kagemiya@ふたば - エメリア・フィーネ=グランツェール




「あらあらぁ、若い子らがかしましく頑張ってまぁ!

 お姉さんそういうの大好き! 良かったらどーぉ? 飴ちゃんあげるわよ?」





■基本情報

【氏名】エメリア・フィーネ=グランツェール
【性別】女性【年齢】14────「やぁーねぇ、女の子に歳聞くもんじゃないわよ?」
【出身】イギリス・ロンドン
【身長】156cm【体重】45kg
【スリーサイズ】絶壁/キュッ/ぷりっ
【肌色】白【髪色】銀【瞳色】赤
【イメージカラー】透き通るグレー
【属性】秩序・中庸
【魔術属性】風
【起源】好奇
【特技】化粧、若作り
【好きなもの】懐かしい物、変わらない物
【苦手なもの】最近の流行についていくこと
【魔術系統】世界中にある不老不死伝説の共通項を見出し、再現を目指す魔術
【魔術回路】質:B 量:D 編成:変質
【決戦の日】吹き荒ぶ風に差す暁光
【二つ名】"嵐を呼ぶ女ミス・アンタッチャブル"、"最も古き小娘エンシェント・ヴァージン"*1 

【サーヴァントクラス】"剛健"のアーチャー
【サーヴァント真名】ビーシュマ

■外見・容姿

大きめの帽子とフリフリのフリルのついたお洒落なスカート、
そして可愛らしいドレスに身を包んだ、肌にツヤとハリのある垢抜けぬ少女
だがその正体は140歳を超える婆…お姉さんであり、非常に頼りがいがある。
普段は少女らしい言動と振る舞いを心がけているが面倒見の良さの雰囲気を隠しきれていない。

■来歴

不老不死を目指し続け、世界の終局を観測することを目指す家系、グランツェール家の当主として生まれた魔術師。
その持つ術式は肉体の細胞や魂への改造も含まれており、魔術師というよりは精神医学や科学の領分にも踏み込んでいる家系であった。
彼女もそのグランツェール家の当主として、肉体には今まで積まれた研鑽を惜しみなく施され、肉体の年齢を少女に固定していた。

────だが、どれだけ術式を研鑽しても、グランツェール家で200年以上長く生きれた者はいなかった。
肉体の老化を防いでも病に侵され、病を防いでも魂が腐敗し、魂の腐敗を防ごうとしても精神を病み────…………。
結果として、エメリアの代での命題は、長く生きる肉体、魂、そして精神とは何かを探り答えを出す事となっていた。

そのため彼女が取った選択は、数多くの人々の生に触れて、そして死を見届けることであった。
彼女は、人が不老不死を得ることができないのは、死への恐怖に依るからだと考えた。人が、いずれ死ぬのが当たり前だからこそ、
人は肉体、魂、精神……様々な理由から、不死を無意識のうちに否定するのではないか……と考えた。

だから彼女は、様々な人間の死生観を観察するためにその人生を使い尽くすと決めた。
人はどう感じて生きて、どう思って死んでいくのか。そしてどういう心持ちで死地に赴くのか?
そういった数多くの心を、精神を、肉体の変化を観察して、次へと活かせたらと彼女は考えていた。
ある時は時計塔からの依頼を遂行し、ある時はアルビオンに赴き、ある時は魔術組織に出向するフリーランスの魔術師で日銭を稼ぎ、
その中で様々な魔術師の持つ死生観を観察して、いずれ生むであろう次代に託す智慧を集めていた。

だが、世界は変わった。世界から、死という概念は消え失せた。グランツェール家が追い求め続けた不死は、"当たり前"になった。
その世界の再編を体感した彼女が思った感情は、世界が変わったことへの呆然でも、自分が今まで歩んだ道が無駄になった悲観でもなかった。
────彼女が、世界中が不老不死になって感じたのは、ただ一つの喜びであった。

「ああ、良かった。もう無念に死ぬ人は、いないんだ」

彼女はその人生の中で、己が決めた事とは言え多くの死を見てきた。
多くの苦しみと悲しみも見てきた。無理やり死地へ送られる命をたくさん見てきた。
自分の死を前に、怯え泣き叫ぶ人をたくさん見てきた。だが、そんな不幸はもう無くなったんだ、と。
彼女は心から喜べた。なにせ彼女が今まで見てきたような、理不尽な死は無くなったのだから。

なら次は、全世界に突然与えられた不死の扱い方について、自分の今までを活かそうと考えた。
彼女は今まで多数の死を見て、それに対する解釈や捉え方を次代に活かすために自分なりに纏めていた。
そのため、それを転じて『不死に対する捉え方』も纏めていた。自分の子供が、自分の家の命題を与えられて戸惑わないように。
普通の人間が、唐突に"普通"より長い人生を歩む事になれば、数多くの不安が襲う。その不安に対する答えを彼女は常に考えていた。
だからこそ、彼女は誰よりも不老不死への不安に詳しい。ならばそれを活かそう…………と。
それが彼女が、この生まれ変わった世界に対して抱いた新たなる目標であった。

そうして彼女は世界中を回り続け、不老不死の中に不安を抱く人々の悩みを解決していった。
病気にかからない? 災害に遭った場合は? 子供や孫はどうなる? 遺産や貯金は? そういった悩みを聞いて回った。
────────そんな中、1つの嫌な噂が聞こえた。世界中に、また理不尽な死が蔓延り始めていると。
それは、殺人。病や寿命による死は無くなり、戦争も消えたが、通り魔などによる殺人は消えなかった。

彼女はそれを、どうにかしたいと考えた。義務感や使命感からではない。
彼女がそうしたいと思ったからだ。「こういった死が無くなった世界だからこそ、理不尽な世界は無くしたい」と。
そんな自分勝手にも近い願いを叶えるために、彼女は通り魔事件や殺人事件を15年間、世界が変わってから追い続けていた。
────────そして────、彼女は導かれるように、日本へと辿り着いた。そして物語は、動き始める。

■魔術・礼装

空の青さを知る鳥よフォア・フリーダム

暗示魔術や催眠魔術を応用した、彼女ならではの精神同調ともいえる魔術。
相手といくつかの質問や言葉を交わし、相手の心の底と同調することで相手の持つ願いや悩みを言葉ではなく心で理解する。
読心魔術に近いが、相手との対話が重要なため手間はかかるが、その分詳細に読み取ることができる。

加えて、死に直面した人間に対して行使することで、その死への恐怖を和らげるという一種のカウンセリングに近い行為を行える。
これは数多くの死と対峙する際に、そのほとんどが恐怖に支配された死だったがために、自分なりに出来る事は無いかという救済の形。
ただ恐怖を緩和するのではなく、痛みを和らげる形で短い一瞬で対話を行い、死はただの結末でないと諭す事を可能にする。

『不老魔術』

肉体の年齢を固定する。彼女はこの魔術をかけられた10代前半頃の肉体で固定している。
グランツェール家の持つ秘奥によって、グランツェール家の人々は等しくこの魔術をかけられている。
……が、様々な理由からグランツェール家の魔術師が200年を超えて生きたことは無い。
そのためグランツェール家は現在、彼女を除いて生きてはおらず、天涯孤独の身である。

■人物


【一人称】私、お姉さん【二人称】君、お前さん、あんた【三人称】○○ちゃん(男女関係なく)

性格

(不完全ではあれど)不老不死のプロの為、Requiem世界においては頭一つ抜け出てエンジョイしている。
それゆえか心に余裕が広く存在し、Requiem世界に生きる人々を優しく見守りつつ、長生きの際のコツや心構えを教えて回る。
その傍らで、理不尽な事故や殺人などを防いだりするさすらいの旅人をやっている。

過去は常に死が付きまとう危険な場所を巡り続けたため、死に対しては敏感。
そのためどこかで殺人が起きそうな不穏な空気になった場合は肌で感じることができる。
結果、大体彼女が急いで駆け付けた場所では事件が起きる。つけられた二つ名が"嵐を呼ぶ女(ミス・アンタッチャブル)"。
死線を潜り抜けた経験もまた常人より高いため、生き延びるためのテクニックならば誰にも引けを取らない。
「お婆ちゃんの知恵袋みたいですね」というと凄い怒る。首絞められる。

基本的にはのらりくらりとして雰囲気を持ってはいるが、その実結構責任が強い方。
袖振り合うほどの縁であっても、知り合いとなったなら放っておけないタイプであり、
大体最後まで面倒を見て気が付いたら交友関係を拡げているタイプ。主人公気質とも言う。
実際彼女の言葉で不安が解消された人は多く、彼女を慕う人は世界中に存在する。

あと加えて、無駄に若さをアピールしようとしてくる。ババァ無理するな。
これは「まだまだ現役」という事と「不老不死なんて不安感じるものじゃないわよ」という事の2つを、
彼女なりに主張する者パフォーマンスなのだが、何故か大体無理するなと言われる。そのたびに怒る。
何せ若者アピールがアップデートされておらず古臭い物ばかりであり、なおかつ言動のセンスも古い。
それに加えて上記の面倒見の良さなので、初対面の人間にすら「お婆ちゃん」という先入観を持たれてしまう。

行動指針

基本は、人と会う事を優先して世界中を渡り歩いている。
この新しい世界に不安を抱く人はいないか。この死の無い世界で理不尽を強いられている人はいないか。
そんな人と出会って、そして悩みを解決したり理不尽を取り除いていくのが彼女の生きがいであり、そして目標。
彼女自身は「好きでやっている自由人」を自称しているが、その根は真面目で責任感が強いため、
基本どこまでも面倒を見てしまう。面倒見の良さを超えておせっかい焼きにみられることも。

サーヴァントへの態度

守ってくれる素敵な人にして、いつも感謝している良い人。
非常に剛毅な性格であり、常に心配してくれるため、良き主従関係となっている。
神話の英雄という事もあり、なかなか絡みづらいと感じることも多いが、気のいいアーチャーである。

役どころ

頼れるお婆ちゃ……お姉さん。
無理しようとしている若いのを諭す立場。
年の功で的確な助言をするタイプ。

因縁キャラ

ルナティクス
彼女が、この世界で蔓延る"理不尽な死"を追い続けた結果名前が浮き彫りとなった存在。
その正体を追うべく、彼女は導かれるように日本へと辿り着いた。

■台詞

「あら久しぶりねぇ〜元気してた? おっきくなって! んまぁーもう!
 飴ちゃんいる? あ、この前買った美味しいお菓子もあるわよ? 梅昆布って言うんだけど、どう?」

「もぉ〜! 女の子に歳を尋ねるだなんて失礼だぞぉ? ぷんぷんっ」

「なぁーに私に相談? いいよ、お姉さんに任せなさいな」

「私的には、んー……そうねぇ。無理して背負うのが、一番身体に悪いんじゃないかな?
 確かにやるべきことをやらないのはダメよ? でも、やらなくちゃって縛られるのもダメ。
 人は自由で、でもその自由の中に適度な枷を持って……そのバランスの中で生きなくちゃいけないの。
 だから、貴方の生き方はだーめ。……もっと自由になって良いんだよ? 人間だもの」

「もー! こんな中途半端で私に一抜けさせようっての? そうは問屋が卸さんわよ!
 第一あんた! 急ぎすぎ! 早死にするわよ!? 確かに時間は惜しいけど、それで失敗したら世話ないでしょうに!
 急がば回れ、ってこの国では言うんでしょ? まずは呼吸を整えなさいな」

「いまババァって言ったやつ一歩前に出ろ」

「あのねぇ、"死にたい"なんて気軽に言うもんじゃないよ子供じゃあるまいし。
 君は死ぬって事がどういう子とか分かってるの? もう何もできなくなるんだよ?
 美味しいものも食べれないし、楽しい事も出来なくなっちゃうの。無しかないのよ?
 そんな死を、望まなくても与えられる人がこの世界には大勢いたの。……本当に、いっぱい。
 だからさ、そんなこと気軽に言わないの。何があったかぐらい、聞いてあげるから」

■コメント

最近ずっと アンチRequiem世界な奴らしか練ってなかった気がするので、
ここは心機一転としてRequiem世界エンジョイ勢を練ってみる事にしてみた。

あと こういう無理して可愛く繕ってるババァキャラ好きなんだよ!!














「ああ」

「そうだ」

「これは、私の我儘だ」


一つだけ、心残りがある。


もう100年近く前になるだろうか。スペイン風邪による死者が世界中で増え続けていた時の事。

"それ"を討伐しろと、命令された。だから向かった。


大勢死んだ。

たくさん死んだ。

ゴミの様に殺された。


でも、何とか追い詰めて、私は"それ"と対峙した。



信じられない物を見た。



あれは 人じゃなかった。



殺意が人の形をしたかのような邪悪。 それが、奴だった。



奴は死んだ。いなくなった。…………はずなのに、どうしてまだ、あの気配を感じ続けているんだろう。



これは贖罪だ。


実際に見たわけじゃないし、実際に聞いたわけでもない。


ただ直感がある。私が取り逃がした"死"が、今世界で理不尽な死を与え続けているのだという、勘がある。


それを片付けたい。それを取り除きたい。

過去の咎を、私は払拭したい。

だからこそ────────────


私は、此処にいる。


■100年以上前

彼女はかつて、屠殺館と呼ばれる事件を解決するための一員として招集されたことがある。
残虐な殺戮が続けられる館の中で、彼女は唯一その事件の首謀者、トバルカイン・ブラッディストーンと真正面から対峙している。
物量と魔術をぶつけ合い、どうにかして館ごと破壊することに成功した。それが彼女の覚えている100年前の一連の流れだった。

だがしかし、それ以来彼女はトバルカインが持つ嫌な気配を覚えている。
まるで世界そのものを殺さんとばかりに溢れ続ける、漆黒の殺意が人型を成したかのような恐ろしさを。
死そのものとしか言いようがないほどの悍ましさを、彼女は覚えていた。

そしてそれが、今ゆっくりと、この死の無い世界に浸透しているような違和感を覚えている。
死に敏感であった彼女であるからこそ、かつて対峙した存在が振りまく死であろうという直感があった。
故に彼女は往く。その手で取り逃がしたであろう存在に、決着をつけるために。

多くの人と出会うなど言い訳だ。不死への不安を払拭するなど建前だ。
全ては己の過去に取り逃がした咎を祓うため。全ては自分が止められなかった死を止めるため────。

そのための戦いが、極東の地で幕を開く。