BBSPINKレズ・百合萌え板の【艦これ】艦隊これくしょんで百合スレのSSまとめサイトです

304:名無しさん@秘密の花園:2013/09/01(日) 16:12:42.43 ID:vJzDhRfX
短いですが、赤賀SS投下します。苦手な方はスルーお願いします。

「加賀さんの髪って綺麗ね」
指先を遊ばせるような動きで滑らせると、彼女の肩がぴくりと反応を示した。
もちろん、長年の付き合いからそれが拒絶ではないことを私は知っている。
彼女からの返答を待つ間も指先の動きはそのままに。
やがて口の端から溜息交じりの吐息が落ちたかと思えば、凛として、それでいてどこか艶っぽいと印象付ける瞳が私を射抜く。
「赤城さん、くすぐったいわ」
淡々とした物言いではあるものの、これだって単なる照れ隠しだということも私は知っている。
「あら、加賀さんは嫌だったかしら?」
なんて意地の悪い返しだろうと自分でも思う。
案の定、目の前の彼女は少し機嫌を損ねたようだった。
そんなこと分かりきっているくせに。そう言い出したくても言い出せないであろう彼女の心境を視線が強く訴えてきたのだから。
途端に喉の奥からせり上がってくる確かな熱。
からかうつもりだったのが返り討ちに合ったのは私のほうで、さらに追い打ちをかけるかのように彼女が言葉を紡ぐ。
「突然のことだったから少し戸惑っただけで、貴方に触れられるのは嫌じゃないもの……」
ああ、本当に彼女には敵わない。
せり上がる熱が一瞬にして体中を覆い、額にはうっすらと汗が滲む。

305:名無しさん@秘密の花園:2013/09/01(日) 16:14:12.86 ID:vJzDhRfX
何か喋らなくてはと頭では急かすものの、喉の奥がやけに渇いてしまい、それがまた私から思考を奪ってしまう。
抑えきれない気恥ずかしさから堪らず、私は自分の顔を隠すように彼女に抱き付いた。
肩と鎖骨の中間辺りに頭を預ければ、鼻孔に彼女の甘い香りが漂う。
その間も鼓動は早まるばかりで一向に静まる気配はなく、ただ甘い痺れが胸の中を突き抜けてゆく。
「……加賀さんったらずるいわ」
「そうかしら?それに最初にけしかけてきたのは赤城さんのほうよ」
意地の悪い返しをされたにも関わらず、不思議と癪だという気にはならなかった。
「赤城さん――」
私の名を呼ぶその声が心地良く、指先にまで伝わる温もりが溢れんばかりの愛おしさを抱かせる。
もう随分と前から二人の関係が特別なものであることに変わりないはずなのに、この空間を満たす空気にだって未だ慣れない。
私も、きっと彼女も。
そう考えると何だか私まで変にくすぐったい。
でも、もう少し時間が経ってしまえば、こんな気恥ずかしさだって懐かしいと思える日々が来るのかもしれないとも思う。
震える指先に込めたのは、貴方へのありったけの想いと願い。
そっと触れた肩。ほんの一瞬だけ重なり合った唇。
ただ、ずっと。この先もあなたと笑い合えるように。

以上です。ムッツリ加賀さんはともかく赤城さんまで何故かヘタレになってしまった…

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