BBSPINKレズ・百合萌え板の【艦これ】艦隊これくしょんで百合スレのSSまとめサイトです

226 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2013/12/24(火) 23:42:43.84 ID:reEqDiOA
羽黒「だ、誰っ……!?」
??「キミが羽黒か。 私は那智」
羽黒「ね、姉さん!? カツラとヒゲでわかんなかったけど…… ど、どうしたのそれ、今日は用事でお出かけじゃなかったの?」
??「いや、違う。 間違えた。 私は三田(さんた)。 キミの望みを叶えるためにやってきた……さあ、望みを言え」
羽黒「ええっ……? 急にそんなこと言われても、姉さ……」
??「姉ではない!」
羽黒「ご、ごめんなさい!」
??「あっ、違う……すまない、怒鳴って悪かった。 な、ほら」(なでなで)
羽黒「ひ、ひっ」
??「あ、いや……(なでなで嫌がられた……)」
羽黒「す、すみません…… それで何でしたっけ、さんた、さん?」
??「そう、私は三田。 さあ、願いを言うのだ。 どんなことでもかなえてやろう」
羽黒「ど、どんなことでもって、急に言われても…… あっ、私気づかなくって…… 今、お茶をお出ししますね」
??「いや、そんな構ってくれる必要はない。 えっと、あの、けっこうほら、あれだ。 今押してるから」
羽黒「そ、そうなんですか? お忙しい中わざわざ…… でも、どうして?」
??「えっ」
羽黒「どうして私のお願いをかなえてくれるんですか」
??「え……ほら、あれだよあれ…… 繰主増(くりすます)」

繰主増(くりすます)
古代中国では年に一度、山濯楼(さんたくろう)と呼ばれる塔の上から領主が金子や物品を投げ落とし、民に与える祭りが
あったと言われる。 祭りの参加者は領主に礼として鹿を献上するのが慣わしだった。 これが現在に伝わる
クリスマスの原型であることは言うまでも無い。 (民明書房刊『ぼくのわたしのたのしいほうらいげきせん』より)

羽黒「く、クリスマスって、海外のええと、どなたかの誕生日だったはずでは」
??「そう、ジーザス・クライストの誕生日だ。 羽黒は頭がいいな」
羽黒「ええと、その人の誕生日なのになんで私が……?」
??「いや、ほら…… だから、あの何だ…… 評判だから」
羽黒「な、何がですか」
??「あの、羽黒が、いい子だって評判だから」
羽黒「鎮守府でですか? でも私そんな特別……」
??「ち、鎮守府じゃないけど、まあ、あれで……その、周りみんな言ってるから。 だから来た」
羽黒「ど、どちらからいらしたんですか」
??「え、ええと……海の底」
羽黒「海の底!?」
??「あっ、海の底って言っても、深海棲艦とかと違って、竜宮的なあれで…… みんなほら、タイやヒラメやいい魚たちで」
羽黒「魚の間で私の評判が!?」
??「も、もうそのへんはいいだろう! とにかくいい子の願いを叶えるのが私の生きがいなんだ! さあ早く願いを言うんだ!」

??「待ちなさい!」

227 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2013/12/24(火) 23:47:50.84 ID:reEqDiOA
??「羽黒に近づく不審船舶め! この私が許さないわ!」
羽黒「えっ」
??「えっ」
??「私はクリスマスの天使、サンタクローズ! さあ、20.3サンチ砲の露になりたくなければその子から……」
羽黒「あ、あの、足柄お姉ちゃん」
??「お姉ちゃんじゃないわ! 私はクリスマスの天使、サンタクローズ! 羽黒、ちゃん……だっけ? 私が来たからにはもう大丈夫!」
??「いや、待て、足柄」
??「足柄じゃないわ! 私はクリスマスの」
??「いや、お前その仮面、目元しか隠れてないじゃないか」
??「しょうがないでしょ! 他のは、ズラとかヒゲとか美しくなかったんだもの!」
羽黒「そんなミニでへそ出しで……寒くないの?」
??「寒くないわ! だって私は冬の妖精……くしゅん」
??「ああ、ほら、もう……」
羽黒「今、お茶淹れるね」
??「いいえ、その必要はないわ! は、ぐろ? ちゃん、私のことはお気遣いなく!」
羽黒「な、なんでそんなに私の名前を知らないふりするの……? っていうか足柄お姉ちゃん、今日はパーティだったんじゃ……」
??「だから、足柄じゃないわ! 私はクリスマスの天使! ホワイト……じゃなくて」
??「サンタクローズ」
??「それよ! はぐ、ろ……? ちゃんの願いを叶えるためにお花畑からやってきたわ!」
羽黒「お、お花畑!?」
??「そう、遠く遠く、彼岸の国の遥か向こうにあるお花畑…… 私はそこからいつもずっと貴女のことを見ていたの」
羽黒「なんでみんないちいち設定怖いの!?」
??「とにかくお願いごとを言うのよ。 私が何でもかなえてあげる! そんなに高くなければだけど」
??「いや、待て、この子の願いを叶えるのは私が先だ!」
??「何よ、不審船みたいな格好してるくせに! は、ぐ……その子だって怖がってたじゃない!」
??「怖がられてなどいない! ちょっとほら、あれだっただけで…… お前こそ何だ、冷え性のくせにその格好は!」
羽黒「お、お二人ともやめてください! お願い事、言いますから……」
??「おおっ」
??「なあに!?」
羽黒「私のお願いは、その……」

妙高「あらあら、みんなどうしたの、その格好」

羽黒「姉さま!」
??「えっ、姉上、今日は出撃だったのでは……」
妙高「本当はみんなにないしょでパーティの用意してたの。 那智、それもう脱いだら? 足柄は寒くないの?」
??「ちょ、ちょっと寒い……」
羽黒「ほら、やっぱり、そんな格好で無理するから……」(ぎゅっ)
??「!! あー、なんか急に私も寒くなってきた! 寒いなー!」
羽黒「那智姉さんも、ほら」(ぎゅっ)
??「お、おう……」
妙高「さあ、向こうの部屋にいらっしゃい。 ちょっとしたものだけど、プレゼントもあるからね……羽黒?」
羽黒「妙高姉さま……」(ぎゅぎゅっ)
足柄「は、羽黒、嬉しいけど三人はさすがに狭いわ……那智姉、のいて!」
那智「何を! 足柄がのけ!」
妙高「ふふ、だめよ、二人とも喧嘩しないの」

妙高姉さま、那智姉さん、足柄お姉ちゃん、ありがとう。 本当はね、私のお願い、とっくの前にもうかなっちゃってるんだよ。
――これからもずっと、よろしくね。
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