キックボクシング・K-1 競技者用wiki - ボディージャブ、ボディーストレートの打ち方
作成者:ruslan

ボディージャブ、ボディーストレートの基本的な考えは同じなのでまとめて書きます。

と言っても、両者ともに難しいものではなく
腰を落としてから、パンチを普通に打つことが唯一のコツ です。


ありがちなのが「腰を落としながら、パンチを打つので、斜め軌道にパンチを打ってしまう」ケース。
これは基本的な考えからは、はっきり誤りであると言えます。(もちろん実践では数多の場面が想定されるので、あらゆる場面・状況においてダメであるとは言いません)

これが誤りである理由として
・斜め軌道でヒットさせると衝撃が伝わりにくい
・重心が大きく斜めに傾き、パンチが完全な手打ちになるため威力が落ちる 
・手打ちになるため、距離が出ない
・相手のパンチと交錯した時に、カウンターをかなり貰いやすい ことが挙げられます。

特に3番目の「距離が出ない」ことが最も重要で、ボディーは顔面と比べると遠い位置にあるので、斜め軌道で打つことに慣れてしまうと、近距離でないと当てることが出来なくなります。しかし、近距離でのボディーストレートは相当なリスクを伴うので、それに見合うメリットが得られず、結果的にボディーストレートをほとんど打つことができなくなります

そこでこれらを一挙に解決する方法が、先程書いたように「腰を落としてから打つ」ことです。

多くの人が斜め軌道で打ってしまうのは、腰を落とす動作が億劫であるためだと考えられます。
私自身、以前は腰を落とす動作に慣れず、それをごまかすように下方向へ打ってしまっていました。

しかし、いかにやりづらくとも、必ず腰を落とす動作を初めに入れてください。

腰を落とす高さは、肩の位置が相手のみぞおちと同じになるまでです。
肩を相手のみぞおちにまで落としてから、顔面のパンチと同じ動作でストレートやジャブを放ちます。
(初めのうちは、腰を落とす→腰を回す→パンチを打つ とそれぞれの行程に分けてゆっくり行うことをオススメします)

こうすることで衝撃を効率よく相手のボディーへ伝えられますし、腰を落とす動作が小さければモーションを作らずに長い距離から当てることができ、また攻撃が交錯しても頭の位置が下がっているために被弾を免れます。


それは落とし過ぎで、蹴りをもらったらリスクが大きいのではないか、と思われるかも知れません。
しかし、ボディージャブやボディーストレートは遠目から狙うものであり、適切な距離を取っていれば、膝蹴りを顔面に届かせられるようなことはまずありません。
モーションを小さく、最適な動作で打てば、蹴りをカウンターで貰うリスクは限りなく減らせます。

仮にカウンターを貰うリスクがあるとしても、それはボディーによって有効に試合を勧められるメリットと比較すれば小さなものです。


ちなみにキックボクシングでは、ボクシングと比べても実はボディーを当てやすい要素もあります。

キックボクシングの選手は、構えが正面を向き、ガードが脇を絞って顔前に置かれており、またディフェンス手段もブロックに頼ることが多いので、このようなケースはボディーがガラ空きになっている上に、反応が遅れがちになるのでボディーを当てやすいのです。

しっかりと腰を落としていれば、相打ちになっても被弾することはないので、顔面のパンチよりもむしろ思い切りよく放てることが私自身多いです。