プリンセスティアーズ第2禁書庫 - :スタジオコードA2 1

:スタジオコードA2 1

作者:35HR

プリンセスティアーズ:スタジオコード」の続きです。
スタジオコードシリーズの共通設定については、こちらから。



「さ、3位の内容は……しょ、触手分娩台で……き、既外児(きがいじ)の出産ですって……!?」

自分自身の現在の姿が、リアルタイムでライブ配信中であることは、エルシーも十分に認識している。
けれど、そのあまりの内容に、こみ上げる羞恥と怒りの色を声から消し去ることなど出来ない。
にも関わらず、火傷しそうなほどの灼熱に染まった、その響きもまた視聴者の聴覚には、
音楽的な響きをともなう美しい音色となって届いている事に、彼女だけが気付いていない。

既外児(きがいじ)とは、“プリンセスティアーズ”作中において、
おぞましい異性物によって犯された少女剣士の卵子が、下等な魔生物の劣悪な精子によって受精し、
彼女――エルシー・イステアリ――が、妊娠してしまう我が子のことだった。

それは、作中の設定でのこととはいえ、重度の遺伝子的な変異を伴っており、
彼女の子宮に、言語を絶した奇形児として宿ることとなる。
女性として、絶対に宿してはならない命を公衆の面前で出産する。
そのような少女にとって最悪のシーンを、集まったファン達の前で……
そう撮影スタジオでは無く、今度は文字通り本当に“公衆の面前”で演じよと、このランキングは告げているのだ。

悪夢のようだった撮影現場。
そして、完成した映像作品“プリンセスティアーズ”の発売によって、
状況は、思わぬ方向へと進んでいた。


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