『辰韓』という国
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mitsuko_tada 2025年07月01日(火) 04:11:47履歴
【弁辰という国】 
【魏志（三国志）】
魏志で弁辰が書かれている部分は、辰韓と一緒になっている（中国wikiからだが、元の文章は一括で書かれているので、読みにくくなるが句読点を消している）。
なぜ句読点を消すかというと、その句読点の区切り位置によって意味が変わるからである。
辰韓在馬韓之東其耆老傳世自言古之亡人避秦役來適韓國馬韓割其東界地與之有城柵其言語不與馬韓同名國爲邦弓爲弧賊爲寇行酒爲行觴相呼皆爲徒有似秦人非但燕齊之名物也名樂浪人爲阿殘東方人名我爲阿謂樂浪人本其殘餘人今有名之爲秦韓者始有六國稍分爲十二國弁辰亦十二國又有諸小別邑各有渠帥大者名臣智其次有險側次有樊濊次有殺奚次有邑借有已柢國不斯國弁辰彌離彌凍國弁辰接塗國勤耆國難彌離彌凍國弁辰古資彌凍國弁辰古淳是國冉奚國弁辰半路國弁樂奴國軍彌國〈弁軍彌國〉弁辰彌烏邪馬國如湛國弁辰甘路國戶路國州鮮國（馬延國）弁辰狗邪國弁辰走漕馬國弁辰安邪國〈馬延國〉弁辰瀆盧國斯盧國優由國弁辰韓合二十四國大國四五千家小國六七百家總四五萬戶其十二國屬辰王辰王常用馬韓人作之世世相繼。辰王不得自立爲王〈《魏略》曰明其爲流移之人故爲馬韓所制〉土地肥美宜種五穀及稻曉蠶桑作縑布乘駕牛馬嫁娶禮俗男女有別以大鳥羽送死其意欲使死者飛揚《魏略》曰其國作屋�堽潴昃�之有似牢獄也國出鐵韓濊倭皆從取之諸巿買皆用鐵如中國用錢又以供給二郡俗喜歌舞飲酒有瑟其形似築彈之亦有音曲兒生便以石厭其頭欲其褊今辰韓人皆褊頭男女近倭亦文身便步戰兵仗與馬韓同其俗行者相逢皆住讓路弁辰與辰韓雜居亦有城郭衣服居處與辰韓同言語法俗相似祠祭鬼神有異施灶皆在戶西其瀆盧國與倭接界十二國亦有王其人形皆大衣服�論仰国�亦作廣幅細布法俗特嚴峻この中で、辰韓部分と弁辰部分度、共用の部分を分けないといけない。
なぜ句読点を消すかというと、その句読点の区切り位置によって意味が変わるからである。
【辰韓は寒い場所】
また、辰韓の国としてある
- 弁辰彌離彌凍國（弁辰から遠く離れた寒い国）
- 難彌離彌凍國（ますます離れ寒い国）
- 弁辰古資彌凍國（昔の弁辰のような風習の寒い国）
【国の構成】
最初に書かれている部分です。
思うに、馬韓の国名の1つにその回答があるのかもしれません。
「一難國」と名付けられている場所、そこに柵を設けて、西に帰ってこないようにしたのだと思います。この移動はBC109年より後、BC1世紀の時代に行われたものだとは思います。
辰韓人に対して、対外的な評価があり、
正直、辰韓の説明は凄く薄い、噂話レベルのものが多い。
これは、実際に行った者が殆どいなかったのではないだろうか？
辰韓在馬韓之東其耆老傳世自言古之亡人避秦役來適韓國馬韓割其東界地與之有城柵其言語不與馬韓同名國爲邦弓爲弧賊爲寇行酒爲行觴相呼皆爲徒有似秦人非但燕齊之名物也名樂浪人爲阿殘東方人名我爲阿謂樂浪人本其殘餘人今有名之爲秦韓者始有六國稍分爲十二國この部分が辰韓の説明です。
辰韓在馬韓之東其
辰韓は馬韓の東の地にあります。とあり、国の成り立ちとして
耆老傳世自言古之亡人避秦役來適韓國馬韓割其東界地
古老たちは、古代の難民たちが秦の苦役から逃れるために韓（馬韓）に来たと語り継いでいます。とあり、これは遼東地域の歴史とも一致しています（「『新羅』の歴史」でも詳しく説明しています）。ただし、あまり書かれていない、あるいは訳し方で勘違いされているところですが、
耆老傳世自言古之亡人避秦役來適韓國馬韓割其東界地與之有城柵と最後の5文字があります。これは「馬韓は辰韓の民を東に送った後に、城柵を作った」であり、閉じ込めた事を示しています。
思うに、馬韓の国名の1つにその回答があるのかもしれません。
「一難國」と名付けられている場所、そこに柵を設けて、西に帰ってこないようにしたのだと思います。この移動はBC109年より後、BC1世紀の時代に行われたものだとは思います。
其言語不與馬韓同名「言語は馬韓とは違った」とあります。その後に続く暫くは何をどう呼ぶかなのですが、
爲徒有似秦人非但燕齊之名物也名とあり、秦や燕・斉といった中国的な名前や物の名前だったとあります（のわりに、王族に付けている名前が濊貊に近いですが）。魏史（三国志）はAD3世紀の時代であり、『出自』に書いていますが元は「真番旁衆国」、つまり衛氏朝鮮におもねっていた周辺民族であり、BC1世紀になってから南下してきている民族ですので、元から遼東半島南側に定住している雑多な民族とは少し言葉が違ったのでしょう。また、弁辰の中に入った辰韓は「辰韓同言語法俗相似祠祭鬼神有異施」と言語が弁辰の言葉（倭）になっていますので比較もできません。どちらかというと濊貊（高句麗）の影響を受けた言語になっていたのだとは思います。
辰韓人に対して、対外的な評価があり、
樂浪人爲阿殘東方人名我爲阿謂樂浪人本其殘餘人とある。
楽浪人に少し似ており、名前は東夷的で、人間性は扶余に少し似ているぐらいでしょうか？
今有名之爲秦韓者始有六國稍分爲十二國とあり、元は6國だったのが今は12國になっているとあります。
正直、辰韓の説明は凄く薄い、噂話レベルのものが多い。
これは、実際に行った者が殆どいなかったのではないだろうか？
【出自】
『魏志（三国志）』に書いてある。
「辰韓者古之辰国也」なのだが、実はそれより古い歴史書には「辰韓者古之真番旁衆国也」と、「辰國」ではなく「真番旁衆国」とある。
「真番旁衆國」とは「真番郡の周辺部族」という意味であり、「旁衆郡」はBC108年に衛氏朝鮮を滅ぼした漢朝により幽州刺史部（ざっくり言えば遼西・遼東地域）の下に設置された場所である。BC82年には真番郡は廃止されている。位置からすると、
衛氏朝鮮があった場所で余や濊と接していた位置にあるので、辰韓の者は扶余系や濊系だと思われるが、南に逃げて入った馬韓で上手くいかなかったところから濊系民族と考えられる。
「辰韓者古之辰国也」なのだが、実はそれより古い歴史書には「辰韓者古之真番旁衆国也」と、「辰國」ではなく「真番旁衆国」とある。
「真番旁衆國」とは「真番郡の周辺部族」という意味であり、「旁衆郡」はBC108年に衛氏朝鮮を滅ぼした漢朝により幽州刺史部（ざっくり言えば遼西・遼東地域）の下に設置された場所である。BC82年には真番郡は廃止されている。位置からすると、
衛氏朝鮮があった場所で余や濊と接していた位置にあるので、辰韓の者は扶余系や濊系だと思われるが、南に逃げて入った馬韓で上手くいかなかったところから濊系民族と考えられる。
【國の名前】
小国として、
有已柢國不斯國弁辰彌離彌凍國弁辰接塗國勤耆國難彌離彌凍國弁辰古資彌凍國弁辰古淳是國冉奚國弁辰半路國弁樂奴國軍彌國〈弁軍彌國〉弁辰彌烏邪馬國如湛國弁辰甘路國戶路國州鮮國（馬延國）弁辰狗邪國弁辰走漕馬國弁辰安邪國〈馬延國〉弁辰瀆盧國斯盧國優由國
とあります。
このうち、「有已柢國」と判っている国としてあげていて、
大体の位置は図のようになるかと思いまが、この中で大きくなるのは一番北にある「不斯國」です。
これらの国で、
「12國は辰王に属する」だが、この「辰王」について、
『魏志（三国志）』で馬韓の部分に、
「辰韓人は秦人だ」という俗説があるが、それは間違いで、書いてあるのは「秦人であった」と言う意味ではありません（「秦人だった」と説明をしているのを見掛けるが、それは間違い）。
秦の時代、中国東北地方の匈奴の侵攻が珍しくなく、紀元前215年、匈奴は秦軍の攻撃を受け征服され、農業や長城の修築に従事させられている。この苦役は、例えば農民は不満を抱き後に暴動を起こしてい厳しいものであった事を示している。この苦役から逃げたのが部族が辰韓の祖先となるので、秦や燕の周辺国、匈奴などの民族だったかと思われる。辰韓人の人種は濊貊系民族も多いが、これは辰韓に移動してからの可能性も高い。衛氏朝鮮時代に一緒になった扶余系民族だと名乗ったのは、衛氏朝鮮滅亡時に逃亡した先である馬韓（有力部族に扶余系民族がいた）に受け入れられるために謀ったのだろう。
辰韓人の民族自体は、元々は衛氏朝鮮（紀元前194年頃）が周囲の弱小部族を受け入れた際に入って来た部族であり、衛氏朝鮮の滅亡時（紀元前109年頃）には南に逃げ馬韓に入り、更に馬韓により東地にへと移住させられた民族である。
「三韓」とあるが、実はその中身は「中国支配を受けている馬韓と、その馬韓の支配国である辰韓」と「弁辰」になる。
有已柢國不斯國弁辰彌離彌凍國弁辰接塗國勤耆國難彌離彌凍國弁辰古資彌凍國弁辰古淳是國冉奚國弁辰半路國弁樂奴國軍彌國〈弁軍彌國〉弁辰彌烏邪馬國如湛國弁辰甘路國戶路國州鮮國（馬延國）弁辰狗邪國弁辰走漕馬國弁辰安邪國〈馬延國〉弁辰瀆盧國斯盧國優由國
とあります。
このうち、「有已柢國」と判っている国としてあげていて、
不斯國弁辰彌離彌凍國弁辰接塗國勤耆國難彌離彌凍國弁辰古資彌凍國弁辰古淳是國冉奚國弁辰半路國弁樂奴國までは「辰韓」の国で、挙げられているのは単純に北から順番に書いており、
大体の位置は図のようになるかと思いまが、この中で大きくなるのは一番北にある「不斯國」です。
これらの国で、
弁辰韓合二十四國大國四五千家小國六七百家總四五萬戶其十二國屬辰王
弁辰と韓（辰韓）を合わせると24國あり、大きな邑では4〜5千世帯、小さい邑で6〜7百世帯あり、4〜5万戸ある。その内の12國は辰王に属する。とある。ここで「戸」も当時なら古代中国視点なので、平均すると1戸＝5人余程度ですので、20〜30万人の人口が居たとなります。
「12國は辰王に属する」だが、この「辰王」について、
辰王常用馬韓人作之世世相繼辰王不得自立爲王〈《魏略》曰明其爲流移之人故爲馬韓所制〉
辰王は常に馬韓から出ており、辰王は王とはなれない（魏略で、彼らは彼らは明らかに移住者であり、馬韓の支配下にある）とあり、「12國は辰王に属する」にある12國とは、漢が馬韓から朝鮮東海岸の方へと移住させた辰韓全体の事を指しているのが分かる。
『魏志（三国志）』で馬韓の部分に、
辰韓在馬韓之東其耆老傳世自言古之亡人避秦役來適韓國馬韓割其東界地與之
辰韓は馬韓の東に位置していた。長老たちは、昔、秦の苦役から逃げて韓に逃げ、馬韓に東の地を譲られたと言い伝えを伝えている。と書かれている。
「辰韓人は秦人だ」という俗説があるが、それは間違いで、書いてあるのは「秦人であった」と言う意味ではありません（「秦人だった」と説明をしているのを見掛けるが、それは間違い）。
秦の時代、中国東北地方の匈奴の侵攻が珍しくなく、紀元前215年、匈奴は秦軍の攻撃を受け征服され、農業や長城の修築に従事させられている。この苦役は、例えば農民は不満を抱き後に暴動を起こしてい厳しいものであった事を示している。この苦役から逃げたのが部族が辰韓の祖先となるので、秦や燕の周辺国、匈奴などの民族だったかと思われる。辰韓人の人種は濊貊系民族も多いが、これは辰韓に移動してからの可能性も高い。衛氏朝鮮時代に一緒になった扶余系民族だと名乗ったのは、衛氏朝鮮滅亡時に逃亡した先である馬韓（有力部族に扶余系民族がいた）に受け入れられるために謀ったのだろう。
辰韓人の民族自体は、元々は衛氏朝鮮（紀元前194年頃）が周囲の弱小部族を受け入れた際に入って来た部族であり、衛氏朝鮮の滅亡時（紀元前109年頃）には南に逃げ馬韓に入り、更に馬韓により東地にへと移住させられた民族である。
「三韓」とあるが、実はその中身は「中国支配を受けている馬韓と、その馬韓の支配国である辰韓」と「弁辰」になる。
【その他】
鉄も産出しています。
これですが『後漢書』には、
実は、辰韓も鉄が豊富に採取できる場所（「北朝鮮の朝鮮咸鏡北道富寧の南東にある抄河洞の輪域川の河原で、極めて原始的な製鉄現場が確認された。その方法は、河原に乾いた砂鉄を60�兩僂漾△修両紊紡舂未凌鼎鮠茲察�一夜燃やし続けて翌日に鉄塊を拾い集める方法でも鉄は産出しています」という記事がある。明治42年なので1909年の事であり、この位置は、朝鮮東海岸にある「辰韓」の『新盧国』と推定した場所から川沿いを30kmほど北上する場所である）ので、この採取した鉄を馬韓や濊に売っていたのだと思われます。
古来の採取方法まで判っているのである。
國出鐵韓濊倭皆從取之諸巿買皆用鐵如中國用錢又以供給二郡
国は鉄を産出し、韓・濊・倭は皆鉄を輸入しています。中国が貨幣を用いるように、売買に鉄貨を使っています。そして2郡（この時代なので、帯方郡と楽方郡と思われる）にも供給しています。とあります。日本が朝鮮半島から鉄を輸入していたのは知られた話であり、倭には伽耶地方から産出する鉄が流通していたのは判っていますので、これを指していると考えられますが、「濊」は間に辰韓があり遠いです。
これですが『後漢書』には、
國出鐵濊倭馬韓并从市之凡諸貿易皆以鐵為貨とあり、「韓」とは「馬韓」の事だと判り、「鉄を求めてやってくる」とあります。
実は、辰韓も鉄が豊富に採取できる場所（「北朝鮮の朝鮮咸鏡北道富寧の南東にある抄河洞の輪域川の河原で、極めて原始的な製鉄現場が確認された。その方法は、河原に乾いた砂鉄を60�兩僂漾△修両紊紡舂未凌鼎鮠茲察�一夜燃やし続けて翌日に鉄塊を拾い集める方法でも鉄は産出しています」という記事がある。明治42年なので1909年の事であり、この位置は、朝鮮東海岸にある「辰韓」の『新盧国』と推定した場所から川沿いを30kmほど北上する場所である）ので、この採取した鉄を馬韓や濊に売っていたのだと思われます。
古来の採取方法まで判っているのである。
