「ウチは小春、風祀小春や。はじめまして、よろしゅうな!」
「ふふん、これでもシノビやからな!この程度で遅れはとらへんで!」
「よっ、はっ、ほっと!ほーら、避けてみぃや!」
「…ぁ、今の喋っちゃあかんやつだったかも…。…ひ、秘密にしてーな?約束やからな?」
「任せや!友達の頼みやさかい、ウチが断るわけないやろ!」
「ウチ?…ウチの事はええねん、あんたはあんたの事だけ考えとき!」
「それに……なぁ。あんまり、女の子のコトを詮索するもんでもないで?」
『狂月咒・朧月』
ルナティック・ネーム。
小春のもう一つの顔…
ルナティクスが一体としての名、「朧月」。
抱えし狂気は『偏愛』。
あらゆるしがらみと倫理に縛られた愛を、尚も貫くための狂想。
ルナティクスへの参入はごく最近であるが、元々彼女自身に素質はあったと言える。その原因は──…。
混血・飯綱
狐の妖の遠戚。血は非常に薄いが、その影響は忍術…と呼称される大気中マナへの干渉能力に顕れている。
飯綱、管狐という妖の種類は多岐に渡るが、小春に流れるは「鎌鼬」に近い性質のもの。
時に四凶が一体、窮奇とも同一視されるその性は、幾度薄まれども悪性の心因として発露する。
来歴-2
人並みに恋をする、ちょっと特別な少女。
許される要素がどこにもなくても、諦められない健気な少女。
「…安心せぇや、咲那…。…あんたの敵は、一匹残らずウチが…」