政府の訓令によりソ連政府の日本政府に対する左の宣言を伝達すべし
ヒトラー独逸の壊滅及び降伏後においては日本のみが引続き戦争を継続しつつある唯一の大国となれり、日本兵力の無条件降伏に関する本年七月二十六日付のアメリカ合衆国、英国及び支那三国の要求は日本により拒否せられたり、これがため極東戦争に関し日本政府よりソ連邦に対しなされたる調停方の提案は総ての根拠を喪失するものなり
日本が降伏を拒否せるに鑑み連合国は戦争終結の時間を短縮し、犠牲の数を減縮し且つ全世界における速やかなる平和の確立に貢献するためソ連政府に対し日本侵略者との戦争に参加するよう申出てたり
総ての同盟の義務に忠実なるソ連政府は連合国の提案を受理し本年七月二十六日付の連合国宣言に加入せり
斯くの如きソ連政府の政策は平和の到来を早からしめ今後の犠牲及び苦難より諸国民を解放せしめ且つ独逸が無条件拒否後体験せる如き危険と破壊より日本国民を免るることを得せしむる唯一の方法なりとソ連政府は思考するものなり
右の次第なるをもってソ連政府は明日即ち八月九日よりソ連邦は日本と戦争状態にあるものと思考することを宣言す