| とある昼下がり |
| プルルル…………ピッ |
麻理菜 | もしもしプロデューサーくん?私よ。うん、マリナお姉さん♪ |
麻理菜 | この前、LIVEのお仕事で海に行ったじゃない? |
麻理菜 | あの時の写真ができたの。今度持っていくわね。私の写真と、もちろんプロデューサーくんのも♪ |
麻理菜 | あはは、プロデューサーくんのサーフィンチャレンジだもん。撮るに決まってるわよ♪ |
麻理菜 | あとね、それとは別にプライベートで海に行った写真もあるの。 |
麻理菜 | そう、前に話したお姉さんたち3人で行った例のやつよ♪砂の城とか、超大作だから!これも見せに行くわね。 |
麻理菜 | それじゃあ、また事務所で。楽しみにしてて♪ |
| ピッ |
麻理菜 | (連絡はこれでオッケー。次の予定まで、まだ少しあるしゆっくりしていこうっと♪) |
詩織 | …………。 |
麻理菜 | (あら?あの子……。) |
詩織 | …………。 |
麻理菜 | (こっちを見てる……?ううん、見てるのは私の持ってる写真かな?) |
麻理菜 | こんにちは。同じ事務所の詩織ちゃんよね。よかったら、写真一緒に見る? |
詩織 | あっ…… 。その、いいんですか……? |
麻理菜 | ふふっ、じっと見てるから、海が好きなのかなって♪はい、隣座って! |
詩織 | ありがとうございます。その写真、沖縄の海ですね。故郷を思い出して……懐かしくなっていました。 |
麻理菜 | そっか!詩織ちゃんって、沖縄出身だったわね!いいなぁ。私、この海の大大大ファンなの! |
詩織 | まあ、そうだったんですか。私も地元にいた頃は何度か足を運びました。……素敵な海ですよね。 |
麻理菜 | ええ、本当に!私、この前のお仕事でここの海に行ったんだけど、やっぱりすごくって! |
麻理菜 | 煌めく太陽に、キレイな波!もう最っ高だったわ!海の色もいいのよね〜っ。 |
麻理菜 | 透明感のあるエメラルドグリーン、深いブルー……色んな表情が見れて素敵! |
麻理菜 | 刺激的で、全然飽きないわ!知ればしるほど、沖縄の海の虜になるもの! |
麻理菜 | ……って、ゴメンゴメン。ちょっとひとりで熱く語りすぎちゃった。 |
詩織 | いえ、そんな……。思い出深い故郷の海ですから、褒めてもらえると嬉しいです。 |
麻理菜 | よかった♪海のことになると、ついテンション上がっちゃうの。 |
麻理菜 | 詩織ちゃんはどう?やっぱり、海が好き? |
詩織 | はい……とても。私は、海風も好きなんです。時にはかすかに潮の香りを運び……時には、強く心をさらう……。 |
麻理菜 | うんうん、風も素敵よねっ。海に来たって感じがするし、海から上がると、火照る体を冷ましてくれるもの。 |
詩織 | あとは……さざ波が打ちつける様子も好きです。陽の光を映して輝く波は、別世界のように綺麗で……。 |
詩織 | 静かな海辺に波音が響く……。そこで、耳を澄ませるのも好きなんです。 |
麻理菜 | わかるなぁ〜。 |
詩織 | 麻理菜さんは、理解してくださるのですね……ふふっ。 |
麻理菜 | そりゃそうよ。私も、波に魅入られたひとりだからさ♪ |
詩織 | 麻理菜さんは……素敵なお姉さんですね。つたない私の話を、真摯に聞いてくださって……。 |
麻理菜 | あら、すっごく楽しいわよ♪それに詩織ちゃんって、つい構いたくなるカンジだし。妹ができたみたいで嬉しいわ! |
麻理菜 | あっ、そうだ!お姉さんがいいものあげる!仲良くなれた記念ってことで。はいっ♪ |
詩織 | これは……朝焼けの海……? |
麻理菜 | うん♪仕事で沖縄に行ったって言ったじゃない? |
麻理菜 | 朝起きて、ビーチに出たらちょうど日の出の時刻でね。朝日が波に反射して、綺麗だったから、撮ってみたの。 |
麻理菜 | さっき詩織ちゃんの話を聞いて、きっとこの景色も好きだろうと思って♪ |
詩織 | はい、大好きです。とても。沖縄にいた頃は……いえ、今でもずっと、海はずっと私のそばにいて……。 |
詩織 | いつも、私に力をくれました。この海も……きっと。 |
麻理菜 | 喜んでもらえたならよかったわ♪ |
詩織 | ありがとうございます。今日は……麻理菜さんと、お話できてよかったです。 |
詩織 | 実は……麻理菜さんは、私とは違うと思っていました。 |
詩織 | 活発な方ですし……明るく、賑やかな海が好きかと……。その……気を悪くされたらごめんなさい……。 |
麻理菜 | あら、意外だった?でも何も不思議じゃないわ。海はいつだって刺激的だもの!ねっ♪ |
詩織 | ふふっ……そうですね。麻理菜さんは、どんな海も愛しているんですよね。 |
麻理菜 | そうよ♪静かな海も、賑やかな海もどっちも好きなの。詩織ちゃんと同じねっ! |
詩織 | えっ……?わかるんですか……?私が、賑やかな海も好きだって……。 |
麻理菜 | うんっ!だって、プロデューサーくんがサーフィンしてる写真も、じっと見てるんだもん! |
麻理菜 | 今度、二人で一緒にサーフィンにいくのもいいかもね♪ |
詩織 | はいっ。あ、いえ……これは……その……憧れているだけのもので……えっと……。 |
麻理菜 | ん?どうしたの? |
詩織 | その……本当にお恥ずかしい話なのですが……私、泳げなくて……。 |
詩織 | せめて、波にたゆたうくらいはできればいいのに……。何度練習しても、水に体が浮かないんです……。 |
詩織 | お、おかしいですよね……。こんなに海が好きと言っておきながら……。 |
麻理菜 | ううん!大丈夫!全然おかしくないわよ! |
麻理菜 | 私にも、海に憧れてるけど泳げない友達がいてね。でも、浜辺で遊ぶだけでもすっごい楽しかったし! |
麻理菜 | そうだ!私ね、その友達に初心者用の水泳特訓メニューを作ったの! |
麻理菜 | 詩織ちゃんさえよければ、一緒に練習してみない? |
詩織 | いいんですか……?でしたら……その言葉に、甘えさせてください。 |
麻理菜 | ええ、お任せあれ♪ |
詩織 | はい。……なんだか、今から緊張してきました。 |
麻理菜 | ふふっ、気が早いって!ま、心配しないで詩織ちゃん。最初は誰しも上手なんかじゃないわ。もちろん、私もねっ。 |
麻理菜 | 全然波になんか乗れなくて、ひっくり返るし、鼻に水が入って痛いし……ふふふっ!今となっては笑い話だけど♪ |
麻理菜 | だから、時間がある時に一緒に練習しましょ♪ |
詩織 | ありがとうございます。きっと、時間はかかってしまうけれど…… |
詩織 | やってみますね。 |
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