機能集約・廃止が検討されている神奈川県立図書館・神奈川県立川崎図書館に関する情報をまとめます。

岸部都議員(民主党・かながわクラブ)の質疑

岸部委員

それでは、県立図書館について質問します。先の本会議でも、我が党のはかりや議員から質問したところでありますが、これに関して何点か伺います。教育長からも御答弁を頂きました。県立施設としての図書館の魅力についてどう考えるのか、改めてお伺いします。

生涯学習課長

県立施設としての図書館の魅力ということですが、3点考えております。一つ目が、利用者の高いニーズに対応できるように、市町村立図書館にはない専門的な図書が豊富にそろっているということ。二つ目ですが、司書が利用者の求めにかなった資料について、的確にアドバイスできるといったレファレンスの体制が整っているということ。三つ目として、利用者が落ち着いて調べものができる環境が整っていること。こうしたことを考えているところです。

岸部委員

では、そうした三つの魅力を伺ったのですが、その要素と照らし合わせると、今の県立図書館にはどのような課題があるという認識なのでしょうか。

生涯学習課長

県立図書館は、130万冊に上る専門的な図書を収集してきました。また、レファレンスも年間1万件という実績を数えております。一方で、開館から60年経過しており、例えば空調設備の不具合ですとか、内装、外装も劣化しておりまして、施設全体の老朽化が進んでいるという状況です。また、本館、新館の各フロアに渡って閲覧スペースが分散しておりますので、利用者の方からすれば、なかなか不便かなというところを感じているのではないかという点が課題と認識しております。

岸部委員

私も高校時代くらいから利用している県立図書館ですが、使ってみて、今おっしゃられているように長い歴史があって、この間に何度も手が加えられてきていると思うのですが、それでも利用者にとって使い勝手がもう一つだなと思ってしまうのです。その辺りについては、どのような原因があって、現在のような状況にあるとお考えなのでしょうか。

生涯学習課長

多分、利用者にとって使い勝手が余りよくないなと感じられている要因としては、レイアウトの変更をこれまで何度も繰り返してきたからということがあろうかと思います。例えば、今年度当初にかながわ県民センターにあった生涯学習情報センター、これが県立図書館に移ってきましたが、そのスペースを確保するために視聴覚資料室を縮小させていただきました。また今、かながわ女性センターの廃止に伴い、約8万5,000冊もの図書の受入れ作業を進めておりますが、限られたスペースでありますので、新館の1階と地下に分散した形で配架せざるを得ない状況になっています。また、新館の地下にありました自習室や利用者の飲食コーナーも、この影響でなくす方向にあります。県立図書館でも、利用者の利便性に向けて最大限工夫はしておりますが、こうした対応をこれまで繰り返したことにより、利用者の動線が複雑化したり、あるいは閲覧スペースが少なくなるといった影響が一つの原因かと存じます。

岸部委員

そうした図書館の中の運営上の問題もあろうかと思うのですが、今回大きく、県立図書館については、当初予算案で図書館新棟整備に係る予備調査という部分が予算をつけようとしているわけですが、どういう観点で調査を行っていくのか、今おっしゃられたようなことも全て含めてのところなのか、調査に向けてのお考えを伺いたいと思います。

生涯学習課長

県立図書館の新棟の整備に向けて、予備調査費を計上させていただいております。この予備調査の中では、例えば建ぺい率や容積率、日照の関係で言えば日影規制、そういった法的な様々な制約がありますので、そういったものを洗い出した上で、一定の制約の中で、魅力ある図書館を具体化するために、大まかな建築計画案の検討や、整備に当たっては県立体育センターと同様、民間資金を活用することなどの可能性といったものについても検討してまいりたいと考えております。

岸部委員

そうしますと、これからの整備に当たっての基本的な調査、基礎的な調査と考えてよろしいのでしょうか。

生涯学習課長

そのとおりです。

岸部委員

そうしますと、これまで県立図書館に関しては、二転三転と言ったら失礼ですが、存続の在り方、運用の在り方についても議論がされてきたところで、今回、再整備の方向で知事の方針も出されたということで、新たな方向性が定まったということであるならば、もう一度、関係者から広く意見を聞く必要があるのではないかと思うのですが、前は県立図書館については閲覧中止みたいなところで動いていた中で、今回の方針を出されたわけですから、今回新たに知の拠点として行っていくという方針が出されての再整備をするのであれば、その方針を基に、もう一度、広く意見を聞く必要というのを私はすごく感じるのですが、その辺りについてどうお考えなのでしょうか。

生涯学習課長

委員から御指摘がありましたとおり、図書館については様々な議論の中で、閲覧、貸出も継続するという形で方向性を出させていただきました。したがいまして、そういった方向に向けて図書館の再整備を進めていくには、まずは施設面、機能面で現場のことを一番よく知っている司書をはじめ、図書館の職員、この方々の意見を最大限に聞いていくということが必要と思います。また、御指摘のありました県民の意見を聞くということについては、来年度は予備調査ということですので、タイミングを見ながら、必要に応じて意見を聞く機会も考えてまいりたいと思います。

岸部委員

それでは、要望を申し上げます。県立図書館については、本当に様々議論がされてきました。今回、予算案で予備調査費という形で計上されたことは、再整備への第一歩であると評価するところであります。これから、ハード、ソフトの両面で検討が進められると思うのですが、知事も本会議で4年間の知事の姿勢は対話型で行ってきたとおっしゃっていました。今回、正しく知の拠点とするとおっしゃった時点で、新たな対話も必要ではないかと思いますので、是非4月以降の予定の中に、現場の声を聞くのはもちろんですが、やはり県立図書館として県下の皆様が利用する図書館ですので、是非広く対話の広場なり、図書館フォーラムなどを開いていただいて、県民の皆様の智恵や意見を聞いていただくことを要望します。

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