kagemiya@ふたば - オレルス
[フリー素材]

「――私を讃えろ。
 “光輝”の名で、その栄光と恩寵を天空の果てまで届かせろ」

「私は許さない。私を蹴落としたあの主神を、私を踏み躙った運命を……!」

基本情報

【CLASS】アーチャー
【真名】オレルス
【性別】女
【身長・体重】162cm・51kg
【肌色】白 【髪色】銀 【瞳色】蒼
【スリーサイズ】
【外見・容姿】北欧の装束を身に纏う、イチイの大弓を持った少女
【地域】北欧
【年代】不明(神代〜ある程度の古代?)
【属性】秩序・善
【天地人属性】天
【その他属性】人型・神性
【ステータス】筋力:C 耐久:C 敏捷:C+ 魔力:A 幸運:D 宝具:A

【クラス別スキル】

対魔力:A

 A以下の魔術は全てキャンセル。
 事実上、現代の魔術師ではアーチャーに傷をつけられない。

単独行動:D

 マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
 ランクDならば、マスターを失っても半日間は現界可能。

【保有スキル】

神性:B-

 神霊適性を持つかどうか。高いほどより物質的な神霊との混血とされる。
 北欧神話の神の一柱、ウルの人間世界における写し身。

千里眼(狩猟神):B+

 視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。また、透視を可能とする。
 さらに高いランクでは、未来視さえ可能とする。
 弓と狩猟の神として、一度獲物をその千里眼に捉えれば、たとえ相手が逃げ出したとしても何度でも捕捉できる。

ルーン魔術:A → 原初のルーン

 北欧の魔術刻印、ルーンの所持。ルーンを使い分けることにより、強力かつ多様な効果を使いこなす。
 『櫟の谷』の中ならば、神の権能としての原初のルーンの力さえ扱うことが可能。

光輝の盾:A

 楯のアース(神族)の異名で呼ばれるウルが持つ権能のひとつ。
 雪と光輝の魔力による盾を作り出し、堅固な防御を可能とする。
 また、盾をスノーボードのように使うことで滑るような速度で移動できる。

【宝具】

櫟の谷ユーダリル

ランク:A 種別:結界宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:99人
 ユーダリル。
 北欧神話にてウルが自らの館を建てたと語られる地。それを魔力によって再現する、固有結界とは似て非なる大魔術。
 意味は「イチイの谷」。その名が示す通り、顕れる風景は豪奢な館と雪原、そしてイチイの樹が林立する渓谷。
 ケルトや北欧においてイチイは聖なる樹木の一種として扱われ、また優れた弓の材料でもあった。
 弓と狩猟の神であるウルが命じれば、支配領域内のイチイの木すべてが弓矢と射手になり、雨礫の如く矢が敵へと射掛けられる。

 敵手を結界内部に閉じ込めての集中制圧射撃だけでも十分に強力な宝具だが、『櫟の谷』の効果はそれだけに留まらない。
 その本質は、人間に零落しサーヴァントのカタチに押し込められたウルの神性を、オレルスが発揮するための固有領域。
 結界内部ではオレルスの全ステータスが上昇し、ルーン魔術スキルが原初のルーンへと変化する。

【Weapon】

イチイの弓

 宝具である『櫟の谷』から切り出したもの。単体でも低級宝具並の威力を誇る他、『櫟の谷』の鍵のような役割も果たす。
 この弓を触媒に宝具の真名を仮解放することも可能で、その場合は結界内から機関砲のような連射を撃ち出すことができる。
 本来、ウルの弓に名前はない。そのため、仮の真名解放をする際にはその都度、弓に適当な名前を付けることになる。
 名前は召喚される時々とオレルスの気分で変わるが、日本に近い文化圏ではなぜか「イチイバル」という仮真名で固定される。

【解説】

 「デンマーク人の事績」に登場する魔術師。呪文を刻んだ骨を船とし、海を渡る力を持っていたといわれる。
 オティヌスがルテニアの王女を強姦した罪により王位を追放された後、王の地位を引き継いだ。
 10年の間その地位を守ったが、戻ってきたオティヌスが賄賂でその座を買い戻すと王位を外されて国を追放された。
 その後はスウェーデンに退いた(王になったとも)が、デンマーク人に殺されたという。

 「デンマーク人の事績」は北欧神話の伝承と中世デンマークの歴史について教会的視点から書かれた歴史書であり、北欧神話の部分は信仰上の理由、あるいは口伝の逸失により歪曲されている。
 オレルスも元は北欧神話の神の一柱であり、狩猟神ウルが名と素性を変えられたもの。
(同様に、オティヌスはオーディン、ルテニアはロシアがラテン語で呼び替えられたものとされる)
 ウルは狩猟とスキーと決闘を司る神であり、名の由来は古ノルド語で「光輝」を意味する言葉という説が強い。
 窮地に陥ったオーディンが「私を助けた者にウルとすべての神々の祝福を約束する」という言い回しをしたり、誓いの一つにオーディンに並んでウルの名が登場する。
 これらの伝承から、かつては重要な立ち位置を持つ神だったと推測されているが、現代に遺されているウルの具体的な逸話はそう多くなく、詳細は明らかでない。
(前述の「デンマーク人の事績」においてスウェーデンに退いたという記述やスウェーデンにウルの名残を残す地名が多いことから、スウェーデンにおいて信仰が強かった神だったのではないかとも)
泥における設定
 オーディン(オティヌス)が人界に降り、王として人を統治していた時代のこと。
 罪を犯し追放されたオーディンの代わりに、人を統治する神が必要とされた。そこで白羽の矢が立ったのがウルである。
 狩猟と決闘を司り、更に「楯のアース」の二つ名を持つウルは、戦士の魂を導き、そして北欧の地を守る王として適正だと判断されたのだ。
 そしてウルが人界に降りるにあたって、オーディンが人界でたびたび犯すような過ちを行わないような措置が必要とされた。
(オティヌスの強姦は、実を言えばその後の運命において必要なものであったのだが。逆に言えば、ウルは北欧の地を守るのみで「運命を変える」役割を与えられなかったともいえる)
 そのために、少女がウルの写し身として選ばれた。
 サーヴァントでいう疑似サーヴァント、あるいは日本でいう神降ろし。
 人間の少女と神性ウルの人格は入り混じり、その時から彼女は「オレルス」となった。
 神の器となり、人間を統治し守るための玉座を手に入れたオレルスは、オーディンの代わりを果たそうと10年間を尽力した。

 実際、神々の思惑どおり(あるいは彼女がそうあれかしと尽力したとおり)オレルスは過ちを犯さなかった。北欧の地は守られ、玉座の栄光は保たれた。
 しかし彼女の非人間的な統治はその月日の間に人間たちに飽きられ、戻ってきたオーディン(オティヌス)による賄賂によって崩される。
 神の視点から人間を管理することしか考えられなかったオレルスと、人の世に度々降り立ち人間をよく知るオーディンでは、人の心を動かす才覚に天と地の差があった。
 もとより主神が戻ってくるまでの暫定的な玉座、神々にとっても予定調和の交代だったが、元は人間の少女であった「オレルス」にはそれを理解できなかった。

 その末路は語るまでもない。
 人にも神にもなれなかった少女は玉座を追いやられ、逃れた先でも悲惨な運命のままその生涯を終えた。

【人物・性格】

 傲岸不遜かつ、「光輝」の名に恥じぬ堂々とした神――あるいは、神を自称する孤独な少女。

 神性としてのウルはオレルスが死んだ時に神界へと帰還しており、英霊の座に登録されたのはあくまで魔術師オレルスである。
 サーヴァントとしてのオレルスは、自分のことを神だと思い込んだ少女にすぎない。
(ただしウルの神核と権能、そして記憶の一部は受け継がれてオレルスに混じっているため、「彼女はウルではない」と否定することもできない。逆にそれが事態をややこしくしているとも言える)

 本人もそれを薄っすらと自覚しており、不安定なアイデンティティの反動として神――とりわけ自らを蹴落としたオティヌス(オーディン)への憎しみを顕わにしている。
 否、恨まずにいなければ、彼女は自分を保てないのだ。

 他者に対して「自らを讃えること」を要求するのも、その一環。
 神あるいは主として讃えられることによって、自己の認識を安定させようとする。
 自分がウルなのか、それともオレルスなのか、それとも、そのどちらでもないただの少女なのか――その精神は、揺れ動いている。

イメージカラー:銀、あるいは白
特技:弓術、狩り、スキー
好きなもの:讃えられること
嫌いなもの:オティヌス(オーディン)
天敵:オティヌス(オーディン)
願い:「復権」(神としてなのか、それとも人の王の座に戻りたいのか、それはオレルス自身にも判然としない)

【一人称】私 【二人称】お前/貴様 【三人称】あの男/あの女

【因縁キャラ】

オーディン類:憎い相手。なぜ憎いのか、どうなれば復讐を遂げたことになるのか――言語化することもできず、ただ憎しみだけを募らせている。
フレイヤ・ブライド(?):無言で眼を逸らす。いや神としての記憶と人としての記憶の齟齬とかそういう問題じゃないよこれ……。

【コメント】

 性能をちょっと弄るついでに設定もリメイクしたらかわいそうなことになった