ImgCell-Automaton。 ここはimgにおけるいわゆる「僕鯖wiki」です。 オランダ&ネバダの座と並行して数多の泥鯖を、そして泥鱒をも記録し続けます。

追加された行はこの色です。
削除された行はこの色です。

&align(center){「難儀なものだね、この浮世は」}
&align(center){&color(#808080){『何をおいても私らにはね、聖杯が要るんだ』}}

*基本情報
【氏名】ローマン・トラゲディエン
【性別】男性
&color(#999999){【性別】女性(鏡像)}
【年齢】32歳
&color(#999999){【年齢】32歳(鏡像)}
【出身】イギリス
【身長・体重】182cm・73kg
&color(#999999){【身長・体重】182cm・67kg(鏡像)}
【肌色】白【髪色】黒【瞳色】青
&color(#999999){【肌色】白【髪色】銀【瞳色】翠(鏡像)}
【令呪の位置】右手
&color(#999999){【スリーサイズ】103/62/88 (鏡像)}

【属性】秩序・悪
【魔術系統】錬金術
【魔術回路】質:B 量:A 編成:正常
【起源】望郷

【契約サーヴァント】[[バーサーカー>オリバー・クロムウェル]]([[Fate/AlteR Karma]])

*魔術・特殊技能・特性など
**魔力量
「とんだ贅肉だよ。程よく燃焼させたい物だね」
&color(#999999){『全くだ。そっちの私は最近腹も出てるだろ。早く痩せろ恥ずかしい』}
「流石は&ruby(カワイ){淑女}い方の私。痛い所を突くね」

積み重ねた歴史に基づく良好な体質、そして効率の良い魔術回路。
その優れた肉体の基礎能力は、皮肉にも往時のトラゲディエンの栄光を語る。
バーサーカークラスの通常運用に息切れしない程度の高水準な&ruby(オド){小源}生成量を有する。

**鏡映魔術
「&color(#999999){『}&ruby(Mirror_Mirror_on_the_Wall){鏡よ鏡}───&color(#999999){』}」

'''鏡(かがみ)は、通常、主な可視光線を反射する部分を持つ物体。また、その性質を利用して光を反射させる器具を指す。'''
'''&align(right){───フリー百科事典『Wikipedia』より引用}'''

“鏡に映す”という現象を神秘とする魔術。
「鏡」というモノ自体の原理は現代においてその原理に至るまで解剖され尽くしている。
トラゲディエン家は鏡の「映し出す」という特性そのもの、すなわち物質的特性に縛られない神秘的価値に重きを置くことで存えてきた一家である。
古来より鏡とは相対したものの本質を反映する概念であり、特に「魂を映す」「魔を明らかにする」と言った重要な魔術的示唆を含んだ。

彼らの操る神秘は三つの要素を持つ。
''「鏡像を作る」''
''「真実を映す」''
''「魔を跳ね除ける」''
これらの要素を単一で使用、もしくは複合させ複雑な魔術式へと昇華するのがトラゲディエンの魔術であった。

しかし、「モノを映す」という行為の神秘性のヴェールは、もはやその大部分が剥ぎ取られている。
「鏡の中の世界」や「魂を取られる」というカビの生えた迷信すら忘却の彼方に消え去った2053年現在、トラゲディエンは科学技術の急速な発展により他の名家と呼ばれた家柄同様に没落の一途を辿った。

現在は上述の基本となる三要素を手繰るのみである。

***&color(#000000){「鏡像を作る」}
自身および任意の物体の「鏡像」を呼び出す。
現在では「ホログラム」と名が付いている程度には神秘を喪った要素だが、これでも他二つに比せば幾分かましな部類。

あるユークリッド平面としての仮想的な「鏡」を基準として、面対象となる座標にエーテルにより構成された鏡像を出現させる。((参照するのは位置のみで、姿勢は自由に操作可能。鏡像との間に高低差が存在する時、逆さまになった人間が出てくるということはないが、あえてそうする場合も無いではない。))
鏡像は現実世界の寸分違わぬコピーとして機能するものの、精巧な魔力塊にすぎないハリボテダミー。軽い障害物程度にはなろうが、それ以上にはならない。
よってほとんどが自身の鏡像を作成する用途に使用される。鏡像の状態は本体を参照する為、物理的に変形・損傷する事はない。パスで接続するため知覚を共有し、魔術も使用可能。反面、魔力消費や令呪の残画数、呪詛等の魔術的干渉を受けた場合は本体にフィードバックがある為過信は禁物。
彼自身の鏡像は、銀色の髪をした年若い女性の姿を取るが、それは紛れもないローマン・トラゲディエンの姿。「鏡の中の世界」におけるイフの彼である。((彼らが目指したのは&ruby(カレイドスコープ){万華鏡}と似て非なる根源への筋道であり、それは一枚の鏡が産む一対の鏡像。トラゲディエンの真髄とは「鏡」によって縛られた、微妙な仔細に差異はあれど全く同一の歴史を歩む「鏡像の世界」を相互に観測し証明する事にある。その観測範囲も今や自分自身の認知にしか機能しない。))
聖杯戦争中は基本的に鏡像をマスターとして行動させ、本体は隠れるという単純かつローリスクな自己保身的戦法を取る。

「戦場でもスマートでなくては。自ら汚れるような事はしないのさ」
&color(#999999){『隠れてないとすぐ死ぬだろうからね』}
「おっと辛辣だね私」

***&color(#000000){「真実を映す」}
現在においては単なる遠見の魔術の応用編程度であり、現実のどこかの風景を、空間中に展開した「&ruby(スクリーン){銀幕}」に写す。ただそれだけ。
つまりは任意の風景をライブ中継する事に特化している魔術。情報収集能力としては使い魔でも十分代替可能ではあるが、感知難易度の高さ、眼を壊される心配が不要、意識の転移を必要としないと中々に優位性が高い。
空間に「銀幕」を張る術式は一瞬かつローコスト、複数の「銀幕」の同時展開も可能であるため、異なる景色を映すことによる視覚的欺瞞および他地点の同時映写も可能。子供騙し程度ではあるが、透明化したように見せ掛ける、何かを隠す、単に混乱を誘う等、手の内が見えない内は間隙を縫う一手にもなり得る。
写真も撮れるし録画も出来る。

***&color(#000000){「魔を跳ね除ける」}
「鏡」というモノ自体への信仰。対魔力。
2053年時点で最も力を削がれた要素であり、大魔術の完全反射を可能とした過日とは比べるべくもない薄弱な神秘のみを残す。
低級の魔術ならば反射可能だが、魔術戦ともなれば単に抵抗能力のある&ruby(アミュレット){御守り}程度の効果しか示さない。

*礼装・装備など
**&ruby(ミラー・テーラード){鏡仕立て}
ぎらぎらと光を放つ派手な紳士服。主に戦闘時に着用する。(鏡像の姿では大胆なスリット入りのパーティドレス。)
鏡片がぴったりと隙間なく並び、あたかも服のような形を成している礼装。今や埃を被ったトラゲディエン家の至宝たる大鏡を持ち出して砕き、携行用の礼装として改造した物。
起動すると微細な鏡片が自身を中心として展開され、「鏡像」および「銀幕」の射程が大幅に拡張される。聖杯戦争ではソルポート全域がすっぽりと範囲内に収まり、他陣営の追随を許さない情報収集能力に特化する。

「追い詰められた者こそ輝きを放つものだろう?」
&color(#999999){『やーい&ruby(オトナ){紳士}の恥さらし♡ださださお縫製♡&ruby(アクアスキュータム){尊厳}台無し♡サタデーナイトフィーバー♡』}
「&ruby(メスガキ){窈窕淑女}が……」

*外見・容姿の詳細など
壮年と言うには年若くも、青年と呼ぶにはその身に纏う威厳が円熟の色合いを帯びてきた、そんな年頃の男性。
切れ長の青い澄んだ瞳を持つ。年齢に比して皺が深く刻まれた顔貌には常に余裕ある微笑を浮かべてはいるが、そこには柔和とは程遠い獣のような凄味を湛えている。
短く切り揃えた黒髪は後ろに流し、黒い髭を面長の顎に合うよう整えた精悍な容貌。
表社会で活動する際の服装は灰色のツイード・ジャケットに糊の効いたシャツを見事に着こなし、対外的印象のよい非常に洗練された身なり。
高品位ながらも成金的な胡散臭さのない、飾らずとも堂々たる雰囲気を醸し出す、いかにも上流階級然とした立ち振る舞いの洒脱な男性といった印象。

聖杯戦争においてはそんな落ち着き払ったからは一転、何処ぞのエンターテイナーもかくやと言わんばかりの目に毒なほど光を反射する礼装を身に付ける。
戦場に現れるのは殆どの場合鏡像のローマン・トラゲディエンである。

***鏡像
瑞々しい若さの影を残しながらもしゃなりとした立ち振る舞いの、成熟した妙齢の女性。
切れ長で翠緑の澄んだ瞳を持つ。口元には常に柔らかな微笑の曲線を描きながらも、可憐とは呼べないようなどこか底知れない妖しさを湛えている。
艷やかな銀のストレートヘアを長くたなびかせており、白色のブラウスにロングスカートを纏った落ち着いた風貌。
いかにも淑女然としていながらも活動的な印象を覗かせており、時折感じさせる悪戯っぽい少女性が気張った触れがたさを和らげている。
あたりを払うような上品さが嫌味にならない程度に目に留まる、さりげなく洒落た上流階級然とした大人の女性といった様相。

聖杯戦争においては、他マスターの前にはこちらの鏡像が現れる場合が殆ど。
ファッションショーかと見紛うようなぎらぎらとした大胆なパーティドレスを身に纏って戦いに挑む。

イメージカラー:藍
特技:早着替え
好きなもの:寝る前の酒、ゴルフ
苦手なもの:爬虫類全般
願い:一族の再興

【一人称】私 【二人称】君/ミスター/ミス/レディ 【三人称】彼/彼女


*人物像
**台詞例
[+]
「私からは多くのものがこぼれ落ちたが、それでもトラゲディエンという事実に変わりはない。ならば私は誇り高くあろう。私の手に何かが残っている限りね」
『若者には前途というものがある。残念きわまるよ。どうしてもっと早く降伏してくれなかったんだい?まったく寝覚めが悪い───まあ、だが。それだけなんだがね』
「さて。隙を見せたと思ったら、そんな奥の手があったとは。私も心苦しいのだよ?不意打ちなどいかにも&ruby(ジェントリィ){紳士的}でない、恥ずべき行いだ、が───この程度のハンデは頂かなくてはね。スポーツマンシップを尊重してくれたまえ」
『はははッ、私はそんなに若くないのでね。少し鏡細工に興じさせてもらったよ。君ほどの魔術師だ、タネが割れてはお話になるまい。死なんよう退きたまえバーサーカー。これだけ情報が得られれば十分だ』
「わが国の料理の味がすこぶるよろしくないと言う者は多いが、私が思うにそれは実に失礼な思い違いだよ。君たちが料理をがんばり過ぎなんだと思うべきではないのかね。日に3回もある行事に時間を掛けているから産業革命で出遅れるのさ、まあだから我が家はアレなわけだがうおっ美味だねこのハイナンカレーとかいうの」
『なに、頭がすっきりしない。紅茶は今日何杯飲んだかね?なに0杯。それはいけないよ君。ちゃんと飲まないと。知っているかね、紅茶を飲んでいれば43%の抗酸化作用と34%の癌予防効果があるそうだよ。これは裏を返せば飲まなければ43%老けて34%癌になるということさ。安心したまえこれから飲めばいい、人生は長いんだから』
[END]

**来歴
トラゲディエン家。
古くは&ruby(ヘプターキー){七王国}サセックス王国に端を発する古豪。
広大なアンドレッドの森の片隅を領地とした名士の魔術家としての歴史はその時代から始まり、以後は魔導を洗練させつつ地元領主としての地位を確立させ、イングランド王国時代以降は地主貴族層の&ruby(ジェントリ){郷紳}の一家として社会的尊厳を築いた一族となる。
魔術協会たる時計塔においても一時は無視できぬ影響力を発揮する勢力を築いたものの、1826年の写し絵の発明に始まる200年の間に彼らの状況は一変する。
映写機、写真、映画産業、TV、スマートフォンから各種ストリーミング・サービスの目まぐるしい勃興の影響により「ものを映す」という神秘は急峻というレベルを超えた急降下爆撃的に失墜し、気付けば彼らの魔導は取り返しのつかないところまで堕ちていた。

これは2053年の魔術世界において決して珍しい現象ではない。同様の経緯で著しい衰退を余儀なくされた家系など無数に存在する。そんな数多ある凋落した「かつての名門」のひとつ、それが現在のトラゲディエン家である。
それでも広大な敷地面積の大邸宅と潤沢な資産、表社会では精密機器メーカー「トラジェード」を経営する等、社会的には十分な成功を収めている一族ではあるものの、裏社会における名声、すなわち魔術的な影響力はもはや風前の灯となっている。
ローマン・トラゲディエンはそんな一家の嫡男として生を受けた。数多くあった分家は全て魔導を棄てて表社会に帰化し、本家すらも既に魔導への探究に諦観をもって当たっているような状況下で、ローマンは一応のところ受けた手ほどきと共に静かな怒りを燃やしながら育つ事となる。
「これほどの神秘を抱え、一度は絶頂を謳歌した一族がこれほどまでに腑抜けているとは如何に」。それは大災害の後で諦めの境地へと至った一族への怒りであり、同時に歴史の重みに誇りを覚えた幼心の意地に他ならない。
彼の動機といえば単純なもの。魔術師には不可欠な、しかし魔術師の他には持ち合わせない感情。
すなわち、他の何物でも埋めようのない魔導への憧憬、そして己が名への矜持であった。

以後、時計塔に学びを求めた彼は、10代も半ばの頃より一族の復興と再度の探究の道の模索に腐心する。
彼とてその歩みがどれほどまでに困難を伴うか、どれほどの無理難題であるかは十分に理解している。いやしくも生粋の魔術家が滅びを甘んじて受け入れたなどとは微塵たりとも考えていない。
それは既に彼が没落の当事者ではない、井戸底から天を望むがゆえに生まれ得た遠大な夢であることをローマンは知っている。
神秘の衰亡が未来の絵空事などではなく間近に迫った喫緊の課題となり、蹴落とされうる魔術家は残されたリソースの大部分を存続と寿命の伸長に注いでしがみつく一方で、未だに一流と呼ばれる魔術家は継続した魔導の探究が叶っている。2053年とはそんな元より大きな格差が埋めようもなく開かれた時代である。
無論、その寿命を殆ど終えたにも等しい彼らに出来ることは殆ど残されておらず──滅亡という大波涛に飲まれたトラゲディエンを救う術を探すのは大海原で一匹の金の魚を捕まえるようなものであり、ゆえにローマンは、そこへ至る手掛かりに繋がるようなものであれば何であれ嗅ぎ付ける、ピラニアのような獣性と魔術社会を泳ぎ回る術を身に着けてゆく。
生来の外交術や残された数少ないネットワークを用いて人との関わりを増やし、会話の中に陰謀を忍ばせ、キーパーソンの心の綻びにうまく取り入り次の出会いに繋ぐ。こうした手法で、時には魔術的財産や闇金を握らせながら、いくつかの信頼できる関係を構築した頃合いのある日、彼はオセアニアの人工島プロジェクトの秘密について興味深い噂話を耳に挟む事となる。
聖杯。極東で興った50年周期の大儀式が再び開催されようとしている。
個人的に重ねた慎重な調査、および関係者との表立っての気取られない接触を経て、じきに彼は聖杯というものにわずかな光明を確信した。それがあれば、それさえあれば──

そして、開催数ヶ月前。
この時点で『鏡仕立て』を始めとした戦争準備を秘密裏に済ませ、幾つかの根回しにより前提情報をある程度得るに至っていた彼は、かねてより時計塔側参加者と当たりを付けていた人物がシンガポールへ飛んでゆくのを追跡する。
そして、最も集中力を要するサーヴァント召喚詠唱のタイミングに狙いを定め殺害。かねてより計画していた周到な証拠隠滅を施すと、触媒たる「クロムウェルの首」を手にその場を立ち去る。
こうして令呪を奪い取った彼は、マスターとして聖杯戦争の濁り水を泳ぐ運命に立つ資格を得たのである。

**人物像
外交的・慎重・能動的。
口を開けば軽い自虐と皮肉混じりのユーモアが飛び出す、偏見そのままの&ruby(ジョンブル){英国人}が絵から飛び出して現れたような人物。
整った身なりの通りに上流階級者としての情操教育が骨の髄まで染み付いており、礼儀正しく、相手を立て、親交を温める術に長ける本物の&ruby(ジェントルマン){紳士}。
その精神的余裕を是とする性格から、常に友好的ながら慇懃な語り口で他者と接する。それは堅苦しく改まってもいなければ気の抜けた軽さもない、驚くほどに「平凡な」態度であり、はじめから警戒対象であるというバイアスがなければ、その人心にするりと入り込もうとする、魔術師としては危険なまでの親しげな厭らしさにはまず気付かれない。

聖杯戦争にはマスター権を奪取することでの参加となったが、この際「生かしておけば後の禍根になる」という合理判断から綿密な計画を立てた上で殺害に及んでいるように、目的のために手段を選ばず、それを必要と断じる合理的判断を滞り無く下し、裏切りや騙し討ちにも躊躇を見せない、そんな冷酷な悪どさを備えた人物である事に間違いはない。
しかしながら、それはローマンの本質とは言えない。彼の持ち合わせる本来の気質とは実を言えば、その風雅で優しげな人物像と同様、和を望み、弱きを助けようとする社会的善性なのである。
上述のような行為は彼にとっては自らの倫理と美徳に悖る、およそ&ruby(gently){紳士的}でない恥ずべき行いであり、時代遅れな悪徳であることを自覚している。
では何故そうにも関わらず、そんな信条を逡巡の素振りすら見せず破ってしまうのであろうか?それは彼が自身に求める役割──トラゲディエン家の再興を人生の目的とする在り方に徹底的に忠実であるためだ。
それは彼の全存在を賭けた大望であり、選択の余地などはじめから存在しない。個人を棄却し罪を重ねる事はローマンにとって静かな心の痛みにはなれどそれ以上のものにはなり得ないのである。
枯れた神秘にしがみつこうとも、地べたを這いずり回る羽目になろうとも、私欲のため殺人者となり果てようとも、どんな無謀を前にしようとも「魔術師」たらんとする──
それはくたびれ果てた名門に生を受けた嫡男が張り得た最後の意地であって、誇りと尊厳を至上とした果てに自らへと課した拭い去れぬ呪いでもある。
魔導に生きるならば、魔導に死なねばならない。誇り高くも踊るように悪を成す彼の行動原理はまさにここにあり、魔術師ローマン・トラゲディエンとはその点において典型的な魔術世界の住人と言える。

付け加えるならば、彼は内に秘めたそんな本性を決して表立っては察させない、恐るべき外交手腕を持ち合わせた人物でもある。
栄光を追い求めるために手段を選ばない生き方を続けて来られたのは彼にまだ僅かなコネクションや神秘、私有財産等々が残されていた事の賜物でもあるが、選ぶことができる手段を講じられるだけの智慧を持っていた事は特筆すべきであろう。
栄光を追い求めるために手段を選ばない生き方を続けて来られたのは彼にまだ僅かなコネクションや神秘、私有財産が僅かながら残されていた事の賜物でもあるが、選ぶことができる手段を講じられるだけの智慧を持っていた事は特筆すべきであろう。
権謀術数の渦巻く時計塔にて「弱っているから再興を目指している」などと悟られてはならない。しかしながら魔術世界とのコネクションなくして再興のチャンスなどまず巡っては来ない。
このジレンマを早々に理解していた彼は、真っ先に己自身をヴェールに隠す術を学んだ。賄賂と親切で真意を誤謬させ、嘘と欺瞞で信用を勝ち取る。ローマンが半生を生きたのはそういう世界である。
彼は命を奪うと決めたならば温情の欠片も感じさせない冷酷無比な敵対者となり、協力者を装うと決めたならば叛意など忘れてしまったかのように温情と配慮に満ち溢れた隣人となる。
それらはいずれも偽りない彼であり、合わせ鏡のように多様な人格的側面を状況に合わせて表出させているに過ぎない。
これは唯一命題を持つがゆえに制限された、しかし完成された強さであり、彼なりの処世術でもある。
後ろ暗い欲望などおくびにも出さず、笑顔で握手を求める反対の手に短刀を忍ばせる様は、狩猟行動の直前に至るまで獲物への殺意を表さない獣そのものである。
聖杯戦争ではこのような性質を前面に出し、姿や敵意、真意や手札を可能な限り伏せては、他参加者の命を狡猾に狙う。
弱った相手を横合いから殴り付けるなど当然のこと、共闘をちらつかせて後ろから刺したり、マスター同士の不和を誘い漁夫の利を得られたならば御の字。
先んじて有利を取るためならば持てるもの全てを用いる、きらびやかな外見とは相反した、手段を問わぬダーティな戦い方を敢行する。

鏡像における「彼女」も同様の精神性を持ち、語調や態度、雰囲気などは一切変わらない。同じ歴史を辿るという事はすなわち同じ魂の形質を有する事と同義である。

余談ではあるが食へのこだわりがない。
如何にも毎食フレンチ・レストランですと言わんばかりの身なりに反して主に口にするのはコーンフレークという粗食ぶりであり、「そこに時間を掛けるなら他の事に有意義に使いたまえ」と言って憚らずあすけんの女を泣かせている。
平素からそんな食生活であるからその辺の出店の適当な軽食にすら舌鼓を打てるバカ舌であるが、如何せん立ち振る舞いの完璧な優雅さゆえに何を食べていても様になってしまう。ラクサのココナッツスープを一滴たりとも溢さず美しく平らげるのを平然とやってのけるのだから見事なものである。

また人前に出る時以外の普段着もかなり適当であり、着古したセーターを使い回すなどの乱暴狼藉を働く様はどこからどう見ても休日のおじさんでしかない。
鏡像の方は適当なシャツを適当に着る。だらしないお姉さんと擁護できなくもないのでそちらをお求めの読者諸兄は安心してもよい。

紅茶は好きでも嫌いでもない。
そもそも生活習慣に近くなっているため特に感情はない一方で無意識の拘りが存在し、わざわざ本国からフォートナム&メイソンの茶葉を四種持ち込んで朝用・昼用・夜用で分けたうえ一日十杯は飲んでいる。
タチが悪い。

**行動規範・行動方針
聖杯戦争では他参加者に魔術の実力では上回られる者が殆ど、かつ攻撃魔術に長けてはいないという自認から慎重に動く。
強力な情報アドバンテージを得られる魔術により手の内を明かさず務めて趨勢を見つつ「鏡像」の自分で適宜各陣営を狩り取りに周り、本体の自分は財力や外交的知略を活かした裏方での有利状況を作る事に奔走する。

***想定される動き
開始数年前:
時計塔でソルポート聖杯戦争の情報を嗅ぎ付ける。

開始数ヶ月前:
時計塔側参加者を騙し討ち令呪を奪う。
遺物「クロムウェルの首」を用いてバーサーカー召喚。
「ソルポート全域の海運移動」を対象としたバーサーカーの黄金率(税)スキルで莫大な資金をかき集めると、保有財産と併せソルポート上に進出済みの民間企業を買収。CEOとして間に合わせの社会的立場を構築し、拠点とする。
また聖杯戦争の発端となったソルポート事業、すなわち魔術協会とシンガポール政府、秘儀科の繋がりについて企業の立場を隠れ蓑にした調査を秘密裏に進め、いち早く聖杯に近付こうと目論む。

序盤:
鏡映の魔術でソルポート各所に像を結び趨勢を監視。
バーサーカーを使役し各勢力を炙り出しつつ継続してソルポート事業の裏側を嗅ぎ回る。
魔術による情報収集、秘儀科のマスターとの僅かな会話を手掛かりに、ソルポートに根差す魔術的研究施設の存在、およびそれが聖杯戦争の根幹に関与していることを確信。

中盤以降:
バーサーカーで本格的に他陣営の命を狙いに掛かる。
同時期、金の動きが怪しい他企業、および公的機関に対する接触や独自調査を通じ、全貌の見えぬ研究施設に内外から慎重に探りを入れる。
やがて数人の関係者の割り出しや、シンガポール政府の影響力が弱い「金で買えそうな」部門の特定等の成果を上げ、聖杯へ迫る核心へ少しずつ近付くが……

**サーヴァントへの態度
言わずと知れた故郷の偉人であるが、清教徒革命という歴史上の事象そのものは社会階級上層の立場としてはあまり好きではない。
彼がいなければ回り回ってトラゲディエンの衰亡は少なくとも数十年程度は遅れていたかもしれない。余り意味のない想定ではあるが。

無論、その人間性は歴史とは切り離して見る。王殺しに狂う思考の奥底を垣間見る事は叶わないが、その虚無的に険しい表情の正体には真っ先に気付く。
それは己の使命、役割、野望、そういうもののために全てを擲つ者の顔。彼には嫌と言うほど思い当たる節がある。
召喚直後、普段ならば隠す野望をむき出しに、しかし気さくに話し掛けたのは、そういう訳である。

「なんだ、まるで&ruby(・){私}のような目じゃないか」

**役どころ・コンセプトなど
頭が回るタイプの悪人。手段は問わぬ。
戦闘力は低いがバーサーカー運用に問題がない魔力量と情報力と金でガチる。
序盤はほとんど女性体で姿を見せる。

*因縁キャラ
後日追記


*コメント
男女男男女男女 フゥーフゥー

どなたでも編集できます