kagemiya@ふたば - 強頸
「成れの果てゆーだら、おらぁ確かに成れの果てだず。んでもおらぁなーんも哀しかねぇ。おらん末路も、今ん果ても、全部承知の結末だぁ
おらが信じる限り、この声ば神様の声だぁ」


基本情報

【元ネタ】日本書紀
【CLASS】ランサー
【マスター】
【真名】強頸
【異名・別名・表記揺れ】
【性別】男
【身長・体重】195cm・89kg(スキル『礎の心』使用と共に肥大化)
【肌色】黄(現界経過時間と共に青、赤、黒に変化) 【髪色】ハゲ 【瞳色】白濁
【スリーサイズ】
【外見・容姿】襤褸を纏った大男
【地域】武蔵の国
【年代】仁徳天皇11年10月
【属性】秩序・善
【天地人属性】地
【その他属性】人型・信仰者
【ステータス】筋力:C++ 耐久:B-- 敏捷:C 魔力:E 幸運:E 宝具:A++

【クラス別スキル】

対魔力:D

魔除けのアミュレット程度の効果の対魔力

【保有スキル】

啓示【歪】:E

強頸の死因でもある、仁徳天皇に下ったという啓示。強頸の脳内にも何故か時折響き、魔術を補佐する
…強頸自身は仁徳天皇が聞いたという啓示の声を知らない。神かも知れず、妖かも知れず、夢かも知れない

変化【腐】:D+

強頸の肉体は時間と共に腐り、肥大化して行く。スキル『礎の心』使用によって進行は加速度的に早まる
肉体の変化は大まかに三段階あり、最終的にはどす黒く爛れた醜い巨人に成り果てる

礎の心:A++

国が為、そうあるべしという思いと覚悟の精神汚染スキル
千数百年の時の中で強頸自身が拠り所としたその思いは、今や彼自身の人格を塗り潰している
本来なら英霊足り得ぬ強頸を無理矢理動かすために付与された心臓であり、呪いの一種

【宝具】

茨田の堤に沈みて死ぬまむたのつつみにしずみてしぬ

ランク:C・A++ 種別:結界・対軍宝具 レンジ:100 最大捕捉:500人
強頸の死を再現することにより発動する強固な結界宝具
…としか本人は説明しないが、その実態は固有結界に似て非なる大魔術
発動と同時にどこからともなく水が押し寄せ、次第にその勢いを増す
これはかつて多くの死傷者を出した淀川の氾濫の再現であり、周囲一帯を更地になるまで荒らし続ける対軍宝具である
これを鎮めるためには魔術の構築上、強頸自身がその水の中で死ぬという儀式を必要とする
それが成った時点で魔術構成は転換、巨大な堤という形の結界宝具としてその場に残る
…普通に使うなら対軍宝具として使った方がよっぽど使いやすく、威力も高い。令呪による束縛で自死を止めさせることも一応可能
しかしその時点で強頸のスキル「祖の心」は大幅にランクダウンし、何より強頸自身が大役を果たせなかった自身に絶望し使い物にならなくなるだろう

あるいは天災と比する様な強大な攻撃に対してならば、強頸の想い通りの大いなる堤が積み上がるかもしれない

【Weapon】

丸太&杭まるたアンドくい

特に由来も無きただの巨大な木の杭と丸太
本来ならサーヴァント相手に効果のある武器では無いが、強頸が戦場を災害地、敵を治めるべき災いと認識することで強制的に強度を上げ、一種の霊装として機能させている

瓢箪ひょうたん

二瓢の小ぶりな瓢箪
茨田連衫子らのエピソードより生み出した概念宝具のなりそこない
瓢箪を何らかの水面に投げることで発動する
瓢箪一つを神に奉げる代わりに、もう一つの瓢箪を人の領分として攻撃、防御、あらゆる因果を半分だけ捻じ曲げ押し付けることができる
その性質上一度しか使えない、借り物の奥の手である


【解説】

強頸は生前何か偉大な功績を残したり、大いなる名声を手にしていたわけではない
古墳時代、仁徳天皇の治めるヤマト王朝に属する武蔵の国に住む一人の男に過ぎない彼が英霊として存在できているのは、彼が残した唯一の逸話、茨田堤の人柱に依るものである
日本書紀において、日本最古の土木工事でもある淀川の堤防工事の際、どうしても決壊してしまう場所が二カ所あった
このとき天皇は「武蔵の人強頸と河内の人の茨田連衫子の二人を、河伯(川の神)に生贄として祭れば成功する」との夢を見た
強頸は泣き悲しみながら入水していったが、茨田連衫子は瓢箪を用意すると「自分を欲しければ、この瓢箪を沈めて浮き上がらせるな。もし瓢箪が沈まなかったら、その神は偽りの神だ」と叫んで、瓢箪を投げ入れた
もちろん瓢箪は沈まず、この機知によって茨田連衫子は死を免れた
工事は無事完成し、2か所の切れ目は強頸絶間(こわくびたえま)・衫子絶間(ころものこたえま)と呼ばれる様になった
つまりは人柱として死んだのは強頸だけ。彼は日本史上最古の、名前の残る人柱である
だが彼自身の英霊としての格は低く、ステータスも弱い。日本国内にて何らかの凶事が起こるかもしれない時に、それを鎮めるための犠牲の象徴としてのみ、彼は現界できる
それはアラヤとの契約、世界の抑止力という存在の一つ。ていの良いつっかえ棒である

【人物・性格】

彼自身の性格は保有スキルによって歪まされ、入水する際に泣き喚いたという本来の性格はもはやほぼ掻き消え、厳格なる殉教、遵法者となっている
行動の指針となるのは彼だけに聞こえる神からの啓示であり、つまるところマスターの命令はろくに聞かない
彼にとって最も大切なのは工事の竣工、つまりは日の本を脅かす大いなる災いを鎮める事であり、そのためならば自らのみならず他者も当然の様に犠牲に捧げるだろう
常に最小の犠牲にて事を為そうとする狂人である

……茨田連衫子は自らの機転により死を免れ、結局工事は完成した。神は偽りであると証明された
ならばなぜ、強頸は死んだのか
泣き叫びながらも最後は殉じた信仰に、一体何の意味があったのか
その後奈良時代に入っても茨田堤はたびたび決壊し、多くの人々が苦しんだとの記録が残っている
それが正しく神に供物を捧げなかったことによる祟りなのか、あるいは人類の治水技術向上における致し方の無い犠牲の一つに過ぎないのか
強頸自身にもそれは分からない

イメージカラー:群青 白
特技:土木工事
好きなもの:日本、紅茶、晴れの日
嫌いなもの:災い、味の薄い食事
天敵:己の疑心
願い:日本という土地の平和

【一人称】おら 【二人称】おめぇ 【三人称】アイツ 土左衛門

【因縁キャラ】

(茨田連衫子):別に何とも思ってはいない。彼が死なずに済んだのは喜ばしい事だと思っている

【台詞集】

召喚:「どんもはずめまして。さあばんと、らんさぁだす。
おめ様が主どんだなぁ。こげな田舎もんで申し訳なが、よろしゅうたのんます」

レベルアップ:「感謝いだしまず、主どん」
霊基再臨:「ごぼ……がは、ははは!河神様のおぼしめしだべな」
その2:「お見苦しぐてすんません主どん…じゃっどん、なにぶんこんがおらのざまでして」
その3:「ごが、ぎああっ!…あ、主どん主どん、気になさらんでくだされ、これがまむたの堤の、人柱……」
最終:「こん身、どうか朽ちて果てるまでお使い下され。
そんこそがおらの、生きて死ぬ意味だべに」

開始:「きさんらの血の一滴とて、通しばしねぇッ!」
その2:「災いなれば、此処さで食い止めッぺ!」

スキル:「捧げまず河神様…」
その2:「ぎあああぁっ…!」
選択:「おう」
その2:「いくべな」
その3:「決してとおざん…」
攻撃:「ごああっ!」
その2:「潰したらぁ!」
その3:「どっせりぁっ!」
EX:「こん土地から…失せぇ!」

宝具選択:「ありがとうごぜえます、主どん」
その2:「こんが、こんだけがおらの…」
宝具1:「此処に、神はおわすのだ。
民の祈りが、土地の痛みが有る限り。
幣の死に意味が有る時に!
『茨田の堤に、沈みて死ぬ』ぁぁ!」
宝具2:「が、ああ、ああああ!聞ごえる、ああ、河神様さ御声ば聞ごえる!!
ああ今ごそ!命じで下され主どん!『茨田の堤に、沈みて死ぬ』ぁぁ!』


小ダメージ:「なんの!」
大ダメージ:「とおしば、せんべだぁ…っ!」

戦闘不能:「お許し…くだされ…河神様ぁ……」
その2:「意味が……あったべかなぁ……?」
勝利:「ふー…おお主どん、茶でも淹れっぺか?」
その2:「まだ災いさ治め切れとりませんべ、ほれ休んどらんで行きましょう主どん」

会話:「お立ち下され主どん。民と土地さ苦しんどります」
その2:「おらは死ぬことでしか役に立ちませんどん、主どんは才に溢れとらっしゃるべな、どんぞこき使っとくだされ」
その3:「主どんにさ申し訳なかが、おらは河神様さ捧げられし弊。時に主どんを無視して啓示さしとごいもす。」
その4:「(神系サーヴァント)なんとあの方々ん、神でっか!?
はあ神々しか…あんま見とりますと目が潰れちもりますな」
その5:「(妖怪・悪霊系)どげん姿、いきもんとてこの日の本で生きる者。いさいの区別なくおらさ堤は護りもす。
…災いですらなくば、じゃが。大丈夫だべか?主どん」
その6:「(聖人・宗教系)こげん神さ信じ仕える者共さ多いんはげに善き事だっぺ!
………は?一神教?なんだべ、そりゃあ」

好きなこと:「河神様さ仕えるば、今のおらには鼻で息する様なもんだして…
そうだべな…ああ、日向ぼっこさすきだべなぁ。」
嫌いなこと:「疑うことだす。」
聖杯について:「この日の本が永遠さ平穏得られればなんぞ言うこたありませぬが…
それは河神様さお心に意見すっぺと同じ。
ならばおらが永遠さ護り続けるだけべな、願いさ在りませぬ。」

絆:「正味な所、おらは河神様さ弊だべ、主どんさ御迷惑ばかりかけるおもんますが…そんでんよか、どうぞお使い下され」
その2:「おらは河神様さ弊ゆえ、なごう使うとるとちと膨らんだり腐うたりしもす。どうか善き所で使いきっと下され」
その3:「この姿ば、人の主どんさには臭うべ?ずんません…」
その4:「いつかおらは、貴方すらこの国さ捧げます。いえ、もしや今も…
貴方のその献身の心さ、失わないで下され。…酷とは思いませぬ。」
その5:「……長く、お使い下さるな。おらは…ええ。この身朽ちるまで、戦うのみ。じゃっどん主どん、貴方と此処でお会いした事、それだけでん、おらには身に余る幸福だったべ。」

イベント:「祭りさ催しとりますだが?そば、楽しまなかいけませぬ!」
誕生日:「貴方の生に祝福さ送らせて下され主どん。
今日もどんか、貴方さとって善き一日でん在りますように!」

【コメント】

ドーピング狂信ゾンビ。
水死体はその腐敗の進行度から青鬼、赤鬼、黒鬼、白鬼と呼ばれるらしい。白鬼は骨。
神性も信仰の加護も鬼種の魔も無い農民A。