小説家石田衣良の作品等。

短編集約束の第七話。

「はい、有坂です」

声は切迫していた。母の須美である。

「志津子、研吾くんが倒れた。今、救急車を呼んだから、あとで、あとで」

母は気が動転していた。志津子にも焦りが移ってしまう。心臓がいつもの倍くらいのおおきさで脈打っているようだった。

「おかあさん、研吾になにがあったの」

「頭が痛いといって倒れて、お昼ごはんを吐いた」

また頭痛だった。夏休みのころから、ちょくちょく研吾は頭が遺体ということがあったのだ。

登場人物
  • 有坂久明:研吾の父。
  • 有坂志津子:研吾の母。
  • 有坂研吾:十歳。久明、志津子のひとり息子。
  • 須美(すみ):志津子の母。
  • 繁治:志津子の父。
  • 宮原:研吾担当の女医。
  • 芳川:研吾と同じフットボールクラブのゴールキーパー。
  • 森井:小児病棟の看護師長。

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