2021/8/19〜8/27のイベント『レッド・ソール』にて、藤原肇・三船美優・星輝子と共に歌唱アイドルとして登場すると同時に、イベント報酬[レッド・ソール]桐生つかさが実装。
[レッド・ソール]三船美優におけるつかさへの言及についてはこちらを参照。
イベント予告 公式Twitter ⇒ こちらを参照
(撮影 休憩中) | |
つかさ | いや、やっぱここは……。 ……っし、やっぱこれしかねぇな! |
メイク | 楽しそうですね。 会社の方の企画ですか? |
つかさ | いや、これは違う。 ちょっとな……とびっきりの面白ぇことしようと思って。 |
事務所 | |
つかさ | お疲れプロデューサー。 時間もらってわりぃな。 |
P | (提案があると言ってたね) |
つかさ | おう、まずはこいつに目を通してくれ。 |
P | つかさに渡された資料には、 「新ユニット企画書」と書いてある…… |
P | (なるほど) |
つかさ | なにも、アイドルの側から ユニットを提案しちゃいけねーわけじゃないだろ? |
つかさ | それだけじゃなくて、 ユニット活動の諸々も、アタシたちで主導してみたくてさ。 一段高い目線の経験にもなるし、なにより面白そうだからな。 |
つかさ | アタシたちにその辺任せてくれりゃ、 お前の負担減にもなるだろうし……いや、そこはわかんねーか。 仕事は、任せるのが一番大変だしな。 |
P | (任せるよ) |
つかさ | お前ならそう言ってくれると思ってたぜ。 ま、ワインでも片手に、優雅に眺めててくれ。 |
つかさ | さて、となると、 次のアタシの仕事といえば……。 |
つかさ | 仲間を、口説かねーとな。 |
(数日後) | |
美優 | 失礼します……あら、肇ちゃん? どうしたの、床に座り込んで……。 |
肇 | お疲れさまです美優さん。 今、輝子ちゃんのおトモダチを見せてもらっていたんですよ。 |
輝子 | 新しいトモダチが……この間立派になったんだ……。 いい……色、だろう? |
肇 | はい、ツヤツヤしていて元気そうです♪ |
美優 | 輝子ちゃんのおトモダチね。 私もご挨拶してもいい? |
輝子 | ああ。喜ぶと、思う……。 |
美優 | じゃあ、お言葉に甘えて……。 |
つかさ | おーっす。 お、もう集まってくれてんのか。はやいな。 |
美優 | 集まって……つかさちゃんも呼ばれたの? もしかして、輝子ちゃんたちも? |
つかさ | 呼ばれたっつか、 プロデューサーに頼んで呼んでもらったつか。 |
肇 | えっと……どういうことでしょう? |
つかさ | 美優さん、肇、輝子。 アタシたちで、ユニット組まないか? |
3人 | ユニット……? |
つかさ | そ。いきなり言われてもよくわかんねーと思うから、 これ、企画書な。 |
つかさ | っつーことで。 このメンツで組むことに、アタシは可能性感じてる。 |
つかさ | みんながもってる、しなやかな美しさや、芯の強さ。 これ、間違いなく訴求力あるぜ。 この4人でなら、それをベストな形で引き出せると思うんだ。 |
輝子 | し、芯の強さ……。 認めてくれるのは嬉しいけど……ど、どうかな……? 私はその、つかささんみたいに堂々としてないし……。 |
つかさ | ああ、悪い。誤解させたかもな。 別に、アタシみたいになってほしいんじゃねーよ。 むしろ、違うからこそ、組む意味があると思ってる。 |
つかさ | アタシは、違うヤツらが組むからこそ、 アイドルってのは面白ぇと思うんだよな。 |
つかさ | 輝子には輝子の強さがある。 お前が自信なくても、アタシは確信してるぜ。 |
輝子 | そ、そうか……? そこまでいわれちゃ……フヒ、断れないな。 |
つかさ | ありがとな。 絶対に後悔させねーから、任せとけって。 肇や、美優さんはどうだ? |
肇 | 私は……そうですね。 私自身が相応しいのかは、私もわかりませんが……。 |
肇 | ここに書かれた企画…… つかささんが思い描いた形は、見てみたいです。 私も、ぜひ参加させてください。 |
つかさ | っし! そうこなくっちゃ! |
美優 | 私も、その……よろしくお願いします。 |
美優 | この企画書、すごく練られてる…… なんて言ったら、つかさちゃんには失礼かもしれませんけど。 |
美優 | でも、私たちのことを買ってくれてるってことや、 みんなで良いユニット活動をしたいって、 その想いはよく伝わってきたから……。 |
つかさ | ハハ、そう言ってもらえたなら、 必死に作った甲斐があったよ。 んじゃ、美優さんも承諾っつーことで。 |
つかさ | 即断即決! いいね! さすが、アタシが見込んだヤツらだ。 |
つかさ | よし、このまま、こっからの動きの話もするか。 企画書、その先のページ見てくれ。 |
美優 | えっと……? えっ、楽曲の提案やプロモーション、イベント演出の企画。 これを、私たちで……? |
つかさ | そ。面白そうだろ? 全プロデュースをアタシらでやることによって、 自分たちの思う最高のユニットを、完璧に作りたいわけ。 |
つかさ | それは多分、アタシひとりじゃできない。 ……いや、アタシひとりでやっても、意味がない。 |
つかさ | だから、みんなの力を借りてーんだ。 |
あらすじ
つかさの発案で、彼女が主軸となる新しいユニットの企画が動き出した。それは、全プロデュースをアイドルが主導することで理想のユニットを作り上げたい、というもの。芯の強さが見込まれた美優、輝子、肇をユニットメンバーに迎えて、つかさの新たな挑戦が始まった。 |
(休憩室) | |
つかさ | ふぅー……。 わりーな。休憩挟ませてもらって。 さすがに喋り疲れた。 |
肇 | いえ、私たちも、 いろいろと整理したかったところなので。 |
輝子 | だな。ユニットに、プロデュースに、 話が盛りだくさんだ。 |
美優 | ……自分たちのプロデュースを、自分でするんですね。 楽曲と宣伝、それからイベント企画、でしたっけ。 |
つかさ | おう。 タスクとして分解すりゃ色々あるけど、 まぁ大きくわければ、その3つだな。 |
輝子 | 3つ……ってことは、 私たち3人で、それぞれ受け持つ感じか? |
つかさ | そうなる……っつーか、そうしたい。 お願いできるか? |
肇 | どのぐらいやれるかはわかりませんが……。 |
美優 | これは、プロデューサーさんがサポートしてくださるって ことでいいのかしら? |
輝子 | あ、ああ、なるほどな。 そりゃ、そうか。 |
つかさ | ま、その辺は安心してくれ。 全体の統括やサポートは、アタシとプロデューサーが引き受ける。 他の細々した外部交渉なんかもな。 |
つかさ | 自分たちでやりたいとは言ったけど、 現実問題、できることとできねーことはあるし。 ま、プロデューサーもちょっとは働かせねーとな。 |
美優 | 誰がどれを受け持つかは、つかさちゃんが? |
つかさ | いや、それはこれから相談して決めたい。 スキルセット鑑みてこっちでアサインしてもいいけど、 モチベ高くやりてーし。 |
つかさ | トップダウンで進めたくねぇっつーか、 アタシが全部決める形にしたいわけじゃないんだ。 |
つかさ | 企画したのがアタシだから、 今こうしてイニシアチブ握ってるけど。 別にこのユニットで、誰が偉いってのはないんだ。 |
つかさ | アタシがただ、纏めてつなぐ部分を受け持ってるだけ。 そういうイメージなんだけど、伝わるか? |
美優 | 上下じゃなくて、役割が違うだけ。 少し、会社でのチーム構成に似てますね。 |
つかさ | ん。まぁそうだな。 たしかに、会社でモノ作る感覚に近いかも。 |
つかさ | それぞれが、それぞれの仕事に誇りと責任もってやって、 その集まりが商品になるっつーか。 ま、そもそもこれも、仕事だしな。 |
美優 | ふふっ、それもそうですね。 |
(数時間後) | |
つかさ | で、どうだ? 興味があるもの、やれそうなもの、ピンときたもの。 なんでもいいぜ。 |
輝子 | ……曲って、どんなことするんだ? |
つかさ | コンセプト決定、発注がメインだな。 つまり、アタシらのイメージを固める……その舵取りだ。 やるか? |
輝子 | 歌なら、どうにかできるかも……。 いや、できないかも……だけど、頑張れる、かな。 |
つかさ | やる気出してくれるなら大歓迎だ! じゃあ輝子が曲周りな。 頼りにしてる。 |
肇 | 輝子ちゃんが選んでくれる曲なら、 きっと素敵な曲になりますね……! |
輝子 | フヒ……ッ、やれるだけは、やるよ。 |
美優 | あ、あの……っ、だったら、 私が宣伝をやってもいい……? |
美優 | 一応、会社員経験もあるし…… 世間や大人の社会を少しは知ってるつもりだから。 |
つかさ | もちろん! 美優さんなら、きめ細やかなブランディングを任せられる。 頼んだぜ。 |
肇 | だとすると、私がイベント周りでしょうか。 |
つかさ | もちろん、嫌じゃなければ、だけどな。 頼めるか? |
肇 | いえ……むしろ、 私にはそれが一番向いていると思います。 |
肇 | センスのいいものになるかは、わかりませんが…… 精一杯、務めさせていただきますね。 |
つかさ | 肇のセンス、疑ってねぇよ。 もちろん、相談にも乗るし。 信じるようにやってくれ。 |
輝子 | これで、役割分担も決まり、だな……。 緊張するけど……楽しそうだ。 |
つかさ | はー、お前らが受けてくれてよかったわ。マジで。 細かいブレストはスケジュールも合わせて プロデューサーと一緒にやるとして……。 |
つかさ | これからよろしく、美優さん、肇、輝子。 アタシらはこれで、ユニットだ。 |
美優 | はい、よろしくお願いします、つかさちゃん。 |
肇 輝子 | よろしくお願いします! ……フヒ、よろしく。 |
(美優・肇・輝子が帰った後) | |
つかさ | ふぅー……。緊張したぜ、まったく。 企画のプレゼンっつーのは、いっつもこうだ。 |
P | (どうだった?) |
つかさ | 受けてもらえたぜ。 ま、結構戸惑ってたけど……ハハッ、当たり前か。 |
つかさ | 流されただけか、無茶ぶりに楽しみを見出してくれたか…… なんにせよ、どんなものを作ってくのか。 楽しみで仕方ねぇ。ワクワクするだろ? |
P | (ここからが大変だけどね) |
つかさ | ま、そりゃそうだ。 スケジュール管理にクオリティ管理…… アイツらが頑張るのは当たり前として、フォローがないとな。 |
つかさ | わりぃけど、頼むぜ。 アタシももちろんできる限り見るようにはするけど、 信頼関係の構築はお前のが今のところ上だし。 |
P | (もちろん) |
つかさ | さて、と……こっから忙しくなるな! アタシも気合、入れ直していかねぇと。 |
あらすじ
プロデュースをメンバー自ら行うというユニットのコンセプトについて、つかさのプレゼンを受けた3人。輝子は楽曲、美優は宣伝、肇はイベント企画を担当、つかさとPは全体の統括とサポートを行う形となる。役割分担が決まって意気込むアイドルたちは、セルフプロデュースの第一歩を歩み出す。 |
(事務所) | |
輝子 | ……じゃあ、ここまでに、コンセプト? を出せばいいんだな。 |
P | そう。どんな曲にしたいのかの依頼書だね。 作曲家の指定があれば、それも出来る限り交渉するけど。 |
輝子 | そ、そんな指名とか……私には……! まだ、どんな曲がいいとかも、わかってない……。 |
輝子 | つかささんの持ってるイメージ…… あれを、どういう曲に落とし込めばいいのか……。 |
つかさ | んー、いや、勘違いすんな。 ありゃあくまで、アタシのイメージでしかねぇ。 |
つかさ | もちろん土台にしてもらって構わねぇけど、 輝子がそれを膨らませて、モチーフつけて、形にすんだ。 アタシの考えを資料にしてほしいわけじゃねぇ。 |
輝子 | ん……難しいな。 もしだけど、イメージと違うのを私が出したら…… どうするんだ? |
つかさ | 全然違うイメージの曲? いいじゃねぇか、面白い。 どんな系統であれ、クオリティが高けりゃなんも言わねぇよ。 むしろイメージ超えてくれる方が楽しいぜ。 |
つかさ | 舵を取るのは輝子だ。 胸張って、行きたいところを示してくれよ。 |
輝子 | 私が……舵取り。 |
輝子 | よい……しょ、と……。 |
美優 | ……ん、しょ! よかった、落とさずに運べて……。 |
肇 | わっ、すごい荷物……! どうしたんですか、これ。 |
輝子 | 曲決めの参考にって、 プロデューサーが貸してくれたんだ……。 曲の資料に、作曲家の資料……他にもいろいろ。 |
輝子 | 運ぶの手伝ってくれて、ありがとう……美優さん。 |
美優 | いいえ、この量をひとりで運ぶのは大変ですから。 それにしてもたくさんですね……って、あら、これは……? |
肇 | プロデューサーさんのメモ書きがついていますね。 それに、どうやら系統で分けてくださっているようです。 |
輝子 | …………。 |
美優 | これとか懐かし……輝子ちゃん? |
輝子 | あっ……、す、すまない。 いや、たくさんあってどれから見ようかと……。 |
美優 | たしかに、こんなにたくさん資料があると、 どれから見たらいいか、迷っちゃいますよね。 |
輝子 | あぁ……今まで、私が聴いたことのない ジャンルも多くて……。 |
肇 | 色んな曲を歌わせてもらいましたけど、 こう見るとまだまだなんだなぁって思っちゃいますね。 |
美優 | ふふ、そうですね。 だから、どんな曲を歌うことになっても困らないように、 いつも努力はしないとなって、思います。 |
肇 | はい。得意分野を伸ばすのと同じくらい 苦手も潰していかないと、ですね! |
美優 | 頑張りましょうね♪ |
美優 | それで輝子ちゃん、資料全部持ち帰ります? たくさんあるから、少しならプロデューサーさんのお部屋を お借りしても大丈夫って言ってましたけど。 |
輝子 | ゆっくりしてる時間も、ないだろう? 全部持ち帰るよ……。 |
(数日後) | |
輝子 | (締め切りまでもうすぐ……けど、何もまとまってない……。 延ばしてもらうのも……難しそうだ。) |
輝子 | (美優さんも肇さんも、つかささんも……オトナだ。 私だけ年下で……それに、みんなみたいに自信もない。) |
輝子 | (浮いてる……よな、私。 きっと、個性が際立っていればいい……ってユニットじゃ、ない。) |
輝子 | (曲のコンセプト……いいと思ったものはある。 ……けど、誰より一番、私に合ってない……) |
肇 | あら、輝子ちゃん、お疲れさまです。 そっちもレッスンですか? |
輝子 | あぁ、お疲れ。 私も定期ボイスレッスンにきた……。 |
肇 | …………。 |
肇 | 曲も考えて、レッスンに普通のお仕事も……大変ですよね、今。 大丈夫ですか? 疲れてません? |
輝子 | ……大丈夫。 全然、私はまだ……。 |
肇 | …………。 |
輝子 | ……ダメだよな。 こんな風に弱気になってちゃ。 それこそ、しなやかでも、強くもない。 |
肇 | ……そうでしょうか。 堅い物ほど、割れてしまうものですよ。 柳に風という言葉もありますし。 |
肇 | それに…… 輝子ちゃんの歌は、格好いいと思います。 声にも芯が通っていて。 |
輝子 | ……そうかな。 |
肇 | そうですよ。 不安があるなら、一緒に考えましょう。 |
輝子 | ……ううん、ありがとう。 案は、あるんだ。 |
輝子 | 悩んでいたのは……。 もっと、別のことだったから。 |
輝子 | (みんなに助けてもらってばっかりって、思ってたけど…… ううん、だからこそ。) |
輝子 | 期待に、応えなきゃな。 |
つかさ | ……心配してきてみりゃ、出番なかったか。 良いね、チーム回ってんじゃん。 |
P | そうみたいだね。 頑張りすぎは、心配ではあるけれど……。 |
つかさ | 信じることも仕事の内ってな。 ……楽しみにしてるぜ、輝子。 |
(数日後) | |
輝子 | コンセプト、まとめてみたんだ。 見てもらえないか……? |
つかさ | おっ、マジ? 見る見る! |
肇 | 楽しみにしてました……♪ |
美優 | ……うん、とっても素敵だと思います♪ |
つかさ | いいじゃん、バッチリだよ! よくやったな、輝子。 |
輝子 | ……! 舵取り役、だからな……気合いれたよ。フヒヒ。 |
あらすじ
楽曲の舵取りを任せられた輝子。しかし、ユニットに相応しい楽曲はイメージできても、その中で自分が浮いてしまっているのではないかと悩んでいた。不安感から、コンセプトを決めきれない輝子。だが、それに気付いた肇に声をかけられて奮起し、期待に応えるべく最後の一歩を踏み出した。 |
(事務所) | |
輝子 | デモ、きたけど……聴く? |
肇 | もちろんです! 美優さんとつかささんももうすぐ来られるみたいなので、 おふたりがついたらみんなで聴きませんか? |
輝子 | オッケー。 じゃあ、準備をしておこう……。 |
つかさ | ……なるほどな。 |
輝子 | ど、どうかな……。 |
つかさ | この曲を引っ提げてのデビューか。 やべーな。もう勝ったわ。 |
美優 | 本当に……気持ちが引き締まりますね。 |
美優 | (あの曲が、一番最初のユニットの顔になるのよね。 それに合う宣伝……。 そういえば、どれくらいやっていいのかしら。) |
P | 支度はできました? |
美優 | あっ、もう行きます……! |
美優 | プロデューサーさん、お聞きしたいことがあるんですけど……。 |
P | (何かな?) |
美優 | この間いただいた広告周りの資料なんですけど、 そもそも……どのくらい宣伝ってやっていいものなんでしょうか。 初期予算とか……ありますよね? |
P | ……とりあえず、 好きなように考えてもらっていいですよ。 |
美優 | えっと……好きなように、というのは……? 予算に収まる範囲で? |
P | ユニットにとってプラスになると思うもの全部。 追加の予算は、ある程度こっちでどうにかできますから。 |
(その日の夜) | |
美優 | 全部……だなんて。 プロデューサーさんはそう言ってくれたけど…… 限界はあるでしょうし。絞らないといけませんよね。 |
美優 | けど、制限がないなら……SNSを使ったりとか、 あ、あそこの駅のビジョンとか……? |
美優 | 他にも良さそうな例……あぁ、こんなのもあるのね。 だとしたら、あとは……。 |
美優 | (良さそうなものが次から次へと思いつくのはいいけれど、 まったく絞れません……ど、どうしましょう。) |
(数日後) | |
つかさ | ほい、こっちはアタシが知ってる 過去のプレスリリースとか、プロモ案。 リリイベ関連ならこっちかな。 |
肇 | これもすごい量ですね…… つかささん、纏めるの大変だったんじゃ……。 |
つかさ | プロデューサーが用意した資料もあるけど、 アタシはアタシで別のナレッジ持ってっからな。 活かさねぇのは嘘だろ。 |
美優 | そういうことなら、参考にさせてもらいますね。 |
つかさ | おう、じゃんじゃん参考にしてくれ。 |
P | 美優さん、とりあえずの候補が挙がってたら教えてください。 見積必要なのがあれば、先に取っておきますから。 |
美優 | 候補……なんですけど、その。 し、絞りきれてなくて。 |
P | (全部で大丈夫) |
美優 | いえ……! こういうのは、きちんと絞らないと。 やりすぎて分散してもいけませんから。 |
P | 絞る作業手伝いましょうか? |
美優 | 本当ですか? それでしたら……。 |
美優 | ……いえ、それも大丈夫です。 もう少し、頑張らせてください。 これは……その、私が引き受けた仕事ですから。 |
つかさ | …………。 なら、美優さんにもうちょい頑張ってもらおうぜ。 |
美優 | はい、ありがとうございます。 |
美優 | 引き留めちゃってごめんなさい。 差し入れも、あらためてありがとうございます。 |
輝子 | いや、色んな案が見られて楽しかったし…… 差し入れも、実は、 つかささんとプロデューサーから頼まれたんだ。 |
美優 | つかさちゃんと、プロデューサーさんが……。 |
美優 | (みんな、気にかけて……でも、待っていてくれてる。 ……最後まで、頑張りますね。) |
あらすじ
美優は次から次へと思いつく宣伝の候補案の数を絞り切れずにいた。Pが手伝いを申し出るが、「私が引き受けた仕事ですから」と美優は断る。そんな彼女に、輝子は心が落ち着くスポットを紹介する。一緒にスポットを堪能した美優は、肩の力を抜いて、輝子に宣伝案を見せるのだった。 |
(広告が流れてから数日後) | |
女性会社員 | ねえ、これ見た? SNSで回ってきたんだけど。 |
同僚 | 見たみた! ^つかささんたちの新ユニットでしょ? みんないつもと結構雰囲気違うよね〜。 |
女性会社員 | 輝子ちゃんとかさぁ、こんなオトナになって…… くっ、お姉さんドキドキしちゃう! |
同僚 | 何目線よ。 あ、リリイベあんだ。ちょっと応募してみる? |
女性会社員 | みますかーこの4人の生歌聴きたいし。 徳貯めよ、徳。 |
つかさ | 反応は上々ってところか。 うん、盛り上がってんな。 |
美優 | よかったです、本当に。 はぁ……ほっとしました。 |
美優 | ……なんだか、いよいよって感じがしてきますね。 |
輝子 | 発表終わって、あとは正式なお披露目……き、緊張してきた。 |
つかさ | なんで今更ビビってんだよ。 デビューの時のイベントなんて、 それこそたくさんやってきただろ? |
つかさ | 今まで通り、レッスン積んで最高の状態でファンの前に立つ。 それだけだ。 |
輝子 | そうか……そう、だよな。 フヒ、でもそれはそれでやっぱり緊張する……。 |
美優 | ステージ前の緊張は、 きっと一生なくなりませんから……。 でも、きっと……それでいいんですよね。 |
つかさ | ……だな! |
肇 | 堂々としたデビューステージにするために…… 次は私が力を尽くす番ですね。 |
(イベント会場下見中) | |
肇 | なるほど……配置がこうだから、だとすると動線はこうで……。 |
P | ちょっとオーナーと話してくるから、 何かあったら店員さんに声かけて。 |
肇 | はい、いってらっしゃい! ……あっ、ここはこうなってるんだ……なら……。 |
(下見終了後) | |
肇 | 今日はありがとうございました、 難しいお願いを聞いてもらって。 |
P | (成果はあった?) |
肇 | そうですね、図面ではわからなかったところの 把握はできました! といっても、考えなきゃいけないことは増えましたが……。 |
肇 | 何をどうしたら観に来てくださった方々に満足してもらえて、 ユニットをこれからも応援しようと思わせられるのか……。 難しいです、とても。 |
肇 | (そう。注目をしていただいている分、 ファンの方たちの期待が大きいということだから。 そのハードルをこえないといけないんですよね。) |
(数日後) | |
肇 | うーん……。 |
肇 | (どれだけ詰めてみても、どこか足りない気が……。 タイムスケジュール……もっと余裕があった方がいいのかな? けどそれで間延びしても駄目ですよね。) |
肇 | (機材はわからないところを聞く……いえ、そもそも どこまで指定を? 適当なものを、とだと丸投げしてるだけですし 借りる機材数によって予算も変わってくるし……) |
肇 | (あ、ここが変わると演出も考えなくちゃ……。 考え始めると、どこまでも考えることが出てきて……。 私のところで長々止めるわけにはいかないのに……) |
??? | 隣いいか? お嬢さん。 |
肇 | えっ、あっ……すみませんひとりで席の占領を! ……って、つかささん! |
つかさ | ハハハ、驚きすぎだって。 集中するのはいいけどさ。 |
つかさ | それ、イベントのだよな? そろそろ色々決めてかねーとな。 |
肇 | ……はい。 今まとめている最中なんですけど…… その、間に合わないかもしれなくて。 |
つかさ | マジか? っかしーな。アイツはんなこと言ってなかったけど……。 いや、アタシもサポートできてなかったしな。悪い。 |
肇 | いえ、私が至らないせいなんです……! どうしても穴ができてしまって、それをどうにかしようと 悩んでいたら、期日までにまとまりそうになく……。 |
つかさ | ……ちょっと見せてもらってもいいか? |
肇 | お願いします。 どこが足りないか、ぜひ指摘をください。 |
つかさ | さて……肇の性格で、 そんなやべー状況になるとは信じらんねーけど……。 |
つかさ | ……ん? なんだこりゃ? |
肇 | えっ? えっと、その……初回の打ち合わせ用に、概要を……。 |
つかさ | あー、なるほどね。 そういうこと……そういうタイプか。 |
つかさ | これで十分だよ。 十分どころか、細部までよく詰められてる。 |
肇 | ええっ!? |
つかさ | 強いて粗を挙げるなら、 出来すぎてるってとこか。 |
つかさ | 細かいところは、進めていくにつれて絶対に調整が入ってくる。 そのバッファがあるとなおいいな。 |
肇 | ……私、最初に全部きちんと決めないと みなさんのご迷惑になると思っていました。 |
つかさ | そりゃ、詰め切れないわけだ。 あらゆる可能性を最初から想定しようとしてたんだな。 |
つかさ | 決めるに越したことはねぇけど、 出来ること、出来ねぇことってのはどんどん変わってくからさ。 それは、関係者全員で見極めてけばいいだろ? |
肇 | みなさんで、見極める……そうですよね。 関わってくださってる方みんな、プロなんですもんね。 |
つかさ | おう。 よくここまでやったな、お疲れさん。 |
肇 | ……ありがとうございます! あの、ただ、演出で悩んでいることがあって、 ご意見いただいてもいいですか? |
つかさ | いいぜ。どうせなら輝子と美優さんも呼ぶか。 今日は事務所に来てるって言ってたし。 |
肇 | おふたりの意見も聞きたいです! じゃあ、待っている間に、ここも見てもらえますか……? |
つかさ | お、どれどれ……? |
あらすじ
新ユニット曲のリリースイベントに向け、企画立案を進めていく肇だが、内容を詰め切れていないと感じ焦っていた。つかさに相談すると、細部を詰めすぎて調整の余裕がなくなっていることを指摘される。自分がすべて決めようと気負っていたことに気付き、肇は周りの人を頼ることを思い出すのだった。 |
(楽曲の打ち合わせ中) | |
つかさ | ここなら4人の予定合うな。 歌リハの指揮、お願いできるか? |
輝子 | プロデューサーと、場所整えるよ……。 |
(宣伝の打ち合わせ中) | |
つかさ | クリエイティブ広告のアナリティクスきてたぜ。 これをふまえて次どこにリーチするか話したいんだけど、 時間いいか? |
美優 | 私も、次やりたいものをまとめておいたんです。 あわせて相談させてください。 |
(イベント企画の打ち合わせ中) | |
つかさ | 会場下見もう一回行くのか? アタシも照明見て衣装の最終調整したいからついていくわ。 |
肇 | わかりました! 技術さんも来てくださるそうなので、 もし追加照明の必要がありそうなら相談しましょう。 |
(レッスン中) | |
つかさ | ふぅ……今日はここまでにすっか。 |
輝子 | 良い感じに、仕上がってきたんじゃないか……フヒ。 |
肇 | 残り練習は前日リハをいれてわずかですが、 きっと良いパフォーマンスができると思います。 |
美優 | 体調不良にだけは気を付けて、 しっかり休みもとっていきましょうね。 |
(イベント会場) | |
スタッフ | 最後はこの立ち位置に……そうです、その順番で。 そして挨拶をしていただいて、あちらへはけてください。 |
P | 他に確認したいことはある? |
肇 | いえ、私からは大丈夫です。 みなさんは何かありますか? |
つかさ | いいや、問題ないぜ。 |
スタッフ | では、前日リハは以上で。 明日はよろしくお願いいたします。 |
4人 | よろしくお願いします! |
あらすじ
準備は順調に進み、前日リハもつつがなく終わった。つかさの提案で始まった決起会で、これまでの働きと努力を、礼と共に称え合う。不安や困難はあっても、仲間たちと力を合わせて乗り越えることができた。作り上げてきたものへの感慨と高揚感を胸に、4人はイベント成功を祈って乾杯するのだった。 |
(イベント終了後) | |
女性会社員 | はー……めっちゃよかった。 最高……。 |
同僚 | 美優さんのオトナの色気! 肇ちゃんも普段より凛々しくて……CDジャケット違い買おうかな。 |
女性会社員 | それ。 というか、ユニット名がかっこいいよね。 『フラム・マティーニ』だって。 |
同僚 | 簡単になびかないわ! ってツンとしてる感じ? いいよね。 あー……もっかい生で浴びたいわー。 |
(数日後) | |
つかさ | おぉ、大漁じゃん。 CMオファー、イベント誘致、コラボブランド企画…… よりどりみどりだな。 |
つかさ | ま、一気に出すぎると飽きられるのも早ぇから、 そこらへんは見極めつつだけど。 |
P | (満足のいく結果になった?) |
つかさ | ……お前は? ワインのいい肴になったか? |
P | (堪能したよ) |
つかさ | ふふん、お気に召していただき何より。 アタシも……そうだな、満足したけど、今は満足してない。 |
つかさ | もっとやれる…… そういう気持ちになっちまったからな。 |
つかさ | ありがとな、プロデューサー。 お前が信頼してくれたから、ここまでやれた。 |
P | (今後も期待してる) |
つかさ | おう、存分に期待してくれ。 |
3人 | お疲れさまです。 |
つかさ | きたきた。お疲れ。 ほら、今きてるオファー。 なんか気になるやつがあったらピックアップしてくれ。 |
肇 | こんなにたくさん……!? くるものなんですねぇ。 |
美優 | プロデューサーさんも、まだ選別していないんですよね? |
P | 好きなものを選んでいいよ。 |
輝子 | でも、全部受けるわけにはいかないよな……。 これだけあると、流石に時間も体も……足りなさそうだ。 |
美優 | 断ってしまったら、次から遠慮されてしまわないかしら。 ……ふふ、これって贅沢な悩みですね。 |
肇 | だとしたら、断り方も重要ですね。 誠実に対応して、次の機会を検討してもらわないと。 |
P | ……みんな、よくわかってる。 手伝いはなくても大丈夫そうだね。 |
輝子 | フヒ……♪ |
輝子 | 私は、できればLIVEがしたいな……たくさんのところで。 この合同LIVEとか、受けてみたい……。 |
肇 | 野外なら、それに合う衣装も必要ですね。 そうしたら、このブランドのコラボもどうです? コラボのお洋服を着て舞台に立てばより宣伝になりますし。 |
美優 | 良さそう……♪ あ、でも、協賛に入ってない企業だと 難しいかもしれませんね。 |
つかさ | ブランド口説いて協賛に入ってもらうのもありかもな。 |
美優 | ……あ、このタイアップ、かなりの長期契約なんですね。 定期的な露出が確約できるのは大きいかも。 |
肇 | まだ始動したての私たちに、なんて。 将来性を買ってくれてる……と思ってもいいんでしょうか。 |
輝子 | いいんじゃ、ないか……。 それに、そういう企業が目を付けたって、 周りからの評価もよりプラスになるはずだし……。 |
つかさ | 売り方わかってんじゃん、輝子。 |
つかさ | アタシらは『フラム・マティーニ』…… 棘があっても触れたいと思わせなきゃいけねぇ。 |
美優 | 炎の中でも、茨に覆われていても損なわれない美しさを、 磨き上げていきましょう、自分たちの手で。 |
肇 | 私たちの価値を決めるのは、私たち……。 |
輝子 | どこまでも高められるさ……きっと。 |
つかさ | 思うがままに進んでも、 アタシらがアタシらであるだけで魅力になる。 胸張ってこうぜ、どんな時も! |
あらすじ
デビューステージとなるイベントは無事に成功し、ユニット『フラム・マティーニ』の評判は上々。多くの人がユニットの今後に期待し、方々から大量のオファーが舞い込む。だが4人は戸惑うことなくしなやかな芯の強さと、確かな自信で受け止める。自分たちの価値を決めるのは、自分たちなのだから。 |
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