎた花を見るのは、やっぱり寂しいわね。 |
瞳子 | 花は、儚いからこそ……一瞬を美しく咲き誇ると、知ってはいるけれど…… |
琴歌 | 瞳子さん……?あの、私は…… |
??? | ……あっ!やっぱり、お花だ♪いい香りがしたんだよねっ! |
琴歌 | 夕美さん! |
瞳子 | ふふ……まるで、花に誘われる、可愛らしい蝶のようね。 |
夕美 | ヒラヒラ〜♪琴歌ちゃんのガーベラに着地っ♪ |
琴歌 | まあ……!さすが夕美さんですわ。一目でガーベラだとお分かりになるなんて。 |
夕美 | ふふっ、ガーベラは、事務所に飾るのにピッタリだよね!ちゃんとお手入れすれば |
夕美 | 長く咲いてくれるし、カラフルで可愛くって、見れるだけでも元気になれるもんっ♪ |
琴歌 | はい。それに、ガーベラには、「常に前進」「希望」などの花言葉があると伺いました。 |
琴歌 | 故に、ここに飾るお花として、アイドルである私たちの胸に飾る言葉として、ピッタリだと思ったのです。 |
夕美 | わぁ、琴歌ちゃん、お花に詳しくなってるねっ♪ |
瞳子 | まあ……そんな意味があったのね。まさか、花言葉まで考えて選んでいたなんて。 |
琴歌 | ふふっ、花言葉のことは、本当に偶然でしたのよ。お花を手にしたら、お店の方がご親切に教えてくださって。 |
琴歌 | けれど、フラワーガーデンでのお仕事を経て……これまで以上に、お花のことが知りたいと思うようになりましたわ。 |
夕美 | やっぱり、フラワーガーデンがきっかけなんだね! |
瞳子 | あのお仕事は素敵だったわね。色鮮やかな景色……今でもはっきりと思い出せるわ。 |
瞳子 | 『華麗に、大胆に……ファンの人たちに見てもらいたいの、私を……!』 |
瞳子 | 美しい花や香りに包まれて、まるで自分も、誰かにとって大切な一輪になれた気がしたもの。 |
瞳子 | 「今ここで咲き誇る私を見てほしい」……と、臆面もなく思ってしまうほどに。 |
琴歌 | あの日の瞳子さんは、確かに誰かの美しい花でした。見た人の心に、色褪せず咲き続けるような……。 |
瞳子 | ふふ……ありがとう。美しい思い出が、ますます鮮やかに色づいた心地よ。 |
琴歌 | それは何よりですわ♪あの場にいた人々にとっても、素晴らしい思い出となったと思います。 |
琴歌 | 私も、元より花は好きでしたが……あの日から、もっと深くもっと大切に考えるようになりましたの。 |
琴歌 | 『花を待つ令嬢にはなりたくないのです……』 |
琴歌 | 『自らの手で思いを込めた花を贈る、前向きなアイドルになりたいですわ』 |
琴歌 | お花を育てる人、贈る人、受け取る人、愛でる人。手に入れずとも、遠くから見守る人もいるでしょう。 |
琴歌 | そして、自身が花となる人もいらっしゃいますわ。 |
琴歌 | その形は違えど、花を見れば……みな、何かを想うのです。 |
琴歌 | ありがたいことに、アイドルになってから、お花を贈っていただく機会が多くなりましたし…… |
琴歌 | そこに込められた想いを手に取るように、うかがい知ることができれば、と願うようになりましたの。 |
琴歌 | そうしたらきっと、私が誰かに花束を贈るときも、自信を持って届けることができるはずですから。 |
瞳子 | 琴歌ちゃんにとっても、あの時のお仕事が素敵な経験になったのね。 |
夕美 | いいね、いいねっ♪私も本当はね、もっとガッツリあのお仕事に参加したいと思ってたんだけど…… |
琴歌・瞳子 | 夕美さん…… 夕美ちゃん…… |
夕美 | でも、二人のステージをじっくり見ることができたから、ラッキーだったねって! |
夕美 | だって、二人ともお花みたいに力強くて、とっても綺麗だったもん♪ |
瞳子 | お花みたいに……力強い? |
夕美 | そうっ!実はね、お花ってけっこうたくましいんだよ♪ |
夕美 | 雨の日も風の日も、嵐の日だって、背筋を伸ばして咲き続けるから…… |
夕美 | 見てると、私まで元気になっちゃうんだ♪ |
琴歌 | ……儚さも魅力。それから……力強さもまた、お花の魅力なんですのね。 |
カサ…… | |
瞳子 | 琴歌ちゃん、その花は、もう…… |
琴歌 | 少ししおれてしまっていますがお持ち帰りさせていただいて、押し花にしようと思っておりましたの。 |
琴歌 | たとえ枯れてしまっても、そこで美しく咲いて、誰かを笑顔にした喜びまではきっと消えませんから……。 |
琴歌 | それに、実は私も、こう見えて 押し花作りが趣味ですのよ。 |
瞳子 | ふふ……それは、とてもイメージ通りだと思うわ。 |
瞳子 | アイドルは、「希望」を持って「常に前進」……まったく、その通りね。 |
瞳子 | 琴歌ちゃん、押し花ができたら 私にも見せてもらえるかしら。 |
夕美 | あっ、私も見たいなっ! |
琴歌 | あら、いけませんわ…… |
琴歌 | 見せるだけなんて、そんな。 私からの友情の証として、ぜひ受け取ってくださいませ♪ |
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