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『トンカス』という料理

『トンカス』は、名称自体は日本の『トンカツ』から来ている。
しかし、料理自体は日本の洋食屋のメニューである『ポークカツレツ』から来ており、料理は模倣から外れていないので独自性がほとんどない。

【トンカスのルーツ】

この『ポークカツレツ』は、閉店してしまったがソウル駅に統治時代からある日本の洋食屋『グリル』で出されていたものであり、『トンカス』はその模倣である。
洋食屋『グリル』では料理名はきちんと「ポークカツレツ」とあるが、韓国ではそれをトンカツから名前をパクリ「トンカス」として出している。
日本の洋食屋からの模倣なので、肉を叩き薄くし、衣を付けて揚げてあり、掛けるのがデミグラスソースであり、白飯が付いていて、サラダが付いており、ポタージュスープが付いている訳だ。『トンカス』は豚肉が国内生産できるようになり安価で安く安定して流通するようになった1980年代から出て来たものである。
【トンカスの独自性】
料理の下処理や調理方法など自体にはほぼ独自性がないので、模倣料理としかなっていない。
独自性と言える部分だと1998年頃から出て来た、コチュジャンベースのソースだろうか(ただ、それも名古屋のミソカツの模倣だと思われる)。
料理自体は発展どころか劣化しており、場末の安い洋食屋のポークカツレツのようになってしまったが。
【現在の韓国】
トンカスの料理としての質の低下があり、日本の『トンカツ』式が人気が出てきている。
だが、韓国では日本の『トンカツ』は韓国の『トンカス』と、元々からして違う料理だと気付いていない。
(ルーツとして両方『ポークカツレツ』があるが)。

【日本のトンカツ】

コートレットはトンカツのルーツとして存在しているのは知られている。
日本では、、コートレットは「コートレット」という料理名できちんと洋食として存在する。
では、これがどうトンカツになったかというと……。
【カツレツ】
正当なコートレットの日本アレンジ形で、元々コートレットは仔牛肉をスライスしたものに細かいパン粉をつけてフライパンなどで炒め焼きする料理であったが、日本では鶏肉や牛肉など他の素材を使って見よう見まねでコートレットを模倣するうち、粒の大きなパン粉を使う、天ぷらと同様に多量の油で揚げるといった改良がほどこされ、「カツレツ」が成立した。
コートレットは元々は牛肉だが、日本では牛肉よりも豚肉が好まれ、豚肉の場合は『ポーク(豚)カツレツ』という名前になる。
このポークカツレツが、韓国のトンカスのルーツになる。

ちなみに、朝鮮で初めて出たのも分かっている。
カツレツが朝鮮半島に初めて登場した時は1883年陰暦7月23日.現在のソウル憲法裁判所の場所にあった統理機務衙門で朝日修好條規締結を記念するパーティーが開かれた。統理機務衙門は今の外交通商部に該当する部署であり当時西洋人を接待するために雇用した日本人コック長が作ったメニューがカツレツ。その後、日本人が今のソウル明洞と忠武路一帯を日本人居住区として占めて、ポークカツレツも彼らが運営した和洋飲食店で販売された。

日本の古き良き洋食屋さんのカツレツ(日本橋で1963年創業の「レストラン桂」)。Bセットだとポタージュスープが付きます。
この洋食屋さんの見た目にも美味しそうなカツレツが、韓国ではなんか劣化しているのですね。
  • デミグラスソースが掛かった衣を付けて揚げた豚肉
  • 白飯
  • サラダ
  • ポタージュスープ
など、要素だけは一緒ですが。ソウル市中区南倉洞「南一食堂」のトンカスを写真で見ても、デミグラスソース掛け過ぎ(衣の良さが無くなっているし、日本だと明治時代にあるような衣を付けておりクリスピーさに疑問がある)、米少なすぎ、サラダにマヨネーズ多すぎ。ところでなんで沢庵も付けてるの?と、ツッコミどころ満載です。
【トンカツ】
トンカツはカツレツをさらに日本風に変化させた料理で、こちらは、薄切りをやめて厚切りの豚肉を使うなどしてカツレツをより日本人好みに改良した料理が豚カツである。たっぷりとした油で揚げる天婦羅の手法が取り入れられて出来ている。また下処理方法やパン粉の大きさなども違い、カツレツとは別の料理である。
「牛カツ」というと、トンカツの肉が牛肉になったバージョンなので、カツレツとはまた違う。
豚肉の品種改良もあり、そして調理の材料や下処理方法、調理方法などが研鑽され変化していき、今のトンカツがある。ソースも様々に試行錯誤されてきている。

ちなみに、韓国のwikiでは出鱈目ばかりが書かれている。
【トンカツのアレンジ料理】
かつ丼は、洋食屋ではなく蕎麦屋で誕生した物。これは人気あるトンカツをなんとか取り入れようとして、丼ものとして取り入れた物で明治時代。
この食べ方も変化し、各地でアレンジ料理ができます。
さらに1930年に芸者さんが食べる料理としてカツサンドができます。
【トンカツの歴史】
これらを見ると、日本は料理をきちんと細分化している。
『コートレット』
 └『カツレツ』
   └『ポークカツレツ』
      └『トンカツ』
        │├『牛カツ』
        │└『チキンカツ』
        ├『かつ丼』
        │ └『ソースかつ丼』
        └『カツサンド』
などなどで、さらに地方の特色でさらに細分化される。
どれも言えば「肉を揚げた料理(揚げ物)」なのですが、どれも違う味になっているわけである。

こういう料理の歴史も、日本では色々残っています。
西洋の料理も、それをどう料理したのか、どうアレンジしたのかなどが明治時代の資料にも結構残っています。
【他のフライ料理】
パン粉をまぶして熱を通す西洋料理が日本に持ち込まれる。これに、天ぷらで培った日本のディープ・ファット・フライングの技術が合わさり、パン粉を衣にして大量の油で揚げる日本のフライ調理という分野が出来る。コートレットはカツレツ、クロケットはコロッケと日本独自の料理となっていったが、アジやカキ、ハムなど様々な物を独自にフライにしだして「揚げ物」が様々に出来上がる。

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