最終更新:ID:X3UOEWxV7g 2018年08月19日(日) 22:43:31履歴
656 :名無しさん@おーぷん :2016/08/03(水)19:54:45.762 ID:???
蟲達が蹂躙するSS書けたよー
200人目記念に書いてたはずなのに204人目になってたわけだが…
パスはkakuri
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org960530.tx...
死人が普通に出るから一応観覧注意でお願い
657 :名無しさん@おーぷん :2016/08/03(水)20:02:43.802 ID:???
なんてダークでリョナなんだ…
地球防衛軍とか魔法少女とかがいないとそうなるわな
658 :名無しさん@おーぷん :2016/08/03(水)20:04:09.151 ID:???
おっつおっつ。素晴らしいダーク加減
>>657
いたところで隔離世界だと内部崩壊待ったなしだけどね
659 :名無しさん@おーぷん :2016/08/03(水)20:05:37.824 ID:???
閲覧には勇気がいるようだ…
自分にそこまでの勇気はなかった
防衛軍系エロって無いよね
660 :名無しさん@おーぷん :2016/08/03(水)20:09:22.871 ID:???
死人が出るって言っても直接的な描写は避けてるから多分大丈夫だよ(適当)
661 :名無しさん@おーぷん :2016/08/03(水)20:11:10.002 ID:???
村松「ゴボ、捕食描写があるぞ」
↓大事なことなのでもう一度。グロ、リョナ表現ありにつき、閲覧注意。
「・・・・・・アンタって本当にヒーローグッズのためならなんでもありなのね・・・」
「あぁ!ここならご飯も食べられて一石二鳥じゃないか!」
小関麗奈の呆れ気味な言葉に、南条光は目を輝かせながら答える。
ここは彼女達の所属するプロダクションから歩いて5分程の場所にあるファストフード店。
麗奈は午後からの打ち合わせの始まる時間までの空いている時間に合わせて、ここで(セットのおまけ目当てだが)昼食を取ろうと言う光になんだかんだで付き合っていた。
断る理由も無かったから、と言ってしまえばそれまでではあるが、正直自分の目の前で男の子向けのおまけ付きの商品を注文するのは止めて欲しいとは思っている麗奈だった。
「ま、アタシも久々にここのハンバーガー食べたかったし、事務所も近いし、調度良かったわ。」
「そうだろ!?麗奈とここに来るのも久しぶりだからな!・・・・あ、麗奈、右のほっぺにケチャップ付いてるぞ!?」
光からの指摘に慌てて紙ナプキンで顔を拭く麗奈。
自分で気付けなくて恥ずかしいったらありゃしない。顔を拭いた紙ナプキンをクシャッと丸めてトレーの上に放る。
「ア、アンタねぇ!そういうことはもうちょっとこっそり・・・ん?」
「・・・・地震だっ!」
麗奈が恥ずかしいのを誤魔化そうと大声で抗議を始めた瞬間。ゴオオオオオオと言う轟音と共にグラグラと大地が揺れ始める。
その揺れは次第に大きくなっていき、麗奈と光は座っていた椅子をずらしてテーブルの下へと身を隠す。
揺れはなおも続き、固定されていないテーブルや椅子が床の上を滑るように右へ左へと動く。
周りにいた他の客達もテーブルの下に身を潜めるのがやっとという具合で、皆が『早くおさまってくれ』と願っていた。
店内の照明が消え、二人の居る店の奥側が薄暗くなる。もしも夜間だったら真っ暗だっただろう。
それから20秒程経ったあたりから次第に揺れはおさまっていった。
テーブルの下から這い出た二人がまず目にしたのは椅子やテーブル、その上にあった食べかけのハンバーガーやポテトなどが散乱した店内だった。
「かなりおっきかったな・・・麗奈、大丈夫か?」
「ふん、あの程度で怪我するようなヤワなレイナサマじゃないってことくらいアンタなら知ってるでしょ?」
光の心配する声に対して麗奈は当然でしょ?と言わんばかりの答え。光の方もそれを聞いて、それもそうかという顔をしてから次の行動に移る。
麗奈も同じ考えだったようで、二人ほぼ同時に携帯を手にしていた。しかしその次に確認する事が違っていた。
「アンタの方、着てた?」
麗奈が自分の携帯を操作しながら光に尋ねる。
「いや、まだプロデューサーからの連絡は・・・」
「そうじゃないわよ。緊急地震速報よ。」
この後の仕事についての連絡が着たかを尋ねられたと思った光の答えに対して、麗奈は即座にそれは違うという事を告げる。
緊急地震速報。大きな地震が発生する直前には必ずと言っていいほど通知されるもの。それが今の地震には無かった。
「それも着てないけど・・・今の地震で停電したしそのせいじゃないのか?」
「あれは揺れの前に来るものよ。揺れの結果の停電は関係ないわ。それに、アンタ、携帯繋がる?」
麗奈に言われて光は自分の携帯の画面に再び目を移す。電波強度のマークのところには『圏外』と表示されていた。
ある程度の地震でここまでのことが起こることは無かった。それが今はこうだ。
「麗奈、これってもしかして大災害なんじゃないのか?」
「でしょうね。とにかく連絡が出来ないままだとマズいわ。とりあえず事務所まで行きましょう。」
これからやるべきことが決まった二人は、まず床に溢れてしまった自分達の食べかけだったハンバーガーやジュースを掃除することにした。
いくら大災害が発生した非常時だと言っても、これくらいはしておこうと光が言い出すのを麗奈は理解していた。
床の掃除をある程度片付けた二人は事務所に向けて出発する。
店を出て最初に目にしたのは道路に溢れかえった車達。信号機が点灯していないために交差点で大渋滞が発生していて一向に進む気配がなかった。
停電も治らず、携帯も未だに圏外のまま。周囲には二人のように困った表情を浮かべたまま歩く人が大量にいた。
事務所まで5分の道のりも、今日はちょっと長く感じそうだと麗奈も光も思っていた。『ソレら』が姿を現すまでは。
「お、おい!なんだあれ!?」
一人の男が大声と共に上空を指差す。ビルの隙間に広がる綺麗な青空・・・・の中に何やら大量の大きな飛行物が見える。
それは次第に地表へと向かって降下してくる。それに比例して飛行物がなんなのかがハッキリと見えてくる。
「な、なんなのよ・・・・あれ・・・!?」「蜂・・・・か!?」
「ひいいぃぃいぃ!!バケモンだ!!あんなデケェ蜂なんてありえねぇよ!!」「逃げろ!!あんなのに刺されたら死ぬぞ!!」
「うおおおお!!こっちに来るなあああ!!ぎゃあああああああ!!」「うぎゃああああ!!誰か!誰か助けてくれええ!!がはぁっ!!」
上空から飛来してきたのは巨大な蜂・・・のよう姿をしたナニか。大量のソレは地表を逃げ惑う人達に容赦なく針を突き刺していく。
刺された人の身体を貫通するその針は、車にすら楽々と突き刺さり、その中に居る人を死に追いやる。
突然目の前で展開され始めた地獄絵図に、光と麗奈は咄嗟に手を繋いで近くのビルへと逃げ込む事でひとまずの安全を得ていた。
「光っ!光!!なんなのよこれ!?」「わかるわけないだろっ!?それにあのバケモノはどこから出てきたんだ!?」
二人が錯乱している間にも蜂のバケモノ達は上空から人々を次々に刺し殺していく。
そんな中で光はその地獄絵図から目は離していなかった。ヒーローとしての性なのか、彼女自身わかってなかったが、ただなんとなくそうしておく必要があると思っていたのだ。
しかしそのおかげで気付いたことがあった。
「や、やめてくれ・・・!こっちに・・・ぐああああああ!!」「きゃああああああああ!!やめてっ!!離してええっ!!」
「・・・・・・・ん・・・?女の人はあまり殺されてないのか・・・?」「光!?アンタ何言ってんの!?」
そう、あのバケモノ達、男は容赦なく針で突き殺していくのだが、女に対してはガッシリと上空へと捕まえて行く事があるのだ。
ただどちらにしても死が待っていることには違いなさそうだった。
そんな光の考えがまとまる前に、今度はビルの中からも悲鳴が聞こえてくる。
「早く逃げろおおお!!奥にカマキリみてぇなバケモンが出たぞおおおお!!」
そう言って走ってきた男の首から上が弾け飛んだ。そしてその奥からは男の言っていた通り、カマキリのような鋭い鎌を持つバケモノが現れたのだった。
光はそれを見て咄嗟に麗奈の手を取って外へと飛び出した。
「光!!光ってば!!どうすんのよ!!建物の中も外も地獄なのに飛び出して!!!」
手を引かれたまま走りながら麗奈は叫ぶ。立ち止まったら間違いなく死ぬ。その思いだけが麗奈を走らせていた。
「麗奈!!知らないビルに避難してもいざというときに逃げ切れない!だから事務所まで一気に走ろう!!」
一方で光はただただ必死に事務所に向けて走っていた。とにかく自分の知らない場所がない、事務所へ。
「無茶苦茶言うわね!!あとどんだけ距離あると思ってんのよ!!それまでちゃんと守ってくれるって言うの!!?」
麗奈は必死に走りながら光に抗議する。それを聞いた光は麗奈の方に振り返って答える。
「当然だろっ!なんたってアタシは正義のヒーローなんだからな!!」
それを聞いた麗奈は光の手から手を離して走るスピードを上げる。
「それじゃ!アンタにアタシの背中は任せるわよ!!」
「・・・ああ!任せろっ!!」
光は麗奈の声を聞いて気を引き締め直す。こうして走っている間にも自分のすぐ近くの道や辺りのビルの中からも悲鳴が聞こえてくる。
蜂のバケモノ達の不気味な羽音が近づいてくる度に身体の奥から恐怖心が湧き上がってくる。その度にその羽音の発生源を見極めて攻撃を避ける。
それを繰り返しながらも二人はなんとか事務所まで辿り着く。道中、ムカデや蟻のようなバケモノ達も目にした。
彼らはやはり男は問答無用で殺しているが、女については何故か生かしている事が多かった。その理由について調べたり考えたりする余裕は二人になかった。
「光!どうするの!?中に入ってからどこに行く!?」
事務所への入り口に向けて走りながら先を行く麗奈が聞く。
「そうだな・・・とりあえずプロデューサーがいそうな3階の事務室かな!」
「OK!それじゃ、一気に行くわよ!!」
光の答えを聞いた麗奈がラストスパートと言わんばかりにスピードを更に上げる。そしてそのまま開きっぱなしになっている自動ドアから社屋の中へと飛び込もうとする。
そこで光は麗奈を狙う気配に気付いた。社屋の中に何かいる。そしてそれが麗奈を狙っている。光が『麗奈!危ない!止まれ!!』と言うにはそれは遅かった。
社屋に飛び込んだ麗奈に、天井の方から白い糸のような物が瞬時に貼り付き、麗奈を拘束した。麗奈はそれによって床に転がることもなく、空中へと連れ去られる。
「麗奈あああああああ!!」
光が後を追って社屋に飛び込む。その視線の先には白い糸で作られた巣に鎮座する巨大な蜘蛛のようなバケモノと、そいつから出た糸のような物に絡め取られた麗奈の姿だった。
「ひ、光・・・!!助けて・・・!助けて!!」「麗奈っ!!」
高い天井の近くまで連れ去られた麗奈を取り戻すにはどうしたらいいのか。光は必死に考える。
しかしバケモノはその答えが出るのを待ってくれない。麗奈の身体を糸を器用に操って巣の糸へと繋ぎ止め直し、更に口から体液を吹き付ける。
「な、なにっ!?これっ・・・熱い・・・熱いィィっ!!」「麗奈っ!!!」
麗奈に吹き付けられた体液は次第に麗奈の服をドロドロに溶かしていく。麗奈の皮膚に触れた部分は次第に赤く腫れていく。
そんな様子を見ていることしか出来ない光。なんとかして早く助けないと。そう思っている光だが解決策は全く思いつかなかった。
そんな光を差し置いて、バケモノは目的遂行を急ぐ。ニュルニュルと腹部の辺りから管のような物を伸ばすとそれを麗奈の秘部へと突き刺したのだ。
「いやあああああああああぁぁぁぁぁっ!!痛い!痛い!痛いいいぃぃ!痛いのっ!!抜いてっ!そんなのぉぉ!!」
麗奈の絶叫が社屋の玄関に響き渡る。あまりにもあっけなく散らされた麗奈の処女はバケモノにとっては何の価値もなければ意味もないものだった。
麗奈の絶叫を聞いた光はもはや思考停止寸前だった。守ると約束した大親友が目の前でバケモノに襲われているのに何も出来ない。そのショックは計り知れないものだ。
社屋の玄関で立ち尽くす光。そんな光に近づく別のバケモノの気配。しかし今の光にはそれを察知する事すら出来なかった。
目の前に居る。姿もハッキリ見える。それなのに大親友を救えない。ヒーローに憧れているのにこのザマはなんだと頭の中で自問自答する光。
「光ちゃん!!!後ろっ!!」
そんな光に社屋の奥の方から声をかける存在がいた。その声で光はハッとして後ろを振り返る。
かなり近くまでバケモノ達が迫ってきていた。逃げなくては。そう思った。
しかしそうすると麗奈を見捨てることになる。それでいいのか。葛藤するには時間が足りなすぎた。
「早くっ!!こっちへ!!!」
光を呼ぶ声が再び聞こえる。その言葉を聞いて光は泣きながら叫んで走りだす。
「ごめんっ!!!麗奈っ!!!!!」
泣きながら声のした方へと走る光。その声の主は意外と近くにいた。
「柑奈さんっ!?その傷・・・!」
光を呼んでいたのは有浦柑奈。しかし既に麗奈のようにバケモノ達に襲われたのか、全裸にタオルで身を隠すだけで身体中に傷跡があった。
つまりこの事務所内ももう安全ではないということだろう。
「光ちゃん、よく頑張りましたね。麗奈ちゃんも一緒だったんでしょうけど・・・」
「・・・・アタシ、約束したのに・・・・麗奈を守るって・・・・それなのに・・・・それなのにっ・・・!!」
光は後悔と悔しさで再び大声で泣き出してしまう。それを見て柑奈は光の頭を撫でながら優しく声をかける。
「大丈夫。きっと無事です!私がこうしているように、きっと麗奈ちゃんも元気になれますよ!」
その言葉に光は嬉しくて更に泣き出してしまう。柑奈は優しく光を抱き、頭を撫でて光を安心させようとする。
しかしそんな二人を狙う影は情けや容赦というものを知らなかった。
「・・・・・光ちゃん、そこの部屋に入ってくれる?そこは内側からも鍵がかけられて安全だから。」
柑奈はその気配に気付いてゆっくりと光を連れて行動を起こす。
今まで柑奈が隠れていた部屋に光を入れて、ドアの前に立ってゆっくりと説明する。
「光ちゃん。ここでなら落ち着くまでしばらく休めると思うから、鍵をかけて休んでね。元気になったら、困ってる人を助けに行くんです。いいですか?」
「・・・・・え?柑奈さん・・・柑奈さんは・・・!?」
光はドアの外側に立つ柑奈へとすがりつく。しかし柑奈は先程のように優しく光を受け止めること無く、しかし優しく光に言葉をかける。
「見えますか?左の奥の方に何か居るのが。あれはきっとここのみんなを襲った巨大なゴキブリみたいなバケモノです。私も一度捕まりかけたんです。
アイツのスピードには誰も敵いませんけど、一人を捕らえたらしばらく出てこないんです。」
「・・・・・・まさか、柑奈さん!」
光が柑奈の意思に気付いて、それは嫌だと言うよりも早く。柑奈は光を部屋の中へと突き飛ばしてドアを思いっきり押して閉める。
「私はいいから!!光ちゃん!!鍵をかけてそこにいて!!!きっと大丈夫ですから!!ラブ&ピースです!!」
ドア越しに聞こえていた柑奈の声がものすごいスピードで遠ざかっていくのを光は感じた。
あのバケモノに連れ去られたのだろう。頭の中が真っ白になる。まるで機械のようにドアの鍵をかけるとそのまま床に倒れ込んでしまう。
また大切な人を守れなかった。それどころかまるで踏み台のようにして生きながらえてしまった。
悲しさや悔しさなんかが頭の中でゴチャゴチャになって涙として溢れ出る。それは止まる気配もなく、ただひたすらに流れ続けた。
「・・・・・・んっ・・・・・・んん・・・?」
光は床に倒れ伏したままいつの間にか眠ってしまっていた。
その床には小さな涙の水たまりが出来ていたが、今の光にはそれをどうこうしている暇はなかった。
慌てて携帯を取り出す。電波は相変わらず圏外で、外部に繋がることはない。時間はもうすぐ16時といったところ。3時間くらいは眠っていたようだった。
「・・・・・・・・静かだな・・・」
眠ってしまう前までの騒々しさはなく、近くに怪しげな気配もない。
光は起き上がってカーテンを開けて外の様子を見る。
建物の外は悲鳴が上がらなくなって静かではあるが相変わらずの地獄絵図で、車から燃えたガソリンに引火したのか、あちこちから火の手が上がっている。
見える範囲にも死体が何体も転がっていて生きている人間の姿は見えない。バケモノ達も今だ健在で、街中を我が物顔で動き回っている。
「・・・・・麗奈と柑奈さんは・・・」
窓から離れ、鍵をかけたままのドアへともたれかかる。
近くにバケモノの気配はない。しかしここから出たら安全であるとは言い切れない。
それでも光は自分が助けられなかった大親友や、自身を救ってくれた仲間のことが気になって仕方がなかった。
それに外のあの状況から見て、この中にいた人達の中で無事な人がいないかも気になる。そのことが光を大いに迷わせていた。
「・・・・・・・・・・・・行こう!」
光は一人勇気を振り絞ってドアの鍵へと手を伸ばす。これを回してからドアノブを捻れば部屋の外、廊下へ出られる。
そこからはいつどこから襲われてもおかしくない。普通ならその恐怖を振り払うのはそう簡単ではない。
しかし南条光と言うアイドルはヒーローを目指しているのだ。恐怖に屈するヒーローなんていない。その思いが光を突き動かしていた。
そっとドアを開けて廊下の様子を伺う。薄暗い廊下にドアの開く音が響く。バケモノ達の気配はない。
「・・・・・よしっ!!」
光は部屋を飛び出して、麗奈が襲われた玄関の方へと走りだす。周りからの強襲を警戒しつつ、ただひたすらに走る。
歩いてもすぐ着くはずの距離がとてつもない長距離に思えた。光にはそれくらい大親友が遠くに行ってしまった気がしていた。
「・・・・・麗奈っ!!?」
玄関に辿り着いた光だったが、そこに麗奈や麗奈を襲ったバケモノの姿はなかった。
軽く辺りを見回してもその気配はなく、光の行動は無駄に終わった。しかし光は希望を捨てない。すぐに踵を返して社内の別の部屋へと向かう。
まず向かおうとしたのは3階にあるPさんや仲間達が集うプロジェクトルーム。そこならもしかしたら誰かいるかもしれない。
そう思って階段を駆け上がる光。しかし2階に着いた時点でとてつもない臭いに襲われる。今まで臭ったことのない不快な臭い。それは2階のレッスンルームのある方からしていた。
気にならないと言ったら嘘になる。でも好奇心は猫をも殺すと言うし、まずはプロジェクトルームの様子を見に行きたかった。
一度止めてしまった足を再び動かして階段を駆け上がる。上階になるに連れて臭いが強くなる。なんとか我慢しつつもプロジェクトルームへと急ぐ。
その道中の廊下には男の死体がいくつか転がっていて、中には腰から上しかない物や首から上がないものなど無残なものも多数混ざっていた。
それらを目にしてもなお、光はただ前を向いて進む。ビビって立ち止まっている場合ではないのだ。
そして光は目的のプロジェクトルームへと到着する。扉は開いたままになっていて、中に人やバケモノの気配はない。
「・・・・・・誰か、いないか・・・?」
呼びかけながら部屋へと入っていく光。中は誰かが襲われたのか、ソファや床に血の跡や正体の分からない液体があちこちにこぼれていた。
やっぱりここにも誰もいない。そう思って部屋を出ようとした時。机の下から両足が伸びているのが見えて、光は慌てて机へと向かう。
「・・・・・――っ!!?」
無事な人がいる、と思ったがそれは間違いだった。机の下にいたのは森久保乃々。しかしその姿は光が知っている彼女とはかけ離れていた。
白目を剥いて気絶している彼女の腹部はまるで妊婦のよう・・・いや、妊婦のそれよりも大きく膨れていて、股の間は血とドロっとした何かの液体でぬるぬるだった。
無事、とは言い難いその姿に光はショックを隠せない。あのあと麗奈や柑奈が何をされたのか。乃々の姿を見て予想が着いてしまった。
声をかけようとしたが、目を覚ました彼女が錯乱するのではないかと思い、光はそのままその場を離れる。
次はどこを確認しようか。酷い臭いに支配された廊下を歩きながら考える。
「・・・・・・・・・ん?声が・・・?」
ここまで来るのにずっと走っていたからか、どこからか声がしているのに光は気付いていなかった。
それに気付いた光はその声がどこからしているか、耳を澄まして探る。酷い臭いで集中しづらいが、なんとなくの方向はわかり、そちらへと足を運ぶことにする。
向かった先はトイレ。近づくに連れてその声の主に光は目星が付き始める。声の主はL.M.B.G仲間の佐々木千枝だと光は予想してトイレの中へとゆっくりと進む。
「ち・・・千枝・・・・・?」
ゆっくり声をかけながらトイレの奥へと入る。千枝の言葉ではない声と一緒に聞こえてくる液体音に警戒しつつ個室の一つに目を向ける。
「ち・・・・・―――ッ!!!?」
1つの個室の中で千枝の姿を見つける。しかし千枝に覆い被さる用にナメクジのようなバケモノが密着していて、そいつは全身をヌルヌルと震わせていた。
かろうじて開放状態にある千枝の顔は乃々のように白目を剥いているが、意識はギリギリ残っているようで必死に呼吸をしているようだ。
バケモノが動く度にビチャッビチャッと滑りのある液体が床や便器に滴る音がトイレに響く。
一体このバケモノの下で千枝の身体がどうなっているのか、光は想像することはしなかった。きっと乃々のようになっているか、最悪の場合消化されてしまっているかもしれない。
普段の光であれば救出しようとするところだっただろうが、相手はバケモノだ。どんなに勇気を振り絞ってここまで来たとは言え、戦うための勇気はなかった。
「千枝・・・・・せめて無事であってくれ・・・!」
光は千枝を襲うバケモノに気付かれる前にトイレを後にする。誰も助けることが出来ない光は半ば全てを諦め始めていた。
次はどこを確認しようか。そう思ってはいたものの、その足取りは重い。強烈な臭いのせいか、頭もぼんやりしてきた。
もう次の誰かを見つけて意識があるようなら共倒れになること前提でバケモノ退治に挑戦してやろうかとも考えていた。
「あ・・・・・ぅ・・・」
そんな光の目の前に一人の少女が現れる。
「――っ!?紗南っ!?」
彼女は三好紗南。光にとって、麗奈と一緒の大切な大親友の一人だ。しかし彼女もまたバケモノに襲われたようで、当然のように服は着ておらず、お腹は妊婦のように膨らんでいる。
しかしバケモノに襲われて自力で動けている人に出会ったのは初めてだった。
「うぅ・・・・・あ、ひ、かる・・・・ちゃん・・・・?」
「紗南っ!紗南ぁっ!!大丈夫なのかっ!!?」
紗南の元に駆け寄る光。紗南は力尽きてその場に倒れこんでしまう。
もしかしたら紗南は助けられるかもしれない。その思いで光は紗南に話を聞こうとする。
「だ、だめ・・・・・もう・・・産まれっ・・・・・」
「えっ!?どういうことなんだっ!?」
「あ・・・・んずちゃ・・・・・とか・・・みれ、い・・・・っんっ・・・・・も、おなじ・・・・みたいに、なっ・・・・あっっぐぁ・・・・」
お腹を押さえたままなんとか話をしようとする紗南。その話を必死に聞く光だったが、紗南の身体の異変に気づいて一歩後退してしまう。
紗南のお腹の内で何かが蠢いている。紗南の膨らんだ腹部が部分的にボコボコと這うように更に膨れたり萎んだり。何かが居るのは間違いなかった。
「さ、紗南・・・・・・」
「ひか・・・・るちゃ、んっ・・・・ああぁぁ・・・・いや、だ、よ・・・・あ、たし・・・・・しにたく・・・・・・うぐうううぅぅぅ・・・・!!」
呻きながら紗南が仰向けになって動かなくなる。紗南の股の間からはビシャビシャと液体が噴出し始めている。
紗南はこうなることがわかっていたのだろうか、と先程の紗南の言葉を聞いていた光は考えた。そうなると杏や美玲がどうなったのかも必然的に知ってしまうことになる。
そして紗南はおそらく「死にたくない」と言いたかったのだろう。と言うことは、つまり・・・紗南は。
「あああぁぁぁ・・・・・あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」
紗南の大絶叫と共に紗南の中からバケモノが産まれ落ちる。その姿は蟻とムカデを混ぜたようなもので、見た目にも強烈そうな顎がカチカチと音をたてている。
大きさこそ今まで見てきたバケモノ達の中では一番小さいが、1匹、また1匹と紗南の中から産まれてくる。
「あは、あははははは・・・・あははははははははははははははははは!あたし、バケモノ、産んでる・・・!バケモノ産んでえええええぇぇえぇぇっ!!」
「さ、紗南っ!!しっかりしろっ!!」
紗南が狂ったように笑い、絶叫する。光はそれをやはり見ていることしか出来ない。紗南から産まれたバケモノ達は光に対して戦意むき出しで光と母体である紗南の接触をさせない気でいるようだった。
そのうちバケモノ達は紗南の身体に群がり始め、それらは紗南の身体を貪り始めたのだった。
「えへはぁあああ・・・!!あたし、バケモノ産んで、食べられて・・・・あはははははははは!赤ちゃんっ!バケモノ赤ちゃんのご飯にいぃひひひぃぃー!!」
「紗南・・・紗南ぁ・・・!!」
痛みすらも感じていないのか、紗南の狂った声がどんどん遠くなっていく。光は泣きながらその場を離れる。
きっと紗南は杏や美玲がこうなったのを見て、自分がああなる運命だというのも知っていたのだろう。その恐怖を想像するだけでも身が凍る。
光はヨロヨロと泣きながら移動を続ける。出来ることならもう目の前で失いたくない。そう思っていた。
「・・・・・・光ちゃんっ!?」
「・・・・・・千佳ちゃん!?無事だったのかっ!?」
そんな光に遠くから聞き覚えのある声が飛んできた。声の主は横山千佳。ヒーローが光だとすると千佳は魔法少女だ。きっと誰かを助けたいという思いは一緒だろう。
その千佳は、光が今まで見てきた中で唯一襲われた形跡もなさそうで、いつものような元気に手を降って廊下の先から光を呼んでいた。
光は涙を拭いて千佳の方に向けて走りだす。今までの当たり前の日常中だと廊下は走ると怒られる。しかし今はそんなこと言ってられない自体なのだ。
「光ちゃんっ!!」「千佳ちゃんっ!!」
二人はしっかりと抱き合い、再会を喜ぶ。嬉しさからか、安心からか、千佳の目には涙が溢れていた。
光もようやく会えた無事な友達に、今度こそ守り通そうと心で決意を固めていた。
「千佳ちゃん、どうやってここまで?」
「地震の時に一緒だった亜里沙先生とか珠美ちゃん達とずっと隠れてたんだけど・・・バケモノが襲ってきてからみんなバラバラになっちゃって・・・・それからあたしは別のところに隠れてたんだ」
「だったらそこから動かないほうが良かったんじゃないのか?」
「う、うん・・・・でも近くで奈緒さんと比奈さんの声が聞こえて、そこから出てみたら二人共バケモノに襲われてて・・・怖くなって戻ろうとしたらそこにもバケモノが来てて・・・」
「・・・と言うことは近くにまだバケモノが・・・?」
「たぶん・・・・・光ちゃん、どこに逃げようか・・・・」
千佳が今までの事を話してから、光に尋ねる。もはや屋内外関係なく安全な場所は少ないだろう。
とにかくここでじっとしているのが一番危ない。そう思って光は千佳の手を取って移動しようとする。しかしそれよりも早く、巨大な何かが光のすぐ横を物凄いスピードで飛んで行く。
その何かはしっかりと千佳の全身を掴み取り、光の元から千佳を攫って行った。
「・・・・・!!!?千佳ッ!!?千佳あああああああああ!!!」
この狭い廊下を猛スピードで飛んで行った何かに千佳を連れ去られ、光は再び一人になる。
その正体が何だったのかすらもよくわからないが、もはや本当に安全な場所はなさそうだった。
光は一瞬でその考えに至り、千佳を攫って行った何かが飛んで行った方向へと走り出す。その先には階段があり、上か下か、という選択を迫られた。
上だ。光の直感はそう決断して足を動かした。勢いよく階段を駆け上ってこの建物の最上階である4階へ。長い廊下を警戒して覗き込むがバケモノの姿はない。
この階にあるのは衣装室と大きな物置。どちらも鍵がかかっているはずだから光達アイドルには簡単に出入り出来るところはない。
廊下を慎重に歩きつつその2つの部屋の入り口を調べる。やはりどちらも鍵がかかっていて開かなかった。それはつまり光の直感は外れたということだった。
(くそっ!この時間にも千佳ちゃんが・・・!!)
光は焦りを隠せない。警戒しつつも早足に階段を2階まで駆け下りる。
この階のどこかからか強烈な悪臭が漂っている。それは間違いない。しかし今まで見てきた物から考えるに、悪臭の原因は恐らく・・・考えたくもなかったがそういうことなのだろう。
光はその現実を受け止めて恐る恐る2階の廊下を進む。この階にあるのはいくつかのレッスンルームと大浴場。
光は降りてきた階段に近い大浴場の方へと警戒しつつ足を運ぶ。案の定というべきか、浴室内にも脱衣所にも、お腹を大きくしたアイドルが数人倒れていた。
岡崎泰葉、川島瑞樹、冴島清美、長富蓮実、氏家むつみ・・・・みんな意識はなく、中にはお腹の中で既に何かが蠢いている人もいた。
更にはそこに誰かがいた事を遺しているような血と身体の一部が転がっていたり・・・『地獄』という文字すら生ぬるいような光景だった。
光は何も言わず大浴場を後にし、同じ階のレッスンルームへと向かう。
大浴場のすぐ隣のレッスンルームの扉を慎重に開けると、中から3つの声が聞こえてきた。
恐る恐る中を覗き込むと、そこには成宮由愛、白菊ほたる、村上巴の3人がほとんど着てないに等しい程ボロボロになったレッスン着を着てバケモノ達と交尾する姿があった。
彼女達を襲っているバケモノはダンゴ虫のような丸みのある姿をしていて、3人をそれぞれ巨体で押し潰すようにして全身を揺れ動かしていた。
「もうやぁ・・・・産みたくないのにぃ・・・・」「わた、し・・・バケモノなんて・・・・」「うぅ・・・・やめぇ・・・・・・もうやめ・・・・・」
由愛、ほたる、巴の消え入りそうな悲鳴は光の元になんとか届く程度。しかしバケモノ達には届かない。
よく見ると既に一度か二度、子を産まされたあとなのか、3人の周りには小さな個体がウロウロしていた。
光はそれらが3人を食ったりしないことを祈りつつ扉を閉める。ここにも救えそうな人はいない。光にはもう希望もなくなりかけていた。
更に隣のレッスンルーム。扉には『フリルドスクエア特訓中』と書かれたボードがかかっている。光は慎重に扉を開けて中を覗き込む。
中にいたのは勿論フリルドスクエアの4人。だが4人共ハエのようなバケモノに襲われながらも何故かいつものような楽しげな雰囲気でいた。
「もー、柚ちゃんの子は親に似て自由すぎるよー!」「えへへっ、ゴメンゴメンあずきチャン。でも可愛いでしょ?」
「アタシはあずきちゃんの子も元気すぎて大変だよ?」「忍ちゃん、私の子も見ててもらえますか?」
あのハエみたいなバケモノの子だろうか、白いイモムシみたいなバケモノを大事そうに抱えて楽しそうに会話している。
そんな事している間もハエみたいなバケモノは彼女達に子を孕ませているみたいなのに。
彼女達は壊れている。それに見ていることに気づかれたらマズい。そう思って光はすぐに扉を閉めてその場を離れたのだった。
その隣のレッスンルーム・・・は開ける気にもならなかった。ドアの隙間から赤い液体が流れ出していたからだ。
きっと中を開けても誰もいないだろう。光はそう思いつつもドアに手を伸ばす。ゆっくりとドアを開けると中から強烈な悪臭が漂ってくる。
顔をしかめつつ中を覗き込むと、中は腹部を食い破られて動かなくなっているニュージェネレーションとニューウェーブ、メロウ・イエローのメンバー達の姿があった。
全員の腹から出て行ったであろうバケモノの姿はなく、レッスンルームの中は静かに時間だけが進んでいた。
やっぱりか、と扉を閉めて、光は次のレッスンルームへと向かう。次がラストだ。
最後のレッスンルームの扉の前に辿り着いた光だったが、もう精神的にも限界が近かった。
今まで毎日のように頻繁に顔を合わせていた同じプロダクションの仲間達が、バケモノの餌食になっているのを見て来た光の精神の許容範囲はもうとっくに越していたのだ。
もう終わりにしたい。そんな思いで扉を開ける。特に変わった様子も気配もしないこの部屋にはバケモノも、人間も、死体もいなかった。
それを確認した光は中に入って少し休もうと決める。レッスンルームに入って扉を閉め、窓際まで行って建物の外の様子を確認する。
屋外もやっぱり地獄絵図で変わらず、壊れた車から漏れたガソリンに引火したのか、あちこちから火の手が上がっているのが見える。
そして空を飛び交うバケモノ達や、路上を我が物顔で歩き回るバケモノ達とその足元に転がる無数の死体が見えた。
(アタシももう・・・時間の問題なのかな・・・・こうなるんだったら・・・アタシも麗奈と一緒にあのバケモノに捕まるんだった・・・)
沢山の死を目の当たりにし、大親友達も守ることも出来ず、どこへ行っても地獄絵図。ヒーローを志していた光の目にはもう『光』はなかった。
ぼんやりと眺めていた外では、同じようにプロダクションまで逃げ延びて来たのだろうか、ホットアートジャンピンの3人の姿があった。
しかし正門から建物までの道のりの間に、沙紀、櫂、渚と次々に待ち伏せていたバケモノ達に捕まり、組み伏せられて交尾を強要されていった。
ああなってしまったらもうどうにも出来ないだろう。バッタやコオロギのようなバケモノ達は3人を次々に屈服させ、子を宿らせているようだった。
しばらくその様子をただ見ていた光だったが、更に衝撃的な光景を目にすることになる。
3人を襲っていたバケモノ達よりも一回り、いや二回りは大きいだろうか、トンボのようなバケモノがやって来たかと思えば、沙紀を襲っていたバケモノを沙紀ごと捕食しだしたのだ。
櫂と渚を襲っていたバケモノ達はそれを見て慌てて飛び去ったが、沙紀を襲っていたバケモノは沙紀を離すことなくバリバリと喰われていく。
3人共既に腹に子を宿らされていたのか、腹部は大きくなっていて、バケモノごと食われる沙紀からは血と一緒に卵かなにかの白いものが溢れていた。
バケモノ達から開放された櫂と渚だったが、大きくされた腹部や襲われた時の傷が痛むのか、動けずに居るようで、目の前で食われる沙紀から目を背けるので精一杯のようだった。
しかしそうしていても何も変わらない。しかもバケモノごと沙紀を食ったトンボのようなバケモノは、次に櫂へと飛びつくと、無慈悲にも頭から捕食を始める。
バケモノ達の中でも生存競争が起こっているようで、『人間のメスは孕ませるもの。しかし別種を孕んでいるなら子ごと自身の餌にしてしまえ。』という早い者勝ちも含まれたルールのようだった。
光は櫂が捕食され始めて渚が悲鳴を上げ始めた時点で外を見るのを止めた。その渚の悲鳴も5分としないうちに聞こえなくなってしまい、光は全てを悟った。
(もう・・・・・ダメだな・・・・アタシももう死ぬんだ・・・・死ぬしかないんだ・・・・ははっ・・・あはははははは・・・!!!)
限界を迎えていた光の精神が遂に切れてしまう。レッスンルームの中にあったペンを手に取ると、着ていた服を全て脱いでからそれに筆を走らせる。
『南条光 20○○年×月△日 散る』
Tシャツ、ズボン、パンツ、ブラ。全てにそう書き記し、それらをレッスンルームに置いたまま部屋を飛び出す。
これからバケモノ達の道具にされて死ぬというのに、光の心はとても軽かった。何故だか不思議と笑えてきた。階段を駆け下りて玄関を通り越して外へと飛び出す。
さっきまでホットアートジャンピンの3人やバケモノ達がいたところには、今は誰もいない。そんな死角まみれの場所に光は全裸で仁王立ちになる。
「バケモノどもおおおおおおお!!アタシはここだぞおおおおおお!!!」
人生で一番大きな声を出したのではないだろうか。光はそう思いつつも尚も叫ぶ。
「早く来ないとおおお!!先を越されちゃうぞおおおおお!!!」
逃げて、隠れて、襲われた人達の最期を見て。こんなことをしたらどうなってしまうのかはわかりきっている。結論は死。わかっている。
それなのに恐怖は微塵も感じない。早く、早くなんでもいいから出て来て欲しいとすら思っていた。その願いはすぐに叶ってしまう。
口の周りに血がべっとりと付いたままの、さっきまでレッスンルームから見えていたトンボのようなバケモノ。ソイツが光へと飛び付き、間を置かずに生殖器官を光の股へと突き刺した。
「んひいいぃぃぃぃっ!!?アタシもっ!!アタシもバケモノに殺されちゃうよおぉぉぉぉっ!!」
バケモノの情けも遠慮もない交尾は光の壊れた精神を身体ごと更に壊していく。
グチュグチュと音を立ててバケモノの体液が少しずつ光の腹部を大きくさせていく。が、本番はまだこれからだ。
「あはああぁぁぁっ!!たまごぉっ!たまごいっぱいいぃぃっ!!」
同じ器官から光の子宮へとバケモノの卵が送られてく。それに比例して光の腹部はどんどん膨れていく。そう、今まで見てきたバケモノに襲われたあとのアイドル達のように。
バケモノの産卵は光の子宮の限界を超えても続き、終わった頃には光の意識ももうないに等しいくらいになっていた。
「えへぇぁぁ・・・・れいなぁ・・・・・さなぁ・・・・・あラしもぉ・・・・・・・バケモノうんれぇ・・・・・・ママにらっれぇ・・・・・しぬよおぉ・・・あははははぁぁぁっ・・・・!!」
呂律も回らないまま独り言のように喋った一言が、直後に気を失った光の最期の言葉になった。
光の身体はトンボのようなバケモノによって持ち去られ、そのまま目覚めることなく産み付けられた子の餌となるのだった。
このバケモノ達の躍進は留まることを知らず、ものの数日で世界中の殆どの国が壊滅させられてしまうことになる。
バケモノ達が現れた日にプロダクションから遠く離れた場所にロケやライブに行っていたアイドル達も各所で例外なく襲われた。
あるものは子を産ませるために生きながらえさせられ、あるものは産まさせられた子の餌にされて死に、あるものは子を産む前に子ごと別種に喰われたり。
地球にはもう安全な場所はなくなり、人類は食物連鎖の最下位になってしまったのだった。今日もどこかで誰かがバケモノ達の餌食となっている。
アイドルマスター シンデレラガールズ エロ隔離スレ 204人目(コンマ)
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