ソルロンタン

【ソルロンタン】

牛の肉・骨を長時間煮込んで作る乳白色のシンプルなスープ料理。似た料理としてコムタンがあり、両者とも長時間かけて煮出したスープではあるが、コムタンと比べ骨が多く入っており、骨髄まで煮出され白濁しているのが特徴の料理ですが……。

【ソルロンタン】

【Wikipediaの記載】

Wikipediaでは『ソルロンタン』の歴史が書かれている。

諸説あるが、よく知られているのは、朝鮮王朝時代に農事に関する祭祀が執り行われた先農壇（現在のソウル特別市東大門区祭基洞）で、祭祀の後に人々にふるまわれていた料理だったという説。「先農壇」のスープなので「先農湯（ソンノンタン）」だったのが「ソルロンタン」になった、などといわれている。また、雪のように白く濃いスープという意味の「雪濃湯」が由来という説もあり、「ソンロンタン」「ソーロンタン」とも呼ばれている。また、13世紀に高麗王朝がモンゴル帝国の統治を受けた折に伝わったモンゴル料理のひとつ、との説などもある。

だが、この殆どは嘘である。
特に韓国では広く知られている『「先農湯（ソンノンタン）」だったのが「ソルロンタン」になった』説は、は1940年に洪善杓が出版した「朝鮮料理学」という本に出てくるだけで、朝鮮時代の文献にその様な記載はない。

近年の韓国に多い、無理矢理に昔にあったとする説は、ほぼ全てが捏造創作された説ですね。

【日本統治～韓国時代の牛肉食】

朝鮮半島の畜産にも記載しているが。
1985年の鶏肉量を1とした場合で比較をしますが、分かりやすくするために10年毎のみをピックアップします。

すると、分かりやすく。
また、実際の屠畜数も記録に残っているので、そこから肉量を計算すると下図になる。

人口が大きく違いますが、それでも1人当たりの肉食量を比較すると大韓帝国時代での肉食は1985年時点の1/5～1/10程度です。
すなわち、「朝鮮人はあまり肉を食べていなかった」と言う事です（たぶんだが、元時代の後の高麗時代から朝鮮時代初期は、モンゴルの影響で肉食もそれなりにあったのが、土地の荒廃や隔絶した身分制度というか社会制度の腐敗で衰退していったのだとは思う）。それも、肉食量が増えているのは、開国後であり。さらに牛肉食が増えるのは1895年以降。畜産を大きくできない領土荒廃もあるし、官吏の不正腐敗も大きかったようで、畜産数を増やすのは日本統治下で行われた政策によるものです（逆に大韓帝国や朝鮮時代では畜産は政策としてほとんどされておらず、放し飼いをしている程度だったようですね）。

統治時代の畜産と韓国時代の畜産

畜産量を朝鮮総督府は確実に上昇していき根付かせる事に成功（人口の増加率より畜産増加率の方が増加率が高い）し、また肉料理について朝鮮時代からの料理ではなく、日本からの料理で醤油焼や味噌焼き（まさに日本の手法）などが1940年頃には定着しているのが確認できます。

しかし、戦後は管理する者が居なくなり、その後に韓国になり畜産業が壊滅的に崩壊した事が分かります。
この時期の韓国は、畜産農業に対する施行がほとんどされていません。
その中から、牛についてのみを記載すると以下になる。

朝鮮半島の牛肉食文化を壊したのも、日本統治時代ではなく戦後の韓国、李承晩政権である。

【韓国の牛肉食の推移】

韓牛に関しては、結局、日本統治時代の韓牛畜産量に戻るのは1982～3年ぐらいまで掛かっている。

1970年でも殆ど牛肉を食べていなかった。
さらに牛畜産量が低く畜産業がほぼ壊滅していた1945～1950年では「牛肉を食べる事が壊滅的にない」状態です(2015年の1/10以下）。
そこから1970年になると少しだけ食べられますが、この時点で25年経過しています。その後、輸入牛肉が入ってくる事により、牛肉も食べられるようになっていきます。
頭数データは朝鮮総督府のデータもあるので、それも併せて10年毎のデータで比較すると以下になる。

――大韓帝国時代や韓国の李承晩政権下では『ソルロンタン』のような料理が存在できない時代です。
また「朝鮮半島の牛を奪っていた」というのは統治時代の日本ではなく、大韓帝国時代や韓国の李承晩政権下だということです。逆に日本統治時代は「畜産を推奨し補助金まで出して、朝鮮半島に牛を与えていた」時代になります。

【ソルロンタン】

『ソルロンタン』は、朝鮮時代や高麗時代からのものではありません。
1895年以降にできている、大韓帝国時代に出来た「新しい料理」です。

1970年代以降で韓国経済が成長期を迎えると、国民の所得水準が向上し、牛肉の消費量も徐々に回復します。それに伴い、ソルロンタンのような牛肉を使った料理が復古的に生み出されたものです。

【日本統治時代より前の肉食】

1885年あたりではロシアの参謀本部が発刊したウェーベリ中佐の『1889年夏の朝鮮旅行』に記録があり、牛肉はほとんど食べられて無かった事が書かれている。こんな状況でソルロンタンのような料理は無理でしょう。
ところが、大韓帝国になると西洋の影響を受けたのか牛肉食が出てきて、それから20年後になると牛肉食の文化が出来ているのだが、1906年の大韓帝国時代の料理として1925年発刊の村田懋麿『朝鮮の生活と文化』に、両班がまだいた時代（大韓帝国：1906～1909年の記録）の食文化が載っているが、ここにもソルロンタンのような料理はのっていないが、これは両班の家の食事だからのようで。1906年発刊『最近朝鮮事情』には、牛の頭を丸ごと煮る料理があると載っているし、1892年の『朝鮮國眞景』にも「道端の店で牛の頭を切り取ったものの皮をはいで塩で煮、その汁で野菜などを煮ている料理」を見た事が書かれています（「쇠먹리（soemeogli）」の事だと思う）が、少し料理が違うのですよね。

【ソルロンタン】

1934年の安倍能成の随筆『或る日の晩餐』にあり、「鐘路から横に折れた貫徹洞という町の、優美館という活動小屋の向こうの貨泉屋という家の雪濃湯（ソルランタン）は、京城でも有名だということである。先ず店へ入ると、そこに風呂桶位の鉄釜がぐらぐらと白い液を煮立たして居る。その中に牛の頭の毛皮の残ったままのが浮かんで居るグロテスクな光景が日本人を一番驚かすのであるが、その時は牛の頭は煮出されてふやけ且しなびた姿でその脇に置かれて居た。」とある。
牛を丸ごと煮込んでスープとする料理で『골･탕（骨髄は現代ハングルでは『골수』だが、1920年頃は『골』と書く）と』いうのはあったようです（元々は中国にそういうスープがあるので）。この事から、1895年以降の間に出てきた料理のようですね。また、『ソルロンタン（설렁탕/seolleongtang）』を「雪農湯』というのは後付けでしょう。『설』は元は『屑』、つまり『설골･탕（seolgoltang）』と「屠畜場の余り屑で作ったスープ」というのか、「쇠먹리･탕（soemeoglitang）」と「牛の頭を煮込んだスープ」というのが元なのでしょうね（安倍能成の食べた雪濃湯は、牛の頭が皮ごと煮られていただけでなく内臓なども煮込んでいたので、前者の可能性の方が高い）。
「牛の雑肉を煮たるもの」という語彙で『잡치래（jabchilae）』という料理は存在する。

ですが、それ以前では出てこないですし、そもそも19世紀中頃以前では牛は屠畜も政府の許可制で数量制限がありますし、牛は耕産牛のために消費が難しく、牛肉もロシア人はほとんど無かった事を記録しています。何より、禿山が多く、料理に藁や草を使っていたような状況で、長時間煮る必要がある料理が出来るような事は大変に限られていたでしょうね。
参鶏湯やキムチと同じで、新しい料理名を付ければいいのに。

【その他の料理】

『コムタン』なども新しい料理ですね。

【先農檀】

日本でも天皇陛下が苗を植える儀式をする事があるが、それと同じようなものである。
『先農祭享と親耕は、朝鮮時代の最後の皇帝である純宗・隆熙3年（1909年）まで継がれてきたが、1910年韓日合邦以後、日本政府の民族文化抹殺政策により中断された。』と書いてあるものも見掛けたが、これは嘘がある。1つは。継がれていたわけではなく、途中で朝鮮王は儀式をやめた時期があり、1908年に復古したものであるということだ。もう1つは、『民族文化抹殺政策』などされておらず、単純に王族儀式だったので終わっただけということである（日本統治下でも李王族には大金の維持費が出ていたので、その中でやるのであれば問題なかったのだが、やらなかったのは朝鮮王族の判断である）。李太王の時代に廃止されているが、地方地主や有志が檀を移し、立春堂として官府の手を離れて行われていた儀式になったが、純宗が1908年に復古させたものである。
この儀式について、朝鮮総督府はきちんと記録を残している（写真付きで）。
この先農檀は政府管理地であり、朝鮮総督府がそれを引き継いだが、朝鮮人の意見から朝鮮人の民間に管理を渡すと芝生を植え公園にしてしまった（つまり、先農檀の形を無くしたのは朝鮮人自身である）。国家の祭祀に属しており管理も元は政府管理ではなかったのだが、大韓帝国時代の1899年に宮内庁管理にしており、1908年（純宗が儀式を復古した年）から国有地に編入し始めたものである。
これら、朝鮮総督府が残している先農檀についての記録を見ると、振る舞い酒は出されたようだが、「祭祀の後に人々にふるまわれていた料理」のようなものが出ていた記録はない。あるとしたら、李太王の時代に廃止され、地方地主や有志が檀を移し立春堂として官府の手を離れて行われていた民間儀式（つまり1895年以降から始まった新しい儀式）でだろうが、そちらの記録はまだ見つけていない。ただ――儀式から分かるように、これは春に行われるものである。冬で燃えるもの（当時だと多かったのは藁や枯草。木々は貴重なものとなっていた）を多く使った後の儀式なので、まぁ、火を長時間使う必要がある料理は難しいだろうとは思う。また、農作の儀式であり、今から農作業をする時期でこれから牛が耕作に必要になるという時期に、牛を屠畜するような儀式というのもおかしいだろう（するなら、農作業後の秋や冬前などで、無駄な牛を処理して冬に備える時期とかでしょうね）。

基本的に、日本統治下で民族儀式自体は禁止していない。ただし、頻度などはきちん定められている。また、大韓帝国時代に廃止を宣言した儀式については、それを配慮し継いで廃止している。つまり、「日本政府の民族文化抹殺政策により中断された」わけではない（そもそもが日本政府は「民族文化抹殺政策」などしておらず、朝鮮人が民族文化をきちんと記録として残していないので、朝鮮総督府は率先して朝鮮の民族文化の記録を残している）。
朝鮮での宗教関連だと以下がある。

のように、朝鮮総督府はきちんと調査した上で整理し、朝鮮文化を残している。
これらから分かるが、朝鮮の民族文化を無くそうとしていたのは朝鮮人（今も変わりませんね。新しいものばかりに目をやり、伝統文化は目を向けず損なおうとするのは）で、日本は民族文化は大事だと残そうとしていたのである。例えば今のソウルにある寺院だと、『奉恩寺』は1941年から1942年にかけて再建したものですし、『曹渓寺』の創建は日本統治時代の1938年ですね。また、韓国の説明だと朝鮮時代に移築したや修繕したなどの記載があると言うが、ほとんどが嘘である。朝鮮時代、僧は最下級層に堕とされ婚姻も許されず、さらに京城への立ち入りを禁止されていたのですから。後期には京城に入る事は許されましたが、経文を読む事は禁じられています。地方で残った寺院がありましたが、その僧も罪人や妾子、貧困者などが多かったとあります。

他にも、

のように朝鮮文化をきちんと整理し残しているのは、朝鮮ではなく日本なのである。
他にも沢山あるので、興味があれば朝鮮総督府及所属官署主要刊行図書目録で、どのような調査報告があるかを見てみるといい。