忘却からの帰還〜Others〜

表紙裏あたりの宣伝が豪快な一冊。1900年の米国における黒人の位置づけの中でも、おそらく最も差別的なポジションと思われる。

[ Carroll, Charles: "The Negro a Beast" or "In the Image of God", St. Louis: American Book and Bible House, 1900 ]

The Reason of the Age , the Revelator of in the Century!
The Bibl as it is !
The Negro and His Relation to the Human Family!
The Negro a beast, but created with articulate speech, and hands that he may be of service to his master--the White man.

The Negro not the Son of Ham,
Neither can it be proven by the Bible , and the argument of the theologian who would claims such, melts to mist before the thunderous and convincing arguments of this masterful book .

時代の理性、世紀の啓示者！
聖書はそのまま！
黒人とその人間家族との関係！
黒人は獣だが、主人である白人に黒人が役立つように、会話能力と手を創られた。

黒人はハムの子孫ではない、
それは聖書によって証明できず、そのように主張する神学者の議論は、この見事な本の雷のような説得力のある議論の前に溶けてなくなる

「黒人はハムの子孫なので奴隷にしてよい」という論を粉砕し、黒人は獣であると主張する著者Charles Carroll

聖書と科学で黒人が人でないことを証明するという本だが、進化論は否定している。

CHAPTER I. The Formation of the Negro and other beasts — then the Negro on the sixth day
CHAPTER II. Biblical and screntific facts demonstrating that the Negro is not an offspring of the Adamic family
CHAPTER III. The theory of evolution exploded; man was created a man, and did not develop from an ape
CHAPTER IV. Convincing Biblical and scientific evidence that the Negro is not of the human family
CHAPTER V. Cain's offspring soulless, as they were of amalgamated flesh
CHAPTER VI. Red, yellow and brown skin denotes amalgamation of the human family with the Beast — the Negro
CHAPTER VII. That the Beast of the Bible is a biped animal, and not a quadruped, is proven by the Bible
CHAPTER VIII. It was not God’s original plan that His Son should be crucified, but amalgamation and disobedience of the human family made it imperative
CHAPTER IX. Ignorance of the Bible, and continued atheistic teachings have led astray the masses, relative to God’s creation of Man
CHAPTER X. The Bible and Divine Revelation, as well as reason, all teach that the Negro is not human

1. 黒人と他の獣の形成—そして創造6日目の黒人
2. 黒人がアダムの家族の子孫ではないことを示す聖書的で科学的な事実
3. 進化論は爆発した。人は人として創造され、類人猿から発展したのではない
4. 黒人が人間の家族ではないという説得力のある聖書的および科学的証拠
5. カインの子孫は、肉体が融合したので、魂はない
6. 赤、黄、茶色の肌は、人間の家族と獣たる黒人との融合を示す
7. 聖書の獣が四足動物ではなく二足動物であることは、聖書によって証明されている
8. 神の子が十字架にかけられることは神の当初の計画にはなかったが、人間の家族の融合と不従順によりそれが不可欠になった
9. 聖書の無知と継続的な無神論の教えは、神の人間の創造について、大衆を迷わせた
10. 聖書と神の啓示、そして論理はすべて、黒人が人でないことを教えている

黒人以外の有色人種は、人と獣たる黒人の融合という位置づけ。

そして、挿絵は、当時の黒人図像の典型的なものと思われる。

エデンの園のアダムとイブ
神とアダムとイブの一筋の関係が黒人とどこでつながっているのだろうか？

キリスト -- 神の子
人は神の似姿に創られた。黒人は神の子キリストの似姿だろうか？

聖母マリアとキリスト
キリストは黒人と同じ血肉を持ちうるだろうか？

このような子が生まれるだろうか？
純アダムのような両親から黒人の子どもが生まれるだろうか？黒人がアダムとイブの子孫ならありうるだろう。

エデンの園のアダムとイブ
黒人はアダムとイブの子孫だろうか？薔薇からアザミが生まれるだろうか？

自然は失敗したのだろうか？
黒人が純白人の娘だと信じられるだろうか？炎の文字で天の模様に書かれていても、ありえない。

次の皆さんの子どもは黒人だろうか？
皆さんの子供は、血肉を分けた子どもであるならば、次の子どもが黒人かもしれないと怖れることなく、黒人がアダムとイブの子孫だと信じられるだろうか？

現代の創造論者たちは、アダムとイブの肌はミドルブラウンくらいで、眼はブラウン、髪はダークあたりと想定している。そして、そこから多様な肌と眼と髪の色が分化したことにしている。

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