『魔術:呪詛』
死徒としての能力の他、一工程で人間を心停止させる程度の呪詛は容易に扱える。
『召天の魔眼』
右の眼帯の下に宿る邪視。厳密な定義では魔眼には含まれないが、能力は「黄金」に匹敵する。
視線を交わした人間に対して発動し、その精神を幸福の果てに吹き飛ばす。
具体的には脳内物質諸々が垂れ流しになり言語を絶する多幸感の中で絶頂の果てに堕ちていく。そして二度と戻ってこなくなる。
強い魔力を持つ魔術師やサーヴァントならば抵抗可能。ただし、耐性のない一般人ならば一瞥されただけで精神が蒸発し、白痴そのものの笑みを浮かべるだけの廃人と化す。
魔眼の銘を冠するものの、右の眼窩には眼球など収まっていない。
そこにあるのは血と臓物と泥と汚物、人間の死と不幸が詰め込まれた虚空に通じる「穴」。
ソレに魅入られた人間は、虚の中の地獄を通して自分の幸福を視る。
……つまるところ、その機能は「人間に優越を抱かせる」ことにある。
自身に対する悪感情を手綱にして対象の魂を引きずり出し、極楽浄土に吹き飛ばす魔術礼装。
――とある拝火教を奉ずる村が見出したモノと同種の、人類悪の極小のひとかけら。