機能集約・廃止が検討されている神奈川県立図書館・神奈川県立川崎図書館に関する情報をまとめます。

52番 雨笠裕治

次に、県立川崎図書館の移転問題について伺います。2月県議会で黒岩県知事は、県立川崎図書館の移転先として殿町KING SKYFRONTと明確に答弁されたと仄聞しております。本案件については本市に事前の相談があったのか、また、適地として想定されているのはどの地域なのか伺っておきます。

総合企画局長 瀧峠雅介

次に、県立川崎図書館の移転についてでございますが、本市はこの間、県に対して県立川崎図書館機能の市内存続を要望しているところでございます。県知事の平成25年第1回県議会定例会での答弁に当たりましては、質問をされました県議会議員からのお話はございましたけれども、今年度に入り、県から、殿町への産業に特化した機能の移転も含め、庁内で調整していく旨の説明を受けているところでございます。今後、県が具体的な計画内容を調整していくに当たり、本市にも相談しながら進めるとのことから、情報交換を密にしてまいりたいと存じます。以上でございます。

30番 佐野仁昭

それでは、次のテーマに移ります。県立川崎図書館について、これは総合企画局長に伺います。先般5月30日に県立川崎図書館で行われた県立の図書館についての意見交換会に私も参加いたしました。その中で県の担当者から、ロードマップの内容と現在の図書館の各種調査結果の報告、ことしの2月以降県議会で答弁した内容について説明を行った後に、川崎市の富士見周辺地区整備基本計画を持ち出して、敷地使用期限が平成29年度末なので、それまでに集約化しなければならないとの説明があって、川崎市がまるで追い出しにかかっているような印象を受けましたが、これまで整備基本計画の中での協議の内容と川崎市がこれまで県に対して求めてきた内容について明らかにしてください。

総合企画局長 瀧峠雅介

県立川崎図書館についての御質問でございますが、本市では、平成20年3月に策定した富士見周辺地区整備基本計画において、県立川崎図書館については科学・産業技術系、ビジネス支援等の蔵書が豊富であり、高い評価を受けているため、こうした機能を市内に残す方向で県に要望していくこととしておりまして、県の予算編成に対する要望書などで、産業情報機能など、県による本市内での機能存続を申し入れてきたところでございます。以上でございます。

30番 佐野仁昭

そういう追い出しを市から言った覚えはないという、言った言わないという話もあるわけですけれども、実際に事前の調査の中で、県との協議の中に富士見周辺地区整備基本計画に対して県が方針を示していないということで、だから計画に含まれていないということがあると説明を受けましたけれども、このまま県がどうなっていくか、殿町に移すとかなんとかといろんなことを言っていくうちにどんどん富士見周辺地区が進んでいくわけですから、結果としてもうどうにもならなくなって移転せざるを得ないということになりかねない。そうなると、結局川崎市が追い出してしまうというような構図になってしまうのではないかということを懸念しております。
川崎市の図書館行政を所管する教育委員会にもこの内容を事前に伺いましたけれども、川崎市として特段この県立図書館の位置づけがないと。存続されようがされまいが、川崎市の計画に影響がないような印象を受けたんですけれども、今回答弁の中で、産業情報機能など、県による本市内での機能存続を申し入れたということですけれども、県は、機能集約を前提に、企業の調査研究を支援する特性や地域性が重要な役割を果たしていることから、より企業支援につながる機能に高度化、特化して京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区における産業支援施策につなげるように検討するとなっているわけです。そもそもこの本当の価値について県の担当者も川崎市もよくわかっていないという節がありまして、ですから、殿町に産業支援に特化して移すということを簡単に言えるわけですけれども、本当にこれができるのかということが問題だと思います。蔵書についても、一部産業支援に特化して、残りは紅葉坂に集約ということを仮に考えたときに、書庫収容能力をはるかに超えて、現時点でも保管し切れずに学校や職訓の廃校の空き教室で保管されておりまして、水も電気も使えない状況で管理も行き届かずにまともに蔵書を保管できているのかが極めて問題だと。県民1人当たりの資料費が全国で47番目の低さなのに、市町村との相互貸借数は全国1位ということで、川崎市に採用された職員の教育についても県の役割となっておりまして、そういうことを支えているのが長年司書業務に携わってこられた県立図書館の職員によってであります。そこにどれだけの本が保管されているか、蔵書と同時に、それを支える職員の層の厚さ、この豊富な経験こそが大切な宝であり、公務員だからこそ可能になっています。一度失ってしまえば二度と取り戻すことはできません。きのうも知財管理の問題がこの議場で指摘されましたけれども、例えば殿町に図書館機能が本当に必要なのか、むしろ知財漏えいを嫌って利用を控える方向に働いて、移したけれども、かえって宝の持ち腐れになるのではないかという危険もあります。このままいけば、資料だけが残っても県立図書館の大切な命が失われることになりますので、県の方針が明らかになるのをただ見守るという姿勢を改めて、ぜひこの大切な図書館を維持存続できるように、川崎市として積極的に働きかけていただきたい。これは質問にしようと思いましたけれども、要望にとりあえずとどめて、改めて取り上げたいと思います。

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