kagemiya@ふたば - 西太后





「私は……私はただ、"明日"を生きたかっただけなのだ……!
 明日を生きるために必死になった! 足掻き続けて国を守った!!」

「それを────何故"悪女"と罵られなければならぬのか!?
 国を守るは悪か!? 必死に生き抜く事は、悪だというのか!?」


「私は……その悪名を濯いで見せる。
 我が名、我が身にこびりついた悪性を、全て断絶すると誓う……!!」



【基本情報】

【元ネタ】史実、その他フィクション
【CLASS】アサシン
【マスター】
【真名】慈禧 (じき/Cíxī)
【異名・別名・表記揺れ】西太后、那拉皇太后、孝欽顕皇后、蘭児
【性別】女性
【身長・体重】164cm(ブーツも含めれば180cmを超える)・51kg
【スリーサイズ】86/61/89
【肌色】薄め【髪色】桃色に近い紫【瞳色】金
【外見・容姿】常に豪奢な服を身に纏う、絶世の美貌を持つツインテールの女性。
       余りにも豪奢な服の為、移動に時折支障が出る。が、彼女は決して着替えようとせず、肌も露出しない。
【地域】中国
【年代】1835?〜1908(清王朝末期)
【属性】秩序・悪
【天地人属性】人
【その他属性】人型・王
【ステータス】筋力:D 耐久:C 敏捷:A 魔力:C 幸運:C 宝具:A

Picrew

【クラス別スキル】

気配遮断:C

サーヴァントとしての気配を断つ。
隠密行動に適しており、完全に気配を断てば発見する事は難しい。
彼女は生前、非常に民に親しまれており、その葬儀には隙間の無い程の人が押し寄せたという。
その立ち振る舞いは、自然と人を惹きつけるものだったのだろう。
そのため基本的に隠密行動には向かないが、アサシンクラスで召喚されたことも手伝い並み程度のスキルランクとなっている。

【保有スキル】

陣地作成:B

慈禧は、かつて荒廃した末にアロー戦争で破壊された歴史ある庭園「頤和園」(後の世界遺産)を再建した。
これは現在においては『無駄な浪費』の代名詞として、彼女が悪女たる事を喧伝する材料として使われる逸話である。
が、現在の研究においては、戦争で職を失った人々へ働き口を与える事業の1つであったとする見解がある。
数百haという広い面積を誇る人工湖「昆明湖」などを再整備した逸話補正により、陣地内地形の掘削・整地・水流の整備などは数日ほど陣地整備に専念するだけで出来上がる。
(※ポイントとして、例では要する時間をかけさせ、地形も魔力による形成ではなくあくまで工事作業を魔力でしているニュアンスにして、数百haの地形を作るわけでもなく由来というのみにしている)

傾国の寵姫:A

慈禧に定められた宿命。国家を崩壊させ、そして新たなる国の礎となる災厄の定め。
彼女が皇后となった時には、既に清王朝は末期だった。列強が次々と中国を植民地にするべく襲い掛かり、国では太平天国の乱や義和団の乱などが多発。
清仏戦争や日清戦争などでベトナム、朝鮮といった宗主国を軒並み奪われているという状況下にあった。それでも、彼女は諦めずに政治家としてするべき執務を果たし続けた。
このスキルがある限り、彼女は常に不幸に見舞われる。だが、それに伴ってその精神性などは強化される。あとは彼女とそのマスターがどれだけ苦難に立ち向かえるかにかかる。

洋務運動:A+

自強運動とも言うスキル。慈禧は夫である咸豊帝の死後、ヨーロッパの科学技術を導入して国力増強を図った。
具体例としては学校の設立、軍事・民用工業の充実、外交機関の設置、通信事業の確立や海軍の建設などが挙げられる。
西太后は中国という国の文化を保ちつつ、列強たる諸外国に対抗するために多くの技術を取り入れつつ、イギリスなどの傀儡にならぬよう毅然と政治に取り組んだ。
それに由来する、"自己変革"や"鋼鉄の決意"などの複合スキル。敵サーヴァントから戦闘技術や武器の扱いなどを見て学び、そして己の一部として取り入れる。
生前に西洋の近代技術を豊富に取り入れたことから、西洋の英霊や近代の英霊の場合更に取得に補正がかかる。また、精神耐性も非常に高い。

【宝具】

乾坤経緯・垂簾聴政てんちにくに、すべてはわがてに

ランク:B 種別:対人 レンジ:1 最大捕捉:5人
"悪女"として語られた彼女のイメージの具現。残虐で邪悪、民を考えず財を湯水の如く浪費する悪なる皇后のイメージを己に憑依させる。
これらのイメージは、様々な風聞の記述、並びに後世の小説や映画などのフィクションによると考えられる。
近年では間違いであったと否定される逸話も多くなってきたが、かつては非常に残虐な悪女としての側面のみが強調され広められた。

この状態になった彼女は、一瞬の身振り手振りで彼女が行ったとされる残虐な行為を再現することが可能。
手を振るうだけで幾万の鞭打ちを肌身に浴びせ、そして触れるだけで四肢を切断し、壺に閉じ込めた"生き達磨"に変貌させる。
だがその代償として、後年に語られた"悪女"のイメージに引きずられる。端的に言えば、その暴虐性を無差別に他人に奮いたくて堪らなくなる。
それはAランク以上の精神汚染に相当する強力なものであり、説得などで無効化されるものではなく、宝具を使用すれば必ず付き纏う。
西太后は悪女として語られた後世の自分のイメージを心から嫌悪しており、この宝具は絶対に使用したがらず、マスターにも使用を堅く禁ずる。
だが近代の英霊である彼女が、神秘を多く持つ英霊達に対して対抗するには、この宝具によって攻撃手段を手に入れるしかないのが現実である。
彼女自身もそれは理解しており、どうやってこの宝具を使わずに勝ち残るか、あるいは宝具を使用して悪女のイメージに飲み込まれないにはどうすれば良いかを日々模索している。
余談だが、宝具名の『乾坤経緯』とは「天地の総てを自分が導く」という意味を持つ。彼女が扁額に記した決意の言葉の1つ。

【Weapon】

『悪女としての偶像』

彼女は基本的に近代の政治家でしかない為、本来ならば戦う術を持たない。
だが、後世にて中国王朝末期の悪性の象徴としてのイメージが付与された結果、英霊としての戦闘技能にまで昇華されている。
この悪女としてのイメージを宝具で纏う事で多くの英霊に対してダメージを通すことが可能になるが、そうした場合悪女としての彼女に精神を汚染される。

【解説】

慈禧皇太后。日本では主に西太后の名前で知られている、中国・清王朝末期の権力者。
中国史上に於いて最も長く権力を握った女性とも言われており、一時は皇帝をもしのぐ権力を数十年に渡り持ち続けた女性。
現代では様々な風聞の記録やフィクションから、残虐な悪女というイメージが知られている。
競争相手の后の手足を切断して壺に生けた、鞭で打ちながらその悲鳴を楽しみ食事をしたなど、『傾国の美女』というイメージが強い。
だが壺のエピソードはフィクション由来だと判明しており、競争相手の麗妃(フィクションで壺に入れられた人物)についてはその人格を気に入ったのかむしろ厚遇していたなど、実際とは異なるものが多い。
その一方で、男装を好み挑発的だったという珍妃を最初は気に入っていたもののやがて幽閉するようになり、義和団事件後の脱出時には井戸に捨てさせたという事実関係や、ささいなことで宦官を鞭打ちの刑に処したという元宦官の証言など、気性の激しい、あるいは極端な部分があったのも確からしい。

記録では満州の名門とされるイェヘナラ氏族の生まれで、父は高官だとされている。
が、近年の新説では貧しい漢民族の農家の生まれで、母が死に父は失踪し買い取られて女官になったのだとも言われており、はっきりしない。
いずれにせよ、教養ある賢い女性として育ったことは確からしい。
やがて女官として宮廷に仕えるようになり、そこで咸豊帝に気に入られて側室となり、そして跡継ぎたる男児を出産したことで妃へと昇格した。

だが咸豊帝が病で亡くなると、息子である同治帝を僅か6歳という若さで皇帝として即位させ、自らはその背後の御簾みす*1の裏から政治を執り行った。(垂簾聴政と呼ばれる)
同治帝が死去してからは、4歳になる甥の光緒帝を次期皇帝として即位させ、またも政治を裏から取り仕切った。
欧米諸国の近代技術を取り入れるなど洋務運動に力を注ぐも、清仏戦争でベトナムの宗主権を、日清戦争では朝鮮の宗主権を失う。
光緒帝と康有為は戊戌の変法による改革を提唱したが、西太后はこれを抑え込み光緒帝を幽閉した。

その後10年は権力を維持したが、義和団事件が勃発。当初は鎮圧を試みたが、困難だったため義和団を支持して諸外国に宣戦布告する。
しかし連合軍に本拠まで攻め込まれ、紫禁城を放棄して脱出。講和では北京議定書により国土の分割や他国の支配、多額の賠償を背負う。
そういった経緯を経て中国は内も外もボロボロになり、最終的に中国王朝はその歴史を閉ざし、中華民国が産声を上げる事となる。
そんな清王朝が崩壊する直前の1908年11月15日、幽閉していた光緒帝の死を追うように息を引き取った。

こういった歴史の狭間であったからか、悪政のイメージがつきやすい。
恐らくは、彼女が権力を握っていた時期が清王朝の末期であった事や、庭園「頤和園」を再建するために資金を注ぎ込んだ事、
何より未だ幼い子や甥を皇帝に即位させて実権を握った事や、逆らう者への躊躇ない追放や幽閉などの行為。
そういったイメージが、共和政の中で悪政の象徴として語られるうちに尾ひれがついて行ったものと考えられる。

だが近年の研究においては、彼女は暗愚ではなく、むしろ優れた手腕の政治家であったという意見も少なくない。
権力を持っていた時期は非常に国民に慕われており、死した時の参列には多くの人が詰めかけ嘆き悲しんだという。
当時はイギリスを始めとした列強たる諸外国が虎視眈々と中国、並びにその従属国を狙っている時期であり、それらを守るためにも彼女は苛烈な手段を取らざるを得なかったのだ。
庭園「頤和園」を再建したのは職を失った人々への救済策であり、追放や幽閉も歴代の支配者の采配と比べて極端に苛烈ではない、という意見もある。
政治をおろそかにし、国費を湯水の如く使って私腹を肥やしたというわけではなく、数々の西洋化政策を推し進め、中国が少しでも列強に勝てるように変革していった、現代にも続く中国近代化の先駆けと言える。

だが余りにも時代が悪すぎたため、結果中国最後の王朝たる清は滅びる結果となる。すでに彼女が権力者となった時点で、この結末はある程度見えるほどに中国はボロボロだった。
それでも必死に足掻き、なおかつ過度な近代化をすすめず中国王朝という形を維持したのは、彼女なりの意地だったのかもしれない。
その努力も虚しく、悪女という代名詞で後ろ指を指される結果になったのは、あまりにも皮肉な結末というほかない。
彼女はそんな悪名を濯ぐために聖杯を求め、此度はアサシンとしてのクラスで顕現した。

【人物・性格】

その人物像を端的に言えば、「ただ明日を生きたかった」という願いの為に必死に足掻き続けた女性。
生きるために今出来る事を可能な限り取り組むという努力型の人。生き抜く為にどうすれば良いか、それだけを考え続け彼女は生きてきた。
そのために何より手早かった選択こそが「皇后になる」という道だっただけであり、生前に権力に固執したのは目的ではなく、あくまで結果でしかない。
むしろ「女に政治をやらせるものじゃない」という考えを持ってはいるが、生前は如何せん皇帝が次々死んだり若すぎたりした為仕方なく執務に生きた。
他人にやらせなかったのは、そうした場合自分がどのようになるかを考えた結果、自分が取り仕切るのが一番「明日を生きれる」と考えたため。

そしてただ「明日を生きる」という願いを抱くだけでなく、それを実現する行動力と先見性も持ち得る。
幼い頃から勉学に励み、その結果として皇后という座に就くことが出来た経験から、何事も諦めずに積み重ねればいずれ実を結ぶと考えている。
そのため彼女は、基本的にどのような状況下であろうとも投げ出さず、今の自分に出来る事とやるべき最善策を常に考え、そして判断し選択する。
権力を握ってからは、中国を狙う諸外国に対抗するためにそれまで以上にその行動力を遺憾なく発揮。ただ中国王朝を維持するために万全を尽くし続けた。
中国王朝に拘った理由は、列強に支配されれば旧体制の属する自分がどのような結末を辿るかを悟っていた為。そのため彼女は中国という国を維持しつつ洋務運動に取り組んだ。
また、同じ理由で中国が西洋を参考とした近代的な体制になる事も望まず、あくまで西洋は技術の参考にする程度にとどめ続けた。
だが国民は民主的な政治を望んでおり、結果として彼女の代を最後に中国王朝はその歴史の幕を閉じる結果になった。

以上のような理由から、中国王朝とその関係者には特別な感情を抱いており、それに群がる諸外国を嫌悪する。
特にアヘン戦争を機に中国の植民地化をあの手この手で狙ってきたイギリスを心の底から毛嫌いしている。怨敵と言っても良い。
日本については、中国より早く近代化成し遂げたのは素直に評価している。だが光緒帝に接近したり朝鮮をかっさらっていった点は複雑な感情。そのため今回の聖杯戦争の舞台が日本な点に苛立ちを見せる。
逆に中国王朝関係者には軒並み好印象の感情を抱いており、中でも自分を皇后にしてくれた咸豊帝には非常に重い愛情を抱いており、英霊となった後もそれは引きずっている。

その他の特徴としては、ストイックな性格でありながら美食家な点が挙げられる。
皇后となってから、特に垂簾聴政を行うようになってからは休む暇もなく執務に追われていたらしく、その疲労を食事で補っていた。
彼女の場合は皇后としてのプライドもある為美貌にも気を使っていたため、栄養バランスなどもしっかりと考慮した食事を大量に摂取していたと記録が残っている。
だがそれは浪費の為ではなく、あくまで権力を持つ者として万全であろうとする意気込みと、皇后として美しくあらんとする気概によるものである。
彼女が英霊として召喚されてから絶対に正装を崩そうとしないのもその現れ。女性でありながら権力者として立つ覚悟の証左である。
基本的に生真面目で、どんなことでも全力で取り組み、そしてそれに必要な事は何でもする。それが彼女という人間の本質である。

【因縁キャラ】

咸豊帝
大好き。英霊になった後も愛している。生まれ変わっても愛しているだろう。
そんな事を臆面もなく言うほどに愛している。彼女の人生を様々な意味で変えた人。

同治帝
正直、厳しくし過ぎた事を心から後悔している。
彼女が咸豊帝の死去の後に皇帝に即位させた実子。即位当時はまだ6歳だった。
その後若くして亡くなったが、これを彼女は「厳しく教育し過ぎたせいで死亡したのでは」と酷く悔いている。
実際に血のつながった子であると同時に、愛する咸豊帝の血を引く子であったこともあり、訃報には非常に嘆き悲しんだ。

光緒帝
後半は生意気に"戊戌の変法"などを提言したが、それでも可愛い皇帝と見ている。
あまりにも可愛すぎる故に伊藤博文わるいむし康有為ずるがしこいおとながまとわりついて来たので、保護のため隔離した。
後世では権力を独占するために幽閉したと言われていたが、彼女なりの防衛手段(光緒帝と中国王朝両方への意味で)だった。
恐らくイメージとしては、幼い子を守る非常に過保護な親戚のおばさんの意識に近いか。

李鴻章
長い間重宝した政治家。おそらく顔を合わせれば微笑みながら生前を労うぐらいには良い感情を持つ。
後年の日仏戦争や日清戦争では手ひどい結果になったが、太平天国の乱などを始めとして色々頑張った事は評価している。
中国王朝の在り方を変えずに近代化した軍備を整えたりした部分も彼女的にはグッドポイント。

袁世凱
李鴻章の子飼いのイメージでしかなかったが、後世に中華民国を立ち上げトップに立った点は見込みがあると見てる。
戊戌の変法をいち早く察知して密告しつつも裏で着々と準備を進めていた手腕はかつての自分を思い出すようで評価してはいる。
自分の死後にてんやわんやになりつつも権力をにぎってしまっている部分はかなりシンパシーを覚える。

洪秀全
「…………まぁ、気にするな。苦しい時、誰しも夢想に縋りたくなるものだ」

義和団
最初は鎮圧を試みたが、年齢を重ね先が長くない事もあり「最後に自分の思うようにやりたい」と考え、彼らに賛同する形で諸外国に宣戦布告した。
彼女としては対外的な戦争を(たとえ勝ち目が無くても)続けたいという思いがあり、最後の最後くらい奇跡を信じたかったのかもしれない。内政面の指示を得る名目もあった推測もある。
だが結果としては敗北し、彼女は今まで通り『明日を生きる』ことを優先。彼らを切り離すという選択をして天寿を全うした。
正直この時の選択は彼女自身も「どうかしていた」「正当性は、少なくとも私には何一つない」と非を認めている。

エドモンド・バックハウス
一説にはイギリスの工作員だったとも言われる、当時のイギリス人。
『西太后治下の中国(China under the empress dowager)』『Annals and memoirs of the court of Peking 』を書いたポルノ野郎。
一部は正しい事も書いてあるが、現在では研究により大半が著者の妄想とされる。この書籍が海外における西太后の印象を貶めた悪評の元ともされる。
英wikiによれば自身の回顧録においてローズベリー伯爵(アーチボルド・プリムローズ)、ポール・ヴェルレーヌ、オスマン帝国の王女、オスカー・ワイルド、慈禧太后、レフ・トルストイ、サラ・ベルナールと寝たとか言い出している……らしい。
余りにもふしだらな評判を語っていたため、彼女個人的に非常に相容れない天敵として見てる。「何が私と200回以上性交しただ! 恥を知れ恥を!!」

【その他情報】

イメージカラー:紫
特技:扁額(書道)
好きなもの:演劇鑑賞、美食
嫌いなもの:イギリス、日本、伊藤博文
天敵:エドモンド・バックハウス
願い:悪女として語られる自分のイメージを払拭したい。

【一人称】私【二人称】貴様、お前【三人称】奴ら、あやつ

【台詞】

自己紹介:「私を召喚するなど、余程の物好きか、あるいは単なる酔狂か……まぁ良い。
      我が名は慈禧。西太后、あるいは孝欽顕皇后とも呼ばれたか。好きに呼ぶがいい。この喋る言葉が日本の言葉なのは不愉快だが、今は流そう。
      貴様に1つ、告げるべきことがある。この私を、傾国の悪女だの悪性の象徴だのと呼ぶな。もし呼べば、その首を切り落とす」
戦闘開始:「戦闘など…私に何が出来るものか。まったく……李鴻章でも連れてくるのだったな」
アタック:「邪魔だ」「こうか」「ふむ…なるほど」「これが英霊というものか。少し、愉快だな」
スキル:「呼ぶな……その名で呼ぶな……!」「全く……座り作業だけならば、まだ楽なものを」
宝具:「やめろ…やめろ!! 私は……わたし、は────!!
    嗚呼…………ようやっと、好きに出来る。さぁどうした? 急がねば手足を千切るぞ? 街より生娘を連れて参れ!
    さぁ悲鳴を聞かせろ! 爪を剥ぎ、生き眼をくり抜き、肌をこそぎ落とせ! 乾坤経緯。天地も国も、総ては我が手の中にある!! キャハハハハハハ!!」
ダメージ:「くっ」
大ダメージ:「無礼な……私を、誰だと思っている…!?」
消滅:「嫌だ……死にたくない……。こんな、ところで、私は……!」
勝利:「勝ってしまったのか……。あんなにも醜い……邪悪なる私の風評の力を借りて……」
   「これで良い……これで良いのだ……。最後に願いを叶え……あの邪悪なる偶像を払拭するのだから……」
好きなこと:「フン、それを聞いて何になる? この私を、咸豊帝のように喜ばせる事が出来るとでも思いあがったか?
       冗談だ。そうさな。演劇を鑑賞する事と、美食をとりわけ生前は好んだな。王宮に私専用の激情を作らせるほどには好んでいたぞ?」
嫌いなこと:「言わせるな。イギリス、日本、フランス……あの当時の中国の敵、その全てだ。我が人生の安寧の悉くを奪わんと卑しく手を伸ばしてきたからな。
       だが近代化が遅れた我が国にも落ち度はある。故に私は必死で足掻いた。足掻いた末に、気が付けば皇帝以上の権力を握っていた……。
       だが全くもって油断ならん! 特にイギリス! 奴はまさに目の上の瘤! あの国の名が存在する限り安寧の日々など無かったわ!」
放置:「オイ。暇ならば学業の1つでもしたらどうだ。時間は有限だ。何もせずに無為に過ごした結果、他国に飲み込まれるなどよくある話しだ。
    お前は私のマスターなのだから、努力を怠っては困る。……最も、あまり無理はするな。同治帝のようにはなってほしくないのでな」
会話:「動きづらくないか、だと? たわけめが。この服装は女性である私が、皇帝以上の権力を持つ事に対する、覚悟と戒めの現れ。
    西太后の名を背負いて顕現したならば、何時如何なる時であろうともこの服装を乱さず、そして崩さない事が私の矜持だ。
    そもそも女が政治に口を出すこと自体間違いなのだ! 私はそうしなければどう扱われるか分からなかったから必死に口を出したがな!」
関連鯖へ:「何だ貴様。絵本に出てくるような騎士の格好をしおって。イギリスの匂いがするぞ。それはもう鼻が曲がるほどにな。
     ………ああ、なんだ。本物の騎士か。なれば我らが歴史を知らぬか。いらぬ諍いを立てた。すまない……西太后の名において謝罪する」

【コメント】

調べれば調べるほど可哀想だなこの人…となる。
こんな偉くて可哀想な人をZero企画に持ち込むなんて人の心が無い気がしないでもない。