最終更新:ID:ddv+N0LIEA 2014年07月07日(月) 09:20:26履歴
823 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2014/07/07(月) 07:39:09.72 ID:r2IxFGvs
空はあんなに青いのに、どうして私の目はこんなにも赤いのかしら?って言いながら書いたんだ
砲焔の灯、爆発する弾頭の灯、鉄の燃える灯…闇の一点だけを照らしては消えていく。
なにかを目指して必死に前に進んでいたのに、ついにその中の一つに混ざって、重い圧力に呑まれる。
あぁ、ただ一度の栄光も立てずに超弩級戦艦の誉れが沈んでいく。その身に持った力を発揮することもなく。
悲しみも痛みもなく、ただ寂しさだけが感じられた。
深く沈み、やっともがくことを思い出すと、水面からとっくに離れた指先の代わりに意識が浮上した。
…眠りから覚めると、窓から赤みのかかった陽が射していた。
寝ぼけていると、この赤も夕日なのか、朝日なのか分からなくなってしまう。
「おはよう、扶桑。大丈夫かい?また悪い夢でも見たね」
行儀良く布団の端っこに正座した少女が言う。
「時雨、ちょっと起こしてくれるかしら」
少女の横に並んで窓から外を見ると、夕日がまさに沈んでいく。
まるで私の瞳のように赤く。
「綺麗な夕日ね」
私の名は、古い日本の呼び名であったという。
また、それは東の海に聳え立つ十の太陽を支える木の名であったという。
海を煮えたぎらせ、風を焼き、地を乾かし、人々を苦しめたのだと伝説は言う。
結局、そんな名前は大袈裟だったかもしれない。
最期の最期まで、前はなにも出来なかった。
比類なき力の象徴でありながら、沈むその時まで力を振るえなかった。
最期の時もその後も、ずっと悔やんでいる。
伝説では、その木が支えていた十の太陽は弓で射落とされ、一つだけが残ったという。
生まれ変わる時、私は一つだけを残して太陽を全て瞳に閉じ込めてしまった。
そして、しかしそのおかげで、私は一つだけ昇る太陽のように、大きくて暖かくあることができた。
彼女達とまた会って、色んなものを見ることが出来た。
824 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2014/07/07(月) 07:40:20.05 ID:r2IxFGvs
「ねぇ、時雨…顔を見せてくれないかしら」
少しだけ近づいて座り直して、彼女の手が私の腰を抱く。
そして私は彼女の頬を撫でて、その瞳を覗き込む。
私は彼女の瞳が好きだ。
彼女の瞳は青く、空のようで、その空を覗き込む時にだけ、私の九つの太陽はまたそこに昇る。
もっと近くに見たくて、彼女の肩を抱き寄せ、額と額をくっつけて瞳を見つめる。
「時雨は私の瞳をどう思う……」
「きみの瞳はとても綺麗だよ。暖かくて、僕達を優しく見ていてくれる」
「でも、こんなに赤かったら熱くて焼き尽くしてしまうかもしれないわ」
「それは結構悪くないかもしれないね」
そう言って少し笑う彼女につられて私も笑う。
時たま最期を思い出して、悲しむでもなく、苦しむでもなく、ただ感じる寂しさがある。
伝説の木の支える十の太陽のように、全てを焼き尽くす力でありたかったと願っていた事。
そんな時には私はその熱に自分を見失なって全てを壊してしまいそうになる。
「私も時雨の瞳が大好きよ。でも、あなたの瞳を見ていると昔の私を思い出すわ。」
「あなたすらも焼き尽くしてしまうような、全てを壊してしまうような」
「きみが僕を壊してしまうんなら、それでいいさ。僕はきみの瞳の中の気持ちだって、全部見ていてあげたいんだ」
そしてその度に、彼女は私の太陽の焼き尽くすような熱を、
空の広さのように受け入れて、私の寂しさを埋めてくれる
私の最期を看取ってくれた彼女に、また私の面倒を見させているようで申し訳なくも思う。
でも、彼女の優しさを受け取っていたいし、これからも彼女の瞳を好きでいたい。
「扶桑、きみの瞳の中を見せて。きっと、僕は焼かれないよ」
そう言って彼女は私の髪を梳く。ゆっくりと、私を宥めるように。
「ねぇ、時雨。ありがとう。」
静かに唇を重ねて、折角起き上がった布団に二人で倒れ込んで、ぎゅっと彼女を抱きしめた
そうして丁度太陽が沈み切って、夜の帳が天頂を過ぎ去って行った。
っていう後悔と破壊衝動と扶桑みたいな妄想をwikipedia読みながらしてたら朝になってた
空はあんなに青いのに、どうして私の目はこんなにも赤いのかしら?って言いながら書いたんだ
砲焔の灯、爆発する弾頭の灯、鉄の燃える灯…闇の一点だけを照らしては消えていく。
なにかを目指して必死に前に進んでいたのに、ついにその中の一つに混ざって、重い圧力に呑まれる。
あぁ、ただ一度の栄光も立てずに超弩級戦艦の誉れが沈んでいく。その身に持った力を発揮することもなく。
悲しみも痛みもなく、ただ寂しさだけが感じられた。
深く沈み、やっともがくことを思い出すと、水面からとっくに離れた指先の代わりに意識が浮上した。
…眠りから覚めると、窓から赤みのかかった陽が射していた。
寝ぼけていると、この赤も夕日なのか、朝日なのか分からなくなってしまう。
「おはよう、扶桑。大丈夫かい?また悪い夢でも見たね」
行儀良く布団の端っこに正座した少女が言う。
「時雨、ちょっと起こしてくれるかしら」
少女の横に並んで窓から外を見ると、夕日がまさに沈んでいく。
まるで私の瞳のように赤く。
「綺麗な夕日ね」
私の名は、古い日本の呼び名であったという。
また、それは東の海に聳え立つ十の太陽を支える木の名であったという。
海を煮えたぎらせ、風を焼き、地を乾かし、人々を苦しめたのだと伝説は言う。
結局、そんな名前は大袈裟だったかもしれない。
最期の最期まで、前はなにも出来なかった。
比類なき力の象徴でありながら、沈むその時まで力を振るえなかった。
最期の時もその後も、ずっと悔やんでいる。
伝説では、その木が支えていた十の太陽は弓で射落とされ、一つだけが残ったという。
生まれ変わる時、私は一つだけを残して太陽を全て瞳に閉じ込めてしまった。
そして、しかしそのおかげで、私は一つだけ昇る太陽のように、大きくて暖かくあることができた。
彼女達とまた会って、色んなものを見ることが出来た。
824 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2014/07/07(月) 07:40:20.05 ID:r2IxFGvs
「ねぇ、時雨…顔を見せてくれないかしら」
少しだけ近づいて座り直して、彼女の手が私の腰を抱く。
そして私は彼女の頬を撫でて、その瞳を覗き込む。
私は彼女の瞳が好きだ。
彼女の瞳は青く、空のようで、その空を覗き込む時にだけ、私の九つの太陽はまたそこに昇る。
もっと近くに見たくて、彼女の肩を抱き寄せ、額と額をくっつけて瞳を見つめる。
「時雨は私の瞳をどう思う……」
「きみの瞳はとても綺麗だよ。暖かくて、僕達を優しく見ていてくれる」
「でも、こんなに赤かったら熱くて焼き尽くしてしまうかもしれないわ」
「それは結構悪くないかもしれないね」
そう言って少し笑う彼女につられて私も笑う。
時たま最期を思い出して、悲しむでもなく、苦しむでもなく、ただ感じる寂しさがある。
伝説の木の支える十の太陽のように、全てを焼き尽くす力でありたかったと願っていた事。
そんな時には私はその熱に自分を見失なって全てを壊してしまいそうになる。
「私も時雨の瞳が大好きよ。でも、あなたの瞳を見ていると昔の私を思い出すわ。」
「あなたすらも焼き尽くしてしまうような、全てを壊してしまうような」
「きみが僕を壊してしまうんなら、それでいいさ。僕はきみの瞳の中の気持ちだって、全部見ていてあげたいんだ」
そしてその度に、彼女は私の太陽の焼き尽くすような熱を、
空の広さのように受け入れて、私の寂しさを埋めてくれる
私の最期を看取ってくれた彼女に、また私の面倒を見させているようで申し訳なくも思う。
でも、彼女の優しさを受け取っていたいし、これからも彼女の瞳を好きでいたい。
「扶桑、きみの瞳の中を見せて。きっと、僕は焼かれないよ」
そう言って彼女は私の髪を梳く。ゆっくりと、私を宥めるように。
「ねぇ、時雨。ありがとう。」
静かに唇を重ねて、折角起き上がった布団に二人で倒れ込んで、ぎゅっと彼女を抱きしめた
そうして丁度太陽が沈み切って、夜の帳が天頂を過ぎ去って行った。
っていう後悔と破壊衝動と扶桑みたいな妄想をwikipedia読みながらしてたら朝になってた
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