kagemiya@ふたば - 藤咲ミーナ





了解おっけぇ! 敏腕バリバリ特急ソッコー芸術シゴト、見せたげようじゃーん?」



■基本情報

【氏名】藤咲ミーナ
【性別】女性【年齢】31歳
【出身】日本
【身長】161cm【体重】53kg
【スリーサイズ】93/51/82
【肌色】褐色【髪色】金【瞳色】黒
【イメージカラー】セピア
【属性】中立・悪
【魔術属性】-
【起源】『追憶』
【特技】ものつくり
【好きなもの】バイクに乗る事、楽しむこと
【苦手なもの】「言いたくないし、思い出したくもない」
【魔術系統】魔術師ではない為複雑な魔術は使えない。
【魔術回路】質:E  量:E  編成:正常
【決戦の日】「目を背けたあの日を、その目にもう一度」
【階位・称号・二つ名】『前衛的建築おしゃれ棟梁バンチョー

■外見・容姿

旧世界で言う"ギャル"のような服装とメイク、仕草をする女性。片目は戦争の傷で失明しているらしく、眼帯をしている。
胸元の開いたガサツな作業衣をオシャレに着こなし、汚れ1つ無い丁寧に手入れされた金髪は、頭の両脇で束ねられツインテールにしている。
髪留めは常に同じものを使っている。これは戦前に親からもらった髪留めだという。

■概要

瞑眩窮民廃都「郡山」にて建築家兼デザイナーを手掛けている女性。
主に居住区の個人スペースの増築や改築を承っており、依頼に応じてその身1つで居住スペースを様変わりさせる器用さを持つ。
「人を楽しませる住まい」をモットーとしているが、「自分のやりたい依頼しごと」を最優先するため、依頼に際し何らかの要望があった場合でも、
彼女自身がそれを気に入らないとなれば、彼女なりのアレンジを加えるなど独断を働くことも多い。
だがそれでも彼女の腕は確かで、勝手な改装をされた人々ですら文句を忘れ満足する出来となるほど。

非常に軽いノリとちゃらちゃらとした服装、そしていつでも笑い続けている、いわゆる『ギャル』と呼ばれる在り方を曲げず貫き続ける。
最初期はいつ死ぬかも分からない地である郡山において、その不謹慎とも言える軽さを持つ彼女の言動は煙たがられていたが、今では受け入れられて人々の心の清涼剤となっている。
特に何時如何なる時でも笑っている彼女の存在は、見ていると生きる活力が湧いてくるとして評判であり、その評判が彼女への依頼を増やす形で貢献している。
だが、その彼女の明るさには裏が存在し────────。

■来歴

戦前は、自動車整備工場を運営する両親の下に生まれたであった。
幼い頃から工場に出入りしていた影響か、そういった機械を弄ったり工具で作業をするという行為に対して憧れる。
工場に勤める仲間たちにも可愛がられ、次第にそういった技術を身に着けて、同年代の子等と比較にならないほど飛躍的に手先の器用さを伸ばす。
特に生来のものか育った環境の影響かは不明だが空間把握能力に優れ、機械や部屋の間取りなどを3次元的に一瞬で捉えるという感覚に優れていた。
そういった事もあり、将来の夢は両親と同じように自分の工場を構えて手先の器用さを活かすと心に誓う。

しかし娘が機械油に塗れて作業する様を嫌った彼女の父親は、娘には学業に進むように厳しく指導した。
そこには汚れに塗れるのは男の仕事だという固定観念────いや、不器用な娘への気遣いがあったのだろう。
だがそんな気持ちを露とも知らない彼女は、自分のやりたい事を制限されて強いられる勉学に対して非常に嫌悪感を抱く。
やがてその勉学への嫌悪感は抑圧への反抗に変わり、思春期真っ只中の16歳、高校入学と同時に吹っ切れて勉学全てを放り出すという形で噴出した。
いわゆる『グレた』というもので、髪は金髪に染め、肌はサロンで褐色に染め、派手なピアスやマニキュアなどで着飾って自由を謳歌した。
彼女の持つ器用さはマニキュアを始めとしたメイクに活かされ、彼女のもとには連日多くのギャルたちがメイク指導を受けに訪れたという。
きっかけはどうであれ束縛から解き放たれた日々はとても充実し、彼女はずっとこのままでいたいと思い続けていた。

だがある日、彼女の事を想って注意をした母親と口論を起こした。
娘の変化に呆然とするしか出来ずにいた父親と異なり、母親は同じ女性として当時の彼女の在り方を"みっともない"と、心から注意をした。
反論されても、無視されても、何があろうとも毎日言い続けた。そしてそれが続いたある日、とうとう彼女と彼女の母親は互いに心の奥底全てを曝け出しあった。
そうして彼女はグレた理由や今の自由への想いを両親に伝え、両親は彼女に勉強を強制した胸の内などの全てをぶちまけた。互いに納得し合い、今のままでもいいがやるべきことはする事、という折衷案が出され和解に至った。
父親も意見を聞かずに勉強を強制し続けてすまないと謝罪。母親は自分なりにお洒落な物を……と不器用に笑いながら、自作の髪留めをプレゼントした。
それぞれの持っていた胸の内の不満は解消され、これから明るい日々が始まる────────そう、彼女は思っていた。


『戦争』の戦火は彼女の日常を燃やし、砕き、踏み躙り────彼女が笑っていた日々は、全て喪われる形となった。


逃げて、逃げて、逃げ続けた。例え道中で母親が炎に呑まれ死のうとも。
父親がドローンの銃撃から自分を守る盾になって死のうとも。振り返ることもできずただ彼女は逃げ続けるしかなかった。
片目を失明して。傷だらけになって。泥水を啜って────そうして、戦争は終わった。戦争が終わりさえすれば、日常は戻ってくると思っていた。
両親はいなくなった。バカやり合っていたクラスメイトも大勢死んだ。それでも、安心できる生活だけは、戻ってくると信じていた。

戦争が終わった先に、安全なんて存在しなかった。
笑える毎日なんて、平和なんて、一片たりとも許されることは無かった。

その非業なる現実は彼女の心に「逃避」の二文字を選ばせた。かつて楽しかった日々、それに縋り続けるだけの空虚な模倣。
人生で一番楽しかった学生時代の自分自身を、彼女は今日も演じては『郡山』に笑顔を振りまき続ける。ただ楽しかった記憶にだけ、縋り続けている。
何かを作っている時は楽しかったから、せめて何かを作り続けよう。"みっともない"と言われたお洒落をし続けた日々が楽しかったから、あの日の仕草を真似し続けよう、と。
彼女はただ、目の前の現実という名の地獄から目を逸らし、過去の愉楽であった記憶にしがみつくように、過ぎ去った日々の猿真似を演じ続けている。

■技能

前衛的建築おしゃれ棟梁バンチョー

彼女の二つ名にして、彼女が持つ建築センスと技量の名前。一瞬で3次元的に空間を把握することのできる能力。
幼い頃から機械に触れ続けたことに由来し、彼女は様々な機械いじりや細かい細工を行う際に、それらの構造を外側からの観察である程度把握できる。
そしてそれらに対して作業を行う際は、その細工中に行った細工や視認した部品の結合具合などを記憶、そして理解することが出来る。
これにより、機械細工や建築に関して『郡山』において彼女に並ぶものは数少ない。

更に加えて、学生の際にバイクの改造やピアス作成、マニキュア塗装等を行っていた経験に由来し手先も非常に器用。
加えて目も良く、つま先で行うような細かい作業を行っても一部のブレなく完璧な仕事を熟すことが出来る。『郡山』での経験も加わり、自他共に認めるプロの領域にいる。
その卓越した腕前と細工技術、大から小まで全てを兼ねる器用さ、何より非常に高い空間把握能力を活かし、彼女は『郡山』における建築家兼デザイナーを営んでいる。
自分に出来る事はこれぐらいしかない。だったら、その出来る事を精一杯にやって、此処にいる人たちを元気づけよう、というのが彼女がその営みを始めた理由。
ギャル(だったころの自分を演じている)故か、非常に前衛的かつ眩しい、煌びやかな装飾を主として行うが、その分かりやすい明るさは住民には好評らしい。
曰く「見ていると元気が出る」「明るい言動が、こちらも笑顔にしてくれる」と、昏い雰囲気が包む『郡山』の中で清涼剤となっており、
現在では『郡山』に欠かせない存在となっている。

■人物


【一人称】あーし【二人称】貴方あーた【三人称】○○っち

性格

底抜けに明るく、加えて誰に対しても優しい。加えて距離が近く、基本的には軽く接触する。
だがもちろん空気は読み、加えて場を弁える謙虚さも持つ。明るく振る舞うべきだと判断した相手には何処までも明るく振る舞うが、そうでない時は自重する。
誰かが傷ついていれば、そっとしておくべきか、励ますべきかを判断し、距離多くべき時は距離を置き、励ます時は励まし、そして立ち直らせるべき時は明るく振る舞う。
TPOを弁え、そして誰に対してでも平等に振る舞い、そしてこの絶望が包む『郡山』の雰囲気を正へと導いていく。かけるべき言葉を選ぶ誰にでも優しいギャル。

だがその裏では、自分はこのままで良いのかという不安と、それでも過去の恐ろしさから逃げ続けたいという恐怖の間で葛藤し震え続けている。
前述の誰にでも優しく、同時に明るく振る舞うという行動は、かつて心がズタズタに破壊された自分が「そう言う人がいてくれたらよかった」という幻想を体現したもの。
悲しんでいる人がいたら下手に声をかけるべきではない。その内側で感情の整理がついた時に初めて声をかけるべき、という経験則から、時と場合を弁える事の重要性を知っているだけだ。
本当の彼女は、かつて戦争で何もかも失った事の気持ちの整理が未だに出来ないままなのだ。だがその気持ちの整理を後回しにし続け、過去の「楽しかった自分」を演じ続けている。

その理由は何故かと問われればただ「怖い」からに他ならない。
怖かったから、彼女は逃げだした。逃げ出した結果、過去の楽しかった自分というペルソナを被り続けている。
親が、友達が、今まで過ごした人たちが、大勢いなくなったという現実を直視した時、果たして自分はどうなるのか?
耐えられるのか? 今の自分に、逃げ出した自分に、いなくなった両親という現実と対面するだけの意志の強さは存在するのか?
夜が来るたびに、ドローンの襲撃があるたびに彼女は戦争の日々を思い出し、自問自答し、そうしては目と耳を塞いで震え、また逃避する道を選ぶ。

その理由は、現在自分が演じ続ける「明るい自分」が、誰かの心の支えになっているという自覚があるからだ。
彼女がかつていてほしいと願った理想と、かつて最も楽しかった時の思い出を合わせて1つのペルソナとして被り続けている。
それがこの『郡山』という地において誰かを支える役割となったのは当然の帰結と言えるだろう。事実、彼女の明るさは『郡山』の住人の精神の市中になっている。
「万が一自分が過去と向き合って、そのペルソナに罅が入った時、明るく振る舞えなくなった時、その明るさに支えられていた人たちはどうなるのか」
そういった恐ろしさがあるために、彼女は過去と向き合う事に対する恐怖を抱え、そうしてまた逃避してはペルソナを被る道を選ぶ。
逃避して、明るく振る舞って、また恐怖する。何度繰り返したかも知れないループを繰り返す度に、彼女の内の「過去への恐怖」は膨れ上がる。
自分のペルソナの存在感が増す度に、彼女の過去への重圧は重くのしかかっていくのだ。

繰り返し十数年。もはや彼女1人では過去と向き合う事など出来ない程に、過去への恐怖は膨れ上がっている。
彼女が家族と友人を失った事実に目を向けることが出来る日は来るのか。その未来は誰にも分からない。

行動指針

自分に出来る事をする。ただそれだけ。
自分の持つ技術で『郡山』をより良いものにする。自分に出来る演技で『郡山』を明るいものにする。
だが、彼女が滅私奉公に努める人間か、と問われればその答えは"否"である。彼女は「自分がやりたいから」そうしているだけである。
過去に向き合うのが怖いから、楽しかった自分を演じて周囲を明るいものとする。作業中は過去への悩みを忘れられるから建築家をやっている。それだけなのだ。
事実、建築業に携わる中で「趣味じゃない」という理由で作業内容を変えたこともあり、基本的に仕事には頑固一徹なポリシーを持つタイプのようである。
即ち彼女を一言で表すなら『"やりたい事"を優先する』というただそれだけ。その"やりたい事"が現状の『郡山』のニーズに合致しているだけである。

役どころ

『郡山』編ヒロイン

因縁キャラ

斯波ナオヤ
美男ナイスガイ任侠オトコって感じするかなぁ。好きだよあーし、ああいう愚直まっすぐなの」
どこかシンパシーを感じる相手。彼も自分と同じように、逃避する人間なのかと何処か考えてしまう。

フラーン・アルフラーニ
「何あれ…鬼ヤバじゃね? 超絶怒涛装飾ファッション・モンスターじゃん……」
『朱雀』第二班長。その非常に卓越したハイセンスな仮面や服装を見て羨望の眼差しを向ける。

井沢ショータ
「ちょっと無垢まっすぐすぎるかなぁ? 郡山の住民ヒトには、ちょっと希少めずらしいかもね」
かつて慰めたことのある相手。それ以降親交が出来、ちょくちょく会っている。

破狸宇月
「うん。彼は……この郡山って場所の、犠牲者だと思う。私が追い目に感じる事じゃないとは思うけど。
 それでも……私がどれだけ明るくしても、人の暗い部分は消せないんだって、思った」
彼女がペルソナを忘れて思い出す人物。彼に対する悪評を止めることが出来なかったことに負い目を感じる。

徳永ヒジリ
「すっげぇー氷獄系クール美女ビューティー……。
 うっわ……指もほっそ…スタイルも抜群グンバツ……。お洒落させてぇー……」
あまり会う事はないが、その抜群のプロポーションや整った容姿に、ギャル心が疼く。

ちゃんどら様
「あんましおおきな声じゃ言えないけどー、あーしあの人ちょっと……合わないかなって」
以前に建築の仕事を受けたことがあったが、なかなか反りが合わないタイプだと悟った相手。

■台詞

「おっは〜! 初めましてぇ! あーし、藤崎ミーナ!
 気軽にみぃなちゃん、って呼んでくれても全然無問題おけまるだし!」

「良いねぇ〜、壮絶めっちゃ興奮バイブス急上昇アガってきたじゃん!!
 今ならあーし森羅万象どん難題いらいでも着工こなせる気がする!!」

「ん〜……、ソレあーし的には、少途ちょっとだけ悲厭ぴえんかなぁ?
 ここにはこうやって〜、うん! やっぱ青よりオレンジ置いた方が精神テンション急上昇アガるっしょ?」

「どーする? あーしの好みに合わせる、って言うんなら、割引やすくやってあげるけど?
 なんなら、あーし興奮バイブスったなら、無料おごってあげても良いけど?」

「ちょーっと? あーしはそういう依頼おしごと承諾うけないんですけどぉ?
 あーし誠意おかねじゃなくてやる気モチベ仕事うごくから。金なら出すとか言われても、急転直下マジでサガるだけなんだよね」

「……いやさ、大丈夫。ホント…大丈夫だから。
 な、泣いてる? な、なわけないっしょ。あ、あくびだから。これ。
 あーあ……メイク崩れちゃったから、ちょ、ちょっと部屋戻るわ」

「逃げ続けて何になる、って思うでしょ。うん、そうだよね。そうなんだけどさ……。
 ……今更、直面して何になるって話だよ……!! お父さんも…お母さんも…もういないって分かってる……!!
 でも受け入れたくないんだよ。現実だって認めたくないんだよ!! だから……だから私は……!!」

■コメント

環境とスタイルとキャラ的に売りやってそうですがしてません。



















「────言ったでしょ、私は本当にやりたい事だけやるって」