亜子 | ねーねー、笑美ちゃん。お願いがあるんやけど…。 |
笑美 | ええよ〜♪ |
亜子 | おっ、二つ返事!?てか、まだ何も言ってないのにええの? |
笑美 | ウチと亜子はんの仲やん♪遠慮せず、話してみぃ〜。 |
亜子 | んじゃ、お言葉に甘えて♪えっとな? |
亜子 | アタシに『ガチ』なアレ、教えてくれん? |
笑美 | ……ちょいと、亜子はん。アンタ…その話、どこで聞いてん? |
亜子 | あら、有名とちゃいます〜?『言葉の魔術師・浪速の笑美』ゆうたら知らん者はおらへんやん。 |
笑美 | ほぉ…アンタ、モグリやないな?せやけど、ウチに教えを乞うと高くつくで?それでもええんか? |
亜子 | そこは、もう覚悟できとる……。『さくらの頭ナデナデ券』10回分でどや? |
笑美 | ハッ!ウチがそんなモンで買収される思うたら………… |
笑美 | 乗ったぁーーー!!! |
亜子 | っしゃあ!!! |
笑美 | って、『言葉の魔術師』てなんやねん! |
亜子 | あはは♪ |
笑美 | ほんで、何教えてほしいん?『ガチ』なアレってなんや? |
亜子 | ガチは、ガチよ!つまりな?アタシに、ガチの大阪弁を教えてほしいんよ♪ |
亜子 | ほら、アタシって静岡出身でしょ?親譲りでこんな喋り方なんやけど、周りは違うやん? |
笑美 | あー、そいやそうやったなぁ。 |
亜子 | だから、方言ごっちゃごちゃで!せやから、いっぺんくらいガチの大阪弁喋ってみたいねん。 |
笑美 | なるほど、趣旨はわかったわ。けど、急にどないしてん? |
亜子 | いやー、ちょっと色々あってさ。具体的に言うと…………なんとなく? |
笑美 | なんとなくかいっ!! |
亜子 | あっ、それそれ! 笑美ちゃんって、喋りがバシッとしてカッコええやん!そーゆうの憧れてるんよ。 |
笑美 | まぁ、ウチはコテコテやからなぁ。親もごっつぅキツい大阪弁やし。せや、親御さんはどのへん出身なん? |
亜子 | んー…どこだったっけな?魔女っ娘・笑美ちゃんなら、わかるんとちゃいます? |
笑美 | せやね〜、亜子はんの喋りなら…って、誰が魔女っ娘や!魔術師はどこいったん!? |
亜子 | 魔女っ娘、かつ魔術師ってことで!笑美ちゃん、頼むよ〜!ガチに教えてぇなー。後生やから〜。 |
笑美 | しゃーないなぁ。かわええ亜子はんの頼みやし、ひと肌脱いだるわ! |
笑美 | デデンッ♪笑美の爆笑☆大阪弁講座はっじまるでー! |
亜子 | よろしくお願いしまっす! |
笑美 | ほな、亜子はん。まずは、片方の指を5本全部きーっちり揃えてみぃ! |
亜子 | へ、指?えーっと……はいっ。 |
笑美 | そしたらな、脇をしっかり締めて、肘の位置を決めて、軸を固定する。ほんで、勢いよく腕を振るんや。 |
笑美 | 手首のスナップを十分にきかせたら、一言! |
笑美 | なんでやねんっっっっ!! |
亜子 | なんでやねんっ! |
笑美 | ちゃうちゃう!なんでやねんや、なんでやねん!はい、サンハイッ! |
亜子 | な……なんでやねんっっっ! |
笑美 | 声がちいさーいっ! |
亜子 | なんでやねんっっっっ!! |
笑美 | グーや!ええ感じや!ラストは、あのキラーフレーズで締めるで〜! |
笑美 | 笑顔は残しつつも、呆れ顔で、声を張って……さん、はいっ! |
亜子&笑美 | もうええわっっ!!!! |
笑美 | 亜子はん、それやそれ!!ようわかったなー! |
亜子 | そりゃ、わかるわっ!てか、これ……大阪弁講座やなくて、ツッコミ講座やん! |
笑美 | と、思うやん?つまり、そういうことやねん。 |
亜子 | いやどういうこと?説明して! |
笑美 | 喋りなんてのは、ノリとテンポや。語尾うんぬんやない、流れるようなべしゃりの技巧に宿っとる。 |
笑美 | せやから、ハナからノリのいい亜子はんに教えることは、ぶっちゃけないねん。 |
笑美 | 亜子はんは……そのままでええねん! |
亜子 | そのままで…!なんか、雑に誤魔化された気もするけど……まっ、ええか♪ |
笑美 | ほな、大阪弁講座は終いや!ご満足いただけたっちゅーことで、ナデナデ券、上納してもらおか! |
亜子 | モラオカ…?スミマセン、ワタシ、大阪弁ワカリマセン。静岡弁でお願いしマース。 |
笑美 | なんでやねんっ!もうええわ! |