八紘一宇・大東亜共栄圏の実態
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八紘一宇とは何か 
武力行使正当化に使用
八紘一宇の中心にあるもの
- 藤沢親雄は1937年の著書の「八紘一宇の世界経綸」の章で「我が天皇を精神的中心となす全人類大家族的国際社会」（498頁）「日本民族を中枢とする権威によって秩序付けられた世界大家族社会」（502頁）とした。*4
- 宮崎正義は1938年の著書で「八紘一宇の中心に位し給ふは、最高絶対価値としての天皇にあらせられる」と述べた。*5
- 徳冨猪一郎（徳富蘇峰）は1941年の著書で「皇室中心主義」と述べた。*6
- 彦根高商教授の桑原晋は1942年の著書で「天皇を中心とした家族的共同体」と表現した。*7
- 加藤一夫は1942年の著書で「日本の天皇が、その全世界の君となり給ふ」と表現した。*8
- 山本英輔は1942年の著書で「日本天皇の大御心を奉戴して、天皇を中心にまつろひ奉ること」「中心になる日本」とした。*9
- 1942年の陸軍文書「南方圏教育に関する基本方針（案）」では「帝国を中心とする八紘一宇の皇謨を具現する為…」と書いている。*10
- 「東亜連盟同志会「昭和維新の指導原理」(1944年)には「八紘一宇とは…換言すれば天皇が世界の天皇と仰がせられ給ふことに外ならない。」と述べる。*11
日本の使命・日本以外には実現不可能
- 内閣・内務省・文部省編「国民精神総動員資料.第四輯 日本精神の発揚 八紘一宇の精神」（1937年）では「八紘一宇の精神」の項で「流転の世界に不易の道を知らしめ、漂へる国家・民族に不動の依拠を与へて、国家・民族を基体とする一大家族世界を肇造する使命と実力とを有するのは、世界広しと雖も我が日本を措いては他に絶対にないのである。」「我が国はかゝる人意の国にあらずして、神命に基き自然の理法に随って生成せられた国であって、」とする。*12
- 藤沢親雄は1937年の著書の「八紘一宇の世界経綸」の章で「日本の世界的使命」（501頁）「以上本章を通じて究明したる如く、皇道の外に真に普遍的なる国際政治原理は存在しない。皇道に比肩するに足る他の現実的な世界指導精神も存在しないと思ふ。且又日本民族を措いて世界絶対平和を実現し得る王者的民族は存在しないと信ずる」（506頁）と述べた。*13
- 井上哲次郎は1941年の著書の「天壌無窮と八紘一宇」の章で「我が日本の如きものでなければ、此の大任を果すことは不可能」「我が日本の大使命」とした。*14
- 小牧実繁は1942年の著書で「八紘一宇の大理想は大御稜威のもと、日本民族によってのみ実現せられると確信せられるのである。」と述べた。*15
- 山本英輔は1942年の著書で、真の世界平和を実現するには日本の八紘一宇の精神に勝るものは無いと述べている。*16
深遠すぎて翻訳できない
1940年2月8日衆議院予算委員会で堤康次郎議員が八紘一宇の英訳を問題視した。
また2月13日の衆議院予算委員会でも北れい吉議員がこの問題を取り上げた。
翌2月14日の衆議院予算委員会で堤康次郎議員が再度この問題を取り上げた。
八紘一宇をどう英訳するかについては学者も「八紘一宇と云ふ言葉は簡単に現はす訳語は見当らぬ」とお手上げ状態であった。*17
さらにこの問題は2月27日の貴族院予算委員会でも取り上げられたが、政府は「非常に長く説明を致さなければ」誤解を招くので「外国語に翻訳致さない」と答弁した。
結局同年4月12日付外務省文書で、深遠すぎるので翻訳しないという正式な通知が出た。*18
○堤康次郎
総理大臣の施政演説に於ても、又其の他の機会にも屡々我が八紘一宇の肇国の大精神が顕現せられて居るのであります、我が肇国の大精神は、意義極めて深遠にして、広大無辺なものでありまして、之を二十字とか、三十字とか、字を限って能く分るやうに書けと言はれたら、是は非常に困難なことであります、況して之を外国語に書き表はすことは、非常に困難なことであります、然るに鉄道省が監督して居られますツーリスト・ビューローから発行して居りますツーリストと云ふ雑誌の新年号にザ・ユニバース・ワン・ファミリーと云ふ言葉が書いてあるのであります。是は即ち世界一つの家族と云ふことである、世界は一つの家族と云へば、世界は一つの国、世界征服と之を曲解せらるる危険が多分にあると思ふのであります
○松野鶴平鉄道大臣
「八紘一宇」の訳語、是が外国語でどう訳するかと云ふことがまだはっきり決って居るとは考へませぬ…苟も誤解を受けるが如きことは慎むべきものなりと考へて居ります
○堤
八紘一宇と云ふやうな肇国の大精神を書き表はす時には、是は八紘一宇とローマ字で書くべきだ…懇切丁寧に数百数千語を費して此の意味を明にする、斯うしなければならぬ、以後は慎しむと言はれるが…
また2月13日の衆議院予算委員会でも北れい吉議員がこの問題を取り上げた。
○北れい吉
先達て此の予算総会に於て堤君から、鉄道省関係の印刷物に八紘一宇を…
○松浦鎭次郎文部大臣
之を唯四海同一家或は唯の平和の考である平和主義である、斯う云ふ風に一概に申す訳には参らぬものであらうと考へるのであります
○北
之を無条件的平和主義に解して、万邦共和とか、世界同胞、ザ・ユニバース・ワン・ファミリーなどと翻訳されたら、実際有難迷惑である、さうかと思ったら又支那の一部の反日思想を持って居る者が悪宣伝に用ひるやうな利己主義的国家主義、帝国主義的侵略主義に是が取られても困る…
翌2月14日の衆議院予算委員会で堤康次郎議員が再度この問題を取り上げた。
○堤康次郎
過日の予算委員会に於きまして、我が肇国の大理想である八紘一宇と云ふ言葉がツーリスト・ビューローから発行して居りまする雑誌に英訳をせられて…
○米内光政首相
御答を致します、八紘一宇とは神武天皇御創業の大精神であり、広大無辺の御仁徳を普く天が下に布き拡め給はんとする大御心なりと拝察致します
○堤
総理大臣は今の此の御説明を完全に英訳せられまして、一つの型を作って将来外国に之を宣布せらるることが私は宜らうと思ひまするが…
○米内 世界各国をして誤解せしめないやうな手段を取りたいと存じます
八紘一宇をどう英訳するかについては学者も「八紘一宇と云ふ言葉は簡単に現はす訳語は見当らぬ」とお手上げ状態であった。*17
さらにこの問題は2月27日の貴族院予算委員会でも取り上げられたが、政府は「非常に長く説明を致さなければ」誤解を招くので「外国語に翻訳致さない」と答弁した。
○大河内輝耕子爵
それから次に伺ひたいのは、是は申さなかったけれども、八紘一宇と云ふ文字…外国語で、英語でどう云ふやうに訳されて居りますか、それを伺ひたい
○有田八郎外相
只今の大河内子爵の御質問で、東亜の新秩序、八紘一宇、防共と、もう一つ……
○大河内
興亜……
○有田
どう云ふ風に英語で訳して居るかと云ふ御質問でありまするが、八紘一宇と申しますことは、其の深遠なる御精神並に意味から申しまして、之を外国語に訳すると云ふことは避けて居るのであります、単り八紘一宇と申す言葉ばかりでなく、日本の特有の国体に関連して生じて居りまする言葉は、原則として之を外国語に翻訳致さないと云ふことに致して居るのであります…東亜の新秩序とか、或は興亜とか、防共とか云ふことは、是は場合に依りますれば、外国語に訳することがあるのでありまするが…
○大河内
八紘一宇と云ふのは…外国人と話すにも…如何でせうか、共存共栄と言ったらいけますまいか
○有田
他の簡単なる言葉を以てすることは誤解を招く虞があると存じますので…是は説明を致しますとすれば、非常に長く説明を致さなければその趣旨が徹底せずして、寧ろ誤解を招くのであります、共存共栄と云ふ風なことも、極めて簡単な言葉でございまして、是が八紘一宇と同一であるかどうかと云ふことに付きましては、私は今此処で簡単に申述べる訳には行かない…
結局同年4月12日付外務省文書で、深遠すぎるので翻訳しないという正式な通知が出た。*18
外国語に訳し難き語句に関する件
近来各方面に於て支那事変に関連し「八紘一宇」「皇道外交」等の語を使用あるを見受けらるる処今議会貴族院に於て「英語にて右を如何に訳して居るか」との質問に対し外務大臣は「前者は深遠なる精神であるから外国語に訳することは避けてゐるが後者は場合に依て訳してゐる」旨答弁せられたる事情あり爾今本省に於て右用語を外国語を以て公表する場合は万一の誤解を避くる為之を外国語に訳さず其の儘之を使用することを決定したるに付此段通知す
省内通知 昭和十五年四月十二日 昌谷文書課長 各局部課長殿
具体的に何をどうするのか
- 高島米峰は1937年の著書の「八紘一宇の思想」の項で「支那の日本を軽侮し、蔑視すること、誠に言語に絶す。…永遠に日本の庇護なくしては、独立の体面を保ち得ざることを痛感せしめ、無限の信頼と絶対の従順とを捧げしめなければならない。」と主張する。*19
- 東京商大教授金子鷹之助は1945年の著書の「八紘一宇思想の具現方途」の項で「社会的文化的方途は、先づ神社の造営が第一であらう。」「現地に於ける日本人は、祭日休日の参拝はもとより、私人の冠婚葬祭も一切、この神前に於て行ふべきである。」「大陸に於ても、少くとも原住民族は、日本民族及び南方民族と、同祖同族だった筈であるから、やがては太古の記憶を覚醒し、神社参拝を理解し得るに至るであらう。」と提案する。*20
八紘一宇と大東亜共栄圏の関係
八紘一宇は地球規模
大東亜共栄圏はアジア規模
八紘一宇のアジア版、八紘一宇に至る一過程が大東亜共栄圏
大東亜共栄圏はアジア規模
八紘一宇のアジア版、八紘一宇に至る一過程が大東亜共栄圏
八紘一宇の実態（１）東南アジア
軍政方針「日本人と平等と思わせてはいけない」
南方軍総司令部「昭和十九年度軍政施策に関する指示」（1944年1月）*21
各民族に対する取扱また第25軍軍政監部総務部総務科「民族対策参考資料」（1942年11月）*22でも以下のように赤裸々な本音が並んでいる。
日本人に対しては某程度の特別の取扱ひは已むを得ざる所にして徒らに現地住民をして日本人との平等感を抱かしむるが如きことなき様注意せられ度
- 「原住民族指導の態度」として「友好関係の如き」は日本への侮蔑につながるから「望むべからず」（5,6画像目）
- 占領地で教えやすいように日本語の簡易化を図るといった意見については「一顧の価値なし、日本語が南方民族の鼻息を窺ふ如き態度をとる必要なし」（6画像目）
- 現地の「大和民族」に「特別地位を付与すべし」、「大和民族」が「永遠の指導権を確保する」（12画像目）
日本語や君が代の教育
京城日報1939年5月10日「黄河戦線に立つ【四】河津にて桑原特派員発 一日一語の勉強 君が代、鳩ポッポから」
京城日報1941年5月2日「長い時間は禁物 君が代は誓詞斉唱に力が足りぬ 街の愛国日常会 川岸総長感想」
京城日報1942年4月17日「東亜拠点・新生の素描【完】サイゴンの巻 邪魔になる防空壕 各学校で日本語が正課」
京城日報1942年4月17日「『君が代』歌ふマレーの子 更生の昭南（※シンガポール）市、学校も続々開校」
京城日報1942年10月19日「新生ボルネオの姿 『君が代』歌ふ原住民 皇軍の努力酬いらる」
京城日報1943年4月12日「�犒�が代�甓里娶興嗣院．僖廛�族も公学校へ」
…蜀漢の豪勇関羽将軍はこの東方、池と緑に囲まれた常平村の生れ新民学校の校庭には象楔文字の鼻祖倉頡の碑がある
生徒たちは君が代やポッポッポから蛍の光、愛国行進曲まで歌ってくれる、心からたのしさうにそして何のためらひもなく、井田徳部隊長（福岡県出身）も「この子等が青年になる頃には本当の日本を理解してくれるでせう」と語ってゐるが（以下略）
京城日報1941年5月2日「長い時間は禁物 君が代は誓詞斉唱に力が足りぬ 街の愛国日常会 川岸総長感想」
時代精神に沈潜して自粛の一日をささげる愛国日は月を重ねるにつれ形式、内容とも整備改善の一路を辿って戦時下まことに心強いものがあるが、一日朝府内を巡察して街の愛国振りを視た川岸総連総長は視察後の感想を次のごとく語った
出席率の向上、時間の励行など愛国日常会の状況にはまことに掬ずべきものがあるが、なほ仔細に研究すれば幾多改善の余地はあると思ふ、一例を挙げれば示達、申合せ内容等も指導者の工夫研究によって更に直截簡明に取り運び得ると思はれる所が可成りあった、一日の常会は府民の総訓練常会であるからだらだらと長い時間は禁物だ、細いことは七日の愛国班常会でじっくり申合すればよいのだ、なほ一般「君が代」や誓詞斉唱に力が足りない、もっと元気で力強くやってもらひたいものだ、地方の方では今もなほ神社を参拝するだけで愛国日に常会を開かない所もあると聞くがもっての外でラジオの放送もあることだし是非やってもらひたい
京城日報1942年4月17日「東亜拠点・新生の素描【完】サイゴンの巻 邪魔になる防空壕 各学校で日本語が正課」
【サイゴン十四日同盟】…兎も角、仏印では対日協力、日本人信頼一点張りだ、サイゴン初め各地に小規模ながら日本語学校が誕生し仏人経営の各専門学校、大学の教授課目にも日本語が正課として取入られた街頭に於ける東亜共栄圏語として日本語が幅を利かしてゐることは各地より一足先きに共栄圏に飛込んだだけに南方随一だ、買物などには下手な仏語などを使ふより日本語の方が遥に判りがよい「ふんどしあります」などと貼り紙してある店もある、サイゴン、ハノイ間仏印縦断急行列車の列車ボーイは鮮かな東京弁でサービスしてゐる
運命分担の信念
街の日本語熱と併行して一般知識層の日本文化進出への要望は大きく、サイゴン放送局では日本関係のニュース解説が幅を利かしてゐるのは勿論だが、娯楽の時間にまで日本語のメロデーが進出することになった、映画では例の田園交響楽仏語版が可なりの観衆を集めたが、ハワイ爆撃のニュースなどは続映々々で何回やっても大入満員といふ有様、…【写真＝かつて抗日の街であったサイゴン、ショロンの大通】
京城日報1942年4月17日「『君が代』歌ふマレーの子 更生の昭南（※シンガポール）市、学校も続々開校」
【昭南市十六日同盟】戦禍のため約二ケ月休校してゐら昭南の学校が治安の回復と相俟って続々開校されてゐる、去る十二日には各学校に魁けてマレー人学校二十一校が開かれ、十五日には印度人学校十校が開校近日中に華僑の学校も開校の運びになってゐる
マレー人学校は従来昭南島内に十九校、ブラカンマチ島その他の島嶼に八校約四千名の生徒がゐるが戦禍に破壊され全然使用に堪へない学校があるので現在では廿一校を使用し、午前午後の二部教授を実施して校舎の不足を補ってゐる、また印度人学校は十七校のうち十校が五日開校、残余の学校もこの数日中に開校される、約一千名の生徒も従前通りなんらの不自由もなく教育をうけることになってゐる
教育方針としては民族に相応しい教育を行ひ徐々に英語を駆逐して日本語をもってこれに代へる方針で各学校はすでに日本語教育を施してゐるところもある、十二日に開校したマレー人学校などはすでに「君が代」を生徒が歌へるほどに進んでゐる、日本語が昭南島に普及するのもさう遠いことではなくなった、一方英語学校は廃校と決定し、華僑の学校は将来大東亜を背負ふ健全な第二国民を養成する必要上従来の教育に大変革を加へともすれば誤り勝ちな支那人教育に万全を期するため目下教育方針の研究を進めてゐる
京城日報1942年10月19日「新生ボルネオの姿 『君が代』歌ふ原住民 皇軍の努力酬いらる」
【ポンチャナクにて児島海軍報道班員 十八日同盟】…以下は旧蘭領ボルネオ警備隊の敗残兵掃蕩隊に従軍した記者が感激をもってつづる奥地六百五十キロ走破の「新生ボルネオ」の姿である、…ダイヤ部落で道草をしたわれわれがソソの部落に着いたのは午後四時頃であった
原住民は赤いレモン水や草の葉で包んだ菓子を出して盛んに勧め「君が代」「愛国行進曲」を立派に唱った、老も若きも男も女もたゞ一生懸命唱ってゐる、兵隊も記者も唄った、（以下略）
京城日報1943年4月12日「�犒�が代�甓里娶興嗣院．僖廛�族も公学校へ」
【○○基地にて十一日久恒海軍報道班員発】ニューギニヤに皇軍が上陸してから早くも一年を迎へたが、…また最も文化の進んだ海岸地帯には原住民の公学校が開かれてわが祝祭日には子供達が「君が代」を奉唱し、兵隊さんに教はったのであらう、愛国行進曲や「おててつないで」を唱ってわれわれをびっくりさせるのである
フィリピン
- 比島派遣軍最高指揮官本間中将「勤労精神鼓舞のために月月火水木金金の勤務、公用語として日本語とタガログ語の使用など漸進的にこれに手をつけそして、今自分は比島民に対する訓示を作成し、アジア人として比島人の拠るべき道を示したいと思っている」*23
- フィリピン軍政監部総務部教育班長「従来の欧米的フィリッピンを抹殺して共栄圏フィリッピン再建の百年の大計から軍指令官命令によって勤労精神の鼓吹と欧米依存の排除という一方針が明示されそれに従って教育の再建が行われている」「英語の漸廃に代うるに日本語を以てし日本語をタガログ語と並んで公用語に採用し」「従来の如きアメリカ式自由教育は断乎排除の方針である」*24
- 1942年7月12日付報知新聞記事は、フィリピン人が「個人的な打算主義の一日八時間労働と日曜全休を主張、ブツブツいい出した」ので「日本人工員達はこの悪弊をため直すには自らが身をもって示すより途のない」と「土曜、日曜抜きの『月月火水木金金』どころか連日にわたって長い期間夜勤」を報酬無しで続けフィリピン人を驚かせたと紹介している。*25
フィリピン人の反日感情と米軍再来願望
1944年3月の現地憲兵隊文書*26に、フィリピン生徒の嘆きが記されている。
別の憲兵隊文書では1944年6・7月のパラワン島の状況として「住民の常食とせるバナナ及芋等も既に皆無となり之が食糧入手に腐心しあり」*27とある。
1944年7月31日付の南方軍報道部「対比宣伝反響月報（七月）」*28には「比島一般大衆は今や古今未曾有の物価高に依る生活苦難の結果仮令国土が焦土と化し、生命を失ふ危険あるも一日も早く米軍の再来を望む者頗る多し」とある。
時局問題に対するカバナツアン（※ルソン島中部）地方民心の動向
一、要旨
カバナツアン憲兵分隊に於ては女学校生徒二百余名に対し憲兵干与を秘匿し仝校邦人教師をして無記名にて所感文を徴せしめ対時局動向を観察せるが
・米軍の再来を希求妄信しあるもの 六〇％
・現実の苦難は戦争のためなりとし日本軍を呪咀するが如きもの 三〇％
・日本軍の真意を理解し大東亜民族としての自覚に徹しありと認めらるゝもの 一〇％
所感文内容（※抜粋） ・何故東洋人が此処に来たか 彼等が来ない前は幸福でありゲリラも居なかった、日本軍が比島を独立さしたが喜んで居るものは少ない、我々は日本を期待出来ない
・黄色人種でなく我々は他の人種の来るを待っている
・戦争は我々を不幸にした我々は三ヶ年も苦しみ今尚苦しんでいる何故か？住民の中には一日の食事も充分に摂って居らないものが沢山居る…物価は日一日と昂騰する何故其の様になるか？月給取が四十円や五十円でどうして家族を養って行くことが出来るか、お前達は此の残忍悪辣なものを知っているか
・今年中に戦争が終らないと物価は益々高くなるし我々は餓死するばかりだ私もゲリラになりたい、そして日本軍と戦争したい、そうすれば日本も軈てスペインの様になるだろう
・戦前は自由な生活で書物等も如何なるものでも読むことが出来た戦前の生活に一日も早く帰へりたい
別の憲兵隊文書では1944年6・7月のパラワン島の状況として「住民の常食とせるバナナ及芋等も既に皆無となり之が食糧入手に腐心しあり」*27とある。
1944年7月31日付の南方軍報道部「対比宣伝反響月報（七月）」*28には「比島一般大衆は今や古今未曾有の物価高に依る生活苦難の結果仮令国土が焦土と化し、生命を失ふ危険あるも一日も早く米軍の再来を望む者頗る多し」とある。
現地男性の強制連行・強制労働
カリガラ警備隊長「ダバオ向人夫強制輸送に関する件報告」（1944年4月24日付）*29には、現地男性の強制連行に至る経過が詳しく記されている。
| ダバオ向人夫強制輸送に関する件報告 | |
| 1944年3月20日 | 陸軍嘱託がカリガラ警備隊に来てダバオ向人夫1,000名募集を通知。期日は4月10日 |
| 4月5日 | 「僅かに十五名を得たるのみ」だったので警備隊長が「町長を督励し隣組に割当てる等の手段により所定の人夫得たき旨を述べたり」 |
| 4月9日 | 歩兵第20連隊長より状況報告指示。警備隊長は「約五十名程度」「強制的に強要する権利なく困却しあり」と報告 |
| 4月19日 | 再び嘱託が来て「強制するも可なりと参謀部の認可を得たり」と通知 |
| 4月21日 | 警備隊長から大隊長宛報告「一斉に急襲的に土民を乗船せしむべきに付御承知相成度」 |
| 4月22日 | 「代理町長に命じ一三・〇〇より民衆大会を開催すべく命じたるも、集合せざるを以て兵を派遣し民衆大会の実施さる旨を告知し一五・〇〇約五百名の男集合せり。仍て労働に耐へざる者、役人教師等を除き、約三百五十名を選定したり。之等三百五十名に対しダバオ向人夫として約一年間日給三円程度、衣食住は供与され、其他の娯楽等良好なるを以て十分安心して日本軍に協力すべき旨を述べて概ね納得せしめ一六〇〇乗船開始二〇〇〇乗船完了せり」 大隊長への報告「ダバオ向人夫約四百名一五・〇〇強制的に集合せしめ二〇〇〇乗船完了せり」 |
当時の日本人のフィリピン観
- 比島方面最高軍政顧問村田省蔵「一度アメリカ色に染まった連中をすぐ東洋色に染めかえるということは相当困難な話だ、それよりはむしろ無色の児童を新しい教育によって真の東洋人に育て上げる方が容易だ」*30
- 南方派遣軍顧問永田秀次郎「比島は東インドに比べると住民の再教育が余程難しい、それは彼らの大部分を占める青壮年層がアメリカニズムでそこなわされているからだ」「婦人はといえばアメリカ流の男女同権主義で、女だてらに大統領選挙に乗り出しかねまじき鼻息である、東洋唯一のキリスト教国、文明国だと自惚れて来たのだから甚だ扱い難いのである」*31
- 南方圏研究所専務理事竹井十郎「フィリピンは久しく米西両民族の悪影響を蒙って物質万能の思想が強い、彼等が果して日本にどの程度まで感謝の念を抱いているかは疑問であり…」*32
- 青木一男大東亜相「米国の軽薄な物質文明から堅実な大東亜精神にめざめることである」*33
- 第16師団参謀長渡辺三郎大佐「自分は師団長の側近に居て師団長の常に言って居らるゝことを承っ居る〔ﾏﾏ〕ので茲に師団長の御意図を伝達し諸官の猛省を促す次第である。…五、地方物資との物々交換に方っては比島人に馬鹿にされる様な行為のなき様努められ度い。某地で日本の兵が比島人からバナナ一房を貰ひ之に対し米一俵を与へたものがある。常識で考ても解る様な事を平気でやって居るのであるから比人の如きものに迄馬鹿にされ且嘗められるのである。克く注意指導せられ度い。」*34
インドネシア
- インドネシア人の回想では、体操をしなければならなかった、皇居遥拝をさせられたが心の中では天皇は神ではないと思っていた、あるいはケンペイタイの横暴、バゲロー（馬鹿野郎）という日本語、日本兵のビンタなどが出てくるという。*35
- ハッタの回想録「大勢の人が私の事務所に来て、いとも簡単に人をひっぱたく日本人の態度について、苦情を述べたてた。」*36
- 内海愛子は「私は一九七五年から二年間バンドンで暮らしました。そのときに必ず出てくるのは、日本軍の最も悪いことは、なぐることだと、繰り返し強調されました。それから食糧、日本軍の占領期にお腹がすいた話、布地が足りなくてゴムでつくった服を着た話、そういう話がよく出てきました」と回想する。*37
- 1944年3月19日付の「爪哇（※ジャワ）軍政監部警務部 治安月報（二月分）」*38によると、
生活必需物資の減少は漸次深刻化し通貨膨張と相俟って価格は昂騰しあり。就中食糧衣料の逼迫著しく闇取引の横行による需給混乱と共に価格は日を追って昂騰し戦前の数倍乃至十数倍の高価に非ざれば入手し得ざる状態となり一部地方にありては半裸となり甘藷其他野生草の葉根又は尚早のタピオカ等を常食として露命を継ぎあるもの或は食糧の欠乏により飢餓浮腫病発生し死亡者を出す等ありて民情は悪化の傾向あるのみならず食糧衣料の欠乏に基因する窃盗闇取引流言傷殺害事件及其他不祥事件増加しあり
ロームシャ
インドネシアにはロームシャ（労務者）という日本語が残っている。インドネシア語辞典では「romusa」を「日本占領時代に重労働をさせられた人々;強制労働者」と説明する。インドネシアの中学教科書では「ロームシャたちは、大半が村落から徴用され、それも一般的には学校を出ていないか、せいぜい小学校卒の人々であった。最初、彼らは甘い言葉でロームシャになるように勧誘され、甘言で成功しないと、強制された。」と説明する。*39
当時の日本人のインドネシア観
インドネシアで20年以上過ごし南方についての著書が複数*42あり、陸軍省南方政務部非常勤嘱託も務めた*43竹井十郎は1941年次のように述べている。
史実部「ジャワ軍政の概要」（素案）には「軍隊に原住民を蔑視し特に之を殴打する傾向ありて之が是正に苦慮せり」「当初軍参謀部は王候〔ﾏﾏ〕を廃止する意図の下其準備に著手せり」「軍憲兵隊にはスカルノ、ハッタ等を目して共産主義者として反対する向ありたるも…」*44とある。
竹井十郎『蘭印の大虐殺』東南亜細亜民族解放同盟、1941年、26頁
和蘭（※オランダ）人は怪しからん、土民を搾取して自分達は非常な贅沢をして居るなどといふ癖に、土人が土人がといって平気で居るのが、殆んど凡ての日本人ではないか。土人といふことは、未開野蛮人だとの意味で使はれて居るのであるが、その土人といふやうな軽蔑した言葉を使ふその心持ちは、和蘭人と少しも異なった処はないではないか。
史実部「ジャワ軍政の概要」（素案）には「軍隊に原住民を蔑視し特に之を殴打する傾向ありて之が是正に苦慮せり」「当初軍参謀部は王候〔ﾏﾏ〕を廃止する意図の下其準備に著手せり」「軍憲兵隊にはスカルノ、ハッタ等を目して共産主義者として反対する向ありたるも…」*44とある。
マレーシア・シンガポール
- マレーシア初代首相ラーマンの回想録には、日本軍による略奪、虐殺などが記されている。*45
- 日本陸軍の文書「学校教育整備刷新要綱（案）」では、「馬来（※マライ）の現地人は将来之を現地皇国民たらしむべき含みに於て学校教育にありては皇道教育を中核として…」とある。*46
- リー・クアン・ユー初代シンガポール首相の回顧録によると、日本軍兵士は些細なことで住民を殴る。また華人の大量虐殺があった。*47
- シンガポールの教科書では、憲兵隊による処刑や拷問、貿易途絶による飢えとインフレなどが記されている。[768]
- 馬来軍政監部「軍政月報」（1944年3月31日）では「生活必需物資の不足、物価の昂騰は現住民の生活不安を増大しつつあり日本の統治を呪詛するが如き言辞を弄するものありて今後の治安上民心の把握は相当苦心を要する所あるべし」*48とする。また「米穀及雑穀類の不足は甘藷タピオカを以て補ふものとす」*49とある。
強制労働と多数の死者
第一復員省史実部「馬来（※マライ）軍政の概要（素案）」（1946年5月）*50では次のとおり明確に「労務」について「強制的」と述べる。
また別の文書では「各州（市）は左の要領に基き万全の施策を講じ以て其の割当てられたる労務者は必ず之が全数供出を期すべし」*54とある。
馬来軍政監部「軍政月報」（1944年2月29日）*55では供出労務者に多数の死者が出たことなどを次のように記している。
南方軍総司令部「昭和十九年度軍政施策に関する指示」（1944年1月）*56では「敵の反攻企図に基く宣伝謀略等は益々積極執拗化するのみならず物資の不足、物価の昂騰、労働力の強制供出等に基く生活不安は今後愈々加重すべく又敵側の謀略行為に依り民心離反、治安悪化の虞大なり。故に治安確保に関しては万全の対策を講ぜざるべからず。」*57と、マレー地域と限定はしておらずインドネシアやフィリピンなども含む全体的な状況と考えられるがやはり「強制」と表現している。
三 労務ところが2か月後の「マライ軍政の概要」（1946年7月）*52では次のように「強制的」の語句を削り曖昧な表現に書き換えられている。
軍政初期に於ける馬来の労務は護謨（※ゴム）園休止の為過剰なりしが軍政の進展と共に産業殊に重要国防資源の供出、自給自足諸施策の強行となり労務に不足を告ぐるに至れり。昭和十八年七月頃より泰緬甸鉄道工事を促進する必要に依り馬来より十万の労務者を供出することを指示せられたり。当時十万を出すことは邦人進出商社の着手したる重要国防資源の供出事業よりも引き抜かざるべからざる状態にして重ねての供出命令により強制的に供出したるに民心把握の上に於ては頗る遺憾の状態を発生せり。其のあとクラ地境鉄道の布設も馬来の苦力を以てすべしとの指令あり。之に供出したる人員二万人なり。次で馬来義勇軍義勇隊の編成を命ぜられたるも既に十数万の青年を供出し…*51
三 労務
軍政初期に於けるマライの労務はゴム園休止の為過剰なりしが戦局の進展は作戦準備に多大の労力を急襲せられ又産業殊に重要資源の供出、自給自足等の諸施策実行の為の労務に不足を告ぐるに至れり。昭和十八年七月頃より泰、緬甸鉄道工事を促進する為マライより約十万の労務者を供出することヽなり為に重要資源の開発に要する労力を割愛せり。又一般に他地域に出稼労務は現地人の希望せざる所にして民心把握の上に於ては頗る遺憾の状態を発生せり。其の後クラ地境鉄道の敷設の為約二万人の労力供出命令ありて更に労力不足を告げたり。次でマライ義勇軍義勇隊の編成を命ぜられたるも其の要求を充足することは不可能の状態なりき。*53
また別の文書では「各州（市）は左の要領に基き万全の施策を講じ以て其の割当てられたる労務者は必ず之が全数供出を期すべし」*54とある。
馬来軍政監部「軍政月報」（1944年2月29日）*55では供出労務者に多数の死者が出たことなどを次のように記している。
四 労務
２軍労務者供出
軍労務者の需要七・〇〇〇を各州市より協力充足に努めつゝあり
４送還鉄道建設苦力の処置
泰緬及クラ地峡鉄道建設用供出苦力にして病気其他により死亡せしもの累計九・一三一 独歩患者の送還せられたる者累計七・四三二あり、各州市に於て適宜保護及治療を加へあり
南方軍総司令部「昭和十九年度軍政施策に関する指示」（1944年1月）*56では「敵の反攻企図に基く宣伝謀略等は益々積極執拗化するのみならず物資の不足、物価の昂騰、労働力の強制供出等に基く生活不安は今後愈々加重すべく又敵側の謀略行為に依り民心離反、治安悪化の虞大なり。故に治安確保に関しては万全の対策を講ぜざるべからず。」*57と、マレー地域と限定はしておらずインドネシアやフィリピンなども含む全体的な状況と考えられるがやはり「強制」と表現している。
ベトナム
ベトナムの教科書では、日本軍による徴発で食糧難が生じ、1944年末から45年初めにかけて約200万人が餓死したと記されている。*58
八紘一宇の実態（２）朝鮮
朝鮮半島
内地第一主義で食糧供出
日中・太平洋戦争期になると朝鮮半島でもコメなど食糧作物の供出制度が実施されたが、それは「植付前に供出割当を行ふ」*59仕組みであり、干害冷害などで凶作になった*60*61*62にも拘らず事前の供出割当をこなす必要があったため「農民の負担が漸く過重」*63「供出後に於ける農村の食糧事情は既に相当窮迫」*64という有様であった。
1944年7月31日付、内務省嘱託小暮泰用の朝鮮視察報告書*65には、食糧供出の実態が述べられている。
1944年7月31日付、内務省嘱託小暮泰用の朝鮮視察報告書*65には、食糧供出の実態が述べられている。
二、都市及農村に於ける食糧事情小暮は「厭農思想が相当濃厚」と指摘たが、小暮だけでなく複数資料*66*67が同様の指摘をしている。それでも日本当局は「内地第一主義」*68で朝鮮半島における「消費節減を図る」などして朝鮮米の内地移出に努めた。
…斯る基礎に於て個々の農家の具体的供出量が定められる、そうして此の供出令は文字通り至上命令とされ供出の完遂は勧奨よりも強圧強権を加へて強ひられる場合が極めて多い状態である。
而も朝鮮の農民は純朴従順であって、そこには涙ぐましい数数の実話実情も多い、或は明日の糧まで供出せる者あり或は彼等の何よりも大切なる農牛や家屋や家財道具等を売払って闇買をしてまでも自己の供出割当数量を完遂せる者も居る、従って部落に於て勢力のある者、即ち所謂有力者其の他富豪権力者を除いては出来以外の時に於ける農村の食糧事情は殆んど窮迫の状態にある。従って農業者にして尚朝飯夕粥は良い方で多くは糊口に苦しみ自己の生産物は全部供出に献げ自分は大豆、小豆の葉や草根木皮にて辛じて延命し顔は腫れ上り正に生不如死の惨状を呈し空腹の為め働く事も出来ず寝て居る者も尠くない状態である。
斯の如き朝鮮農村の食糧事情よりして農民は食糧は生産しても自らは喰へない故に農村には増産意欲どころか寧ろ厭農思想が相当濃厚であり生産物を隠匿せんとする傾向が強くなって来た。（11−12画像目）
強制労働
また小暮は報告書の中で労働力供出の実態にも言及している。
内地移住労務者送出家庭の実情
蓋し朝鮮人労務者の内地送出の実情に当っての人質的掠奪的拉致等が朝鮮民情に及ぼす悪影響もさること乍ら送出即ち彼等の家計収入の停止を意味する場合が極めて多い様である（23画像目）
朝鮮に於ける労務動員の方式
凡そ徴用、官斡旋、勤労報国隊、出動隊の如き四つの方式がある。…徴用は別として其の他如何なる方法に依るも出動は全く拉致同様な状態である。（27,28画像目）
志願兵強制
「志願兵の強制」を参照
日本語強制
「日本語の強制」を参照
皇国臣民の誓詞
創氏改名強制
「創氏改名の強制」を参照
日本当局の朝鮮台湾への蔑視・不信
厚生大臣官房総務課「大和民族を中核とする世界政策の検討 : 特に民族人口政策を中心として 第3分册」1943年7月
第三款 東亜民族人口対策
第一項 兵力の強化増強の問題
大東亜戦争は持久戦である。持久戦は云ふまでもなく長期に亘る消耗戦であって、戦争形態が持久戦となり全体戦へと発展し、戦線も支那全土から更に南洋に拡大した今日、戦争の必要とする兵員、労働力を充分に供給するためには民族人口の拡充強化が要求される。
（1）徴兵年齢の引下（兵力増強のため）
（2）駐屯兵の内地交替又は帰国休暇（産児増加のため）
（3）台湾人、朝鮮人の労働強制徴用（労働不足填保のため）
（4）東亜共栄圏諸民族の軍隊、外人部隊の編制、利用
（5）妻子を伴ふ屯田兵制の施行
第二項 台湾人、朝鮮人の強制移住
彼等は出産率高く而も今尚同化してゐないのである。殊に国防上の見地よりする朝鮮、台湾は兵站基地として重要なる地位を占めてゐる獅子身中の蟲たることを防止するために
（1）内地在住朝鮮人を内地に安住せしめず戦争終了後は送還する「出稼」としての観念を明瞭にすること
（2）北鮮、東満国境の朝鮮人はソ連との関係に於て危険なければ内地人を集団移住させ鮮人を他に移すこと
（3）朝鮮人をニューギネア等の不毛地の開拓に移住せしめること
（4）朝鮮、台湾には少くともその人口の一割を内地人にて占めるやう工作すること
（5）統治方針の過度の内鮮一体論は逆に内地人が朝鮮人に圧迫されてゐる結果となってゐるが故に是正すること
（イ）創氏改姓の問題
（ロ）内鮮共学の問題
（ハ）内鮮人紛争の問題
（ニ）経済及労働条件の問題
（ホ）風紀犯罪の問題
（ヘ）徴兵制の問題
（ト）内地に於ける選挙権の問題（諺文等）
（チ）内鮮通婚の問題
