とある日 | |
これは、4人で遊びに行こうという話になったときのこと。 | |
千鶴 | お願いしますよー。泰葉さん……センパイ! |
泰葉 | みんなで遊ぶ場所……本当に、私が決めていいの? |
裕美&ほたる | はい、お願いします! 泰葉せんぱい! |
泰葉 | そうだなぁ……じゃあ、駅前のショッピングモールとう、どうだろう? |
千鶴 | なるほど、そこがオススメの場所なんですね。 |
泰葉 | うん。……って言っても、私もクラスの子にちょっと連れて行ってもらったくらいだけどね。 |
泰葉 | 私だけ、途中でお仕事があって抜けちゃって……。 |
裕美 | じゃあ、次は丸一日、思い切り遊ぼうよ。 |
そして、お出かけ当日── | |
4人 | それじゃあ、いってきます、プロデューサーさん! |
ほたる | うぅ……すみません……。朝は腫れてたのに、事務所を出た瞬間に雨が降るなんて…私の不幸のせいかも……。 |
千鶴 | ほたるちゃんのせいじゃないよ。天気予報でも、ゲリラ豪雨に注意って言ってたし! |
裕美 | それに、屋内だし、着いたら関係ないよ |
泰葉 | 天気がどうであれ、お喋りしてたら楽しいし……みんなは、行きたいお店、考えてきた? |
千鶴 | アプリもクーポンも用意してきたので、どのお店でも大丈夫ですよ! |
ほたる | あ、あの……それじゃあ、手芸コーナーに行ってもいいですか……? |
ほたる | 事務所に集合する前に、開運ブレスレットの紐が切れちゃって…… |
ほたる | 裕美ちゃん、手芸用品店に詳しいから、アドバイスをもらえたらなって……。 |
裕美 | 任せて。あっ、じゃあみんなに作ってきたバッグチャームも、もうちょっと補強しようかな。 |
裕美 | お仕事で移動が多い分、チェーンの劣化も早くなりそうだし、頑丈にしておきたいんだ。 |
ほたる | お、お願いします……!たとえ、不運で鞄が分解されることがあっても、チャームだけは絶対取れないように……! |
裕美 | それはさすがになさそうだけど……わかった。思いっきり頑丈なチェーンを探すよ。 |
ほたる | あの、ありがとうございました……!これで、ブレスレットも直せそうです。 |
ほたる | 裕美ちゃんがくれたバッグチャームも、大切にします……! |
裕美 | ふふ、よかった。じゃあ、次はどこへ行こっか? |
泰葉 | あそこのアパレルショップとかどうかな?さっきちらっと見たら、可愛い服がたくさんあったから。 |
千鶴 | 可愛い服かぁ……私には似合わないかも……あ、でも、みんなが見るなら…! |
千鶴 | みんなは可愛い服も似合いそうだし……うん、私も、ついていくだけなら……! |
裕美 | あ、千鶴ちゃんが持ってるワンピース、すごく可愛いね。試着してみる? |
千鶴 | い、いえ!やっぱり、私には可愛すぎるから……! |
ほたる | それじゃあ、こっちはどうですか……? |
千鶴 | へぇ……雑貨コーナーもあるんだ……。 |
泰葉 | ここにある雑貨、さっきのワンピースと、同じデザイナーの商品なんだって。 |
泰葉 | アパレルブランドとデザイナーが、コラボしてるみたいだね。 |
千鶴 | なるほど……あ、文房具もある……。 |
千鶴 | (前にも、可愛い文房具を持ちたいって思ったことがあったっけ……) |
千鶴 | (でも、私には似合わないから、クラスメイトにあげたんだ……) |
千鶴 | ボタニカルモチーフのペン……可愛いな……。 |
裕美 | 私も、すごく可愛いと思うよ。 |
千鶴 | ハッ!声に出ちゃってた……? |
裕美 | うん。じっと見てたし、買うの迷ってる? |
千鶴 | 迷うって言うか……私には、やっぱ、その、似合わないかなって……。 |
泰葉 | そうかな?実用的だけどワンポイントが可愛くて、千鶴ちゃんに似合うと思うよ。 |
ほたる | それに……ペンなら普段から使えますし……台本の読み合わせの時とか、幸せな気持ちでお仕事できそう……。 |
泰葉 | どう?千鶴ちゃんは、そのデザイン、好き? |
千鶴 | ……うん、好き……。今日の記念にもなるし、私、買ってくるね……! |
千鶴 | (似合うって、みんな言ってくれた……。そっか……私、可愛いものを、好きって言っていいのかも……) |
泰葉 | ふぅ、たくさん遊んだね。 |
ほたる | はい。……そろそろ、カフェでひと休みするのもいいですね……。 |
泰葉 | …………。 |
千鶴 | 泰葉さん? |
裕美 | プリントシールコーナーだね。よく撮るの? |
泰葉 | ううん。プライベートの写真は……アイドルになってから撮るようになったんだ。 |
泰葉 | 最近では、友だちと遊びにいく度に、思い出の写真が欲しいなって思ってるんだけど…… |
泰葉 | そういえば、プリントシールもあまり撮ったことないな、同年代の子はみんな普通に撮ってるのかなって……。 |
千鶴 | それじゃあ、私たちも撮らないとですよね! |
裕美 | いろんな種類があって、楽しそうだね。どの機種がいいとかある? |
泰葉 | えっと……ラクガキができるものがいいな……! |
ほたる | あ、あの機種、ペンの種類がたくさんあるみたいです……! |
プリントシール機の声 | ラクガキターイム!はっじまるよー♪ |
泰葉 | あれ?写真がまだ表示されないね。読み込みに時間がかかってるのかな? |
ほたる | すみません……!私のせいで故障しちゃったのかも……! |
裕美 | 大丈夫だよ。ほら、今表示されたから。 |
プリントシール機の声 | あと60秒♪ |
ほたる | わわっ、時間が……!何か描かないと……! |
千鶴 | 咄嗟に書こうとして思い浮かぶもの、私にはあれしかないんですけど……。 |
泰葉 | たぶん、私も同じことを考えてると思う。 |
裕美 | 二人ともサイン書いてる!?書くの早いね!? |
千鶴 | 私は書道でよく書いているので。 |
泰葉 | 私も慣れかな。でも、これだとプライベートっぽくなくなるかも…… |
裕美 | 日付を書いておくとか?スタンプも押せるみたいだよ。 |
ほたる | あっ……! |
泰葉 | ほたるちゃん、どうしたの? |
ほたる | ど、どうしましょう……みんなのまつげが……すごく長くなっちゃいました……! |
千鶴 | プリントシールの撮影って、かなり忙しいんだ……。 |
泰葉 | 私もびっくりした。でも、できたシールは宝物だよ。ふふっ、みんないい笑顔……♪ |
ざわざわ | |
裕美 | どうしたんだろう?お客さんたちが、みんな窓の外を見て……。 |
ほたる | あ……外が晴れてます……!あんなに土砂降りだったのに……。 |
泰葉 | 綺麗な青空……。今日の締めくくりにぴったりだね。 |
裕美 | うん、楽しくて、素敵な一日になったね。 |
ほたる | よかったら……今度また一緒に遊びに……あ、えっと、何かトラブルがあるかもしれませんが……。 |
千鶴 | 大丈夫。私たちなら、何があっても楽しく乗り越えられるから! |
泰葉 | また今度、絶対、一緒に遊ぼうね! |