(劇中 モノローグ) | |
のあ | かぐや姫の美しさは都にまで届き、 ついには帝までもが、 かぐや姫にぜひ会いたいと願いました。 |
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のあ | しかし、かぐや姫は帝に会うことを断ったのです……。 |
(番組収録中) | |
AD | 『Violet Violence』さん、出番です。 お願いします。 |
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つかさ | よっし、じゃあ行こうぜ。 |
のあ | ええ。 |
時子 | ……フン。 |
MC | それでは、登場していただきましょう! 『Violet Violence』のみなさんです! |
(番組収録終了後) | |
つかさ | そういえば、聞いたぜ。 イベントの舞台裏、撮影してんだろ? 撮れ高はどんなもんよ? |
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時子 | さあ。 |
のあ | 順調。 今も、ビデオカメラを控え室に持ってきているわ。 |
つかさ | そっか。 まあ、どうせ撮るからには刺激しねーとな。 購買意欲ってやつをさ。 |
時子 | 商魂たくましいわね。 |
つかさ | そのセリフ、皮肉のつもりなら見当違い。 アタシにとっちゃ誉め言葉だから、それ。 商売してんだから、商売っ気があるのは当然だし。 |
時子 | ……フン。 |
ディレクター | おっ。 お疲れさーん。 |
つかさ 時子 のあ | お疲れさまです。 |
ディレクター | 時子ちゃーん。 そろそろウチの番組にも出てよ〜。 楽しいよ!バラエティ! |
ディレクター | いつものSM芸でさ? こうビシビシッとやってくれるだけ! どう? |
時子 | ……機会がありましたら。 |
ディレクター | オッケーオッケー! じゃ、よろしくね〜。 |
つかさ | ……なんだよ、アイツ。 芸とか言ってたぜ。 商売相手のこと、なんもわかってねーな。 |
時子 | やめなさい。 感情の無駄遣いよ。 |
のあ | さっきの人、そろそろって言っていたわ。 ずっと断ってるの? |
時子 | 断った記憶も、そんな仕事があるという話も聞いていないわね。 下僕が働いているんでしょう。 |
(雑誌インタビュー) | |
インタビュアー | それでは、次の質問を……。 休日は、どう過ごされていますか? |
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千夏 | そうですね……。 主に読書や映画を観たりしています。 |
インタビュアー | なるほど。 相川さんのイメージにピッタリの過ごされ方ですね。 財前さんは? |
時子 | ご想像に任せるわ。 |
インタビュアー | ははは。 秘密主義なんですね。 それも財前さんらしいというか……。 |
(雑誌インタビュー終了後) | |
時子 | ……撮影再開ってとこかしら。 |
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のあ | 気にしないで。 |
千夏 | ふふ、大変ね。 秘密主義者さん? |
時子 | 話題の振り方が下手なだけよ。 豚に真珠を送る趣味はないの。 |
千夏 | 時にはそういうサービス精神も必要だと思うわよ? |
時子 | あら、笑える冗談ね。 |
千夏 | どうも。 冗談ついでに聞いてもらえる? この間話してくれた本、読み終わったわよ。 |
時子 | そう。 |
千夏 | 良かったわ。 特に中盤……湖の場面ね。風景を通して、 登場人物の心の動きが繊細に描写されていて。 |
時子 | ……確かに、あの場面はよく書けていたと思うわ。 主人公の抱く葛藤が、手に取るようにわかって……。 |
千夏 | ふふ。 さすがは心理学専攻ね。 |
時子 | フン。 余計なお世話よ。 |
のあ | …………。 |