本ページはネタバレの嵐です。まあ本編を読み終わった後にまた読むとよかろう。色々と後書き要素もあるぞ。

本編の時系列


以下に記載している日時は、チョコ戦争の「王都決戦日」を基準に表示している。

【時系列】
指定時間 出来事 備考
35年前集計班が無口に師事する
20年前¢と参謀が【会議所】設立計画に賛同し参加
20年前【会議所】発足
18年前諸々の功績により集計班が“魔術師”となる
17年前無口が意見の違いから【会議所】を去る
15年前抹茶、加入
15年前無口が誤ってTejasに儀術をかける
15年前無口が失意の中で公国に帰国
15年前791、無口に師事する
14年前無口、死去
14年前加古川、【会議所】加入
14年前791、魔法学校設立
14年前someone、魔法学校に入学
7年前斑虎、椿加入
6年前791が【会議所】加入、公国で初の“宮廷魔術師”になる
5年前集計班死去、滝本が二代目議長に就任 【国家推進計画】が始まる
5年前新興宗教団体ケーキ教団の設立、本部地下にメイジ武器庫を整備、陸戦兵器<サッカロイド>の研究開始
4年前¢、武器商人として公国と密会
4年前someone、魔法学校卒業
3年前someone、【会議所】加入
1年前Tejas、【会議所】加入
5〜6ヶ月前加古川、チョ湖支店に移動
3ヶ月前加古川、凶弾に倒れる 瀕死の間際に第二の告発文書を市街へ向けて流し、someoneが拾う
2ヶ月前someone、滝本たちへ協力を願い出る
2ヶ月前【会議所】が内々に公国へ武器供与を打ち切る戦争の準備を始める
1ヶ月前someone、霊歌の召喚に成功追加の契約も交わす
1ヶ月前オレオ王国から【会議所】へ書簡が届く、斑虎とsomeoneが使者に決まる
1ヶ月前someoneが791に協力を拒否、公国内に幽閉される。霊歌は予定通りオレオ王国へ赴く
2週間前【会議所】にて王国、公国にて協議を実施し実質決裂する
1週間前カキシード公国、オレオ王国のカカオ産地へ侵攻
1週間前食い逃げで捕まっていた霊歌をTejasが保護、メイジ武器庫へ侵入
1週間前公国内でクーデターが発生 特権貴族が全て追放され、791が実権を握る。大幅な魔法力行使により791は眠りに就いたため、暫くは秘匿にされる
0日オレオ王国の王都へ公国軍が侵攻
0日陸戦兵器<サッカロイド>の乱入により戦いが中断、首謀者の滝本が捕縛、カメ=ライス公国が斃れたため戦争終結

世界設定




大陸は地続きとなっている。細かな島国もあるが、あわせて9つの国と1つの自治区域で構成されている。
かつては数百もの国に分かれていたが大戦乱により国力のある国家しか生き残ることができず、中規模以下の国家は吸収統合され消滅していった。
経済力規模の順では『オレオ王国』、『トッポ連邦』、『カキシード公国』の三国が抜きん出ておりこれらを世界三大国家や三大国と呼ぶ。
ただし、オレオ王国はチョコ戦争までは武力を放棄していたため、軍事力も加味すれば1位の座はカキシード公国かトッポ連邦に絞られる。

会議所自治区域


オレオ王国とカキシード公国の間に位置する独立自治区域。世界的に国家承認を得てないが、【きのこたけのこ大戦】の成功により特需を迎え、中規模国家以上の経済力を誇る。自治区域内の中心にある【会議所】本部が実質の首都機能と行政府機能を有している。元首たる議長は、チョコ戦争前では滝本スヅンショタン。終戦後は抹茶が務める。

この区域では、おかしなことに“きのこ軍”、“たけのこ軍”という架空の軍への所属を予め決めて宣言して置かなければ移住を許されないという鉄の掟が存在する。どちらの軍も特に実態はなく名ばかりのものではあるが、【大戦】時の所属分けに必須であったり、各種正式書類にも軍属が記載されたりと厳格な管理と効力を発している。現在は若者からは特に“たけのこ軍”が人気で、“きのこ軍”兵士は新規加入者の取り込みのために頭を悩ませている。

元々は20年前に初代議長・集計班によって【会議所】を興したのが始まり。大戦乱も終わり数年が経過していた中で、大陸南西部にどの国も支配していない“空白地帯”が残っていることに気づき集計班を始め数人の有志が【会議所】設立を宣言した。当初から国家ではなく自治区域だと主張していたのは、当時戦乱が終わったばかりで過敏になっている他国家を刺激しない意図があった。ただ、自治区域を宣言するだけではなく当初から住民の増加、軍備の増強を図るために、架空の二軍を対立させ戦わせるという【大戦】システムを世界に発表して瞬く間に人気スポーツとなり多くの移民が区域内に住み着くこととなった。ものの数年で急成長を遂げた自治区域は、世界からその存続を許された。

但し、国家ではなく自治区域という曖昧な表現にしていることが災いし、他国家との交易交渉では主導権を奪われ一方的な不平等合意を結ばされてきた。区域内の土地は、大戦乱を経て凡そ動植物が再び芽吹くにはかなりの時間を要することがわかり、【会議所】は当初から物資を他国家からの輸入で頼らざるをえなかったのである。
自治区域への侵攻を防ぐという平和を担保する代わりに、関税の自主権の放棄や治外法権を認めさせられるなど、不平等合意がある限りはいずれ国家になっても大きな足かせとなるため、集計班、参謀、¢の三人は辛抱強く合意の改正を訴えてきた。彼ら首脳陣は他国籍で構成されたよろず地域を何としても国家に昇格させ、居着いている住民への愛国心と安堵感を与えると同時に、上記の不平等合意を是正するために尽力してきた。だが、中規模国家の執拗な反対にあい世界会議でも正式に国家昇格を否決され容易に国家樹立宣言をできなくなってしまった。
辛抱強く交渉を重ねてきた彼らも遂に正規での手段での国家昇格を断念し、一部メンバーのみで【国家推進計画】で非正規の手段を取るようになった。

縦長に伸びた領土内で、中心部に【会議所】本部が、北部にオレオ王国との国境代わりにもなっているチョ湖一帯、南部には大戦場が広がっている。領民は数百万にも及び、チョコ戦争前はケーキ教団の台頭によりチョ湖一帯の人口増加が著しかった。

【大戦】

正式名称はきのこたけのこ大戦。きのこ軍、たけのこ軍という仮想軍に分かれて指定された戦場内で模擬戦を行い勝敗をつけるという世界を代表する本格スポーツである。毎月1回開催されており、開催日が近づくと自治区域だけではなく世界中から参加者が駆けつけその規模は数百万人単位に及ぶ。大戦場までは陸路、海路どちらも整備されており、開催日前後1週間は戦場周辺では大変な賑わいを見せる。自治区域の経済は【大戦】開催による区域外からの観光収入、【大戦】用武器の軍需で持っているようなものである。

戦闘の際は指定ルールに則る必要があり、そのルールのどれもが陣取り戦(殲滅戦はほとんどない)となっている。一番の人気は兵士が開始時にランダムに決められた階級で敵兵を撃破し敵陣を占領する“階級制”というルール。これまでのルールは、ほぼ¢が一人で考案していたが、3年前にsomeoneが初めて“制圧制”というルールを考案し多様なルールが生み出されている。

戦いには指定された武器内であれば特に制限なく使用することができ、魔法の使用も許可されているため参加者を選ばず老若男女幅広く受け入れる間口がある。最近では若者の間にオーダーでペインティングした“マイ武器”を持参する参加者が増えており関連産業が盛り上がりを見せている。鎖国体制のカキシード公国以外も【大戦】参加を容認しており、公にこそしていないが戦いを経て自国民の戦闘練度を高められるという隠れた思惑もあり専用の休暇制度を設けたりと奨励している国も存在する。

大戦場エリアは非常に広大で、現在は数十の戦場が並んでおり【大戦】になると一つの戦場に両軍あわせて十万単位での人数が集まる。大戦乱で一帯が焼け野原になり元々の住民はいなかったため、まだ戦場の拡大整備は可能な程に土地が余っている。参加者は当日にランダムに戦場を分けられ、そこで一期一会の同軍兵士と敵を撃破していくことになる。
大戦場一帯はとても広大な魔法で制御されており、参加者が致命傷を受けると自動的に本人に治癒魔法を施した上で特定の待機所(シベリア墓地)に転送させるという、自動発動式の魔法を展開させ安全を担保している。
この魔法は“メルティカース”という儀術で未だに発動し続けており、元々は集計班と無口の合作となっている。だが、後年ではほとんど集計班のみの功績と誤った伝え方をされており、彼が魔術師へ昇格した切欠も前述による世間の勘違いからである。

勝敗発表や各戦場での集計などの当日運営は【会議所】の大戦集計課が一手に担っており、特に激務と言われている。各戦場に配置されている集計担当者、集計担当者が魔法等で叩き出した両軍結果を伝書鳩のように運ぶ集計係、その集計係の報告をもとにシベリア墓地内の集計本部で全ての戦況を把握する本部スタッフというように大きく三種類の役割に分けられる。どれもきついものの、一番過酷な仕事が集計係と言われ、ひたすら戦場と本部を往復しなければいけない。集計本部の総責任者は滝本が務めている。一度、集計支援業務に入ると確実にその【大戦】は参戦できなくなるため、課員は【大戦】の度にローテーションにより交代で業務をこなしている。

一回の戦いの中で最も多くの敵兵を撃破した者を【撃破王】と呼び、大変な栄誉を誇る。これまでに撃破王を最多獲得している現役兵士はきのこ軍 ¢。

【会議所】

自治区域の中央部に位置する一帯を指し、実質的な首都機能を備える大都市。自治区域名と首都名が同じになっているのは、集計班のミスであまり深く考えずに付けてしまった名残がそのまま残っている。

【会議所】本部内には繁華街や娯楽施設、多数のショッピングエリアも存在し多くの住民が暮らしている。様々な省庁に分かれ自治区域を支えているが、その多くが【大戦】関連の部署であり(大戦業務課や大戦集計課など)、【大戦】業務に従事することが花形であると見られている。加古川は市民課の課長であり自治区域の行政業務を行う部署である。自治区域内には【会議所】の各支部が点在しており、多くの地方住民はその支部で働いている。

本部では定期的に会議を開き、挙げられた議題に対し一部の兵士間で協議している。会議自体は誰でも参加でき、途中参加や抜け出しは自由。現議長の滝本があまりにも会議好きで、当初よりも開催回数が三倍以上に増えたため、最近では特に大したことのない内容でも議題に上がる程に議題が枯渇してきている(議題例:うどんに薬味のネギが必要かどうか、など)。議会制のような形式は取られておらず厳密な三権分立も分けられていないため、あくまで自治区域民の善意に基づいて【会議所】が行政計画を策定している。

本部内の一角にはwiki図書館という公立施設もあるが、利用者はあまり多くない。館長は副議長の参謀B'Zが兼務している。これは、区域民があまりにも【大戦】に目を向けているため他の趣味に目を向けなくなっているからではないかと憂慮している。

ケーキ教団

5年前より設立された新興宗教団体。“ケーキは食と世界を救う”を教理としており厳しい戒律や決まりがなくひたすらケーキを食べることが正とされるため、特に若者を中心に支持が広がっている。また、各地に教団支部を造るだけでなく、ポイフルケーキやミルキーウェイブクッキーなどの人気菓子をプロデュースし世間との距離感を近づける活動を行っている。
教祖は公にはいないことになっており、全ての団員がケーキの下に平等であると説かれている。
教団本部はチョ湖近くにある古い廃城を改装してのものであり、教団員はそこでひたすらケーキを食べまくっている。横にはスイーツ工場を併設しており昼夜問わず稼働しているが、誰もその工場の実態を把握していない。

実は、【国家推進計画】による一環で陸戦兵器<サッカロイド>を準備配置する上で用意された仮初の宗教団体で、発起人及び最高幹部(教祖)は¢。そのため、完全に【会議所】上層部と繋がっており、教団関係での議題が上がっても滝本は意図的に反対意見を黙殺している。
教団本部にチョ湖近くの廃城を選んだのも地下に【メイジ武器庫】を製造する上で都合が良いからであり、教団はあくまでそのための用意に過ぎない。教団横にあるスイーツ工場内のほとんどはカキシード公国向けの密造武器及び陸戦兵器<サッカロイド>向けの専用武器の製造に当てられており、スイーツ製造自体は少々しかされていない。各支部内には公国から回収した角砂糖を溶かすための錬成炉が備えられており、若い労働力を集め夜な夜な“儀式”という名目で角砂糖から飴を錬成し本部に送らせている。その飴をかき集め、短時間で12体の陸戦兵器<サッカロイド>を造りあげた。

クルトンや鉛の新兵など、¢と直に通じている幹部も数名おり【大戦】にあわせて密貿易の取り仕切りを行っている。教団地下には陸戦兵器<サッカロイド>や密造武器を貯蔵しておくための【メイジ武器庫】が存在し、チョ湖の対岸の王国まで通じるほど広大なものである。天然の鍾乳洞を改造したものだが、元々は太古の昔に地下帝国が存在した名残で洞窟だけ残ったと言われているが真偽の程は不明。

終戦後は¢の捕縛により教団を率いる者がいなくなり教団は即時解散。表向きは、“ケーキの美味しさは十分に伝わったため活動を終了する”と発表された。各地で模倣的な新興宗教団体は立ち上がったものの、どれも長続きせずに終わっている。

オレオ王国


大陸中央部に位置する王政国家。世界有数のチョコ生産地であるカカオ産地を抱えており、“チョコ革命”でチョコに資源としての価値が見出されてからは一気に世界の覇権を握る国家となった。
現在の国主はナビス国王。年齢こそ若いが賢主として知られており、交易国家の王国を率いている。大戦乱を経て幾つもの国が消滅、吸収合併する中で大昔よりその名を維持し続けている由緒ある国家で、同じ歴史を持つ国家は他にカキシード公国程度しかない。
先代の父帝は先の大戦乱を戦い抜いた猛将として知られており、王国の領土拡大を成し遂げた英雄として名高い。戦いの中に身を置いた彼の最終的に出した結論は“武器を置くことで他者と腹を割って話し合える”ことであり、大戦乱の後に最初に武力放棄を成し遂げた国家でもある。そのメソッドは息子のナビス国王にも強烈な影響を与えており、代替わりしても不戦国を謳っている。

首都の王都は交易の街で賑わい、古今東西珍しい交易品まで揃うことから“世界の中心街”と表される。トッポ連邦を始め各国と同盟を結んでいるが、唯一鎖国体制のカキシード公国と国交は開かれていない。
代替わりしてから父帝時代にはなかった“やっかみ”を受けるようになり、ナビス国王は対応に苦慮している。特にチョコ貿易における公国のカメ=ライス公爵からのイチャモンに近い摩擦的やり取りはチョコ戦争を招くきっかけとなった。

公国、【会議所】の思惑により急速に公国との関係性が悪化。事前にナビス国王は【会議所】に仲介要請をしており、清廉な斑虎は戦争回避に奔走したが結局半ば計画的にチョコ戦争が勃発。瞬く間にカカオ産地を占領され、一週間弱の間に国土の2/3以上を公国軍に占領されてしまう。
斑虎の熱心な進言により武力放棄を撤回し義勇軍を集め王都決戦を敢行。【大戦】経験の多い兵士たちにより一時は善戦するも、陸戦兵器<サッカロイド>の乱入により王都は壊滅。住民自体は避難させていたため人為的被害は少なかったものの、歴史ある交易街が一瞬で火の海に包まれることになった。
その後、斑虎、someone、Tejasの三名の力により陸戦兵器<サッカロイド>及び滝本は敗北し壊滅。同時期に、公国内でもクーデターにより791が新元首に就いたことから即時停戦し、公国軍は王都から兵を引き上げていった。

終戦後は速やかに王都復興が進められ、英雄の斑虎は【会議所】兵士ながら王国のシンボル的存在となっている。
一連の事態を鑑みたナビス国王は不戦体制は維持しつつ、王国守備隊を結成。他国からの驚異に備える体制づくりを進めている。

カカオ産地

王国西部、カキシード公国との国境付近に位置するカカオ平野一帯の総称。カカオ産地は観光地、工業地帯、カカオ農園を含めており、世界有数のチョコ生産地帯である。近年は“チョコ革命”により資源としてもチョコの需要が増しているため注目を浴びている。気候が温暖でかつチョ湖からの豊富な水源もあるためカカオが育ちやすい。
北部一帯はカカオの群生地、中心部にはチョコレートの製造工場、南部は湖に面した観光地と分けられている。湖近くにはサトウキビ畑も広がり精錬される角砂糖は食料チョコの際にも重宝している。
Tejasとオリバー(霊歌)のいた所は南部の観光地で、街中にチョコの匂いが溢れている甘さに溢れた港町である。

カキシード公国


大陸西部に位置する貴族君主国家。“霧の大国”とも呼ばれる。元々は多くの小国がひしめき合っていたが、数百年前にモチ=ライス伯爵が一帯を制圧して以来、公国と称している。公国に接しているミルキー首長国、ネギ首長国は実質公国に従属しているため(公国が共同統治という形で実効支配している)、大陸西部一帯は公国が支配しているといっても過言ではない。

現在の君主はカメ=ライス公爵。ライス家の跡取りとして生を受け、先代から公国を引き継ぎ統治している。
魔法文明で栄えており、国民の実に2/3以上が魔法使いかその素質のある人間だと言われている。これは、公国一帯の土地が太古より魔力の蓄えられた温床地であることが原因であるとされている。世界で唯一、魔道士に国家資格を与えており日常生活のみならず国家単位でも魔法使いは重用されている。その中でも行政府である王宮付きの魔法使い、いわゆる“宮廷魔道士”は一般国民の最上級職といわれ全国民の憧れの的となっている。

歴史を紐解けば、古来より公国は世界に先駆けて魔法文明を築き上げ世界の覇権を握ってきた。何度かの大戦争の際には大陸統一寸前まで達するものの、何かしらの外的要因で統一を逃し、その後伸び切った補給路を叩かれ痛手を被るか国内が内部分裂し悲惨な結末を辿るという出来事を何度か繰り返してきた。
その反動からか、ある時より鎖国を始め他国との関わりを断つまでに至った。その際に歴史家の言い放った“実態の見えない、霧のような国だ”との発言から“霧の大国”の異名が付いたと言われている。
現在は全盛期の完全鎖国からは緩和されてきているものの、未だに世界会議には出席せず、国民も国外に出ることを躊躇うほどに影響は残っている。

公国の首都は大陸北西部の港湾都市で、その中に行政府と中央政府のあわさった首府である“宮廷”も存在する。
公国宮廷自体の広さは【会議所】本部に匹敵する程の広大さで、モチ=ライス伯爵のときから存在する歴史的建造物のため、中身は入り組んだ構造をしている。増築に増築を重ね、中は転移ポータルが無いと遭難者が出る始末である。

国家の上層部は特権貴族により数百年来ほぼ支配されており、国民性によるものからか特段反乱等はこれまで起きていないものの、国民の間では特にカメ=ライス公爵になってから抑圧された鬱屈とした雰囲気が蔓延するようになっている。国家体制としても魔法文明にしがみつくあまり、“チョコ革命”に出遅れ工業の近代化に遅れつつある現状に頭を悩ませている。最近になりオレオ王国よりチョコの輸入を本格的に開始したが、魔法文明からの切り替えは未だ実行できていない。
公国軍隊には魔法戦士が多く揃い世界最強の軍隊であると目されていたものの、近代工業化により魔法よりもアウトレンジの武器には太刀打ちできないという問題点が顕になり軍部改革も同時に叫ばれている。

カメ=ライス公爵は以前よりチョコで覇権を握るオレオ王国に難癖を付け苦言を呈すという“圧力外交”を行ってきた。そして、その緊張感は最大限に高まり両国関係は遂に修正不可能な領域まで悪化してしまう。二国間協議では最後通牒を叩きつけ、一週間後に予定通りカカオ産地へ侵攻。ものの一週間でオレオ王国の2/3以上の領土を制圧する。ただ、最後の王都決戦時に【会議所】の陸戦兵器<サッカロイド>により首都決戦は中止になり、結果的にそれが切欠で王国侵攻は中止され公国軍は本土へ引き揚げることになった。
実は、カカオ産地侵攻時に宮廷内でクーデターが起き、“宮廷魔術師”791によりカメ=ライス公爵を始めとした特権貴族は全て亡き者とされていた。そのため、王都決戦時には臨時代行で791が元首に就いており、道理を欠いた戦争だとして戦いの中止を決めたのだった。
国家を支えていた特権貴族は全て追放されたため、公国は崩壊。その後、791を皇帝としたカキシード帝国の樹立が宣言された。

カキシード帝国

ライス家を始めとした特権貴族を“民の怒り”という名目で全て追放し、“宮廷魔術師”だった791が自ら皇帝に即位したことで誕生した新生国家。
“一般市民による開かれた国家を創り上げる”というスローガンの下、宮廷政治はそのままで皇帝の下を全て彼女の見出した有能な人材で堅め、鎖国体制も即時撤廃し各国と国交を樹立するなどこれまでの体制から180度転換した策を次々と打ち出している。これまで貴族の後塵を拝していた魔道士を次々と重職に抜擢し、国民全体は熱狂的に皇帝を支持している。

元々、帝国樹立は彼女の悲願でもあった。そのために公国時代から念入りにクーデター準備を始め、“宮廷魔術師”時代には特権貴族を操り彼らにチョコ戦争を引き起こさせ、最終的に自滅するように追い込んだ。計画ではライス家により制圧したオレオ王国も引き続き支配する予定だったが、一番弟子のsomeoneの裏切りにあいその計画は頓挫している。
公国時代にはなし得なかった近代工業化を取り入れ、結果として魔法文明と融合した新たな文化スタイルを確立しつつある。791は引き続き病弱の身のため、“皇帝の間”(旧・魔術師の間)から指示をとばし有能な部下が代わりに動く日々が続いている。

その他列強諸国について


三大国の一角であるトッポ連邦は広大な土地を有しており、先の大戦乱で生まれた集合国家でもある。大陸の中では珍しく議会民主制を採用している国家のため、政権のトップは国民投票で選んでいる。チョコ戦争時に危険を冒してまでオレオ王国を支援した椿国務大臣の評価がうなぎ登りとなり、終戦後に行われた総選挙では椿が首相に選ばれた。
その他、カルビー王国やハリボー共和国などは中堅規模の国家である。いずれも大戦乱後に吸収統合して生まれた国家で国力には未だに他国家と開きがある。
ペッツ皇国、シロクマ国は大陸から離れた島国で独自の文化を形成している。特にシロクマ国は地理上で常時気温が氷点下を下回る極寒の地のため、大戦乱の際も特段巻き込まれずに国家として安定している。国を統べるポーラ・ベア将軍は“冬熊”の異名で恐れられている。

大戦乱について


25〜30年前までに大陸全土で同時多発的に勃発していた世界大戦のことを指す。勃発当時に数百あった国家は大戦乱を経て11にまで数を減らし、大陸全土が幾度も火の海に包まれるなど世界史に残る凄惨な大戦である。
元々、中小国家が連合を組み大国に反抗したことが切欠で大陸東部から派生し最終的には全土を飲み込む大戦争へと勃発した。当初は大国と連合国に二分されていたが、各国家の経済状況や既得権益層の取り込みなど複雑な要因が多く絡んだ結果、途中から敵味方の区別が消滅し、各国はただ火事場泥棒的に隣国を蹂躙し火の海にすることで明日を生き残る策にするという極めて無秩序な世界へ変貌を遂げた。
戦い自体は20〜30年の間も散発的に行われ長期化した。当初戦争の引き金を引いた連合国は全て壊滅していたものの、各国ともに講話を申し出る機会を逸し、かえって戦いが長期化したという背景もある。この反省を機に、大陸では“世界会議”という国家単位で世界の重要問題や今後の政治社会を討議する場が設けられた。
オレオ王国、カキシード公国、シロクマ国は大戦乱前後で同一国家を維持し続けた稀有な例である。

その他重要設定

チョコ


チョコレートの略称。カカオの種子を発酵焙煎したカカオマスを原料とし砂糖などを練り固めた食料品として世界中で広く愛されている。ただし20年前程にオレオ王国にて偶然、チョコを魔法錬成に掛けたところ可燃性の素材に変化したことを切欠に“チョコ革命”が発生。元来、化石燃料に乏しくエネルギー源を魔法に頼っていた大陸はこの事実に驚嘆しすぐにチョコを用いての近代工業化に乗り出した。そのため、近年のチョコは食料品として以外に“資源”として重宝されている。

チョコ戦争


カキシード公国がオレオ王国に侵攻した戦争を指す。期間は一週間程度に過ぎないが、一時は公国が王国の2/3もの領土を制圧し王都にまで迫った。最終的には王国軍の抗戦、【会議所】による陸戦兵器<サッカロイド>投入もあり同時期に公国の体制が崩壊したため王国から公国軍が引き揚げる形で戦争は終結した。結果的に公国は崩壊し、王国も王都を始めとした主要拠点に被害が出た。カキシード帝国になってからは戦時補償金こそ払っていないが、王都復興を支援しており両国は積極的に同盟を締結した。
元々は、当時の公国君主カメ=ライス公爵が王国のチョコ貿易に難癖を付け、両国間の関係悪化を招いたことに端を発したとされている。王国は大戦乱以後“不戦の誓い”を立てており武装解除していたため、公国軍の侵攻に為す術なく窮地に追い込まれたことも被害を拡大させた要因となった。

国家推進計画


【会議所】で当時議長だった集計班の提唱した計画を指す。大戦乱後の世界会議で幾度も自治区域の国家昇格を否決されたことで計画された謀略である。内容としては、オレオ王国とカキシード公国を争わせるように意図的に仕組み、公国軍を王国に侵攻させ王都決戦に持ち込むことで、最終盤に【会議所】が乱入し両勢力とも壊滅。首都機能を失った王都を“保護する”という名目で実効統治し公国軍をも蹴散らし、国家昇格を世界に事後承認させるという寄生策である。そのために、軍部改革を必要とした公国軍に敢えて密造武器を横流しし力を付けさせ、【会議所】内ではケーキ教団をカモフラージュにし、角砂糖を魔法錬成し硬度を限界まで高めた陸戦兵器<サッカロイド>を創り上げ最終盤の侵攻への要とした。

計画提唱の時点で集計班は不治の病に侵されていたため、計画は二代目議長滝本に引き継がれ¢、参謀の二人とともに秘密裏に準備されていった。5年の歳月をかけて全ての陸戦兵器<サッカロイド>を完成させ、チョコ戦争も引き起こすことまで成功。だが、終盤に“キュンキュア”の呪いを持ったTejasに裏をかかれ、陸戦兵器<サッカロイド>は同士討ちをするように事前に洗脳されており、王都決戦時に両軍兵士を攻撃することなく陸戦兵器<サッカロイド>部隊は壊滅し計画は失敗に終わった。
首謀者の滝本は斑虎によって捕縛され、¢と参謀は自首し捕縛された。ナビス国王、791皇帝、抹茶新議長での三者会談の結果、計画の全貌を世界に明かすことでさらなる混乱と混迷を招く恐れがあることから、本計画は秘匿され闇に葬り去られた。世界的には滝本が首謀者となり陸戦兵器<サッカロイド>を創り上げ王国へ謀反を起こした、とだけ発表されている。
陸戦兵器〜サッカロイド〜

【会議所】の一部メンバーが用意した新型人造兵器。20mを超える全長があるため巨人とも表現される。
魔力の詰まったものを含めブレンドした角砂糖を精錬し生成した飴を魔法錬成により限界までに強度を高めた素材をボディに採用することで、重火器や魔法をほぼ受け付けない兵器となった。水晶より硬度がありかつ透き通る素材のため、肉体は光を極限まで透過しており、日中はその姿をほぼ視認できなくなる。両腕に小銃(といっても巨人基準であり常人では遥かに大型の銃)を搭載しており、迫りくる敵兵には照射し蹴散らすこともできる。

ケーキ教団を通じて公国から魔力入りの角砂糖を収集し、教団本部地下の【メイジ武器庫】では陸戦兵器<サッカロイド>の保管、製造が行われていた。動作確認時には武器庫を通じチョ湖に巨人を出し、歩行練習などの肉体の融合確認を行った。動作確認日が【大戦】開催日から必ず一週間後に固定されていたこと(これは【大戦】時に密貿易で角砂糖を手に入れるタイミングから製造、動作確認までの日程が固定化されていたという事情もある)、周辺住民には“きのたけのダイダラボッチ”という都市伝説として広まっていたこともあり、チョ湖支店に移動してきた加古川により計画が露見してしまったという失態も途中で犯している。
地上の武器製造工場では同時に陸戦兵器<サッカロイド>用の専用武器も製造され、王都決戦時には一撃必殺用の大筒が使用された。

陸戦兵器<サッカロイド>の最も優れた点は、自ら考えて動くことのできる“自律型”兵器であるという点に尽きる。集計班の儀術“うまかリボーン”により抽出された【会議所】の英霊の魂を肉体に搭載しているため、英霊の意志で肉体を動かすことが可能となっている。あくまで魂のためどこまで明確な意志を持っているかは不明だが、過去の【大戦】での戦いの記憶が残っていれば、文字通り最強の兵士となる。
但し、抽出した魂は外気に触れたままではどんどん“瓦解”していってしまうため、厳重な管理といかに魂のロスを防いだまま陸戦兵器<サッカロイド>に移すかが課題とされた。結果的に、魔術を持って転移させる手段で相性がいいというsomeoneの見解をもとに、儀術“キュンキュア”の能力を持つTejasを使い完璧な陸戦兵器<サッカロイド>を完成させようとするも、直前にsomeoneの機転によりTejasは【会議所】を一足先に去り目論見は失敗に終わる。

ただ、それを抜きにしても常人からの攻撃手段はほぼ受け付けないため、化学班を中心とした開発陣はあまり深刻には捉えていなかったとされている。その後、問題なく王都決戦を迎えたものの、実は事前にメイジ武器庫に侵入していたTejasと霊歌により全ての陸戦兵器<サッカロイド>が“戦場で出会ったら同士討ちを開始しろ”という旨の洗脳を施されており、戦場では両軍兵を蹴散らすことなく同士討ちにより自滅し全滅した。肉体は流石の巨人同士でも破壊できなかったため、心臓部をこじ開けて魂を空に解き放つことで戦闘不能とした。
唯一、たけのこ軍“Ω”の魂の入った巨人だけは先行して飛び出していたため単身王都に乗り込み壊滅まで追い込んだものの、後から追いついたたけのこ軍“まいう”の魂の入った巨人を視認するや否や同士討ちを開始した。

陸戦兵器<サッカロイド>は全部で12体製造された。中途半端な数字なのは、“うまかリボーン”の術者だった集計班が途中で不治の病により亡くなったためである。12人の英霊は以下の通りとなっている。
◆きのこ軍兵士
アルカリ、アンバサ、とある、キ・ノコ、七彩、ゴダン
◆たけのこ軍兵士
シャンパン、まいう、チャンプルー、Ω(おめが)、リコーズ、コンバット竹内

チョコ戦争後は肉体が回収され、角砂糖を使った新素材の研究が各地で行われることとなった。

:構想直後から決まっていた設定です。元々は誰かさん作「chocolate market」の設定を多く流用しているため、サッカロイドは何とかして出そうという思いがありました。最強の兵器であることに拘り、武器魔法の攻撃を一切受け付けないという設定にしました。倒し方も最初から決めており、当初はTejasさんの“ハッキング”により自爆あるいは自滅するという設定にしていました。もう少し英霊の設定を活かせておけばという反省点があります。。

魔法


不思議な技を生み出す術である。一般人が通常では起こし得ない現象を起こしたり創り出したりする奇跡の術でもある。魔法は魔法陣を介した詠唱をもって唱えられ、その際には“魔の理”という別世界から希望の術を具現化してもらうことで発生させるというところまでは分かっている(例えば、火の魔法を使う場合には、魔の理から火を起こす術を創ってもらい、魔法陣を介して現実世界で具現化させるといったもの)。ただし、別世界の実情や詳しい実態などは分かっておらず、あくまで魔法陣や詠唱内容、個人の魔法力により詠唱できる魔法に限界があるというところまでが明らかにされているだけである。
魔法には“無”から“有”を生み出す呪術式と、この世の森羅万象を使い“生物”を創り出す召喚術式の大きく2種類に別れている。たとえば火炎や水の魔法は呪術式、【使い魔】を呼び出すのは召喚術式である。
魔法と魔術

説明が難しいが、魔法は広義的な意味合いで使われ、魔術は狭義的に“魔法を生み出す種”という意味合いで使われる。つまり、先人の生み出した魔術(魔法陣を含めた術式)をもとに魔法を唱える、といった形である。ただし意味合いとしてはほぼ同じなため、最近の若者は区別せずに使用しているケースも多い。
魔法を扱うことのできる術者を魔法使い、あるいは魔道士という。子供から老人まで幅広い年齢層まで存在する。決められた魔術を魔法陣、詠唱で唱えることができた時点で魔法使いである。特に魔法使いの中でランクはないものの日常魔法のみの使用までだと下級〜中級程度、実践魔法や既存の魔法をアレンジして新たな魔法を作ることができると中級〜上級程度の実力となる。作中だと加古川は中級〜上級の間に位置する魔法使いとなる。
使い魔

召喚術式の魔法の中で、【使い魔】を呼び出すことは高位の魔法にあたる。【使い魔】とは他の召喚術式と違い、明確な意志を持たせ自分で考え行動させる完全な有機物として呼び出すからである。
術者に強力な魔法力が無いと呼び出せないとされている。“魔の理”を通じ、術者の願った【使い魔】を現実世界に呼び出す契約形式をとる。その際に、“追加契約”を両者間で結べば【使い魔】の能力をさらに強化することもできる。但し、追加契約では一つ追加の力を得る度に代償として既存の能力を失わなければいけないため究極の等価交換とされている。
someoneは霊歌を呼び出し、儀術“エクスチェンジ”のために霊歌と追加契約で“二人の精神世界を同一にする=何処にいても二人は繋がっている”ようにした。その代償として霊歌は記憶を失い、より難のある性格になってしまった。

魔術師
全魔道士の中で上位1%にも満たない選ばれた術者。一から新たな魔術を“創る”実力があると魔術師の素質があるとみなされる。通常、既存魔法を元に亜種の魔術を作ることは出来ても、無から有を創リ出すことは並の魔法使いではできない。魔術師はそうしたオリジナルの魔法を創成する術を持っており、自分だけの秘技を有している場合が多いと言われる。
魔術師になるための試験等は特になく、素質があると認められた際に魔法協会が認定を出すか、自然と呼ばれ始めるかいずれかのケースで名乗ることを許される。魔法界のシンボルのような存在であり、概念に近い存在ではあるが、魔法史や歴史を塗り替えるような魔法を生み出したものが魔術師として称賛と羨望を受けることになる。そのため、彼らは総じて抜きん出た魔力を持っている者が多い。
作中に登場した魔術師は 無口、集計班、791、someoneの4名。全世界にはもう数名の魔術師が存在するものの、世界的な知名度を誇るのは791、someoneの2名である。特にsomeoneはこれまで791の持っていた最年少記録を大幅に更新し20代で到達したため、今後の活躍を渇望されている。

儀術
“究極儀法魔術”の略で魔道士における必殺技を指す。最近では、特に魔術師が自ら創り出した魔術のことを指す場合が圧倒的に多い。魔術師は自ら魔術を生み出せる上位の存在のため、他人には明かさない自分だけの魔術を“儀術”として秘技として隠しておく場合が多い。
作中に登場した儀術は以下の通り。

◆儀術名:シトラス  術者:791
必消(ひっしょう)の儀術。指定した相手を内部から爆発破壊し、木っ端微塵に粉砕する。分子レベルで破壊するため跡形も残らず相手を消す。
時限爆弾的に発火の魔法を身体の内部に植え付ける形となるため、シトラスを埋め込まれた時点で術者を止めない限り、勝ち目はない。
術者が視認できている限り指定人数に限度はないが、人数の多さに比例して魔力消費は激しくなる。

◆儀術名:うまかリボーン  術者:集計班
禁忌の儀術。指定した相手の魂を肉体から分離させ、魂を実体化させる。
魂を抜き取られた肉体は死亡する。分離した魂を別の肉体に埋め込めば、記憶の融合も可能だが別人格が既に入っている場合は不完全に終わることもある。

◆儀術名:キュンキュア  術者:無口
再生の儀術。指定した有機物と繋がり、コミュニケーションを取ることができる。
相手の知られざる声を聞くだけでなく、自らの意志や考えを伝え植え付けることも可能。たとえば枯れかけている植物に対し“甦れ”という意思伝達を送れば、その植物に自生の能力が残っていれば再活する。但し、複雑な魔術ゆえに未完成で、術をかけた動植物はその強大な負荷に耐えられず、やがて死に至ってしまうという“呪い”にも似た副作用が付き纏っていたため、改良が必要だった。

◆儀術名:エクスチェンジ  術者:someone
転移の儀術。自らも含む指定した二体の位置を瞬時に交換する。術者が指定対象の存在を認知できていれば、離れた位置にいても儀術は成功する。
ただし距離が離れている程、魔力消費は膨大になる。
この儀術は通常の転送の魔法に、【使い魔】霊歌との追加契約で彼と何時でもこの儀術により位置交換できるという特性とをかけ合わせたものである。そのため、他の儀術とは意味合いが異なる。

◆儀術名:メルティカース 術者:無口、集計班
永続の儀術。予め指定した一連の魔法の流れを魔法陣下で繰り返し発動させることができる。
会議所自治区域の大戦場下にこの儀術が張り巡らされており、【大戦】はこの儀術がないと成り立たないほどに重要である。実際は魔法陣を地上に描いているわけではなく、魔法の供物を大戦場の四方に設置することでアンテナ的な役割としてそれぞれを魔法で結び、供物内にいる対象物を魔術で制御する、というより高度な方法を採っている。そのため、供物を移動させれば術式の拡大が可能なため大戦場の拡大が可能となっている。

予め“致命傷を受けた兵士を瞬時に治癒させ、シベリア墓地に転送させる”という流れを覚え込ませ、メルティカースにより繰り返し起動させている。発案は集計班で、元々は【会議所】を興す前に【大戦】などを全て見越した上で無口に相談したのが切欠。術式の発明は無口が主体的となり行ったが、後年の評価では無口の存在がほぼ抹消されていたため集計班単独の功績とされた。
設定のみで本編には一切出てこない儀術。


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