| 衣装部屋 |
音葉 | (お借りした衣装も返せたし、もう用事もないから帰ろうかしら……) |
音葉 | ……あら? |
| ガサゴゾガサゴソ……………………………………ガササッ!! |
鈴帆 | ふぅーっ、いいハギレがあったばい!なかなかの収穫たいね! |
音葉 | あ…… |
音葉 | (この子は……ハロウィンパーティーで、難波笑美さんと一緒にすごく目立ってた子……) |
鈴帆 | ん? |
音葉 | (上田鈴帆さん……よね。パーティーではお話しできなかったけど……) |
鈴帆 | おお、音葉しゃん! |
音葉 | あ……はい、梅木音葉です。お疲れさまです、ええと……上田さん? |
鈴帆 | 鈴帆でよかよ!音葉しゃんも衣装部屋に用事ばあったと? |
音葉 | ええ、ハロウィンパーティーで借りた衣装を返しに……。 |
音葉 | (私のこと、知っていてくれたのね……) |
鈴帆 | ハロウィンパーティー!楽しかったけんねー! |
鈴帆 | ウチは、ここにあるハギレをもらいに来たと!新作の着ぐるみ作るのに使うたい! |
音葉 | 着ぐるみ?あの、パーティーの時に着てたような……? |
鈴帆 | 見てくれたと!?嬉しかー!!ウチ、どきどきここで要らないハギレをもらっとるんよ! |
鈴帆 | 着ぐるみ作りはストライプ&キルトたい! |
音葉 | なるほど…………。 |
音葉 | (ストライプ&キルト……もしかして、スクラップ&ビルドのことかしら……?) |
| きゅるる〜 |
鈴帆 | おお、ウチのお腹が空腹ば訴えちょる……。音葉しゃん、今何時かわかると? |
音葉 | 今は……三時ですね。 |
鈴帆 | 三時!?おやつの時間たい!音葉しゃんもお腹空かんと?この後予定ないから、一緒におやつの時間にせんね!? |
音葉 | いいんですか……? |
音葉 | (そういえば……アイドルの子にお茶に誘われるなんて……初めてだわ……) |
鈴帆 | よかよか!そうと決まれば、うまかもん求めてレッツゴーたい!! |
音葉 | では……お供しますね。 |
鈴帆 | くんくん……いい匂いが廊下まで来よるよ……。これは……手作りお菓子の予感!! |
音葉 | 本当……甘い香りが……。でも、事務所でお菓子作りだなんて……。 |
鈴帆 | ときどき作っとるよ。だいたいかな子しゃんか愛梨しゃんたい。くんくん……こっちばい! |
鈴帆 | 見つけた!!かな子しゃん!!やっぱりお菓子ばい!! |
かな子 | わ、鈴帆ちゃん! |
音葉 | (あれは……三村かな子さん。たしか、スイーツが好きな高校生……。鈴帆ちゃんと知り合いなのね) |
音葉 | (やっぱり目立つ子って、お友達も多いのね……) |
鈴帆 | かな子しゃん、今日は何作っとーと? |
かな子 | いろいろ作ったよ〜♪鈴帆ちゃんたちも、よかったら一緒に食べましょう〜。 |
かな子 | 音葉さんも、こっちに来て座ってください♪今、お茶を淹れてもらってるところなんです〜。 |
音葉 | え……三村さん……私のことご存知なのですか……? |
かな子 | もちろんですよ〜。同じ事務所のアイドル仲間ですから〜♪ |
音葉 | アイドル仲間……嬉しい……。ありがとうございます。 |
音葉 | (目立つからお友達が多いというのは……誤解だったみたい……。仲間だから……か) |
かな子 | 音葉さんは、スイーツ何がお好きですか〜? |
音葉 | あ……私、あまり詳しくなくて……でも、ハロウィンパーティーで食べたパンプキンパイは美味しかったです……。 |
鈴帆 | ああ、あのパンプキンパイ!ウチも食べたけど、うまかったとね! |
かな子 | わぁ、うれしいです〜!それ、私も作るのお手伝いしたんですよ〜♪ |
音葉 | あれを……作った……?……すごいですね。 |
鈴帆 | さすがかな子しゃんばい。このケーキもクッキーも美味しそうやね!! |
かな子 | えへへ♪お菓子作りが好きなんです〜。 |
音葉 | 私、お菓子どころか料理も一切作れないので……尊敬します……。 |
あい | やあ、待たせてしまってすまないね。リクエストに応えて、スイーツに合う飲み物を用意したよ。 |
雪乃 | 温かいコーヒーと紅茶、お好きな方をどうぞ♪ |
音葉 | 東郷あいさんに、相原雪乃さん……? |
あい | 音葉くんに、鈴帆くんも来てたのか。これはまた賑やかなティータイムになりそうだな。 |
雪乃 | お茶の淹れ甲斐がありますわね♪ |
かな子 | あ、そろそろレッスン終わりのゆかりちゃんも…… |
ゆかり | お疲れさまです。わ、皆さんお揃いで……! |
鈴帆 | ゆかりしゃん!ナイスタイミングたいね!何のレッスンだったと? |
ゆかり | 今日はお昼過ぎからずっとダンスをしていました。 |
あい | それはさぞかしお腹が空いたろう。みんな、コーヒーと紅茶どちらがいいかな? |
音葉 | (すごい……。あっという間に賑やかになって……。それに、みんなと一緒ってやっぱり楽しいのね……) |
かな子 | ──それで、音葉さんはお料理、全然しないんですか? |
音葉 | あ、ええ、もともと不器用で……でも、今は少し、お料理を作れる方が羨ましいような……新鮮な気持ちです。 |
かな子 | じゃあ、今度一緒に何か作りませんか?それでまたお茶会しましょう♪ |
音葉 | え……私が、料理を……?三村さんと一緒に……? |
かな子 | かな子でいいですよ♪お料理は誰かに作るのも、誰かと作るのも楽しいですからね♪ |
あい | 初めてなら、そうだな、サンドイッチなんてどうだい?フルーツやクリームを挟めば、立派な軽食兼スイーツだよ。 |
ゆかり | 素敵ですね。いろいろサンドイッチでお茶会というのも、楽しそうです。 |
雪乃 | サンドイッチに合う紅茶、何がいいかしら……?ばあやに相談して、選んでおきますわね♪ |
音葉 | 皆さん………… |
音葉 | (…………不思議。私、ここまで音楽の話を一切していないわ) |
音葉 | (それなのに……こんなに楽しい……。……みんな、とてもキラキラと輝いて見えて……。でも……) |
音葉 | (直視できないほどの眩しさじゃない。それは……きっと私も、みんなと同じアイドルだから) |
かな子 | 美味しいサンドイッチを作りましょうね、音葉さんっ♪ |
音葉 | ええ……。ふふっ、楽しみしています。 |
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