志願兵の強制
最終更新：
kannrininn 2024年03月06日(水) 22:08:50履歴
強制を示す資料 
- 1941年（昭和16年）、「志願兵を強制的にして何んの効力があるぞや」と非難する「不穏投書」を仁川警察署が検挙。*1
- 志願兵に応募しない（内地在住の）朝鮮人台湾人学徒に、自発的休退学を要請。「本人をして自発的に休学又は退学する様慫慂すること」「（もし応じない場合には）学校当局に於て学則の如何に拘らず積極的に休学を命ずること」*2*3
- 1943年（昭和18年）2月26日貴族院予算委員会で田中武雄政府委員（当時の朝鮮総督府政務総監）が「創氏の問題、志願兵問題等に付きまして、官辺の強制と云ふやうなこと」について「色々事実の真相を調べて見たのであります……一部遺憾な事例もあるやうであります」と認め、併せて「由なき宣伝」「道の競争」に言及。*4
割当や目標数
朝鮮新聞1939年1月22日付朝刊5面「志願兵推薦座談会」で「春川邑では陸軍特別志願兵推薦に関し各区長の会同をもとめ座談会を開催しこれが趣旨の周知徹底に努め各町より一名以上の推薦方を相談し来る二十三日までに右推薦に関する報告を提出することゝなったので各町においては各町別にこれが座談会を開催して目下その趣旨の周知徹底をはかってゐる」
朝鮮新聞1939年11月21日「堤川署管内陸軍志願兵」
朝鮮時報1939年12月24日2面「志願兵の名誉と地位を確証させ精神を総動員し徹底的に募集に協力」には「慶南道国精連盟では…道連盟理事長名をもって廿ニ日各府郡連盟理□長宛に通牒が発せられた 一。志願兵制度の趣旨の普及徹底をはる〔ﾏﾏ〕ため ホ。社会的相当地位ある家庭の子弟をして率先応募せしめ大衆に活模範を示さしめること ニ。志願兵応募者の増加を図るため イ。全道に亘り各町洞里部落連盟より最少限度一人以上の志願者を応募する如く指導すべきこと
京城日報1940年4月20日「採用は三千名 志願兵各道別割当」
朝鮮新聞1940年12月20日「総力大会と志願●座●会 洪州面で開催」
京城日報1940年12月29日「志願兵募集 鎮南浦署活動」
朝鮮新聞1941年1月12日「�牋豌醗賁将瓩鯡槁検〇峇衒縞臀犬望莉个�」
朝鮮新聞1941年11月2日「志願兵 広州郡で座談会」
釜山日報1941年11月11日「各愛国班から一名宛を推薦 釜山府の志願兵募集に拍車」では「釜山府では九日午後一時より会議室に朝鮮人総代及び各警察署長及び第二部国民学校長を招き志願兵募集に関し緊急打合会を開いた結果此の際ラスト・ヘビーをかけるべく各町の居住者中より適格者と覚しき者を町総代より推薦せしめることゝし各愛国班より一名程度を目標として居るが締切の十日以後も便宜取扱ふことになって居る」
朝鮮新聞1939年11月21日「堤川署管内陸軍志願兵」
【堤川】堤川署では昭和十五年度陸軍特別志願生徒を去る十月三十日より管内一般に亘り二百名を目標として郡面学校当局その他と協力募集中なるが成績極めて良好にして十一月十五日、現在応募者人員百二名に達した
朝鮮時報1939年12月24日2面「志願兵の名誉と地位を確証させ精神を総動員し徹底的に募集に協力」には「慶南道国精連盟では…道連盟理事長名をもって廿ニ日各府郡連盟理□長宛に通牒が発せられた 一。志願兵制度の趣旨の普及徹底をはる〔ﾏﾏ〕ため ホ。社会的相当地位ある家庭の子弟をして率先応募せしめ大衆に活模範を示さしめること ニ。志願兵応募者の増加を図るため イ。全道に亘り各町洞里部落連盟より最少限度一人以上の志願者を応募する如く指導すべきこと
京城日報1940年4月20日「採用は三千名 志願兵各道別割当」
陸軍兵志願者訓練所生との本年度推薦者割当総数は三千六百名であるがこのうち約三千名を採用の見込みであるが人〔ママ〕所人員は十五年度二千名、十六年度に一千名と分けて入所させることになってゐる、本年度入所推薦者割当を各道別にみると左の通りである
▲京畿二九〇▲忠北二一七▲忠南二五〇▲全北ニ〇〇▲全南四三八▲慶北三八九▲慶南二六一▲黄海二八七▲平南二一一▲平北二二六▲江原三九五▲咸南三一八▲咸北一一八▲計三、六〇〇
朝鮮新聞1940年12月20日「総力大会と志願●座●会 洪州面で開催」
【洪城】皇国臣民挙げて総力を昂揚時艱の克服を誓ふ新体制に基く国民総力洪州面連盟大会並に一部落一名の志願兵募募〔ママ〕を目標に洪州面では予定の如く去る十五日午後一時より警察署演武場において木下郡守臨席に〔ママ〕下に洪州面連盟理事長永山面長を始め淀川警察署長参列し各官公吏諸般団体その他一般有志等多数出席厳粛盛大に挙行されたが木下郡連盟会長の告辞と淀川署長の志願兵講話がおへるや訓練をおへた志願兵●●●●君の尊き体験談並に森山道議員の祝辞があり本運動の趣旨徹底を期して幕を閉ぢた
京城日報1940年12月29日「志願兵募集 鎮南浦署活動」
【鎮南浦】明年度の志願兵募集については鎮南浦警察署では早くもこれに着手し近く総力府連盟を通じて各町連盟に対し志願兵奨励座談会を開催し愛国班から必ず一名宛を獲得すべく意気込んでゐる、なほ青年訓練所生からも募集する計画を樹てゝゐるが、来年度志願兵の応募者は相当数に達するものと期待されてゐる
朝鮮新聞1941年1月12日「�牋豌醗賁将瓩鯡槁検〇峇衒縞臀犬望莉个�」
【咸興】昨年度陸軍特別志願兵募集に半島一の優秀なる成績をあげ軍国咸南の面目を躍如たらしめた本道では更に本年度も一層これに拍車をかけるべく数多き中より選ばれ国家の干城として晴れの訓練所生活をしてゐる在営志願兵を動員身を以て帯剣した報告の熱誠を説き歩き「一家一名」を目標に志願兵の趣旨徹底普及を図るべく左記日程により講演会を開催することになった
朝鮮新聞1941年11月2日「志願兵 広州郡で座談会」
【広州】広州郡では三十日午後二時より広州警察署演武場にて郡内各面長学校長駐在所首席金組理事郡連盟理事等多数参集を求め京畿道保安課長臨席の下に草野軍事援護会長の開会の辞を始め国民儀礼の後京畿道保安課長より趣旨説明があり河田署長の管内状況報告があったが、同郡の昭和十〔ママ〕年度の目標は七百名であるが、三十日迄の志願者数は五百九十四名に達しその中で詮衡検査の適合者が百五十名に達した好成績を挙げたが同郡からの志願兵に入った数は昭和十四年に五名十五年に十二名十六年に十四名である
釜山日報1941年11月11日「各愛国班から一名宛を推薦 釜山府の志願兵募集に拍車」では「釜山府では九日午後一時より会議室に朝鮮人総代及び各警察署長及び第二部国民学校長を招き志願兵募集に関し緊急打合会を開いた結果此の際ラスト・ヘビーをかけるべく各町の居住者中より適格者と覚しき者を町総代より推薦せしめることゝし各愛国班より一名程度を目標として居るが締切の十日以後も便宜取扱ふことになって居る」
督励など
釜山日報1940年2月2日夕刊一面「志願兵獲得 道幹部督励」
釜山日報1940年2月4日朝刊4面「適格者増加を目指し募集を強化 従来の消極的態度を捨てゝ志願兵の熱意を発揮」
朝鮮新聞1940年3月12日「指導層の子弟から先づ志願兵を出せ 江華郡精動打合会にて強調」
京城日報1940年8月28日「志願兵合格者一挙十一名 面目を施した開豊郡」
朝鮮新聞1940年11月15日「志願兵の趣旨 総力連盟徹底を図る」
朝鮮新聞1941年1月12日「志願兵募集打合 元山で中旬頃開かる」
京城日報1941年1月19日「志願兵訓練所生徒募集督励 山澤知事ら各地に出張」
朝鮮新聞1941年1月21日「わが友よ奮ひ起て 興南でも志願兵募集に拍車」
朝鮮新聞1941年1月24日「志願兵募集座談会 咸興府青年に呼かく」
朝鮮新聞1941年1月25日「志願兵講演会 廿九日府民館で開く」~
朝鮮新聞1941年2月5日「この愛国熱 一郡で二千三百名 激増する星州志願兵」
朝鮮新聞1941年10月24日「半島青年の誇り�狷段婿峇衒辞瓩燭譟々掌尭始¬糎討咾�く」
朝鮮新聞1941年10月24日「志願兵募集」
釜山日報1941年10月25日3面「指導階級の子弟 率先“志願兵”たれ 固城郡の募集打合会の決議」
京城日報1941年11月5日「起て�犹峇衒辞瓩悄〕�識階級の奮起を要望 けふ『志願兵主旨徹底懇談会』」
朝鮮新聞1941年11月5日「家庭を戸別訪問 志願兵の趣旨徹底」
京城日報1942年7月17日「他道の志願者も府内兵事係で扱ふ 明年度の志願兵対策を懇談」
京城日報1942年10月13日「�犢端鎰瓩鳳未譴襪福…�兵制と志願兵募集に東大門署が力瘤」
陸軍特別志願兵五千名（適格者三千五百名）獲得を目標とする慶南道当局では来る十日の出願〆切期限を目前に控え志願兵の大募集に積極的督励を加へるため二日から六日まで山沢知事以下各部長等道幹部が総出動して左記により督励を行ふことになった △山沢知事ー金海、鎮海、馬山 △増田内務部長ー東莱、密陽、梁山、昌寧、その他 △吉良警察部長…
釜山日報1940年2月4日朝刊4面「適格者増加を目指し募集を強化 従来の消極的態度を捨てゝ志願兵の熱意を発揮」
忠北道志願兵募集状況は…他道の実情と対比すれば未だ不振の感ありて…道警察部では従来の最低目標主義の消極的態度を捨てゝ志願兵適令範囲内にある全員を洩れなく志願せしめ其の内より適格者を得るの意気込みを以て募集に全力を傾注し…特段の努力を払ふこととなった
朝鮮新聞1940年3月12日「指導層の子弟から先づ志願兵を出せ 江華郡精動打合会にて強調」
【江華】一般皇国臣民の自覚を喚起し内鮮一体の体勢を確立させ国策に順応してゐる青年層に志願兵志願者が本郡だけに百四十三名もあるもいまだ有閑階級および指導者層の子弟の斯界進出がないのを一般識者において大に遺憾とされてゐたが去十日陸軍記念日を卜し午前十時より江華郡会議室にて郡内十三ケ面長を始め担任書記等二十六名の参席を求め朴斉昇江華群守、洪在龍理事長参席の下に精動事務打合会を開催したが洪在龍理事長から健全なる志願兵を選抜するのには先づ指導者層の子弟をして率先志願させるにあると力説し満場一致この案に賛成し実行方法を可決したので今後大に期待されてゐる
京城日報1940年8月28日「志願兵合格者一挙十一名 面目を施した開豊郡」
【開城】開豊郡下における陸軍特別志願兵は、郡守、警察署長協力人選に努めたので十五年第一期生として僅か二名の入所をみたに過ぎなかったのが、今年の第二期生並に十六年の第一期生としては十一名の合格者を出し郡当局でも大いに面目を施し、今後は更に…と張切ってゐる
朝鮮新聞1940年11月15日「志願兵の趣旨 総力連盟徹底を図る」
陸軍特別志願兵の欧米成績は毎期良好で第一線においても赫々たる武勲を樹てつゝあるが国民総力朝鮮連盟では昭和十六年度の応募成績を更に良好ならしめるため志願兵制度の趣旨を特別に宣伝をなすことになり十三日付で川岸連盟事務総長より各道連盟会長宛来る二十五日より明年一月末日迄の間に左記要綱によって大々的に特別宣伝を実施する様通牒を発した
▽有為健全なる青年層を主として指導、有識、富裕、階級並に老人、婦人、中等以上の学校生徒にも充分に趣旨の普及徹底を図ること
▽社会的相当地位に在る家庭の子弟をして率先応募せしめ衆に模範を示さしむる様誘導す（判読不能）~^ ▽●年●院、青年訓練所卒業者に可及的多く応募せしむる様指導すること
▽趣旨の普及並に関心誘発の為町洞里部落連盟若くは愛国班に於て洩なく座談会を開催すると共に更に上級連盟に於ては講演会を開催すること
▽掲示図及印刷物等の配布座談会の資材の配布を為すと共に一般の空気醸成に努むること
▽当連盟より募集期間中適当の時機に志願兵に関する記事を掲載せる「愛国班」を配布の見込
▽以上各項の実施に付ては所在（判読不能）、在郷軍人会、青●団、婦人団体等と密接なる連絡提携を保つこと
▽本特別宣伝は主として志願兵募集の気運の醸成に努めんとするものにして実際の募集事務は警察当局に於て可致趣旨なるに付為念
▽本特別宣伝は十五年十一月二十五日より翌年一月までの間に行ふこと（特に座談会講演会等は此の期間中に能ふ限り回数を多く実施するする〔ママ〕こと）
朝鮮新聞1941年1月12日「志願兵募集打合 元山で中旬頃開かる」
【元山】半島の若きホープを軍門に送る陸軍特別志願兵訓練所の入所願書受付締切りは二月十日となってゐるのに対し、元山署と国民総力徳源郡連盟では多数優秀な志願者を出すべく新春早々各面に亘り第一回打合会を開くこととなり、元山署から各方面に左の通牒を発した。
一、一月十五日頃までに各面区域毎に第一回打合会を開くこと
一、本打合会には各洞里の総力連盟理事以上全員及駐在所員各学校長その他参集のこと
一、郡連盟本部及警察署より当日幹部出席す
而して各面では打合会期日決定通知し、第一回打合会の結果に基き付具体的募集に取かゝることになった
京城日報1941年1月19日「志願兵訓練所生徒募集督励 山澤知事ら各地に出張」
【釜山】慶南道では陸軍特別志願兵志願者訓練所生徒募集状況視察並に募集督励のため十八日から三十一日まで山澤知事以下幹部が左の日程により各府郡へ出張することに決定した
山澤知事随地各府郡▲関口内務部長、晋州、晋陽、泗川、固城馬山、昌原▲上野警察部長東萊梁山、蔚山▲稲田警務課長密陽昌寧、宜寧、咸安▲矢倉総力課長陜川▲佐野高等課長巨済、統営▲畑経済課長居昌、咸陽、山清▲石井学務課長、金海、鎮海▲武子保安課長、南海、河東
朝鮮新聞1941年1月21日「わが友よ奮ひ起て 興南でも志願兵募集に拍車」
【興南】わが友よ軍人にならうぞと新しき志気と勇猛心の下に陸軍志願兵訓練所の門を強く叩くべき、若き半島青年の新年度募集は愈々十七日より興南においても受ける事になった。これが為め興南警察署では国総興南邑連盟と相協力の下に積極的指導をなすべくなほ近く打合会を開き全邑の若者を総立ち軍門への入所をなさしむる予定である
朝鮮新聞1941年1月24日「志願兵募集座談会 咸興府青年に呼かく」
【咸興】昨年度の志願兵募集の際二百余名の応募者を出した咸興府では軍国咸南の面目にかけても本年はより以上の成績を収めやうと早くから青年層に大きく呼びかけてゐるが去る二十日咸興府並に警察署では府内各中等学校長及び町会長と志願兵募集に関する具体的打合をなした結果先づこれが趣旨の普及徹底をはかるべく府内の各会社並に組合、工場、商店などの青少年を集め「志願兵制度とは何ぞや」の座談会をひらくことになった因みに日程は左の如し（以下略）
朝鮮新聞1941年1月25日「志願兵講演会 廿九日府民館で開く」~
国民総力京城府連盟においては京城府陸軍兵志願者後援会の後援の下に来る二十九日（水）午前十時より府民館大講堂において中等学校及び青年訓練所生徒に対して陸軍特別志願兵制度の趣旨普及を計る講演会を開催するが講演者は京城師団司令部付石垣大佐、京城陸軍兵志願者後援会常務理事海東少佐及京畿道出身の志願兵龍山第二十二部隊広村伍長、岩村伍長、金山上等兵、高源一等兵の諸氏である
朝鮮新聞1941年2月5日「この愛国熱 一郡で二千三百名 激増する星州志願兵」
【星州】既報星州郡における、陸軍特別志願兵志願者募集は、その間募集主動体たる郡特別志願兵講演会（星州警察署）において黒木署長を始め各関係係員等総動員の下に、講演会に或ひは座談会にと積極的活動努力により、現今においては逐年増加の一途を辿り去る一月三十日現在二、二八四名例年の倍数ともいふべき、驚異的数字を現出し愛国的情熱に燃へた星州青年の意気は愈々昂まってゐる面別志願者数左の如し（以下略）
朝鮮新聞1941年10月24日「半島青年の誇り�狷段婿峇衒辞瓩燭譟々掌尭始¬糎討咾�く」
【春川】国民総力江原道連盟では志願兵募集に際し適齢青少年は奮って応募する様、全道民に呼びかけてゐる懲〔ママ〕兵制度の布かれてゐない朝鮮で御国のために第一線に起つ道は陸軍特別志願兵に志願する道がたゝ一つ開かれたといっても過言でない、志願兵こそは半島の青年にとり男一代の面目と云ふべく、不具者でない限り満十七才以上の適齢青年はこの際全部志願しやうで●ないか！合格不合格を気にしてゐる場合ではないのである、半島の青年全部が陛下の軍人を志願してこそ内鮮は自ら一体となるであらう！内地では大学を卒業した人でも博士でも或は金持ちでも華族でも一人残らず兵に召されてゐる半島も両班であらうが知識人であらうが挙って兵を志願しませう、十一月十日の募集締切におくれぬ様に
朝鮮新聞1941年10月24日「志願兵募集」
【平澤】朝鮮青年の憧れの的となってゐる陸軍特別志願兵募集は本年十月一日より開始し十一月十日をもて締切る事となってゐる平澤警察署においては各面長並に学校当局と協力し平澤署管内より適格者多数を推薦すべく有数の青年中より多数志願者の応募を得べく富田署長陣頭に立ち管内各面へ出動して極力これが趣旨徹底を図り各連盟愛国班を通じこれが積極的奨励に乗出してゐる
釜山日報1941年10月25日3面「指導階級の子弟 率先“志願兵”たれ 固城郡の募集打合会の決議」
固城郡並に固城警察署では…管内の各邑面長、各学校長、各警防団長、各部落連盟理事長、各駐在所首席その他地方有力者等の参席を求め午前九時より演武場で特別志願兵募集緊急打合会を開催…今回の募集に際しては特に郡民の指導階級にある地方有力者並に各種団体、関係役職員の子弟その他郡邑面職員、若しくは青年訓練所生、警防団員等に志願兵としての適格者があったならば一般に率先垂範応募することは勿論当局に於ても優先的に採用副申することに募集方針を確定した
京城日報1941年11月5日「起て�犹峇衒辞瓩悄〕�識階級の奮起を要望 けふ『志願兵主旨徹底懇談会』」
�犹峇衒爾傍�て�瓩犯湘膸峇衒爾僚室造鮴仰鼎鯣蘋擇蠅冒�内各主要都市の半島人側有識指導者階級とじっくり膝を交へ志願兵を語る連盟主催の京城における「志願兵主旨徹底懇談会」は川岸連盟総長、参事伊東致昊昊氏、韓相龍氏及び軍から高橋参謀長、浅井参謀、本府から八木警務課長、柏木事務官、道から古市内務部長、瀬戸警察部長矢野京城府尹ほか府内各学校長等約三百名参集して四日午前九時半から府民館三階中講堂で開かれた矢野府尹の挨拶あって後韓相龍氏座長の席に着く、高橋軍参謀長起って
現在までをみるに比較的農村出身者に多く、知識階級に志願者の少いのは甚だ遺憾である、知識層が起てば士気は一層鼓舞されるであらう、ドイツでは青年が一人残らず軍隊に入る前六ケ月の準備訓練として軍隊教育を受けることになってゐるが、軍隊国としては世界一である我が国の志願兵制度も亦世界各国の驚異の的であって半島志願兵の活躍は内地でも非常に称賛されてゐる、政府でも此好評に鑑みて今年から台湾にも志願兵制度を布いた程である、半島においても知識層がもっと起ち上らなければならない秋である、就ては諸氏もこの点をよくお含みになられ隔意なき意見を開陳せらしつくり〔ママ〕御検討ありたい
と希望意見を述べた、次いで海田所長起って約一時間に亘り
一、知識層の子弟が尠い 二、有産階級の子弟が尠い、三、大部分は農村出身者で都会地に尠い
など志願兵制度の現状はまだまだ内容を充実、向上すべきことの緊要なるを述べるところがあった
引続き愈よ懇談に入り、その結果先づ京畿道内の都市を中心に各男子中等学校及び各種職業別に�犁�て志願兵へ�瓩鮓討咾�けることになり、近く矢野府尹の手許で具体案を作成することを申合せ正午閉会した
朝鮮新聞1941年11月5日「家庭を戸別訪問 志願兵の趣旨徹底」
四日の志願兵制度座談会で夏山茂氏から趣旨徹底に関する四項の実践意見が提出され満場一致採択されたので、これが具体的実施方法について京城府連盟会長矢野府尹、韓相龍氏ほか関係者が府庁に集合協議した結果李家軫鎬、韓相龍、伊東致昊氏ほか臨戦報国団幹部、府連盟役員京城府会議員、町総代百五十八名が数班に分れ五日午後二時それぞれ各警察署に集合のうへ各署後援のもとに各学校、青年隊を訪問して激励するほかさらに各町内の満十四才以上三十才未満の国民学校卒業程度の男子を有する家庭に戸別訪問を行ひ●誘して志願兵制度の趣旨を徹底させることゝなった
京城日報1942年7月17日「他道の志願者も府内兵事係で扱ふ 明年度の志願兵対策を懇談」
朝鮮徴兵令実施に伴ひ陸軍特別志願兵応募者は激増の一途を辿り半島青年の飛躍ぶりに関係当局者を喜ばせてゐるが、十八年度陸軍兵志願者に対する対策を主に十六日午後四時から府民館談話室に陸軍兵志願者後援会が開催され会長伊東致昊氏、副会長千田京城府総務部長初め常任理事夏山、朝野両府議、府内七警察署兵事係員など卅余名が出席、趣旨普及の実行委員の選定がなされ懇談事項に移った
今後は志願者相談係を置き一般志願者の懇切な相談相手となるほか府内中等各学校に講師を派遣し認識昇揚の講演会を開催する、青年隊長たる国民学校長に資格者の調査を依頼し個別的に説得するほか区域別に会合せしめ講演会を開催せしめる、（以下略）
京城日報1942年10月13日「�犢端鎰瓩鳳未譴襪福…�兵制と志願兵募集に東大門署が力瘤」
半島最高の誇りである志願兵制度は半島若人の意気を弥が上にも昂めてゐるが、特に十九年度からは愈よ徴兵制が実施されるので十八年度志願兵募集期を機会に志願兵制度の趣旨徹底を計ると共に半島青壮年の体力増強を一層向上せんと東大門署では稲田署長の音頭で十三日午後一時から同署訓示室に管内の有志多数を集めて協議会を開催、適齢者は一人も洩らさず軍人の誉れを獲得するやう積極的な指導鞭撻にのり出すことになった
学徒志願兵（大学・専門学校生）
京城日報1943年11月2日「愛国心を宣揚せよ 朝鮮奨学会川岸理事長語る」
京城日報1943年11月3日「起てよ半島人学徒 今や軍旗軍艦旗の下 自ら刺さん暴戻の敵 担へ臨時特別志願兵の光栄」
京城日報1943年11月3日「征け我が教へ子よ 志願兵制に万全 校長会議開く」
京城日報1943年11月3日「起て！躊躇の秋に非ず 在京有志が啓蒙運動」
京城日報1943年11月5日「家庭訪問で啓蒙 地区別に実行委員派遣」
京城日報1943年11月6日「志願徹底へ 翼賛委員会鍾路各総代懇談」
京城日報1943年11月6日「各道へ激励員 中枢院の志願兵運動」
京城日報1943年11月6日「断乎父兄の覚醒望む 学徒出陣を語る座談会開催」
京城日報1943年11月9日「志願兵学徒に続け 波田総長愛国班に呼びかく」
京城日報1943年11月9日「送り出さう学徒 志願兵翼賛会東部委員会も発足」
京城日報1943年11月9日「兄らよ雄々しく征け 乙女らが叫ぶ学兵出陣の激励辞」
京城日報1943年11月10日「学兵を翼賛せん 西大門区でも委員会を結成」
京城日報1943年11月12日「�牾愾襪茲蠕鐓譴忰畉７遒寮世劼六峇衒爾侶穃�」
京城日報1943年11月12日「一人残らず起て 公中同窓会でも蹶起」
京城日報1943年11月16日「学徒出陣を激励 翼賛会東部委員会が戸別訪問」
京城日報1943年11月20日「銃後は私達が護ります 学徒志願兵へ寿松校幼き児童の固き誓ひ」
京城日報1943年11月20日「鍾路署へも九名」
京城日報1943年11月22日「学徒志願兵の戦果挙る 鮮内志願者九割以上 内地帰来者殆ど出陣」
京城日報1943年12月6日「逸した学徒にお召 京城第一志願兵訓練所へ入所」
京城日報1943年12月17日「慈愛溢る�猗湘腓良祗畄莪佞抜況磴凡�る第一志願兵訓練所を視閲」
【東京電話】朝鮮奨学会では半島学生に対する特別志願兵制度公布以来学徒の熱意に応へ関係方面と連絡これが慫慂に当って来たが、締切日を廿日の目睫に控へ、目下学生の帰省が多く特に学生がその父兄の承諾を得るため徒らに荏苒その日を過してゐる現状に鑑み、なほ一段の覚醒を要望すべく二日川岸里実用の名を以て左の如く談話を発表した
一、特別志願兵の志願の奨励については朝鮮奨学会は関係当局と密接に連絡して、東京を初め全国各学校に対し極力慫慂し学生の尽忠報国の熱意昂揚に努めつつあり、現在申し出たる志願者は卅余名なり
二、資格ある学生約半数は目下帰省しあり志願学生も父兄の承諾を得たる後、出願せんとする条件を付するもの多く純真なる学生としての決心鈍きは遺憾なり文部省からも今後教育を継続し得る文科系学生は適齢未満者帰還兵、留学生、徴兵検査不合格者に限らるる故、資格学生は進んで洩れなく志願慫慂を全国の学校長に通達せらる
三、鮮内有識者、学生、父兄は時局を正当に判断し多数の帰省学生を速かに学校に復帰せしめて志願手続を取らしめられたく又在内地志望学生から父兄に電報にて照会ありたる場合は明確に承諾の返電を発せられたし
今や志願締切日も切迫せる故学生の父兄は積極的に子弟に志願を勧告し半島の愛国心を中外に宣揚する秋である
京城日報1943年11月3日「起てよ半島人学徒 今や軍旗軍艦旗の下 自ら刺さん暴戻の敵 担へ臨時特別志願兵の光栄」
「志願」こそ「お召」なり 長屋軍報道部長語る
…中には志願するに際して迷ってゐる向もあることと思ふものゝ、すでに烈々の決意を血書に披瀝して敢然志願して来てゐる熱血の学徒もあるし期日の切迫とともにさらに続々と志願者が出るものと確信してゐる
今日の学徒はかつての自由主義時代の学徒ではない、大君の御盾として敢然祖国に殉ずる学徒でなければならぬ、又�犹峇雖瓩箸い娶斥佞琉嫐�も自由主義時代においては個人の自由裁量によると解釈されてゐたが、今日においては志願することはすなはちお召にあづかることと解釈すべきであって半島学徒は当然この前途に開かれた光栄にこぞり起ち、内地人学徒と相携へて悠久の大義に生き抜きもって皇運扶翼の重責を果さねばならぬ、学徒諸君は今こそ遅疑逡巡して悔を千歳に残してはならぬ、一人残らず半島の学徒は一切を皇国に捧げて決戦場に直接の戦力となるべきであって、学徒諸君が不抜の意気に必勝の信念とを沸きらせて挺身この光栄の軍門に殺到せんことを切に望んでやまない
受けよ砲弾の洗礼 内藤城大法文学部長談
今度の志願兵の意味が誤解されてゐるのではないかと私は思ふ、といふことは従来の志願兵制の如く考へてゐるのではないかと思ふからである、今度の志願兵制は内地人学徒の徴集延期停止と同じやうに強い意味であるのだ、生優しい志願兵制ではないのだ、半島人の場合は未だ徴兵制による徴集が無いから志願制となったのである、従って志願しようが志願しまいが俺の勝手だ、といふやうな考へでは根本的に間違ってゐるのだ、志願して軍役に服し帰還してこそ社会の指導的位置に立てるのである、さういふ人が官庁、会社、銀行その他の幹部となれるのであって志願兵を忌避した者はさういふ機会は無いのである、良心があれば誰でも進んで志願すべきである、もし志願しなければ本当の皇国臣民にはなれない
…政治参与権等を口にしても、この血税を払ってこそ実現出来るのであってそれもせずにいふことは筋が通らないことである、この機会こそ厳かな光栄あるステップであると私は思ふ
「将来の社会の指導者は砲弾の洗礼を受けなければ駄目だ」といはれてゐるがこれは内地人のみではなく半島人にも云へることである…親が死んだから志願しないといふやうでは駄目である、内地人と共に労苦すべきである
我は親心で信ず 増田法専校長談
…学徒よ戦列に参じる光栄を担へと小磯総督が熱烈な訓示をされたが、この訓示の趣旨を本校生徒特に適格者である半島人生徒に対して徹底させるために貴紙百廿部を各人に配布し熱読させた、私は生徒らに言った
今や危急存亡の岐路に起った祖国が如何に諸君らの烈々の愛国の至情を期待してゐるか大局的に自分の身の措置を過ってはならぬ
と、一年在学中の●●生徒は憂国の至誠押へ切れず志願者の一番駈けとして願ひ出た、かういふことは別に立派なことでもない、当然のことである、志願するのが当然で有資格生徒は一人残らず志願することを熱望してゐたのだ、その出陣の気持は実に坦々たるものであると信ずる�狢膩�のために我は征くのだ�瓩噺任�心に誓ってゐる者に対して�犹峇蠅靴燭蕕匹Δ��瓩覆匹噺世佞海箸六匐，凌瓦鮹里辰真匿瓦任呂覆ぁ�一人残らず志願することを私は信じてゐる（以下略）
半島の将来を決す 黒田城大予科部長談
…朝鮮人学徒は勇躍志願して光栄ある兵役に服し朝鮮の進む道へ身をもって光栄ある先達となるべきである、逡巡遅疑する場合ではない、無論専門の学問を修めやうとして学校に入ったのだからその中途にして一時額を廃し戦ひに参ずるといふことは未だこんな経験を持ない半島人学徒としては或意ひは如何に処すべきかと迷ふ者もあるかも判らないが、今は決戦の真只中である、平時的な考へで態度を決すべき時ではない
皇国臣民となり戦勝の光栄を荷ふためには一時学問を放棄することは当然であり、この機会は再び来ないのである、この機会を失したら悔を千歳に残すことは明らかである、血に燃ゆる青年学徒は今こそ総蹶起する絶好の秋である
兵は日本人の姿 兼安高商校長語る
…完全なる日本人の真姿は兵隊の中にある、内地学徒は一人残らずペンを折りノートを閉ぢて銃を担へ、君達半島学生も日本人である、この名誉ある日本人である事を深く銘記して貰ひたい…真理を究めるのが学徒の本文であるならこの大東亜戦争の真髄をはっきりと掴めば一人残らず志願せずには居られない筈である、本校の半島学徒もこの事は良く識って居るはずだ、私は私の学校から卑怯者は一人も出ないものと確信してゐる、日本人なら志願せずには居られない筈である
廿日迄に全部 朴澤明倫校長談
本校は真に皇国臣民として役立つ半島青年育成のため昨年度開校して一、二年生だけでこの内特別志願兵適格者は七十五名あり現在六名の志願者を出してゐるが、廿日までには全部志願させたいと努力してゐる
儒学を主に法律経済を学び真の皇国臣民を錬成する特殊学校だけに七名の教授もこの感謝すべき特別志願兵制に一人でも多くの学徒の蹶起を促すため日夜の努力を続けてゐる、生徒は殆んどが地方出身者で京城出身者（判別不能）ことも他校と違ふ点で其処に我我の苦心がある、連日に亘り朝礼の際志願兵制度勧誘の訓話を行ふほか個人的にそれぞれ折衝してゐるがこの方法を十日まで続け以後廿日まではするつもりである
九月一日付をもって配属将校の来校を願ったので一段と緊張してをり、七名の教授中三名まで軍隊へわが子を捧げ全学徒よ志願兵へ挙れと身をもって範を示してゐる
総出陣疑はず 金普成専門副校長語る
…内地の同じ年輩の学徒が学業中途に戦場に馳せつける時、半島学徒だけがこの陣列から脱落するといふことがあってはならない、（以下略）
京城日報1943年11月3日「征け我が教へ子よ 志願兵制に万全 校長会議開く」
半島出身学徒の上に�猯Ψ各段婿峇衒失陵儉瓩療咾�ひらかれて今ぞ皇軍に召さるべき秋、その光栄を全くさせて天晴れ学徒なりの誉を得さすべく京畿道では道内十八大学専門学校在学中の京畿道内中等学校出身の学徒を最後まで指導してやらうとの高知事の発案に基き二日午後二時道知事応接室に京城府内の中等学校長十九名を集めこれが打合会を開催したが、内地人学徒と共に我等も勇ましく征かんの気概を昂めさせ卒業生教育の万全を期することを誓った、なほ締切まで僅か十八日しかないのでこの間特別の措置をもって指導を行ひ、これに応じられないものについては大学、専門学校在学中といへども、その上級学校長と相談の上徹底を期することになってゐる
京城日報1943年11月3日「起て！躊躇の秋に非ず 在京有志が啓蒙運動」
【東京電話】半島青少年に対する一般徴兵に先立って栄ある皇軍の一翼たり得るの途がひらかれた半島学徒は愛国の熱情を迸らせて、十一月廿日の締切を控へ続々特別志願兵の手続をとりつつあるが、なほ一部には本措置の真意義を悟らず躊躇逡巡時日の経過を見送ってゐる優柔なる学生も皆無とはいへない状況に鑑み東京都在住半島出身有志は過般来寄り寄り協議中のところ、二日午前十時より淀橋の朝鮮奨学会講堂に卅余命が参集奨学会並に都協和会の幹部も列席してこれら学生の志願指導について万全を期すべく種種懇談の結果、左の決議を行ひ、これを関係方面特に在鮮の学生並に父兄に送付その奮起を促すこととし午後三時散会したが、これにより在京半島有志の名において学徒志願兵問題につき学生指導、父兄啓蒙の一大運動が開始されるわけでその成果は注目される
決議
忠良有為の学生は洩れなく特別志願兵となり忠誠以て君国に報ずるの秋なり学生及び父兄の奮起を要望す
京城日報1943年11月5日「家庭訪問で啓蒙 地区別に実行委員派遣」
ひとから誘はれたのでもなく、半島二千五百万の底から盛りあがる総意となって開かれた臨時志願兵制度翼賛委員会は先づ其目的を制度に対する感謝、趣旨徹底、応募の勧誘に置き、とりあへず半島の心臓である鍾路管内を対象に、徹底的な趣旨浸透を期することゝなった、即ち適格者及びその家庭に対する趣旨徹底化と共に、指導者階級及び町総代にも呼びかけて学校当局と連絡協調を図る、其方法として別項の如く鍾路警防団の各区を単位に実行委員を決各々手定、分け〔ママ〕して檄文（別項）を適格者家庭へ送付すると共に、適格者の家庭を訪問、膝を交へて懇談をとげる一方、地域的に適格者とその父母会を開いて相談するほか学徒とも緊密な連絡をとって協調すると共に委員会から講師を派遣、学生を啓導するが、この一大国民運動は志願兵応募締切りが廿日に迫ってゐるので、六日から直ちに左の日程により烽火をあげることとなった
（中略）
檄文の内容
「学徒よ、兵に出でよ」大東亜千年の運命を決する聖戦は正に決戦の段階に迫りました、アジヤ十億が輝かしいアジヤ人のアジヤを作るか、永遠に米英人の奴隷の恥辱を受けるかが正にこの一戦で定まるのであります、皇国とアジヤの興廃の岐路に立った我々一億は今や総蹶起、挙って戦闘配置に就くことを要請されてをります、此秋に当り大君のお召に応じて筆を投じ剣を取って勇躍前線に赴く若き学徒の胸は只々一死報国の一年に燃えるのみであります、内地人学徒は既に検査を終へ来月を期して一斉に晴れの入営を待ち構へてゐるのであります、同じく生を皇国に享け一視同仁の皇恩の下に今日まで高等学府において国家の棟梁たるべく勉学してゐた朝鮮出身の若き学徒も臨時特別志願兵制の実施によって等しく皇国のお召にあづかりましたことは偏へに鴻大無辺なる御仁慈の賜でありまして、誰かこの栄誉に感泣しないものがありませう、しかもこの光栄は他の一面に於いては朝鮮二千五百万同胞が皇民として更生し皇民として無限に向上発展する千載一遇の好機にもなるのであります、学徒諸士は奮然起って醜の御盾となり身を鴻毛の軽きに置いて不滅の大義に生きつつ一身を献じて子孫万代の隆昌の礎となるのでありますこれ誠に男子の本懐ではないでせうか、左に今般の臨時特別志願兵の意義と特徴とを考察致しませう
一、先般実施を見た徴兵制が朝鮮の一般大衆に与へられた皇民的特権であるとすれば今般の特別志願兵制は指導者層に対する特典であり同時に試金石であって実に朝鮮の皇国化の諸施策に於ける画竜点睛といふべきであります、戦ふ朝鮮の真情と熱意は一に学徒出陣の勢ひ如何に因って測定されるのであります、指導層として朝鮮の将来を双肩に担へるものと自認する学徒諸子並に其の父兄各位の責任たるや誠に重且大であります
二、従って今日朝鮮の青年学徒が敢然起つか、起たざるかは徴兵制実施までに生長した皇国的朝鮮が百尺竿頭一歩を進めて皇国の一大支柱となり、内地同胞と共に大東亜共栄圏の指導者たる榮譽享有するか将又旧態依然として落伍委縮するかの運命の鍵となることを銘記すべきであります、かゝる重大なる使命と責任とを前にして逡巡躊躇するは熱血男児として断然取らざるところであります
三、今回の特別志願兵は従来の志願兵とは全然その性質を異にして予備的訓練を要せず、検査合格と同時に直ちに入営し又幹部候補となり得るのでありまして大学専門学校の卒業者でないにも拘らず卒業者と同じく幹部候補たるの資格を与へられる破格の特典があるのであります
四、●●●お召しであることをはっきり認識しなくてはいけませぬ志願といふから、志願してもよいしなくてもよいといふ自由主義的な意味ではないといのであって大学専門学校の高級知識層なるがために特別に自由志願の名誉を与へるのであって、全員挙って志願せよとの国家的意思表示であることは明かであります
五、今般出陣する学徒は軍に於て幹部候補たるばかりでなく、戦場に於て陶冶されたる鉄石の人格こそ明日の国家の棟梁として官民各界の幹部たるべき資格を備ふるのであります、かゝる機会を回避したるものには単に一身一生の不名誉が待つばかりで（判読不能）胎すことでありませう、かゝかる徒輩は先輩や同僚に見放され、国家、社会の追放者になることは明瞭でありますこれ（判読不能）を千歳に●すなと戒告された所以であります然らば在京城一千の適格学徒、並にその父兄の皆さま、願はくば茲に大悟一番、奮然殉国の大義に起って全員総志願の快成績を挙げ以て上皇恩に酬い奉り降っては一家一門一郷の名誉を保全せんことを
京城鍾路有志
京城日報1943年11月6日「志願徹底へ 翼賛委員会鍾路各総代懇談」
征服を戎衣に更へ校内から軍門へ巣立つ半島学徒を激励する臨時特別志願兵制度鍾路翼賛委員会では六日午後一時から鍾路署警防団室で、鍾路管内第三町総代会懇談会を開いた、翼賛委員会香山委員並に安田第三総代会長を始め総代九名列席して香山委員司会のもとに開会臨時学徒志願制に対する感謝感激を凝集して一般愛国班員に対し趣旨徹底を図るとゝもに同会傘下の若き学徒挙って銃をとるやう家庭訪問などで勧誘の万全を期するやう各自腹蔵なき意見を交換し七生報国を胸に同三時頃散会した
京城日報1943年11月6日「各道へ激励員 中枢院の志願兵運動」
中枢院も半島学徒出陣に総蹶起して、帰省中の学徒並にその父兄にこれが趣旨の徹底を期して各道に出向ふこととなった、即ち四日中枢院会議室で開かれた半島学徒出陣打合会の大綱に基いて六日午前十時半からこれが実行方策を打合せるため同会議室に
韓相龍、伊東致昊、平林●太郎、金芙鎮、福田謙治、井垣圭復、金光副臣、金田明、木下斗栄、本城秀通、高元勲、兪萬兼、金秊洙、李敬植、張間稷相、金思演、梧村升雨、豊原以尚、金海化俊、山木文華、李家源甫、松本隆三、金信錫
の各顧問、参議と新貝書記官長、渡辺、新居両書記官隣席して第二回目の打合会を開催、総力連盟と協力、各道に二名宛派遣して締切の目睫に迫ったこれが志願に対し地方の強力なる運動展開に協力することとなった、尚最後に軍の吉田少佐から細部に亘る規則の説明があって正午解散、出発日程は本日午後二時から開かれる連盟との打合会で決定をみるが担当地区は次の通りである（以下略）
京城日報1943年11月6日「断乎父兄の覚醒望む 学徒出陣を語る座談会開催」
学窓に蛍雪の功を積みうるのも国家ありての恩寵であり、苛烈なる決戦の野に今こそ我ら一千の学徒は総蹶起総出陣すべき秋、半島の父兄をして勇躍その学徒をして戦列に就かしめるようにと府内大学専門学校を中心の本社並に毎新主催「学徒の出陣を語る座談会」は本日午前十時から府民館談話室に波田連盟総長、大家同錬成部長、近藤本府視学官、中馬連盟軍事普及課長、西山同宣伝課長等臨場、恵化、普成、明倫、延禧各専門学校長及び父兄側は富田喜市、箭内能教、南相麟、夏山茂諸氏出席して開催、波田総長は
「学徒は勇躍して前線へ志願せんと大学専門学校を通じ全鮮的な蹶起運動が展開されんとする秋●、これを拒むものは寧ろ父兄でありその背後に流れる「半島の思想、因習である、今日の座談会に於てこの点が究められるならば幸である」
と挨拶あり渡辺恵化専門校長は
「永年の教育生活に於てみるに半島学徒は頭脳的に体力的にその気魄に於て内地人学生といささかの遜色もないと思ふ、戦線での活躍も充分可能と思ふが只父兄母姉の同意に活発を欠く傾向がある、親が子供に依存する古い観念を絶滅してほしい
と述べ金普成専門校長は半島人が歴史的に逃避思想に禍される欠点を指摘し、白神明倫専門副校長は日本的儒学の確立による朝鮮在来思想の改革を叫び、大家連盟錬成部長は新羅の古事による半島少年の勇猛果敢振りを賞揚して激励、父兄側も学徒出陣に餞する父兄の覚悟を語り質疑応答に賑ひ正午閉会した
京城日報1943年11月9日「志願兵学徒に続け 波田総長愛国班に呼びかく」
半島人学徒も出陣へ闘●を●らせ銃後また男も女も戦闘配置へ急いでゐると●八日、大詔奉戴日の常会へ波田総力連盟総長は「皇恩にこたへよ」と題し二千五百●愛国班員につぎの如く呼びかけた
…殊に我が朝鮮に於ては最近専門学校以上の法文科系朝鮮人学生にも晴れのお召しの御沙汰が下りまして内地人学生と肩を列べて第一線に出陣する光栄を願ひ出ることが出来るやうになりました、朝鮮人学生と其父兄にとっては●忠報国の赤誠を現はすべき絶好の機会といふべきであります…もし一人でも今回の制度は義務ではない、志願である、だから必ずしも出陣を志願しなくても国に報ゆる途は尚他にもあるなどと考へる者があったとしたならば其者の心の奥底には国家が強制しなければ自ら進んで其要●に応えへなくともよいといふ非愛国的根性が●って居ると申して差支へはなく、又若し自分の体格に疑ひを持つ者があるならばそれは国家が決めて呉れます、之を以て志願を躊躇する理由にはなりません、実に此の制度の成績如何は朝鮮青年の真価を決するもので、私は有資格の青年学徒並にその父兄にして一人として世の誹りを受くるが如き人なからんことを切望致します、（以下略）
京城日報1943年11月9日「送り出さう学徒 志願兵翼賛会東部委員会も発足」
●門から軍門へ突入する半島学徒を鼓舞激励するため、臨時特別志願兵翼賛会東部委員会発起人会では八日午後二時から東大門署訓示室で東大門委員会結成式を挙げ、出陣学徒晴れの首途のうしろだてとなて立働くことになった
署から泉川署長を初め幹部署●隣席、発起人側木下斗栄氏を初め八名並に管内大学専門学校当局者、町総代、婦人会幹部約三百名列席して木下斗栄氏座長となって開会、まづ署長挨拶、朴春琴氏、平山中佐の講演に殉国の赤誠を一段と燃え沸らせ木下座長から詳しい趣旨説明ののち木下座長を委員会長に、発起人を常任委員に、町総代を委員に選び、次いで若き学徒動員の万全について各自隔意なき意見を交換した結果、各町総代が管下居住の内地在学生総数とその帰省学徒の数を調査のうへ署に報告して内地在学生動員に資し
なほ十日午後七時●●●●国民学校に管内在住の未志願学徒の父兄を集め趣旨の徹底を図るとともに志願を激励し管内若き学徒動員に万全を申合せて同六時半散会した
京城日報1943年11月9日「兄らよ雄々しく征け 乙女らが叫ぶ学兵出陣の激励辞」
いざ征け、兄達よ、銃後は私達が●りますと乙女の熱涙をもって戦列に赴かんとする学徒志願を激励する「学徒出陣●●●●」は内鮮共学の京城舞鶴高女において四年生青松鶴子さんほか五名がいいんとなって烽火をあげ、全校生がモンペの姿も凛々しく紅葉散りしきる●動場にり、大詔奉戴日の八日午後●時から開校以来初めての感激を沸騰させて挙行した
まづ生徒代表本●松子さんが感激に両頬を紅潮させて登壇
「この屋根の下で育った兄達を一人の落伍者もなく挙って志願させる責務は私達の上にかゝってゐます」
と感涙とともに挨拶の辞を述ぶれば、階上は粛として声なく全乙女は深々と頭を垂る、次いで青松鶴子さんが、●火と燃える闘魂を眉宇に沸らして登壇
…「親愛なる半島学徒諸兄よ、ペンを折って銃をとり日本男児として七生滅賊の皇軍魂の精華を発揮し皇恩の万分の一でも報いるやう」
と火を吐く●●は一言一句臓腑をつき、全員は殉国の赤誠は●に沸り熱血の涙が●々しく●れる、長谷山校長から出陣学徒の声援に渾身の力を傾倒●皇国乙女の●●ぶりを発揮するやうにとの●示に乙女らは滅敵の決意を一段と昂め、「海行かば」の大斉唱は●める秋空高くどよめく、かくて●も血を噴けとばかりの拍手の中●今日大詔奉戴式の後即刻救護婦志願を校長に申出た四年岡本典子さんほか四人の紹介があって仇敵撃滅に熱血を沸らせつゝ同四時に散会した因に同激励文は近く大学、専門学校並に適格学徒の各家庭へ発●することになった
京城日報1943年11月10日「学兵を翼賛せん 西大門区でも委員会を結成」
出陣学徒の鬱勃たる愛国心に応へる臨時特別志願兵制京城翼賛会西大門委員会の結成式は燃え上る民間有力者の熱を反映して九日午後二時から西大門区義州通京城府中央卸市場事務所二階で呉兢善氏はじめ有力者、各町総代五十名出席して開催
国民儀礼ののち委員長呉兢善を座長に推し副委員長神昌煕岡氏から委員会の趣旨並に経過報告の説明があり、終って委員長は…の十氏を満場一致の下に常務委員に決定、それより打合せに入り、一、適格者及び其の家庭に対し勧誘文発送、一、座談会開催、一、父兄及び内地留学生に対し電報勧誘、一、戸別訪問等に付具体的行事を細目に亘り決定、実行を打合せ各自之について意見の交換を行ひ最後に万歳を三唱して同五時散会した
東部委員会で懇談会
臨時特別志願兵翼賛会東部委員会では九日午後三時に普成専門学校適格者の学父兄を同校講堂に集め懇談会を開き、千載一遇の好機を逸せず愛息を大君に捧げ七生滅賊皇恩の万分の一でも報い奉るやう励ました
鍾路区でも
出陣学徒適格者の父兄を啓蒙し殉国の決意を一段と昂める学父兄懇談会は臨時特別志願兵翼賛会と臨時特別志願兵翼賛会鍾路委員会主催で九日午後七時半から梭洞国民学校講堂並に宗橋礼拝堂の両会場で開き隔意なき意見を交換し若き学徒の晴れの壮行に多大の成果をあげた
京城日報1943年11月12日「�牾愾襪茲蠕鐓譴忰畉７遒寮世劼六峇衒爾侶穃�」
府連盟の十一月の愛国班回報は学窓より戦場へ蹶然銃を執って征で立つ半島学徒志願者への烈々たる激励と、銃後府民の戦闘配置たる仕奉の精神を昂揚した次の如き決戦生活の誓である
▲朝鮮人学徒よ、陸軍特別志願兵として総蹶起しようではないか
…これ寔に聖代の慶事である、この志願兵採用規則の精神は個人の自由意志により志願出来るといふのではなく�狄覆鵑任�召にあづかることが許された�瓩箸い娑嫐�なのである、…これら学徒の年長者、父兄母姉達は学徒の前途をあやまらしむることなく正しく指導し激励を加へて半島の名誉をけがさゞるやう、この際大悟徹底するの要がある、それから内地から帰省してゐる学徒も相当あるが今月二十日まで手続きにおくれるやうなことがあっては、終生の恨事とするであらう、それらについては愛国班長は町会役員と協力し町内班内から一人も手続きを怠る者のないやう好意をもって特に厳密に世話することにいたしませう
（中略）
父兄懇談会
醜の御盾として巣立つ光栄に浴した半島学徒を鼓舞激励する翼賛会東部委員会では十日午後七時から京城孝悌悌国民学校講堂で父兄並に適格者懇談会を開催
東大門署から泉川所長、江頭高等主任臨席、栄誉の適格者と父兄百五十名列席して金雨英委員座長となり、まづ泉川署長の挨拶のゝち、座長から光栄の志願制に対して趣旨説明があって香山大佐、平山中佐、朴春琴氏がこもごも熱鉄と燃える講演を行ひ、全員に多大の感銘を与へ殉国の至誠を一段と昂めた、そして即座に滅敵の闘魂を眉宇に沸らし志願を申し出る若き学徒は十五名に達し、万沸の感涙とともに礼智町々会安東総代が父兄を代表して千載一遇の好機を逸せず学徒を大君に捧げ皇恩の万分の一でも報い奉ることを誓ひ同十一時散会した
京城日報1943年11月12日「一人残らず起て 公中同窓会でも蹶起」
公州公立中学校同窓会京城支部では在城四百会員のうちの学徒志願兵適格者二十余名を一人残らず逸早く起たせようと十一日午後四時から和信百貨店社交室に適格者を集めて懇談会を開いた
定刻鄭支部長の挨拶があり、ついでこの日同窓先輩として特に列席した伊坂鍾路署長が国民服姿で立ち上って、肉親の弟にでも諭すやうに特別志願兵制の真意義を諄々と説いた、終って懇談に移ったが、出席の全学徒は既に志願手続を了へたもの、目下手続中のものばかりであることがわかり、談笑の裡にお互の前途を祝福し合って同五時閉会した
京城日報1943年11月16日「学徒出陣を激励 翼賛会東部委員会が戸別訪問」
若き戦史の鼓舞激励に一路邁進してゐる学徒志願翼賛会東部委員会では十五日午後二時から東大門署長室で常任委員会を開き、町会別に委員分担のうへ、管内適格者の戸別訪問を十六日から実施、学徒出陣の万全を図ることを申合せ同四時頃散会した
京城日報1943年11月20日「銃後は私達が護ります 学徒志願兵へ寿松校幼き児童の固き誓ひ」
「兄さん、銃後は私が護ります」と京城寿松国民学校児童のうち適格者を兄にもった卅八名の少国民が真心こめて各々兄を激まし、遂に十九日には一人洩れなく殉国の志願をさせ天晴軍国少年ぶりを発揮した、尚この軍国児童は晴れの合格者に国旗と千人針を贈るべく目下織手で準備に大童である
京城日報1943年11月20日「鍾路署へも九名」
早稲田大学法学部三年●●●●君は光栄の志願に決断しかね逡巡して郷土忠南洪城にも還らず来城中であったが、全府民挙って若人戦列参加の完璧を期すべく日夜敢闘してゐる勇姿を目撃感激し七生滅賊の決意を熱鉄と燃やし十九日伊坂鍾路署長を訪れ、感涙とともに尽忠報国を誓った、なほ同日同署に志願を申出た健児は左の通り
京城日報1943年11月22日「学徒志願兵の戦果挙る 鮮内志願者九割以上 内地帰来者殆ど出陣」
十月廿日陸軍省令を以て公布した文科系統大学専門学校在学学徒に対する陸軍特別志願兵臨時採用は……学徒志願締切に際し大野学務局長は八木保安課長、朝鮮軍久保参謀列席の下に廿一日正午次の談話を発表…適格学徒及び本秋卒業者中未就職者にして志願をなさゞりし者に対しては戦時生産力増強上必要なる方面へ徴用のうへ皇国臣民として厳格なる再錬成を加へる旨明かにした
非志願者は徴用 皇民として再錬成 学務局長談
（中略）
◇―乍併今回の臨時特別志願に於て極少数とは謂へ若干の志願洩れがあったことは寔に遺憾と謂はざるを得ない、総督閣下は先月二十五日招集せられた臨時大学専門学校長会議に於て「志願こそは積極的なる赤誠の表徴であり、皇国臣民たるの信念を顕現する所以にして百の理論千の壮語も唯この一行に如かずと申すべきでありませう、国家は高等専門の教養あり又学校教練に練熟し、文武併せ学びたる者との信頼あればこそ、特に陸軍志願者訓練所の過程を経ずして直ちに入営を許し進んで幹部将校たるの途を開き与へられたのであります、学徒として国家の恩恵を享くること最も厚かりし者が今その教養の故に待望されるこの時こそ、青年の情熱迸るところ必らずや報国最高の道に馳せ参ずべき筈であり、後れて永く其の悔を胎すことなきを期すべきである」と力強く訓示せられたのであって、学校に於て平素真に文武一体、軍教一致の我が皇国教学の本旨に徹した教養が行はれ、学徒も亦平素専心、皇国学徒たるの修練を積んで参って居ったならば唯一人でも志願洩れを出すやうな学校はない筈であり、又唯の一人たりとも志願せざる者はない筈である、この点いおいて自分は半島における文教当局者の一人として、いたく責任を感ずると共に、半島教育の将来に就て速かに刷新改革を要するものあるを痛感する次第である
（中略）
◇―因みに今次臨時特別志願に於て、適格在学生中志願をなさざりし者及び本年九月学校卒業後未だ呈色に就きをらざる者にして志願をなさざりし者に対しては、早速皇国臣民としての厳格なる再錬成が加へられ、戦時生産力増強上必要なる方面へ徴用せらるゝことに決定してをるのである
京城日報1943年12月6日「逸した学徒にお召 京城第一志願兵訓練所へ入所」
晴れの軍門へは諸種の事情で進み得なかった学徒に再び祖国に報いる道が与へられ、ここに白紙応召状をしっかと握って学徒は応徴戦士として戦力増強の陣列に敢然と起ち上った、これらの応徴学徒は遠く咸北、慶南、平北を初め道毎に指定時間の五日午後二時を期し続々と揚州軍新孔徳里京城第一志願兵訓練所に参集、この日訓練所の門をくぐる巻脚絆に簡単な身回道具をつめこんだ鞄を一つ手にした学徒応徴戦士の隊伍は集結し、最後に京畿道班が日の丸に応徴士と認めた徽章を胸に十三道○○○名（原文伏せ字）の集合を完了して所定の場所で四班に編成、それぞれ同所森本教授の指揮で隊長、教官と面接した上、二週間の錬成をつむべく入所式式場に整列、一方付添うて来所した父兄達が去りかねてゐるのに対し森本教授は�爐覆鵑蘓看曚垢襪海箸呂△蠅泙擦鵝∪欧譴里�召しにあづかった学徒達です、お帰りの上は皆さんにもよろしくこの旨をお伝へ下さい�瓩秘戞垢叛發韻舒妥箸靴震婿�で新しい揃ひの服装で式場に入るわが子をうち眺めて去るのであった
入所式は同三時五十分から大野学務局長、海田署長ら以下教官、職員参列の下に挙行、先づ国民儀礼、国家奉唱、部隊長の編成報告があって別項の如き海田所長の訓示、ついで大野学務局長から�犧Ｅ戮了峇衒宍�則は内地学徒同様の資格、即ち大東亜の指導者としての実力を与へんとする千載一遇の好機であったが、それを諸君が逃したことは諸君としても残念であらうし、自分も諸君のために同情に堪へない世間では今度の徴用を懲罰的に考へてゐる向きもあるやうだがさうではない、諸君は徴用令により国家のお召しにあずかったのである、そして国家の最も緊要な生産方面の地位があたへられたのである、若しこれに関し無自覚とすればその反対に諸君は非常に不幸な境遇に置かされる、同所でみっちり錬成をつみ、与へられた職場に敢然と働き抜く決意を固めてもらひたい最後に諸君の中で不心得者が生じた場合、同人は一生国家にも郷土にも容れられない人間となることを銘記してもらひたい��
との要旨の訓示があって明るい決意に満ちた音声で皇国臣民の誓詞を斉誦同四時五十分式を終了した
海田所長訓示要旨
特別訓練生入所式場に於ける海田所長の訓示要旨は次の如し
国家総動員法により国家のお召しに応じて参集した諸君の壮容に接したことは喜びに堪へないさきに布かれた臨時特別志願兵の道に諸君があづかり得なかったことには事情があったと思ふ、諸君は直接出陣の栄を担へず或は落伍者として社会よりとやかくの非難をうけて色々と苦心したと思ふ、諸君の語り得ない事情に対し同情を表する、この時国家は産業戦士としての別途奉公の道と機会をあたへたのである、諸君は国家に感謝し有難くこの栄誉を担ふべきである、諸君は今後国家が要請する本旨をよくのみこみ精励されたい、今後は一訓練生として取扱ふ、これは決して諸君の今日まで修めた学問を無視し人格を軽んずるものではない、然しあくまでも厳格を要求するがこれは苛酷とまちがはないやうに今後二週間は学問を活かして皇民的修練をつみ、丸裸になって我我の胸に飛び込んで出陣学徒と同じ気持でやってもらひたい
京城日報1943年12月17日「慈愛溢る�猗湘腓良祗畄莪佞抜況磴凡�る第一志願兵訓練所を視閲」
小磯総督は政務多端の中を十七日午前十時五十分小林秘書官、竹内錬成課長を伴ひ揚州軍孔徳里第一志願兵訓練所に来所、栄えある軍門への好機は諸種の事情で逸し再び深い親心から拓かれた戦力増強への道に馳せ参ぜんとする学徒応徴戦士の特別訓練状況を視察した、この日軍国半島の揺籃地、同所は総督を迎へる応徴学徒の感激で早朝からどよめき、廿分前から海田所長以下職員と共に総督の来所を正門の両側に整列して迎へるこれら学徒の眉宇には新たな決意と感激が漲った
総督は正門で車をとめて下車、感激の涙にうるむ凛呼たる双眸で注目するこれら学徒に静かなる挙手の礼を返しつゝ視閲、直ちに特別室に入り海田所長より約卅分に亘り訓練生に関する全般的な状況報告を聴取しついで十一時廿分から講堂で全員に対し
今日は暫し暇を得て諸子の様子をみにきた、まだ諸子の親、父としての立場から少し語りたいと思ふ
と冒頭し並ゐる学徒を先づ坐らせて諄々と語り出した、この日の小磯総督はことの外�猗湘腓良祗瓩量面椶睫�如と見え先づ志願した者と諸子との間は紙一重の差である志願するしないは別問題とし志願兵に関する真意にも充分透徹されてゐないやうだし、諸子に施す訓練に関しても余り認識が充分でないやうである、将来大衆の指導層となるべき諸子にあってかゝることがあってはと思ふ親の立場から話すからよくきいて欲しい、静かに語り出した総督は
�犧Ｆ�迄朝鮮統治上にわざはひを及ぼしたものに二つある、一つは支那思想、もう一つは米英思想である、団体的にいへば一つは儒林であり、一つはキリスト教である��
と指摘し両者の具体的な事実を半島史上から剔抉、鋭い分析を試み更に
�狄洋爐梁困屬戮�は精神である精神は信仰の基調の上にあり我我がたゆまず学ばねばならなのは〔ママ〕こゝにあるのだ��
と述べ、この間朝鮮統治はゆがめられてみられるに至った、外来思想の主体を衝き、白色人種の東洋侵入から搾取の跡を辿り、総督の口調は愈々熱を帯び、聴く学徒の表情には総督の一語一句を聴きのがすまじとする真剣さが溢れ、場内はしんと静まる中に総督の語る言葉のみが済み切って響く、更に
花郎道に及び、ついで半島人の本質にふれ、体格と頭脳は優れてゐるとはいふものゝ人間の本質をなすものは精神である、これが欠けてゐることは見逃せない
と断じこゝで道議精神の重大性を説き古典にその本源を求めて総督は広汎な史実と文献を次々と引用して内鮮同祖論を淡々たる論調で進めれば学徒の想念は一様に深遠なる古代にまで遡って、広くも深い世界に踏み入り総督の一句一句に新たな決意と自覚を固めるのだった
ついで天壌無窮、斎鏡斎穂、神籬磐境の三神勅に及び驚くべき記憶力を縦横に駆使して、断乎たる信念をもって内鮮同根を愬へこの精神この血液は諸子の中にも自分にも躍動してゐなければならない、表に現はれなくとも潜在意識としてひそまれてゐる筈である、これを実在意識にするのは道議に立脚し、国体の本義に透徹することにある
と述べ最後に徴用の本質を説き労務の陣頭に立って決戦完遂のための増産に挺身して貰ひたい、諸子が勤労観を充分に発揮すれば小磯は責任をもって諸子の前途を世話する�爐�ほらかな気持ちで男性的に働け、判ったかね�瓩噺討咾�ける�猗湘腓良祗瓩慮斥佞乏愿未牢橋砲泙辰騰爛魯ぅ鱈瓩般昔討謀�へて予定時間の十二時を過ぎること卅分にして総督は壇を降りた、引続き特別室で昼食をとり午後二時頃帰路についた
