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海苔編集する

最終更新： mitsuko_tada mitsuko_tada 2025年03月04日(火) 02:14:25履歴

【海苔】

『海苔』は韓国では「黒い半導体」とも呼ばれていますが、実は「海苔」産業自体が日本統治時代に確立されたものです。
それまでも海苔は食べていましたし、原始的な養殖もありましたが、大きな産業と言えるものではありませんでした。

【海苔の存在】

朝鮮半島で海苔を食べられてなかったか？
――というと、そうではなく食べられていました。ただし、食べ方が今とは違うます。当時は岩海苔の採取などで食べられる高級品であり、李氏朝鮮時代の食べ方も変化があります。
【朝鮮時代の海苔の名称】
朝鮮時代では『海苔』は幾つか呼び方があり、『海衣』や『紫菜』が一般的です。
史料を見ると、前期は『紫菜』が多く、後期は『海衣』という表記が多くなっています。

世宗は教育を行いますし、経典などをハングル書きにしたものなども出されます（ただし、本来の仏教経典が持つ意味が失われているというので中途半端にですが）。その後、すぐに政権批判の張り紙が出てきたので教育は禁止されます。李氏朝鮮時代ではハングルの教育を禁止されましたが、漢字ではない簡易な文字なので、私文では使われ続けますが、度々、言語弾圧がありハングルに使用は何度も厳しく取り締まりがあった事も史料に記録されています。正式な教育として出てくるのは、実は大韓帝国時代に国漢文混用（漢字ハングル混用文）を国文としましたが、きちんと文法などを考えるなどを公的にされておらず、保護国として伊藤博文が朝鮮監督府のTOPとして就任するとこの事実を知り、「貴方たちは何をしていたのか？」と叱った上で、1907年に国語研究所（朝鮮語構文やハングルをその表音的な文字を残しつつより覚えやすい形に整理・整備を研究する場所）を作り、ここで初めて朝鮮独自の構文を真剣にん考える場が出来ます。その後、日韓併合で朝鮮総督府が1911年に『朝鮮教育令』、1912年に『普通学校用諺文綴字法』を発布しますが、これが、世宗後においては国としてハングル構文を正式に発布したものととなります。

そのような中で16世紀に『訓蒙字会』という漢字をどう発音するかハングルとの対比を記した書物が作られています。
これは両班の子息の初級教育で使われます。ただし李氏朝鮮時代が終わるまで、正式な文字は中国語漢字であり、公式な文書は全て中国語漢字で、ハングルは変わらず下賤な言葉として地位が低い文字の扱いであり、また教育は奴婢や女性は受ける事ができず、庶民でも官僚の補助をする極一部の者が受ける機会が持てただけです（彼らは中国語を正式な文字としており、公的な文書や、それらの説明は中国語で書き発音しなくてはならない立場ですからね）。
この「訓蒙字会」に『海苔』どう表記し、それに対する発音としてハングルも書かれています。
この書籍で海苔指す表記は『紫菜』で、読み方はのハングル表記は「자채」とされており、発音は「jachae（ジャチェ）」と発音すると推測されます。これは『訓蒙字会』以外にも『東国正韻』にもあるようです。

他に海苔を指す言葉に『海衣』も使われており、こちらは「haeui（ヘイ）」と読みます。
また、丁若�匹� 『経世遺表（1817年）』で、
通称はヘテ（海衣）と呼んで方言は진（眹）だと呼ぶ。青苔もあるがたいてい類似したもので5〜6種もある
と書いている。
「진」は「jin」、「眹」は「zhèn」という発音になります。
字ズラから見て、『紫菜』のハングル表記「자채」の最初の1字、「紫」を指す「자」に発音を付けた「진」を初めは「zhèn」と呼んでおり、当て字として「眹」としていたが、これが次第に「jin」という発音に変わってきたのでしょう。

その他、「gim（ギム）」を海苔全般を指して言います（現代の韓国で海苔を指す「김」は、実は日本が整理した後にできた文字です）。
海苔全般を指す「gim（ギム）」（粉海苔だけを指す言葉もある）は、『訓民正音』颁布初期には「ㄱㅣㅁ (ギイム/たぶんだが、当時の発音だとグｩｨム)」を用いられてますが、ハングル学習を禁止されている15世紀後半から19世紀末まで広く用いられていたのは「ᄫㅣᇕ」という表記になります。
「ᄫ」は契丹小字から来ており元の発音「wai」なので、「ᄫㅣᇕ」の元の発音は「グｩｧｨム」のような発音だったのではないでしょうかね。
【朝鮮時代の海苔の食べ方】
朝鮮の史料に書かれているないようであれば、時代と身分で食べ方が変わってきます。
李氏朝鮮初期
海苔は貴重品であり王族や貴族のみが利用でき、粉海苔が主流。
李氏朝鮮中期
養殖技術の発展により、海苔が庶民にも普及し、バラ海苔が広く利用されるようになる。
李氏朝鮮後期
海苔の生産量が増加し、様々な料理に使用される。高級料理には粉海苔、庶民料理にはバラ海苔という使い分けが定着する。
と言う具合になります。身分階層による違いがあり、
王族・貴族（特権的な両班）
高級食材として粉海苔を珍重。宴席や儀式で海苔料理を供する。
両班（中期以降に現れる身分としてだけの両班）や中人
粉海苔とバラ海苔を日常的に使用。薬用や化粧品にも海苔を利用。
常民（農民）
バラ海苔を主食のお供や料理の具材として利用。海苔は貴重な食料資源。
となります。
ここで出てくる『海苔』は「粉海苔」と「バラ海苔」と出てきますが、『粉海苔』は緑藻類のアオサみたいなパラパラな海苔です。摘まんで振り掛けたり、料理にまぶしたりして食べます。それに対して『バラ海苔』は、紅藻類の海藻みたいで、海苔の葉をそのまま生や乾燥させて食べる方法です。『板海苔』とは別の食べ方ですね。
【具体的な食べ方】
李氏朝鮮時代の「Gim（ギム）」の食べ方はどんなものがあったか？正確なものは分からない（日本の料理歴史の様に、料理の仕方までは記録されていない）のですが、予想はされています（ただし、どう考えても当時の李氏朝鮮では無理だろう、という料理もあり。改竄や捏造されている記載も色々あるようです）。

李氏朝鮮時代における「ギム」の種類と用途は、
粉ギム
乾燥させた海苔を粉砕したもの。高級料理や薬用、化粧品などに使用されていました。
バラギム
海苔をそのまま使用したもの。庶民の食卓でご飯のお供や料理の具材として利用されていました。
粉海苔は、主に宮廷料理や高級料理に使用されており。醤（ジャン）やスープの風味付け、薬用、化粧品、筆墨の墨汁などに使われ、製法として海苔を乾燥させて粉砕し、篩にかけて細かい粉状にします。

バラ海苔は、主に庶民の食卓で利用されており、ご飯のお供、肴、野菜炒め、スープに使われています。
どのような海苔でどういう料理かは、青海苔を見てみるといいかもしれません。
製法としては海苔を乾燥させてそのまま使用や、乾燥した海苔を砕いて、あるいは海苔の葉をそのまま焼いて切って使ったりしています。この焼き海苔の登場もあるのですが、この『焼き海苔』は18世紀頃に朝鮮半島で初めて作られているようで、当時は高級品であり一般庶民には手が届かないものだと記録があります（すなわち、その頃にはまだ養殖がなかったということです）。
【朝鮮での海苔食の歴史】
朝鮮半島で海苔を食べられていた記録で一番古いのは、高麗時代の高麗史 (1217年) や三國史記 (1145年) の記載です。

でも日本は、
・海苔が文献で出てくるのは奈良時代『万葉集』（8世紀）「海苔は、海藻の一種なり。味甘く、寒に食す」
というのもあるように、日本では古くから食されていた食材であり、文字として初めて登場したのは奈良時代に編纂された「常陸風土記」です。701年には日本で最初の成文憲法である「大宝律令」の賦役令では、大和朝廷への税金の一つとして「紫菜（むらさきのり）」が他の海藻類とともに登場します。約30種類もの海産物が挙げられている中でも海苔は高級品とされています。
と、日本では歴史がさらに古く、また歴史に連続性があるのですね。
ちなみに文献でなく遺物なら弥生時代中期（約2300年前）に既にあります。

この高麗時代は、日本から色々な物や技術を取り入れていた時代で、例えば扇子や漢字訓読などもあります。この時代に海苔がやってきた可能性が高そうですね。
【中国ではどうか？】
海苔自体は中国ではもっと昔から食べられているのが分かっています。
朝鮮半島でも日本統治以前では『紫菜』や『海衣（ヘイ）』と漢字で書かれており、またハングルでも文字があります。

しかし、中国で板海苔が現れるのは朝鮮半島よりもさらに新しく「戦後、日本から中国へ板海苔の製造技術が伝わり、中国各地で板海苔の生産が開始された」ものです。しかし、当時の中国では板海苔の需要が低く、普及には至らなかったもので、近年の日本食ブームが現れるまでは板海苔はなく、やはり「海苔粉」としての使い方です。

【朝鮮の海苔養殖の口伝】

今の韓国で流れる俗説と、資料に残っている口伝はまるで違います。
また、資料に記載が少しあるものもあるのですが、それらは今の韓国では無視していますね。
【韓国にある俗説】
李氏朝鮮中期に「養殖技術の発展」とあり、これは「キム・ヨイクが1640年頃に海苔養殖技術を作った」があると韓国人はいい、これは『光陽誌』(1798年)に初めて出てくるものです（最近はもっと古くなり16世紀にとなってますね。不思議ですね、記録にない口伝なのになぜか記録がどんどん古くなっています）。また、『朝鮮王朝実録』(1865年)にも記載されていますが、これは『光陽誌』を見て加えられたと考えられます――が、この『光陽誌』『朝鮮王朝実録』は改竄が多いもので、真実が塗り潰されているというのでも悪名が有名な歴史書です。

「韓国の養殖技術」についての文献は、信頼できるというわけではなく、特に、キム・ヨイクが海苔養殖を始めた時期や方法に関する記述は、文献によって異なっています。キム・ヨイクの実在性を示す証拠はなく、どれも後年に書かれたものや作られたものになります。
・光陽市にあるキム・ヨイクを祀る祠は1963年に建立されたものです。
・光陽市がキム・ヨイクを名誉市民に選定したのは、1995年。
・キム・ヨイクに関する書籍や論文は、21世紀に出版されたものがほとんどです。
・光陽市の地方史に「海苔養殖の歴史」は載っているが、これは19世紀の内容で16世紀や17世紀と古い内容ではない。
『キム・ヨイク』という人物が実在した人物である可能性は否定できませんが、確実な存在したという証拠もありません。
【朝鮮での養殖の記録】
これとは別の記録で確実なものが残っています（何故なら、日本側にも記録が残っているからです）。
信用できる文献として、 『燕行日記』(18世紀)があります。これは、朝鮮王朝時代の官僚が地方視察を行った際に記した記録でして、太仁島の海苔養殖の様子が記されています。これらの文献によると、太仁島では18世紀頃から海苔養殖が行われていたことがわかります。当時の朝鮮王朝では、海苔が貴重な食料資源として重宝されていました。
朝鮮通信使は日本の文化や技術を積極的に学び、1764年以降の朝鮮王朝の実録には、海苔養殖に関する記述が急に増えます。

1764年に来日した朝鮮通信使の記録には海苔養殖の様子が詳細に記されており、別の朝鮮の使者が海苔養殖に関する技術書を日本から持ち帰っているという記録が残っています。この後から、海苔養殖が活発になっているのです。朝鮮の文献で海苔養殖について書かれているのは、これが最初になる。
・1675年頃に品川で「ノリヒビ」が建てられ、東京で海苔養殖が行われる
↓
・1764年の朝鮮通信使の記録に海苔養殖の様子が詳細に記載
↓
・日本から海苔養殖に関する技術書を持ち帰る
↓
・1798年の『光陽誌』に「キム・ヨイクが海苔養殖技術を作った」記載が初めて出てくる
と、見事に時系列が並ぶんですよね。また、「百数十年前に」という口伝もある（「二百年以上前」という口伝もある）ので、時代的にもあっていますし、光陽市史とも合致するわけです。
ですが、この時点でも「板海苔」の存在は朝鮮半島では出てきません。
また、18世紀までの養殖は一本ヒビだったことも記載されています。

まぁ、「1798年の『光陽誌』に「キム・ヨイクが海苔養殖技術を作った」記載が初めて出てくる」も捏造改竄された可能性が高いものですね。
【朝鮮の海苔養殖の口伝】
朝鮮時代の養殖などについては1908年（隆煕2年）に製本された『韓国水産誌』に少し書かれている。
確かな資料はなにもないのだが口伝として残っていて、
「朝鮮の海苔養殖は200年前ほど前からあるようだが、老婆が海苔を採っていると木片を見つけ、それに海苔が付着したのを見つけた。それで竹を沈めて海苔採取を行った」
という話で、キム・ヨイクは出てこない（もう1つ言えば、この内容は日本でスダレヒビが作られた話とそっくりなのですよね。日本では口伝だけでなく、広島で使われ始めた事も書物に残っていますが）。この竹を鎮める方法は、富士川きよし氏が作り上げた浮きヒビ養殖法のヒントになった朝鮮在来のスダレヒビの原型とも言えるものです（海苔の養殖については『宮城県の伝統的漁具漁法�� 養殖偏（海苔）』も参照）。

また、最初は乾燥させるだけだったが、藁簀（わらす）で漉製するようになったとあります（藁の上に敷いて不純物を流そうとしたという事でしょうね。「朝鮮在来の製品は極めて粗悪だった」と不純物が多いという記載が別の記録にあります）。板海苔を作る抄造法とはまるで別ですが、平べったい形の海苔の塊は作られていたようです。
これが。統治前に既に進出していた日本人の指導で1908年の時点では日本人が来て日本式の抄造法の作り方を教えたのを真似ようとし始めていたようです、が。その品質はまだまだだったようです。

最初の「最初は乾燥させるだけだった」というのは、そのまま干すだけのバラ海苔のようなものだったのでしょう。これがが「藁簀（わらす）で漉製するようになった」というのは、不純物が多かったようですが形状としては海苔をそのまま干したハバノリ（URL先にあるような形状）だったのではないかと思います（ハバノリも朝鮮半島に自生している）。これを焼いたり、手で砕いて利用します。
【日本統治下での養殖推進】
日本が併合した明治43年（1910年）の前後頃から、日本式の養殖が導入されている。
また、昭和3年頃には、当時の朝鮮総督府水産試験場主任技師「富士川きよし」と全羅南道水試技師「金子政之助氏」が浮きヒビ養殖法を開発して生産量を飛躍的に伸ばした（この養殖法は日本に逆輸入されている）。また、海苔や海苔網の冷凍保存技術も技師・倉掛武雄氏らとともに開発された。ちなみに、富士川きよしは終戦後も昭和28年まで、駐留米軍の要請で韓国に残り海苔養殖の指導を行い帰国するが、広島大学教授として後進の指導に当たった。その後、福岡県に招聘され、福岡県水試有明海水産試験場の設立に努力し、有明海の海苔養殖の基礎を築いた。その愛弟子が、後年の有明海水産試験場場長の藤田孟男である。

ちなみに、韓国では「日本統治時代以降、日本品種が大量に流通し、韓国の品種の朝鮮海苔がほとんど見られなくなった」とあるが、毎度ながら韓国の嘘である。
当時の養殖は自然状態を利用した養殖であり、今の海苔養殖の基本である人工採苗は、戦後に出来上がったものだからである。つまり、在来種の掛け合わせによる品種改良は出来るが、外来種の苗を持ってきて養殖は戦前では困難だからだ。「韓国の品種の朝鮮海苔がほとんど見られなくなった」というならば、戦後、韓国政府が日本の養殖採苗を技術提供されたのか、それとも盗んだからでしかないのだが。九州と韓国の地域で種もそんなに差がなく、鬼甘海苔などは朝鮮半島にも自生している甘海苔種である（韓国海苔の主な材料。韓国では、オニアマノリ、イチマツノリ、マルバアマノリ、ウップルイノリのようなスサビノリ以外のアマノリが養殖されることが多いが、これらは日本から持ってきたものではなく、基本的に朝鮮半島に自生している種である。韓国海苔も穴が多く薄いのは、オニアマノリを使っている事が多いからだ）。
【富士川きよしの功績】
富士川漻（ふじかわ きよし）は、韓国海苔の生産向上に貢献した日本の水産学者で、1919年から朝鮮総督府勤務。同水産試験場主任技師として水産養殖、加工研究に従事。
特に海苔養殖と加工で独自の養殖技術を開発、生産量を向上させた。
朝鮮半島での海苔養殖が盛んになるのは、日本が韓国併合した1910年前後からで、広島出身者を中心に多くの民間養殖業者が渡航、移住し日本式の養殖技術が導入され各地に広まった。しかし品質に問題があったため、富士川ら学者・技術者がこれの改善・品質の均一化等の研究を進めた。こうして1928年頃、苦心の末、浮きヒビ養殖法の創案に成功。これは朝鮮在来のスダレヒビよりヒントを得たもので、割竹を編み吊杭木にかけ、潮の干満により浮動できるもので、従来のものより遥かに収量が多く、たちまち各地に普及し生産量を飛躍的に伸ばした。この功績により1941年、朝鮮文化功労賞が授与された。また富士川が試験地を置いた忠清南道瑞山郡安眠島中場里大也島の現地住民は、その効果を享受した感謝の念から1942年、功績を讃える記念碑を大也島の海辺に建てている。
しかしながらこの記念碑は現在は破壊されて無いとされる。
同年「アマノリに関する研究」で日本農学賞受賞。
【戦後に海苔を利用する生産品・食品の登場】
戦後、国内需要を増やすための料理方法や商品開発が行なわれ、日本の海苔巻きの真似をした海苔巻き（韓国風海苔巻き・キンパ）や塩とゴマ油の味付け海苔（韓国海苔）などの普及で国内需要が伸びた。近年は、味付け海苔の原料として人気を呼んでいる岩海苔の生産が増えているが、この岩海苔も養殖しようと試験を行い実用化したのも、朝鮮総督府である。
ちなみに海苔について、日本統治中では「ほとんどが日本に送られていて、朝鮮人が口にする事はほとんどなかった」とあるが、これは嘘が入っています。確かに多くは日本に送られていますが、朝鮮人が口にする海苔の量は統治前と変わっていなかった、というだけです（当時の朝鮮人からすれば、日本人は海苔が凄く好きなのだと思ったでしょうね）。ところが戦後、日本統治中で発展した海苔業や生産品の消費需要が朝鮮半島国内ではあまりなかったので、朝鮮人に口に合う海苔生産品を作り始めたという経緯です。

つまり「朝鮮人は海苔が好きだったので、海苔巻き（キンパ）や韓国海苔がある」のではなく、「日本統治で劇的に発展した海苔養殖や海苔産工品の産業物が、戦後に最大貿易国であった日本への輸出が僅かになり海苔が余りまくっていたので、それを消費される為に、日本人が好んで食べていた『海苔巻き』や『味付け海苔』を真似して、朝鮮人の口の合うような味付けにした食品を開発した」ものなのです。同じようなのが、海苔だけでなく昆布やワカメもあります。
ちなみに、韓国海苔のルーツは1919年に発行された料理本「是議全書」によると、ごま油を塗って焼いて塩をかけた四角い海苔の記録がある。これは『佐飯』と漢字で書かれ、ハングルでは『･김･치반（gimchiban）』であり、日本統治で作られた物の1つである（「佐飯」とは「ご飯をたすけるもの」という意味があり、味が濃いめで保存のきくおかず類の総称）。

【海苔板の製造】

1935年の『朝鮮総督府調査資料 第19輯 朝鮮の物産』の資料に詳しく書いており、朝鮮で養殖自体は行われていたが、今の乾海苔（板海苔）の日本式の抄造法（紙漉きを応用した製造方法）は数十年前からのもので、朝鮮在来の製品は極めて粗悪だったが、国と民間の努力により改善された事が記録されている。

古くから海苔養殖を行われていた場所で口伝があり、また乾燥方法もあるのだが、それらは『海苔養殖は百数十年前にはあり、しかし当時の製造法は幼稚粗雑なもので網の様な海苔であった』という事も書かれています。
【最初に伝えた人物たちと朝鮮総督府】
さらに前の1925年の『朝鮮人の商業』にも、朝鮮時代の貧弱な製造法で藁簀の上で海苔をただ乾かしただけで、砂利なども含んだ粗雑なものだったそうです。

併合前から広島や福岡の日本人が材料買い付けに朝鮮半島を訪れ、製造法を教えようとしたがこれはなかなか上手くいかず、朝鮮総督府主導による指導で朝鮮人に日本式の抄造法（紙漉きを応用した製造方法）を教え、今の『板海苔』が出来た事が書かれています。
どれぐらい乾海苔を作り売り上げを出していたかも判る。
1911年から1924年の記録が『朝鮮総督府調査資料 第19輯 朝鮮の物産』に乾海苔を初め、工業製品産額統計が載っている。
【歴史など】
板海苔はいつ現れたのか？
板海苔誕生の時期については諸説ありますが、日本で1684年頃とされています。

この頃、江戸湾で大森海苔と呼ばれる海苔の養殖が盛んになり、浅草で海苔を漉いて板状に加工する技術が開発されました。板海苔の誕生は、海苔の保存性と利便性を大きく向上させ、海苔が庶民の間で広く普及するきっかけとなりました。海苔自体は古くから日本で食されていた食材であり、文字として初めて登場したのは奈良時代に編纂された「常陸風土記」です。701年、日本で最初の成文憲法である「大宝律令」の賦役令では、大和朝廷への税金の一つとして「紫菜（むらさきのり）」が他の海藻類とともに登場します。約30種類もの海産物が挙げられている中でも海苔は高級品とされています。
【中国では】

【海苔の収穫量と養殖量】

実際に統計を取られたデータを見ると、下図になる。

日本統治前では養殖はほとんどされておらず、ほとんどは自生している海苔を採取していた事が分かる。
また、朝鮮総督府による養殖技術の革新により、劇的に海苔養殖が伸び、自然海苔の採取は減って言っているのが分かる。
日本統治による養殖推進事業がなければ、今の韓国の『黒い半導体』と呼ばれる海苔産業は存在が出来ていない。
【海苔養殖の変化】
朝鮮総督府の統計データで、このように日本統治下で養殖がおこなわれ、生産量が上がっている事が分かる。

「朝鮮総督府水産試験場主任技師・富士川きよし氏、全羅南道水試技師・金子政之助氏が浮きヒビ養殖法を開発して生産量を飛躍的に伸ばした」という1928年以降から急速に海苔養殖量が増えているのが分かる。
1927年の時点でも日本式の養殖技術を取り入れた上でこのレベルですので、朝鮮に原始的な養殖はあったが、大変に効率が悪かったわけですね。
また、その原始的な養殖も対象は甘海苔だけで、岩海苔や青海苔は日本統治後に実験的に行われ始めており、岩海苔は成功して少しずつ養殖量を増やしていました。
【海藻漁での収穫】
主に甘海苔を採っており、岩海苔は殆ど採っていなかったようですね。

というか、様々な養殖を行おうと朝鮮総督府は施行していますが、それも基本的に指導や教育であり実務としては朝鮮人に行わせている部分が多いのですが、中にはその養殖を見ると甘海苔と青海苔を混ぜて養殖したなどもあり台無しにした記録があるので、朝鮮時代だと区別がついていなかったのかもしれません。
主に漁で獲っていたのは『甘海苔』で平たい海藻状のものです。
ワカメも、日本統治下になってから普通に食べられるようになった食材です。

（もっと言えば、朝鮮半島では戦後になって一般的に食べられるようになっている食材）
タコは、朝鮮時代に食べられていなかったわけではないですが、一般的に食べられるようになったのは日本統治下からです。

（もっと言えば、統治中は朝鮮半島に住んでいる日本人がなぜ出汁に拘るかなど味の差が分からなかったのだが、戦後になって最大輸出国であった日本との貿易がほとんど途絶えた為に真似をしだしたものですね。だから、今だに出汁に対してが中途半端な上に、辛い・しょっぱいなど過剰な香辛料を使うのが贅沢だと勘違いしているのでジャンク風な濃い味に慣れてしまっており、その味が分からない人が多い訳です。統治中にきっちんと理解したのは極少数だったのでしょうね。昔は欧米人も出汁の味が分からなかったですが、最近は分かる人も増えてきました）。

これが'最'近では「朝鮮では昔から蛸をよく食べていた」と言っているのは、歴史学者でもなんでもない戦後生まれのイギュギョンなどで、「腕草魚は通称タコであり、ソパル草魚はタコ（絡只）だ」と出張しているのだが、ただの歪曲捏造したものでしかない''。草魚は大きな淡水魚を指しているだけである。
確かに食べていなかったわけではないが、タコは「文魚」と呼ばれており、これは高麗時代から朝鮮時代の書物にも書かれている。ただし、漁獲量からみても、それほど食べられていたという訳ではない嗜好品に位置している。
ちなみに、日本統治時代に様々な水産物の養殖を行っており、どのようなものが朝鮮半島で適しているか探していたようです。
その中には牡蛎もあります。
日本では、縄文時代や弥生時代の貝塚からかきの殻がでてくることから、何千年も牡蛎を食べていた事がわかります。人々は長い間天然のかきをとって食べていましたが、室町時代の終わり頃（天文年間：1532〜1555年）に初めてかきの養殖が始まった事は記録されています。
朝鮮半島では、牡蛎自体は食べていた記録はあるのですが、養殖をしていた記録は日本統治時代に入るまでありません。

【統治以前と統治後の物産】

統治前の物産と統治後の物産を記録したものがある。
1923年（大正12年）〜1935年（昭和10年）からの調査統計結果および、
こちらは統治前の全羅南道の物産であるが、
【朝鮮の工産品】
朝鮮総督府は色々な記録を細かく残している。
その中に工産品もあり、ここに乾海苔（板海苔）もある。

工産品は左が対数であるように、日本統治下で指数的に産業が出来てきているのが分かる。
その中で乾海苔は1913年から出てくるもので、それまでは原材料としての価値しかなかったたわけである。
【工産品の成長】
この乾海苔は、日本統治下で指数的に養殖の拡大や生産方法の指導などが積極的に行われる。
その為、乾海苔は劇的な生産量拡大にとなっている。
下図は1911年あるいは生産を始めた頃を1として倍率を算出したものである（乾海苔の場合は1913年から）。

『黒い半導体』と呼ばれる海苔だが、これは日本統治前の海苔の生産量は限られた量であり、日本統治で育てられた産業であるのは分かる。
工産品全体としても1911年当初より9倍になっている。
乾海苔の拡大が目立つのでそれだけを除くと、下図になる。

1911年に比べると、5〜10倍ほどに産工品が増えている。
ちなみにハムは1918年からのようだ。
【それぞれの工産品】
倍率ではなく産業としては、価格で見る必要があるが。



乾海苔が工産品に出てくるのは1913年からのことである。
【海苔の工産品】
水産製造物のデータから、海苔の工産品の量は分かる（これ以外に海苔の佃煮なんかもあった）。

これから、朝鮮時代では板海苔が無かった事も分かる。
また、岩海苔は1929年から、味付け海苔は1937年になって出てくる。
この『味付け海苔』が、今の韓国海苔のルーツとなる。
【塩】
日本統治時代、朝鮮総督府は塩の増産も行っている。

1909年から1917年で実に約440倍の増産を施工している。
それまでの朝鮮は？というと、塩も中国からの輸入に頼る所が大きい（というか、安価な中国産の塩が大量にやってきて衰退したらしい……主に密輸で）ものであり（作っていない事はなくて、1894年『朝鮮雑記』にあるが、あるのは粗悪な灰色の塩だったようだ（開国後、日本からも輸入していたが、日本はまた安価な粗塩しか輸出していなかったようである）。また、『朝鮮雑記』に記載されているこの塩だが、どうやら中国の天日塩のようで、ウラジオストックにそのまま輸出するなど貿易中継国のような事を朝鮮時代はしていたようだ。
朝鮮時代まで使われていた伝統的な製塩方法は、干潮時に干潟を耕して乾燥させることで塩を作り、塩を濃縮した泥に海水を通して沸騰させたお湯を作る『自己塩漬け法』というものであり、やり方は日本の揚浜式塩田に似ている。作っている有名な場所は永興湾（北朝鮮咸鏡南道金野郡）だったようで、塩生産量から見ると、大韓帝国時代までの塩の味付けもそこまで濃く無かったようだ。また、この朝鮮時代に主に利用していた中国産の粗塩だと、岩塩とは違い独特な苦味が存在する塩になるので味付けとしても悪くなる。

今や日本よりも1.5倍の塩分摂取量の韓国、しょっぱいし辛い料理が多いのですが、辛さで隠されていて気付かないという人も多いようですね。

【『金』と『海苔』は違う】

現代の朝鮮語では『金』は『김』、『海苔』も『김』と書く。
これから「キム・ヨイク（金汝翼・김 여익）」という人物が創作されています。
が、『金』の『김』と『海苔』の『김』は本来は発音が違いますし、『金』を『김』と書くのは明らかにおかしいので、これが創作された人物だと本来はすぐにわかるものですが……これがなぜ出来たかと言うと。

【『海苔』の記載】

実際に古い辞書を確認して見ますと、井口弥寿男が1920年に著した『日鮮辞典:実用本位』では『海苔』は『김』と記載されています。
でもこれは、公式なものではなく、ようは少し簡略化して書いているものです。
同じ1920年の朝鮮総督府が発刊している『朝鮮語辞典』では、『海苔』は『김』ではなく『･김』と記載されています。横に「金的李的」とあり、人の姓を表す『金』は『김』ですね。朝鮮総督府発行ですから、こちらは1912年に「普通学校用諺文（ハングル）綴字法」、1921年に「普通学校用諺文綴字法大要」と朝鮮総督府が定めている語法となり、『訓生民音』の表音主義的表記法を残した表記法である。
これの廃止を提言していたのは周時経ら朝鮮人であり、朝鮮人や韓国人が壊してしまったが本来の『訓生民音』です（恨むなら、朝鮮総督府ではなく周時経を恨みましょう、朝鮮総督府が残した本来の『訓生民音』の文字が持つ民族アイデンテティを壊してしまった人物なのですから）。
【元々は「진」】
朝鮮時代文献では海苔を海衣あるいは海苔だと書いた。丁若��(1762〜1836)は《経世遺表》 14冊で「通称はヘテ（海衣）と呼んで方言は진(眹)だと呼ぶ。青苔もあるがたいてい類似したもので5〜6種もある」と書いている。事実ここで‘진’は‘짐（朕）’の仮借字だ。 本来人々は‘짐’と呼んだが王が自らを呼ぶ言葉である‘짐’を漢字で書くのにふさわしくなくて丁若�匹�‘眹(진)’と書いた。この‘짐’が日本統治中で‘김（キム）’という発音に変わって今日に至ったのだ。
つまり、存在したかも分からない16世紀のキム・ヨイクの名前がなるはずがないのである（18〜19世紀に「진」と儒学者が呼んでいたのだから）。
【『김』の語彙】
どうも『김』は
  • 『･김』：薄くぺらぺらした細長い物：海苔、雑草、紙、布
  • 『김』：中国の漢字読みの当て字：金（Jīn）、沈（Chén）、湯気（Zhēng）
という、大きく分けて2つの使い方があるようだ。
また、本来「金（guim）」は『김（gim）』ではなく『금』と書くものであり、『김』と書く読み方の「金（kim）」は日本語読みの当て字から来ている。本来の『김』は（gim）ですし。
つまり、「キム・ヨイク（金汝翼・김 여익）」というのは文字自体がおかしく、実在したとしても「キム・ヨイク（金汝翼・금 여익）」でないとおかしいのである。また「キム・ヨイクが居た、海苔養殖を考えた」と創作されているが、この時期は16世紀、つまり中期朝鮮語の時代である。この時代で名前の「金」は『금』とハングルでは書かれるので、海苔の呼び方がキム・ヨイクの名前を取ったとしているという説が本当なら、海苔は『김』ではなく『금』と呼ばれているはずなので、おかしい（上記でもしているように、海苔を意味する言葉である『･김』は薄くぺらぺらした細長い物を指して言っている語彙である）のが明確であり、説自体が捏造されたものが明らかのだが。

まぁ、そもそもが。
朝鮮時代では『海苔』のハングル表記もはっきりと記載されていて、『金』と違う事は分かっているのですが。
【『キム』の語彙】
板海苔の誕生と「キム」の語義変化しており、
・日本統治時代に日本から板海苔の技術を教わり誕生。
・板海苔が普及するにつれ、「キム」という言葉になり板海苔も含むように変化。
と言った具合になっています。
元々はきちんと分けられていたものが、表音主義的から形態主義的になってしまい『･김』を『김』と略して記載する事により、混同されてきてしまったものです。
つまり、韓国人は自ら語彙読解力を低下させる選択をしてしまったわけです。

【日本統治時代からの諺文】

Wikipediaでは「ㆍ」は、ハングルを構成する母音字母のひとつ。現在は使用されない古いハングル字母である。呼称はアレア（아래아）。1933年の朝鮮語綴字法統一案によって廃止された。」とあるが、嘘である。周時経が作った朝鮮語学会（現・ハングル学会）が勝手に案を作った物だが、朝鮮総督府に認可されたわけではない。

日本統治時代では、
・1912年に「普通学校用諺文（ハングル）綴字法」
・1921年に「普通学校用諺文綴字法大要」
を朝鮮総督府は定める。
さらに、児童の学習能率の向上、朝鮮語の綴字法の整理・統一のため、新正書法の作成作業にとりかかった。
作業は1928年から第1次調査会を経て学務局原案を作成し、1929年から第2次調査会で原案を審議。これにより、
・1930年に朝鮮総督府が定めた朝鮮語の正書法である「諺文綴字法」
が定められる事になる。
この中で「普通学校用諺文綴字法」では固有語の表記において「ㆍ」を廃止し、実際の発音に即して「ㅏ」（[a]）もしくは「ㅡ」（[ɯ]）と表記することにした。ただし、漢字音の表記は従来の慣習的表記法に従ったため、「ㆍ」が維持された。しかし、普通学校用諺文綴字法（1912年）では固有語と漢字語とで表記の原則が異なり、固有語はより発音通りに綴る反面、漢字語は現代の発音とかけ離れた古い表記を残した。その結果、母音字「ㆍ（アレア）」や /저/ と発音される「뎌，져」などの古い綴りが漢字語において依然として残っていた。1930年に定めた諺文綴字法では漢字語に残っていた古い表記法の名残を廃止し、固有語と同じく実際の漢字音に即して綴ることにした。
このように『1933年の朝鮮語綴字法統一案によって廃止された』わけではない（学会が勝手に言っているだけで、国の認可を受けたわけではない）。
【戦後のハングル】
韓国の場合は、1988年に「ハングル正書法」告示・1989年に施行されてからと大変に最近のことである。
民主化運動が始まる中で、『諺文綴字法』を改訂する形で朝鮮語学会（元・ハングル学会）が1933年に作った『朝鮮語綴字法統一案』を取り入れ、1979年には文教部により「標準語再査定試案」「外来語表記法改正試案」などとともに「諺文正書法改正試案」が策定されるに至った。その後学術院への移管（1981年）や国語研究所の発足（1985年）、文教部国語審議会の審議を経て、1988年1月19日に「ハングル正書法」が告示され、1989年3月1日から施行された。
実際の発音に即して「ㅏ」（[a]）もしくは「ㅡ」（[ɯ]）と表記も無くしてしまったわけである。
1933年の『朝鮮語綴字法統一案』からというのは、やはり韓国政府による嘘である
【北朝鮮のハングル】
北朝鮮はもっと早く、1954年に『朝鮮語綴字法』を。1966年に『朝鮮語規範集』を制定している（その前に1948年に『朝鮮語新綴字法』があるが、これは金枓奉の政治的失脚に伴いこの正書法は破棄されている）。
ただ、これもWikipediaでは「この正書法は形態主義を貫いた1933年の『朝鮮語綴字法統一案』を基本としつつ」とあるが、これはやはり嘘が入っている。
また、分かち書きについては、1987年に一度この朝鮮語規範集の改正を経た後、2000年に『朝鮮語分かち書き規範』、2003年に『分かち書き規定』が制定された後、2010年の改正にあたり2003年の分かち書き規定をほぼそのまま取り入れる形で朝鮮語規範集の規定が改められ、これが現行の分かち書きの規範になっている。

基本は1930年に朝鮮総督府が定めた朝鮮語の正書法であり、これに1933年の『朝鮮語綴字法統一案』を参考に改定していったものと言った方が正しい。
これは例えば、1948年『朝鮮語新綴字法』でも「漢字音の表記」や「語尾の表記」などは1930年『諺文綴字法』に準拠しているし、1954年『朝鮮語綴字法』でも用法はなどは1930年『諺文綴字法』に準拠しているし、今の『朝鮮語規範集』でも「ㅣ語幹」などは1930年『諺文綴字法』に準拠している。
朝鮮半島では、史実を歪めるように教えているものが大変に多い。
それは、例えば文字であれば、その文字自体の価値を薄っぺらいものにするだけなのだが。
まぁ、構文自体はずっと日本式に準拠したまま変わっていない。

【現代朝鮮語と中期朝鮮語】

現代朝鮮語の標準語では，日本語のような高低アクセント，英語のような強弱アクセントともに，その違いによって単語の意味を区別することはない。しかし，一部の方言，および古い時代の朝鮮語では高低アクセントが単語の意味を区別するのに関与する（日本語（東京方言）は「アメ」と言うとき，「ア」を高く発音すれば「雨」の意，「メ」を高く発音すれば「飴」の意味になる）。
【朝鮮語の方言】
朝鮮語でも方言があり、高低アクセントと単語の意味を区別するのに関与している地域もある。東南方言（慶尚道方言）と東北方言（咸鏡道方言）である。例えば，南部東南方言（慶尚南道方言）では，高調（H）と低調（L）の２つを区別し（研究者のよっては高・中・低の３つを区別すると見る），말「馬」は高調，말「言葉」は低調で現れる。従って，「말이 빠르다」（馬が速い，言葉が速い）はアクセントによって意味を区別する。
말이（HL） 빠르다（LHL） 「馬が速い」
말이（LH） 빠르다（LHL） 「言葉が速い」
となるのだが、現在の朝鮮語には基本的にこのような区別がない。漢字を無くしてしまった今はそのために、同音異義語が多く存在し、朝鮮語の読解を難しくしている。
【中期朝鮮語】
実はこれは中期朝鮮語のアクセントである。
中期朝鮮語には高調と低調の２段階の高低アクセントがあったことが知られている。中期朝鮮語の文献には、ハングルの左横に傍点（声点）と呼ばれるアクセント符号が付いている（表音主義的表記法ですからね）。低調は一般に「平声」と呼ばれ「집」のように無点で表示され、高調は「去声」と呼ばれ「･눈」のように一点がハングルの左横に附されている。また低調と高調の複合である「上声」があり、これは「:말」のように二点で表示される。

まぁ、分かりやすくすれば。
本来は「金さん」は『キム（LH）さん』と平坦に言うが、「海苔」は「キム（HL）」と発音するというわけである。
この「･(アレア)」を無くした事によりどちらも「キム」と同音異義語がぐっと増えて、語彙識字が出来なくなってきている。
もう1つ、この「･（アレア）」などの母音字母が無くなったのは、元々の朝鮮語の語彙は漢字の文字に対して中国の古い発音に合わせた発音をしていたものなので、文字と発音が合わないというのもよくあったようで。
それを1930年の『諺文綴字法』で、漢字文字そのものの音に合わせた発音をするようにと変えた……つまり、漢字ありきでの利用方法に整備されています。
これを漢字が亡くしたので、語彙と発音が乱れに乱れているわけですね。
まぁ、単純に言えば。
元来の朝鮮半島で使われていた言語では「古代中国語の発音アクセント」がかなり入っており、まさに「古代中国語の方言」のような発音だった、という事です。
その為、同じ音でもアクセント（母音字母）によって複数の語彙があったわけですね。
これが、今のハングルではなくなっている物があり、ただし漢字ありきの使い方なのでそれはそれで問題は無かった。
だが、その漢字を捨てようとしているので、音の区別が付かなくなり、語彙が分からなくなっている事が多々見られるようになっています。
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