日本語の強制
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以下出てくる「諺文」とはハングルのこと
「朝鮮人志願兵制度に関する件」
朝鮮総督府情報課「前進する朝鮮」1942年
内務省管理局「朝鮮及台湾在住民政治処遇に関する質疑応答」1945年3月6日
国民総力朝鮮連盟編「国民総力」1945年2月15日号「朗らかにたたかはう 敵前総常会 二千六百万の総意を結集し、第七回総力連盟理事会開く」
朝鮮新聞1933年7月28日「日本精神徹底のため外地国語教育普及 九年度に経費五万円を計上し朝鮮、台湾に国語学校を創設」
朝鮮新聞1933年7月28日「独自の立場で国語教育の大刷新 総督府の計画成る」
朝鮮新聞1933年8月17日「国語を解せざる邑面長及び吏員 行政の円満なる遂行上 近く之れ等を淘汰」
朝鮮新聞1936年12月23日「鮮人全職員が国語常用申合せ 総督府編輯課員の発企で励行の檄を飛ばす」
朝鮮新聞1937年2月23日「執務中会話は絶対的国語使用 黄海道当局から通牒」
朝鮮新聞1937年3月19日「官吏は率先して国語使用励行 総督府からお布令」
朝鮮新聞1937年4月8日「今年の道会から国語を使用 通訳も姿を消さう」
京城日報1940年4月8日「咸北の国語熱」
京城日報1940年9月21日「駅から英語、諺文消す」
京城日報1941年5月23日「朝鮮語の使用禁止 国語奨励へ平南道の断」
京城日報1941年6月7日「讃美歌の国語化 仁川府が基督教団体に慫慂」
京城日報1941年6月22日「単語なりとも国語を 府から一般家庭へも慫慂」
京城日報1941年6月29日「三諺文雑誌を統合し�犢駝永験忰瓩鯀牢� 年四回国語版も発行」
京城日報1941年6月29日「国語の常用から内鮮一体化へ 耶蘇教各派で講習会」
京城日報1941年9月18日「脱会は罰金 永登浦国語講習会」
朝鮮新聞1941年10月1日「国語を使はぬ学生 最近上級生に弛緩は遺憾 南総督注意を喚起」
京城日報1941年10月8日「学問家庭を問はず国語を使ひませう 学務局から各道へ檄」
京城日報1941年11月12日「電車、バスの中でも国語を常用しませう」
京城日報1941年11月12日「上層部にも徹底 三連盟の懇談会」
京城日報1941年12月2日「常会の一年 出席率は九五％ 国語常用は更に徹底したい 皆勤の鈴川司政局長に訊く」
京城日報1942年5月2日「国語を常用すべし 城大医院で卒先断行」
京城日報1942年5月9日「チンチン�狷阿�ます�瓠ゝ�電が国語専用を督励」
京城日報1942年5月21日「君は常用してゐるかね 来春の入試に国語採点」
京城日報1942年5月22日「誇りもて語れ 示された国語普及運動の要綱」
京城日報1942年5月26日「『国民文学』国語誌として再出発」
京城日報1942年5月29日「違反者から罰金を徴収 竹添町会が国語常用に拍車」
京城日報1942年5月29日「�狷眩�一体は「国語」から���甍�国日常会にも朝鮮語訳を廃止 国語一本槍の清渓町会」
国民新報1942年5月31日「郷土あちらこちら 朝鮮語には黒星一 京城府庁が国語に垂範」
国民新報1942年6月7日「国語に反省カード 全北高女が積極運動」
京城日報1942年6月11日「女学生と国語 胸間に勲章 常用を誇って 淑明高女の巻」
京城日報1942年6月23日「止めよう愚痴不満 会話は必ず国語で 愛国班七月の誓」
皇民日報1942年7月4日「常会では必ず国語を使ふ 慶尚北道総力連盟 七月八日から一せいに実行する」
京城日報1942年7月8日「�爛▲ぅ粥辞瓩眥�罰 国語常用に西大門署員が妙案」
京城日報1942年7月10日「踏み出す�犢餮豼寛鬮瓠〇楮�要綱を府尹、郡守に指示 一斉に猛運動を開始」
京城日報1942年7月12日「街の社交場から国語不解者を一層 鍾路署が『常用運動』に拍車」
京城日報1942年10月2日「雑誌の国語奨励懇談会」
京城日報1942年10月14日「厳しい�牴板輊甬抬疝�花高女校の国語運動」
京城日報1942年10月17日「作品の国語化を 文人協会小説部会の申合せ」
京城日報1942年10月18日「原則的には国語 評論随筆陣でも申合せ」
京城日報1942年11月12日「繰出す国語査察班」
京城日報1942年12月6日「�狢臈谿´畊餮貳任�」
京城日報1942年12月13日「遊興街へ厳い�犢餮讚疚仁瓠＾貲�後の不解者は営業取消」
京城日報1943年6月27日「国語未解の先生を一掃 私立学園を刷新」
京城日報1943年8月6日「徴兵に沸る愛国半島【6】全村に刻む�犢餮讚甼緡玉未竜韻�更生ぶり」
京城日報1943年8月16日「社説 内鮮一体と国語常用」
京城日報1944年1月14日「国語は皇民の第一歩 官庁、会社では必ず使用せよ」
京城日報1944年1月21日「千人針 正しい国語 揃って常用」
京城日報1944年2月18日「国語常用 垂範せよお役人 仁川連盟、府庁へ厳達」
京城日報1944年3月24日「街から閉出せ諺文 国語生活の徹底へ実践運動」
京城日報1944年6月13日「常会視察報告座談会」
京城日報1945年3月5日「文化 国語常用運動の推進」
国民総力朝鮮連盟編「国民総力」1945年3月号
鎌田澤一郎『朝鮮新話』創元社、1950年、319-320頁
「成績優秀な学童が、ついうっかり朝鮮語を喋舌って落第し、朝鮮人教員が、家庭から電話がかかり先方が老人で日本語がわからぬため、朝鮮語を使ってゐたのを、校長に聞き咎められて、早速左遷されたりした。」
「朝鮮人志願兵制度に関する件」
「秘」国民教育に対する方策 昭和十二年八月 学務局（※朝鮮総督府学務局）
二、教育内容の改善刷新
（イ）内鮮学校の名称統一を図ると共に之が教育内容を刷新し国民教育の徹底を期し殊に朝鮮人をして日本国民たるの自覚を徹底せしむることとし学校に於ける朝鮮語の教授は逐次之を廃止する如く措置する方針なり（75・78画像目）
朝鮮総督府情報課「前進する朝鮮」1942年
既に朝鮮語の教授は廃止され、教科書に逐年改正を加へて、朝鮮の特殊事情を加味した教材を加へつゝ皇国臣民教育の徹底を期してゐる。（37頁）
内務省管理局「朝鮮及台湾在住民政治処遇に関する質疑応答」1945年3月6日
第一 朝鮮及台湾の統治方針に関する事項
十四 諺文（※ハングルのこと）並諺文出版物に対する方針如何
答 国語の普及に伴ひ諺文は漸次其の使用の範囲を縮小せらるるものと考ふ。諺文出版物に付ても漸進的に之を減少を見る如く適当に指導する方針なり。（18画像目）
国民総力朝鮮連盟編「国民総力」1945年2月15日号「朗らかにたたかはう 敵前総常会 二千六百万の総意を結集し、第七回総力連盟理事会開く」
（全南）大原和植理事（宋和植か）
私の住ってをる愛国班は十七戸でその中十戸は全然国語を解しないものであった。これを愛国班長の指導のもとに約一年半ばかり以前から常会には絶対に国語で進行してをる。最初は国語の解らない者は非常にまごついてゐたが、配給其他生活必需の問題について知らねばならないことが多いのであるから皆一生懸命になって、今では曲りなりにも国語で用が達せられるやうになった。（7頁）
（忠南）松村基弘理事（李基枋か）
国語常用の先決問題は積極的な方策を樹てて先づ知らしめ然る後拠らしむべきである。然るに動もすれば功を急ぐため一時的間に合わせ的な施設となり、或は常用奨励の如きも無理強制の傾向があり却って逆効果を来たす如き傾向がないでもない。（7頁）
朝鮮新聞1933年7月28日「日本精神徹底のため外地国語教育普及 九年度に経費五万円を計上し朝鮮、台湾に国語学校を創設」
〔東京ニ十七日発電報〕永井拓相は去五月上京中の宇垣朝鮮総督、中川台湾総督と協議の結果殖民地教科書の改善と殖民地国語教育普及に関する方針を決定したよって拓務省管理局ではこれが立案中であったが愈々拓務省、外地、文部省、教育家を網羅する委員会を設置するに決し経費五万円を九年度の予算に要求朝鮮、台湾両総督府が来年度予算に要求する国語学校設立と相俟って国語普及の目的を達する事となった具体案は
一、拓務省において殖民地教科書を改善し日本建国の精神が外国民族の同化にある事、日本文化の発展の原因が異種同化政策にある事を殖民地に徹底せしむる為め官制による諮問機関として外地教科書改善に関する委員会を設置する事
一、朝鮮、台湾において簡単なる国語学校を創設して国語の普及を図り公式の場合は必ず日本語を用ひる事
朝鮮新聞1933年7月28日「独自の立場で国語教育の大刷新 総督府の計画成る」
外地における国語教科書の改善並に国語普及による日本精神文化の徹底を期する為め拓務文部朝鮮台湾両総督府において委員会を設置しこが施設に関する研究をなす事となったが朝鮮総督府においては過去において従来すでに幾多の施設をなしてゐるが昭和九年度は無論拓務省と協力研究するが一方朝鮮独自の立場から九年度より従来の施設計画を更新して国語教科書の大刷新をなすと共に国語教科書による日本精神文化の神髄を把握せしむべく国語教育施設を新設する事に内定しこれが予算を要求した模様である
朝鮮新聞1933年8月17日「国語を解せざる邑面長及び吏員 行政の円満なる遂行上 近く之れ等を淘汰」
【新義州】平北道では本府警務局の通達に基き過般来道内の邑面吏員の国語解否状況を調査中であったが邑面長百九十三人中全然国語を解せざる者三十五人、稍解する者五人、会話に支障なき者百三十五人、邑面吏員中全然解せざる者五人、やゝ解する者ニ十三人、会話に支障なき者八百八十三人となってゐるが右につき道当局では国語を解せざる邑面長および吏員は行政の円満なる遂行上淘汰せねばならないと語ってゐるが邑面吏員の素質改善並に邑面の行政区画変更が具体化してゐる今日この問題は案外早く実施されると見られ淘汰の俎上にあげられる虞のある吏員中には一大恐慌をまき起さんとしてゐる
朝鮮新聞1936年12月23日「鮮人全職員が国語常用申合せ 総督府編輯課員の発企で励行の檄を飛ばす」
国語の普及徹底が叫ばれてゐる折柄総督府学務局編輯課朝鮮人職員全部はこの程国語の普及に自発的に積極的運動を開始し、まづ総督府部内朝鮮人全職員に向って国語常用の檄を飛ばして申合せを行ひこれが励行を期することゝなったが、同申合せは左の如くで国語常用上頗る有意義な要点を掻ひ掴んで更に部内職員の実行成績を見た上で各官公署にも呼びかくるはずである
一、相互間においては官庁の内外を問はず事務上の会話たると否とを論ぜず一切国語を使用すること
一、国語を解し得る他人との会話の場合（電話を含む）は官庁の内外を問はず先方が朝鮮語にて言ひかけることありと雖も必ず国語にて応答すること
一、各自の家庭に於ても亦国語使用の機会を多くすること
朝鮮新聞1937年2月23日「執務中会話は絶対的国語使用 黄海道当局から通牒」
【海州】国語の普及は国民的字画を徹底し鞏固なる国体観念を養生すると共にその社会的、経済的活動を積極的ならしむる上において緊急の要務なるに鑑み黄海道学校教育においては単に国語を教授するのみならず日常これが使用に習熟せしむるの方針に基き鋭意実施したる結果作十一年末現在における国語をもって会話に差支なき者は実に五万一千人に達してゐるが、なほ道民百六十万に比較すると普及に付ては更に一致協力の努力を要するので道に於ては自今官公吏相互間の執務中の会話は絶対国語を使用し一般の範に垂るやう通牒を各官公署に発した
朝鮮新聞1937年3月19日「官吏は率先して国語使用励行 総督府からお布令」
南総督の国語普及徹底方針に半島官界は率先してあらゆる機会にこれが実行に努めてゐるが総督府では十八日各道知事宛左の如き通牒を発し
本府では国語普及に関し諸般の計画を進め一般の努力を致しつつあるが、既に国語に習熟し職を官公署に奉ずる者にして執務中なほ未だ国語を使用せざる向あるは甚だ遺憾に存ぜらるるにつき爾今官公署職員にあっては執務中は努めて国語を使用するやう配慮すべき
旨を強調した、なほ右に関し鈴川文書課長は左の如き談話を発表した
国語の普及については始政以来各署の施設を為し努力し来りたるとおろでその実績も著しく喜ばしいことであるが更に更に是が徹底を期することは最も大切なことである、殊に官公吏は一般の儀表ともなるべきものであるから之につき卒先して範を示すの心構へがなくてはならぬ
なほ官吏の国語使用方励行に関し之に悖る者は処罰されるなどとの臆測を為した向もあったやうであるが、之は固よりそのやうなことはある筈はないと
朝鮮新聞1937年4月8日「今年の道会から国語を使用 通訳も姿を消さう」
各道々会議選挙は既報の通り五月十日一斉に選挙施行のはずであるが全南が多島海を擁する関係で全鮮に魁けて去る一日道知事告示があり既に四名の立候補を見てゐるが各道共に相当激選を免れないが総督の国語使用奨励から現在の道会議員中四十余名の国語未解者があり甚だしいのは官選議員にすらあるのであるが今回の総選挙を機会に、官選は当然国語を使用し得るものが条件となり民選側にも相当有力な条件視されてゐるから今年の道会から恐らく鮮語と通訳は全然姿を消すであらうと
京城日報1940年4月8日「咸北の国語熱」
【咸北支局】教育令改正後、国語の全面的普及に馬力をかけ、道内各小学校に於ても朝鮮語は随意科としてその地方の特殊事情あるところのみ、取扱って来たが、皇民教育の進展に伴ひ、国語の普及熱澎湃と湧き起り、山間地帯の二三校外は殆ど廃止の状態となったが道では更に学校家庭が一体教化に努め、これが成績の一層顕揚に乗出すことになった
京城日報1940年9月21日「駅から英語、諺文消す」
国鉄省線では各駅ホーム、待合室の欧文抹殺に乗り出したが、鮮鉄でも英語全廃の声に呼応して各主要駅、乗換駅のホーム、待合室などに躍ってゐる英語文字を近く抹消することとなった、大陸観光幹線ルートとして外貨獲得に一役を演じた英語文字ではあったが、事変以来また第二次欧州動乱後の紅毛碧眼の観光客はグット減少してさほど大きな役割は果してゐない現状だ、欧文文字抹殺にも自主独往起ち上る興亜の心意気が読めるのも嬉しい、また内地省線と異なる鉄道の新体制は駅名の左側に記された諺文字も同様抹消する、今日では半島人で駅名の読めぬ旅客は殆どなくなり駅名の諺文字も既に必要がなくなって来たゝめで全鮮七百駅の掲示板は漢字と平仮名一色になるわけで、目下英字、諺文字抹消の具体案を研究してゐる。
京城日報1941年5月23日「朝鮮語の使用禁止 国語奨励へ平南道の断」
【平壌電話】国家総力戦遂行と内一鮮体〔ママ〕の大方針徹底のためには一国一語の必要を絶対条件とするとの建前の下に平壌府庁では既に罰則まで設けて吏員の朝鮮語禁止、国語使用を断行したが、平南道庁幹部の情報委員会でも廿一日午後の例会で国語を解する庁員の朝鮮語使用を禁止し、一層厳重に励行する一方、道民全体にも国語の積極的普及を図ることに決定、道庁各課長を通じてこの方針を庁員全体に一層徹底させることになった
京城日報1941年6月7日「讃美歌の国語化 仁川府が基督教団体に慫慂」
【仁川】内鮮一体の実をあげるに国語普及は欠くべからざる緊急事であるに鑑み府ではさきに府庁職員に朝鮮語の使用を禁じてからこれを各階級に及ぼすべく計画を進めてゐるがその第一歩として比較的多数の集合団体たる基督教会に対して常時使用する「聖書」「讃美歌」等に国語で出来たものを使用するやう慂慂〔ママ〕するべく去る五日午後一時半から府庁会議室に府内基督教牧師の参席を求め国語普及に関する打合せを行ったが、一同も深くこれに共鳴し今夏一ケ月間国語の講習会を開催し、なほ一週に一回乃至二回の国語の指導日を設定することに申合せ、直にこれが腹案を作成、府庁の援助を得て実施することになった
京城日報1941年6月22日「単語なりとも国語を 府から一般家庭へも慫慂」
【仁川】�犢餮譴鮖藩僂擦茘疉椶任脇眩�一体の実を挙ぐるには国語の普及は欠くべからざる急務として各官庁、会社、工場等で国語を解する者は一切朝鮮語を用ひないやう慫慂してゐるが、一般家庭でも出来得る限り国語を使用し国語を解せない者でも単語でもよいから国語を使用するやう要望してゐる
京城日報1941年6月29日「三諺文雑誌を統合し�犢駝永験忰瓩鯀牢� 年四回国語版も発行」
当局では曩に朝鮮出版文化の向上発展を目的に「人文評論」「文章」「新世紀」等三諺文雑誌の統合に乗出して折衝をつゞけてゐたが、その後円満に話は進捗し、新に「国民文学」と改題して雑誌を発行すると共に、随時単行本をも併せて出版せしむることになった
新しき「国民文学」は編輯及び経営の全面に亘って皇国の言論機関たらんことを期し、当局の指名委嘱する指導委員会の指導のもとに、崔載瑞氏を責任者として編輯に当らしめ、人文社より月刊として発行されるもので体裁は菊版平均三百頁とし、従来諺文版であったのを国語版をも設け一月、四月、七月、十月の四回にそれを発行、他の二月三月、五月、六月、八月、九月、十一月、十二月の八回を諺文版として発行するが、その内容は文芸を中心として宗教、哲学、教育、思想、美術、音楽、演劇、映画、ラジオ、風俗等文化諸部門に亘る予定である
特にその編輯方針として先づ第一に国体観念の明徴を挙げ、国体に反する民族主義的社会主義的傾向を排撃するは勿論、個人主義的、自由主義的傾向を排除すると共に国民意識の昂揚、国民士気の振興国策への協力、指導的文化理論の樹立、内鮮文化の総合、国民文化の建設等を明確に標榜してゐる点が従来よりも特に目立つ前進である
またその編輯方法としては広く文化面全体に亘って革新的機運を促進せしめるのを根本方針とし、国民総力朝鮮連盟加盟の各文化団体とは密接なる連絡をとって交流を図り特に朝鮮文人協会とは積極的に脈絡をとって進むことになる筈で、かくて革新朝鮮の文化はこゝに一応強力なる基礎を得た訳で、その将来に対する文化的活躍が期待される
なほ創刊は準備その他の都合から九月号からお目見得することになるものと見られてゐる
京城日報1941年6月29日「国語の常用から内鮮一体化へ 耶蘇教各派で講習会」
【仁川】真の内鮮一体の実をあげるには国語普及は欠くべからざる緊急事でなる〔ママ〕に鑑み国民総力仁川府連盟ではさきに比較的多数人の集名団体たる府内基督教会に対し常時使用する聖書、讃美歌等に国語用のものを使用するやう慫慂したが、教会側でも府連盟と相呼応して国語の普及に努力すべく、左記日割により各教会で国語講習会を開催することになったので、付近住民のうち国語を解さない者は出来るだけ多く出席して国語の会得に努めるやう要望されてゐる
◇昌栄町教会 七月一日より三十一日まで毎週四日、夜間二時間宛
◇西京町内里教会 七月二十日より八月二十日まで毎週四日、夜間一時間半宛
◇花水町教会 七月十五日より八月十五日まで毎週四日、夜間一時間半宛
◇花平洞聖潔教会 七月一日より同三十一日まで毎週四日、夜間一時間半宛
◇龍岡町救世団 七月十五日より八月十五日まで毎週四日、夜間二時間宛
◇松峴町教会 七月二十一日より八月二十一日まで毎週四日、三〔ママ〕間二時間宛
◇金谷町教会 七月一日より同夜〔ママ〕十一日まで毎週四日、夜間二時間宛
◇天主公教会 七月一日より三十日まで毎日午後三時より同四時まで
京城日報1941年9月18日「脱会は罰金 永登浦国語講習会」
堂山、楊坪、楊花町会では婦女子愛国班員に国語普及を実践し併せて時局認識と情操教育を徹底して和協一致の明朗町会を建設しようと十五日午後七時普明学院で成田所長、普明今西校長、正木総代ら多数来賓参席の下に晴れの国語講習会を開き卅四、五歳から十四歳まの〔ママ〕婦女子百四名を一堂に集めて四月終了期間の第一日第一課を初めたが一たん入会して特別の事情がない限り途中でやめたりすると一円宛の罰金を収める等厳格な会則もあって全員仲々熱心ものである
なほ講師には正木総代愛嬢正樹貞淑さんと普明学院の先生芝山裕子さんが当ってゐる
朝鮮新聞1941年10月1日「国語を使はぬ学生 最近上級生に弛緩は遺憾 南総督注意を喚起」
南総督は三十日の定例局長会議席上で国語の普及徹底に言及し近時中等学校以上高等専門学校内の生徒学生が国語を使用せずして朝鮮語を屡々用ゆるのは甚だ遺憾である旨を表明して今後学校当局は勿論関係方面は国語の普及になほ一層の努力を払ふやう左の如く注意を喚起するところがあった
最近鮮内の学校内で特に中等学校以上の上級生に国語を使用せずに朝鮮語を使用してをり国語普及徹底に稍々弛緩せる傾向があるやに聴くは甚だ遺憾である、学校内に於いて国語の日常使用を益々奨励してゐるにも拘はらず依然として朝鮮語の使用をみるのは遺憾至極である、家庭に於いては老人もありその他の事情で万止むを得ざる場合があると思ふが教職員も学徒も学校内と家庭たるとを問はず努めて国語の使用と普及を図るべきである施政の五大政綱の一である教学刷新の上からもはた又内鮮一体の深化徹底よりしても斯かる話を耳にするのは遺憾である今後国語の普及、奨励に就いては学校当局は勿論関係方面で格別の考慮を払ひなほ一段の研究工夫を切望して止まない
京城日報1941年10月8日「学問家庭を問はず国語を使ひませう 学務局から各道へ檄」
�牴板蹐某�場に街頭に、極力国語使用のことを慫慂してゐるにもかかはらず最近やゝもすれば励行されてゐないのは遺憾である、殊に次代の中堅ともなるべき中等学校生徒間でその甚だしい例をみる�瓩汎鄙軻弔�ら警告を発せられたのに鑑み学務局ではこのほど更に国語普及熟達生活化を奨励するため各道あて学務局長通牒を発した
国語使用こそは内鮮一体を具現する最も容易な第一歩であり、初等、中等、高専、大学の別なく全学園では如何なる事情を問はず国語使用を奨励して来たが始政卅一年を迎へた今日ではますますこの鉄則を徹底して学園から家庭へ街頭へと国語の生活化を図らうとするもの
今後は教室にあって師弟の間ではもとより学生、生徒、児童間の日常会話でも絶対に国語を使用し、その熟達錬磨に努め国語使用の雰囲気を醸成せしめようといふのである、なほ国語使用奨励の具体化としては各学校で学校経営案作成の場合、その具体的方法をとり入れてその奨励策を考究してゆくことになった
京城日報1941年11月12日「電車、バスの中でも国語を常用しませう」
国語を使へと総力連盟の提唱になる国語常用奨励運動に対して京畿道では十一日午後三時から会議室で具体的な奨励方法の打合会を開いたが、差当り次の方法によって国語常用の厳守を実行させることになった
一、町連盟、愛国班常会その他諸会合には必ず国語を常用すること
一、商店の看板、広告などは原則として国語を用ひること
一、電車、バスの車掌、案内人は凡て国語を常用すること
一、学校、生徒、児童の常用語は学校にあると否とを問はず国語を常用するやう指導すること
京城日報1941年11月12日「上層部にも徹底 三連盟の懇談会」
国民総力朝鮮、京畿道、京城府三連盟による定例打合懇談会は十日午前十一時から京畿道で開催され朝鮮連盟から川岸総長、烏川総務部長、京畿道連盟から鈴川知事以下三部長、府連盟から矢野府尹、稲垣総力課長等出席のうへ懇談事項として国語普及並に使用励行の強化徹底、文化部門に対する連盟の指導強化に付て打合を行ったが
その結果国語の使用励行は会議などの席上でも現在半島側上層部の使用が行はれぬため支障が少くないのでこの際徹底的に上層部の覚醒を促すこと、また文化部門に対する連盟の指導強化については新聞、演劇、ラジオ通俗出版物、紙芝居などを通じて臣道実践、職域奉公の実を強調することを申合せたが特に総力運動に対する地方民の希望事項として過般行はれた豊年感謝祭当日誰よりも真先きに豊年を祝福すべき農村が顧みられず都会地のみ馬鹿騒ぎを演じたことは農村に与へる影響甚大なりといふ注目すべき希望意見が述べられた
京城日報1941年12月2日「常会の一年 出席率は九五％ 国語常用は更に徹底したい 皆勤の鈴川司政局長に訊く」
この一年間愛国班に戦時生活強調の指針を叩き込んできた毎月一日の愛国日常会もきのふで本年最後の早朝常会を終ったが今年は国際情勢の変転も目まぐるしく国内も臨戦態勢から決戦体制に塗り替へられて銃後国民の心構へもこれに伴って強化され、更に直接家庭の台所を左右する経済統制も強化されてその都度常会では一般の進むべき正しい道について総ゆる角度から指導を行ってきた、思へば慌しい常会であり半島ニ千四百万愛国班員が総力に全心を傾注した常会でもあった、この一年間十二回開かれた一日の早朝常会は一体どれだけの効果を挙げ得たか、又常会は文字通り国民の親族会議であったかどうか、建直す点はないかなど常会の一年を通じて見た総合成績についてまだ一度も出席を欠かしたことのない鈴川司政局長に常会回顧の弁を訊く
一日の愛国日常会は月を重ねるに随って整ってきたことは明瞭でこの点非常に心強い、自分は京畿道知事時代京城府内の常会には殆ど顔を出した、きのふはこちらへきてから初めて寿町、日出町の常会に出席してみたが成績は良かった、自分は京城が半島の手本になり得ると断言して憚らない、まづ出席率からみても九十五％は確実だし最近は主人や主婦の出席も多く結構なことだと思ってゐる、総力運動は常会の建前で行きたい殊に有識階級の人や上層階級の出席を大いにやって貰ひたいと思ふ、つぎに君が代の斉唱、皇国臣民の誓詞を是非愛国班員に徹底して貰ひたい、国語を解しない人でもみんな君が代が歌へるといふ徹底した訓練が必要だ、又時間の長さ、つまり常会の時間の長さ、これは内鮮両語を使ってゐるところなどがあってどうしても冗長に亘る傾向がある、出来るだけ簡明に厳粛にやって欲しい
立派な常会は結局理事その他の役員の指導力、区長、班長の訓練、教育といふことが是非必要になってくる、方法としてはこれらの人を一ケ所に集めて団体訓練をさせればよい、それから模範常会といふものがあれば指導者は相互に見て廻ることも必要だ、つまり人の振りみてわが振り直せといふことだ、また仁寺町、鹽里町などでは戸数二千百戸に上るところであるが町連盟としては尨大に過ぎると思ふので此点は二つなり三つなりに区分した方がよいのではないかと思ふ、最後に町連盟、愛国班員、理事長、班長の中に生きた手本となるやうな優秀なものがあればこれは大いに顕彰、表彰の方法が必要だ、とに角結論として少くとも京城では一人の班員も国語を解しないといふものはないといふ、つまり国語一本で行くといふところまで国語常用を徹底させたい
京城日報1942年5月2日「国語を常用すべし 城大医院で卒先断行」
半島民衆は皇民的自覚と誇りをもって進んで国語を生活の中に取り入れ、自分のものにすぐころが唯一の皇民道であると今は国語全解運動が全鮮に捲き起こされんとしてゐる折柄城大付属医院では、一日から全職員、看護婦等に国語常用断行の「掟」を医院長の名で発した
��職員は必ず国語を使用すべし若し違反したるときは厳罰に処せらるることあるべし��
峻烈な断の意表である
�狠�一人の落伍者もなく全職員が挙って日本人としての資格と誇りを獲得せよ……��
京城日報1942年5月9日「チンチン�狷阿�ます�瓠ゝ�電が国語専用を督励」
愛用から常用へ、更にまた専用へ乗務員千五百名を抱へて府民の足を預かる京電では日頃から国語専用を社是として停留所名も必ず国語によって呼称し朝鮮語の併用を厳禁してゐたにも拘らず従業員中には誤った親切のために不必要な朝鮮語の停留所名を未だに使用する向が多分に認められるので。斯くては国語常用運動の上にも支障あるところから八日再び使用厳禁を通達すると共に女車掌ニ百七十名に対しては国語のアクセントを流暢にするため毎日休憩時間を利用して同社監督松本ムメさん指揮の下に時局歌の斉唱を行はせ、その歌詞から受ける正しい発音を基調として優しい女らしい響きのある国語の練習に努めさせることとなった
チンチン動きますと歌声交りで乗客を和ませるこの新しい計画は相当期待を持たれてゐる
京城日報1942年5月21日「君は常用してゐるかね 来春の入試に国語採点」
国語全解運動に本腰となって力瘤を入れる京畿道では特に中初等学校の生徒児童に対し国語常用の厳守励行方を奨め常用しない者に対しては厳罰をもって臨むなど相当徹底せる方法を採ってゐるが一部生徒児童の中には進んで国語を常用しようといふ気力に欠けているものが多数見受けられるので道学務課では国語全解運動の完璧を期する上から来年の初中等学校の入学試験には国語常用の程度、修練に対する熱意を採点の一部に加へこれによって生徒児童の国語常用熱を昂めると同時に家庭における一般父兄の常用化をも促させる進〔ママ〕ことになった、この国語常用の採点については本人の日常の使用ぶりと熱意を重視するほか家族の常用程度をも調査してこれを所見表に記入することになってゐるが更に学期末の学業成績にもこれを適用し操行の採点には必ず国語常用の程度を酙酌し他の科目についても国語常用の出来不出来を加味することになってゐる
京城日報1942年5月22日「誇りもて語れ 示された国語普及運動の要綱」
朝鮮徴兵令実施に伴ひ半島青年層は感激の朝夕を迎へ残る二年間こそは心身錬磨の好機だとして弓絃のやうな緊張の生活が始った「われらは天晴れ皇軍兵士だ」と胸を張って東天に叫ぶ希望の日も近いこの光栄の日に備へて一層皇国臣民たるの信念を堅持し一切の生活に国民意識を吹っこむ〔ママ〕には「国語を解する」にありとされ青年層を中心に国語普及運動は今や全鮮を覆ふ火となって老ひも若きも一丸の火の玉となっての運動が始められたがニ十一日京城府総力課から国語普及運動の要綱が示され国語常用に対する揺ぎなき指針となるが、先づ精神的指導方面としては
イ、皇国臣民として国語を話し得る誇りを感得せしむる
ロ、日本精神体得の観点から「国語常用」が絶対必要なる所以を理解せしむる
ハ、大東亜共栄圏の中核たる皇国臣民として国語の習得、常用が必須の資格条件たることを自覚せしむる
またすでに国語を解する者に対する方策として
イ、官公署職員は率先国語常用を励行する
ロ、学生生徒児童は必ず常用する
ハ、会社、工場、鉱山等に於ても極力常用を奨励する
二、青年団、婦人会、教会その他の集合の場合国語常用に努むる
ホ、苟しくも国語を解する者は必ず国語を使用するは勿論あらゆる機会に国語を解せざる者に対する指導に努むる
国語を解せざる者に対する方策として
イ、国民学校付設国語講習所開設
ロ、各種講習会の開催
ハ、国語教本の配布
二、ラジオによる講習
ホ、雑誌による講習
へ、平易な新聞の発行
ト、常会における指導
チ、児童生徒による一日一語運動
リ、各所在における国語を解せる者より指導
なほ文化方面に対する方策として
イ、文学、映画、演劇音楽方面に対して極力国語使用を勧奨する
ロ、ラジオ第二放送に国語をより多く取入れる
ハ、諺文新聞、雑誌に国語欄を設くる
これらの運動に並行して国語常用者又は国語普及に功ある者には「国語常用の家」として表彰或は優先的に待遇する方法が講ぜられるものである
京城日報1942年5月26日「『国民文学』国語誌として再出発」
昨秋諺文々芸雑誌を統合し朝鮮文壇の革新を目標として生れた「国民文学」は従来一年四回国語版、八回諺文版の制度をとって来たがすでに徴兵制の実施も約束された今日、右併用制を廃して来る五、六月合併号から純然たる国語雑誌として再出発することゝなった
なほ同社では朝鮮文壇の現状に鑑み年二回程度の諺文創作集を発行の予定であるが、その内容は革新的な書下し原稿に限る模様である
京城日報1942年5月29日「違反者から罰金を徴収 竹添町会が国語常用に拍車」
国語常用運動が全鮮の津々浦々に至るまで澎湃として昂ってゐるとき、竹添町々会では小寺町総代が音頭を取って町会事務員はいふまでもなく、町内役員に徹底的な国語常用を促し真の皇民錬成に拍車をかけてゐるが、特殊な場合を除く以外に朝鮮語を使用した者は懲罰として一回毎に金五銭づつを徴収し、これを貯蓄して国防献金に当てることに決定、その成果を期待されてゐる
京城日報1942年5月29日「�狷眩�一体は「国語」から���甍�国日常会にも朝鮮語訳を廃止 国語一本槍の清渓町会」
国語常用の過程が十年、二十年の長き因習との闘ひに珠玉の輝きを増すとき、こゝに全町を挙げて「国語絶対常用」を旗印にに�猗湘腓凌覆爐戮�道�瓩鮗汰�する模範町内を取上げて総力戦の実相を糺してみる
府内清渓町会は由緒深い清渓川を境に鍾路と相対し昔ながらの屋敷町の面影を止め半島人家庭は相当数にのぼる、往時清流を誇った清渓川も暗渠と化し本町と鍾路を繋ぐ坦々たる道路が出現して時代は急速な変化を示し「内鮮一体」運動の焦点は中間●●たる清渓町で（判読不能）島盛三郎さんは山口清渓国民学校長と提携して一つの誓ひをたてたそして町内では老若男女を問はず「国語一本で進みませう」の猛烈な普及運動が開始された
先づ町総代は毎月校庭で挙行される聖なる「愛国日常会」に際し断然朝鮮語の通訳を廃した、（判読不能）が不思議としか思へない程に慣れて今ではすっかり板についた国語常用が全町的な機運を齎した（以下略）
国民新報1942年5月31日「郷土あちらこちら 朝鮮語には黒星一 京城府庁が国語に垂範」
京城府では府民に掛声だけしてゐたのではもどかしい、先づ我々か率先垂範しやうといふので、朝鮮語を庁内から追ひ出した。
朝鮮語使用は事務能率の低下を来すばかりでなく府民に国語全解を呼びかけるには我々から先づ実戦しやうと廊下の片隅での私語も禁ずるため新規採用者は給仕に至るまで国語全解および常用を条件としまた各課長に檄を飛ばして近づいた賞与にも国語常用成績を反映させる段取りになって各係長の机の上には閻魔帳ともいふべき国語常用成績表が置いてあり、庁員がちょっとあやまって朝鮮語を洩らしたといふことになると直ちに成績表に黒星が一つ、といふ調子でうっかりも勘弁ならない四千余名の全庁員はお互ひに大いに勉強して黒星をとらぬやう判らぬ言葉は手ぶり身ぶりをやってゐるのも国策とあってはをかしくない。
国民新報1942年6月7日「国語に反省カード 全北高女が積極運動」
国語普及の徹底を期す全北高女では校内から朝鮮語を閉め出すとともに�犢餮譴鮴験莢修靴泙擦Ν瓩班週�し裏面に国語普及要項綱目を印刷した�犢餮貮甬敞疹淵�ード�瓩鬚弔�り教職員、通学分団長、監護週番生、日直当番などがつねに所持して通学の途中、または寄宿舎での日常生活に朝鮮語をつかってゐるものがあった場合は目立たぬやうそっとこのカードを渡し反省させることにしてゐるとのこと
京城日報1942年6月11日「女学生と国語 胸間に勲章 常用を誇って 淑明高女の巻」
元気な歩調で通学する淑明高女生の胸には見慣れぬ「国語」と記された立派なバッヂが人目をひく、これは国語常用生に渡された勲章だ、同校ではすでに去年から国語常用を強調して胸間の勲章に恥ぢないやう各自が一層の努力を続けるやう誓ひ合ってゐる、これも常用違反の場合は取上げられるが今では殆ど全校生がつけてゐる
国語教諭の松山先生の語るところによれば「今では先生方もより純正な国語へと心がけてゐます、間違ひ易い言葉を集録して皆んなに配布して修練させるやう準備中です、寄宿舎では食母（賄婦）が国語を解せぬので舎生等が熱心に教へてゐますがこれなど全く嬉しい限りです」
京城日報1942年6月23日「止めよう愚痴不満 会話は必ず国語で 愛国班七月の誓」
小磯新総督田中政務総監を迎へて半島における国民総力運動も新たなる進展をみせんとしてゐるが朝鮮連盟事務局では七月の総力運動実践申合事項として国語常用、愚痴不満を言はぬこと、防諜とこの三つを決定、廿二日次の如く発表した
一、必ず国語常用
いよいよ朝鮮にも徴兵制度が実施されます、兵隊に行く青年は勿論のことみんな一日も早く国語を覚え、少しでも覚えた人は必ず国語を常用しませう
二、愚痴は不満を言はぬこと
（以下略）
皇民日報1942年7月4日「常会では必ず国語を使ふ 慶尚北道総力連盟 七月八日から一せいに実行する」
慶尚北道の国民総力連盟では、常会で必ず国語を使ふことにきめました。愛国班などのうちには、国語の話せない人もありませうが、七月の常会からは必ず国語を使ふことになってゐます。半分以上、国語のわからぬ人のゐる愛国班では、当分の間、国語も朝鮮語も使ひますが、これも国語を教へてなるべく早く国語を使ふやうにするさうです。まだ国語のわからない人には、常会の後で国語を教へたり、講習会を開いたりして、道内の人が、みんな国語を使ふやうにすゝめることになりました。国語を使ふことは日本人の誇りです。みんな、すゝんで国語を使ひませう。
京城日報1942年7月8日「�爛▲ぅ粥辞瓩眥�罰 国語常用に西大門署員が妙案」
西大門署高等係では吉岡主任が予て同係職員たちに公私を問はず国語で通すやう慫慂してゐたが、平山部長刑事が去る廿六日妙案を考へ出して実行、府内各署に魁けて非常な好成績をあげて署内は素より各署職員に範を垂れた
つまり署内で執務の際は仮令無意識にせよ朝鮮語若くは英語等を使用した場合は、それが単語であっても一回につき金十銭也を徴収することを決議し実行してゐる
その結果、従来は内鮮職員が�爛▲ぅ粥辞瓩箸��爛淵奪廛鶚瓩箸�英語では�爛機璽咼広瓩箸��爛好蹇璽�ン�疆�々の聞き憎い言葉が得々として交されてゐたが、爾来これらの雑語類が綺麗に一掃された、積立てた罰金はそっくり国防献金にするといふ
京城日報1942年7月10日「踏み出す�犢餮豼寛鬮瓠〇楮�要綱を府尹、郡守に指示 一斉に猛運動を開始」
皇民は一人残らず国語をと道では国語全解運動を展開するとともにこの基本となるべき施策要綱を作成中であったがこのほど全部決定を見たので九日各府尹、郡守に指示し一斉に猛運動を展開することになった
運動はまづ国語常用の雰囲気の醸成をはからうため官庁内をはじめ、会社銀行、工場、大商店等における国語常用化に努め朝鮮語を使用することのないやうに注意するとともに官公署その他における採用またはあらゆる機会における人物考試における国語生活状況の考慮学生、生徒および児童の国語生活徹底、国語新聞の愛護奨励、官庁、会社、工場、銀行商店等類似団体のその職域における常用徹底方策の研究懇談、店頭取引の国語化広告看板類の国語表示、国語使用に対する批判的揶揄的防〔ママ〕害的に出ることのないやうに充分な施策、講演、座談会、紙芝居等による国語普及の趣旨強調、標語の普及ビラ、ポスター等印刷物の配布をなし一般への国語常用に対する認識強化等を展開、国語常用の雰囲気醸成に努め、
また国語を解する者に対してはまづ官公署員に対して職場の内外公私を問はず国語常用、出張の際における用務の如何を問はず国語普及状況の調査指導、常用を怠る者に対する戎飾〔ママ〕反省、家庭の国語常用化、打合その他会合の際に発表会、輪読会による国語の習熟、配布印刷物の利用徹底をはかる外一般に対して新聞、雑誌の購読、輪読を奨励、解得者における未解者の積極的教導等を実施
一方国語を解しない者に対しては愛国班の申合せにより必ず国語講習会へ出席させる一方、創氏と旧氏名の国語読み、一日一語習得、一旦習得した国語の常時使用、汽車、電車、自動車等の行先、自己住所の町名、班名等の国語読み、就学前の児童の簡易児童保育所施設の強化による国語習得、ラジオ国語講座の利用等の徹底に努め万全を期する
なほさらに徹底方策として町部落連盟における国語普及の指導者を集め指導講習会を開く外、年次計画による町部落連盟国語講習会、十人以上使用の凡ゆる職場における職域国語講習会、宗教団体その他多数集合した際臨機利用、簡易な随時国語講習会、十歳未満の未就学児童に対する簡易児童保育所愛国班常会における講習会等、種種の講習会を開くことになってゐる
京城日報1942年7月12日「街の社交場から国語不解者を一層 鍾路署が『常用運動』に拍車」
国語の常用は街の社交場から―鍾路署保安係では国語を解せぬ者には妓生、女給などの営業を断然許可しない方針で既に実行してゐたが、更に国語全解運動に一段の拍車をかけるため鋭意これが徹底に努め料理店組合やバーの営業車を通じて既に許可されてゐる者でも不解者には極力習得を奨励し朝鮮語は全廃するやう注意を与へると共に一般のお客に対してもこれら女性たちの国語常用に協力するやう要望してゐる
京城日報1942年10月2日「雑誌の国語奨励懇談会」
実践的に機構を改革した朝鮮文人協会では先づ半島文壇の国語奨励日本精神錬成をめざして卅日午後七時から京城府民館に半島の主なる雑誌機関との懇談会を開催、協会から矢鍋名誉総裁、芳村幹事長辛島総務それに総督府情報課石本調査官、朝鮮軍報道部高井嘱託諸氏ら、雑誌社側として緑旗、国民文学、東洋の光、大東亜、新時代、朝光、春秋、朝鮮公論の各代表者が出席して、雑誌の国語奨励に対する隔意なき意見と所信を交して同九時半会を閉ぢた
京城日報1942年10月14日「厳しい�牴板輊甬抬疝�花高女校の国語運動」
国語常用は皇民への第一歩であると一般国語普及については誠意これが徹底に努めてゐるが、梨花高女では次代の母こそ国語に堪能でなくてはならぬと国語常用を奨励更に一般家庭への普及を徹底させることになった
勿論、従来においても国語常用はしてゐるが一歩進んで発音も正しく一般家庭にも国語普及を絶対的にといふ厳則に先づ各自�牋貽�一語普及日誌�瓩鮑遒蕕散気悗晋斥佞閥Δ吠譴悄∨瑤歪錣悗醗譟控�入してゐるものを一層徹底的にと辛島校長は自ら進んで毎日の如く日誌を調べながら一般家庭への国語普及に拍車をかけてゐる
京城日報1942年10月17日「作品の国語化を 文人協会小説部会の申合せ」
作品の国語化促進に乗出した朝鮮文人協会では、寄々各部会を開いて具体策を練ってゐるが、小説戯曲部会でとりあげた方策としては次のやうな各項目が挙げられ、その溌剌たる意欲のほどが窺はれる
即ち諺文作品にして優秀なるものに対してはこれを国語訳とすることに努め、李無影、蔡萬植両氏を委員に挙げ、国語への愛情を説く感想文を募ると共に、作品の国語化に関する論文をも促進し、これに関する内地文人の意見を徴し、新聞雑誌社側に呼びかけて会員の所見を掲載するやう斡旋することも含まれてゐる
また国語で書かれた優秀作品を表彰する一方、若い会員を養成し、評論部会と連絡をとって激励に当り、殊に朝鮮では遅々として発達しなかった大衆文学に対してはその地磐を開拓して研究会などを開き児童文学の分野についても同様の方策をとると共に、日本古典研究の結果をも発表するように慫慂するはずである
一方新人養成の一方法として作品の懸賞募集を行ひ、例へば方言などを国語で表現する場合、その指導協力を内地人側会員に求めて質疑し、満州芸文連盟及び日本文学報国会とも●●な連絡をとって、相携へて邁進すべく申合せた
京城日報1942年10月18日「原則的には国語 評論随筆陣でも申合せ」
朝鮮文人協会では従来の小説部会を小説戯曲部会に、評論部会を評論随筆部会に、詩歌部会を詩歌俳句部会と改めることになったが、評論随筆部会では研究会を開いて指導原理の確立を申合せ、毎月合評会を開き文芸時評を活発にし、小説戯曲部会とも緊密なる連絡をとるは勿論、原則的には国語を建前とすることをも申合せた
なほその他徴兵制実施と知識階級に関する特別論文を頻繁に発表することによって評論随筆陣自らの態度を錬成すると共に、一般への心構へをも育成することとし、また日満華との文化交流にも乗り出す方途を検討することとなった
京城日報1942年11月12日「繰出す国語査察班」
【大田】忠南道大徳郡では各部落で行はれる国語の習得状態を実地に視察しこれに伴ふ合理的方策を検討して、来べき徴兵制に備へて健兵の父母を錬成するため、国語常用状況査察班を組織し近く各面部落へ随時派遣することになった
同査察班は郡連盟役員を初め各関係者からなり全鮮に魁けて行はれるだけに注目を惹いてゐる
京城日報1942年12月6日「�狢臈谿´畊餮貳任�」
諺文総合雑誌として伝統を誇る�犹粟蚓き瓩呂修慮絖狢臈谿´瓩伐�題して編輯発行されてゐたがいよいよ大東亜共栄圏の中核体として半島の負荷する責務も大きくなって来たので、主催の白川青樹氏はいよいよ聖戦第三年の昭和十八年新年号から、これを全部国語を以て編輯、発足することとなった
京城日報1942年12月13日「遊興街へ厳い�犢餮讚疚仁瓠＾貲�後の不解者は営業取消」
鍾路署ではさきに管内料理店やバーの従業員中、国語を解せぬものは絶対に妓生、女給等の営業観察を許可せぬ方針のもとに国語常用を奨励してゐたが、まだ業者間には度々の注意にも拘らず徹底を欠いてる状態にあるので佐野署長は遂に陣頭指揮をとることとなり、今後一年間に必ず不解者は国語を習得すること、その後になってもなほ国語常用を怠る者には断固営業や鑑札を取消すなど鍾路街の粛清を図ることとなった
京城日報1943年6月27日「国語未解の先生を一掃 私立学園を刷新」
国体の本義に透徹する学行一体の決戦教育へ画期的な学制改革を断行した創と複では徴兵制及び義務教育制を前に、私立初、中等校の教員資質を昂めるとゝもに、決戦下学園体制を充実させるため、その教員の資格及び員数に関する規定を改正、廿四日これを告示した
その要点はこれまでは国語を解しない初、中等教員を認めてゐたものを、今後は初等学校は絶対にこれを認めず、また従来一校における教員の半数以下まで国語に通達せざる者を認めてゐた中等校教員を、これを三分の一以下に改正、中等校における漢文、外国語など特殊種目の担任教員は従来は一定の資格なく国語に通達せずとも認めてゐたものを、今後は国語に通達せぬ者はこれも認めなくなった（以下略）
京城日報1943年8月6日「徴兵に沸る愛国半島【6】全村に刻む�犢餮讚甼緡玉未竜韻�更生ぶり」
京城から東へ京春街道をしばらく行き府の共同墓地忘憂里を越えると都塵を洗ひ払った緑豊な農村楊州郡九里面がある、この村こそは晴れの徴兵制に備へて早くから国語常用運動に率先挺身して来た努力輝く村なのだ、この村に足を一歩踏み入れるや、立看板に、農家の大門に、柱に�狷眩�一体まづ国語�瓩箸い辰辛�な国語常用運動の標語、標識がそこにも、ここにも漢字と仮名と諺文とを併せて書き連ねてある
標語や、標識ばかりではない、一歩部落の民家を訪ねると、壁柱、時計、鍬など何から何まで振仮名をつけ、それに諺文でこれが壁であり、柱、時計、鍬であると言った風な説明をつけてゐる
この邑ではこれを�猜鋲彬椨瓩半里靴胴餮譴陵�解を実物教育で推し進めてゐるのである、…
この（皇民化への）善導の陣頭に起ったのが現区長の木戸義弼氏で…皇民化運動の中核をなしたものは国語常用運動であったが、覚醒せぬ部落民たちは最初は面長や校長さんたちを散々に手古摺らせたものだった、今では忍苦努力の四年に亘る国語講習成果は酬いられ、一丁字もない文盲の部落婦人たちにも今では片仮名を解するまでに仕上げたのである
九里面一万六千人のうち就学適齢児童から五十歳に至るまでの男女で国語を解しない者はまづ一人も居ない…と言ふのがこの模範部落の大きな誇りである
いま陣頭にあって血みどろの指導に当ってゐるのが青松面長と仁倉国民学校高山校長の二人であるがこの二人の指導者が注いで来た苦心の跡を辿るとかうだ
�犢餮譴陵�解なくして総力国民運動は駄目だ―�瓩箸龍�く固い信条から部落の指導的地歩に起つ面事務所、学校、駐在所、金融組合等の首脳が鳩首協議の結果、まづ仁倉国民学校の外五ケ所に学術講習所を設け、未就学児童の千二百人を収容して部落の青年たちを指導者として奉仕的教育に乗り出した、一週間のうち水曜が男子組、土曜が女子組で二時間宛懸命になっての勉強を続けた、そして毎日第二土曜日と廿五日には仁倉国民校で連合教授を行ひ最初の一年は単語を覚えることで押し通し第二年目から会話に移った
教はるだけでは駄目だと班員たちは積極的に、各家庭の品物には名前を国語で記入した札を貼ること◇所要の場所には国語常用の標語を掲げること◇挨拶など簡単な言葉は総て国語で対話すること
を申し合せて積極的に国語常用を励行実践して来た、班員は教師への謝礼として毎月十銭宛を持ち寄り、また面事務所でも国語講習会場には燈油の優先配給を行ひ、また国語の家を指定して面民たちの範とするなど尊い努力を続けて来たのである、いまも続けられる国語錬成の過程を見ると
部落の共同作業所内に国語の夜学会が開かれてゐる、ここに集って来る者は記憶能力に応じて八歳から十五歳迄、十六歳から廿歳迄、卅一歳から五十五歳迄と三組に分れ部落の青年で国語に精通した者が講師として懇切な指導に当ってゐるのである、また一般家庭の婦人に対しては国民学校の卒業生、上級在校生等が必ず一日一語の徹底した教授をする、時々作業場に集合して�猩段�発表会�瓩鮑鼎垢曚�、国民学校の児童と部落民との話はなるべく国語を使用させて一語でも早く、一語でも多く記憶させ、しかも慣熟させるやうに努力を払ってゐる（以下略）
京城日報1943年8月16日「社説 内鮮一体と国語常用」
一
芸能慰問隊が内地で非常な好評を博し予期以上の好成績を収め帰還したが、その原因が何処にあったかと言へば、慰問隊の一行が御国のため、私達のために傷つき倒れた傷病兵に対し心から慰問し激励したその誠心が傷病兵の心に、或は傷病兵を看る内地同胞の心に通じたからである。芸の上手下手や、顔の美醜からではない。又朝鮮から遠路遥々行った妓生珍らしさからばかりではない。御国に喜び勇んで心身を捧げた傷病兵の崇高な姿、心に接し慰問隊全員が感動に胸せまらせつゝ心からの慰問をしたからである、誠心と誠心とが触れ合ったからである。と同時に我々は今回の慰問行好成績の最大原因の一として慰問隊が国語常用の標語を地で行き歌や挨拶は勿論列車中でも宿舎でも妓生同志の会話にも一切朝鮮語抜きの国語常用で押し通したことを特筆せねばならぬ。
二
これは見逃し得ぬ重大な点で今後国語を基調とし内鮮一体の諸施策を円滑強力に遂行する上に一の示唆を与へるものである大して学問、教養ありと思はれなかった妓生達が国語を自由に駆使し伊勢の神域に、二見ケ浦の旭日に神ながらの日本を究めんと努力する姿、傷病兵を通し崇高なる日本精神、国体の有難さを学びとらうとする真摯な姿は内地同胞の意外としたところらしい。妓生でさへこんなに立派に国語を話すのであるから廿一年から義務教育を実施する朝鮮の国語化は期して待つべきものがある。内鮮一体は掛声ばかりでなく既に名実共に完成の域に近づきつゝあるのだと言ふので内地の朝鮮に対する再認識といふか、朝鮮への関心を一層深めたことは事実である。これは今回の慰問行の最大の収穫であると同時に国語常用といふよりは更に一歩を進めて朝鮮語を抹殺するていの熱意を以って国語教育の徹底を図ることが内鮮一体の実を挙げる所以であり、小磯総督のいふ国体の本義透徹、又それによる道義朝鮮の確率の捷径であり根本であることを示したものである。言葉の通じない南方未開の原住民が神兵来ると称して皇軍将兵を歓呼して迎へ涙ぐましい協力をしてゐることは事実であるが、こちらの心を十分に対手方に反映させる為には、こちらの感情が自然に対手方に流れてこそ初めて出来るのであって、そこに同一国語が絶対条件となって来る。
三
十九年度から徴兵制が実施されるのでその適齢者に国語の解らぬ者があってはならぬと言ふので本府では一昨年青年特別錬成令が公布され、適齢者で国民学校を卒業しない者に対し一年六百時間中、国語に四百時間を充てこれが徹底を期してゐる。廿一年から義務教育が実施されれば大体男は九十％、女は五十％、平均七〇％の就学率で正式学校教育を通じて国語化を図ることになってゐるが国語の普及徹底は学校ばかりでは十分でない。官庁、会社或は街頭に「国語常用」の標語を見るが内地人と半島人の場合は国語を常用しても半島人同志では国語が出来るのに国語を用ひないといふやうなことではその徹底は望まれない。
四
軍隊では国語が出来る出来ないは一向顧慮せず半島人だからとて特別待遇はせぬ。内地壮丁同様猛訓練をする。その際国語に習熟してゐぬと必要以上の苦労をせねばならぬ。立派な陛下の兵となることは出来ぬ。
南方に軍関係の仕事で出て行った朝鮮の労務者が郷里の人達に「原住民が日本人が来たと言ふので国語で話しかけたところ通じないので�爐�前達は日本人でないから駄目だ�瓩箸い辰徳蠎蠅砲靴覆�った。之からは国語が出来ぬと日本人の体面が保てぬばかりでなく何も出来ぬ、国語を習ってくれ」と手紙を寄越して来たのがある。
未だ国語の出来ぬ者は一日も速に国語を習熟せよ。既に国語を解するものはこれを常用せよそして壁一重距てゝゐるやうな他人行儀なまだるっこしさを一擲し、直接誠心と誠心をぶつけ合ひ真の内鮮一体の実をつくり道義朝鮮の確立に邁進しよう。決戦半島に対する負荷に応へようではないか。
京城日報1944年1月14日「国語は皇民の第一歩 官庁、会社では必ず使用せよ」
【仁川】ニ千五百万半島同胞の皇民化は先づ国語常用からと国民総力朝鮮連盟では総力運動の一として全鮮的に国語普及並に常用運動を喚起して、これが徹底を期しておるにも拘らず一時常用が励行されてゐたのがまた最近は緊張が緩み府庁その他府内の各官公署、団体等の内部に於てすら十二分に国語を解する職員が平気で国語を常用せず、朝鮮語を用ひるのを見受ける
一般銃後国民を指導する重要な地位にある官公署職員が率先垂範せねばならぬ筈であるのに、指導者の緊張が一時たりとも緩むことは一考を要することであり少くとも国語を解するものは必ず国語を常用すべきである
京城日報1944年1月21日「千人針 正しい国語 揃って常用」
国語常用は常に八釜しく言はれ乍ら、ややもするとヨリが戻りがちで官庁職員の間でさへ朝鮮語の会話が依然跡を絶たないでゐる、国語を用ふるにしてもガギグゲゴが出来なかったり発音抑揚が極端にナマッたりでは戦時下の国民とは言へない「トーキー等になってない会話が出るのは国民の恥であり、大東亜の指導者としての資格はない」と云ふので芸能方面に国語講習会等が実施されてゐるのはいゝ傾向である「正しい国語常用」内鮮一体も、皇民化も、総てはこゝからはじまる、一年生から練直しだがこれも芸能報国だ、いゝ錬成だと非常な勉強ぶり
京城日報1944年2月18日「国語常用 垂範せよお役人 仁川連盟、府庁へ厳達」
【仁川】半島同胞の早急なる皇民化徹底は国語常用から…と仁川府総力連盟では卅五万愛国班員に絶叫してゐるにも拘らずこの趣旨が周知徹底されず、殊に十二分に国語を解する識者階級に於てこれを励行せず、甚だしきは府内各官公署に於ける官公吏すら国語を常用せぬ傾向があるので、池田理事長は十七日先づ府庁並に各出張所に国語常用の標語を貼替へさすと共に全庁員間に於ては絶対に国語を用ひることは勿論、尚各課窓口に於ける係員は府民に接する時は必ず国語を常用し相手が国語を解せず万已むを得ぬ場合以外は絶対に朝鮮語を用ひぬやう厳達した
京城日報1944年3月24日「街から閉出せ諺文 国語生活の徹底へ実践運動」
国語常用が叫ばれてから久しい、だが未だに徹底しないので、皇民化の第一歩は国語生活にあると国民総力朝鮮連盟は「国語生活徹底運動」に乗り出すため目下具体案を練ってゐる、国語の常用は幾度か繰返されてきたものであるがその都度線香花火的であり永続性を欠きいつの間にか消えてゐたのであるが今度の運動は徹底的に実践せんとする意図で陽春四月から五月末をその期間とし
「国語生活を実行しよう」「府邑面民揃って国語を使はう」等の実践申合を行ひあらゆる団体の組織網を総動員し国語未解得者の解消に挺身する外教育関係者、学生、生徒、児童は陣頭に起って未解者を指導すると共に
諺文看板、広告、標柱等を撤去若しくは国語仮名書を併記し、また死蔵諺文活字の供出、朝鮮語音盤を再生し音盤資材として供出、不要諺文図書の処分、教会等の聖書讃美歌を国語化し家庭内の「一日一語運動」等が実践項目として考へられてをり国語講習会修了者の成績を認定し「認定章」をつけ或は国語常用章を制定、佩用する等徹底的な運動を展開せんものと意気込んでゐる
京城日報1944年6月13日「常会視察報告座談会」
朝鮮、京畿道、京城の三連盟では常会の趣旨徹底を図るため大詔奉戴日毎に官民有力者を動員して朝の常会を激励視察することになり、八日鍾路区内全町連盟常会における第一回の激励視察を行ったが十二日午後三時から府民館中講堂でこれら視察員の報告座談会を開催した、この座談会で開陳された民意を拾って見ると
生活必需物資を円滑に配給して頂きたい、朝の常会は短時間に且つ厳粛に行はれたい、長時間の集会は厳粛さを失ひ、効果が少ない、この意味で実践徹底事項などは省いて大詔奉戴式のみを行はれたい、国語を理解できぬ半島婦人が多いから通訳をつけて貰ひたいなどであった
京城日報1945年3月5日「文化 国語常用運動の推進」
半島における国語全解常用問題の重要性はすでに久しい前から叫ばれてきたところであり、特に徴兵制の実施以後は、いよいよ緊且つ急となってきたが、現在における国語全解常用運動は諸種の隘路に阻まれて必ずしも順調な進展を見せてゐるとはいへない状態である、この現状を打開し、一日も早く全半島を国語化することは、完き内鮮一体関係の達成や皇道文化樹立のために極めて緊要なことであり、特に優秀な兵士を出すために必要欠くべからざることである、国語運動が直ちに戦争につながる所以である、総力朝鮮連盟では官庁的でない国民運動としての国語運動を展開し来り客年十二月からは大学教授をはじめ該方面の専門家に依嘱する一方弘報課職員を動員し各道において数ケ所づゝ指導者講習会や懇談会を開き、先般全鮮において終了を見たので三日午後一時半、関係者及び軍官民人士を招聘して報告を兼ねた懇談会を開き、忌憚なき意見の交換を行った、以下同会合における論議を中心に諸種の問題を検討する
国民総力朝鮮連盟編「国民総力」1945年3月号
平北▲軽はづみにでも朝鮮語を使はぬことにしようと、江界郡化京面では、孫田面長以下全職員が外客までに国語常用を徹底させ、面民挙って国語生活に淳化させるべく、面事務所ではとくに献金箱を設け、朝鮮語を使った時は一語につき三十銭づつを入れ、すでにニ十四円を献金した
鎌田澤一郎『朝鮮新話』創元社、1950年、319-320頁
「成績優秀な学童が、ついうっかり朝鮮語を喋舌って落第し、朝鮮人教員が、家庭から電話がかかり先方が老人で日本語がわからぬため、朝鮮語を使ってゐたのを、校長に聞き咎められて、早速左遷されたりした。」
