エリザベス1世
生前の主君。
全てを擲って彼女に仕え、その命を幾度となく救った。
だが、忠誠に報いは与えられず、最期まで冷遇された。
……それはそうだろう。
ウォルシンガムは女王としてのエリザベスに忠誠を捧げたが、エリザベスは少女としてウォルシンガムを忌み嫌った。
ウォルシンガムはついぞ気付けなかったのだ。処女王の孕んだ歪み、その精神性が幼い少女のままであるという事に。
生前の冷遇を恨んでこそいないが、召喚先で逢うと正直気まずい。
フランシス・ドレイク
彼女の実力とその功績を高く評価しているものの、性格面では全く反りが合わない。
刹那的な快楽と華々しい散財、何も残らないようなものをこそ良しとするドレイクと、
滅私での奉公と計画的な出費、後世に残すべきものをこそ良しとするウォルシンガムでは、趣向が真逆なのだ。
尤も、お互い損得勘定は得意なので利害さえ一致すれば共闘する事はそう難しくないが。
……それとただ一点。音痴が嫌いという点でだけは珍しく意見が一致する。
ウィリアム・シェイクスピア
ほぼ同時代の人物だが、直接の面識はない。
シェイクスピアが劇作家としての活動を始めたのはウォルシンガムの死の数年後からであり、
彼の劇団が国家の庇護を受け始めたのもエリザベス1世の死後、ジェームズ1世の治世下になってからの事である。
……その筈だが、ウォルシンガムの庇護下にあった劇作家クリストファー・マーロウには、彼こそがシェイクスピアの正体であったのだという説が存在する。
アーサー王
テューダー朝、延いてはエリザベス1世の祖先であるとの伝説が残るブリテンの騎士王。
その真偽の程は定かではないが、それでもブリテンに連なる英霊の一人として最大限の敬意を示す。