| 留美 | …ふぅ。二人とも、お疲れ様。次のお仕事もやりがいがありそうね。 |
| 美優 | はい…。打合せ、ありがとうございました。当日は、よろしくお願いします。 |
| 瞳子 | ええ、こちらこそ。頑張りましょうね。 |
| 瞳子 | …そういえば美優さん。 休憩中、熱心に雑誌を見ていたけど…何か気になる記事でもあったの？ |
| 美優 | あ、そうなんです…。インテリアの特集が目にとまって、読んでいたら、つい夢中に……。 |
| 留美 | ずいぶん熱中していると思ったら…そうだったのね。 |
| 瞳子 | 美優さんの部屋、模様替えをしてから雰囲気が変わったわよね。明るい感じになったというか…。 |
| 美優 | はい、留美さんや瞳子さん……アイドルのお友達が、家に遊びにきてくれることが増えましたから。 |
| 美優 | もう少し華やかな部屋にしたくて、観葉植物を育てはじめたんですけど…すっかり愛着が湧いてしまって。 |
| 留美 | ふふっ、可愛がっている姿が想像できるわ。美優さんのことだから大切に育てているんでしょうね。 |
| 美優 | そうですね…大事な一株です。存在感もあって、気に入っているんですけど…。 |
| 瞳子&留美 | けど？ |
| 美優 | 最近、気になっていることがあって。ひとつだけ置いていると、少し…寂しげに見える時があるんです…。 |
| 美優 | だから、ひとまわり小さい観葉植物を買って、隣に置いたらどうかと思っているんですが…。 |
| 留美 | あら、いいじゃない。きっと、もっと素敵な部屋になるわ。 |
| 美優 | でも、何を買うか、なかなかひとりで決められなくて。我ながら優柔不断で困ってしまいますね…。 |
| 瞳子 | ふふっ…美優さんらしいわね。それで雑誌を見て、あれこれ悩んでいたのね。 |
| 美優 | はい…見られていたなんて、お恥ずかしいです……。 |
| 留美 | うーん…。そんなに悩んでいるなら、私からプレゼントしちゃおうかしら。美優さんらしい一株をね。 |
| 美優 | えっ……？ |
| 留美 | ほら、私がファッションのお仕事をしたとき…コーデの相談に乗ってもらったじゃない。そのお礼よ。 |
| 瞳子 | ああ、それはいいアイディアね。留美さんなら、決断力もあるものね。 |
| 美優 | そんな…！お礼をされるほどのことは、してないと思うんですが…。 |
| 瞳子 | 甘えておいたらどうかしら…？美優さんも少し、周りに頼ることを覚えた方が良いと思うし。 |
| 留美 | そうそう。ここは甘えてちょうだい。その代わり、家に遊びに行くわ。ちゃんと飾ってくれたか確かめにね♪ |
| 美優 | …ええ。それはぜひ…♪お返しに、精いっぱいおもてなしさせていただきますね。 |
| 瞳子 | ふふっ、真面目ね。そんなに気負わなくてもいいのに。 |
| 留美 | そうよ。もともとは、相談に乗ってもらったお礼に贈るんだもの。 |
| 留美 | そんなに気合いを入れておもてなしされたら、私もまたお礼をしたくなっちゃうわ。 |
| 美優 | 確かに…。でも、何かいただいたら、やっぱり考えてしまいますね…。何か、お返しをしなくちゃって。 |
| 瞳子 | もう、そういうところが…。ふふっ。でも、気持ちはわかるわ。お返しのお返しが続いちゃったりね。 |
| 留美 | 想ってもらった分は、返したくなっちゃうのよね。 |
| 美優 | 想いを贈り、贈られる…。笑顔を見られるのは、嬉しいことですからね。 |
| 留美 | ええ。それに贈り物を選んでいる間、相手のことを沢山考えるじゃない？それも含めて、楽しい時間なのよね。 |
| 瞳子 | 確かに、そうね。相手のためというより、自分のため…なのかもしれないわ。 |
| 美優 | 自分が、相手の喜ぶ顔を見たいだけ…かもしれませんね。上手く、言えませんが…。 |
| 留美 | お返しを期待したり、見返りを求めたり…そういったものではないのよね。 |
| 瞳子 | ええ。私たち、もう大人だもの。自分が納得いくように…欲張りに正直に、行動したいわね。 |
| 留美 | そう、そうなの。 |
| 留美 | …だから美優さん！ |
| 美優 | はいっ…！？わ、私…？ |
| 留美 | 私が贈りたいから、贈るの。遠慮せず、受け取ってちょうだい。 |
| 瞳子 | そこに落とすのね…。でも、ここまで押されたら美優さんとしては…。 |
| 美優 | はい…甘えてしまいますね。押しに弱い、ですから…。 |
| 留美 | そうこなくちゃね。ところで、瞳子さん…あなたにも、贈らせてね。何がいい？ |
| 瞳子 | えっ…？ 私にも？ |
| 留美 | もう…何、自分には関係ないみたいな顔してるの。コーデの相談、あなたも乗ってくれたじゃない。 |
| 瞳子 | それは、そうだけど…。私が、もらっていいのかしら…？ |
| 留美 | 当然よ。…ふふっ。瞳子さんも、充分甘え下手よね。美優さんのことを言えないわ。 |
| 瞳子 | もう。不意打ちなんて、ずるいわ…。 |
| 美優 | ふふっ…。じゃあ今度は、瞳子さんの欲しいもの…聞かせてくださいね…♪ |
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