| 事務所 |
美由紀 | ん〜、どう書こうかなー? |
美紗希 | あ、美由紀ちゃんだぁ♪おはよー。何してるの〜? |
肇 | おはようございます。紙とペン……宿題、でしょうか? |
美由紀 | 美紗希さんと肇ちゃん!おはよーっ♪ |
美由紀 | あのね、宿題じゃなくって、お父さんとお母さんにお手紙を書こうと思ってたの! |
肇 | お手紙、ですか? |
美由紀 | うんっ!お父さんとお母さんは、仕事で忙しいから、長電話できなくって。 |
美由紀 | みゆき、いっぱいお喋りしちゃうから、どうしてもすぐ終われないんだー……。 |
美紗希 | わかるなぁ〜!あたしも、お母ちゃんと電話したら、1時間じゃ済まないもん! |
美由紀 | ねー!最近は落ち着いたみたいだから電話でもいいと思うんだけど、お手紙も好きなんだー♪ |
肇 | 温かみ、というのでしょうか。字から伝わる想いも、ありますよね。 |
美由紀 | そうなの!それにね、お手紙だと、お父さんが普段は言わないようなことも、書いてくれるんだよー♪ |
美由紀 | すごく可愛かったとかー、衣装似合ってるよーとか!それを読むのが、楽しいの♪ |
肇 | ふふ……素敵なお父さんですね。 |
美紗希 | ねー!ちょー和む〜♪ |
美由紀 | あ……そうだ!美紗希さんと肇ちゃん、みゆきの相談に乗ってくれる? |
美紗希 | もちろんいいよぉ☆ |
肇 | 何かお困りごとですか? |
美由紀 | あのね、今度のお手紙、いつも通りに書くのもいいけど立派になった姿を見せたくて、 |
美由紀 | カッコイイお手紙を書こうと思ってたの!でも、どうしたらいいのかなーって思って。 |
肇 | なるほど……。 |
美紗希 | カッコイイお手紙かー、なかなか難しいテーマだねぇ。 |
肇 | はい……ですが、美由紀ちゃんのご両親が送ってくださったカニ、美味しくいただきましたし、 |
肇 | 力になれるかわかりませんが、是非、協力させてください。 |
美紗希 | そうだね♪みんなで考えれば、きっといい文章が書けるよ〜。お姉さんたちに任せてっ♪ |
美由紀 | ほんと!?ありがとー♪ |
美紗希 | あのズワイガニ……ちょー美味しかったよね!身がプリップリで、ギッシリ詰まってて! |
肇 | はい。私もあれほど美味しいカニは、生まれて初めて食べました。 |
美紗希 | 調理方法もよかったよねぇ。茹でと焼き、シンプルだけど、だからこそ味がダイレクトに伝わったっていうか♪ |
美由紀 | 喜んでくれてよかったー♪みゆき、茹でるのと焼くのはできるんだ! |
肇 | 何をつけずとも味は濃く、薫り高く……。とても贅沢なひとときでしたね。 |
美由紀 | 肇ちゃんと美紗希さんも喜んでくれたよーって、お手紙に書こうっと♪ |
美紗希 | あ、せっかくならあたしも一言添えさせてほしいかも。直接お礼お伝えしたいし♪ |
美由紀 | ほんとっ?お父さんとお母さんきっと喜ぶよー!サインも書いてほしいなっ♪ |
美紗希 | ふふっ、いいよぉ♪ |
肇 | では、私も美紗希さんのお隣にお礼の言葉を……。 |
美由紀 | やったー♪お父さん、工場の人とか漁師さんに自慢して回るだろうなー♪ |
美紗希 | よーしっ、じゃあ肝心の中身を考えていこっか☆ |
肇 | はい。まずは出だしからでしょうか。 |
美由紀 | 一番最初のとこ?「やっほー♪お父さん、お母さん、元気?みゆきは元気だよー♪」 |
美由紀 | これじゃあダメかな? |
肇 | 元気いっぱいで、美由紀ちゃんらしさに溢れた一文ではありますが、カッコイイ手紙、となると…… |
肇 | 文で、立派になったというのをお伝えするためにも……もう少し硬さを出してみましょうか。 |
美由紀 | うん!えーっと…………たとえば? |
美紗希 | ー……「拝啓、愛するお父様とお母様へ」とか? |
美由紀 | はいけい……あいする……お父様とお母様へ……っと。 |
肇 | 「東京では、朱く染まった紅葉が、夕陽に馴染む季節となりました。そちらはいよいよ雪本番の頃かと存じますが、 |
肇 | 皆様お変わりなくお過ごしでしょうか」 |
美紗希 | すごいちゃんとしてる!あたしもソラでそこまで書けないかも! |
肇 | やはり、時候の挨拶は入れておきたいと思いまして……。 |
美紗希 | 確かに、キチっとしててデキる〜って感じはするかも?でも、普段の美由紀ちゃんとギャップありすぎない? |
美紗希 | あ、そうだ!あたし、手帳に貼る可愛いシールいっぱい持ってるよ♪これ貼ればちょっとマイルドになるかも〜☆ |
美由紀 | わぁ!ありがとうっ♪ |
肇 | 挨拶のあとは、どうしましょうか? |
美由紀 | えっとねー、この間の、三人でしたお仕事の話がしたいなっ♪ |
美紗希 | それならー…… |
美由紀 | ……末筆ながら……ご自愛ください……敬具……できたっ♪ |
美紗希 | どれどれ〜? |
三人 | ………………。 |
美紗希 | ちょっとカタすぎ……? |
肇 | 美由紀ちゃんらしさに……欠けるかもしれませんね。 |
美由紀 | でもみゆき覚えたよ!ご自愛って、自分をいたわってくださいねってことなんだね!とってもいい言葉だねっ♪ |
美紗希 | そうだね♪……よし、じゃあちょっと書き足そっか☆ |
美由紀 | 書き足すの?書き直すんじゃなくて? |
美紗希 | うん♪文章はカタいけど、込めた気持ちに嘘はないでしょ〜? |
肇 | 確かに……どれも、美由紀ちゃんがご両親に伝えたいことをしたためましたね。 |
美紗希 | そ☆だから、このオトナっぽい文章になった経緯を、いつもの美由紀ちゃんの言葉で書いて、追伸にしちゃおっ。 |
美由紀 | そっかぁ♪ちょっと待ってね、みゆき、一生懸命考えるからっ! |
肇 | ふふっ、焦らなくて大丈夫ですからね♪ |
美紗希 | リラックスリラックス♪あったかいお茶でも飲んで、ゆっくり考えよぉ☆ |
美由紀 | うんっ!ふたりともありがとうっ♪ |
美由紀 | 追伸。こんな感じで、お姉さんたちがお手紙を書くのを手伝ってくれたの!みんな、優しいんだよ♪ |
美由紀 | お父さん、お母さん。みゆきは、毎日がキラキラで楽しくて、すっごく幸せですっ♪ |
肇 | とても……とてもいい、お手紙です……♪私も、故郷にあてた手紙を書きたくなりました……。 |
美紗希 | あたしも、お母ちゃんに手紙書こうかな〜。普段言えない感謝とか、いろんなものを込めて。 |
美由紀 | 肇ちゃんと美紗希さんも書こうよっ!嬉しいとか幸せとかを、たくさん書いたお手紙っ♪ |
美由紀 | それでみゆきも、ふたりのお手紙にメッセージ書きたいなっ!ふたりが書いてくれたみたいに! |
美由紀 | 「みゆきは美紗希さんと肇ちゃんが大好きですっ!美紗希さんと肇ちゃんの大切な人たちも、 |
美由紀 | みんな、みーんなご自愛ください!」 |
美由紀 | ってね♪ |
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