作成者:ruslan

ダニエル・ギタの直近2試合の試合から、スタミナの重要性を痛感させられました。(2011年3月現在)
昨年12月のグーカン・サキ戦、先日行われたヘスディ・カラケス戦です。

カラケス戦ではローブローをダウンとみなされる不運に泣かされましたが、終盤のギタのラッシュが続いていればダウンを奪い、勝敗を覆すことも可能だったでしょう。
仮にローブローをダウンとみなされなくとも、2Rにはポイントを失っていたため、3R通してのポイントは拮抗しており、明確に勝利をおさめるためにもラッシュスタミナが不足していたと言えます。

サキ戦はさらに顕著で、体格で劣りながらも激しく動き続けたサキよりも早くスタミナを失い、運動量の差でポイントを逃しました。
ミドルキックでサキの腕を殺しておきながらも、自らのスタミナ不足で勝利を逃したことは明白です。

今まで私はスタミナはあらゆる要素の中の一つに過ぎず、またその中でもさほど重要なものとは考えていませんでした。
現時点ではそれはある面では正しく、ある面では間違いだと気づきました。

当たり前のことかも知れませんが、やはりスタミナは拮抗した試合では最も重要の要素の一つであるからです。
しかしながら、スタミナそれ自体が3分3RのK-1流ルールの中で地力の差を大きく覆すほどのものではなく、それよりも「脱力」といった要素はそれ一つだけで実力差を大きく見せてしまうような要因であり、優先順位としてはそちらが上回るであろうとも考えられます。

スタミナ増強と称して、闇雲に激しいミットトレーニングを漠然と詰むような風潮にはやや疑問を感じていますが、スタミナの局面的な重要性を再認識させられたため、こうして書かせていただきました。



立ち技格闘技のメインストリームがK-1からIT'S SHOWTIMEへ移ろうとしています。
1週間前に試合が決まることも珍しくないK-1と比べ、IT'S SHOWTIMEはカード発表が早いため、試合に向けたスタミナ作りが用意な環境が整っていと言えるでしょう。

一般にスタミナ増強の目安期間として3ヶ月と言われています。
これはエネルギー代謝の一翼をなす、筋中のミトコンドリアの数が3ヶ月ほどのトレーニングによってやや飽和状態になるからです。(しかしミトコンドリア数だけでスタミナを定義することに疑問があるかもしれません)

筋肥大は1年に数キロ程度しか見込めないことを考えると、体内機能増強の期間として3ヶ月というのは非常に短いものですが、同様に失われる期間も非常に早いのです。
それゆえ試合に向けたスタミナ増強には継続的なハードトレーニングよりも、試合時にピークになるよう適切にプログラムを組む必要があると言えます。

そして具体的なトレーニングプランを考える前に、まずはある程度スタミナ増強の定義をします。
‘酸発生地点における運動強度を高める(→厳密には誤りで静止状態でも微量の乳酸が発生しています)
乳酸の再分解能力を高める

考え方、着手点を変えれば定義付けは様々ですが、ここでは以上のニ点から考えます。

,砲弔い討任垢、LT値といって、運動強度を高めていくと急激に乳酸が蓄積するポイントがあります。
エネルギー代謝能力が高い人ほど、LT値が高くなるのですが、ある人にとってはキツイと感じる運動強度であっても、LT値が高い人にとってはキツイと感じなくなるのです。
LT値が高いほど、相対的な運動強度が低くなり、疲労を感じにくくなります。
(厳密には、乳酸や水素イオンなどによる体内の酸性化に伴う筋収縮の阻害を防ぐ)

△任垢、3分3Rでの試合における動作は、LT値をゆうに超えるものであり、否応なしに乳酸が蓄積していきます。
乳酸が蓄積するということは、有酸素的なエネルギー代謝能力の限界を超えるものであり、逆に言えば乳酸によってエネルギーを補っているとも考えられます。
なぜなら乳酸が発生するときにも、さらに乳酸が再分解されるときにもエネルギーが生まれ、それをもとに運動を続けられるからです。
つまり発生した乳酸を速やかに再分解する能力が高いほど、高いレベルの運動強度をコンスタントにこなすことができるのです。

そして,六久トレーニングにより、△六久トレーニングおよびスプリント(ラッシュ)トレーニングにより鍛えることができます。
例えば持久トレーニングにはミトコンドリア数・サイズ上昇、乳酸トランスポーターであるMCT1増加といった効果がある一方で、スプリントトレーニングには同じく乳酸トランスポーターのMCT4増加(により高い乳酸濃度に耐えうる)という効果があります。
つまりいずれかに偏る必要はなく、双方をバランスよく行うことが望まれます。

持久トレーニングやスプリント(ラッシュ)トレーニングというとダッシュメニューが思い浮かびますが、もちろんジムワークによっても代用可能です。
とはいえダッシュメニューは運動時間中、常に全身をくまなく使用するので、運動強度を高めるには非常に効率が良く、ダッシュメニューほどの効果をジムワークに求めることはできません。

しかしダッシュメニューによって底上げするのは基礎的なスタミナであり、実践的なスタミナとはやや異なります。
疲弊した状態であってもパンチ・キック動作を力強く適切に行ったり、気を逸らさずにディフェンスするという実践的なスタミナは、やはりジムワークによってのみ築きあげるものであることを念頭におく必要がります。

やや大雑把な考えになりますが、スタミナを種類づけると
・基礎的体力はダッシュメニュー
・実践的体力はジムワーク と二分することができます。



そして目安となる3ヶ月をどう使うかということですが、1つのモデルを考えました。
3ヶ月前〜1ヶ月半前→基礎的体力増強
1ヶ月半前〜2週間前→基礎的体力&実践的体力増強
2週間前〜→実践的体力増強
(あくまでどちらかを重視するという傾向であり、片方のみを行うというものではありません)

不思議と格闘技では軽視されがちですが、陸上などでは当然にピリオダイゼーションの考えが普及しています。
これは試合期に向けて期間を区切り、その時々に応じた練習を行い、試合時にピークを迎えるよう練習設定することです。

付くのも失うのも早いスタミナを、試合時にピークとするには、「持久トレーニング、スプリント(ラッシュ)トレーニング」「基礎的体力、実践的体力」という性質に応じて、それぞれを適切な期間に行い増強する必要があるでしょう。

上に挙げたモデルでは、基礎的体力から徐々に実践的体力へシフトしていく傾向にあります。
基礎的体力の増強は「性能そのもの」を上げるものであり、実践的体力は「性能を駆使する能力」を上げるものです。
この傾向は、まずはダッシュメニューによってスタミナのキャパシティーを広げ、徐々にスパーリングやミット打ちによってスタミナを効果的に操るよう仕向けていくことを意味します。

そして試合2週間前を練習のピークとし、疲労を取り除いていくために練習量を減らしていくため、最終的には実践的体力をより重視していくことになります。



「持久トレーニング、スプリント(ラッシュ)トレーニング」「基礎的体力、実践的体力」という4つの指標によって、練習メニューを4分割することができます。
具体的なメニューは以下のようになります。

・持久トレーニング-基礎的体力…長距離走
・持久トレーニング-実践的体力…長時間連続のサンドバック打ち(打ったら休むことなく、常に動き続ける)
・スプリントトレーニング-基礎的体力…短距離走、坂道ダッシュ
・ラッシュトレーニング-実践的体力…サンドバック連打、高強度のミット打ち*、スパーリング

*…私は必ずしも3分のミット打ち→1分のインターバルに拘る必要はないと思います。例えば3分→1分では3Rしか続けられないものが、3分→3分ならば10R続けられ、結果として3分間のインターバルを取ったほうが高い効果が見込まれることも考えられるからです。「どれほど肉体的・精神的に追い込めるか」も一つの指標ですが、「どれほど効果的に行うか」が最も重視されるべきでしょう。

もちろんこれらメニュー含め、ピリオダイゼーションの例はスタミナ増強という観点から一つのモデルとして提示したまであり、例えばスプリントトレーニングには瞬発力強化といった別の要素も含まれます。

しかし単純ながらも、こうした分類で可視化することで、様々な観点から考える契機になれば…と思い書かせていただきました。
今回のエントリーは事前整理が足りず、読みにくかったり、深追いしきれない箇所なども多いので、いずれ整理した形で記す予定です。

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