BBSPINKレズ・百合萌え板の【艦これ】艦隊これくしょんで百合スレのSSまとめサイトです

38 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2014/01/17(金) 22:46:30.69 ID:G9P84HZR
五十鈴由良で一つ投下

青い海の上で私たちは、水平線を見つめていた。
今日は深海棲艦の中でも驚異の一つ、潜水艦型の深海棲艦が発見された。という報告があった。
報告された数は少数なので、対潜が高い私、長良型2番艦である五十鈴と同じく長良型4番艦であり、私の妹の由良と二人のみで出撃した。

五十鈴「五十鈴、出撃します!由良、行くわよ!」

由良「そうね、由良のいいとこ、見せちゃおうかな?」

由良は私と出撃するとき、いつもこんな言葉を言って出撃する。
いつもだったら他の艦娘もいるから言えなかったけど、今日は二人きりなので聞いてみた。

39 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2014/01/17(金) 22:49:37.03 ID:G9P84HZR
五十鈴「その…さ、由良のいいとこを見せるって誰に見せるの?提督に?」

由良「違うわよ」

五十鈴「じゃあ誰なのよ」

由良「それは…今じゃないとダメ?」

五十鈴「そうね、今聞きたいわ」

由良「鎮守府に戻ってから…とかは?」

五十鈴「却下ね」

鎮守府は私達の他にも多人数の艦娘がいて、常に賑やかだ。そんな状況下で二人きりになって話すなんて無理に近い。

40 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2014/01/17(金) 22:53:09.01 ID:G9P84HZR
五十鈴「今にして。どうしても気になるの」

由良「分かったわ…じゃあ言うけど、軽蔑とかしないでね?」

五十鈴「軽蔑なんてするわけないじゃない!あなたは私の大切な妹なんだから!」

由良「ありがとう…姉さん。じゃあ、話すわね」

五十鈴「うん」

由良「私がいつも言ってる、いいところを見せる相手っていうのは………姉さんのことなの」

41 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2014/01/17(金) 22:55:15.47 ID:G9P84HZR
五十鈴「え?わ、私?」

由良「…そう」

五十鈴「ちょ…なんでそこで私の名前が出てくるの?!」

由良「だって、私はあの時に姉さんよりも早く沈んでしまったもの」

五十鈴「あ…」

42 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2014/01/17(金) 22:56:47.43 ID:G9P84HZR
そのとき、私は察した



そうだ、確かに私と由良は、由良の方が先に沈んでしまっている。いくらこの現世でまた巡り会えたとはいえ、この記憶は払拭されるものではない。
そして、いつか、過去のように自分が先に沈んでしまうかもしれない。という想いがあるのだろう。

由良は、そんな私の想いを読んだかのように、言葉を続けた。

由良「だから、今、こうして会える姉さんに、私の頑張ってるところを見ていてほしいの」

五十鈴「由良………」

43 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2014/01/17(金) 22:58:02.18 ID:G9P84HZR
そのとき私は、感極まって、小さく涙を流してしまった。
いつもは大人しい由良がそんな風に思ってるなんて知らなかった。

私は、

五十鈴「ば……馬鹿ね、あなたは大切な妹なのよ?あなたを先に沈ませるなんてことさせるわけないじゃない!」

由良「姉…さん?」

五十鈴「………っ!」

私は思わず目の前にいる由良を思いっきり抱きしめていた。

44 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2014/01/17(金) 22:58:55.10 ID:G9P84HZR
由良「ちょ…ちょっと姉さん!?」

由良はとても驚いた様子だったけど、私は構わず強く抱きしめた。

五十鈴「…馬鹿」

由良「…え?」

五十鈴「馬鹿って言ったのよ、この馬鹿!あなたは大切な妹なのよ?あなたを先に沈ませるなんてことさせるわけないじゃない!」

由良「姉さん…」

五十鈴「あなたは私が守るわ。何があっても…よ」

由良「うん…姉さん……ありがとう」

そう言うと、由良の方からも両手を背中にまわしてくれた。

45 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2014/01/17(金) 23:00:34.04 ID:G9P84HZR
由良「ごめんなさい、姉さん」

五十鈴「分かってるなら……いいわ」





それからしばらくの間、私たちは抱きしめあった。
















???「あー、あー、マイクチェック入りまーす」

47 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2014/01/17(金) 23:36:59.85 ID:uXIrzcD8
五十鈴「うわっ、霧島さん?!」

いきなり無線から声が聞こえたため、驚いて私は由良から離れた。


由良「そっ…そうみたいね……」

???「ちょっとあなたたち、任務はもう終わったのかしら?」

五十鈴「そ、そうだったわね!」

由良「姉さんがあんな話するから、すっかり忘れていたわ」

48 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2014/01/17(金) 23:37:49.26 ID:v0nEGN4A
私は無線を手に取ると、霧島さんに対して謝罪した。

五十鈴「すみません、今から任務開始します!」

霧島「ならいいわ。それよりも五十鈴さん?」

五十鈴「はい?なんでしょうか?」

霧島「姉妹で仲がいいのはいいことよ、これからもしっかり守ってあげなさいね?」

五十鈴「は…はい、わかりました」


霧島「それじゃ、任務頑張ってね!」

霧島さんはそれだけ言うと、無線を切った。

49 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2014/01/17(金) 23:40:37.18 ID:v0nEGN4A
五十鈴「もしかして…」

由良「多分無線のスイッチ入りっぱなしだったってこと…かな?」

五十鈴「…ってことは、さっきまでの会話は聞かれてたってこと?」

由良「…そう…みたいね」

…恥ずかしい。死ぬほど恥ずかしい。
二人きりだと思っていたのに、無線越しに他人に聞かれたのが恥ずかしかった。


いっそこのまま海に飛び込みたくなるくらい顔が熱くなるのを感じた。

由良はというと、普段はかなり色白なのに、今では耳まで真っ赤になって、下を向いて黙り込んでしまった。

50 名前:名無しさん@秘密の花園[sage] 投稿日:2014/01/17(金) 23:41:45.69 ID:v0nEGN4A
私は顔を左右に振って、少しでも落ち着こうとした。そして、由良に向きなおった。

五十鈴「それじゃ、今日も行くわよ!由良!」

由良「ええ!」




おしまい




初めての投稿で至らない点があると思いますが、どうかお許しを

自分の中では由良が1番可愛いと思うんだ。
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