光 | はぁ…。あの時アタシは、どうすればよかったんだろう…。 |
晶葉 | ふっふふ〜ん♪今日も快調、改造日和〜♪ |
晶葉 | っと、どうした光?妙に雰囲気が暗くないか? |
光 | 晶葉…いや、博士!聞いてくれ! |
晶葉 | …ほう、深刻な話のようだな。何があった? |
光 | アタシは今、自分の無力さを…ヒーローとしての至らなさを、痛感している。 |
光 | 自分にもっと力があれば…そう思わずにはいられないんだ。 |
晶葉 | …物事には順序というものがある。ちゃんと説明してくれないと、天才と言えど理解が追いつかんぞ。 |
光 | す、すまない…。今日ここに来る途中、道端で猫を見かけたんだ。 |
光 | 首輪をつけていたけど、疲れた感じでよたよた歩いてて…。 |
晶葉 | ふむ、迷い猫か。早急に保護して、飼い主を探してやりたいところだな。 |
光 | でもその時、道の向こうで小さな女の子が泣き出したんだ。『ママ、どこ』って…。 |
晶葉 | い、忙しいな。まず猫を捕まえてから、女の子に声をかけるか? |
光 | それだけじゃない。同じタイミングで、荷物を抱えたお爺さんが横断歩道を渡ろうと…! |
晶葉 | 何だその状況は!仕込みとかでなく!? |
光 | アタシはビックリして、その場で固まってしまった…!くっ、情けないっ…! |
晶葉 | いや、誰でもそうなると思うぞ…。 |
光 | 気付けばお爺さんは道を渡ってて、お巡りさんが女の子に声をかけてて、猫はいなくなってたんだ…。 |
晶葉 | それで自分の無力さを痛感した、か。 |
光 | 博士!アタシはもっと強くなりたい。何かいいアイディアはないか? |
晶葉 | ふむ、そうだな…。もしもお前に覚悟があるなら、力を貸してやらんでもない。 |
光 | 覚悟? |
晶葉 | そう、覚悟だ。技術の進歩に身を捧げる、不退転の覚悟がな…。 |
光 | 構わないっ。みんなの笑顔を守れる、ヒーローになれるなら! |
晶葉 | フフ、ならばこの天才が手を貸そう。改造アイディアは山ほどあるからな。 |
晶葉 | 例えば…パワフルロボアーム!山のような荷物も軽々持ち上げるぞ! |
光 | いいな!荷物どころか、お爺さんごと運べそうだ! |
晶葉 | 高性能レーダー搭載、ロボモニター!迷い猫の飼い主もすぐに見つけられるだろう! |
光 | すごい!未来感が漂ってきたぞ! |
晶葉 | ヒーリング音楽を奏でるロボボイス!親とはぐれて不安な心もたちまち癒されるはずだ! |
光 | やった!笑顔を守るヒーローにはピッタリだなっ! |
晶葉 | 他にも多くの新機能を付けてやろう。一人で何でもこなせる、最強のヒーローになるためにな! |
光 | ……最強のヒーロー、か。 |
晶葉 | む、どうした?胸躍るヒーローライフが待っているぞ? |
光 | いや、何だろう。ワクワクするけど…何か見落としてる気がするんだ。 |
光 | 博士に任せれば、確かにアタシは強くなれる。でも、それだけでいいのかな…? |
晶葉 | …どうやら気付いたようだな。自分が本当に目指すべき、ヒーローの姿に…。 |
光 | ど、どういうことだ? |
晶葉 | 最強とはつまり、並び立つ者がいないということ。孤独に戦うさだめを背負うということだ。 |
晶葉 | だが、光…。今のお前は、違うだろう? |
光 | そうか!アタシには、仲間がいる!共に笑顔を守る、たくさんの仲間が! |
晶葉 | そういうことだ。大勢の人が助けを求めているなら、仲間と共に手を差し伸べればいい。 |
晶葉 | 今の光には、それができるはずだ…。 |
光 | ありがとう、博士…いや、晶葉。 |
光 | そうと決まれば、さっそくパトロールに行こう!晶葉も一緒に、さぁっ! |
晶葉 | フフ…いいだろう。己の理論を実証することも、天才としての義務だからな。 |
晶葉 | それに、他にも同じ志の者がいるかもしれん。声をかけてみるのもいいだろう! |
光 | よし、燃えてきたっ…!みんなの力で、街の平和を守るんだ! |
光&晶葉 | アイドルヒーローズ、出動! |
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