紀元前3000年代に統一されたエジプト。マネトの王名表に記されたその統一エジプト王朝最初のファラオ。統一王。黒の神祖。墜落者。
当時、神代エジプトは魔術によってあらゆるものを使役し、互いの神話世界を喰らい合い奪い合うという恐るべき場所だった。
本来これを諫めるはずの神々もまた使役され、戦力として、人間にとって都合の良い力を引き出すモノとして扱われていた。
メネスは、この現状を憂慮した古き神々によって地上に遣わされた調停者であり、破壊者。
…………そう当時のものは語り合い、そしてそれは、一つの伝承へと変化した。
――――ネケンと呼ばれる都市の近く、ナイル川の畔に打ち上げられたところから、再び記録は始まる。
システム・オグドアドの招集命令。
どこから放たれているかもわからないそれにより、永い眠りから目覚め、再起動。地表での活動を開始した。
そこではたと気づく。
全身に走る痛覚。目の前のものを殲滅し焼却し消去してしまえという破壊衝動。
かつての戦闘で刻まれてしまったらしい、ヴォイドの因子より放たれる、悪性指令。
その痛みを知ったとき感じたのは、きっと、初めての、戸惑いという感情。
いやそもそも、今までは感情というものさえ―――――――――――。
その全てを抑え込み、彼は歩いた。人の声のする場所へ。
ネケンはその当時、別の都市――――別の世界の侵攻により瓦解寸前まで追い詰められていた。
目覚めた彼に、当時のネケンの者たちは縋りつく。
「助けて」「私たちを救って」
救いを求める、一切の関わりを持たない生命体たちの言葉に、なぜか、彼は首肯した。
――――――――それが、始まりの一歩。
それ以来、メネスはネケンの軍勢を率いた。
エドフの軍を無力化し、次に来るテーベを無力化し、河を下る形でコプトス、アビュドス、エレファンティネ……オンボス。
下したことで合流し、膨れ上がっていく軍団と共に百年かけて上エジプトと呼ばれた地域を平らげた。
その過程にあった、なつかしく見覚えのある技術や、魔術師に使役されていた破壊の形をした神格たち。これらは全てメネスが取り込み人が触れられないようにした。
侵略船団アポフィス、その頭脳オグドアド。目覚めた時より頭に鳴り響く、彼らの命令を聞きながら。
そうして、彼という嵐、彼女という太陽は将来エジプトと呼ばれる世界を更に飲み込んでいく。
セト、ジェフティ、ソベク、ネイト、イシス、ハトホル、クヌム、プタハ、ネフティス、ウアジェト、ネクベト、セルケト。
後年では有力な神霊となった数多の魔術師、神格、ニンゲンを従え、散らばった技術を拾い集め、彼はついに全土の統一を果たす。
上と下、合わせて200年。
老朽化する有機ボディを破棄して名を変え印を変え、それでも変わらぬ意識を保ちながら、彼はそれを成し遂げ。
そして、押さえつけていた破壊衝動に任せるままに、自身の上位存在であった、同胞であった、同郷であったオグドアドを破壊し、今度こそ封印した。
そうして、エピローグへ、たどり着いた。
『オグドアド破壊によるフィードバックは、ただ死ぬんじゃない。機能をリセットされ全ての記録を紛失し、虚数空間を漂う一個の泥へと戻される』
『だからすまない――――セト』
「…………命令しないのか、いつものように。さすればオレは、常のように唯々諾々とそれに従うだろう」
『結局のところ、ボクのわがままなんだよ、これは』
『その為には、船体の修材として呼び戻されるわけにはいかない。それだけのことさ』
『他の者たちではこの体を破壊できない。あの船骸さえ退けた君だけがそれを行える……お願いだ、セト』
『ボクは君の手で、死にたい』
大気の真エーテルが軋む。七分に渡り術式を展開する大魔術は物理法則を書き換え、死を知らぬモノにさえ死を与えるほどの破壊の力へと変貌する。
その輝きの中で、セトは問う。
「お前は、答えを得られたのか? この星の人間に手を貸した事。他国を侵略と略奪ではなく併呑と共生で済ませた事。自身の上位存在であるオグドアドを破壊した事」
「…………そこまでして、何を、為したかったのか。その答えを」
『――――いいや。ボクにはまだ、わからないんだ。予想はできるのに、確信はない。ごめんねセト、いつか答えると、君に勝った時に約束したのに』
術式の構成が終了する。あふれるほどの輝きはセトの手のひらに集い、眩く光る長い、長い牙へとカタチを変える。
『でもさ、今、この時に到ったこと、後悔してないよ。だから、泣かないでおくれ』
『…………ありがとう、さようなら。君のこと、なんだかんだ言って好きだったよ、セト』
腹部に突き立った砂塵の牙は、オグドアドを破壊し、得たはずのものを取りこぼしながら壊れていくメネスを死に追いやるのに、十分な威力だった。
力を失い、倒れながらメネスは声にならぬ声で言う。
友に礼を。世界に感謝を。人の行く末に祝福を。
そして、この問いかけに解答を。
――――王はカバに齧られて死んだ。
後から来た者たちへ、セトはそう言い放った。
それが、歴史に残る彼の最期。
ここで記録は終了する。
生前のボクは、考察はできたけれど最後まで確信に至ることはなかった。
請われるままにナイル川を遡上し、危険を排し人々を傘下に置き、ついにはシステム・オグドアド――――かつての自分の子らが残した最後の遺産さえ破棄した。
けれど今ならわかる。
だから素直に告白しよう。
なぜあの時、人々の願いを叶えたのか。
――――――――それは、嬉しかったから。必要とされたのが久々過ぎて、ヒトと言葉を交わしたのが久々過ぎて、嬉しかったから。
なぜ単純な侵略ではなく、文化を残すような形で国を、世界を統合したのか。
――――――――それは、悲しかったから。強制され続けた、全てを滅ぼす、という行いはどこにもたどり着かない、悲しいものだったから。
なぜ自身の最後の同胞であり、上位存在であったはずのシステム・オグドアドを破壊したのか。
――――――――それは、怒っていたから。否定され失敗したものを頑なに行おうとし、素直にこの星に受け入れられた同胞さえ否定したことに、怒っていたから。
結局のところ一体、何をしたかったのか。
――――――――それは、楽しそうだったから。かつての大敵、かつての宿敵。それら全てが手を結べば、一体どこまで行けるのか。なんて、セトが語った建国の夢。
ボクはそれに心奪われた。想像の羽が広がっていく。セトの話を飛び越えてその先へ。
空を見上げて、ボクは見た。
そこに映る遥かな未来を、その脳裏の内に見た。
街を超え国を超え大陸を超え星を超え銀河を超え。
そして―――――――――――――――――――――――――――――――――――――見知らぬ事象の地平、ソラの果てさえ乗り超える、人類の姿を見た、気がした。
そんな夢が、楽しそうだったから。
そんなこと、実は想像さえした事はなかった。
ヒトがどこまでいけるか、なんて。
けれどそれは、これまでに感じたことのないほど愉快な想像だった。
想像自体、初めてだったかもしれない。
創造と破壊はしたことあるんだけどね?
…………星を渡り、ソラの限界の先へ至るのは一大事業だ。
区切られた敷居の中で、行えるものではない。
けれど、ボクは笑おう。
種は、この地に既に撒いた。
だからやがて、彼らが『
団結と協力』の言葉の元に一つへと纏まり、船に乗って星を飛び出す。
そんな荒唐無稽を笑って夢見よう。
飛び去る船にボクが乗ることはない。
死したるものはただ歴史に刻まれるのみ。
その見果てぬ先の未知の景色は無論、こんな千里眼風情では届かない。
それでもいい。
見守り、見届け、そして朽ちる。
それこそが、ボクだけが見つけ、ボクだけが決めた、誰に憚ることもない、ボクだけの使命。
その時が来るまで、「
我が財宝」を守ることが、ボクの仕事だ。
財宝守護。好き好んで守護者と化した、神代の残滓の、最後の夢だ。
子らよ。手を取り合え。そして果てを目指して歩け。走れ。飛んで行け。
どこまでも、どこまでも。
それまではボクが、君たちを守ろう。
――――その時まで共に歩み、寄り沿ってみせよう。今度こそ。
ランク:EX 種別:対境界宝具 レンジ:1〜8 最大捕捉:1
「ずっと先、遠い未来の話をしよう。モノは生まれ分かたれ離別して、それでもやがては手を取り合う。再び集いて一へと至る。世界はそうして進むもの。何度だって繰り返す。原初の丘は甦る。新生して世に出づる。全ては先へと進むため。新たな世界へ至るため。――――ここにその、夢の花を咲かそう」
メネスの得た解。
守護者となり、サーヴァントとして召喚されてから得た宝具。
大きな争いではなく、緩やかに統合し形成されたとされる古代エジプト王国統一の再現。
そして、メネスが空想する新たな原初の丘――――――――次の世界、次の地平へ乗り出すため、人類が一つに纏まる、という願いを込めた宝具。
かつてアポフィスが持っていた同化浸食機構の名残。
この地に存在したもう一柱のポトニア・テローン、タテネンより賜った権能の残滓。
そして、メネス本人が持つ唯一の逸話昇華型宝具。
紅白王冠を媒体に発動する、漣の音持つ光の砂塵。その中心に花開く、白きロータスの花弁。
あらゆる断絶の概念を拒否し、結界を解き壁を乗り越え、たった一つ、誰のものでもない現実という世界へ相手を招待する、拒絶を拒絶するモノ。
分ける、隔てるという物理効果そのものを無効にする対境界宝具。
代わりにかつてのような攻撃力は持たず、人を傷つけることが不可能な、非殺傷の宝具。
花弁に接触した対象の結界、防御、断絶効果を強制的に無効にし、行き来を自由化する。
攻撃と同時には使用できない。
対象に危険が迫っている状況下でも使用できない。
相手に危害を与えるような状況では、使用できない。
単なる侵略、単なる略奪、単なる破壊の否定。
歩み寄れる余地を残し、共生と共存を選べる。
そんなありかたを示す、これはそのような宝具。
旧設定
基本情報
【元ネタ】史実およびマネト著『アイギュプティカ』
【CLASS】ゲートキーパー/ライダー
【マスター】
【真名】メネス
【性別】両性
【身長・体重】158cm・49kg
【属性】混沌・善
【ステータス】筋力:D 耐久:D 敏捷:A 魔力:A++ 幸運:D 宝具:EX
【クラススキル】
財宝守護:A
ゲートキーパー時のクラススキル。
聖杯術式破壊を察知した大聖杯による自己免疫防御。
ゲートキーパーは聖杯を守備する場合に、大聖杯及び地脈より魔力が自動供給されマスターからの供給を必要としない。
更に防衛戦時、大幅なボーナスを得ることができる。その代わりに聖杯近傍から離れることができなくなる。
このスキルを機能停止することで移動制限が解除されるが、それ以降の現界には通常クラスと同様にマスターとの契約を必要とする。
またマスターを得た状態であっても大聖杯に危機が迫るとこのスキルが自動発現し、聖杯前に呼び戻される。
【固有スキル】
千里眼(偽):EX
幾度の思考によって疑似的に未来・現在・過去視を可能とするスキル。
全知の魔眼(ウジャト)とまで謳われた情報処理・演算能力。
カリスマ:A+
大軍団を指揮・統率する才能。ここまでくると人望ではなく魔力、呪いの類である。
神性:-
神霊適性を持つかどうか。
原初のファラオとしても■■■としても最高の神性を持つはずだが、神々の意に反したことによってかけられた呪いと、本人の意思、二つの理由により喪失している。
魔眼:-
天眼とも呼ばれる、真の魔眼『ウジャト』。神性と共に消失している。
【宝具】
『賢者の砂(ジェフティ・クラスタ)』
ランク:EX 種別:対人宝具 レンジ:1〜99 最大捕捉:1000
メネスが当時、エジプトに在住していた鍛冶や学問が得意な親友たちに貰った輝く砂。
最小なる賢者の石最大の集合体。神代に創造された、現世で最も複雑な機械。いつか人類が作れるかもしれない、多次元散逸構造を持つフォトジェニック結晶。
一粒一粒は大したことのない単なる賢者の石に過ぎなかったが、無数の群体として取り扱った結果、入力された情報を可能な限り、神秘さえも再現し出力する事象再現機、マシナリーエーテルと化した。
再現にはそれに見合う量のクラスタの制御、および正確無比なコピー元の情報が必須である。現代のコンピュータではまだ単純な無機物しか再現できないだろう。
メネスが生前見たことのあるもの、もしくは現代で見たものを全て再現可能だが神霊や権能など、物理法則化で再現できないものは能力不足により再現されない。
メネスはこれにより、かつて神代に在った統一エジプト軍を再現し使役する。
特に、セルケトの化身たる大サソリを乗騎として、かつての王城があったメンフィスの白き城壁を盾として、それぞれ好んで用いる。
再製・白の城壁(リビルド・メンフィス)
再製・赤の居城(リビルド・ヒエラコンポリス)
再製・緑の祭器(リビルド・テーベ)
再生・這寄る毒(アクション・ムシュフシュ)
再生・地底の呪(アクション・イミウト)
再生・処罰の顎(アクション・ペトスコス)
再生・恐怖の秤(アクション・アーマーン)
再臨・熱砂の獅身獣(アドヴェント・アブホール)
再臨・降り立つ猛禽(アドヴェント・ベンヌ)
再臨・猛き狂う蠍(アドヴェント・セルケト)
再臨・冥府の狒々(アドヴェント・バビ)
『再帰:原初の丘(オペレーション・セマ・タウィ)』
ランク:EX 種別:対結界宝具 レンジ:1〜10 最大捕捉:10
失われた宝具『原初の丘』を『賢者の砂』によって再現したもの。真名解放とともにメネスを取り巻く砂嵐として顕現し、接触したあらゆる結界を破壊・無効化する。
クラスタにより本来の機能をを無理やり再現しているため精度・選択性が故障しており、効果が変化している。
オリジナルである宝具『原初の丘』は国同士・人同士の『境界線』を緩やかに分解し、敵意や反発を和らげるためのものとして使用された。
人類共生・習合を理想とするメネスの生き様を象徴するような宝具であり、メネスの持つ本来の力の一端でもあった。
この力によってメネスは複数の神話体系を習合、共生が可能であるということを統一神話という形で示したのである。
クラスタによる再現『再帰:原初の丘』は劣化により、単なる境界線、つまり結界破壊効果を持つだけの宝具に変質している。
【weapon】
『錫杖』
賢者の砂の管制端末。握りには黄金の隼が留まっている。
【来歴】
紀元前3000年代に統一されたエジプト。マネトの王名表に記されたその統一エジプト王朝最初のファラオ。統一王。黒の神祖。最初の粛正者。
当時、神代エジプトは魔術によってあらゆるものを使役し、互いの神話世界を喰らい合い奪い合うという恐るべき場所だった。
本来これを諫めるはずの神々もまた使役され、戦力として、人間にとって都合の良い力を引き出すモノとして扱われていた。
メナスは、この現状を憂慮した古き神々によって地上に遣わされた粛正装置であった。
地上の魔術師たちに制御されぬようあらゆる状況で人を凌駕するよう様々な機能が取り付けられたが、その中でとりわけ強力なものがあった。全知を行う天の瞳・ウジャトである。
これは神々の想定通りヒトの過去、現在、未来の全てを把握し、人類全てを掌握出来るシロモノだった。
――誤算は一つ。ナルメルの意識が、本来滅ぼすはずのヒトの未来を捉えてしまったこと。
星の終焉も、人理の果さえも飛び越え、『かつてヒトの関わったモノ・これからヒトに関わるモノ』――ヒトの因果の残り香さえあれば全ての事象を堪能できてしまうナルメルが最初に見てしまった可能性未来。
ナルメルは、起動直後から全知であり、人間味に乏しい存在だった。神々の為の粛正装置として生み出された彼は、天より遣わされたまさに神々の一柱であったのだ。
そんな彼が地上に降り、最初に陽射しを痛く思って見上げた空。その日の青い空。奥に透ける広大な宇宙。果ての先に向かう、ヒトの作り上げた、星を征く舟。
己の全知さえ届かぬ気の遠くなるほどの向こう側。そこに『在る』ということしか分からない漆黒の領域。人類の因果地平のあらゆるところを見通す己にさえ見通すこと叶わぬ、ソトなる世界。舟がナルメルの視界から霞んで消え、ソトへと征く姿。
今の次、物理法則、その次。新たなるソラの法則。
無数のIFの果ての先。本能的に震えが止まらなくなるほど未来の彼方。そこには何か、自分には見えず、知らないモノがあるらしいと、そんなところまで間接的に予測して『観て』しまった。
――神々は知るまい。興味も持たないだろう。本来ならば見えず、今この世界には影も形も存在しないものなのだから。
「この手のひらに乗るはずの世界には、どうやら外側というものがあるらしい。それは一体、なんだ?」
ナルメルは無垢なる疑問を抱いた。観測が予測を、予測が疑問を、疑問が思考を生み出した。そして彼は瞬く間にその命題へと囚われていった。
見えないならば予測すればいい、それだけの性能があるのだから。しかしピースがない。パーツがない。要素が足りない。ない。ない。ない。取っ掛かりさえも無く全てが足りていない。見えるものの中に何もヒントがない。
広大無辺、際限なきソト。飽くなき探求の道程。彼は魅せられた。魅せられてしまった。終わりなきその旅路に。無限という問に。
起動より3分。川から上がり石に座し、風に吹かれるがままだったナルメルは、目が覚めたように頭を振った。
そして。人類に寄り添い、人類の末裔がその領域に到達できるようするために行動を開始した。
既にその裡に神々の使令など無く。
彼の心は、星征く船を思い、彼の瞳は、相争う、未だ幼き人類の成長へと向けられていた――。
【解説】
ゲートキーパ―は地点防衛に特化しているため、通常は攻勢に出づらいクラスである。
しかしメネス、というよりも実質の本体である『賢者の砂』の汎用性が高いためあまり枷とはなっていない。
『賢者の砂』は当時の軍、礼装、都市城壁、神獣の攻撃、神獣そのものなどを再現して振るわれる。
メネスの持つ唯一の攻撃手段であるが、その再現数・再現度は召喚された土地の霊脈、サーヴァントという霊基に馴染むにつれ無尽蔵に上昇していく。
その為サーヴァントでさえ対処できない神獣の完全再現体や、軍勢を再現できる段階に到達すると非常に危険。
メネスは杖術もできるものの護身術程度にとどまり、仮に『賢者の砂』を攻略できた場合は近接戦闘の得意なサーヴァントなら撃破は容易。
一般的には統一王はナルメル王として知られているがメネスはスコーピオン王からホル・アハまで誤魔化しつつ長々ファラオしてた。
人類贔屓が高じすぎて原初の丘によって融合していた色んな神格(隼とか)を分離。裸一貫になった後に守護者と化したため、まっとうには召喚できない。
仮に触媒を揃え、無理やり呼ぼうとしてもナルメルかホル・アハが代わりに派遣される。今の世(人間世界)が大好きで幸運EXのマスターが呼べばもしかしたらくる(フジムラとか)。
ギルガメッシュより古いしこれくらいしても許されると思ったいややりすぎたかもしれない。
最後はカバに齧られて死んだ。
彼は人間という種そのものを愛している。マスターがどんな人物であっても喜んで力を貸すだろう。ただし、直接的に人を減らそうとしない限りは。
「ボクは人類を、その在り方を、星さえ喰らう禁忌を犯すであろう君たちを――――」
「――――全肯定しよう。しかし自損、自害、自滅。これだけは許せない」
「生きろ。足掻け。その諦念を持たない生き様こそが、ヒトの持つ最大の価値なのだから」
その他データ
matrix lv.E
『この世、全ての泥(アンリマユ・アポフィス)』
ランク:‐ 種別:対人理宝具 レンジ:1〜999 最大補足:1000
メネスが与えられた能力。『セマ・タウィ』はこの力を限りなく薄めて使用した変則的なものであり、本来はこの『アポフィス』こそが正しい運用方法である。
原初の混沌から別たれた、この世の構成に含まれなかった存在であり力の本体。混沌の澱の結晶であり、悪、闇、滅びへ向かう方向性そのものを保持する神格の一種。川底に溜まり続けた観念としての泥。
今ある地表の営み全てを一掃して飲み尽くし、原初へ回帰しようとする反作用がカタチと力を得たものである。
すなわち、接触したものは、万物区別なく境界線を失って混ざり合い泥となり、最後には混沌の時代の、原初の水に還元される。
この能力は現代では抑止の排斥対象となる。現代の地上で使用すれば、使用したという事実ごと抹消されるだろう。
さらに言えばこの能力はメネスから分離した古き神格のものであり、守護者・サーヴァントとしてのメネスでは振るうことができない。
権能と呼ばれる法則改変を行う魔法以前の力。