酒
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mitsuko_tada 2025年05月12日(月) 01:49:42履歴
【朝鮮の酒】 
朝鮮半島で作られている酒を見ると、種類がある。
しかし、『伝統酒だ』と言っているが、どうも『伝統』が本当にあるのか怪しい酒が結構ある。
実際、朝鮮時代のお酒を見るが、韓国人は「酒の種類が豊富だ」と言うが、そのほとんどが「どぶろくと焼酎の間の酒」や「薬酒（リキュール）」であり、漢方薬や花などを酒に漬けたというもので、酒自体の種類はそれほど多いわけではない。また、その酒も多くが中国の酒の模倣で、一部、日本の酒の模倣も存在する。
韓国ではしきりに『伝統酒』と喧伝しているが、酒が増えるのは17世紀で、19世紀から材料が変わっているものも多い。
しかし、『伝統酒だ』と言っているが、どうも『伝統』が本当にあるのか怪しい酒が結構ある。
実際、朝鮮時代のお酒を見るが、韓国人は「酒の種類が豊富だ」と言うが、そのほとんどが「どぶろくと焼酎の間の酒」や「薬酒（リキュール）」であり、漢方薬や花などを酒に漬けたというもので、酒自体の種類はそれほど多いわけではない。また、その酒も多くが中国の酒の模倣で、一部、日本の酒の模倣も存在する。
韓国ではしきりに『伝統酒』と喧伝しているが、酒が増えるのは17世紀で、19世紀から材料が変わっているものも多い。
- 高麗時代からの酒：5酒
- 高麗時代からある酒とされるもの：7酒
- 朝鮮時代初期前半（14世紀）からの酒：0酒
- 朝鮮時代初期後半（15世紀）からの酒：1酒
- 朝鮮時代中期前半（16世紀）からの酒：6酒
- 朝鮮時代中期後半（17世紀）からの酒：36酒
- 朝鮮時代後期前半（18世紀）からの酒：12酒
- 朝鮮時代後期後半（19世紀）からの酒：13酒
- 20世紀からの酒：8酒
- いつからあるか分からない酒：4酒
- 朝鮮時代にある海外酒：9酒
- 今の韓国の言っている「韓国伝統酒」というのは、
19世紀末の大韓帝国時代〜日本統治時代に作られた酒が大変に多く、
歴史や伝統はない。 - 名前の種類は多いが、作り方自体は地方色の差程度で大体同じ、
名前が多いだけである（日本酒の中に『獺祭』という日本酒名があるように、名前としてあるだけ）。 - 材料で「米」について、韓国では史実を誤認している事が多いし、
中国漢文訳もおかしいのが多い。
（日本統治時代まで現代のような無芒種の粳米はほとんどなかった）。 - そもそも「伝統」という語彙の意味を間違えている。
【朝鮮の酒の種類】001
基本的に3つ。
これを製法で見て、それを日本の酒で当て嵌めると……。
- 清酒
- 濁酒
- 薬酒
これを製法で見て、それを日本の酒で当て嵌めると……。
- 清酒 ＝ 『どぶろくの上澄』や『焼酎』
- 濁酒 ＝ 『どぶろく』
- 薬酒 ＝ どぶろくや焼酎に漢方や果実、竹の葉、花などを一緒に漬け込んだ『リキュール類』
【薬酒】002
もともと薬酒というのは、薬効があると認められた種類の酒、または最初から薬草を入れて造られた酒を指す。しかし、後世になり、清酒を意味したり、あるいは酒を高める言葉としてその意味が変遷していったものである。現代で言えば「混成酒」でリキュール類に属するものであり、韓国人が言う「朝鮮時代は酒の種類が多い」というのは疑問に思うものですね（この程度の差であれば、日本ではさらに遥かに多く酒類が存在したと言える）。
薬酒という名称の由来についてはいくつかの説がある。朝鮮時代、干ばつにより穀物が不足し、何度も禁酒令が出された。しかし、特権階級が禁酒令を破って酒を飲む口実として、薬として酒を飲むという意味で薬酒という言葉を使用した。ここから庶民が飲む酒はすべて薬酒と呼ばれるようになったという説があるが、これは嘘である。。
朝鮮後期以来薬酒は両班のお酒とされていたもので、酒税法が本格的に施行される前まで薬酒は両班がで直接作って奉祭祀と接賓客に使った。19世紀末以後近代的な都会が形成されてから薬酒は中流以上の人々が飲むお酒とされてきた。つまり、朝鮮時代では庶民が飲むお酒ではなかったのである。
薬酒は主にソウル近郊の中流以上の階級で消費された。玄米と麹で下層酒を浸し、その上にもち米を蒸して上層酒を作る。各家庭には、酒に高麗人参やその他の薬材を加えて薬酒を造る独自の秘訣があった。 そして、このような自家の酒を誇りに思っていた。
薬酒の処方を例に挙げると次のようになる。玄米2升半をよく洗って粉にして蒸したり、釜に水を七鉢だけ沸騰させて粉を入れ、沸騰したら均等にかき混ぜる。一晩漬けて冷やした後、麹の粉を半分入れ、均等に混ぜ合わせた後、瓶に入れて密封しておく。寒くなったら室内に置き、甕を囲む。暑いときは外に置いておく。酒が澄んだら、もち米5斗をよく洗って蒸した後、水一杯だけ注いで一晩冷やす。冷水七杯に蒸したもち米と下酒を混ぜて、藁の火を通した甕に入れ、密封して2日後に濾して飲む。
19世紀末に朝鮮へ来て日本式清酒を生産し始めた日本人たちは朝鮮酒の最高は薬酒と濁酒を挙げた。すると薬酒という言葉の来由に対するさまざまな主張が創作捏造されてきたのである（ちなみに、19世紀末に朝鮮半島に来た日本人の手記には、「朝鮮の酒だと薬酒や濁酒なら飲める味だ」という記載であり「朝鮮酒の最高は薬酒と濁酒だ」とは言っていない。うつろ「韓方薬を混ぜた酒やどぶろくの様な短時間で作る酒精の薄い酒以外は飲めたものではない」と言っているだけなのである）。
薬酒という名称の由来についてはいくつかの説がある。朝鮮時代、干ばつにより穀物が不足し、何度も禁酒令が出された。しかし、特権階級が禁酒令を破って酒を飲む口実として、薬として酒を飲むという意味で薬酒という言葉を使用した。ここから庶民が飲む酒はすべて薬酒と呼ばれるようになったという説があるが、これは嘘である。。
朝鮮後期以来薬酒は両班のお酒とされていたもので、酒税法が本格的に施行される前まで薬酒は両班がで直接作って奉祭祀と接賓客に使った。19世紀末以後近代的な都会が形成されてから薬酒は中流以上の人々が飲むお酒とされてきた。つまり、朝鮮時代では庶民が飲むお酒ではなかったのである。
薬酒は主にソウル近郊の中流以上の階級で消費された。玄米と麹で下層酒を浸し、その上にもち米を蒸して上層酒を作る。各家庭には、酒に高麗人参やその他の薬材を加えて薬酒を造る独自の秘訣があった。 そして、このような自家の酒を誇りに思っていた。
薬酒の処方を例に挙げると次のようになる。玄米2升半をよく洗って粉にして蒸したり、釜に水を七鉢だけ沸騰させて粉を入れ、沸騰したら均等にかき混ぜる。一晩漬けて冷やした後、麹の粉を半分入れ、均等に混ぜ合わせた後、瓶に入れて密封しておく。寒くなったら室内に置き、甕を囲む。暑いときは外に置いておく。酒が澄んだら、もち米5斗をよく洗って蒸した後、水一杯だけ注いで一晩冷やす。冷水七杯に蒸したもち米と下酒を混ぜて、藁の火を通した甕に入れ、密封して2日後に濾して飲む。
19世紀末に朝鮮へ来て日本式清酒を生産し始めた日本人たちは朝鮮酒の最高は薬酒と濁酒を挙げた。すると薬酒という言葉の来由に対するさまざまな主張が創作捏造されてきたのである（ちなみに、19世紀末に朝鮮半島に来た日本人の手記には、「朝鮮の酒だと薬酒や濁酒なら飲める味だ」という記載であり「朝鮮酒の最高は薬酒と濁酒だ」とは言っていない。うつろ「韓方薬を混ぜた酒やどぶろくの様な短時間で作る酒精の薄い酒以外は飲めたものではない」と言っているだけなのである）。
【清酒】003
朝鮮時代の「清酒」と、今の韓国における「清酒」は意味（酒の種類）が違う。
朝鮮時代の「清酒」は「澄んだ酒」、透明感がある酒を指す。しかし、今の時代の「清酒」は「日本式の酒」を指している。
朝鮮では韓国では、古くから卓酒に比べ、比較的きれいに濾した酒を清酒と呼んでいた。朝鮮時代に凶年になると禁酒令が出されたが、薬材を入れた清酒を飲むことは許された。 そのため、特権階級は清酒を薬に使う酒、つまり薬酒と偽って飲み、民衆は庶民が飲む清酒をすべて薬酒と呼んだ。日本統治時代に朝鮮の濁酒や藥酒は朝鮮酒と呼び、日本の清酒を「清酒」と呼んでいる。韓国では酒税法で醸造酒を濁酒・卓酒・清酒に区分したが、現在に至るまで、日本式で造られた清酒だけを「清酒」と呼び、在来酒と区別している。
また、説明にもあるが「米麹」を酒造りでも一般的と言えるぐらい使いだしたのは、日本統治からの近年の事である。
朝鮮（韓国も含む）の酒は、米を粉にして蒸して餅や粥にしてから作るのが基本。
日本では米を磨いて蒸し、その粒のままで作る。
説明には「使う米は、日本や韓国は主にうるち米を使うのに対し、中国ではもち米を使う。韓国では伝統的に餅・お粥などの形で使う」とあるが、これは色々と間違いがある。
清酒は第二次世界大戦中、食糧不足のため、酒の原料である米の使用が制限され、様々なバリエーションが生まれました。1936年からは、アルコールにブドウ糖・琥珀酸・乳酸・グルタミン酸・グルタミン酸ソーダなどを混ぜて日本式の清酒に似た「理硏酒」が韓国に出回るようになった。1940年、満州で長島長治という人が清酒にアルコールを加えた「第1次酒」を作り出した（この手法は日本では江戸時代に既にある）。1942年には、これにブドウ糖・乳酸または琥珀酸を加えた「第2次酒」を作った。これは清酒の原酒に二次酒を混ぜたものである。
「今の日本には純穀物で造られた清酒はほとんどない」と説明にあるが、これも間違いである。
日本国内製造の日本酒全体の製造量の76.9%の酒に醸造アルコールが添加されているが、醸造アルコールとは「でんぷん質物又は含糖質物を原料として発酵させて蒸留したアルコールをいうものとする」と定められており、その材料は「含糖質」なら廃糖蜜・精製糖蜜・甜菜糖蜜、「澱粉質」なら米・サツマイモ・トウモロコシである。つまり、米やトウモロコシの醸造アルコールはやはり穀物から作られているのだ。日本酒の普通酒や三倍増醸清酒では原料となる米重量の50%までを上限として添加できるため主として増量目的であるが、比較的高価な吟醸酒や本醸造酒などの特定名称酒では、米重量の10％以下が上限であり、増量目的ではなく風味をすっきりさせるなどの目的のために添加している。この手法は、江戸時代には確立されている。
また、「純米」とされるカテゴリー（純米酒や純米大吟醸など）では、この醸造アルコール添加はされていない。
このように、韓国では歪んだナショナリズムで、情報が正確でない事が多いのでとても注意が必要である。
朝鮮時代の「清酒」は「澄んだ酒」、透明感がある酒を指す。しかし、今の時代の「清酒」は「日本式の酒」を指している。
朝鮮では韓国では、古くから卓酒に比べ、比較的きれいに濾した酒を清酒と呼んでいた。朝鮮時代に凶年になると禁酒令が出されたが、薬材を入れた清酒を飲むことは許された。 そのため、特権階級は清酒を薬に使う酒、つまり薬酒と偽って飲み、民衆は庶民が飲む清酒をすべて薬酒と呼んだ。日本統治時代に朝鮮の濁酒や藥酒は朝鮮酒と呼び、日本の清酒を「清酒」と呼んでいる。韓国では酒税法で醸造酒を濁酒・卓酒・清酒に区分したが、現在に至るまで、日本式で造られた清酒だけを「清酒」と呼び、在来酒と区別している。
また、説明にもあるが「米麹」を酒造りでも一般的と言えるぐらい使いだしたのは、日本統治からの近年の事である。
朝鮮（韓国も含む）の酒は、米を粉にして蒸して餅や粥にしてから作るのが基本。
日本では米を磨いて蒸し、その粒のままで作る。
説明には「使う米は、日本や韓国は主にうるち米を使うのに対し、中国ではもち米を使う。韓国では伝統的に餅・お粥などの形で使う」とあるが、これは色々と間違いがある。
- 日本は『うるち米』を『精米』して使う。
- 中国は『もち米』が多い。
- 朝鮮では中国と同じで主に『もち米』を使う。
- 餅や粥の状態にするのは、中国も同じであり、朝鮮はそれを真似しているだけである。
清酒は第二次世界大戦中、食糧不足のため、酒の原料である米の使用が制限され、様々なバリエーションが生まれました。1936年からは、アルコールにブドウ糖・琥珀酸・乳酸・グルタミン酸・グルタミン酸ソーダなどを混ぜて日本式の清酒に似た「理硏酒」が韓国に出回るようになった。1940年、満州で長島長治という人が清酒にアルコールを加えた「第1次酒」を作り出した（この手法は日本では江戸時代に既にある）。1942年には、これにブドウ糖・乳酸または琥珀酸を加えた「第2次酒」を作った。これは清酒の原酒に二次酒を混ぜたものである。
「今の日本には純穀物で造られた清酒はほとんどない」と説明にあるが、これも間違いである。
日本国内製造の日本酒全体の製造量の76.9%の酒に醸造アルコールが添加されているが、醸造アルコールとは「でんぷん質物又は含糖質物を原料として発酵させて蒸留したアルコールをいうものとする」と定められており、その材料は「含糖質」なら廃糖蜜・精製糖蜜・甜菜糖蜜、「澱粉質」なら米・サツマイモ・トウモロコシである。つまり、米やトウモロコシの醸造アルコールはやはり穀物から作られているのだ。日本酒の普通酒や三倍増醸清酒では原料となる米重量の50%までを上限として添加できるため主として増量目的であるが、比較的高価な吟醸酒や本醸造酒などの特定名称酒では、米重量の10％以下が上限であり、増量目的ではなく風味をすっきりさせるなどの目的のために添加している。この手法は、江戸時代には確立されている。
また、「純米」とされるカテゴリー（純米酒や純米大吟醸など）では、この醸造アルコール添加はされていない。
このように、韓国では歪んだナショナリズムで、情報が正確でない事が多いのでとても注意が必要である。
【法酒 - 법주（beobju）】004
麹を主原料とし、麹を加えて醸したお酒で、「春酒」ともいう。「春酒（춘주）」とは春に飲む酒を指し、何度も加水したものを意味する。
高麗時代からあった酒で、『高麗圖經（1129年）』『高麗史（1445年）』などの文献に見られるが、もち米を主原料として一定の処方で造られ、宗廟祭祀など国の儀式に使用された慣用酒を指していたと推測される。が、今ある殆どの『法酒』は、正確な年代からそうなったかは分からないが、単に寺院周辺で造られている酒を『法酒』と呼んでいる。
慶州地方の法酒（慶州 校洞法酒/18世紀初頭〜中期）が有名で、これは慶州桂林の崔氏家の家酒でその製法は秘伝で嫁にのみ伝えられている。
作り方は、もち米一斗で柔らかい餅を作り、麹を混ぜて酒母を作った後、一定期間をおいて米九斗を蒸して加水して20日間発酵させた後、地下室で100日間熟成させる。水は崔氏村にある水質の良い水を沸騰させて冷やしたものを使うという。また、慶州地方では、酒米と麹・菊・松の葉を入れて100日間熟成させた後、ろ過して飲むお酒を法酒ともいう。
その後、韓国を代表する伝統酒の必要性が提起され、1973年、国税庁が名薬酒を新設することになった。
原料はもち米と麹などを使用し、クコ・クコの実・山茱萸などの植物薬材を入れて一緒に発酵させて製造する。このような銘酒の商品名が法酒となっている。
これをうるち米で作り出したのは、日本統治が始まって以降である。
記録にも残っている。春酒に属する酒には、三亥酒：東國李相國集（1251年）・藥山春：閨壼是議方（1670年）・三午酒：閨壼是議方（1670年）・碧香春：要録（1680年頃）・壺山春：酒方文（17世紀）・尼山春などがある。
このうち、狭義の「宗廟祭祀など国の儀式に使用された慣用酒を指していたと推測される」法酒は三亥酒：東國李相國集（1251年）であり、残りは広義の「単に寺院周辺で造られている酒」の法酒になる。
高麗時代からあった酒で、『高麗圖經（1129年）』『高麗史（1445年）』などの文献に見られるが、もち米を主原料として一定の処方で造られ、宗廟祭祀など国の儀式に使用された慣用酒を指していたと推測される。が、今ある殆どの『法酒』は、正確な年代からそうなったかは分からないが、単に寺院周辺で造られている酒を『法酒』と呼んでいる。
慶州地方の法酒（慶州 校洞法酒/18世紀初頭〜中期）が有名で、これは慶州桂林の崔氏家の家酒でその製法は秘伝で嫁にのみ伝えられている。
作り方は、もち米一斗で柔らかい餅を作り、麹を混ぜて酒母を作った後、一定期間をおいて米九斗を蒸して加水して20日間発酵させた後、地下室で100日間熟成させる。水は崔氏村にある水質の良い水を沸騰させて冷やしたものを使うという。また、慶州地方では、酒米と麹・菊・松の葉を入れて100日間熟成させた後、ろ過して飲むお酒を法酒ともいう。
その後、韓国を代表する伝統酒の必要性が提起され、1973年、国税庁が名薬酒を新設することになった。
原料はもち米と麹などを使用し、クコ・クコの実・山茱萸などの植物薬材を入れて一緒に発酵させて製造する。このような銘酒の商品名が法酒となっている。
これをうるち米で作り出したのは、日本統治が始まって以降である。
記録にも残っている。春酒に属する酒には、三亥酒：東國李相國集（1251年）・藥山春：閨壼是議方（1670年）・三午酒：閨壼是議方（1670年）・碧香春：要録（1680年頃）・壺山春：酒方文（17世紀）・尼山春などがある。
このうち、狭義の「宗廟祭祀など国の儀式に使用された慣用酒を指していたと推測される」法酒は三亥酒：東國李相國集（1251年）であり、残りは広義の「単に寺院周辺で造られている酒」の法酒になる。
【濁酒 - 탁주（tagju）】005
朝鮮半島の酒は、多くは上澄み液のみを飲んでいるが、濁酒はそのまま飲む酒です（まぁ、どぶろくの一種）。
濁っておりアルコール成分が少ないお酒で、透明でないため濁った酒として『濁酒』、濾したばかりの酒として『マッコリ』、色が白いため『白酒』、家ごとに漬ける酒として『家酒』、農家では欠かせない酒として『農酒』などとも呼ばれる。色が白いのだから、うるち米（赤米）ではなくもち米で作る。
『三國史記（12世紀）』『三國遺事（13世紀）』に登場しており、マッコリや甘酒を指す『醪醴』という言葉が出てくることから、三国時代にすでに卓酒などの酒を造っていたと韓国ではされるが、『三國史記（12世紀）』『三國遺事（13世紀）』が1000年も前の事を書いているものであり、またそれらの書物、高麗を正当化させる為に創作された部分が大変に多い為に、証拠としての史料にはならない。朝鮮時代でも追記改竄などが多くされており、歴史史料的価値はほとんどない（さらに言えば、『三國遺事（13世紀）』は『三國史記（12世紀）』の内容が気に入らなかった一然という僧が様々に創作しており、歴史史料的価値はほぼない。そのため、三国時代から飲まれていた証拠にはならない。
ただし、高麗時代の文献に卓酒という言葉が頻繁に出てくるかはまだ調べる必要がある（「高麗時代の文献」といいつつ、朝鮮時代の文献や改竄された物が多い為）が、『高麗圖經（1123年）』で「庶民は味が悪く、色が濃いお酒を飲む」という記録があることから、高麗時代から庶民がなんらかの濁った色の酒を飲んでいた可能性は高い。朝鮮時代に入ってからも多くの人々が濁酒を好んで飲んだ。
韓国になり李承晩政権で農業政策を行わず、日本統治時代に発展させた農業を壊滅的に低下させたために慢性的な食糧不足が発生し、1963年からは米を原料としていた濁酒が禁止され、小麦粉・トウモロコシ・大麦などを混ぜて作るようになった。その後、米の生産量が増え、消費量が減ったため、1977年12月に米を原料としたマッコリが再び作られた。 しかし、酒類製造法の規制のため昔のものより味が悪く、値段も高かったため1年で姿を消し、現在は再び小麦粉で造られている。
濁っておりアルコール成分が少ないお酒で、透明でないため濁った酒として『濁酒』、濾したばかりの酒として『マッコリ』、色が白いため『白酒』、家ごとに漬ける酒として『家酒』、農家では欠かせない酒として『農酒』などとも呼ばれる。色が白いのだから、うるち米（赤米）ではなくもち米で作る。
『三國史記（12世紀）』『三國遺事（13世紀）』に登場しており、マッコリや甘酒を指す『醪醴』という言葉が出てくることから、三国時代にすでに卓酒などの酒を造っていたと韓国ではされるが、『三國史記（12世紀）』『三國遺事（13世紀）』が1000年も前の事を書いているものであり、またそれらの書物、高麗を正当化させる為に創作された部分が大変に多い為に、証拠としての史料にはならない。朝鮮時代でも追記改竄などが多くされており、歴史史料的価値はほとんどない（さらに言えば、『三國遺事（13世紀）』は『三國史記（12世紀）』の内容が気に入らなかった一然という僧が様々に創作しており、歴史史料的価値はほぼない。そのため、三国時代から飲まれていた証拠にはならない。
ただし、高麗時代の文献に卓酒という言葉が頻繁に出てくるかはまだ調べる必要がある（「高麗時代の文献」といいつつ、朝鮮時代の文献や改竄された物が多い為）が、『高麗圖經（1123年）』で「庶民は味が悪く、色が濃いお酒を飲む」という記録があることから、高麗時代から庶民がなんらかの濁った色の酒を飲んでいた可能性は高い。朝鮮時代に入ってからも多くの人々が濁酒を好んで飲んだ。
韓国になり李承晩政権で農業政策を行わず、日本統治時代に発展させた農業を壊滅的に低下させたために慢性的な食糧不足が発生し、1963年からは米を原料としていた濁酒が禁止され、小麦粉・トウモロコシ・大麦などを混ぜて作るようになった。その後、米の生産量が増え、消費量が減ったため、1977年12月に米を原料としたマッコリが再び作られた。 しかし、酒類製造法の規制のため昔のものより味が悪く、値段も高かったため1年で姿を消し、現在は再び小麦粉で造られている。
【よくある韓国人の勘違い】006
酒1つとっても、韓国らしい勘違いが色々とあります。
【韓国の伝統酒は「伝統」ではない】
一般的な言葉である『伝統』という語彙とは違い、韓国が言う『伝統』はウリジナルな言葉であり、実際には伝統もなにもないと思った方がいいと思います。
何故かしきりに「韓国の伝統酒だ」と言うが、別に「伝統がある酒」という意味にはなっておらず、『伝統酒』というナショナリズムなカテゴリーを作ってそこに入れた近代酒でしかない。
本来の『伝統』とは、古くからの仕来り・様式・傾向、血筋などの有形あるいは無形の系統を受け伝えることであり、民族や社会・団体が長い歴史を通じて培い伝えて来た、信仰、風習、制度、思想、学問、芸術、あるいはそれらの中心をなす精神的あり方などのことをいうものです。
ですので、日本では「酒造り」自体には伝統がありますし、杜氏にも伝統があるのですが、別に「菊政宗」を酒名に対しては伝統酒とは言わないのですよね。
それに対して韓国がしているのは、本来は「伝統」ではないものを「伝統」とする事であり、これを広めているだけで、これらは「創られた伝統」「伝統の捏造」等と呼ばれるものです。
エリック・ホブズボームとテレンス・レンジャーの1983年の編著『創られた伝統』により、この概念は広く知られるようになった。ロジャー・キージングなど一部の文化人類学者は、社会的・政治的要請によって『創作される伝統』というのは、民族集団や階層に正当性を与えるためのものであり、近代的なナショナリズムと密接に関連していると指摘している。
ちなみに、日本では韓国とは違い、『伝統ある酒』は存在します。
神社などの『御神酒』や『奉献酒』ですね。
神事などで神に捧げるお酒で、神社や神棚でお供えする神饌のひとつであり、『白酒』『黒酒』『醴酒』『清酒』の4種類が正式とされています。
「酒の品名」ではなく、「どのように作られた酒か」という伝統です。
日本の「伝統的酒造り」とは、杜氏・蔵人等がこうじ菌を用い、長年の経験に基づき築き上げてきた酒造り技術のことで、500年以上前に原型が確立したといわれています。日本各地の気候風土に応じて発展し、日本酒、焼酎、泡盛、みりん等の製造に受け継がれてきました。また、祭事や婚礼といった日本の社会文化的行事に酒が不可欠な役割を果たしており、伝統的酒造りはそれを根底で支える技術とされています。
こうした「伝統的酒造り」は、2024年12月5日にユネスコ無形文化遺産保護条約においてユネスコ無形文化遺産に登録されています。
韓国の自称「伝統酒」とは違い、「古くからの仕来り・様式・傾向、血筋などの有形あるいは無形の系統を受け伝えることであり、民族や社会・団体が長い歴史を通じて培い伝えて来た、信仰、風習、制度、思想、学問、芸術、あるいはそれらの中心をなす精神的あり方など」を体現しているので、日本の酒には伝統がある訳です。
最近もあったので、『扇の舞』を「韓国の伝統舞踊だ！」と言っていたというのがありますが、韓国の『扇の舞』というのは戦後の1950年代に、中国の舞踊を元に創作された新舞踊ですね。「扇を使った舞」というのは、日本が最も古く平安時代からあり1000年ほど、次に中国で明の時代からなので600年ほどある。それに対して韓国はまだ6〜70年程度であり、伝統と言える歴史は持っていないにもかかわらず、「『扇の舞』は韓国の伝統舞踊」というのは、まさに「伝統の捏造」ですね。
何故かしきりに「韓国の伝統酒だ」と言うが、別に「伝統がある酒」という意味にはなっておらず、『伝統酒』というナショナリズムなカテゴリーを作ってそこに入れた近代酒でしかない。
本来の『伝統』とは、古くからの仕来り・様式・傾向、血筋などの有形あるいは無形の系統を受け伝えることであり、民族や社会・団体が長い歴史を通じて培い伝えて来た、信仰、風習、制度、思想、学問、芸術、あるいはそれらの中心をなす精神的あり方などのことをいうものです。
ですので、日本では「酒造り」自体には伝統がありますし、杜氏にも伝統があるのですが、別に「菊政宗」を酒名に対しては伝統酒とは言わないのですよね。
それに対して韓国がしているのは、本来は「伝統」ではないものを「伝統」とする事であり、これを広めているだけで、これらは「創られた伝統」「伝統の捏造」等と呼ばれるものです。
エリック・ホブズボームとテレンス・レンジャーの1983年の編著『創られた伝統』により、この概念は広く知られるようになった。ロジャー・キージングなど一部の文化人類学者は、社会的・政治的要請によって『創作される伝統』というのは、民族集団や階層に正当性を与えるためのものであり、近代的なナショナリズムと密接に関連していると指摘している。
ちなみに、日本では韓国とは違い、『伝統ある酒』は存在します。
神社などの『御神酒』や『奉献酒』ですね。
神事などで神に捧げるお酒で、神社や神棚でお供えする神饌のひとつであり、『白酒』『黒酒』『醴酒』『清酒』の4種類が正式とされています。
「酒の品名」ではなく、「どのように作られた酒か」という伝統です。
日本の「伝統的酒造り」とは、杜氏・蔵人等がこうじ菌を用い、長年の経験に基づき築き上げてきた酒造り技術のことで、500年以上前に原型が確立したといわれています。日本各地の気候風土に応じて発展し、日本酒、焼酎、泡盛、みりん等の製造に受け継がれてきました。また、祭事や婚礼といった日本の社会文化的行事に酒が不可欠な役割を果たしており、伝統的酒造りはそれを根底で支える技術とされています。
こうした「伝統的酒造り」は、2024年12月5日にユネスコ無形文化遺産保護条約においてユネスコ無形文化遺産に登録されています。
韓国の自称「伝統酒」とは違い、「古くからの仕来り・様式・傾向、血筋などの有形あるいは無形の系統を受け伝えることであり、民族や社会・団体が長い歴史を通じて培い伝えて来た、信仰、風習、制度、思想、学問、芸術、あるいはそれらの中心をなす精神的あり方など」を体現しているので、日本の酒には伝統がある訳です。
最近もあったので、『扇の舞』を「韓国の伝統舞踊だ！」と言っていたというのがありますが、韓国の『扇の舞』というのは戦後の1950年代に、中国の舞踊を元に創作された新舞踊ですね。「扇を使った舞」というのは、日本が最も古く平安時代からあり1000年ほど、次に中国で明の時代からなので600年ほどある。それに対して韓国はまだ6〜70年程度であり、伝統と言える歴史は持っていないにもかかわらず、「『扇の舞』は韓国の伝統舞踊」というのは、まさに「伝統の捏造」ですね。
【朝鮮の在来米】007
どうも、韓国では「白米」や「玄米」という語彙を「うるち米」と語彙誤読をしている人も少なくはないようである。
「白米」も「玄米」も、「もち米」「うるち米」どちらにもあるので、「白米」「玄米」であるからといってうるち米とは限りません（参考：デリッシュキッチン「うるち米とは？「もち米」や「白米」との違いは？」）。
朝鮮半島の酒で利用する米種が「もち米」から「うるち米」に変わっていったのは、日本統治で米が増産されるようになり、朝鮮時代や大韓帝国時代では米を食べる機会などほとんどなかった中流以下の人々まで米を食べられるようになってからの話であり、それまでは一般的に中流以下が『米』と言えば「もち米」を朝鮮半島では指していると考えた方がいいでしょう。
実際、それぞれの酒の作り方や材料を見ても、「米」「もち米」「白米」「玄米」という表記はよくあるが、「うるち米」という表記がある酒はほとんどない。
韓国で酒を調べて乗せているデータベースもあり、ここにはよく載っているが、「白米」「米」「玄米」という表記を「うるち米」としている間違いは大変に多い（ちなみに、もち米にも赤米は存在はするが、数がかなり少ない）。
これは、日本統治前の朝鮮米の研究で「近代朝鮮半島の稲作と日本の農業近代化政策」や「朝鮮在来稲の特色」が、簡単な話ですが「うるち米」は税に取られていたというのと、色が付いていた赤米種が多いというのですね。主穀用のうるち稲と異なり、もち稲は自家用としてどこでも、しかし小規模に栽培されていた結果、という事です。
もちろん、うるち米の白米も存在はしていますが、それは半島南側で、それもどこから持ってきたのか和稲の系統がほとんど（ちなみに、古い時代の和稲は朝鮮の過酷な環境では育ちにくいので、限られた地域と量だと推測できる）であり、味がいいので税で取り上げられるので中流以下の人が口にできるものではありません。
「うるち米でも赤米があったなら、それで作ったのでは？」と思うかもしれないが、赤米で付くった酒は酒造段階で赤色から時間を置けば褐色になる酒（赤米は形成質層にタンニン系の色素を持つ）であり、朝鮮の米を使った酒に赤色や褐色の酒というような記述がある酒はない（赤麹米や赤金を使う酒は存在する）。例えば上澄みだけを飲むとしても、それは伊根満開のような赤みを帯びた酒になる。白米と赤米で作った甘酒なんかもあり、色の比較がしやすい。
ですので、朝鮮の酒造りの歴史文献を読む上で、その材料については注意が必要で、
ちなみに、朝鮮文献を見ても分かるのだが、朝鮮酒の製法では「米を水に浸けてから石臼で挽いて粉にする」というのが多く見られます。これも、「米」が「もち米」だったであろう証拠になります。うるち米に比べると、もち米は熱に弱いため、日本で言う「水挽き」という手法が粉にしているのです。
「白米」も「玄米」も、「もち米」「うるち米」どちらにもあるので、「白米」「玄米」であるからといってうるち米とは限りません（参考：デリッシュキッチン「うるち米とは？「もち米」や「白米」との違いは？」）。
朝鮮半島の酒で利用する米種が「もち米」から「うるち米」に変わっていったのは、日本統治で米が増産されるようになり、朝鮮時代や大韓帝国時代では米を食べる機会などほとんどなかった中流以下の人々まで米を食べられるようになってからの話であり、それまでは一般的に中流以下が『米』と言えば「もち米」を朝鮮半島では指していると考えた方がいいでしょう。
実際、それぞれの酒の作り方や材料を見ても、「米」「もち米」「白米」「玄米」という表記はよくあるが、「うるち米」という表記がある酒はほとんどない。
韓国で酒を調べて乗せているデータベースもあり、ここにはよく載っているが、「白米」「米」「玄米」という表記を「うるち米」としている間違いは大変に多い（ちなみに、もち米にも赤米は存在はするが、数がかなり少ない）。
これは、日本統治前の朝鮮米の研究で「近代朝鮮半島の稲作と日本の農業近代化政策」や「朝鮮在来稲の特色」が、簡単な話ですが「うるち米」は税に取られていたというのと、色が付いていた赤米種が多いというのですね。主穀用のうるち稲と異なり、もち稲は自家用としてどこでも、しかし小規模に栽培されていた結果、という事です。
- 朝鮮時代のうるち稲は野生稲の形質を有していた赤米種が多い、自然任せの米農作がされており、
- 赤米種は白米種に比べてより劣悪な環境でも一定の収量を期待でき、
- 耐旱性・耐寒性に優れた赤米種が朝鮮半島に数多く栽培され、
- 近代に入っても白米種に赤米種は混栽れていた
もちろん、うるち米の白米も存在はしていますが、それは半島南側で、それもどこから持ってきたのか和稲の系統がほとんど（ちなみに、古い時代の和稲は朝鮮の過酷な環境では育ちにくいので、限られた地域と量だと推測できる）であり、味がいいので税で取り上げられるので中流以下の人が口にできるものではありません。
「うるち米でも赤米があったなら、それで作ったのでは？」と思うかもしれないが、赤米で付くった酒は酒造段階で赤色から時間を置けば褐色になる酒（赤米は形成質層にタンニン系の色素を持つ）であり、朝鮮の米を使った酒に赤色や褐色の酒というような記述がある酒はない（赤麹米や赤金を使う酒は存在する）。例えば上澄みだけを飲むとしても、それは伊根満開のような赤みを帯びた酒になる。白米と赤米で作った甘酒なんかもあり、色の比較がしやすい。
ですので、朝鮮の酒造りの歴史文献を読む上で、その材料については注意が必要で、
- 「米」となると「うるち米の可能性も無い事はないが、もち米の可能性が高く、また高麗時代までなら黍米も入る可能性がある」でしょう。
- 現代韓国語では「うるち米」である「멥쌀」という語彙は、17世紀頃だと「うるち米」ではなく「芒米（有芒種米：赤米など野生種の形質を残した色米）」を指している可能性が高いです（「梗」と「粳」の中国漢字の読み間違え）。「멥쌀」が今の「白く味のいい粳米」としての意味として使うのは、日本統治時代も1920年以降ぐらいと考えた方がいい。
- 「白米」となると19世紀以前の文献であれば「まずもち米を指す」と考えた方がいいでしょう。
- 「良い米」となると、「19世紀辺りであれば和稲系統の半島南側で獲れたうるち米の可能性もあるが、それ以前だともち米を指す」と考えればいいでしょう。
- 「白濁した酒」という説明なら、「もち米」を使った酒であろう。
- 地域性もあり、「米」が「うるち米」の場合も半島南側で作られたものに限られ、また沿岸部や山間部は「もち米」で、半島北半分でも「もち米」であろう。
- 王族や両班だけが飲む貴重な酒というならともかく「庶民も飲んでいた」となると、その原料になる米は「うるち米ではなく、まずもち米」でしょう。
- 「玄米」と言ってもやはり「もち米の玄米を指す」のでしょう。
- 古文書原本が諺文（ハングル）で「멥쌀」と記載されている場合、偽造改竄された可能性も高くなります（少なくても1920年代以前では「멥쌀」より「메쌀」の方が一般的に使用される）。
- 古文書原本の中国漢文で「粘米」とある場合、これは「もち米」ではなく「もち粟」を指す。
ちなみに、朝鮮文献を見ても分かるのだが、朝鮮酒の製法では「米を水に浸けてから石臼で挽いて粉にする」というのが多く見られます。これも、「米」が「もち米」だったであろう証拠になります。うるち米に比べると、もち米は熱に弱いため、日本で言う「水挽き」という手法が粉にしているのです。
【17世紀の朝鮮米】008
1610年の『閑情錄』の「治濃」や18世紀初期頃に書かれた『山林經濟』に少し書かれていて、
ちなみに、これは「水稲」についてであり、糯米種も粳米種も、ジャポニカ種もインディカ種も混ざった上での稲作の話であり、無芒種のジャポニカ種の粳稲となると、本当に極少数しかなかったという事でもある。
詳しくは『朝鮮半島の農業』の『日本統治以前の朝鮮の稲作』『17〜18世紀の朝鮮での稲作』を参照してください。
また、現代韓国人は中国漢文を読めない人もいるようで、朝鮮時代の中国漢文の文献には『粘米』という単語があり、これを「もち米」と訳しているのを見掛ける。が、これは間違い。『粘米』とは「もち粟」の事である。もち粟は、中国で穀物醸造酒の原料として使用される穀物で、黄酒の主原料のひとつであり、現在も済州島ではもち粟を使う酒があるように、朝鮮時代でも酒の材料になっている。
南方の水稲はその名前が一定していないが、大きく分けて3種類ある。とある。ハングル訳だと判り難くなっていますが、
・早熟而緊細者曰籼（早熟で米粒が固く、粒が細いものは「インド米（セン）」）
・晩熟而香潤者曰梗（晩熟で香ばしく艶のあるものは「有芒種米（ギャェン）」）
・適中米白而糯（育成が適度で、米粒が白くて艶やかなものを「もち米（ナ）」）
この三つはすべて同時期に布種する
- 「籼（セン）」は朝鮮語発音では「xiān」であり、これをハングル翻訳では「선（seon）」と当て字しています。
意味は「インディカ米」で、日本で言う「大唐米（早熟で小さく細長く味は悪い赤米）」っぽいですね。
ちなみに日本語では「籼」は「うるち」とも読みます。つまり、正確に言えば「籼米」は「インディカ種のうるち米」を指しています。 - 「梗（こう）」は朝鮮語発音では「gyeong」であり、これをハングル翻訳では「갱（gaeng）」と当て字していますが、意味は「有芒種」という意味で、すなわち野生種の形質を持った穀物米の話で、赤や黒といった色米が多い。
どうも韓国の現代語訳では『갱』を「粳（うる）」＝『멥（meb）』でと誤訳している（有芒種のうるち米もあるので全てが間違いというわけではないのですが、語彙の意味が失われる）。同じ「有芒種」を指す名称として「芒（mang）」というのがあります。現代韓国語で「粳（うる）」を指すのは『멥（meb）』であり、「梗（こう）」を指す『갱（gaeng）』は違う文字なんですね（漢字やその語彙がそもそも違う）。実際、1911年の時に朝鮮総督府が調査した京畿道38府郡に登場した350種の稲の内、313種について芒の有無を記録しているが、当時の朝鮮半島では「有芒種」の稲が251種（80.2％）も占めている（1911年で8割である。17〜18世紀だともっと割合が多かっただろう）。
ちなみに日本語では「梗」も「粳」も「こう」とも読めます。漢字の偏（漢字の左側）が「木偏」か「米偏」かで違いがある訳です。 - 「糯」は朝鮮語発音で「na」であり、「糯米」のこと。「もち米」だと現代朝鮮語（日本統治時代から）で「찹쌀（chabssal）」と書くが、朝鮮時代で使っていた中国漢字の「糯米」は「nami」と発音するのである（ちなみに語源はやはり中国。「糯」「nuò」で、「糯米」で「nuòmǐ」になる）。
ちなみに、これは「水稲」についてであり、糯米種も粳米種も、ジャポニカ種もインディカ種も混ざった上での稲作の話であり、無芒種のジャポニカ種の粳稲となると、本当に極少数しかなかったという事でもある。
詳しくは『朝鮮半島の農業』の『日本統治以前の朝鮮の稲作』『17〜18世紀の朝鮮での稲作』を参照してください。
また、現代韓国人は中国漢文を読めない人もいるようで、朝鮮時代の中国漢文の文献には『粘米』という単語があり、これを「もち米」と訳しているのを見掛ける。が、これは間違い。『粘米』とは「もち粟」の事である。もち粟は、中国で穀物醸造酒の原料として使用される穀物で、黄酒の主原料のひとつであり、現在も済州島ではもち粟を使う酒があるように、朝鮮時代でも酒の材料になっている。
【酒類の輸出入】009
韓国では「当時（併合前の朝鮮時代）の朝鮮の酒はとてもよく、中国や日本に多くが輸出された」と俗説があるが、これは嘘である。
例えば、1898年の記録『日本帝国統計摘要 第15回』での輸入を見ても、ドイツ・アメリカからの酒の輸入はしているが、朝鮮はあるかどうかというレベルである。
また、1908年の記録『日本帝国統計摘要 第25回』での輸入でもやはり朝鮮からは無く、逆に日本から朝鮮に相当量の清酒の輸出がある事が記載されている。
実際、朝鮮半島は諸外国への開国をする前から、中国からやはり相当量の酒を輸入しており、また、日本との通商開通後は日本からアルコールを輸入し、朝鮮時代末期ではそのアルコールを朝鮮の酒造りに添加し味を円やかに酒精を上げる酒造方法が行われるようになっている。このアルコールを添加し酒精を上げる方法自体も、日本からの技術伝達と思われる（酒にアルコールを加える手法は江戸時代には既にある）。この「アルコールを添加し酒精を上げる方法」により、今のような味がまろやかで酒精が強い酒の原型が出来たのである（それまでの朝鮮時代の酒は、基本的にアルコール濃度が低めの物が多く、濃度が高い物は仕込みに時間が掛かる為に庶民には手が届かない高価なものだったのだ）。
例えば、1898年の記録『日本帝国統計摘要 第15回』での輸入を見ても、ドイツ・アメリカからの酒の輸入はしているが、朝鮮はあるかどうかというレベルである。
また、1908年の記録『日本帝国統計摘要 第25回』での輸入でもやはり朝鮮からは無く、逆に日本から朝鮮に相当量の清酒の輸出がある事が記載されている。
実際、朝鮮半島は諸外国への開国をする前から、中国からやはり相当量の酒を輸入しており、また、日本との通商開通後は日本からアルコールを輸入し、朝鮮時代末期ではそのアルコールを朝鮮の酒造りに添加し味を円やかに酒精を上げる酒造方法が行われるようになっている。このアルコールを添加し酒精を上げる方法自体も、日本からの技術伝達と思われる（酒にアルコールを加える手法は江戸時代には既にある）。この「アルコールを添加し酒精を上げる方法」により、今のような味がまろやかで酒精が強い酒の原型が出来たのである（それまでの朝鮮時代の酒は、基本的にアルコール濃度が低めの物が多く、濃度が高い物は仕込みに時間が掛かる為に庶民には手が届かない高価なものだったのだ）。
【統治時代の酒税令】010
韓国ではよく「日本が統治時代に酒税令を制定し、文化抹殺政策で伝統酒が消えていった」とあるが、これは嘘である。
日本統治時代に酒税法は制定されたが、これは密造酒の販売を禁じるものであり、販売用に大量生産する場合も、個人が作り自分で家で飲む分も、申請し、登録証を掲げれば自家製造は可能であり、個人の製造までを禁止したものではない。ようは、「酒を造るなら、きちんと登録した上で税はきちんと払え」という事だ。
ちなみに、酒造及び販売の管理を最初に制定したのは日本統治時代ではなく、大韓帝国時代。朝鮮半島でお酒を作って販売する事に国家が介入し始めた時は大韓帝国時期は1909年2月13日の酒造法制定である。
日本統治時代、京城（ソウル）で一番大きいお酒工場中の一つであった天一醸造場は、1913年1月22日に朝鮮総督府から濁酒及び薬酒の兔許を受けている。日本は別に朝鮮文化抹殺政策などしておらず、まったく逆で文化保護や文化記録の政策をとっており、朝鮮酒においても許可と登録さえすれば推奨している。1917年4月に改定された酒税令でも天一醸造場は焼酒製造兔許も得ており、薬酒・濁酒・焼酎を製造して販売をしている。
韓国で「伝統酒」としている慶尚北道安東地方で造られている『安東燒酒』も、日本統治中の1915年に安東市南門洞に設立された安東酒造会社が焼酎を生産し始めた酒である。
しかし、薬酒は酒税令によって兔許事業者の独占事業になりながら材料費を惜しむために、それまでの酒も主な原料でもち米を使用しており、日本統治になりうるち米も使われるようになったが、多くが他のものを混ぜて作られた（様々な雑穀を混ぜるのは、朝鮮時代から朝鮮人のケチる習性である）。さらに朝鮮時代末期から続いていたが管理されない密造酒が半島内で横行しており、『薬酒』であるはずなのに、飲むと薬ではなくむしろ毒になる副作用がしばしば発生した（それ故に、より厳しく管理がされるようになったのである）。
日本統治時代に酒税法は制定されたが、これは密造酒の販売を禁じるものであり、販売用に大量生産する場合も、個人が作り自分で家で飲む分も、申請し、登録証を掲げれば自家製造は可能であり、個人の製造までを禁止したものではない。ようは、「酒を造るなら、きちんと登録した上で税はきちんと払え」という事だ。
ちなみに、酒造及び販売の管理を最初に制定したのは日本統治時代ではなく、大韓帝国時代。朝鮮半島でお酒を作って販売する事に国家が介入し始めた時は大韓帝国時期は1909年2月13日の酒造法制定である。
日本統治時代、京城（ソウル）で一番大きいお酒工場中の一つであった天一醸造場は、1913年1月22日に朝鮮総督府から濁酒及び薬酒の兔許を受けている。日本は別に朝鮮文化抹殺政策などしておらず、まったく逆で文化保護や文化記録の政策をとっており、朝鮮酒においても許可と登録さえすれば推奨している。1917年4月に改定された酒税令でも天一醸造場は焼酒製造兔許も得ており、薬酒・濁酒・焼酎を製造して販売をしている。
韓国で「伝統酒」としている慶尚北道安東地方で造られている『安東燒酒』も、日本統治中の1915年に安東市南門洞に設立された安東酒造会社が焼酎を生産し始めた酒である。
しかし、薬酒は酒税令によって兔許事業者の独占事業になりながら材料費を惜しむために、それまでの酒も主な原料でもち米を使用しており、日本統治になりうるち米も使われるようになったが、多くが他のものを混ぜて作られた（様々な雑穀を混ぜるのは、朝鮮時代から朝鮮人のケチる習性である）。さらに朝鮮時代末期から続いていたが管理されない密造酒が半島内で横行しており、『薬酒』であるはずなのに、飲むと薬ではなくむしろ毒になる副作用がしばしば発生した（それ故に、より厳しく管理がされるようになったのである）。
【韓国政府による朝鮮酒抹殺施策】011
戦後になると密造を厳しく管理していた朝鮮総督府がなくなり、韓国になってから管理されない家庭での密造が横行が急増し、薬酒は名前だけで、むしろ毒になる酒が社会の中で流通し、その中でも「まともな酒」と言えるような酒は一部しかなく、まともに味わうのも難しかった。
実際に朝鮮時代に作られていた朝鮮酒が消えていくのは、戦後で韓国になってからである。
実際に朝鮮時代に作られていた朝鮮酒が消えていくのは、戦後で韓国になってからである。
- 1950年の李承晩政府では、米保護政策で米で酒を造ることを禁止する「糧穀管理法」が制定・実施されてからで、多くの朝鮮酒が次々と消えていったものである。この米保護政策は米の値段を低く抑えるためのものであったが、これにより農民の半分は木の皮を食べて生き延びるほど貧困に追い込まれた時代で、日本統治時代に格段に向上した朝鮮半島の農業を壊滅的にさせていった時代である。ただ、密造酒は横行していた。
- さらに、1962年の朴正煕政府はご飯で食べる米も不足な状況で米でお酒をつけることを不満に思った。結局その年12月4日当時財務部長官は薬酒製造に40%以上を雑穀で置き換えることを行政措置で発表した。
- 1965年にはこの政策がもっと強化されたし、8月4日農林部では薬酒に米や雑穀の使用も一切禁止してさつまいも澱粉のみを使うように立法取り計いを取った。そのために蒸留酒が消えてさつまいも澱粉で作った希釈式焼酎が酒のテーブルを占領した状態になり、この措置は朝鮮酒（薬酒）のレゾンデートルさえつぶしてしまう結果を生んだのである。
【麹の違い】012
中国で発酵に使う麹菌は「クモノスカビ」がほとんど。粉にした穀物に水を少し加え練って固めます。主に小麦麦で原料となる穀物を蒸さずにそのまま置いておくことで、クモノスカビをはじめとする様々な種類の微生物が繁殖し、酒造りに使う「餅麹」ができあがります。
朝鮮の麹も、こちらの「餅麹」が基本で、中国の麹と同じ作り方をします。
麹（こうじ）の違いは、原料の穀物を蒸すか蒸さないかによって生じます。
中国や朝鮮では、蒸さないことで収穫時に付着していたクモノスカビやケカビが増え、これが麹になります。
一方日本では日本では穀物は粉にせず、穀物を一度蒸すことで、付着していた菌を殺菌し、コウジカビを加えます。
また、蒸すことでタンパク質が変化し、コウジカビが優先的に繁殖します。
米にコウジカビが繁殖するとまるで花が咲いたようにみえることから「糀」という国字が生まれました（バラ麹と呼ばれます）。これが日本に来たものなのか、それとも日本は日本で独自で麹が作られたかは分かりません（なにせ、蒸した米を残してほっておくと麹になりますので）。
またカビも違い、日本の麹は「ニホンコウジカビ」、学名では「Aspergillus oryzae」と呼ばれるもので、朝鮮と違います。
米麹は弥生時代や古墳時代には既にあったと考えられており（酒造りしていたであろう痕跡は縄文時代から既にある）、伝説は日本最古の歴史書「古事記」「日本書紀」に「八塩折之酒」と記されています。しかし、八塩折之酒の話では麹自体については書かれておらず、書物としてしっかりと記録にあるのは今からおよそ1300年前の奈良時代の書物である「播磨国風土記」を見てみると麹についての記述を見つけることができます。
また麦麹は日本では平安時代に既にある事が確認が出来ています。平安時代と言うと794〜1185年の期間であり、これは朝鮮半島では統一新羅中期〜高麗中期の時代に当たる時代であり、こちらも歴史があります。
韓国では『한국식품사회사(韓國食品社會史)』(1984年)に「300年ほど前、吳・張・金の3氏が定住してきたときに、生計を立てるために麦麹を作って売ったと伝えられている。この麹は、黄色いカビが咲き、香ばしい香りがする黄麹菌の麹で、満州・日本まで売られていた特産品だった」とあるが、これは嘘である。
日本ではそれより古く、1000年ほど前から麦麹が存在しており、またこの「黄麹菌」というのは日本特有の「ニホンコウジカビ」でつくる麹の話なので、現在ならともかく朝鮮半島で作られるものではありません。
中国と朝鮮が長い間伝統的な酒造りや醤造りに使用していたカビはクモノスカビやケカビの一種であり、日本のニホンコウジカビやショウユコウジカビではないので、まるで違う）。
実際は逆で「日本から朝鮮に売られていた」のか（そういう話は聞かないが）か、日本統治時代以降、あるいは韓国になってからの物でしょうね。
この説は、麹の作り方の違いや菌の違い、そもそもが麹に種類がある事さえも知らなかったような、近年の歪んだ韓国ナショナリズムで創作された事実無根な俗説でしかない。
記録として残っている日本で麹が使われた最も古い歴史としては奈良時代、朝鮮半島ではまだ三国時代の時代で、「播磨国風土記」に「乾飯がぬれてカビがはえ、これで酒を造った」という記録があり。その後、平安・室町時代になると、麹を専門に売る「麹売り」や「種麹（もやし）屋」が登場しており、600年経った今でも10社ほどの種麹店が営業を続けています。つまり、日本の方が遥かに古く、麹を商売として安定供給を既に行っています。
また、麦麹でも違い、朝鮮では小麦麹を使います。
しかし、日本では焼酎や泡盛に使う麦麹でも大麦麹を使っています（米麹を使って作る焼酎もあります）。
麹の作り方を見ると、穀物を潰さずに作る作法は日本は独自か、それとも縄文時代も前半ぐらいに中国南東部や東南アジアから来た可能性はあります。粉にして作る麹は中国北東部で多く、作り方が明らかに違うので可能性は少ないでしょう。それに対して朝鮮の穀物を粉にして作る作法は、中国北東部のものがそのまま来ています。「米粒のまま蒸す」というのも朝鮮でも出てくるのですが、古代に日本から朝鮮半島に伝わり、それが朝鮮半島で融合した可能性もありますね。
実際、朝鮮の酒の作り方を見ると、殆どは浙江省の酒に似ています。
それ以前は、黍米（粘黄米や糯小米とも呼ばれ、日本の粟に相当。山東省などでの酒造りに使われる）の黄酒ではないかと思う。実際、朝鮮半島でも黍を使う酒は『三午酒：閨壼是議方（1670年）』や『甘紅露：攷事十二集（18世紀後半）>>#S064]]』がある。
朝鮮の麹も、こちらの「餅麹」が基本で、中国の麹と同じ作り方をします。
麹（こうじ）の違いは、原料の穀物を蒸すか蒸さないかによって生じます。
中国や朝鮮では、蒸さないことで収穫時に付着していたクモノスカビやケカビが増え、これが麹になります。
一方日本では日本では穀物は粉にせず、穀物を一度蒸すことで、付着していた菌を殺菌し、コウジカビを加えます。
また、蒸すことでタンパク質が変化し、コウジカビが優先的に繁殖します。
米にコウジカビが繁殖するとまるで花が咲いたようにみえることから「糀」という国字が生まれました（バラ麹と呼ばれます）。これが日本に来たものなのか、それとも日本は日本で独自で麹が作られたかは分かりません（なにせ、蒸した米を残してほっておくと麹になりますので）。
またカビも違い、日本の麹は「ニホンコウジカビ」、学名では「Aspergillus oryzae」と呼ばれるもので、朝鮮と違います。
米麹は弥生時代や古墳時代には既にあったと考えられており（酒造りしていたであろう痕跡は縄文時代から既にある）、伝説は日本最古の歴史書「古事記」「日本書紀」に「八塩折之酒」と記されています。しかし、八塩折之酒の話では麹自体については書かれておらず、書物としてしっかりと記録にあるのは今からおよそ1300年前の奈良時代の書物である「播磨国風土記」を見てみると麹についての記述を見つけることができます。
また麦麹は日本では平安時代に既にある事が確認が出来ています。平安時代と言うと794〜1185年の期間であり、これは朝鮮半島では統一新羅中期〜高麗中期の時代に当たる時代であり、こちらも歴史があります。
韓国では『한국식품사회사(韓國食品社會史)』(1984年)に「300年ほど前、吳・張・金の3氏が定住してきたときに、生計を立てるために麦麹を作って売ったと伝えられている。この麹は、黄色いカビが咲き、香ばしい香りがする黄麹菌の麹で、満州・日本まで売られていた特産品だった」とあるが、これは嘘である。
日本ではそれより古く、1000年ほど前から麦麹が存在しており、またこの「黄麹菌」というのは日本特有の「ニホンコウジカビ」でつくる麹の話なので、現在ならともかく朝鮮半島で作られるものではありません。
中国と朝鮮が長い間伝統的な酒造りや醤造りに使用していたカビはクモノスカビやケカビの一種であり、日本のニホンコウジカビやショウユコウジカビではないので、まるで違う）。
実際は逆で「日本から朝鮮に売られていた」のか（そういう話は聞かないが）か、日本統治時代以降、あるいは韓国になってからの物でしょうね。
この説は、麹の作り方の違いや菌の違い、そもそもが麹に種類がある事さえも知らなかったような、近年の歪んだ韓国ナショナリズムで創作された事実無根な俗説でしかない。
記録として残っている日本で麹が使われた最も古い歴史としては奈良時代、朝鮮半島ではまだ三国時代の時代で、「播磨国風土記」に「乾飯がぬれてカビがはえ、これで酒を造った」という記録があり。その後、平安・室町時代になると、麹を専門に売る「麹売り」や「種麹（もやし）屋」が登場しており、600年経った今でも10社ほどの種麹店が営業を続けています。つまり、日本の方が遥かに古く、麹を商売として安定供給を既に行っています。
また、麦麹でも違い、朝鮮では小麦麹を使います。
しかし、日本では焼酎や泡盛に使う麦麹でも大麦麹を使っています（米麹を使って作る焼酎もあります）。
麹の作り方を見ると、穀物を潰さずに作る作法は日本は独自か、それとも縄文時代も前半ぐらいに中国南東部や東南アジアから来た可能性はあります。粉にして作る麹は中国北東部で多く、作り方が明らかに違うので可能性は少ないでしょう。それに対して朝鮮の穀物を粉にして作る作法は、中国北東部のものがそのまま来ています。「米粒のまま蒸す」というのも朝鮮でも出てくるのですが、古代に日本から朝鮮半島に伝わり、それが朝鮮半島で融合した可能性もありますね。
実際、朝鮮の酒の作り方を見ると、殆どは浙江省の酒に似ています。
- 有名な『紹興酒』は、もち米を原料とした黄酒の一種。
- 『白糯米酒』は、もち米・小麦・水などを原料として作られている。
それ以前は、黍米（粘黄米や糯小米とも呼ばれ、日本の粟に相当。山東省などでの酒造りに使われる）の黄酒ではないかと思う。実際、朝鮮半島でも黍を使う酒は『三午酒：閨壼是議方（1670年）』や『甘紅露：攷事十二集（18世紀後半）>>#S064]]』がある。
【仕込み方の違い】013
日本と韓国（朝鮮）での酒の仕込み方は、根本的な違いがあります。
日本では米をそのまま蒸して使いますね。さらに、日本酒の場合は磨きも大事です。焼酎であっても、一次仕込みの米は同じです。沖縄の泡盛でも同じです（米がタイ米で。そこが焼酎と違います。また麹も違いますが）。
韓国（朝鮮）の酒造りでは、米を粉にしてから蒸して、それを餅や粥にしてから使います。この製法は中国から来ているもので、日本の製法と違います。
朝鮮時代の酒は焼酎やどぶろくににています。その中で朝鮮は比較的似ているように見えます。が、それは大きく違います。
『朝鮮から焼酎が伝わった』という俗説は、「15世紀頃、日本は中国をはじめ朝鮮やはるか遠くの西洋諸国とも貿易取引きがあったため、貿易船の中に各国の酒も輸入されており、朝鮮の焼酎が壱岐・対馬を経由し国内に入ってきた」という起源説から来ていますが、製法が大きく違うことから間違っている事は明らかであり、少数派が言っているだけの俗説です。
一番有力とされているのがタイから琉球・薩摩を経由し全国へと伝わったという説です。
1534年に書かれた『陳侃使琉球録』に、琉球には南蛮酒というシャムから渡来した酒についての記述があり、15世紀頃シャム（現在のタイ）より「ラオロン」と呼ばれる糖蜜ともち米を原料とした蒸留酒が輸入されていました。その後蒸留酒が琉球王朝の宮廷酒として飲まれるようになり、沖縄から薩摩（鹿児島）へ伝わったことで沖縄で泡盛が作られ、焼酎造りの製法が日本全国へ広まったとされています。中国や東南アジアとの交易を通じ、少なくとも15世紀、1470年には蒸留技術が伝えられた頃には、泡盛の原型に近い蒸留酒が作られていたようです。
泡盛が鹿児島へ伝わった後、焼酎の製造法は宮崎県南部・熊本県人吉（球磨）へは16世紀末には宮崎北部、高千穂へと伝わり、17世紀の中頃までに焼酎が作られるようになりました。この当時南九州では米は貴重だったこともあり、あわ・ひえ・きびなどの雑穀から焼酎が作られていたと思われます。その後17世紀に入り、元々清酒を多く造っていた北九州（福岡）では清酒の搾りかすである酒粕を蒸留する「粕取り焼酎」が誕生という歴史です。
『麦焼酎発祥』となっている壱岐の焼酎は「朝鮮半島から来た」という説もありますが、これはかなり怪しいです。なぜなら、壱岐のむぎ焼酎は原料が米麹1/3に対して大麦2/3を使用した壱岐独特の製法だからです。朝鮮時代の酒造りを原料から確認していますが、小麦を使っていても、大麦はほとんど使っていません。朝鮮の酒造りで大麦も使われ始めているのは、1963年以降になります。また、朝鮮の酒は基本的に小麦麹を使って作っています。
日本では米をそのまま蒸して使いますね。さらに、日本酒の場合は磨きも大事です。焼酎であっても、一次仕込みの米は同じです。沖縄の泡盛でも同じです（米がタイ米で。そこが焼酎と違います。また麹も違いますが）。
韓国（朝鮮）の酒造りでは、米を粉にしてから蒸して、それを餅や粥にしてから使います。この製法は中国から来ているもので、日本の製法と違います。
朝鮮時代の酒は焼酎やどぶろくににています。その中で朝鮮は比較的似ているように見えます。が、それは大きく違います。
『朝鮮から焼酎が伝わった』という俗説は、「15世紀頃、日本は中国をはじめ朝鮮やはるか遠くの西洋諸国とも貿易取引きがあったため、貿易船の中に各国の酒も輸入されており、朝鮮の焼酎が壱岐・対馬を経由し国内に入ってきた」という起源説から来ていますが、製法が大きく違うことから間違っている事は明らかであり、少数派が言っているだけの俗説です。
一番有力とされているのがタイから琉球・薩摩を経由し全国へと伝わったという説です。
1534年に書かれた『陳侃使琉球録』に、琉球には南蛮酒というシャムから渡来した酒についての記述があり、15世紀頃シャム（現在のタイ）より「ラオロン」と呼ばれる糖蜜ともち米を原料とした蒸留酒が輸入されていました。その後蒸留酒が琉球王朝の宮廷酒として飲まれるようになり、沖縄から薩摩（鹿児島）へ伝わったことで沖縄で泡盛が作られ、焼酎造りの製法が日本全国へ広まったとされています。中国や東南アジアとの交易を通じ、少なくとも15世紀、1470年には蒸留技術が伝えられた頃には、泡盛の原型に近い蒸留酒が作られていたようです。
泡盛が鹿児島へ伝わった後、焼酎の製造法は宮崎県南部・熊本県人吉（球磨）へは16世紀末には宮崎北部、高千穂へと伝わり、17世紀の中頃までに焼酎が作られるようになりました。この当時南九州では米は貴重だったこともあり、あわ・ひえ・きびなどの雑穀から焼酎が作られていたと思われます。その後17世紀に入り、元々清酒を多く造っていた北九州（福岡）では清酒の搾りかすである酒粕を蒸留する「粕取り焼酎」が誕生という歴史です。
『麦焼酎発祥』となっている壱岐の焼酎は「朝鮮半島から来た」という説もありますが、これはかなり怪しいです。なぜなら、壱岐のむぎ焼酎は原料が米麹1/3に対して大麦2/3を使用した壱岐独特の製法だからです。朝鮮時代の酒造りを原料から確認していますが、小麦を使っていても、大麦はほとんど使っていません。朝鮮の酒造りで大麦も使われ始めているのは、1963年以降になります。また、朝鮮の酒は基本的に小麦麹を使って作っています。
【段仕込み】014
【日本の古代の酒】015
万葉の頃の酒には
- 「白酒(しろき)」できあがった酒を荒目の布 で作った袋で手絞りにし、粕を取り除いた酒。
- 「黒酒(くろき)」白酒に「くさぎ」とよばれるクマツズラ科の 低木の根を蒸し焼きにしてできた灰を混ぜたものといわれています。したがって白っぽく濁っている。
- 「清酒(すみさけ)」現在の清酒のように透明度の高い酒ではなく、白酒の上澄み液。
- 「濁酒(にごれるさけ)」今でいうどぶろく酒のことで、粥状をしています。白酒になる前の酒。
- 「赤酒(あかさけ)」形成質層にタンニン系の色素を持った赤米で作った酒で、 淡い桃色を帯びますが、すぐに褐変します。
- 「難酒(かたさけ)」できの悪い酒で、すでに酸っぱくなったもの。この難酒が酢になる。
- 「糟湯酒(かすゆざけ)」白酒をとった後の粕に 湯を加えて作ったもので、香や味、アルコール度数の低い酒。「貧窮問答(ひんきゅうもんどう)の歌」にあるとおり、貧乏な人の飲むわびしい酒。
- 「新酒(あたらしさけ)」
- 「古酒(ふるさけ)」
【酒の名称と作り方】016
朝鮮で作られていた酒は、以下のようなものがある。
日本の酒、焼酎が3週間ぐらいでそこに熟成期間（3ヵ月以上）で作られるが、朝鮮の酒造りも似たようなものが幾つもあり『焼酎』相当というのが大体あっているだろう（日本酒とはかなり違うが）。ちなみに、日本の焼酎はタイの酒がルーツとなっており、その後に中国の作り方が入って混ざって日本独自の酒造が出来ているものである。
それに対して朝鮮の酒造りは中国のものがそのまま伝達しており、そこに朝鮮漢方を使った物もある、というものである。
もう少し詳しく言えば、「中国の酒造の半ばのもち米酒（一段仕込み段階）から、そのまま粕取焼酎の作り方（二段仕込み段階から焼酎の作り方）に変えた」という感じでもある。
今のところは108酒（ただし、1つの酒で名前が同じだが文献は複数が書かれていたり、複数の作り方を書いてあるものもあり、それを分けると150種ほど）を確認した。
日本の酒、焼酎が3週間ぐらいでそこに熟成期間（3ヵ月以上）で作られるが、朝鮮の酒造りも似たようなものが幾つもあり『焼酎』相当というのが大体あっているだろう（日本酒とはかなり違うが）。ちなみに、日本の焼酎はタイの酒がルーツとなっており、その後に中国の作り方が入って混ざって日本独自の酒造が出来ているものである。
それに対して朝鮮の酒造りは中国のものがそのまま伝達しており、そこに朝鮮漢方を使った物もある、というものである。
もう少し詳しく言えば、「中国の酒造の半ばのもち米酒（一段仕込み段階）から、そのまま粕取焼酎の作り方（二段仕込み段階から焼酎の作り方）に変えた」という感じでもある。
今のところは108酒（ただし、1つの酒で名前が同じだが文献は複数が書かれていたり、複数の作り方を書いてあるものもあり、それを分けると150種ほど）を確認した。
【基本的な作り方】
基本的な作り方だと、
アレンジとして、例えば�い�
また、��でも麹の量が多い場合は、
また、基本的に麹は麦を粉にして餅にして乾燥させた麦麹を粉状にして使うのだが、日本から来たのか米麹を使っている（ただし作り方は日本式ではなく中国式で、やはり粉にし餅にする）場合も朝鮮時代中期以降では見られ、松の葉を入れた乳酸発酵などもある。まぁ、現代で再現しようとしている人達もいるが、写真を見れば、ほとんどの酒が日本から見れば「どぶろく」である（作り方は少し違いますし、日本では弥生時代以前から既にあり3世紀後半の『魏志倭人伝』にも「倭人は酒を嗜む」と既に独自の酒文化があった事がわかります。どぶろくはどぶろくで美味しいですよ）。
日本の日本酒造りと大きく違うのは、穀物を粉にして餅や粥にするという作り方が基本と言う事ですね。日本ではあまり見られない、特徴的な大陸（中国）の作り方なので、緑の文字で分かりやすくすると、殆どの酒が日本と作り方がまるで違う事が判ります。
作り方は焼酎に近い造り方ですが、やはり作り方が少し違い（日本はもっと南方の東南アジアの作り方）、朝鮮の酒造り中国の酒造りに大変に似た作り方をします。
�々鯤�を水に浸した後に粉にするという感じになっている（2段仕込みが基本系）。
�⊂�して餅あるいは粥にする
�ａ韻涼罎�餅あるいは粥を入れて、水と麦麹を投入
�い靴个蕕�後に、蒸した穀物粉と水を投入（麦麹をさらに加える場合もある）
�イ靴个蕕�置けば完成（味を良くしたい場合は、2回目の追加投入をする）
アレンジとして、例えば�い�
- 醸す穀物は粉にせず粒のまま行う
- 粉にした後に餅や粥にする
- 醸す穀物（餅・粥・蒸した穀物粒）を先に甕に入れてから上から��を入れる
また、��でも麹の量が多い場合は、
- 漉して液体だけを使う
また、基本的に麹は麦を粉にして餅にして乾燥させた麦麹を粉状にして使うのだが、日本から来たのか米麹を使っている（ただし作り方は日本式ではなく中国式で、やはり粉にし餅にする）場合も朝鮮時代中期以降では見られ、松の葉を入れた乳酸発酵などもある。まぁ、現代で再現しようとしている人達もいるが、写真を見れば、ほとんどの酒が日本から見れば「どぶろく」である（作り方は少し違いますし、日本では弥生時代以前から既にあり3世紀後半の『魏志倭人伝』にも「倭人は酒を嗜む」と既に独自の酒文化があった事がわかります。どぶろくはどぶろくで美味しいですよ）。
日本の日本酒造りと大きく違うのは、穀物を粉にして餅や粥にするという作り方が基本と言う事ですね。日本ではあまり見られない、特徴的な大陸（中国）の作り方なので、緑の文字で分かりやすくすると、殆どの酒が日本と作り方がまるで違う事が判ります。
作り方は焼酎に近い造り方ですが、やはり作り方が少し違い（日本はもっと南方の東南アジアの作り方）、朝鮮の酒造り中国の酒造りに大変に似た作り方をします。
【注意点】017
「酒の名前が出て来た本の年代」で分けています。
当然ながら、その酒自体が存在しなければ、本に名前が載らないからですが。その本より古い時代にあったという事です。
また「酒名が載っているだけ」というのも少なくなく、作り方は載っていない本も多いので、本当に同じ酒を指すかは分からないのも多い。
また、基本的に古文書自体を読んでいるわけではなく、古文書からという韓国の文章で見ていますが、幾つか元の中国漢文を読むとかなり意訳誤訳しているのを見掛けます。
そのため、原文では実は作る方が違うと言うのもあるとは思います（実際、そういうのを幾つか見掛けてはいます）。
さらに、朝鮮半島の本は度重なる改竄追記が行われる事も少なくありません。
複数の本に記載がある中で、1つだけが古い場合は、そのような改竄をされた可能性がどうしても残ります。
書いていって思ったのは、「朝鮮の酒」というのはその多くが『中国の酒』の模倣酒であり、16世紀ぐらいから『日本の酒』の手法や材料が混ざり、20世紀からは『日本の酒』の手法が色濃く混ざって出来ている酒ではなかろうか。
当然ながら、その酒自体が存在しなければ、本に名前が載らないからですが。その本より古い時代にあったという事です。
また「酒名が載っているだけ」というのも少なくなく、作り方は載っていない本も多いので、本当に同じ酒を指すかは分からないのも多い。
また、基本的に古文書自体を読んでいるわけではなく、古文書からという韓国の文章で見ていますが、幾つか元の中国漢文を読むとかなり意訳誤訳しているのを見掛けます。
そのため、原文では実は作る方が違うと言うのもあるとは思います（実際、そういうのを幾つか見掛けてはいます）。
さらに、朝鮮半島の本は度重なる改竄追記が行われる事も少なくありません。
複数の本に記載がある中で、1つだけが古い場合は、そのような改竄をされた可能性がどうしても残ります。
書いていって思ったのは、「朝鮮の酒」というのはその多くが『中国の酒』の模倣酒であり、16世紀ぐらいから『日本の酒』の手法や材料が混ざり、20世紀からは『日本の酒』の手法が色濃く混ざって出来ている酒ではなかろうか。
【高麗時代からの酒】018
高麗時代から知られている酒といわれている。輝きが鏡のように透明で美しいことから『鏡面�冉伴髻戮箸いΕ蹈泪鵐船奪�な別名を持っている。
もろみ（もち米）で酒母を作ったものに、さらにもち米を一度加えて造るお酒。
『東國李相國集（1251年）』『四時纂要補（1590年）』『山林經濟（18世紀初期頃）』『閨閤叢書（1809年）』『陽酒方（1837年)』『林園經濟志（1900年前後）』などの文献にその製法が記録されている。
製法は、『四時纂要補（1590年）』では、
『山林經濟（18世紀初期頃）』では、
というか、唐時代の中国酒を高麗時代に模倣しただけだろう。
『四時纂要補（1590年）』というのがそもそも、唐の韓鄂が作ったという『四時纂要』の要約。
つまり、これは中国から来ている酒で、それを真似したものです。
もろみ（もち米）で酒母を作ったものに、さらにもち米を一度加えて造るお酒。
『東國李相國集（1251年）』『四時纂要補（1590年）』『山林經濟（18世紀初期頃）』『閨閤叢書（1809年）』『陽酒方（1837年)』『林園經濟志（1900年前後）』などの文献にその製法が記録されている。
製法は、『四時纂要補（1590年）』では、
もち米1升を粉にして麹を作り、白米（もち米）2、3升を粉にして粥を作り、先に作った麹と混ぜて作る。としている。
『山林經濟（18世紀初期頃）』では、
白米（もち米）1斗を粉にしてお湯2斗を入れ、粥を炊いて冷やした後、麹の粉2斗を均等に混ぜて酒の素を作り、ここによく蒸したもち米2斗と沸騰した水3斗を均等に混ぜて冷やしたものを入れて煮る。とある。
というか、唐時代の中国酒を高麗時代に模倣しただけだろう。
『四時纂要補（1590年）』というのがそもそも、唐の韓鄂が作ったという『四時纂要』の要約。
つまり、これは中国から来ている酒で、それを真似したものです。
【三亥酒 - 삼해주（samhaeju） / 法酒の一種】020
もち米を発酵させ、二度寝かせたお酒。
正月の最初の亥の日に始まり、亥の日ごとに3回に分けて造ることから三亥酒と呼ばれ、正月の最初の亥の日に浸して柳絮が吹く頃に食べることから「柳絮酒」とも呼ばれる。
高麗時代から製造された韓国の代表的な薬酒とされている。
『東國李相國集（1251年）』『山家要録（15世紀）』『閨壼是議方（1670年）』『要録（1680年頃）』『酒方文（17世紀）』『山林經濟（18世紀初期頃）』『陽酒方（1837年)』などの文献にその製法が記録されている。『秋官志（1781年）』には、金東弼が三亥酒の人気が高まるにつれ、京城（ソウル）に入る米が三亥酒を造ることに集中するため、それを止めてほしいと願ったという記録があります。
三亥酒の作り方は『閨壼是議方（1670年）』には、
『山林經濟（18世紀初期頃）』では
特に、ソウルの東幕付近が水の味が良く、三海酒の名産地として知られている。1985年、国税庁からソウル地方の民俗酒に指定された。
珍しく「うるち米（というよりは芒の米）」を使う事が『山林經濟（18世紀初期頃）』に記載されているお酒だが、それ以前はもち米で作る酒。
『山林經濟（18世紀初期頃）』が書かれている当時、うるち米は半島南側で作られているが、それまでの朝鮮稲はその多くが野生種の形質を持ったままの有芒種である色米であったが、日本が品種改良した日本の稲種である「倭」の名前が付いた稲が栽培されてきており、それを使った酒が裕福な両班などが飲む為に作られた物だと思われる。「うるち米」を使う酒は朝鮮時代ではかなり珍しいが、18世紀初頭から出てくるという事から、朝鮮通信使が日本の稲や酒造り手法からなんらかを持ち帰って加わった可能性が高いと思われる。
正月の最初の亥の日に始まり、亥の日ごとに3回に分けて造ることから三亥酒と呼ばれ、正月の最初の亥の日に浸して柳絮が吹く頃に食べることから「柳絮酒」とも呼ばれる。
高麗時代から製造された韓国の代表的な薬酒とされている。
『東國李相國集（1251年）』『山家要録（15世紀）』『閨壼是議方（1670年）』『要録（1680年頃）』『酒方文（17世紀）』『山林經濟（18世紀初期頃）』『陽酒方（1837年)』などの文献にその製法が記録されている。『秋官志（1781年）』には、金東弼が三亥酒の人気が高まるにつれ、京城（ソウル）に入る米が三亥酒を造ることに集中するため、それを止めてほしいと願ったという記録があります。
三亥酒の作り方は『閨壼是議方（1670年）』には、
正月の初午にもち米を百回洗って石臼で粉を作り、粥を煮て冷やした後、麹一斗を混ぜておき、二回目の初午に白米（もち米）の石臼を百回洗って粉を作り、餅を作る。これを冷やし、先に作った下酒に混ぜる。 そして、三回目の亥の日にももう一度麹を加えて造る。と記されている。
『山林經濟（18世紀初期頃）』では
正月の初詣にもち米一斗を百回洗って粉にし、薄めた粥を注いで冷やす。これに麹粉と小麦粉を各一斗ずつ混ぜて甕に入れる。次の時期にもち米とうるち米各一斗を百回洗って粉にし、これで酒糕を煮て薄めに混ぜる。 また、三回目に白米（もち米）五斗を百回洗って餅を蒸して冷やしたものを沸騰させた水三杯に溶かして、再び加水して3ヶ月間熟成させる。とある。
特に、ソウルの東幕付近が水の味が良く、三海酒の名産地として知られている。1985年、国税庁からソウル地方の民俗酒に指定された。
珍しく「うるち米（というよりは芒の米）」を使う事が『山林經濟（18世紀初期頃）』に記載されているお酒だが、それ以前はもち米で作る酒。
『山林經濟（18世紀初期頃）』が書かれている当時、うるち米は半島南側で作られているが、それまでの朝鮮稲はその多くが野生種の形質を持ったままの有芒種である色米であったが、日本が品種改良した日本の稲種である「倭」の名前が付いた稲が栽培されてきており、それを使った酒が裕福な両班などが飲む為に作られた物だと思われる。「うるち米」を使う酒は朝鮮時代ではかなり珍しいが、18世紀初頭から出てくるという事から、朝鮮通信使が日本の稲や酒造り手法からなんらかを持ち帰って加わった可能性が高いと思われる。
【菊花酒 - 국화주（gughwaju）】021
菊を使ったお酒。
酒を造るときに菊を一緒に入れて造る場合と、穀物と麹だけで造った酒に菊の香りを浸透させる方法がある。高麗時代の『東國李相國集（1251年）』などの文献に記録が見られ、朝鮮時代の『波韓集（これは高麗時代1260年の史料を元にとされているとされているが、17世紀朝鮮時代に作られた史料）』『歲時記』にも登場する。
『東醫寶鑑（1610年）』『要録（1680年頃）』『攷事十二集（18世紀後半）』『林園經濟志（1900年前後）』『閨壼要覽（19世紀初頭から中期））』などに製造法が説明されている。
『要録（1680年頃）』には、
『本草綱目（中国・明時代の病気の治療に使われる薬物を観察・収集し、文献を参考にして著した医学書なので朝鮮時代中期ぐらいの書物）』には、
日本の菊酒を真似したのか、中国からのものを真似したのか、どちらにしろ真似して作られた酒。
「菊酒」とは日本酒に菊の花を漬けたお酒のことで、かつては旧暦の9月9日「重陽の節句」に「菊酒」を飲み、厄除けや長寿を祈願するという風習が大事にされていました。「菊酒」は、盃に菊の花びらを浮かべ、一夜漬けした酒の味とともに菊の香りを味わう、雅で風流な日本酒のたのしみ方なのです。また、9月9日にはこの「菊酒」をたのしむだけでなく、菊を用いたさまざまな行事が行われていました。そのため「重陽の節句」は「菊の節句」とも呼ばれています。
「菊酒」は、日本においても元々は中国で生まれたお酒のたのしみ方。漢の時代には「重陽の節句」の元となる行事がすでに行われていて、菊の香りを移した菊酒を飲み、健康長寿を祝っていたといわれています。日本に伝わったのは平安時代のこと。宮中で、菊の花を眺めながら菊酒をたのしむ宴が催されていました。長い年月を経て庶民にも広がり、江戸時代には「上巳（桃）の節句」や「端午（菖蒲）の節句」などと並び、五節句として親しまれるようになりました。
まぁ、朝鮮半島の記録に出てくるより前からあったお酒です。
酒を造るときに菊を一緒に入れて造る場合と、穀物と麹だけで造った酒に菊の香りを浸透させる方法がある。高麗時代の『東國李相國集（1251年）』などの文献に記録が見られ、朝鮮時代の『波韓集（これは高麗時代1260年の史料を元にとされているとされているが、17世紀朝鮮時代に作られた史料）』『歲時記』にも登場する。
『東醫寶鑑（1610年）』『要録（1680年頃）』『攷事十二集（18世紀後半）』『林園經濟志（1900年前後）』『閨壼要覽（19世紀初頭から中期））』などに製造法が説明されている。
『要録（1680年頃）』には、
菊と生地黄とクコの根を5根ずつ一緒に蒸して1升の水に入れ、5升になるまで煮て汁を作り、もち米5升でご飯を炊き、麹の粉と上記の汁を一緒に混ぜて甕に入れ、蓋をよく密封しておいて、熟した後に使用すると書かれている。これは菊と数種類の薬草を一緒に入れて造った酒で、薬酒にもなる。『閨壼要覽（19世紀初頭から中期））』では、
米（もち米）1升の酒を造る際、干した菊2升を苧麻の袋に入れ、薬酒の上に一寸ほど垂らし、甕の口をしっかりと包み、二日後に取り出すと、酒が香ばしく、味もよいという。これは菊の香り成分を酒に浸透させる方法である。他にも、菊を直接お酒に浸す方法もある。一日三回、一度に一杯ずつ温めて飲むと、骨や筋肉が丈夫になり、長生きする。と言われている。
『本草綱目（中国・明時代の病気の治療に使われる薬物を観察・収集し、文献を参考にして著した医学書なので朝鮮時代中期ぐらいの書物）』には、
頭痛を治し、目と耳を明るくし、白病を取り除く効能がある。と記されている。
日本の菊酒を真似したのか、中国からのものを真似したのか、どちらにしろ真似して作られた酒。
「菊酒」とは日本酒に菊の花を漬けたお酒のことで、かつては旧暦の9月9日「重陽の節句」に「菊酒」を飲み、厄除けや長寿を祈願するという風習が大事にされていました。「菊酒」は、盃に菊の花びらを浮かべ、一夜漬けした酒の味とともに菊の香りを味わう、雅で風流な日本酒のたのしみ方なのです。また、9月9日にはこの「菊酒」をたのしむだけでなく、菊を用いたさまざまな行事が行われていました。そのため「重陽の節句」は「菊の節句」とも呼ばれています。
「菊酒」は、日本においても元々は中国で生まれたお酒のたのしみ方。漢の時代には「重陽の節句」の元となる行事がすでに行われていて、菊の香りを移した菊酒を飲み、健康長寿を祝っていたといわれています。日本に伝わったのは平安時代のこと。宮中で、菊の花を眺めながら菊酒をたのしむ宴が催されていました。長い年月を経て庶民にも広がり、江戸時代には「上巳（桃）の節句」や「端午（菖蒲）の節句」などと並び、五節句として親しまれるようになりました。
まぁ、朝鮮半島の記録に出てくるより前からあったお酒です。
高麗時代からある酒と言われており、韓方である千金木（赤金）の皮を煮た汁を混ぜてお作りしたお酒。
『東國李相國集（1251年）』『求荒撮要（1554年）』『治生要覽（1639年）』『山林經濟（18世紀初期頃）』『林園經濟志（1900年前後）』に記載がある。製法は、
千金を使う酒も、中国では7世紀には既にある。
その中国の酒を模倣した酒。
甘いと言うのもあるが、使っている米がもち米ということ。
『東國李相國集（1251年）』『求荒撮要（1554年）』『治生要覽（1639年）』『山林經濟（18世紀初期頃）』『林園經濟志（1900年前後）』に記載がある。製法は、
まずもち米と稲わらを濃く煮て稲わらを取り除いた後、赤い木の樹皮を煎じ、その汁が冷めるのを待って合わせ、甕に入れ、麹の粉を入れ、翌日、水二斗に米一斗で粥を煮て作る。酒の味は清らかで甘く、足の腫れを治す効能がある。という。また、滋養強壮食としても利用された。
千金を使う酒も、中国では7世紀には既にある。
その中国の酒を模倣した酒。
甘いと言うのもあるが、使っている米がもち米ということ。
【梨花酒 - 이화주（ihwaju）】023
朝鮮半島では珍しい米麹を使った濁酒。
梨の花が満開の時に浸す酒と言うことから梨花酒と呼ばれる。色が白くなったお粥のようなもので、水を入れて飲む。
高麗時代からあったとされる酒で、『東國李相國集（1251年）』『翰林別曲（13〜14世紀）』『閨壼是議方（1670年）』『要録（1680年頃）』『酒方文（17世紀）』『山林經濟（18世紀初期頃）』『攷事十二集（18世紀後半）』『林園經濟志（1900年前後）』『陽酒方（1837年)』『曆酒方文（19世紀中期）』などに記録されている。
『山林經濟（18世紀初期頃）』に収録されている作り方は、
これ、『米麹を使う』というのが書かれているのが18世紀初期頃の『山林經濟』であって、昔から米麹だったかは不明。
「色が白くなったお粥のようなもの」なので、赤米ではない事が判るので、米はもち米。
甘いと言うのもあるが、これも使っている米がもち米という事なのでしょう。
梨の花が満開の時に浸す酒と言うことから梨花酒と呼ばれる。色が白くなったお粥のようなもので、水を入れて飲む。
高麗時代からあったとされる酒で、『東國李相國集（1251年）』『翰林別曲（13〜14世紀）』『閨壼是議方（1670年）』『要録（1680年頃）』『酒方文（17世紀）』『山林經濟（18世紀初期頃）』『攷事十二集（18世紀後半）』『林園經濟志（1900年前後）』『陽酒方（1837年)』『曆酒方文（19世紀中期）』などに記録されている。
『山林經濟（18世紀初期頃）』に収録されている作り方は、
米をきれいに洗って粉にして茹でて取り出し餅にし、冷ましてから準備しておいた麹の粉を均等に混ぜて、甕にしっかりと押して入れる。春は7日、夏は21日で出来上がるが、夏は甕を水の中に入れて熟成させる。お酒を甘くするには米1合に対して7斗の麹粉を入れ、清酒を濃くするには3、4斗の麹粉を入れればよい。酒を造るときは、決して生水を入れてはいけない」と書かれている。この酒を造るには麹が最も重要で、作り方は正月の上亥の日にあらかじめ浸しておいた米を細かく粉にして、卵の大きさだけまとめて瓶に松葉と一緒に入れ、上首に置きます。この時、暖かいと真ん中が腐って青い点ができる。とある。
これ、『米麹を使う』というのが書かれているのが18世紀初期頃の『山林經濟』であって、昔から米麹だったかは不明。
「色が白くなったお粥のようなもの」なので、赤米ではない事が判るので、米はもち米。
甘いと言うのもあるが、これも使っている米がもち米という事なのでしょう。
【千日酒 - 천일주（）】025
もち米を精米して蒸し冷やした後に、麹粉を混ぜて水を加えて熟成させる酒。
『東國李相國集（1251年）』『類苑叢寶（17世紀初期）』『飮食譜（17世紀中頃）』などに収録されており、「春香伝」にも登場する酒である。
『飮食譜（17世紀中頃）』によると製法は、
――が、これは内容の後年に一部を改竄捏造されているようである。なぜなら、「マッチ」は1927年にイギリスで出来たものであり、『飮食譜（17世紀中頃）』の頃にはない。
「マッチ（성냥）」の語源は、漢字語の「石硫黄」で、『解解胎産集要（1608年）』に「石硫黄」と書いてあるそうです。その「石硫黄」がナマって「ソンニュワン」→「ソンニャン」になったようです。
では「石硫黄」がマッチと同じ様に使われたかと言うと、そうではありません。朝鮮半島では元々硫黄が採れず、しかたなく朝鮮時代中期（つまり『飮食譜（17世紀中頃）』の時代）は主に武器生産用に日本から輸入していたもので、一般に仕えるようなものではありません（朝鮮時代後期から末期に掛けて朝鮮半島の山でも硫黄が発見される）。
韓韓辞典によると「성냥」は「鉄に焼きを入いれて鍛えたり道具を作つくること」ともあり、やはりどうも『飮食譜（17世紀中頃）』の文章が成り立たない。
あって「火をつけた枝を差し入れて〜〜」という事なのかなとは思うが、それにしても「マッチ（성냥）」と書くのはおかしい。
『東國李相國集（1251年）』『類苑叢寶（17世紀初期）』『飮食譜（17世紀中頃）』などに収録されており、「春香伝」にも登場する酒である。
『飮食譜（17世紀中頃）』によると製法は、
甕の酒には、石臼で白米（もち米）を粉にし蒸して冷やした後、麹の粉を一斗臼で挽いて混ぜ、水を打ちながら何度も砕き、トロトロになるように入れる。お年寄りをもてなすように、冷たくも熱くもないように保存する。寒いときは8〜9日、暑いときは7〜8日でいい。出来上がったら、甕の酒を別のところに注ぎ、縁まで水を入れてもち米を蒸して冷やした後、甕の底に置き水と一緒に入れて、冷たくも熱くもないように置きます。出来上がりを確認するには、マッチに火をつけて突っ込んでみて火が消えなければ出来上がりなので、涼しい所に置き、水を入れて最初の水を汲み上げ、油脂でよく封をして涼しい所に置きます。一日ほど経った後、透明な水だけを注いで数回盗聴をすると、味もよく、酒の色も澄んでいる。二度目の浮いた水を最初の酒を浮かべなかった時と同じくらいの水を注いで浮かべ、三度目の酒は二度目の水より半分程度多くなるように水を注ぎ、水を入れて浮かべる。お酒が少し薄かったら、最初に浮かせたお酒を注いで振る舞うと記されている。
――が、これは内容の後年に一部を改竄捏造されているようである。なぜなら、「マッチ」は1927年にイギリスで出来たものであり、『飮食譜（17世紀中頃）』の頃にはない。
「マッチ（성냥）」の語源は、漢字語の「石硫黄」で、『解解胎産集要（1608年）』に「石硫黄」と書いてあるそうです。その「石硫黄」がナマって「ソンニュワン」→「ソンニャン」になったようです。
では「石硫黄」がマッチと同じ様に使われたかと言うと、そうではありません。朝鮮半島では元々硫黄が採れず、しかたなく朝鮮時代中期（つまり『飮食譜（17世紀中頃）』の時代）は主に武器生産用に日本から輸入していたもので、一般に仕えるようなものではありません（朝鮮時代後期から末期に掛けて朝鮮半島の山でも硫黄が発見される）。
韓韓辞典によると「성냥」は「鉄に焼きを入いれて鍛えたり道具を作つくること」ともあり、やはりどうも『飮食譜（17世紀中頃）』の文章が成り立たない。
あって「火をつけた枝を差し入れて〜〜」という事なのかなとは思うが、それにしても「マッチ（성냥）」と書くのはおかしい。
酒の色が黄金のように黄色いことから黄金酒と呼ばれ、『翰林別曲（13〜14世紀）』『攷事撮要（1554年）』『閨壼是議方（1670年）』『要録（1680年頃）』『三峰集（1791年）』『陽酒方（1837年)』『金承旨宅酒方文（1860年）』などに記録が見られる。
『閨壼是議方（1670年）』の製法は、
また、『陽酒方（1837年)』には、
説明文には「うるち米ともち米を混ぜて二度発酵させたお酒」とあるが、史料には「もち米」とはっきりと書かれているように、やはり「もち米を使った酒」である。材料や製造方法から、中国の黄酒を真似した酒である。酒の色から麹が白麹と推定される。
『閨壼是議方（1670年）』の製法は、
白米（もち米）2斗をきれいに洗い、水に浸して一晩寝かせた後、粉にし、沸騰させた水で粥を煮て冷やす。これに麹一斗を混ぜて麹を作る。夏は三日、春・秋は五日、冬は二日後にもち米一斗をきれいに洗い、蒸して冷やした後、一緒に混ぜて七日後に使うようにと記されている。
また、『陽酒方（1837年)』には、
もち米4斗を粉にし、沸騰したお湯を注いで煮詰めて冷やし、澱粉2斗を混ぜて麹を作る。三日後、もち米2升をきれいに洗い、蒸し、ヘラでかき混ぜながら水をかけてご飯を冷やす。冷やしたご飯を麹に混ぜて冷蔵し、夏は7日間、冬は10日間で使うとある。
説明文には「うるち米ともち米を混ぜて二度発酵させたお酒」とあるが、史料には「もち米」とはっきりと書かれているように、やはり「もち米を使った酒」である。材料や製造方法から、中国の黄酒を真似した酒である。酒の色から麹が白麹と推定される。
【白霞酒 - 백하주（baeghaju）】027
酒母を使った酒を土台に、さらに米と麹を加えて酒の味を濃くしたお酒。
酒色が白い霧雨に似ていることから白霞酒と呼ばれ、別名「方文酒」とも呼ばれる。清酒を代表するお酒で、後世になると薬酒の代名詞となった。
高麗時代から造られたと言われており、『東國李相國集（1251年）』にある。他には『攷事撮要（1554年）』『酒方文（17世紀）』『山林經濟（18世紀初期頃）』『増補山林經濟（1766年）』『閨閤叢書（1809年）』などに作り方が記録されている（とあるが、最も古い作り方が書かれているのが『攷事撮要（1554年）』と朝鮮時代16世紀の史料なので、高麗時代から本当にあるかは不明）。
最も古い製法として、『攷事撮要（1554年）』に二釀法で白河酒を造る方法が記録されている。
一方、『増補山林經濟（1766年）』では、
名前も「白霞酒」だけでなく、「白花酒」という呼び方（少し飲み方が違う）や、『酒饌（1800年代）』ではアレンジしたものとして『白花春』という呼び名の酒もある。
製作方法から分かるが、ようはもち米と麦麹を使った服段仕込みする焼酎やどぶろくである。
材料や作り方は中国式。
酒色が白い霧雨に似ていることから白霞酒と呼ばれ、別名「方文酒」とも呼ばれる。清酒を代表するお酒で、後世になると薬酒の代名詞となった。
高麗時代から造られたと言われており、『東國李相國集（1251年）』にある。他には『攷事撮要（1554年）』『酒方文（17世紀）』『山林經濟（18世紀初期頃）』『増補山林經濟（1766年）』『閨閤叢書（1809年）』などに作り方が記録されている（とあるが、最も古い作り方が書かれているのが『攷事撮要（1554年）』と朝鮮時代16世紀の史料なので、高麗時代から本当にあるかは不明）。
最も古い製法として、『攷事撮要（1554年）』に二釀法で白河酒を造る方法が記録されている。
きれいに洗った米一升を粉にしてボウルに入れ、沸騰したお湯三瓶を混ぜて冷やした後、麹粉一升と酒母一升を混ぜて甕に入れる。そして3,4日後、再び米2升をきれいに洗って蒸し、沸騰した水6本を混ぜて冷やした後、酒の底に合わせ、ここに麹の粉1升を乗せて調合すると7,8日で熟成し、紙の芯に火をつけて甕の中に入れ、火が消えたら熟したととある。
一方、『増補山林經濟（1766年）』では、
米一升を粉にして甕に入れ、熱い水三瓶を混ぜて饅頭を作り、冷ましてから麹粉一升半を加えて熟成させるという單釀法を説明している。このように、白霞酒は時代の変化によって材料の分量と製造方法が簡素化され、二陽法から單釀法へと変化したことが分かる。
名前も「白霞酒」だけでなく、「白花酒」という呼び方（少し飲み方が違う）や、『酒饌（1800年代）』ではアレンジしたものとして『白花春』という呼び名の酒もある。
製作方法から分かるが、ようはもち米と麦麹を使った服段仕込みする焼酎やどぶろくである。
材料や作り方は中国式。
【浮蟻酒 - 부의주（buuiju） / どんどん酒 - 동동주（dongdongju） / �儺村� - 녹의주（nog-uiju）】028
京畿道華城市地域で伝統的に作られてきたもち米を使ったお酒。
韓国では「原料はうるち米」という俗説もあるが、それは嘘。
1987年、京畿道無形文化財(現、無形遺産)に指定されたが、2011年3月に製造施設の閉鎖及び京畿道内未居住のため解除された。
浮蟻酒という名前は、酒が熟すと米粒が浮いているのがまるで蟻が浮いているように見えることに由来する。浮衣酒はこの他にも、米粒が浮いていることから浮動酒、蛾が浮いているように見えることから浮蛾酒、緑蛾酒などとも呼ばれている。
浮蛾酒は『牧隱集（1404年）』に記録が見られることから、高麗時代から造られたと考えられているが、記載自体は朝鮮時代になってからの書物から出てくる。
具体的な製法は『攷事撮要（1554年）』『飮食知味方（1677年）』『山林經濟（18世紀初期頃）』『陽酒方（1837年)』『飮食方文（1891年）』などの朝鮮時代の文献に記録されている。
『攷事撮要（1554年）』に見られる製法は、
『山林經濟（18世紀初期頃）』では、
味は甘くてピリッとした味わいで、夏場に食欲をそそる酒。加水せずに一次浸漬で仕上げる薬酒で、麹を一晩水に浸して使用する点が特徴的。
華城の浮蟻酒は、慶尚北道安東出身の권오수옹が近年になり「伝統を復元した」として作り始めたものを次男の기훈が受け継いで作っている。主原料はもち米と麹で、アルコール度数は13度。保存期間は冬の常温では15日程度、冷蔵保存すれば1年も可能です。化学添加物を入れないので、たくさん飲んでも後味がすっきりしているのが特徴。
――とあるが、「もち米」ではなく「主原料はもち米」な時点で、伝統を復元したとは言えない。
朝鮮ではほとんどすべて酒造りが「穀物を粉にして蒸て餅にするか粥にして作る」という中で、米粒で作ると言うのは独特――だが、日本では米粒のままで作るのが一般的なので、日本の酒造りが伝播してきたものと思われる。
韓国では「原料はうるち米」という俗説もあるが、それは嘘。
1987年、京畿道無形文化財(現、無形遺産)に指定されたが、2011年3月に製造施設の閉鎖及び京畿道内未居住のため解除された。
浮蟻酒という名前は、酒が熟すと米粒が浮いているのがまるで蟻が浮いているように見えることに由来する。浮衣酒はこの他にも、米粒が浮いていることから浮動酒、蛾が浮いているように見えることから浮蛾酒、緑蛾酒などとも呼ばれている。
浮蛾酒は『牧隱集（1404年）』に記録が見られることから、高麗時代から造られたと考えられているが、記載自体は朝鮮時代になってからの書物から出てくる。
具体的な製法は『攷事撮要（1554年）』『飮食知味方（1677年）』『山林經濟（18世紀初期頃）』『陽酒方（1837年)』『飮食方文（1891年）』などの朝鮮時代の文献に記録されている。
『攷事撮要（1554年）』に見られる製法は、
もち米一斗を蒸して餅を作り、麹粉一斗を器に浸し、澱粉をろ過して水麹を作る。水麴をろ過した麴水に餅を混ぜて甕に入れると、3日間で透明になり、米粒が浮いて蟻のようになるという。
『山林經濟（18世紀初期頃）』では、
もち米一斗を蒸してボウルに入れ、冷やし、水一升を沸騰させて冷ます。まず、麹の粉一斗を水に浸し、蒸したもち米と混ぜて甕に入れ、三日夜寝かせるとすぐに熟すという。
味は甘くてピリッとした味わいで、夏場に食欲をそそる酒。加水せずに一次浸漬で仕上げる薬酒で、麹を一晩水に浸して使用する点が特徴的。
華城の浮蟻酒は、慶尚北道安東出身の권오수옹が近年になり「伝統を復元した」として作り始めたものを次男の기훈が受け継いで作っている。主原料はもち米と麹で、アルコール度数は13度。保存期間は冬の常温では15日程度、冷蔵保存すれば1年も可能です。化学添加物を入れないので、たくさん飲んでも後味がすっきりしているのが特徴。
――とあるが、「もち米」ではなく「主原料はもち米」な時点で、伝統を復元したとは言えない。
朝鮮ではほとんどすべて酒造りが「穀物を粉にして蒸て餅にするか粥にして作る」という中で、米粒で作ると言うのは独特――だが、日本では米粒のままで作るのが一般的なので、日本の酒造りが伝播してきたものと思われる。
【菖葡酒 - 창포주（changpoju）】029
韓法（漢方）薬である菖葡の根を漬けた酒。
高麗時代文献の文献から編纂したと言われている朝鮮時代の書物『牧隱集（1404年）』『圃隱集（1439年）』や朝鮮時代の『東醫寶鑑（1610年）』『古事十二集（1787年）』『農政会要（1830年）』『林園經濟志（1900年前後）』などにこれに関する記録が見られる、らしい。記載されている元が『韓國食品社會史』1984年のもので、実際に書かれているかは確認していない。
『林園經濟志（1900年前後）』に製造法があるが、
菖蒲の根を刻んだり屑にしたりしたものを，酒に浸して菖蒲酒にして飲む風習が宋代からある。
中国の酒の模倣をしたのか、日本の菖蒲酒（平安時代には五月節供に軒に菖蒲と蓬をふいて魔よけのまじないとした。このほか，菖蒲をまくらの下に敷いて寝たり，ふろや酒に入れて菖蒲湯や菖蒲酒にした風習がある）の模倣かは分からないが、文献の時代からすると日本からの風習の伝達の可能性も高い。
高麗時代文献の文献から編纂したと言われている朝鮮時代の書物『牧隱集（1404年）』『圃隱集（1439年）』や朝鮮時代の『東醫寶鑑（1610年）』『古事十二集（1787年）』『農政会要（1830年）』『林園經濟志（1900年前後）』などにこれに関する記録が見られる、らしい。記載されている元が『韓國食品社會史』1984年のもので、実際に書かれているかは確認していない。
『林園經濟志（1900年前後）』に製造法があるが、
もち米を蒸して麹と菖葡根を合わせて漬けるという。
菖蒲の根を刻んだり屑にしたりしたものを，酒に浸して菖蒲酒にして飲む風習が宋代からある。
中国の酒の模倣をしたのか、日本の菖蒲酒（平安時代には五月節供に軒に菖蒲と蓬をふいて魔よけのまじないとした。このほか，菖蒲をまくらの下に敷いて寝たり，ふろや酒に入れて菖蒲湯や菖蒲酒にした風習がある）の模倣かは分からないが、文献の時代からすると日本からの風習の伝達の可能性も高い。
【柏子酒 - 백자주（baegjaju）】030
松の実を入れた薬用酒であると同時に果実酒。
高麗時代からあったとされる酒で、『翰林別曲（13〜14世紀）』に登場しているので高麗時代にあったのはたぶん正しいと思う。
『要録（1680年頃）』『酒方文（17世紀）』『山林經濟（18世紀初期頃）』『民天集說（1752年）』『増補山林經濟（1766年）』『攷事十二集（18世紀後半）』『曆酒方文（19世紀中期）』『群學會騰（19世紀中期）』などにも記録されている。
作り方は『酒方文（17世紀）』では、
一方、『要録（1680年頃）』では、
「白米」としか記載がないが、他の酒と同じでやはりもち米だろう。
高麗時代からあったとされる酒で、『翰林別曲（13〜14世紀）』に登場しているので高麗時代にあったのはたぶん正しいと思う。
『要録（1680年頃）』『酒方文（17世紀）』『山林經濟（18世紀初期頃）』『民天集說（1752年）』『増補山林經濟（1766年）』『攷事十二集（18世紀後半）』『曆酒方文（19世紀中期）』『群學會騰（19世紀中期）』などにも記録されている。
作り方は『酒方文（17世紀）』では、
松の実をよく洗って細かく粉にし、水一斗を松の実の粉と混ぜてふるいにかけて殻と滓を取り除いた後、この水をよく沸騰させておく。また、白米（もち米）一斗をよく洗って粉にして蒸した後、ここに松の実を煮た水を混ぜて均等にかき混ぜ、冷やした後、石臼で挽いた麹粉を混ぜて甕に入れ、酒が熟した後に使用すると記されている。
一方、『要録（1680年頃）』では、
白米（もち米）1升に松の実1升を麹粉と混ぜて蒸して酒を造る方法は、香醞酒と同じである。この酒は気虚に良いとされ、高麗時代の明宗が好んで飲んだという俗説がある。
「白米」としか記載がないが、他の酒と同じでやはりもち米だろう。
薬材である五加皮を入れた酒。慶尚南道の代表的な土俗酒。
五加皮酒は古くから親しまれてきた韓国の伝統的な薬用酒とされている。単に嗜好酒としてだけでなく、薬用酒としてもよく飲まれており、特に強壮効果に優れていると言われています。
高麗時代から造られてきた酒とされるが、朝鮮時代からの文献にしか出てこない。
『翰林別曲（13〜14世紀）』『閨壼是議方（1670年）』『山林經濟（18世紀初期頃）』『増補山林經濟（1766年）』『閨閤叢書（1809年）』『曆酒方文（19世紀中期）』などにある。
作り方は、
五加皮酒は古くから親しまれてきた韓国の伝統的な薬用酒とされている。単に嗜好酒としてだけでなく、薬用酒としてもよく飲まれており、特に強壮効果に優れていると言われています。
高麗時代から造られてきた酒とされるが、朝鮮時代からの文献にしか出てこない。
『翰林別曲（13〜14世紀）』『閨壼是議方（1670年）』『山林經濟（18世紀初期頃）』『増補山林經濟（1766年）』『閨閤叢書（1809年）』『曆酒方文（19世紀中期）』などにある。
作り方は、
白米一斗を何度も洗って粉にし、五加皮の煎じた水三瓶を混ぜて冷やした後、麹、小麦粉、酒粕一斗を均等に混ぜて甕に入れて煮る。白米2斗で作った餅と五加皮の煎じた水を混ぜて冷やした後、先に作ったものに入れる。もう一つの方法は、
五斗の白米を洗って麹を入れ、五加皮の煎じ水を三本入れて酒を造る。酒を濃くするには、別の酒をその中に注ぎ、油紙で密封して暖かい場所に置いておき、7〜8日後に甕に入れる。他の方法は、
水に浸した五加皮を剥がして日陰で乾燥させた後、細かく切って袋に入れ、甕の底に入れ、米五斗をきれいに洗って粉にして粥を作り、冷めた後、麹粉五斗を混ぜて混ぜる。などがある。
【流霞酒 - 유하주（yuhaju） 】034
「神仙が飲んでいたお酒」という俗説があり、『論衡』には、万道という人が神仙に会ってこのお酒をもらい、一杯飲んだら数ヶ月間空腹を感じなかったという話がある。
『東文選（1472年あるいは1713年）』『穡經（1676年）』『林園經濟志（1900年前後）』などに記録されている。
作り方は、
ここに出てくる「白米」も、もち米でしょう。ただ、麹が麦麹ではなく、米麹と言うのが違います（もち米でも米麹は作る事ができる）。
また、この時間を掛けて作る米麹は、古来の日本ではよく行われていたもので、今なら麹菌を使ってすぐできますが、昔だと自然のカビの付着で作るので時間がかかるのですね。どうも、中国由来の従来の方法と、日本由来の米麹を合わせた酒のようです（これ以外で、米麹を使っている酒は、朝鮮時代にはほとんどない）
また、『米麹を使う』というのが書かれているのが、1900年前後であって、それ以前のものには書かれていないので、朝鮮時代初期から米麹だったかは不明。
日本で近いものに「練酒」があります。この「練酒」は朝鮮の書物より古い『蔭涼軒目録（1466年）』に「筑前博多の練緯酒」、『碧山目録（1468年）』に「豊後の練貫酒」と記述がある。既に日本の九州で田舎酒として確立していた練酒が朝鮮に伝達したものではないかと思われる（この酒が京都などにも輸出されており、人気があったらしい。韓国ではこの「東から西に」を朝鮮半島からと勘違いしているようだ）。
『東文選（1472年あるいは1713年）』『穡經（1676年）』『林園經濟志（1900年前後）』などに記録されている。
作り方は、
正月または2月に白米（もち米）一合をきれいに洗って粉を作り、アヒルの卵ほどの団子を作り、団子の間に稲わらや松葉を入れ、藁の筒の中に入れてしっかりと密封し、7日後に取り出して皮をむき、天日干しして麹を作る。3月初旬に白米（もち米）を粉にして蒸した後、準備しておいた米麹を入れて酒を仕込み、端午の頃に飲み始める。麹の原料を小麦ではなく米にした点と、酒造りの期間よりも麹造りの期間が長いのが特徴である。
ここに出てくる「白米」も、もち米でしょう。ただ、麹が麦麹ではなく、米麹と言うのが違います（もち米でも米麹は作る事ができる）。
また、この時間を掛けて作る米麹は、古来の日本ではよく行われていたもので、今なら麹菌を使ってすぐできますが、昔だと自然のカビの付着で作るので時間がかかるのですね。どうも、中国由来の従来の方法と、日本由来の米麹を合わせた酒のようです（これ以外で、米麹を使っている酒は、朝鮮時代にはほとんどない）
また、『米麹を使う』というのが書かれているのが、1900年前後であって、それ以前のものには書かれていないので、朝鮮時代初期から米麹だったかは不明。
日本で近いものに「練酒」があります。この「練酒」は朝鮮の書物より古い『蔭涼軒目録（1466年）』に「筑前博多の練緯酒」、『碧山目録（1468年）』に「豊後の練貫酒」と記述がある。既に日本の九州で田舎酒として確立していた練酒が朝鮮に伝達したものではないかと思われる（この酒が京都などにも輸出されており、人気があったらしい。韓国ではこの「東から西に」を朝鮮半島からと勘違いしているようだ）。
【朝鮮時代中期前半（16世紀）からの酒】035
【松筍酒 - 송순주（songsunju）】036
松の実を入れたお酒。
「松笋酒」とも呼ばれる。『醫方合編（16世紀初頭頃）』『山林經濟（18世紀初期頃）』『民天集說（1752年）』『増補山林經濟（1766年）』『陽酒方（1837年)』『酒方文（1801年か1861年）』『郡學會謄（19世紀中期）』『林園經濟志（1900年前後）』『是議全書（1919年）』に記載がある。
『是議全書（1919年）』に記された作り方は、
甘いと言うのもあるので、使っている米がもち米なのでしょう。
「松笋酒」とも呼ばれる。『醫方合編（16世紀初頭頃）』『山林經濟（18世紀初期頃）』『民天集說（1752年）』『増補山林經濟（1766年）』『陽酒方（1837年)』『酒方文（1801年か1861年）』『郡學會謄（19世紀中期）』『林園經濟志（1900年前後）』『是議全書（1919年）』に記載がある。
『是議全書（1919年）』に記された作り方は、
米8升をきれいに洗って一晩浸した後、粉にして粥を煮て冷やした後、麹2升8合を混ぜて煮て酒のもとを作り、松の実も煮て冷やす。もち米4合をきれいに洗って一晩浸した後、他の水が入らないように蒸し、酒母と松の実を一緒に混ぜ合わせる。『林園經濟志（1900年前後）』には、
松の実を水に浸し、その水で酒を作る方法が記されている。酒の味は甘く、毒がなく味が良いので、家庭で漬けるだけでなく、酒屋で売られることもあった。特に春の時節酒として有名であったとある。
甘いと言うのもあるので、使っている米がもち米なのでしょう。
蒸したもち米を作り、麹を冷水に浸し、もち米に混ぜて醸すお酒。
主に夏場に造る酒で『醫方合編（1538年）』『治生要覽（1698年）』『山林經濟（18世紀初期頃）』『林園經濟志（1900年前後）』『朝鮮無雙新式料理製法（1924年）』などに収録されている。
製法は
主に夏場に造る酒で『醫方合編（1538年）』『治生要覽（1698年）』『山林經濟（18世紀初期頃）』『林園經濟志（1900年前後）』『朝鮮無雙新式料理製法（1924年）』などに収録されている。
製法は
もち米一斗をきれいに洗って蒸米し、麹粉二斗を水二瓶に浸して麹を作り、麹水を作ってもち米と合体して造る。酒を造った翌日、酒壺を冷水が入った大きなボウルの中に置き、毎日2〜3回冷水を入れ替えながら酒を熟成させる。7日後、酒を取り出す。とある。
【薯蕷酒 - 서여주（seoyeoju）】037
山芋を入れた藥用酒。
『活人心方（1547年）』にその製法が記録されているらしいが、『林園經濟志（1900年前後）』『金斗鍾本養生書（20世紀前半）』に説明がある。
『活人心方（1547年）』にその製法が記録されているらしいが、『林園經濟志（1900年前後）』『金斗鍾本養生書（20世紀前半）』に説明がある。
「山芋」は薬とされており、山で採ったものを10日ほど天日で乾燥させるとよく剥がれる。これをよく蒸して乾燥させたものとミルクを混ぜてよく練り、卵大の大きさに成形し、酒半升に一個の割合で入れて保存する。熟成したと思ったら開封して少しずつ飲む。犬肉と一緒に食べると、より一層いい。と書かれている。
【戊戌酒 - 무술주（musulju）】038
黃拘一匹を十分に煮た汁に麹と米を混ぜて醸した酒。
その製法は『攷事撮要（1554年）』『山林經濟（18世紀初期頃）』『民天集說（1752年）』『増補山林經濟（1766年）』『陽酒方（1837年)』などに記録されている。『攷事撮要（1554年）』には、武術酒を造る2つの方法が記されている。
1つは、
犬を使った肉酒……？
いや、まぁ。朝鮮には鹿の頭を漬けた酒もありますし、おかしくはないか。
その製法は『攷事撮要（1554年）』『山林經濟（18世紀初期頃）』『民天集說（1752年）』『増補山林經濟（1766年）』『陽酒方（1837年)』などに記録されている。『攷事撮要（1554年）』には、武術酒を造る2つの方法が記されている。
1つは、
良質の犬を捕まえて四つ割りにし煮込み、スープに浮かんだ油をすべて取り出し、その水にもち米の餅を入れ煮込む方法である。この時、油を取り除いたものは淡泊な味がし、油を入れたものは濃厚な味がするが、犬をきれいに洗わないと酒の色が透明にならないという。もう一つの方法は、
犬一匹の皮を剥き、頭と内臓を取り除き、四つ裂いて適当な甕に入れ、もち米一斗か一斗半を蒸して麹の粉を適当に混ぜて、やはり甕に入れ、1年間地面に埋めて熟成させる方法である。翌年、埋めてから1年が経った日に蓋を開けてみると、肉が溶けてしまっていて、まろやかで透明感のあるピリッとした味わいのお酒になっているという。また追記として、
このお酒は特にお年寄りに良く、3匹分食べ続けると、あらゆる病気がなくなり、気力を極端に補うという。とある。
武術酒を造る際に注意すべき点は、犬を捕まえて血を洗わないこと、酒を造った日を書き留めておき、1年たったら取り出すことである。
犬を使った肉酒……？
いや、まぁ。朝鮮には鹿の頭を漬けた酒もありますし、おかしくはないか。
水を混ぜずにもち米を蒸して麹を混ぜて作ったお酒。
『攷事撮要（1554年）』『治生要覽（1639年）』『山林經濟（18世紀初期頃）』『民天集說（1752年）』『林園經濟志（1900年前後）』『是議全書（1919）』などの文献にある。
製法は、もち米一斗を蒸して餅にし、これに麹五斗を混ぜて、水の代わりに良い酒を一本注いで造る。水の代わりに酒を入れて造るのが特徴で、酒は甘みがある。
『攷事撮要（1554年）』『治生要覽（1639年）』『山林經濟（18世紀初期頃）』『民天集說（1752年）』『林園經濟志（1900年前後）』『是議全書（1919）』などの文献にある。
製法は、もち米一斗を蒸して餅にし、これに麹五斗を混ぜて、水の代わりに良い酒を一本注いで造る。水の代わりに酒を入れて造るのが特徴で、酒は甘みがある。
【椒柏酒 - 초백주（chobaegju）】107
朝鮮では『屠蘇酒』を正月に飲むが、歳の終わりの大晦日に飲むのが『椒柏酒』になる。
『椒柏酒』はそれほど複雑な酒ではなく、『林園經濟志（1900年前後）』にある製法では、大晦日に胡椒7粒と東に伸びた松の葉7枚を摘んで酒に入れるだけという儀式的な酒。
李植（1584〜1647年）という詩人の、大晦日の夜に偶然書いた詩に「椒柏酒」の名前が出ているので、朝鮮時代中期にはあった酒で風習なようです。
似た酒は高麗時代にもあり、『椒觴』『椒花』『椒花酒』と名付けられた酒があります。
韓国の記載を見るとよく「正月に飲む」と書いてあるのを見掛けるが、これは間違い。
『椒柏酒』はそれほど複雑な酒ではなく、『林園經濟志（1900年前後）』にある製法では、大晦日に胡椒7粒と東に伸びた松の葉7枚を摘んで酒に入れるだけという儀式的な酒。
李植（1584〜1647年）という詩人の、大晦日の夜に偶然書いた詩に「椒柏酒」の名前が出ているので、朝鮮時代中期にはあった酒で風習なようです。
似た酒は高麗時代にもあり、『椒觴』『椒花』『椒花酒』と名付けられた酒があります。
韓国の記載を見るとよく「正月に飲む」と書いてあるのを見掛けるが、これは間違い。
- 大みそかに飲むのが『椒柏酒』
- 正月に飲むのが『屠蘇酒』
【朝鮮時代中期後半（17世紀）からの酒】040
もち米で一度だけ加水して造るお酒。
『東醫寶鑑（1610年）』『閨壼是議方（1670年）』などに記録が残っており、中国の文献である『居家必用』にも、もち米に冬陽酒麴や紅麴（もち米を使った麹）などの麹を混ぜて造る方法が記されている。
『閨壼是議方（1670年）』では、
また、夏季には酒壺を冷水に浸して熟成させるというが、このことから本来は冬季に造られた酒だと推測される。お酒が腐らないように竹の足のようなものを立てて、お酒がそれに沿って瓶の中に流れ落ちるようにしたそうです。桃の種子・桑・杏の種子を小麦粉と練り、蓮の花・蒼耳子・川鳥の皮を緑豆・竹の葉・胡瓜と練る。藤の芽と葉に水を加え、これらを合わせて餅麹をつくる。
韓国では「うるち米と紅麹をともに酒をつくる」という俗説もあるが、これは嘘。やはりもち米で作る酒である。
「白米」とあるのでやはりもち米でしょう。
『東醫寶鑑（1610年）』『閨壼是議方（1670年）』などに記録が残っており、中国の文献である『居家必用』にも、もち米に冬陽酒麴や紅麴（もち米を使った麹）などの麹を混ぜて造る方法が記されている。
『閨壼是議方（1670年）』では、
白米（もち米）2俵を粉にして軟らかい餅を作り、水で煮て、冷めたら麹粉2俵とよく混ぜて作り、3日後、もち米2俵をよく洗って蒸したものを加水して作る。としている。
また、夏季には酒壺を冷水に浸して熟成させるというが、このことから本来は冬季に造られた酒だと推測される。お酒が腐らないように竹の足のようなものを立てて、お酒がそれに沿って瓶の中に流れ落ちるようにしたそうです。桃の種子・桑・杏の種子を小麦粉と練り、蓮の花・蒼耳子・川鳥の皮を緑豆・竹の葉・胡瓜と練る。藤の芽と葉に水を加え、これらを合わせて餅麹をつくる。
韓国では「うるち米と紅麹をともに酒をつくる」という俗説もあるが、これは嘘。やはりもち米で作る酒である。
「白米」とあるのでやはりもち米でしょう。
天文洞の汁を混ぜて作った薬酒。
『東醫寶鑑（1610年）』『山林經濟（18世紀初期頃）』『攷事十二集（18世紀後半）』『林園經濟志（1900年前後）』『農政會要（1830年）』などに紹介されている。
製法は、
『東醫寶鑑（1610年）』『山林經濟（18世紀初期頃）』『攷事十二集（18世紀後半）』『林園經濟志（1900年前後）』『農政會要（1830年）』などに紹介されている。
製法は、
もち米二斗をきれいに洗って粉にして蒸して、ここに麹二斗を混ぜて、天文洞汁二斗と一緒に造る。28日後、酒が透明になったら飲む。天門洞酒は解毒・痰・喀血を治す効能がある。と書かれている。
新鮮な松の節を茹でた水と米で作る薬用酒。
朝鮮時代から広く飲まれていた民俗酒で、地域的な特性を考証することはできないが、京城近郊の中流階級で消費されていた酒である。
『東醫寶鑑（1610年）』『攷事十二集（18世紀後半）』『閨閤叢書（1809年）』『林園經濟志（1900年前後）』『酒の作り方（19世紀末）』『婦人必知（1915年）』などに記録されている。作り方は、
1989年にソウル市無形文化財(現、無形遺産)に指定されており、『ソウル松節酒 - 서울 송절주（seoul songjeolju）』と呼ばれている。
これも珍しくうるち米（有芒種米）を使う事がきちんと書かれている。
ただ、元からそうだったのかは分からない。
さらにこれまた珍しく、アレンジされておらず朝鮮時代から作られていた事が確かな韓国で無形文化登録された酒である。
朝鮮時代から広く飲まれていた民俗酒で、地域的な特性を考証することはできないが、京城近郊の中流階級で消費されていた酒である。
『東醫寶鑑（1610年）』『攷事十二集（18世紀後半）』『閨閤叢書（1809年）』『林園經濟志（1900年前後）』『酒の作り方（19世紀末）』『婦人必知（1915年）』などに記録されている。作り方は、
うるち米（有芒種米）5斗を何度も洗って浸し、粉にし、水5斗を沸騰させて入れて冷やした後、麹粉1斗、小麦粉7斗を加えて混ぜてしっかりと包む。独特な松の香りと松が持っている象徴的な意味から、儒家が特別に楽しんだお酒だったそうだ。
冷たすぎず、暑すぎない場所に置いておき、松節を2升入れ、濃厚な水を注いで酒のもとを作る。うるち米（有芒種米）ともち米を一日前に洗って浸し、それぞれを蒸して冷まし、松の節と混ぜ合わせる。茹でた松の節を瓶の底に入れ、その上に松の節を茹でて冷やした水2升を注ぎ、松の節をしっかりと包む。
冷たすぎず、熱くなりすぎないように造る。春にはツツジ、秋には菊を入れ、冬には柚子の皮を乗せて醸すと、松の香りと花の香りが口いっぱいに広がり美味しい。
1989年にソウル市無形文化財(現、無形遺産)に指定されており、『ソウル松節酒 - 서울 송절주（seoul songjeolju）』と呼ばれている。
これも珍しくうるち米（有芒種米）を使う事がきちんと書かれている。
ただ、元からそうだったのかは分からない。
さらにこれまた珍しく、アレンジされておらず朝鮮時代から作られていた事が確かな韓国で無形文化登録された酒である。
松葉を入れた薬用酒です。
『東醫寶鑑（1610年）』『治生要覽（1639年）』『飮食法（17世紀中頃）』『要録（1680年頃）』『春香伝（18世紀末）』『五洲衍文長箋散稿)（19世紀初期と思われる）』『陽酒方（1837年)』『曆酒方文（19世紀中期）』『金承旨宅酒方文（1860年）』『酒の作り方（19世紀末）』などに記録が見られる。
（『春香伝』は「春香歌」という朝鮮の唱劇を元ネタにした創作恋愛小説）。
『要録（1680年頃）』の製造法によると、
また、『曆酒方文（19世紀中期）』には、
『東醫寶鑑（1610年）』『治生要覽（1639年）』『飮食法（17世紀中頃）』『要録（1680年頃）』『春香伝（18世紀末）』『五洲衍文長箋散稿)（19世紀初期と思われる）』『陽酒方（1837年)』『曆酒方文（19世紀中期）』『金承旨宅酒方文（1860年）』『酒の作り方（19世紀末）』などに記録が見られる。
（『春香伝』は「春香歌」という朝鮮の唱劇を元ネタにした創作恋愛小説）。
『要録（1680年頃）』の製造法によると、
松葉六斗と水六斗を沸騰させ、二斗になるまで煎じ、滓と松脂を捨てる。米一斗をきれいに洗って細かく粉にし、松葉水で粥を煮て冷まし、良い麹の粉一斗を混ぜて甕に入れ、21日経過してから使うようにとある。『陽酒方（1837年)』には、
細かく刻んだ生の松葉一俵を太い桶に入れ、甕の下に入れて浸す。という記述がある。
また、『曆酒方文（19世紀中期）』には、
春3ヶ月間は東に伸びた枝の松葉を採取し、夏3ヶ月間は南の枝のものを、秋3ヶ月間は西の枝のものを、冬3ヶ月間は北の枝のものを採取するように。とある。お腹に冷えがある人や風証のある人が空腹時に飲むと良いとされている。
【鹿頭酒 - 녹두주（nogduju）】044
鹿の頭を煮た汁で作ったお酒。
『東醫寶鑑（1610年）』『林園經濟志（1900年前後）』『金斗鍾本養生書（20世紀前半）』などにある。
作り方は、
中国の『鹿鞭酒』の模倣酒。
『鹿鞭酒』はオス鹿の陰茎と睾丸を乾燥させて酒に漬けたお酒で、中国では滋養強壮や強精薬として飲まれています。
「腎気を補い、陽気を盛んにする」「捻挫や疲労回復に効果がある」「補気、補血、抗衰老、益智安神、延寿美容に効果がある」とされており、鹿鞭酒の原料には、鹿鞭のほかにも、鹿尾、鹿茸、紅参、肉苁蓉、黄芪、枸杞子、龍眼肉、熟地、五味子などが使用される。
鹿鞭は、厚生労働省が公表している「専ら医薬品として使用される成分本質（原材料）リスト」に掲げられている。
他にも中国には『冰燒』という豚を漬けた酒もある。
『東醫寶鑑（1610年）』『林園經濟志（1900年前後）』『金斗鍾本養生書（20世紀前半）』などにある。
作り方は、
鹿の頭をよく煮て砕き、その汁と一緒に麹と米を混ぜて作る。これにネギや千草を少し入れることもある。虚弱体質や糖尿病、夜中に幽霊のようなものが見えるのに効能があり、精気を高める。と書かれている。
中国の『鹿鞭酒』の模倣酒。
『鹿鞭酒』はオス鹿の陰茎と睾丸を乾燥させて酒に漬けたお酒で、中国では滋養強壮や強精薬として飲まれています。
「腎気を補い、陽気を盛んにする」「捻挫や疲労回復に効果がある」「補気、補血、抗衰老、益智安神、延寿美容に効果がある」とされており、鹿鞭酒の原料には、鹿鞭のほかにも、鹿尾、鹿茸、紅参、肉苁蓉、黄芪、枸杞子、龍眼肉、熟地、五味子などが使用される。
鹿鞭は、厚生労働省が公表している「専ら医薬品として使用される成分本質（原材料）リスト」に掲げられている。
他にも中国には『冰燒』という豚を漬けた酒もある。
【蜜酒 - 밀주（milju）】095
蜂蜜に酵母を混ぜて造ったお酒。
蜜酒は世界最古の酒とも言われており、蜜水が天然酵母によって発酵して酒になることを偶然発見したことから作られ始めたと考えられている。
しかし朝鮮の場合は中国の『蜜酒』が伝わってきたもので、中国は最も早く蜂蜜酒を生産した地域の一つであり、紀元前780年には西周の宮廷の宴会で蜂蜜酒が振る舞われたという記録が残っています。
『東坡酒經（11世紀後半）』にも載っているが、これは中国に流刑同然な時に書かれた物なので朝鮮酒の事とは言えない。
実際に朝鮮の書物としてあるのは、『東醫寶鑑（1610年）』『山林經濟（18世紀初期頃）』『攷事十二集（18世紀後半）』『林園經濟志（1900年前後）』などであり、記録されている製法は酵母を発酵剤として使っており、中国の『蜜酒』の造り方であり、
また『山林經濟（18世紀初期頃）』では、
実際、7世紀の奈良時代に三韓からの朝貢物として日本に蜂蜜を贈られている記録があるので、この当時には既に蜂蜜を朝鮮は得ていたのは分かる（それが採取なのか原始的な養蜂なのかまでは分からないが）。蜂蜜種は自然にできやすいものなので、この当時には既にあったとしてもおかしくない。
蜜酒は世界最古の酒とも言われており、蜜水が天然酵母によって発酵して酒になることを偶然発見したことから作られ始めたと考えられている。
しかし朝鮮の場合は中国の『蜜酒』が伝わってきたもので、中国は最も早く蜂蜜酒を生産した地域の一つであり、紀元前780年には西周の宮廷の宴会で蜂蜜酒が振る舞われたという記録が残っています。
『東坡酒經（11世紀後半）』にも載っているが、これは中国に流刑同然な時に書かれた物なので朝鮮酒の事とは言えない。
実際に朝鮮の書物としてあるのは、『東醫寶鑑（1610年）』『山林經濟（18世紀初期頃）』『攷事十二集（18世紀後半）』『林園經濟志（1900年前後）』などであり、記録されている製法は酵母を発酵剤として使っており、中国の『蜜酒』の造り方であり、
蜂蜜2斤に水1杯を一緒に沸騰させ、泡を取り除き、1升5合の白麹を加える。良い乾酵(乾酵：酒粕を乾燥させたもの)3升を入れ、毎日3回かき混ぜると3日で出来上がる。という。
また『山林經濟（18世紀初期頃）』では、
蜂蜜4斤、酒9斗を一緒に沸騰させ、泡を取り除き、麹粉4兩、白酵1兩、小豆粒ほどの龍腦を入れ、紙で七重に覆い、一日一枚ずつ剥がすと7日で酒になるという。蜜酒は夏は非常に冷たく、冬は暖かくして凍らせないようにしないと味が甘く柔らかく、土の匂いを近づけないようにしなければならない。とあり、18世紀頃になると朝鮮独自のアレンジがされているのが分かる。
実際、7世紀の奈良時代に三韓からの朝貢物として日本に蜂蜜を贈られている記録があるので、この当時には既に蜂蜜を朝鮮は得ていたのは分かる（それが採取なのか原始的な養蜂なのかまでは分からないが）。蜂蜜種は自然にできやすいものなので、この当時には既にあったとしてもおかしくない。
【桑甚酒 - 상심주（sangsimju】090
「桑甚」とは桑の実（マルベリー）の事。
『東醫寶鑑（1610年）』『林園經濟志（1900年前後）』『群學會騰（19世紀中期）』『金斗鍾本養生書（20世紀前半）』などに記録されている。
作り方は『林園經濟志（1900年前後）』に
『東醫寶鑑（1610年）』『林園經濟志（1900年前後）』『群學會騰（19世紀中期）』『金斗鍾本養生書（20世紀前半）』などに記録されている。
作り方は『林園經濟志（1900年前後）』に
桑の実を砕きその汁を煮詰め、麹と米を混ぜて作ると記されている。また、他の酒に桑の実の汁を混ぜて飲むことも指す。
【枸杞酒 - 구기주（gugiju）】089
クコの実から作られたお酒。
薬用薬酒のひとつで、クコの実を煮て搾った汁に麹と米を混ぜて造ったり、クコの実と生地黃を入れた袋を酒に浸して薬効を煎じて作ることもある。「この酒を飲むと13日で体が軽くなり、百日後には顔が良くなり、白髪が黒髪になり、歯が生えるという妙薬」という古くから多くの逸話がある酒。
『芝峯類說（1614年）』によると、
元々の逸話でも「河西」はあるのだが、これは朝鮮半島の河西ではなく、中国の河西回廊の事であろう。クコの実は主に現在の中国の寧夏回族自治区や新疆ウイグル自治区で育成されていたもので、『河西回廊』はこの辺りにある。つまり、『芝峯類說（1614年）』に記述された「逸話」は、ただの中国の逸話のパクリである。
ちなみに、クコの実に言われるような効能はまだ見つかっていない
『東醫寶鑑（1610年）』『芝峯類說（1614年）』『農巖集（1709年）』『攷事十二集（18世紀後半）』『閨閤叢書（1809年）』『陽酒方（1837年)』などに載っており、効能が多く記録されている。『閨閤叢書（1809年）』では、
また、独特の臭いがあるので、酸味の強い果実酒と混ぜて飲むなどをする。
薬用薬酒のひとつで、クコの実を煮て搾った汁に麹と米を混ぜて造ったり、クコの実と生地黃を入れた袋を酒に浸して薬効を煎じて作ることもある。「この酒を飲むと13日で体が軽くなり、百日後には顔が良くなり、白髪が黒髪になり、歯が生えるという妙薬」という古くから多くの逸話がある酒。
『芝峯類說（1614年）』によると、
昔、河西に行った臣下が、16、17歳くらいの女性が白髪の80〜90歳と思われる老人を鞭で打っているのを見て、その理由を尋ねると、若い女性が老人を指さし、「この子は私の三男ですが、薬を飲むことを知らず、私より先に白髪になったのです」と言った。女人の年齢を尋ねると、395歳と答えた。そこで臣下は馬から降りて女にお辞儀をし、その薬は何かと尋ねると、女は枸杞酒の作り方を教えてくれた。臣下が帰ってきて、その通りに作って食べたところ、三百年生きた。という逸話が記されているが、元々は漢の時代からある中国酒であるので、創作された逸話である（そもそも、この『芝峯類說（1614年）』は朝鮮王朝の自画自賛が多い文献で、記載内容に疑問がある内容が多い）。
元々の逸話でも「河西」はあるのだが、これは朝鮮半島の河西ではなく、中国の河西回廊の事であろう。クコの実は主に現在の中国の寧夏回族自治区や新疆ウイグル自治区で育成されていたもので、『河西回廊』はこの辺りにある。つまり、『芝峯類說（1614年）』に記述された「逸話」は、ただの中国の逸話のパクリである。
ちなみに、クコの実に言われるような効能はまだ見つかっていない
『東醫寶鑑（1610年）』『芝峯類說（1614年）』『農巖集（1709年）』『攷事十二集（18世紀後半）』『閨閤叢書（1809年）』『陽酒方（1837年)』などに載っており、効能が多く記録されている。『閨閤叢書（1809年）』では、
良質の酒一杯にクコの実を浸し、7日後に取り出して飲むと元気がよくなり、肺病や疲労を治す。と書かれている。
また、独特の臭いがあるので、酸味の強い果実酒と混ぜて飲むなどをする。
【過夏酒 - 과하주（gwahaju）】045
薬酒に別の酒を混ぜて造る混醸酒。
夏を過ごせる酒という意味で付けられた名前である。
『治生要覽（1639年）』『閨壼是議方（1670年）』『酒方文（17世紀）』『飮食譜（17世紀中頃）』『山林經濟（18世紀初期頃）』『増補山林經濟（1766年）』『閨閤叢書（1809年）』『曆酒方文（19世紀中期）』『林園經濟志（1900年前後）』などの文献に記録されている。
「朝鮮初期からソウルで有名だったお酒」と説明であるが、酒が出てくるのは朝鮮中期以降である。
作り方は『閨閤叢書（1809年）』では、
金泉地方の過夏酒が有名だが、これは過夏泉の水で作った酒で『過夏酒』と同じ名で呼ばれるが、別の酒。
夏を過ごせる酒という意味で付けられた名前である。
『治生要覽（1639年）』『閨壼是議方（1670年）』『酒方文（17世紀）』『飮食譜（17世紀中頃）』『山林經濟（18世紀初期頃）』『増補山林經濟（1766年）』『閨閤叢書（1809年）』『曆酒方文（19世紀中期）』『林園經濟志（1900年前後）』などの文献に記録されている。
「朝鮮初期からソウルで有名だったお酒」と説明であるが、酒が出てくるのは朝鮮中期以降である。
作り方は『閨閤叢書（1809年）』では、
麹の粉二斗に沸騰した水一瓶を冷やして注ぎ、一晩寝かせた後、揉んでふるいにかけるが、冷やした水をさらに注いで濾し、滓は捨て、もち米一斗をきれいに洗い、もち米を蒸して冷やした後、麹水に混ぜて入れ、三日後に良質の焼酎を注ぎ、七日後に使うという。他にも、精米したもち米1俵か2俵で饅頭を作り、冷やした後、麹の粉を混ぜて炊く。もち米一斗を蒸して冷やし、それに酒を混ぜておき、7日後に良い酒を注ぐ。と書かれている。
金泉地方の過夏酒が有名だが、これは過夏泉の水で作った酒で『過夏酒』と同じ名で呼ばれるが、別の酒。
短時間で糖化とアルコール発酵をさせたお酒。
酒を造った翌日の夜明け、鶏が鳴くまで酒が熟すことから「鷄鳴酒」と呼ばれるようになった。『類苑叢寶（1643年）』『林園經濟志（1900年前後）』などに記録されている。
作り方は、
酒を早く熟成させるために麦芽を使うのが特徴で、アルコール濃度が低く、甘みのある酒である。
中国に同名の酒があり、作り方もほぼ一緒。違うのは麦芽が入る所。
つまり、中国酒のアレンジ酒といえる、韓国酒（今の日本で例えるなら、ビールやウィスキーなどと一緒）で、伝統酒とは言えないが歴史はある。
酒を造った翌日の夜明け、鶏が鳴くまで酒が熟すことから「鷄鳴酒」と呼ばれるようになった。『類苑叢寶（1643年）』『林園經濟志（1900年前後）』などに記録されている。
作り方は、
もち米の粥に麹と酒母と麦芽を混ぜて夕方に仕込めば、翌日の夜明けの鶏が鳴くまでには完成する。とある。
酒を早く熟成させるために麦芽を使うのが特徴で、アルコール濃度が低く、甘みのある酒である。
中国に同名の酒があり、作り方もほぼ一緒。違うのは麦芽が入る所。
つまり、中国酒のアレンジ酒といえる、韓国酒（今の日本で例えるなら、ビールやウィスキーなどと一緒）で、伝統酒とは言えないが歴史はある。
韓国では「清明節に仕込む。２回の仕込みとも糯米を用いる」という俗説があるが、これは嘘である。
もち米で粥を煮て麹・小麦粉を入れて作るお酒で、『酒方文（17世紀）』『飮食譜（17世紀中頃）』『山林經濟（18世紀初期頃）』『陽酒方（1837年)』『酒の作り方（19世紀末頃）』『林園經濟志（1900年前後）』などの文献に記載されている。
製法は、
朝鮮中期以降から末期の文献に多く登場していることから、朝鮮末期に流行したものと推測される。春分から15日目の清明の日に造る季節的な酒だった。
甘いと言うのもあるが、使っている米がもち米だからなのでしょう。
もち米で粥を煮て麹・小麦粉を入れて作るお酒で、『酒方文（17世紀）』『飮食譜（17世紀中頃）』『山林經濟（18世紀初期頃）』『陽酒方（1837年)』『酒の作り方（19世紀末頃）』『林園經濟志（1900年前後）』などの文献に記載されている。
製法は、
まずもち米をきれいに洗って石臼で粉にし、それで粥を炊いて冷まし、麹三升と小麦粉一升で酒を造る。と書かれている。
翌日、もち米七斗をきれいに洗い、蒸して冷やした後、水を混ぜてよくつぶし、甕の下に入れて冷所に置く。7日後、上に浮き上がったものを捨て、透明になったら飲む。
長期間熟成させる。透明度、アルコール度の高い甘みのある酒となる。良い酒をつくるには、桃の木の東向きの枝を折ってかき混ぜればいい。
朝鮮中期以降から末期の文献に多く登場していることから、朝鮮末期に流行したものと推測される。春分から15日目の清明の日に造る季節的な酒だった。
甘いと言うのもあるが、使っている米がもち米だからなのでしょう。
【四時酒 - 사시주（sasiju）】111
「うるち米で酒母を作ったものに、うるち米を一度加えて醸したお酒」と説明にあるが、嘘。
説明には「雑穀米」あるいは「白米」とある。白米は当時ならもち米を指す。
四季折々の季節に造るという意味で、四季酒と呼ばれる。製造法は『酒方文（17世紀）』『閨壼是議方（1670年）』『陽酒方（1837年)』などに記されている。
『閨壼是議方（1670年）』では、
『陽酒方（1837年)』によると、
説明には「雑穀米」あるいは「白米」とある。白米は当時ならもち米を指す。
四季折々の季節に造るという意味で、四季酒と呼ばれる。製造法は『酒方文（17世紀）』『閨壼是議方（1670年）』『陽酒方（1837年)』などに記されている。
『閨壼是議方（1670年）』では、
白米一斗を粉にしてお湯三斗で粥を煮て冷めたら、麹1.5斗を混ぜて入れ、三日後、白米二斗を蒸して冷めたら、小麦粉を先に入れてかき混ぜた後、麹を入れてかき混ぜ、七日間密封しておく。酒が強くて良い。とある。
『陽酒方（1837年)』によると、
白く蒸した雑穀米一斗をきれいに洗い、もう一度洗って粉にして、水三瓶で粥を作り、麹粉一斗と小麦粉一斗をまんべんなく混ぜて、冷たくも熱くもないところに置く。三升の米もきれいに洗って蒸し米を作り、冷水をかけ、米に水が染み込めば、いくつかのボウルに分けて冷やす。冷めたら、酒の下にまんべんなく混ぜて入れ、麹の粉を少しふりかけて、炊き上がったら注ぐと、色が透明で冷水のようになり、味がとても良い。とある。色が透明という事から、「芒の米」は使っていない。
【壺山春 - 호산춘（hosanchun） / 法酒の一種】043
全羅北道礪山(礪山：現、全羅北道特別自治道益山市礪山面)の特産酒で、礪山の別名が「壺山」であることから名付けられた。
このお酒の特徴は、原酒を二度浸漬し、再度上槽して三度浸漬することにある。
朝鮮中期以降の『酒方文（17世紀）』『山林經濟（18世紀初期頃）』などの文献に記録されている。「主役はもち米を三度寝かせたお酒」というもので、やはり主役はもち米である。
製法は
（どうも、「玄米」という語彙を「うるち米」と語彙誤読をしているようです）。
韓国人は「原料はうるち米で、粥状または粉にして使用する」とあるが、材料は嘘である。
「主役はもち米とうるち米で三度寝かせたお酒」ともあるが、史料では「うるち米」とは書かれておらず、「もち米」と記述されたものはある。
このお酒の特徴は、原酒を二度浸漬し、再度上槽して三度浸漬することにある。
朝鮮中期以降の『酒方文（17世紀）』『山林經濟（18世紀初期頃）』などの文献に記録されている。「主役はもち米を三度寝かせたお酒」というもので、やはり主役はもち米である。
製法は
玄米1升5斗をきれいに洗い、一晩浸した後、取り出して餅粉のように挽き、冷水7斗を先に溶かし、再び沸騰した水8斗をかけながら混ぜて粥のようになったものを冷やす。ここに粉麹2升と小麦粉2升を混ぜて甕に入れます。この日から13日経った後、米2升5斗を水に浸して餅粉にし、沸騰させた水2升5斗を混ぜてよく混ぜて冷やした後、粉麹2升を混ぜて先に浸した麹の瓶に注ぐ。この追加酒を漬けてから13日目になったら、米5斗を水に浸して取り出し、酒米を蒸す。沸騰した水5斗をこの酒米にかけ、混ぜ合わせ、米粒が丸くなり、艶が出たら、サットに薄く広げて冷ます。ここに粉麹2升と小麦粉1升を混ぜ合わせ、2つ目の浸漬酒瓶の底酒に混ぜる。この酒壺を冷たくも熱くもない場所に置くと、二、三ヶ月経ってから清酒をすくい取って使っても変わらない強い酒になる。と書かれている。
（どうも、「玄米」という語彙を「うるち米」と語彙誤読をしているようです）。
韓国人は「原料はうるち米で、粥状または粉にして使用する」とあるが、材料は嘘である。
「主役はもち米とうるち米で三度寝かせたお酒」ともあるが、史料では「うるち米」とは書かれておらず、「もち米」と記述されたものはある。
【香�蘯� - 향훈주（）】123
説明には「『香薫酒』が1600年代の記録である『酒方文（17世紀）』に収録されているが、この酒も断絶され、世人の間で忘れられてしまった」とあるが、これは間違い。
記録があるのは同名の本だが『酒方文（1801年か1861年）』である。説明筆者曰く「『慶州 校洞法酒（18世紀前半から半ば）』や『【海南 眞釀酒（18世紀前半）』と似ている」らしいのだが、年代的にも似た時代の酒と言える。
また説明文には「『香薫酒』がおよそ300年〜200年前は班家の酒」とあるが、150〜200年の間違いだろう。
作り方として下酒をお粥で造る酒で、餅や粥にして作る朝鮮的な作り方だが、筆者は「酒造りの方法の典型を表している」というが、高麗時代からあるであろう酒も粥にしている。ただ、上酒は麹や水を使わず、下酒の5倍に達するもち米を蒸し餅を作り、暖かい部屋で発酵させ、発酵熟成段階の間に「後水(加水, 加水)」をしてから採酒する点である。
下層酒を粥で造る酒は一般的に行われる訪問で特別なことはないが、香薫酒は下層酒の米を粉にせず、米粒のまま粥を造るのが特殊らしいのだが、これは日本の手法が伝わったものと考えられる。
また筆者は「一般的に粥(粥)は穀物を粉にして炊くものとしか知られていないが、実際は米をそのまま水と沸騰させる粥が最初であったと言われており、その歴史が最も古い食事形態であったという点で、『香薫酒』のような『酒方文（1801年か1861年）』が朝鮮酒の作り方の典型を成していると言われている」と書いているが、これは誤り。高麗時代の酒は、穀物を粉にして粥にして作っている。
また、味について「透明で明るい酒の色と一緒に甘く柔らかい味」とあるから、有芒種米ではなく、もち米を使った酒だったのだろう。
記録があるのは同名の本だが『酒方文（1801年か1861年）』である。説明筆者曰く「『慶州 校洞法酒（18世紀前半から半ば）』や『【海南 眞釀酒（18世紀前半）』と似ている」らしいのだが、年代的にも似た時代の酒と言える。
また説明文には「『香薫酒』がおよそ300年〜200年前は班家の酒」とあるが、150〜200年の間違いだろう。
作り方として下酒をお粥で造る酒で、餅や粥にして作る朝鮮的な作り方だが、筆者は「酒造りの方法の典型を表している」というが、高麗時代からあるであろう酒も粥にしている。ただ、上酒は麹や水を使わず、下酒の5倍に達するもち米を蒸し餅を作り、暖かい部屋で発酵させ、発酵熟成段階の間に「後水(加水, 加水)」をしてから採酒する点である。
下層酒を粥で造る酒は一般的に行われる訪問で特別なことはないが、香薫酒は下層酒の米を粉にせず、米粒のまま粥を造るのが特殊らしいのだが、これは日本の手法が伝わったものと考えられる。
また筆者は「一般的に粥(粥)は穀物を粉にして炊くものとしか知られていないが、実際は米をそのまま水と沸騰させる粥が最初であったと言われており、その歴史が最も古い食事形態であったという点で、『香薫酒』のような『酒方文（1801年か1861年）』が朝鮮酒の作り方の典型を成していると言われている」と書いているが、これは誤り。高麗時代の酒は、穀物を粉にして粥にして作っている。
また、味について「透明で明るい酒の色と一緒に甘く柔らかい味」とあるから、有芒種米ではなく、もち米を使った酒だったのだろう。
【甘酒：감쥬（gamju）】093
今だと『감주』になるのだが、韓国になって文字が無くなっているようである。
作り方は『酒方文（17世紀）』『増補山林經濟（1766年）』『林園經濟志（1900年前後）』『酒の作り方（19世紀末頃）』などに記されている。
『酒の作り方（19世紀末頃）』では、
1920年に朝鮮総督府で発刊した『朝鮮語辞典』にも掲載されている。
作り方は『酒方文（17世紀）』『増補山林經濟（1766年）』『林園經濟志（1900年前後）』『酒の作り方（19世紀末頃）』などに記されている。
『酒の作り方（19世紀末頃）』では、
もち米3升を洗って、麹2升を水10升に浸し、春・秋・冬はぬるま湯を使い、夏は冷水を使う。翌日、麹の水をふるいにかけ、米を蒸して沸騰させた水3升を注ぎ、甕に入れ、塊ができないようによくかき混ぜる。熱い部屋に入れ、暖かく覆っておくと半日で熟すのですが、その味は蜂蜜のように甘い。とある。このお酒は他のお酒に比べてもち米を多く使い、熟成期間が短いお酒で、1次浸漬が主流ですが、時には2次浸漬をする場合もある。
1920年に朝鮮総督府で発刊した『朝鮮語辞典』にも掲載されている。
【白酒 - 백주（baegju）】096
薬酒と濁酒の中間に位置する酒で、合酒とも呼ばれ、主にソウル地方で造られた酒。
濁酒は粗麯(粒が残った麹)を使うのに比べ それに比べて白酒は薬酒のように粉麯(粉麹)を使用し、熟成期間も濁酒より少し長く、薬酒に近いですが、下酒で白酒を得る方法は濁酒のように米粒をつぶしてふるいにかける――とあるが、説明自体が間違い。梨花酒や四節酒などは粉で作る濁酒だし、『山林經濟（18世紀初期頃）』版の浮蟻酒は粒を残した薬酒である（『攷事撮要（1554年）』版だと粉で作る）。
「このような白酒は高麗時代の李奎報の詩文集に登場する古い酒」と説明にあるが、出てきているのは朝鮮時代の後半の本からで『酒方文（17世紀）』や『農家月令歌（19世紀前半）』に書かれている。ただ、白酒は高麗時代に元から入ってきたという説があり、中国からその製法が導入されたと推測される。その推測に習うと、13世紀中期〜14世紀中期に入ってきたことになる。
また、『白酒』は日本や中国にもあるが、日本や中国の場合と「白酒」の定義が朝鮮は違っているのだが、説明では混同してしまっている。
『酒方文（17世紀）』によると朝鮮の白酒は、
中国の『居家必用（中国の元王朝末期1300年代半ば頃に書かれた生活百科全書）』では、
日本の酒の説明の場合は中国とは逆で、名称の『白い酒』を紹介しており、朝鮮の『白酒』に相当する酒を紹介しておらず、日本の呼び名としての『白酒』を説明に記載している。
日本の『和漢三才図（1712年）』では、
朝鮮の『白酒』に対してなら、『醅（ハイ、どぶろくの意味）』で酒造法の比較しないといけないだろう。
また日本では「白酒(しろき)」はできあがった酒を荒目の布 で作った袋で手絞りにし、粕を取り除いた酒を指す言葉である（日本の酒の分類は、結構多い）。
他にも『和漢三才図会』は、生米と水、蒸米を乳酸発酵させて造る『そやし水』の製法があり、『そやし水』は、江戸時代初期の酒造りを記した文献である「小林家文書」にも登場する
乳酸菌の生酸作用を利用した酒母製造方法で『水酛』とも呼ばれ、乳酸発酵した水は酸性となるため、雑菌が増殖できない状況になる。『そやし水』を使った酒造りの例としては、賀茂鶴酒造の「にごり酒 元和夢幻の酒」などがあります。
つまり、『白酒』の説明文を書いている筆者が他国の酒について理解していないというだけである。
濁酒は粗麯(粒が残った麹)を使うのに比べ それに比べて白酒は薬酒のように粉麯(粉麹)を使用し、熟成期間も濁酒より少し長く、薬酒に近いですが、下酒で白酒を得る方法は濁酒のように米粒をつぶしてふるいにかける――とあるが、説明自体が間違い。梨花酒や四節酒などは粉で作る濁酒だし、『山林經濟（18世紀初期頃）』版の浮蟻酒は粒を残した薬酒である（『攷事撮要（1554年）』版だと粉で作る）。
「このような白酒は高麗時代の李奎報の詩文集に登場する古い酒」と説明にあるが、出てきているのは朝鮮時代の後半の本からで『酒方文（17世紀）』や『農家月令歌（19世紀前半）』に書かれている。ただ、白酒は高麗時代に元から入ってきたという説があり、中国からその製法が導入されたと推測される。その推測に習うと、13世紀中期〜14世紀中期に入ってきたことになる。
また、『白酒』は日本や中国にもあるが、日本や中国の場合と「白酒」の定義が朝鮮は違っているのだが、説明では混同してしまっている。
『酒方文（17世紀）』によると朝鮮の白酒は、
白米5斗をよく洗って蒸した後、布の上に置いて水をかけて冷やし、麹5斗を混ぜて熱いところに置き、7日後に水を加えてろ過し、桶に詰めて使用する。とある。無論、この時代で「白米」というともち米である。その色合いが白っぽいため、『白酒』と呼ばれたものと推測される。
中国の『居家必用（中国の元王朝末期1300年代半ば頃に書かれた生活百科全書）』では、
米1升から8斗を取り、水8斗半で薄めた粥を作り、残りの米は蒸す。甕に小麦粉をふりかけておき、米5斗に麹2斗の割合でよく混ぜ、腹板に穴を開ける。穴に汁が1杯ほど溜まったら汲み取り、周囲に注ぎ、薄めたお粥を入れると、夏は4日、冬は7日で熟す。と説明に記載されているが、中国で言う『白酒』は蒸留酒を指すので、これは朝鮮で言う『白酒』に当たるが、しかし中国の『白酒』ではない。
日本の酒の説明の場合は中国とは逆で、名称の『白い酒』を紹介しており、朝鮮の『白酒』に相当する酒を紹介しておらず、日本の呼び名としての『白酒』を説明に記載している。
日本の『和漢三才図（1712年）』では、
もち米7合でご飯を炊き、1升の酒に浸して密封する。春・夏なら3日、秋・冬なら5日後、開封して磨り潰す。こうすると、味が甘く、牛乳のように白くなるという。と韓国の説明にはあるが、これは『和漢三才図（1712年）』での『醝』の作り方を書いており、水ではなく酒に漬け込むという別の酒を指している。これは「白い酒」であって朝鮮で言う「白酒」を指していない（奈良時代以前からある『練酒』の造り方を話している）。
朝鮮の『白酒』に対してなら、『醅（ハイ、どぶろくの意味）』で酒造法の比較しないといけないだろう。
また日本では「白酒(しろき)」はできあがった酒を荒目の布 で作った袋で手絞りにし、粕を取り除いた酒を指す言葉である（日本の酒の分類は、結構多い）。
他にも『和漢三才図会』は、生米と水、蒸米を乳酸発酵させて造る『そやし水』の製法があり、『そやし水』は、江戸時代初期の酒造りを記した文献である「小林家文書」にも登場する
乳酸菌の生酸作用を利用した酒母製造方法で『水酛』とも呼ばれ、乳酸発酵した水は酸性となるため、雑菌が増殖できない状況になる。『そやし水』を使った酒造りの例としては、賀茂鶴酒造の「にごり酒 元和夢幻の酒」などがあります。
つまり、『白酒』の説明文を書いている筆者が他国の酒について理解していないというだけである。
【急時酒 - 급시주（geubsiju）】083
短期間で造る酒。
『酒方文（17世紀）』に記されている製造法を見ると、
「白米」とあるので、これはもち米の事である。
『酒方文（17世紀）』に記されている製造法を見ると、
麹一升五斗のを綺麗な水を入れた桶に入れ、一晩漬けておく。白米一斗をきれいに洗って粉を出し、蒸して少し冷やした後、漬けておいた麹水と混ぜて酒を造る。三日後に飲む。と記されている。
「白米」とあるので、これはもち米の事である。
松ぼっくりを入れたお酒。
『酒方文（たぶん17世紀の方の書物）』『陽酒方（1837年)』『酒の作り方（19世紀末）』などに記されている。作り方は、
松の未などは日本ではあまりなじみではないですが、世界ではそれなりに食べられます・
江戸時代に著された『本朝食鑑』には、「日本にはアカマツやクロマツ、ゴヨウマツは古くから庭園に多く植えられていたようですが、これらの種子は可食部が小さく、食用に適したチョウセンゴヨウやハイマツは高山帯に分布しており、韓国より移栽したものは平地に植えても実らないが、実として輸入したものは流通している」という内容が記されています。
また、松の葉などには乳酸菌が付いているので、それを使って酒を醸すのも幾つかの国で見られます。
松の節を使う酒もあるのは少しびっくりしましたが。
『酒方文（たぶん17世紀の方の書物）』『陽酒方（1837年)』『酒の作り方（19世紀末）』などに記されている。作り方は、
青い松ぼっくりを一斗取り、水できれいに洗い、三斗の水を注ぎ、長く煮て二斗になるようにし、きれいに濾して冷ます。とある。
この水に米5斗を入れ、粥を煮て冷やした後、麹粉2斗を混ぜて作る。
松の未などは日本ではあまりなじみではないですが、世界ではそれなりに食べられます・
江戸時代に著された『本朝食鑑』には、「日本にはアカマツやクロマツ、ゴヨウマツは古くから庭園に多く植えられていたようですが、これらの種子は可食部が小さく、食用に適したチョウセンゴヨウやハイマツは高山帯に分布しており、韓国より移栽したものは平地に植えても実らないが、実として輸入したものは流通している」という内容が記されています。
また、松の葉などには乳酸菌が付いているので、それを使って酒を醸すのも幾つかの国で見られます。
松の節を使う酒もあるのは少しびっくりしましたが。
【三午酒 - 삼오주（sam-oju） / 法酒の一種】047
二度醗酵させて造るお酒。
正月の初午（午日）から始まり、午ごとに3回に分けて仕込むことから三午酒と呼ばれる。
『閨壼是議方（1670年）』『酒方文（17世紀）』などに記されている。
作り方は、『閨壼是議方（1670年）』では、
『譯註訪問』でも同じような方法で作っているが、変質しないようにするために、さらに
つまり、基本は雑穀（粟・稗・黍）で作っている酒で、中にはもち米を加える事もあるという酒という事である。
正月の初午（午日）から始まり、午ごとに3回に分けて仕込むことから三午酒と呼ばれる。
『閨壼是議方（1670年）』『酒方文（17世紀）』などに記されている。
作り方は、『閨壼是議方（1670年）』では、
浄水八斗を甕に注ぎ、麹粉五斗と小麦粉三斗を溶かし、きれいに洗った雑穀五斗を粉にして蒸して冷まして入れ、次に第二の油にきれいに洗った雑穀五斗を粉にして蒸して冷まして入れ、第三の油には雑穀米五斗を水に浸して蒸して冷まして入れる。と記されている。
『譯註訪問』でも同じような方法で作っているが、変質しないようにするために、さらに
もち米9升と麴米2升でご飯を炊いて水麹を混ぜて入れ、焼酎を注ぎ、分量は季節によって適当に調整し、冷たくも暑くもないところに置いて20日後に飲む。とある。
つまり、基本は雑穀（粟・稗・黍）で作っている酒で、中にはもち米を加える事もあるという酒という事である。
『飮食知味方（1670年）』に書かれている酒。
日本酒では花や果物などを使っていないのに、花のような香りや果物のような香りの酒というのは珍しくないのだが、朝鮮では『杏花春酒』のような花や果物などを使っていないのに香る酒は珍しいらしい（他にも『荷香酒：閨壼是議方（1670年）』がある。『桃花酒：山林經濟（18世紀初期頃）も上げているが、こちらは桃の花で香り付けした酒なので違う）。
酒の材料として、原酒として「もち米4升、麹粉6升、水6升」であり、二次酒として「もち米1升、小麦粉5合」を使う。
酒の作り方は、
実際、『飮食知味方（1670年）』に書いてあるのは、
それゆえ、今の『杏花春酒』は朝鮮時代の酒ではなく、造り方に伝統も歴史もない『近代の酒』と言える。昔の酒をオマージュしていたりアレンジでしかないのだ。
というか、「麹」を『粒のまま』・「醸す米」が『粉にしている』って、元の作り方（『麹』は「粉にしている」）とは逆では？
日本酒では花や果物などを使っていないのに、花のような香りや果物のような香りの酒というのは珍しくないのだが、朝鮮では『杏花春酒』のような花や果物などを使っていないのに香る酒は珍しいらしい（他にも『荷香酒：閨壼是議方（1670年）』がある。『桃花酒：山林經濟（18世紀初期頃）も上げているが、こちらは桃の花で香り付けした酒なので違う）。
酒の材料として、原酒として「もち米4升、麹粉6升、水6升」であり、二次酒として「もち米1升、小麦粉5合」を使う。
酒の作り方は、
�（�4升を百洗（きれいに洗って水に浸して浸し、再度洗ってすすぎ、水気を切った後）、小米を搗く（粉にする）。また、麹の作り方として説明にあるのは、
�⊃�6合を沸騰させ、米粉にまんべんなく分けて注ぎ、ヘラで均等に混ぜて餅を作り、すぐに広い器に数個に分けて冷めるのを待つ。
�Ｎ笋瓩震澆帽輅�6升を入れ、均一に混ぜて酒母を作る。
�す蹐鮗魏海貌�れ、麹菌を入れ、麹の作り方通りに4日間発酵させる。
�，發訴�1升を一晩浸した後、水洗いして水気を切り、甑（こしき）に載せて麹を炊く。とあるが、これはたぶん少し間違いがあるだろう（この米粒のまま作る麹の作り方や樽を使うのは日本からのもので、日本統治時代開始以降に取り入れた作法だろう）。
�∧討�炊き上がったらすくい、均等に広げて冷めるのを待つ。
�２執蹐望�麦粉5合を先に入れて混ぜてから、再びもち米と一緒に均一に混ぜて下麹を作る。
�ぞ弾任靴峠猗�した酒樽に酒母を入れ、静かにで7日間発酵させる。
�ゼ鬚�熟したら、水を入れて注ぐ。
実際、『飮食知味方（1670年）』に書いてあるのは、
�’鯤�4升をきれいに洗って粉にした後、水6升と混ぜて麹を作り、冷ます。と、麹は米を粉にしている事が記載されている。
��麹の粉6斗を混ぜて大きな甕に入れる。
��4日後、もち米1斗をきれいに洗って蒸す。
�の笋瓩燭蕁⊂�麦粉5合と一緒に麹に混ぜる。
��7日後に酒をかき混ぜる。
酒がよく溢れるので、4斗程度を造る場合、6斗を造ることができる甕を使うのが良い。
それゆえ、今の『杏花春酒』は朝鮮時代の酒ではなく、造り方に伝統も歴史もない『近代の酒』と言える。昔の酒をオマージュしていたりアレンジでしかないのだ。
というか、「麹」を『粒のまま』・「醸す米」が『粉にしている』って、元の作り方（『麹』は「粉にしている」）とは逆では？
【荷香酒 - 하향주（hahyangju）】048
蓮の花の香りをつけた酒で、同様にアルコールで抽出した香りを楽しむものである。
満開の梨の花２升を布袋に入れ、１斗の酒甕に吊るす。花びらを酒の上に撒いてもいいとされるが、これを蓮ではなく梨で香りづけしたものは『梨花酒』と呼ばれる（一般の濁酒が麦麹を使うのに対し、特別に米麹を用いてつくられた濁酒を梨花酒という場合もある）。
この酒は朝鮮時代初期から製造された酒で、『閨壼是議方（1670年）』『山林經濟（18世紀初期頃）』『閨閤叢書（1809年）』などの文献に製造法が記録されている。酒の特徴は、下酒は米粉を餅にして麹を混ぜて漬けるが、上酒はもち米を使い麹を使わない点である。お酒の浸け方には3つの方法がある。
ちなみに作り方の説明には「うるち米ともち米を使った澄んだ酒」とあるが、説明文に「白米」「玄米」とは書かれているが「うるち米」とは書かれていない。
もち米にも白米や玄米はある。うつろ、精米前や精米後でも、うるち米よりもち米の方が白い。
特に、日本統治時代の前だと、朝鮮半島では「うるち米」というより「芒の米」の事であり、赤米などの色米の事であり、白米というともち米のことである。
「3日経つと酒が甘くなり」とあるので、使っている米がもち米なのでしょう。
満開の梨の花２升を布袋に入れ、１斗の酒甕に吊るす。花びらを酒の上に撒いてもいいとされるが、これを蓮ではなく梨で香りづけしたものは『梨花酒』と呼ばれる（一般の濁酒が麦麹を使うのに対し、特別に米麹を用いてつくられた濁酒を梨花酒という場合もある）。
この酒は朝鮮時代初期から製造された酒で、『閨壼是議方（1670年）』『山林經濟（18世紀初期頃）』『閨閤叢書（1809年）』などの文献に製造法が記録されている。酒の特徴は、下酒は米粉を餅にして麹を混ぜて漬けるが、上酒はもち米を使い麹を使わない点である。お酒の浸け方には3つの方法がある。
もち米1升を水に浸して餅粉を作り、水で練り、手のひらほどの大きさに平らにし、真ん中に穴をあけて沸騰したお湯で茹でる。この餅をよくほぐして冷やした後、粉麹を混ぜて酒瓶に入れる。麹を漬けてから4日目に、もち米1升を水に浸し、酒米を蒸して冷やした後、先に浸した麹瓶に入れる。軍水[生水]が一切入らないようにし、27日間待てばよく熟す。
玄米3升を水に浸した後、粉にして餅を作り、これを沸騰したお湯で茹でて取り出し、冷まして冷ます。これに粉麹1升を均等に混ぜて酒瓶に入れる。麹が炊き上がったら、もち米1升を水に浸し、酒米を蒸した後、茹で汁をかけ、酒米が丸くなるようにする。この沸騰した水の分量は、麹が甘い場合は1升、麹が苦い場合は2升をかける。冷やした後、粉麹1升を混ぜて、麹を浸した瓶に入れます。上澄みを漬けてから21日後に透明な酒を出せば、酒の味がとても良い。
もち米1升を餅粉にし、餅を焼くように丸めて沸騰したお湯で茹でるが、取り出さないでその水にそのまま溶かして冷ます。粉麹は細かくし、ふるいにかけて天日干しし、餅に混ぜて酒瓶に入れる。3日経つと酒が甘くなり、麹を漬けてから8日目にもち米1合を一晩水に浸し、酒米をよく蒸して冷やす。下層酒を汲み上げ、苧麻袋に入れ、濾過してジエご飯に入れ、米粒が一粒一粒落ちるようにほぐし、再び酒壺に入れる。
ちなみに作り方の説明には「うるち米ともち米を使った澄んだ酒」とあるが、説明文に「白米」「玄米」とは書かれているが「うるち米」とは書かれていない。
もち米にも白米や玄米はある。うつろ、精米前や精米後でも、うるち米よりもち米の方が白い。
特に、日本統治時代の前だと、朝鮮半島では「うるち米」というより「芒の米」の事であり、赤米などの色米の事であり、白米というともち米のことである。
「3日経つと酒が甘くなり」とあるので、使っている米がもち米なのでしょう。
【藥山春 - 약산춘（yagsanchun） / 法酒の一種】049
水麹を使用した上澄み酒。
朝鮮時代中期、ソウルの藥峴(現在の中林洞)に住んでいた徐渻の家で作っていたお酒なので、藥山春と呼ばれるようになったと言われています。
熟成期間が長く、水麴を使うなど繊細な技を必要とし、『閨壼是議方（1670年）』『治生要覽（1698年）』『山林經濟（18世紀初期頃）』『閨閤叢書（1809年）』『林園經濟志（1900年前後）』などに記録されている。
藥山春の作り方は次の通りである。
朝鮮時代中期、ソウルの藥峴(現在の中林洞)に住んでいた徐渻の家で作っていたお酒なので、藥山春と呼ばれるようになったと言われています。
熟成期間が長く、水麴を使うなど繊細な技を必要とし、『閨壼是議方（1670年）』『治生要覽（1698年）』『山林經濟（18世紀初期頃）』『閨閤叢書（1809年）』『林園經濟志（1900年前後）』などに記録されている。
藥山春の作り方は次の通りである。
正月初めの亥の日に五斗の米を水に浸し、麹は蒸して五升ほどの水に浸して水麹を作る。このような酒であり、やはりもち米を使ったお酒である。
翌日、米を粉にして蒸して餅を作る。水麹はふるいにかけてかすを捨て、その水と新しく汲み上げた水を二十瓶にし、餅に混ぜて甕に入れる。東に伸ばした桃の小枝で三、四回かき混ぜた後、油紙で包み、ベボをかぶせて床に置く。
酒の底に泡が出たら毎日泡を取り除き、2月末日、五合の米を蒸して冷やした後、酒の底に一緒に入れます。4月初旬までそのままにしておいて、透明な酒を仕込めば、その味が良い。酒を汲むときに少しでも水分が入ると酒の味が変わってしまうそうです。
正月の初詣が暖かければ、餅を非常に冷やして使い、非常に寒い場合は暖かい日を選んで下ごしらえをすることもある。お酒を長持ちさせたい場合は、清酒を汲んで別の瓶に入れ、日差しの当たらない場所に保管すれば、夏を過ごしても変質しないそうです。ソウルの地酒として知られている。
【節酒 - 절주（jeolju）】050
もち米で二度仕込んだ薬酒。
『閨壼是議方（1670年）』『陽酒方（1837年)』『金承旨宅酒方文（1860年）』など、朝鮮時代の文献に登場している。
製造法は、『閨壼是議方（1670年）』では、
『金承旨宅酒方文（1860年）』では、
甘いと言うのもあるが、使っている米がもち米だからなのでしょう。
『閨壼是議方（1670年）』『陽酒方（1837年)』『金承旨宅酒方文（1860年）』など、朝鮮時代の文献に登場している。
製造法は、『閨壼是議方（1670年）』では、
もち米5斗を粉にして餅を作り、これを煮てほぐして、麹1斗を混ぜる。酒甕の下に楮（コウゾ：日本では樹脂の繊維が和紙の材料に使われる）の葉を敷き、その上に混ぜたものを入れ、再び楮の葉をかぶせて三日後に下酒を作る。白米（もち米）一斗を蒸して冷やし、麹半斗と混ぜて下酒に混ぜ合わせる。とある。
『金承旨宅酒方文（1860年）』では、
もち米一斗を粉にして餅を作り、よく煮て冷やす。粉麹と麦芽を合わせ、茹でた餅に混ぜてよく練り上げる。甕のくちばしを紙でよく包み、冷水に入れます。麹があるので熟しやすい。上澄みは、下澄みを漬けてから3日後に開けてみて、ほっこりとした甘みが出てきたら、もち米をよく洗い、水に一晩浸して蒸す。こまめにかき混ぜながらよく蒸して冷ます。とある。
甘いと言うのもあるが、使っている米がもち米だからなのでしょう。
【一日酒 - 일일주（il-ilju）】051
朝仕込み、夕方に飲めることから一日酒と呼ばれる。一日酒は、速成発酵で短期間で酒を造って飲める旬內釀造酒の一種。
この旬内釀造酒は高級薬酒とは異なり、1次浸漬を中心に暖かい場所で発酵させるため、量が多い。朝鮮時代初期以降に多く作られた酒で、大抵は急ぎの時に最初に使う酒(水を使わない濃度の濃い酒)があれば、それをベースにして造る
『閨壼是議方（1670年）』では、
『酒の作り方（19世紀末）』では、
この旬内釀造酒は高級薬酒とは異なり、1次浸漬を中心に暖かい場所で発酵させるため、量が多い。朝鮮時代初期以降に多く作られた酒で、大抵は急ぎの時に最初に使う酒(水を使わない濃度の濃い酒)があれば、それをベースにして造る
『閨壼是議方（1670年）』では、
良い麹2升、良い酒1升、水3升を混ぜ、米1升で。白米（もち米）1升を蒸して仕込み、蒸気が漏れないように密封し、揺れないように熱いところに置いておけば、朝に仕込んで夕方に使える。と書かれている。
『酒の作り方（19世紀末）』では、
もち米2升を薄くもなく濃くもない粥を煮て、細かい麹の粉5石を混ぜて甕に入れ、かき混ぜること数時間で、泡が立つので、すぐに甕の蓋を厚く締めて暖かいところに置けば、夕方に酒になるという。もう一つの方法は、米1升を細かく粉にしてよく蒸して冷やさずにすぐに甕に入れ、麹2升、酒1杯、水3升を合わせて振らずに熱いところに置いておけば、朝に造ったものは夕方に、夕方に造ったものは朝に使えるようになる。とある。
「竹の葉を入れた酒」というのと「竹の葉と同じ色をした酒」をという2種類があるらしい。『飮食知味方（1677年）』『要録（1680年頃）』『曆酒方文（19世紀中期）』『林園經濟志（1900年前後）』など朝鮮時代の文献に登場する。『竹葉春（죽엽춘）』とも呼ばれる。
『林園經濟志（1900年前後）』の製造法は、
竹の葉60根を細かく切って水4斗に入れ、沸騰させて澄んだ汁をとったものと白米（もち米）5斗を軽く蒸したものに麹の粉を適当に入れて酒を醸し、澄んだ酒をすくって飲むが、風症や熱病の治療に有効である。
とあり、薬用酒として利用されたことが分かる。
一方、『要録（1680年頃）』などの製法は、
朝鮮時代の文献には、竹の葉を入れて作った薬用酒の竹葉酒よりも、ただ清酒（薬酒）で飲んでいた竹葉酒に関する記録が多く見られる。
甘いとあるように、使っている米がもち米を使った酒である。
『要録（1680年頃）』の作り方には、一部に従来の中国式ではなく日本的な作り方が入ってきており、この作り方はそれ以前では見られないものですから、朝鮮出兵の来日朝鮮人の帰国や朝鮮通信使が日本の酒造りの手法を持ち帰ったのではないかと思う。
『林園經濟志（1900年前後）』の製造法は、
竹の葉60根を細かく切って水4斗に入れ、沸騰させて澄んだ汁をとったものと白米（もち米）5斗を軽く蒸したものに麹の粉を適当に入れて酒を醸し、澄んだ酒をすくって飲むが、風症や熱病の治療に有効である。
とあり、薬用酒として利用されたことが分かる。
一方、『要録（1680年頃）』などの製法は、
白米（もち米）4斗を何度も洗って水に浸しておき、翌日よく蒸して炊いた後、食器を待って沸騰した水9杯に麹粉7斗を混ぜてすべて甕に入れ、涼しい所に置いて20日後に白米（もち米）5斗を炊いて冷やした後、小麦粉1斗と混ぜて甕に入れる。7日が経過した後、その色が竹の葉のようになり、その味が甘くて香りが良ければそのまま飲む。とあり、一般的な薬酒として飲んでいた酒も竹葉酒と名付けられたことが分かる。
朝鮮時代の文献には、竹の葉を入れて作った薬用酒の竹葉酒よりも、ただ清酒（薬酒）で飲んでいた竹葉酒に関する記録が多く見られる。
甘いとあるように、使っている米がもち米を使った酒である。
『要録（1680年頃）』の作り方には、一部に従来の中国式ではなく日本的な作り方が入ってきており、この作り方はそれ以前では見られないものですから、朝鮮出兵の来日朝鮮人の帰国や朝鮮通信使が日本の酒造りの手法を持ち帰ったのではないかと思う。
【七日酒 - 칠일주（chil-ilju）】053
もち米の粥に麹の粉を混ぜて高温の部屋に置き、翌日もち米を蒸して混ぜ合わせ、5日間熟成させて7日間で飲むお酒。
酒を造るのに7日間かかることから七日酒と呼ばれるようになった。『飮食知味方（1677年）』『要録（1680年頃）』『民天集說（1752年）』『増補山林經濟（1766年）』『林園經濟志（1900年前後）』『朝鮮無雙新式料理製法（1924年）』『饔熙雜誌』などに収録されている。
製法は、
別の方法としては、
酒を造るのに7日間かかることから七日酒と呼ばれるようになった。『飮食知味方（1677年）』『要録（1680年頃）』『民天集說（1752年）』『増補山林經濟（1766年）』『林園經濟志（1900年前後）』『朝鮮無雙新式料理製法（1924年）』『饔熙雜誌』などに収録されている。
製法は、
もち米一俵を洗って粉にし、粥のように炊く。熱いうちに麹の粉を五香粉とよく混ぜて、底の広い壷に入れる。甕を布団で覆い、暖かい部屋に埋めておく。翌日、もち米を洗って蒸した後、水1升をふりかけておく。前日に作った時と同じ時刻に蒸米を注ぎ、前日に作ったものと一緒に混ぜて再び甕に注ぎ、封をする。暑い部屋で布団をかぶせて4、5日置いた後、涼しい場所に移す。すべて7日間で熟す。とある。
別の方法としては、
米（もち米）を石臼で挽いて粥を作り、麹と混ぜ合わせる。これを瓶に入れ、密封して熱い場所に置く。2、3日経って酒が少し固まったら、ふるいにかけて汁を出し、かすは捨てる。再びもち米を蒸し、冷めたらさっと干し、米粒がくっつかないように米粒をほぐす。麹を汁と一緒に混ぜて再び瓶に注ぎ、密封して熱い部屋に置く。4、5日経つと煮詰まるので、この時冷たい水を2杯ほど注いでかき混ぜ、翌日飲む。とある。
【三日酒 - 삼일주（sam-ilju）】054
説明では「もち米やうるち米で造るお酒」とあるが、間違い。「もち米で造るお酒」である（やはり「白米」というのを「うるち米」と読み間違えているようであるが、当時だとうるち米の多くは赤米であり、白米と言うともち米になる）。
短期間で熟成させる速醸酒で、3日でお酒になることから三日酒と呼ばれる。旬內酒（朝鮮酒で1週間以内で作られる酒を指す単語）はほとんどが濁酒であるが、三日酒は清酒の一つである。『飮食知味方（1677年）』『山林經濟（18世紀初期頃）』『陽酒方（1837年）』『曆酒方文（19世紀中期）』『飮食訪文（1891年）』『酒の作り方（19世紀末）』『林園經濟志（1900年前後）』などにその製法が記されている。
『飮食知味方（1677年）』では、
『山林經濟（18世紀初期頃）』には、
『陽酒方（1837年）』には、
『林園經濟志（1900年前後）』には、
短期間で熟成させる速醸酒で、3日でお酒になることから三日酒と呼ばれる。旬內酒（朝鮮酒で1週間以内で作られる酒を指す単語）はほとんどが濁酒であるが、三日酒は清酒の一つである。『飮食知味方（1677年）』『山林經濟（18世紀初期頃）』『陽酒方（1837年）』『曆酒方文（19世紀中期）』『飮食訪文（1891年）』『酒の作り方（19世紀末）』『林園經濟志（1900年前後）』などにその製法が記されている。
『飮食知味方（1677年）』では、
沸騰した水1斗に麹粉2斗を混ぜて一晩寝かせ、翌日紬袋で絞って滓は捨て、白米（もち米）1斗を蒸して冷やし、麹水に混ぜて3日後に飲む。書いてある。
『山林經濟（18世紀初期頃）』には、
三日酒に良い酒一杯を入れるとさらに良く、この酒は暑い日にも良い。と書いてある。
『陽酒方（1837年）』には、
沸騰した水一斗に麹の粉2斗を入れて一晩寝かせた後、白米（もち米）一斗をきれいに洗って細かく粉にし、白米（もち米）を蒸して麹水に混ぜて三日後に使う。と書いてある。
『林園經濟志（1900年前後）』には、
良い酒一杯ともち米5、6斗で粥を炊いて、麹粉と小麦粉各5升を仕込み、3、4日経てば清酒になる。と書いてある。
【杜康酒 - 두강주（dugangju）】088
もち米で一度仕込んだお酒。
短期間で熟成する特性のある酒である。昔、中国に杜鵑という酒をよく造る人がいて、その人の方法で酒を造ることから杜康酒と呼ばれるようになったという――という、中国酒の模倣酒。
『飮食知味方（1677年）』『飮食譜（1700年代初頭）』『増補山林經濟（1766年）』『是議全書（1919年）』『酒政（19世紀末）』などにその製法が記録されている。『杜康春（두강춘）』とも呼ばれる。
『飮食知味方（1677年）』では、
『増補山林經濟（1766年）』の製法は、
「白米」であるから、やはりもち米である。
短期間で熟成する特性のある酒である。昔、中国に杜鵑という酒をよく造る人がいて、その人の方法で酒を造ることから杜康酒と呼ばれるようになったという――という、中国酒の模倣酒。
『飮食知味方（1677年）』『飮食譜（1700年代初頭）』『増補山林經濟（1766年）』『是議全書（1919年）』『酒政（19世紀末）』などにその製法が記録されている。『杜康春（두강춘）』とも呼ばれる。
『飮食知味方（1677年）』では、
白米一斗をよく洗って粉にし、水一斗でお粥を作り、麹一斗四合を混ぜて冷やし、甕に入れ、五日間置いた後、もち米一斗をよく洗って熟して蒸し、水気がなく、少し熱気があるように入れてから使うように。と書いてある。
『増補山林經濟（1766年）』の製法は、
白米一合を粉にして濃い粥を作り、そこに麹粉、小麦粉と四合を混ぜて暖かいところに2日間置く。これにもち米一合を蒸して加水し、4、5日後には熟す。と書いてある。ほとんどの酒は加水せずに発酵させて作るのに対し（とあるが、加水している酒造の方が多いのだが）、『杜康酒』はもち米で一度加水して作るのが特徴的だ。
「白米」であるから、やはりもち米である。
【小麴酒 - 소국주（sogugju）】055
酵母を少なくして醸した薬酒。
添加酒に麹を使わない二釀酒で、高麗時代から製造されたとされているが不明。
朝鮮時代には最も多く知られている酒である。『要録（1680年頃）』『京都雑誌（1790年前後）』『閨閤叢書（1809年）』『陽酒方（1837年）』『東国歳時記（1849年）』『是議全書（1919）』にも記載がある（とあるが、やはり朝鮮時代の史料での記載なので高麗時代からあるというのは史実かは分からない）。
『閨閤叢書（1809年）』の作り方は
説明には「忠清南道舒川郡韓山のものが有名」とあるが、説明間違い。
酒がまるで違い、『小麴酒』は「冷水のような輝きを放ち、酔いも少ない」とあるが、『韓山 素麯酒』は「粘り気のある真っ黄色の酒で、嫁が酒の味を確かめるために箸で浸して食べると、知らず知らずのうちに酔って立ち上がることもできず、座り込んだように這いずり回るという言い伝え」があるような酔いやすい酒である。
名前（朝鮮語読み）がかなり似ているので勘違いしたのだろうか。
「甘酸っぱい」とあるので、使っている米がもち米で、使っている麹は白麹でしょう。
添加酒に麹を使わない二釀酒で、高麗時代から製造されたとされているが不明。
朝鮮時代には最も多く知られている酒である。『要録（1680年頃）』『京都雑誌（1790年前後）』『閨閤叢書（1809年）』『陽酒方（1837年）』『東国歳時記（1849年）』『是議全書（1919）』にも記載がある（とあるが、やはり朝鮮時代の史料での記載なので高麗時代からあるというのは史実かは分からない）。
『閨閤叢書（1809年）』の作り方は
正月の初詣に冷水八斗を甕に注ぎ、麦芽麹七斗を水に浸し、三日後に水で濾し、ふるいにかける。きれいに洗った白米（もち米）数斗を粉にし、白米（もち米）を蒸して熱いうちに澱粉を濾した水に混ぜて、麹を濾した水と混ぜ合わせる。三日後、東に伸びた桃の枝でほぐすようにかき混ぜた後、冷蔵しておいて、2月頃に味見する。この時、味が甘酸っぱいと感じたら、白米（もち米）一升をきれいに洗って一晩置き、水七升か八升をまんべんなくかけ、ふっくらと蒸して地酒を作る。 そして、冷める前にその酒の下に注ぎ、東に伸ばした桃の枝で均等に解けるようにかき混ぜる。三七日後に様子をみて、お酒が丸く固まったらすくう。甕が大きいと滓が出たり、小さいと酒が溢れたりするので、適当な甕に入れます。他のお酒は温かいだけでは味が悪くなるが、ソグクジュは麹を3日間冷水に浸して濾した後、底とジエを沸騰したお湯に注ぐと、お酒が格別に美しく、冷水のような輝きを放ち、酔いも少ないという。と書かれているが、この米はやはりもち米である。
説明には「忠清南道舒川郡韓山のものが有名」とあるが、説明間違い。
酒がまるで違い、『小麴酒』は「冷水のような輝きを放ち、酔いも少ない」とあるが、『韓山 素麯酒』は「粘り気のある真っ黄色の酒で、嫁が酒の味を確かめるために箸で浸して食べると、知らず知らずのうちに酔って立ち上がることもできず、座り込んだように這いずり回るという言い伝え」があるような酔いやすい酒である。
名前（朝鮮語読み）がかなり似ているので勘違いしたのだろうか。
「甘酸っぱい」とあるので、使っている米がもち米で、使っている麹は白麹でしょう。
【煮酒 - 자주（jaju）】099
様々な薬膳と蜂蜜を加えて焼いた（煮た）酒で、薬酒の一種。
『曆酒方文（19世紀中期）』には
『朝鮮無雙新式料理製法（1924年）』では、
また『要録（1680年頃）』『酒方文（17世紀）』『山林經濟（18世紀初期頃）』など朝鮮時代の文献に登場する。
『曆酒方文（19世紀中期）』には
良い酒にハチミツ、シナモン、胡椒を混ぜて、酒を注ぐ壺に入れ、頻繁に水を入れ替える。酒5升を甕に入れ、炭火でじっくりと煮て中湯にして使うと、一匙を食べても他の酒を一杯飲むより良く、気力の弱い人はたとえ一匙を食べても気が張る。と製法と効能が記されている。
『朝鮮無雙新式料理製法（1924年）』では、
良い酒1本にクルミと黄小麦を各一斗の割合で壺に入れ、中に水を注ぎ、壺を紐で吊るして水に浮かべて長く煮て取り出すと書いてあり、国の祭祀の時に使われたという。
また『要録（1680年頃）』『酒方文（17世紀）』『山林經濟（18世紀初期頃）』など朝鮮時代の文献に登場する。
【朮酒 - 출주（chulju）】098
漢方薬であるシャクヤクの根で造るお酒。
シャクヤクは山に生える草で、その根が漢方薬材として使われるが、シャクヤクの根のうち細長いものは蒼朮(ソンジュジュ・changchul)と呼ばれ、少し短くて先端が丸いものは白朮(ペクジュ・baegchul)と呼ばれる。
『要録（1680年頃）』『林園經濟志（1900年前後）』『金斗鍾本養生書（20世紀前半）』などに記録されている。
作り方は、『要録（1680年頃）』では、
シャクヤクは山に生える草で、その根が漢方薬材として使われるが、シャクヤクの根のうち細長いものは蒼朮(ソンジュジュ・changchul)と呼ばれ、少し短くて先端が丸いものは白朮(ペクジュ・baegchul)と呼ばれる。
『要録（1680年頃）』『林園經濟志（1900年前後）』『金斗鍾本養生書（20世紀前半）』などに記録されている。
作り方は、『要録（1680年頃）』では、
葛や白朮30根を皮をむいてきれいに洗い、適当に砕いて流れる水に浸し、20日後に搾り、搾りかすは捨て、絞った汁は一晩置いてから、米と麹の粉を入れて酒を造るとしている。
【百花酒 - 백화주（baeghwaju）】056
様々な種類の花を入れたお酒。
酒に香りと薬効を併せ持つため、加香酒であると同時に薬用薬酒とも言える。その製法は『飮食譜（1700年代初頭）』『民天集說（1752年）』『増補山林經濟（1766年）』『閨壼要覽（19世紀初頭から中期））』『閨閤叢書（1809年）』『酒方文（1801年か1861年）』『金承旨宅酒方文（1860年）』『林園經濟志（1900年前後）』などに載っている。
『閨壼要覽（19世紀初頭から中期））』には、金銀花・菊・松花・梅など、あらゆる種類の花を百種類集めて乾燥させた後、蚊帳に入れ、甕の底に入れて酒を造るという記述がある。
『閨閤叢書（1809年）』には、著者自身が開発した百花酒の作り方が記されている。この本によると、
酒に香りと薬効を併せ持つため、加香酒であると同時に薬用薬酒とも言える。その製法は『飮食譜（1700年代初頭）』『民天集說（1752年）』『増補山林經濟（1766年）』『閨壼要覽（19世紀初頭から中期））』『閨閤叢書（1809年）』『酒方文（1801年か1861年）』『金承旨宅酒方文（1860年）』『林園經濟志（1900年前後）』などに載っている。
『閨壼要覽（19世紀初頭から中期））』には、金銀花・菊・松花・梅など、あらゆる種類の花を百種類集めて乾燥させた後、蚊帳に入れ、甕の底に入れて酒を造るという記述がある。
『閨閤叢書（1809年）』には、著者自身が開発した百花酒の作り方が記されている。この本によると、
冬に梅・椿から翌年の秋の菊まで花を集め、松の木の陰で乾燥させ、中陽節(旧暦9月9日)に酒を造る。この時、他の花はたとえ香りが多くても、乾くと香りがかすむが、菊は乾いた後にさらに香りが増すので、桃の花・杏の花・梅の花・蓮の花・クコの花・わさびの花など、気性の良いものは多めに入れ、他の花はそれぞれ1斗ずつ入れるという。しかし、ツツジ・玉椿・サルスベリなどは毒があるので入れないようにし、酒を造る水は特に川の真ん中から汲み上げた水や石の隙間に詰まった水を使うべきだという（つまり、当時の水は結構汚れていた、という事です）。
もち米や雑穀を二度発酵させて造られたお酒。
説明には「もち米やうるち米を二度発酵させて造られたお酒」とあるが、これは史料の記載から説明間違い。元々は雑穀で作られていた酒で、日本統治で米生産量が上がったので米を使う酒に変わったようである。
『民天集說（1752年）』『陽酒方（1837年)』『飮食訪文（1891年）』『是議全書（1919年）』などに記録されている。『是議全書（1919年）』には「黄柑酒」と記されている。
『陽酒方（1837年)』では、
『是議全書（1919年）』では、
味は甘辛い酒で、清酒として飲んだり、卓酒として飲んだりする。
説明には「もち米やうるち米を二度発酵させて造られたお酒」とあるが、これは史料の記載から説明間違い。元々は雑穀で作られていた酒で、日本統治で米生産量が上がったので米を使う酒に変わったようである。
『民天集說（1752年）』『陽酒方（1837年)』『飮食訪文（1891年）』『是議全書（1919年）』などに記録されている。『是議全書（1919年）』には「黄柑酒」と記されている。
『陽酒方（1837年)』では、
白く蒸した雑穀米二斗をきれいに洗って粉にし、水一斗で粥を煮て冷まし、ここに麹粉一斗を入れ、醗酵させたら、再び雑穀米一斗をきれいに洗って、地米をふっくらと蒸し、蒸した水一斗を振りかけて酒の素と混ぜる。7日後に使えば味が良い」と記されている。ピリッとした辛さを出すには、米を蒸した水を二斗ほどかけて造るように。とある。
『是議全書（1919年）』では、
もち米一斗をきれいに洗って浸した後、粉にして団子を作り、よく煮てから、良い麹一斗を混ぜて入れ、翌日、水をかけずに蒸して酒のもとを冷水一杯に濾し、細かいタオルに敷き、その米をボウルに浮かべていきながら均一に混ぜて冷やした後、甕に入れ、二日か三日後に食べる。と記されている。
味は甘辛い酒で、清酒として飲んだり、卓酒として飲んだりする。
【碧香酒 - 벽향주（byeoghyangju） / 法酒の一種】058
韓国では「うるち米と小麦粉及び小麦麹の粉末で酛酒を仕込み、添酒はうるち米と麹の粉末で仕込む」と言う俗説もあるが、これはやはり材料が嘘。
『増補山林經濟（1766年）』には、
『要録（1680年頃）』では、
主に使うのが「もち米」で、そこに糠を堕とした「白米（もち米）」を混ぜる事もあり、麦麹を使った酒という事である（白米ももち米でもある。うつろ、当時であればもち米の方がうるち米より白い）。
14日ぐらいでできる平安道の酒である。
酒の色が碧く香りが良いところから名づけられており、朝鮮時代の「清酒」というとこれが代表に出てくる。ただ「朝鮮時代初期から末期にかけて全国的に有名で名高い酒」と韓国では言われるが、朝鮮時代初期の文献には出てきておらず、17世紀後期の『要録（1680年頃）』からでてくるので、「朝鮮時代中期から」というのが正しい。
『増補山林經濟（1766年）』には、
もち米・麦飯・小麦粉でお酒の元を作ったとある。
『要録（1680年頃）』では、
もち米に白米（もち米）を混ぜるとある。
主に使うのが「もち米」で、そこに糠を堕とした「白米（もち米）」を混ぜる事もあり、麦麹を使った酒という事である（白米ももち米でもある。うつろ、当時であればもち米の方がうるち米より白い）。
14日ぐらいでできる平安道の酒である。
酒の色が碧く香りが良いところから名づけられており、朝鮮時代の「清酒」というとこれが代表に出てくる。ただ「朝鮮時代初期から末期にかけて全国的に有名で名高い酒」と韓国では言われるが、朝鮮時代初期の文献には出てきておらず、17世紀後期の『要録（1680年頃）』からでてくるので、「朝鮮時代中期から」というのが正しい。
青竹を焼いて竹のエキスを抽出して作るお酒。
その製法は、
『増補山林經濟（1766年）』よると、
『東国歳時記（1849年）』には「湖西竹瀝膏」という表現がありますが、これは竹と縁のある湖西地方で主に生産される特注品であったため付けられた名称と思われる。
また、生地黄・桂心・石楠花などの薬材（韓方）を粉にして蜂蜜で和えたものを加え、さらに麹・もち米などを加えて練る方法もある。こうして造るとかなり濃い液体になるため、削るのに時間がかかる。
その製法は、
『増補山林經濟（1766年）』よると、
竹の名産地である全羅道で作られたものが有名である。青竹を割って火で焼いてにじみ出る液と蜂蜜を焼酎瓶に入れ、中탕して使うが、生姜汁を入れてもよいと書かれている。
『東国歳時記（1849年）』には「湖西竹瀝膏」という表現がありますが、これは竹と縁のある湖西地方で主に生産される特注品であったため付けられた名称と思われる。
また、生地黄・桂心・石楠花などの薬材（韓方）を粉にして蜂蜜で和えたものを加え、さらに麹・もち米などを加えて練る方法もある。こうして造るとかなり濃い液体になるため、削るのに時間がかかる。
『飮食譜（1700年代初頭）』と『酒饌（1800年代）』にある酒。
作り方は、『飮食譜（1700年代初頭）』は「もち米」だけを使うようだが、『酒饌（1800年代）』は「もち米」と「もち粟」を同量使っている。
（韓国の現代の説明では、「白米」を「うるち米」・「粘米」を「もち米」と訳していたが、これは間違い。「白米」は「もち米」で「粘米」は「もち粟」を指す。粟は朝鮮時代では米に次いで、小麦と同じぐらい生産をしていた穀物である）。
『酒饌（1800年代）』には作り方として、
漢文の訳が出来ておらず穀物種類を間違えている為、韓国では再現酒造しようとしているが、根本的に間違えて別の酒を造っている。
やはり『酒饌（1800年代）』は、既存の酒の酒造りのアレンジや、色々な酒造りからつまみ食いした手法でのアレンジ酒の造り方を記録しているのだと思われる。
作り方は、『飮食譜（1700年代初頭）』は「もち米」だけを使うようだが、『酒饌（1800年代）』は「もち米」と「もち粟」を同量使っている。
（韓国の現代の説明では、「白米」を「うるち米」・「粘米」を「もち米」と訳していたが、これは間違い。「白米」は「もち米」で「粘米」は「もち粟」を指す。粟は朝鮮時代では米に次いで、小麦と同じぐらい生産をしていた穀物である）。
『酒饌（1800年代）』には作り方として、
白米五合，粘米五合，百洗經夜，水四升作粥，大冷，曲末一升均和。五日後，白米五升粘米五升烝飯大冷，均和本酒。と原文があり、これを伝統食品百科事典を見ると、
쌀 5홉, 찹쌀 5홉을 여러 번 씻어서 하룻밤 지난 다음 물 4되로 죽을 쑤고, 차게 식으면 누룩가루 1되를 고루 섞어 술을 빚는다. 5일 후 쌀 5되, 찹쌀 5되로 밥을 쪄서, 차게 식으면 밑술에 고루 섞는다. 5일 후 물 8되를 붓고, 또 5일이 지나면 쓴다. 맛이 매우 달고 독하며, 향기가 입 안에 가득 찬다. 나머지 술지게미에 다시 죽을 쑤어 덧넣으면 여러 책에 나오는 술들보다 더 좋다.と訳しているが、誤訳意訳過ぎる。書かれている事は、
米5升、もち米5升を何度も洗って一晩寝かせた後、水4升でお粥を作り、冷めたら麹粉1升を均等に混ぜて酒を造る。5日後、米5升、もち米5升を蒸らし、冷めたら底酒にまんべんなく混ぜる。5日後に水8升を注ぎ、さらに5日を過ぎると苦くなる。味は非常に甘く、香りが口いっぱいに広がる。残りの酒粕に再びお粥を注ぎ足すと、様々な本に載っている酒よりも美味しい。
もち米5合ともち粟5合を何度も洗って一晩置き、水4升で粥を作る。しっかり冷やした後に、麹1升を満遍なく混ぜる。5日後、更にもち米5升ともち粟5升を蒸してしっかり冷やさし、元酒に満遍なく混ぜる。と書いているだけである。
漢文の訳が出来ておらず穀物種類を間違えている為、韓国では再現酒造しようとしているが、根本的に間違えて別の酒を造っている。
やはり『酒饌（1800年代）』は、既存の酒の酒造りのアレンジや、色々な酒造りからつまみ食いした手法でのアレンジ酒の造り方を記録しているのだと思われる。
蓮の葉を入れたお酒。
『山林經濟（18世紀初期頃）』『増補山林經濟（1766年）』『攷事十二集（18世紀後半）』『閨閤叢書（1809年）』『陽酒方（1837年)』『曆酒方文（19世紀中期）』『林園經濟志（1900年前後）』『朝鮮無雙新式料理製法（1924年）』などに記録されている。
作り方は『増補山林經濟（1766年）』では、
『閨閤叢書（1809年）』では、
『朝鮮無雙新式料理製法（1924年）』では、
『山林經濟（18世紀初期頃）』『増補山林經濟（1766年）』『攷事十二集（18世紀後半）』『閨閤叢書（1809年）』『陽酒方（1837年)』『曆酒方文（19世紀中期）』『林園經濟志（1900年前後）』『朝鮮無雙新式料理製法（1924年）』などに記録されている。
作り方は『増補山林經濟（1766年）』では、
もち米に白麴の粉を少し混ぜてこれを団子状にし、蓮の葉で包んで焼く。としている。
『閨閤叢書（1809年）』では、
良い米を何度も洗って水に浸して一晩寝かせた後に蒸し、良い水二瓶を冷やし、米と一緒に混ぜて、良い麹を細かく粉にして、まず蓮の葉を甕の中に広げ、その上に米を入れ、麹をふりかけて餅を包むように包んで密封し、日差しの当たらない冷所に置いて調理する。とある。
『朝鮮無雙新式料理製法（1924年）』では、
池の中に人が直接入り、蓮の葉にもち米と白麹の粉を混ぜたものを入れ、紐で縛って木の枝で固定しておくと、2日ほどで熟すという。とある。
蓮の葉酒を造るときは、生水を使うべきではなく、また日が暑いと休む恐れがあるので、必ず霜が降りる前に葉が乾いていないうちに造らなければならない。こうして造れば、春や夏でも変わらない。酒を飲み干した後、その甕に別の酒を注いでも香りは以前と変わらない。
【桃花酒 - 도화주（dohwaju）】097
桃の花を添えて造るお酒。
『山林經濟（18世紀初期頃）』『増補山林經濟（1766年）』『林園經濟志（1900年前後）』『金斗鍾本養生書（20世紀前半）』『婦人必知（1915年）』などに作り方が記されている。『桃花春（도화춘）』とも呼ばれる。
『山林經濟（18世紀初期頃）』を見ると、
また、『攷事撮要（1554年）』を引用（『桃花酒』が書かれているわけではない）して、
最初に造る酒の底に水一斗を減らし、また酒の底を加えるときにさらに三、四斗を減らせば、より良い味になる
という。この酒は常に涼しい場所に置いて熟成を待つ必要があり、熟成には3〜4ヶ月かかるという。桃花酒は春の時節酒として酒屋で売られていた。
『山林經濟（18世紀初期頃）』『増補山林經濟（1766年）』『林園經濟志（1900年前後）』『金斗鍾本養生書（20世紀前半）』『婦人必知（1915年）』などに作り方が記されている。『桃花春（도화춘）』とも呼ばれる。
『山林經濟（18世紀初期頃）』を見ると、
正月に有芒米二斗を粉にし、水二斗を沸騰させ、均一に混ぜて冷やした後、麹粉・小麦粉をそれぞれ一斗ずつ甕に入れ、桃の花が咲くまで待つ。と記されている。
桃の花が咲く時期になったら、白米・もち米をそれぞれ1升ずつきれいに洗い、一晩水に浸して蒸らし、水で6升を沸騰させ、冷やした後、均等に混ぜる。
ご飯が完全に冷めたら、桃の花二斗を摘んで、まず甕の底に敷き、先に作った下酒と一緒に入れ、桃の花二、三本をその中に差し込んで、熟した後に浮かべる。
また、『攷事撮要（1554年）』を引用（『桃花酒』が書かれているわけではない）して、
最初に造る酒の底に水一斗を減らし、また酒の底を加えるときにさらに三、四斗を減らせば、より良い味になる
という。この酒は常に涼しい場所に置いて熟成を待つ必要があり、熟成には3〜4ヶ月かかるという。桃花酒は春の時節酒として酒屋で売られていた。
【地酒 - 지주（jiju）】091
甕に酒を仕込み、地中深く埋めて熟成させるお酒。
中国の老酒の真似で、何年も熟成させる場合もある。地中は地上と違って温度変化が激しくなく、酒が熟すのに適した温度を保つことができる。
『山林經濟（18世紀初期頃）』の酒造方法は、
「白米」とあるからやはりもち米。
松の葉には酵母菌や乳酸菌などの微生物が付着しており、砂糖や水と組み合わせると発酵して炭酸ガスやアルコールを発生させます。
中国の老酒の真似で、何年も熟成させる場合もある。地中は地上と違って温度変化が激しくなく、酒が熟すのに適した温度を保つことができる。
『山林經濟（18世紀初期頃）』の酒造方法は、
白米1升、麹粉1升、松葉1升を通常の酒造りの方法に従って甕に仕込む。蓋をしっかりと密閉した後、土を掘り、松の枝で場所を作る。土の中に甕を埋めて土で覆っておき、七ヶ月後に取り出して飲む。とある。
「白米」とあるからやはりもち米。
松の葉には酵母菌や乳酸菌などの微生物が付着しており、砂糖や水と組み合わせると発酵して炭酸ガスやアルコールを発生させます。
【臥松酒 - 와송주（wasongju）】062
他との大きな違いは、甕ではなく樽や木の蓋で作る事。
松の独特な香ばしさが溢れるお酒と言われ、朝鮮では一般的に酒は甕で造るものとされているが、臥松酒は生木の樽や甕を地中に深く埋めたりして造る酒。朝鮮中期以降の文献である『山林經濟（18世紀初期頃）』『増補山林經濟（1766年）』『婦人必知』などに記録されている。この種の酒は中国にも多くあることから、中国から伝わったものと推測される――とあるが、時期から見れば日本の酒造りからでは？。
作り方は、
松の独特な香ばしさが溢れるお酒と言われ、朝鮮では一般的に酒は甕で造るものとされているが、臥松酒は生木の樽や甕を地中に深く埋めたりして造る酒。朝鮮中期以降の文献である『山林經濟（18世紀初期頃）』『増補山林經濟（1766年）』『婦人必知』などに記録されている。この種の酒は中国にも多くあることから、中国から伝わったものと推測される――とあるが、時期から見れば日本の酒造りからでは？。
作り方は、
斜めに寝かせた生松の根元を掘り起こし、その中に酒を入れ、松の板で蓋をし、泥でしっかりと密封し、草をかぶせて熟成させる。材料は特に決まりはなく、どのような酒でもすべてこの方法で造ることができる。とある。
もち米を使って三ヶ月間仕込む慶尚北道・金泉地方の伝統酒、らしい。
「慶尚北道金泉市南山洞の西側に薬水がある。朝鮮の役（文禄の役）の時、明の将軍李如松がこの水を飲んで、自分の故郷である金陵の過夏珠泉の水の味と同じだと称賛したことから、この泉を泉と呼ぶようになった」という伝説が伝わっているが、これは創作された逸話。そもそも、李如松は慶尚北道には来ておらず、南下した最大でも平壌と京城の間までである。また李如松は朝鮮人民間人を大量虐殺した人物でもある。
この過夏泉の水で造られた酒『過夏酒』と呼ぶようになったという。作り方は、
『金陵勝覽（1718年）』によると、同じ名前ではあるが違う酒である過夏酒と並んで全国的に有名な銘酒だった。昔、国に献上される真上酒は72種類あったと言われ、過夏酒はその中でも特産品に数えられていたそうです。
あと、ハングルと発音が実はおかしい。『金泉』だが、本来は「김천」ではなく「금천」、「gimcheon」ではなく「guimcheon」とならないといけない。
「慶尚北道金泉市南山洞の西側に薬水がある。朝鮮の役（文禄の役）の時、明の将軍李如松がこの水を飲んで、自分の故郷である金陵の過夏珠泉の水の味と同じだと称賛したことから、この泉を泉と呼ぶようになった」という伝説が伝わっているが、これは創作された逸話。そもそも、李如松は慶尚北道には来ておらず、南下した最大でも平壌と京城の間までである。また李如松は朝鮮人民間人を大量虐殺した人物でもある。
この過夏泉の水で造られた酒『過夏酒』と呼ぶようになったという。作り方は、
旧正月の満月の日の早朝に水汲み機で泉の水を汲み上げ、もち米を蒸した後、麹と混ぜて餅を作り、あらかじめ仕込んだ酒を酒母として三ヶ月間涼しいところに置いてから湧き水に浮かべる。らしい。
『金陵勝覽（1718年）』によると、同じ名前ではあるが違う酒である過夏酒と並んで全国的に有名な銘酒だった。昔、国に献上される真上酒は72種類あったと言われ、過夏酒はその中でも特産品に数えられていたそうです。
あと、ハングルと発音が実はおかしい。『金泉』だが、本来は「김천」ではなく「금천」、「gimcheon」ではなく「guimcheon」とならないといけない。
【慶州 校洞法酒 - 경주 교동법주（gyeongju gyodongbeobju） / 法酒の一種】063
韓国wikiの方が詳しく載っている。
慶尚北道慶州市市喬桐にある崔富子の家で代々醸されてきた伝統的な酒。1986年11月1日に国家無形文化財になっている。
慶州法酒を最初に作ったのは崔國俊で、彼は朝鮮肅宗(在位1674∼1720)時代に宮廷料理を管掌する司饔院の参奉を務めたという事なので、これが本当なら18世紀初頭〜中期に作られた酒と推定されるが、史実かどうかは分からない。作り方は、
この「色は明るく透明な薄黄色を帯び、穀酒特有の香りと甘味、わずかな酸味」という記述から、米はもち米、麹は白麹となる。
慶尚北道慶州市市喬桐にある崔富子の家で代々醸されてきた伝統的な酒。1986年11月1日に国家無形文化財になっている。
慶州法酒を最初に作ったのは崔國俊で、彼は朝鮮肅宗(在位1674∼1720)時代に宮廷料理を管掌する司饔院の参奉を務めたという事なので、これが本当なら18世紀初頭〜中期に作られた酒と推定されるが、史実かどうかは分からない。作り方は、
酒を造るときは崔氏家の庭の井戸水を使い、この水を一度沸騰させた後に冷まして使用する。とある。アルコール度数は16〜18度である。製造方法の最大の特徴は、まず原酒を造った後、これをもとに2次発酵工程を経て元の酒を熟成させることである。 そのため、製造に約100日ほどかかる。
酒の主原料は土着のもち米で、水と麹と米（もち米）で造られる純粋な穀酒で、色は明るく透明な薄黄色を帯び、穀酒特有の香りと甘味、わずかな酸味を持っている。
この「色は明るく透明な薄黄色を帯び、穀酒特有の香りと甘味、わずかな酸味」という記述から、米はもち米、麹は白麹となる。
柚子の葉を混ぜて作った全羅南道海南地方の酒。
全羅南道海南郡渓谷面徳井里一帯で造られたお酒とされている。主原料はもち米・麹・柚子の葉など。もち米でお粥を作り、麹を細かく粉にして3回に分けて加水する。一般的な薬膳酒のように湧水を入れて酒を注ぐのだが、その味と香りが非常に独特。
別の説明を見ると、18世紀前半に出来た酒のようである。
全羅南道海南郡渓谷面徳井里一帯で造られたお酒とされている。主原料はもち米・麹・柚子の葉など。もち米でお粥を作り、麹を細かく粉にして3回に分けて加水する。一般的な薬膳酒のように湧水を入れて酒を注ぐのだが、その味と香りが非常に独特。
別の説明を見ると、18世紀前半に出来た酒のようである。
【甘紅露：감홍로（gamhonglo）】064
「焼酒の一種、紅色にして甘味あり平壌に産す」とある。明らかに、『紅麹酒』の模倣酒。
『攷事十二集（18世紀後半）』『東国歳時記（1849年）』『林園經濟志（1900年前後）』『朝鮮光文會（1910年）』などの文献にその記録が残っている。
現代の作り方だと、米と粳粟（あわ）を7:3の割合で混ぜた後、麹と水を入れて15日間発酵させて一番ベースとなる酒の「ミッスル」を造る。2回蒸留して味と香りに深みを加えた後、7種類の薬材（竜眼肉、陳皮、チョウジ、ショウガ、シナモン、甘草、紫根）を約2カ月間浸出する。その後、薬材を取り除き、また1年半〜2年ほど熟成させると完成」というものである（つまり、梅酒とかと同じリキュール類：混成酒）が、これがそのまま朝鮮時代ではまずないだろう。シナモン粉と砂糖粉を入れて作るのは『桂糖酒』というが、「砂糖」自他あいが19世紀中頃の朝鮮開港後に入ってくるものなので近代酒。
当時の生産物から、「米」でなく「もち米」であり、比率も粳粟の割合がもっと高かった可能性が高い。また、麹と言っても麦麹でしょう。
現在、甘紅露が造られているところは京畿道・坡州市にある醸造所だが、朝鮮時代は平壌で作られていた酒であり、朝鮮半島の酒ではあるが「北朝鮮の酒」と言える。これのルーツは、中国の『紅麹酒』以外にも『黄酒』も混ざっていると考えられる。黄酒は山東省から華北にかけては黍（キビ・雑穀）を用いる（江蘇省・福建省の一部と東北地方では、うるち米を用いる場所がある。ただ、平壌では当時だともち米の割合が多く、また「うるち米」にしても「芒の米」と野生種の形質を残した赤などの色米が多い古代米だったので、もち米の可能性の方が高い）。高麗時代からあると言われるが、その時に中国から製法がきたのだろう。また、漢方薬については、元の『紅麹酒』では入れていないのだが、李氏朝鮮時代になり韓方（朝鮮漢方）を加えるようになったものである。
「うるち米」ではなく「もち米」なのは、中国で稲作が北上したときに選別されていった種だからでしょうね。
高句麗や、その前の燕国や衛氏朝鮮などの中国北東部文化から派生した文化、例えばオンドルや泡菜（沈菜：キムチの語源）なども北から来ているもので、緯度的に言えば日本の東北地方を同じ位置にあります。「夏でも温度が低め」であり、その環境では水田による粳米は味が悪くぱさぱさとします。そのため、そのような気温地域でも強り陸稲の糯米による穀物生産が行われたのでしょう。
『攷事十二集（18世紀後半）』『東国歳時記（1849年）』『林園經濟志（1900年前後）』『朝鮮光文會（1910年）』などの文献にその記録が残っている。
現代の作り方だと、米と粳粟（あわ）を7:3の割合で混ぜた後、麹と水を入れて15日間発酵させて一番ベースとなる酒の「ミッスル」を造る。2回蒸留して味と香りに深みを加えた後、7種類の薬材（竜眼肉、陳皮、チョウジ、ショウガ、シナモン、甘草、紫根）を約2カ月間浸出する。その後、薬材を取り除き、また1年半〜2年ほど熟成させると完成」というものである（つまり、梅酒とかと同じリキュール類：混成酒）が、これがそのまま朝鮮時代ではまずないだろう。シナモン粉と砂糖粉を入れて作るのは『桂糖酒』というが、「砂糖」自他あいが19世紀中頃の朝鮮開港後に入ってくるものなので近代酒。
当時の生産物から、「米」でなく「もち米」であり、比率も粳粟の割合がもっと高かった可能性が高い。また、麹と言っても麦麹でしょう。
現在、甘紅露が造られているところは京畿道・坡州市にある醸造所だが、朝鮮時代は平壌で作られていた酒であり、朝鮮半島の酒ではあるが「北朝鮮の酒」と言える。これのルーツは、中国の『紅麹酒』以外にも『黄酒』も混ざっていると考えられる。黄酒は山東省から華北にかけては黍（キビ・雑穀）を用いる（江蘇省・福建省の一部と東北地方では、うるち米を用いる場所がある。ただ、平壌では当時だともち米の割合が多く、また「うるち米」にしても「芒の米」と野生種の形質を残した赤などの色米が多い古代米だったので、もち米の可能性の方が高い）。高麗時代からあると言われるが、その時に中国から製法がきたのだろう。また、漢方薬については、元の『紅麹酒』では入れていないのだが、李氏朝鮮時代になり韓方（朝鮮漢方）を加えるようになったものである。
「うるち米」ではなく「もち米」なのは、中国で稲作が北上したときに選別されていった種だからでしょうね。
高句麗や、その前の燕国や衛氏朝鮮などの中国北東部文化から派生した文化、例えばオンドルや泡菜（沈菜：キムチの語源）なども北から来ているもので、緯度的に言えば日本の東北地方を同じ位置にあります。「夏でも温度が低め」であり、その環境では水田による粳米は味が悪くぱさぱさとします。そのため、そのような気温地域でも強り陸稲の糯米による穀物生産が行われたのでしょう。
漢方薬を粉末にし、もち米と麹を一緒に蒸して煮込んだ薬用酒。
『民天集說（1752年）』『林園經濟志（1900年前後）』『金斗鍾本養生書（20世紀前半）』などに記録されている。
作り方は、
『民天集說（1752年）』『林園經濟志（1900年前後）』『金斗鍾本養生書（20世紀前半）』などに記録されている。
作り方は、
牛膝8合、何首烏を粉にしたもの6合、枸杞子を砕いたもの4合、天門冬・麥門冬・生地黃・熟地黃・當歸・高麗人参各2合、肉桂)1合などをもち米2升と白麹2升と混ぜて蒸し焼きにする。この酒を飲むと白髪が黒くなり、老顔が童顔になる。と言われている。中国の薬用酒の模倣酒である。
【竹筒酒 - 죽통주（jugtongju）】086
生きた竹の節を利用して造るお酒。
『増補山林經濟（1766年）』ではその製法を
――紹興酒の造り方と何処が似ているのだろうか？
『増補山林經濟（1766年）』ではその製法を
生竹の節の間に穴を開け、その中に酒を入れ、紹興酒のように造る。とし、『朝鮮無雙新式料理製法（1924年）』では
この酒は味も香りも風情も紹興酒に似ている。青大根を太いもので節があるように切って使う。竹を切る道に穴をあけて酒を造り、それを入れて飲むと味が良く、濾して飲むこともある。と記されている。
――紹興酒の造り方と何処が似ているのだろうか？
【秋麰酒 - 추모주（chumoju）】104
秋麦と麹の粉で造った酒。
『増補山林經濟（1766年）』『林園經濟志（1900年前後）』『五洲衍文長箋散稿)（19世紀初期と思われる）』などに掲載されている。製法は、
大麦を主原料としているのも朝鮮酒としては珍しいが、半分腐らせたものを仕込むというのは少し斬新である。
「麦を発芽させて」というのは酒造りでは聞くのだが、精米してますからね。
『増補山林經濟（1766年）』『林園經濟志（1900年前後）』『五洲衍文長箋散稿)（19世紀初期と思われる）』などに掲載されている。製法は、
秋に収穫した大麦を精米し、水に浸した後、新水で研ぎ、10日間置く。半分ほど腐った大麦を蒸し器で蒸して砕いた麹の粉一握りと一緒に瓶に入れ、密封して涼しいところに置く。半月後、甕を開けると香ばしい香りが漂い、酒の味が良い。という酒である。
大麦を主原料としているのも朝鮮酒としては珍しいが、半分腐らせたものを仕込むというのは少し斬新である。
「麦を発芽させて」というのは酒造りでは聞くのだが、精米してますからね。
【蘇子酒 - 소자주（sojaju）】087
桂荏の種子を入れて醸した薬用酒。
『増補山林經濟（1766年）』『曆酒方文（19世紀中期）』『林園經濟志（1900年前後）』『郡學會騰（19世紀中期）』などに記録されている。
作り方は『曆酒方文（19世紀中期）』には、
『増補山林經濟（1766年）』『曆酒方文（19世紀中期）』『林園經濟志（1900年前後）』『郡學會騰（19世紀中期）』などに記録されている。
作り方は『曆酒方文（19世紀中期）』には、
蘇子一斗を軽く炒めて蒸して生絹の袋に入れ、清酒を入れた甕に浸し、三日後に取り出す。と記されている。
【杜鵑酒：두견주（dugyeonju）】067
製法は、
杜鵑酒は『閨閤叢書（1809年）』『酒方文（1801年か1861年）』『酒の作り方（19世紀末頃）』『酒の作り方（19世紀末頃：日本語訳だと同名だが別の本）』『是議全書（1919年）』などにも記録されている。
『閨閤叢書（1809年）』の製法は、
忠清南道唐津市綿川面の酒が有名で、『雲養集（1914年）』によると「1000年前、高麗の開国功臣が原因不明の病気にかかって綿川に休養に来た時、17歳の娘が夢の中で神仙の教えを受けて初めて作った酒だ」とあるが、それ以外の本に他にその様な記載はないので、1900年前後に創作された逸話だと思われる。
村の裏山のツツジの花びらを日陰で干し、もち米の餅に混ぜて井戸水で100日間かけて醸し出す。という酒。
杜鵑酒は『閨閤叢書（1809年）』『酒方文（1801年か1861年）』『酒の作り方（19世紀末頃）』『酒の作り方（19世紀末頃：日本語訳だと同名だが別の本）』『是議全書（1919年）』などにも記録されている。
『閨閤叢書（1809年）』の製法は、
もち米と粉麹で清酒を作り、酒が沸騰したら、ツツジの花を摘み、花びらが入らないようにきれいに整え、紬の袋に入れて1ヶ月以上そのまま浸しておくというものである。しかし、ツツジの花が属するツツジ科の植物の花びらにはアンドロメドトキシンという毒性があるため、酒を浸す際にツツジの花びらが混入しないように注意しなければならない。とある。
忠清南道唐津市綿川面の酒が有名で、『雲養集（1914年）』によると「1000年前、高麗の開国功臣が原因不明の病気にかかって綿川に休養に来た時、17歳の娘が夢の中で神仙の教えを受けて初めて作った酒だ」とあるが、それ以外の本に他にその様な記載はないので、1900年前後に創作された逸話だと思われる。
【屠蘇酒 - 도소주（dosoju）】106
お正月の朝に順番を守って飲む薬酒。
朝鮮では『椒柏酒』を大晦日に飲むが、歳の始まりの正月に飲むのが『屠蘇酒』になる。
椒柏酒と一緒に歲酒として使われ、正月にこの酒を飲むと病魔や邪気を払い、長寿になると信じられていた。この酒は中国に由来するもので、一般的には中国の後漢の時代に華佗が造ったとされている。屠蘇酒に関する名称の初出は581年に孫思邈（唐代の医者）が記した『備急千金要方』である。中国唐代の楊貴妃時代の『荊楚歲時記』に記録が見られることから、当時、中国ではすでに屠蘇酒の風習があったと判る。
だいたい桔梗・肉桂・防風・山椒・白朮などを入れて作ったもので、この薬草を酒に漬けて作ったのが『屠蘇酒』である。
韓国でもかなり早くから上流階級に伝わった、かもしれない。高麗時代はよく飲んだが、朝鮮時代にはあまり飲まなくなったという、というが記録にない。
ただ、『椒柏酒』と『屠蘇酒』を見ると、高麗時代からというのは記録には無いが、朝鮮中期から後期に掛けては風習としてあり飲んでいたようだが……？
『洌陽歲時記（1819年）』の正月節句に、金昌協の詩を引用して「高官の家では三日間、客の名刺を受け取るが、青い杯の屠蘇酒が少年の興を盛り上げる」とある。
また『四民月令』に『盃を上げる順番は子供から始まる』とあるようだが、こちらは中国の書籍なので朝鮮とは関係がないが「年少者から先に盃を受け取って飲むという意味である」と、屠蘇酒の飲み方を述べている。
この風習は現在の中国でもほとんどなくなり、韓国では老人層や食者層でたまに見ることができる（日本統治時代も禁止されていない証拠）ぐらいだが、日本には平安時代初期の嵯峨天皇の時代（弘仁年間）に中国から伝わっており、今も風習として残っている。
朝鮮では『椒柏酒』を大晦日に飲むが、歳の始まりの正月に飲むのが『屠蘇酒』になる。
椒柏酒と一緒に歲酒として使われ、正月にこの酒を飲むと病魔や邪気を払い、長寿になると信じられていた。この酒は中国に由来するもので、一般的には中国の後漢の時代に華佗が造ったとされている。屠蘇酒に関する名称の初出は581年に孫思邈（唐代の医者）が記した『備急千金要方』である。中国唐代の楊貴妃時代の『荊楚歲時記』に記録が見られることから、当時、中国ではすでに屠蘇酒の風習があったと判る。
だいたい桔梗・肉桂・防風・山椒・白朮などを入れて作ったもので、この薬草を酒に漬けて作ったのが『屠蘇酒』である。
韓国でもかなり早くから上流階級に伝わった、かもしれない。高麗時代はよく飲んだが、朝鮮時代にはあまり飲まなくなったという、というが記録にない。
ただ、『椒柏酒』と『屠蘇酒』を見ると、高麗時代からというのは記録には無いが、朝鮮中期から後期に掛けては風習としてあり飲んでいたようだが……？
『洌陽歲時記（1819年）』の正月節句に、金昌協の詩を引用して「高官の家では三日間、客の名刺を受け取るが、青い杯の屠蘇酒が少年の興を盛り上げる」とある。
また『四民月令』に『盃を上げる順番は子供から始まる』とあるようだが、こちらは中国の書籍なので朝鮮とは関係がないが「年少者から先に盃を受け取って飲むという意味である」と、屠蘇酒の飲み方を述べている。
この風習は現在の中国でもほとんどなくなり、韓国では老人層や食者層でたまに見ることができる（日本統治時代も禁止されていない証拠）ぐらいだが、日本には平安時代初期の嵯峨天皇の時代（弘仁年間）に中国から伝わっており、今も風習として残っている。
【百日酒 - 백일주（baeg-ilju）】068
由来や発祥の地は正確にはわからないが、『閨壼要覽（19世紀初頭から中期）』と『酒政（19世紀末）』にその製法が記されている。
「高麗大典」とも書いてあるが、別に高麗時代には関係がない。
『閨壼要覽（19世紀初頭から中期）』の百日酒の作り方は、
金浦特産の酒として知られているが、こちらの製造方法は、
一方、良い薬酒を造った戦術を100日間大門の間に埋めておき、100日目に掘り出して飲むこともあるが、これも百日酒と呼ばれる。
まぁ、つまり三次仕込みまでする、麦麹を使ったもち米焼酎。
『酒政（19世紀末）』は中国の酒作りを中国史料から抜粋して纏めたもので、中国の酒造りが伝達してきたものだと判る。
ただ、金浦の『百日酒』は作り方が他とは違い、もち米を粉にしてから蒸して餅にするという事をしておらず、日本の焼酎の作り方に近いので、当時に日本から朝鮮に作り方が伝わり、その手法を混ぜて作った酒だと思われる。
「高麗大典」とも書いてあるが、別に高麗時代には関係がない。
『閨壼要覽（19世紀初頭から中期）』の百日酒の作り方は、
正月初めの亥の日にもち米3升を細かく精米し、きれいに洗って粉にし、水一瓶に麹粉と小麦粉を各3升ずつ混ぜて甕に入れて床に置き、2月初旬に白米（もち米）4升を粉にして蒸して冷やした後、水15升と一緒に甕に入れ、4月になったら飲むという。とある。
金浦特産の酒として知られているが、こちらの製造方法は、
旧暦1月の初めに小麦粉4升、小麦麹4升、もち米4升、水1升で酒母を作り、土の中の甕に入れておき、旧暦2月の初めにもち米1升、麹2升、水1升、5升を加え、再び3月の初めにもち米4升、5升、水2升を加え、初めて仕込んでから100日目に約6升の薬酒を手に入いる。とある。
一方、良い薬酒を造った戦術を100日間大門の間に埋めておき、100日目に掘り出して飲むこともあるが、これも百日酒と呼ばれる。
まぁ、つまり三次仕込みまでする、麦麹を使ったもち米焼酎。
『酒政（19世紀末）』は中国の酒作りを中国史料から抜粋して纏めたもので、中国の酒造りが伝達してきたものだと判る。
ただ、金浦の『百日酒』は作り方が他とは違い、もち米を粉にしてから蒸して餅にするという事をしておらず、日本の焼酎の作り方に近いので、当時に日本から朝鮮に作り方が伝わり、その手法を混ぜて作った酒だと思われる。
薬用植物である黄精を入れ、薬効を狙った酒。
『農政會要（1830年）』『林園經濟志（1900年前後）』『金斗鍾本養生書（20世紀前半）』などに記録されている。
作り方は、
だが、砂糖が朝鮮半島にやってくるのは主に朝鮮開港の19世紀半ば以降であり、それまで僅かな量の砂糖が日本との交易で入手出来ていただけの大変に貴重な甘味。民間に使えるものではないので、近年に作られた（というか、近年でないと作る事が出来ない）酒である。特に済州島は三国時代で新羅が百済遺民を押し込めたまま、その後、近年になり日本が教えるまで朝鮮も忘れていた島で極貧生活をしていた場所なので、当時の済州島は砂糖を使うような酒が造られる場所ではない。
そうすると、「『農政會要（1830年）』『林園經濟志（1900年前後）』に記録がある」というのも、元本にその記載が本当にあったのか、更にはその本の内容を改竄していないかが疑われる。
『農政會要（1830年）』とあるのでこの項に記載しているが、ここでいいのか怪しい酒である。
『農政會要（1830年）』『林園經濟志（1900年前後）』『金斗鍾本養生書（20世紀前半）』などに記録されている。
作り方は、
黄精を細かく刻んで瓶に入れ、砂糖と酒を注ぎ、約1ヶ月間置いてから飲む。酒を抜いて新たな酒を注ぎ直して飲むこともできる。という酒で、滋養強壮・病後回復によく、五臓の機能を促進して老化を防ぎ、咳や解熱にも効果があると言われている。済州島では民間療法として利用されている。これに香りのあるお酒や酸味・甘みのあるお酒を少し混ぜて飲むのも良い。
だが、砂糖が朝鮮半島にやってくるのは主に朝鮮開港の19世紀半ば以降であり、それまで僅かな量の砂糖が日本との交易で入手出来ていただけの大変に貴重な甘味。民間に使えるものではないので、近年に作られた（というか、近年でないと作る事が出来ない）酒である。特に済州島は三国時代で新羅が百済遺民を押し込めたまま、その後、近年になり日本が教えるまで朝鮮も忘れていた島で極貧生活をしていた場所なので、当時の済州島は砂糖を使うような酒が造られる場所ではない。
そうすると、「『農政會要（1830年）』『林園經濟志（1900年前後）』に記録がある」というのも、元本にその記載が本当にあったのか、更にはその本の内容を改竄していないかが疑われる。
『農政會要（1830年）』とあるのでこの項に記載しているが、ここでいいのか怪しい酒である。
【惜呑酒 - 석탄주（seogtanju）】070
米で酒母を作ったものにさらに米を加えて再度仕込んだお酒。
説明では「うるち米」としているが、本にその記載はなく「白米」「もち米」とあるだけである。
味が甘く香ばしく、口に含んで飲み干すのが惜しいことから付けられた名前で、「惜呑香」とも呼ばれる。
『陽酒方（1837年)』『酒賓館（1801年か1861年）』『飮食訪文（1891年）』『林園經濟志（1900年前後）』などに記録されている。
製法を見ると、『林園經濟志（1900年前後）』では、
また、『飮食訪文（1891年）』には、
「甘く香ばしい」というので、使っている米がもち米、使っているのが麦麹ですね。
説明では「うるち米」としているが、本にその記載はなく「白米」「もち米」とあるだけである。
味が甘く香ばしく、口に含んで飲み干すのが惜しいことから付けられた名前で、「惜呑香」とも呼ばれる。
『陽酒方（1837年)』『酒賓館（1801年か1861年）』『飮食訪文（1891年）』『林園經濟志（1900年前後）』などに記録されている。
製法を見ると、『林園經濟志（1900年前後）』では、
白米（もち米）二斗を細かく粉にして水一斗と混ぜて粥を作り、これに麹粉一斗を混ぜて冬は7日間、夏は3日間熟成させた後、もち米一斗を蒸して酒を仕込んでおくと、7日間で苦味が消え、甘みのある酒になる。と記されている。
また、『飮食訪文（1891年）』には、
白米（もち米）二斗で餅を作り、粉麹一斗と混ぜて、冬は7日、秋と春は5日、夏は3日間煮込んだ後、もち米一斗をきれいに洗って煮詰めて満たし、沸騰した水一斗と麹を混ぜて作ったものを7日後に使う。と書かれている。
「甘く香ばしい」というので、使っている米がもち米、使っているのが麦麹ですね。
【四節酒 - 사절주（sajeolju）】071
米で造った酒に、さらに蒸した米や雑穀・小麦などを加えと加水して造る酒。説明では「うるち米」となっているが、元の本には別にうるち米とは書いておらず、「米」とだけある。
清酒と濁酒が同時に得られるが、清酒が少なく濁酒が多いため濁酒群に属する。『集成香（집성향）』とも呼ばれる。
『陽酒方（1837年)』『飮食訪文（1891年）』『酒の作り方（19世紀末）』『林園經濟志（1900年前後）』などに製法が記されている、近代の酒。
『陽酒方（1837年)』には、
『林園經濟志（1900年前後）』には、
『酒の作り方（19世紀末）』には、
清酒と濁酒が同時に得られるが、清酒が少なく濁酒が多いため濁酒群に属する。『集成香（집성향）』とも呼ばれる。
『陽酒方（1837年)』『飮食訪文（1891年）』『酒の作り方（19世紀末）』『林園經濟志（1900年前後）』などに製法が記されている、近代の酒。
『陽酒方（1837年)』には、
米1升をきれいに洗って浸し、すりつぶし、水4升を注ぎ、粥を煮て冷めたら、麹の粉2升を均等に混ぜる。3日後、白く蒸した雑穀米4升をきれいに洗って、ふっくらと蒸し、沸騰した水6升を均等に混ぜて入れ、冷めたら麹粉4升を底酒に入れ、10日後、良い酒5斗が出来上がる。とある。
『林園經濟志（1900年前後）』には、
米1升を細かく粉にして蒸し、麹粉2升5合、小麦粉5合、沸騰した水3瓶を混ぜて、春と秋には4、5日、夏には3、4日経てば、米2升を蒸して加水して造ると、7日以内に熟し、清酒3瓶、濁酒1斗ができ、この時の濁酒の味は梨花酒と同じである。と記されている。
『酒の作り方（19世紀末）』には、
米1升をきれいに洗って粉にし、水5升に浸し、麹3升を混ぜる。炊き上がったら白米（もち米）3升を洗って、また洗って熱い水5升に粥を浸しておき、また麹をふるいにかけて一緒に入れ、炊き上がったら米3升を洗ってまんべんなく混ぜてしっかりと包んで、炊き上がったら使う。とある。
【魯山春 - 노산춘（nosanchun）】072
主に春に飲む酒で、『東国歳時記（1849年）』に3月の銘酒として紹介されている。
作り方は『閨壼要覽（19世紀初頭から中期））』にあり、
珍しく「うるち米」を使っているのが明確に判る酒である。ただ、それでも、うるち米1に対して、もち米が3、麦麹が3となり、もち米が主体な酒である。出てくる時代も19世紀からであり、日本の酒造りが影響を与えた可能性は高い。
当時の朝鮮のうるち米の多くは有芒種であり色米が多い。ただ、「倭」の名が付いた米が南部にはあり、これは日本の稲がなんらかでやって来て栽培された稲とみられるので、それを用いたのかもしれない。
作り方は『閨壼要覽（19世紀初頭から中期））』にあり、
うるち米1升をきれいに洗って蒸らし、もち米1升をきれいに洗って粉にし、沸騰したお湯3升でお粥を茹で、麹粉1升を加えて混ぜて甕に入れ、密封する。3日後、洗っておいたもち米2升を蒸して、洗っておいたもち米を粉にして沸騰したお湯6升でお粥を作り、冷めたら麹粉2升を混ぜて前と同じように封をする。7日後に取り出すと、酒の味と色が独特だという。とある。特に忠清道地方の郷土酒として知られている。
珍しく「うるち米」を使っているのが明確に判る酒である。ただ、それでも、うるち米1に対して、もち米が3、麦麹が3となり、もち米が主体な酒である。出てくる時代も19世紀からであり、日本の酒造りが影響を与えた可能性は高い。
当時の朝鮮のうるち米の多くは有芒種であり色米が多い。ただ、「倭」の名が付いた米が南部にはあり、これは日本の稲がなんらかでやって来て栽培された稲とみられるので、それを用いたのかもしれない。
【秋葡酒 - 추포주（chupoju）】118
『秋葡酒』は『酒饌（19世紀中頃）』にのみ見られる酒名。
作り方は、麹米1升に対して10%の良質な麹粉と小麦粉5%、150%の沸騰水で造る下酒と麹米2升に対して150%の沸騰水で造る上酒で、沸騰したお湯で炊いた蒸した米を上澄み酒として発酵させるもの。
19世紀前半で流行った作り方であり、米を粒のまま使うと日本式の酒造りの影響が見える。
現代の『秋葡酒』を見るとうるち米で作っているが、当時の他の酒を見れば、当然ながらもち米で作られていた酒だろう。
作り方は、麹米1升に対して10%の良質な麹粉と小麦粉5%、150%の沸騰水で造る下酒と麹米2升に対して150%の沸騰水で造る上酒で、沸騰したお湯で炊いた蒸した米を上澄み酒として発酵させるもの。
19世紀前半で流行った作り方であり、米を粒のまま使うと日本式の酒造りの影響が見える。
現代の『秋葡酒』を見るとうるち米で作っているが、当時の他の酒を見れば、当然ながらもち米で作られていた酒だろう。
『酒饌（1800年代）』に出てくる酒。この書物にしか名前が出てこないし、これといった説明がない。
どのような目的でこのような酒の名前を付けるようになったのかについても明らかにされていない。
『松桂春』という酒名を字源をそのまま解釈すると、「松の葉とシナモンまたはカシア桂の葉を副原料として入れた春酒」という意味になるが、この訪問にはその副原料が明記されていない。
説明には「特徴をそのまま生かすことができる方法を講じてこそ、松桂春という酒の名前に込められた意味を見つけることができるということである。」など長々と分析が書かれているが、所感としては「酒好きな筆者が、既存にある酒を買って飲むだけでは満足できなくなり、既存の酒のレシピ通りに作ってみてその特徴に独自の名前を付けたり、上酒と下酒を別々の酒造り方法からとってきて混ぜて作ってみたりした」というものではないかと思う。数が多いので、複数人の「酒好き仲間」達が自分たちで試し、それぞれに飲み比べをしたとかな気がする。
そうでなくては、『酒饌（1800年代）』にしかない名前があったり、その酒が地域で飲まれていたという記録が他にないのは疑問に思う。
ちょうど、説明のサイトでもしているように、色々試してみて美味しかったものに名前を付けて残したものではないかと思う。
というか、日本酒であれば米と麹と水だけで香りや味わいにスモーキーやフルーティーなどが普通に色々ありますが、朝鮮酒は漢方薬や花などで匂い付けしない米と麹と水だけで作ったらそんなに特徴的な匂いがする酒が珍しいのだろうか？
朝鮮時代の酒は年を追うごとに麹を過剰に使って造る事が多くなり、麹臭さ＝酒の香りとなっていたので、余りに麹臭いので麹を漉すなどをする酒が出てきている。
どのような目的でこのような酒の名前を付けるようになったのかについても明らかにされていない。
『松桂春』という酒名を字源をそのまま解釈すると、「松の葉とシナモンまたはカシア桂の葉を副原料として入れた春酒」という意味になるが、この訪問にはその副原料が明記されていない。
説明には「特徴をそのまま生かすことができる方法を講じてこそ、松桂春という酒の名前に込められた意味を見つけることができるということである。」など長々と分析が書かれているが、所感としては「酒好きな筆者が、既存にある酒を買って飲むだけでは満足できなくなり、既存の酒のレシピ通りに作ってみてその特徴に独自の名前を付けたり、上酒と下酒を別々の酒造り方法からとってきて混ぜて作ってみたりした」というものではないかと思う。数が多いので、複数人の「酒好き仲間」達が自分たちで試し、それぞれに飲み比べをしたとかな気がする。
そうでなくては、『酒饌（1800年代）』にしかない名前があったり、その酒が地域で飲まれていたという記録が他にないのは疑問に思う。
ちょうど、説明のサイトでもしているように、色々試してみて美味しかったものに名前を付けて残したものではないかと思う。
というか、日本酒であれば米と麹と水だけで香りや味わいにスモーキーやフルーティーなどが普通に色々ありますが、朝鮮酒は漢方薬や花などで匂い付けしない米と麹と水だけで作ったらそんなに特徴的な匂いがする酒が珍しいのだろうか？
朝鮮時代の酒は年を追うごとに麹を過剰に使って造る事が多くなり、麹臭さ＝酒の香りとなっていたので、余りに麹臭いので麹を漉すなどをする酒が出てきている。
【銀花春 - 은화춘（）】120
『酒饌（1800年代）』『林園經濟志（1900年前後）』『朝鮮無雙新式料理製法（1924年）』に載っている酒。
『林園經濟志（1900年前後）』では
「燦」とは「精米」の事で、「白燦」は「白い精米」となります。ところが、当時のうるち米は赤米が多く、精米をしても白くなりません（現代の精米技術で糠を全て除ければ白っぽくなりますが、当時の技術では難しいです。日本では江戸時代やその前の室町時代から、足踏での精米や水車を使うなどをしていましたが、朝鮮ではもっと原始的な精米しかしていませんでしたので「白い精米」には、まずなりません。なるのは「もち米」ですね。
『朝鮮無雙新式料理製法（1924年）』では
『酒饌（1800年代）』にも名前はあるので、19世紀からある酒のようである。
作り方を比較するとどうも元は『四時酒：酒方文（17世紀）』で、『酒饌（1800年代）』の作り方は『四時酒』の作り方のアレンジ酒であり、それに『瓊液春』という名前を付けた、というものではないでしょうか。そしてそれがそのまま『林園經濟志（1900年前後）』『朝鮮無雙新式料理製法（1924年）』で使われている、という感じに見受けられます。
ただ、現代韓国の復元酒造を見ると、材料も作り方も少し間違えている。
いや、それって別に復元してないよね？
『林園經濟志（1900年前後）』では
白燦5升を3日間水に浸した後、沸騰した水7升で煮て粥にし冷やした後、麹粉7升と小麦粉3升を混ぜて甕に詰めて安置する。とあるようです。
「燦」とは「精米」の事で、「白燦」は「白い精米」となります。ところが、当時のうるち米は赤米が多く、精米をしても白くなりません（現代の精米技術で糠を全て除ければ白っぽくなりますが、当時の技術では難しいです。日本では江戸時代やその前の室町時代から、足踏での精米や水車を使うなどをしていましたが、朝鮮ではもっと原始的な精米しかしていませんでしたので「白い精米」には、まずなりません。なるのは「もち米」ですね。
『朝鮮無雙新式料理製法（1924年）』では
白米5斗を水に浸した後、3日後に洗米し、よく蒸して沸騰した水7斗を注ぎ、冷めたら、麹粉7斗と小麦粉3斗を混ぜて、すべて混ぜて甕に入れ、熟すのを待って...とあり、量が10倍になっているだけで、作り方は同じである。
『酒饌（1800年代）』にも名前はあるので、19世紀からある酒のようである。
作り方を比較するとどうも元は『四時酒：酒方文（17世紀）』で、『酒饌（1800年代）』の作り方は『四時酒』の作り方のアレンジ酒であり、それに『瓊液春』という名前を付けた、というものではないでしょうか。そしてそれがそのまま『林園經濟志（1900年前後）』『朝鮮無雙新式料理製法（1924年）』で使われている、という感じに見受けられます。
ただ、現代韓国の復元酒造を見ると、材料も作り方も少し間違えている。
いや、それって別に復元してないよね？
『酒饌（1800年代）』に出てくる酒。この書物にしか名前が出てこないし、これといった説明がない。
ただ、酒名をそのまま解釈すると、おそらく産地や特定の地域の名前を借りたのではないかと思われる。実際、「壺山春」「麗山春」「韓山春」はいずれも地域の名称を冠した訪問だが、京畿道地方に「光陵」があることから推測されるだけで、光陵地域で春酒を造ったとか、この地域でどんな酒が有名だったという噂も聞いたことがない。
説明には「『廣陵春』の酒造りを見ると、『酒饌（1800年代）』に収録されている他のいくつかの訪問と比較して少し異なる点がある。」など長々と分析が書かれているが、所感としては「酒好きな筆者が、既存にある酒を買って飲むだけでは満足できなくなり、既存の酒のレシピ通りに作ってみてその特徴に独自の名前を付けたり、上酒と下酒を別々の酒造り方法からとってきて混ぜて作ってみたりした」というものではないかと思う。数が多いので、複数人の「酒好き仲間」達が自分たちで試し、それぞれに飲み比べをしたとかな気がする。
そうでなくては、『酒饌（1800年代）』にしかない名前があったり、その酒が地域で飲まれていたという記録が他にないのは疑問に思う。
というか、日本酒であれば米と麹と水だけで香りや味わいにスモーキーやフルーティーなどが普通に色々ありますが、朝鮮酒は漢方薬や花などで匂い付けしないと、特徴的な匂いがする酒が珍しいのだろうか？――と思って調べたら、麹を過剰に使い麹臭い酒が多いそうです。
ただ、酒名をそのまま解釈すると、おそらく産地や特定の地域の名前を借りたのではないかと思われる。実際、「壺山春」「麗山春」「韓山春」はいずれも地域の名称を冠した訪問だが、京畿道地方に「光陵」があることから推測されるだけで、光陵地域で春酒を造ったとか、この地域でどんな酒が有名だったという噂も聞いたことがない。
説明には「『廣陵春』の酒造りを見ると、『酒饌（1800年代）』に収録されている他のいくつかの訪問と比較して少し異なる点がある。」など長々と分析が書かれているが、所感としては「酒好きな筆者が、既存にある酒を買って飲むだけでは満足できなくなり、既存の酒のレシピ通りに作ってみてその特徴に独自の名前を付けたり、上酒と下酒を別々の酒造り方法からとってきて混ぜて作ってみたりした」というものではないかと思う。数が多いので、複数人の「酒好き仲間」達が自分たちで試し、それぞれに飲み比べをしたとかな気がする。
そうでなくては、『酒饌（1800年代）』にしかない名前があったり、その酒が地域で飲まれていたという記録が他にないのは疑問に思う。
というか、日本酒であれば米と麹と水だけで香りや味わいにスモーキーやフルーティーなどが普通に色々ありますが、朝鮮酒は漢方薬や花などで匂い付けしないと、特徴的な匂いがする酒が珍しいのだろうか？――と思って調べたら、麹を過剰に使い麹臭い酒が多いそうです。
松の節を混ぜて作った忠清北道報恩地方の伝統酒、らしい。1994年に忠清北道無形文化財(現・無形遺産)に指定されている。
米と麹で三亥酒を作り、松の穂軸を刈り取り、清酒を仕込み、焼酎を注ぐと松露酒になる。
また、続きには
報恩松露酒の作り方は次の通りである。
これは、かなり「朝鮮の独自っぽい酒」ではないだろうか？
米と麹で三亥酒を作り、松の穂軸を刈り取り、清酒を仕込み、焼酎を注ぐと松露酒になる。
松露酒は朝鮮時代から醸造され、近年は技能保持者の家系に3代にわたって受け継がれている。松の節を利用して酒を造ることは早くから開発され、『東醫寶鑑（1610年）』『攷事十二集（18世紀後半）』『林園經濟志（1900年前後）』『閨閤叢書（1809年）』などの文献に見られる。いずれも清酒の製法である。――と説明があるが、酒造方法から見るとこれらの書物で示している酒は『松節酒：東醫寶鑑（1610年）』の事であり『報恩 松露酒』ではない。
また、続きには
製造法は、技能保持者の外祖母である鄭今二が著した1880年の『飲食法』という本と、16世紀頃に著されたと推定される写本に唯一記載されている。とあり、『報恩 松露酒』は19世紀後半に出来ている近代酒であって、伝統酒とは違う。
報恩松露酒の作り方は次の通りである。
全粒小麦を粉にしたものに石臼で挽いた緑豆と水を混ぜて麹を作る。杉の葉とトコマリの葉（日本で言う「ひっつき虫」）で包み、日陰の場所で40〜50日間寝かせると麹が完成する。この麹を使って三亥酒を作る。100日間埋めておいた後、清酒を取り出し、残った酒粕で松露酒の酒母を作る。米で地麹を作り、刈り取った松の節を20:1の割合で混ぜて、地麹に混ぜて酒を造る。夏なら1週間、冬なら10日〜15日で酒が出来上がる。これをふるいにかけ、酒粕を捨てた後、酒甕に入れ、蒸留して作る。
これは、かなり「朝鮮の独自っぽい酒」ではないだろうか？
忠清南道唐津市綿川地方の郷土酒。
ソウルの門排酒、慶尚北道の慶州喬桐法酒とともに1986年に重要無形文化財(現、国家無形遺産)郷土酒浸漬の一つとして指定された。機能保持者である朴昇逵は曾祖母から4代にわたって受け継いでいる。――『祖祖母から4代』ということは、75〜100年ほどということ。という事は、日本統治時代にも作られていた酒という事である。つまり、日本統治時代では申請と登録さえすれば、個人が作る事自体は禁止されていなかったという事である。
ただ、この酒も韓国時代、1950〜65年から1980年ぐらいの間は、韓国政府が酒に米を使う事を禁止したため、作っていないはずである。
杜鵑酒自体が『閨閤叢書（1809年）』から出てきているので、19世紀になってからの酒であり、時代的にも合う。
ソウルの門排酒、慶尚北道の慶州喬桐法酒とともに1986年に重要無形文化財(現、国家無形遺産)郷土酒浸漬の一つとして指定された。機能保持者である朴昇逵は曾祖母から4代にわたって受け継いでいる。――『祖祖母から4代』ということは、75〜100年ほどということ。という事は、日本統治時代にも作られていた酒という事である。つまり、日本統治時代では申請と登録さえすれば、個人が作る事自体は禁止されていなかったという事である。
ただ、この酒も韓国時代、1950〜65年から1980年ぐらいの間は、韓国政府が酒に米を使う事を禁止したため、作っていないはずである。
杜鵑酒自体が『閨閤叢書（1809年）』から出てきているので、19世紀になってからの酒であり、時代的にも合う。
蓮の葉を混ぜて造られた忠清南道牙山地方の酒。
1990年に忠清南道無形文化財(現・無形遺産)に指定された。牙山市松岳面外岩里で朝鮮時代から代々受け継いできた酒だそうだ。現宗孫である李得善の5代目である原集が書いた『治農』という冊子に蓮葉酒の製造方法が記録されているらしいが、5代前ということは100年を超えたぐらい、つまり朝鮮末期〜大韓帝国の時代の頃からの酒となる。宗婦の間で製造技術が伝承され、接待や祭酒に使われたという。蓮の葉の香りがよく、色もきれいで、薬用酒としても効果がある。アルコール度数は14〜19°。
ただ、材料から見て韓国が1965年から行った政策で米を使った酒造りの禁止があったので一度途切れていて、これも復刻した新しい酒で現代風にアレンジした酒でしかない。
作り方は、
また、珍しく「うるち米（というよりは芒の米）」と明記があるが、元からそうなのかまでは不明（『蓮葉酒』では「もち米」と明記されている）。
1990年に忠清南道無形文化財(現・無形遺産)に指定された。牙山市松岳面外岩里で朝鮮時代から代々受け継いできた酒だそうだ。現宗孫である李得善の5代目である原集が書いた『治農』という冊子に蓮葉酒の製造方法が記録されているらしいが、5代前ということは100年を超えたぐらい、つまり朝鮮末期〜大韓帝国の時代の頃からの酒となる。宗婦の間で製造技術が伝承され、接待や祭酒に使われたという。蓮の葉の香りがよく、色もきれいで、薬用酒としても効果がある。アルコール度数は14〜19°。
ただ、材料から見て韓国が1965年から行った政策で米を使った酒造りの禁止があったので一度途切れていて、これも復刻した新しい酒で現代風にアレンジした酒でしかない。
作り方は、
うるち米7.2�圓�もち米1.8�圓鮑�ぜて酒米を作り、冷ましてから麹4.5�圓鮑�ぜる。酒壺を火で乾燥させた後、蓮の葉500gを入れ、混ぜた酒米を入れ、きれいな地下水18ℓを注ぐ。酒を漬けてから30日後に湧水を入れて酒を浮かべる。と作り方があるが、基本的な作り方は『閨閤叢書（1809年）』の『蓮葉酒』に似ている。
また、珍しく「うるち米（というよりは芒の米）」と明記があるが、元からそうなのかまでは不明（『蓮葉酒』では「もち米」と明記されている）。
忠清南道清陽地域でクコの実などで作るお酒。
清陽クコ酒は2000年9月20日、忠清南道無形文化財に指定された。清陽の河東鄭氏宗家が150年余りの間、伝承の秘法で造られてきた酒――とあるので、朝鮮時代末期の酒となる。
米とクコの実を主原料とし、これにクコの根と葉・茎、杜仲、黄菊、甘草などを加える。加香酒でありながら薬用薬材ともいえる伝統酒である――とあるが、「150年ちょっと」なので18世紀の中期前後からであり歴史がそれほどある訳でもなく、また、このお酒は中国のクコ酒そのものである（これを「朝鮮の伝統酒」とするなら、日本のウィスキーも「日本の伝統酒」と言ってもよくなる）。
説明で以下があるが、これは『�慷� 枸杞子酒』の元になる『杞子酒』の説明であって、『�慷� 枸杞子酒』とは少し異なる。
『�慷� 枸杞子酒』は造る際に、下漬けと上漬けの工程を経る二升酒である。
清陽クコ酒は2000年9月20日、忠清南道無形文化財に指定された。清陽の河東鄭氏宗家が150年余りの間、伝承の秘法で造られてきた酒――とあるので、朝鮮時代末期の酒となる。
米とクコの実を主原料とし、これにクコの根と葉・茎、杜仲、黄菊、甘草などを加える。加香酒でありながら薬用薬材ともいえる伝統酒である――とあるが、「150年ちょっと」なので18世紀の中期前後からであり歴史がそれほどある訳でもなく、また、このお酒は中国のクコ酒そのものである（これを「朝鮮の伝統酒」とするなら、日本のウィスキーも「日本の伝統酒」と言ってもよくなる）。
説明で以下があるが、これは『�慷� 枸杞子酒』の元になる『杞子酒』の説明であって、『�慷� 枸杞子酒』とは少し異なる。
クコ酒は『山林經濟（18世紀初期頃）』『増補山林經濟（1766年）』『閨閤叢書（1809年）』『陽酒方（1837年)』『林園經濟志（1900年前後）』などに記録されている。とあるが、これらはその多くは中国酒のクコ酒、あるいはその『杞子酒（中国の酒の模倣酒）』について記載されているといえる。
『�慷� 枸杞子酒』は造る際に、下漬けと上漬けの工程を経る二升酒である。
春に仕込んでおいた小麦で作った麹を使用し、まず下層酒を浸して使用する。この時、麹は米と麹で造るが、米（作り方に記載しているが、やはりもち米）が6�圓覆藕蹐�2�圓蚤い襦Ｊ討鮑戮�く挽き、蒸したり炊いておく。これに粉にした麹を混ぜて下麹を入れる。秋には4日ほど発酵させる。クコ酒に入る材料は、クコの葉と実、根をすべて使うが、あらかじめよく摘んで乾燥させておく。その他には、黄菊と甘草、そして杜仲の皮を一緒に使う。これらの材料を水に入れて10時間ほど煮て、その水が十分に出たら溶出液として使用する。とある。『杞子酒』との違いを見ると、入れる漢方薬や小麦を使うところのようである。それ故に、『�慷� 枸杞子酒』は伝統酒ではなく、近代に作られたアレンジ酒と言った方がいい。
底酒を入れ、クコの実の主材料を準備し、もち米を炊き、ここに麹粉を混ぜる。そして、先に作った溶出液を入れ、上澄みを浸す。これを準備した下酒に入れる。これを酒樽に注ぎ、20日ほど熟成させる。
もち米を使用して百日かけて醸した忠清南道公州地方の酒、伝統酒とされている。
1989年に忠清南道無形文化財(現、無形遺産)に指定されている。
逸話としては「朝鮮仁祖時代（つまり1623年4月12日〜1649年6月17日）の一等功臣である李貴の夫人である麟東長が王室から百日酒の製造法を学び、この家系で製造し、代々受け継がれてきたお酒」と言われている。が、色々と疑問があり、たぶん創作捏造された嘘の逸話。
作り方は、
米を粉にして餅や粥にしていない所も、日本的手法が垣間見える。
濾紙でろ過するため、色が透明で粘りがあり、クワ・黄菊などによる独特の香りと色合いを持つのが特徴である。アルコール度数は17°〜18°である。機能保持者は池福男である。
1989年に忠清南道無形文化財(現、無形遺産)に指定されている。
逸話としては「朝鮮仁祖時代（つまり1623年4月12日〜1649年6月17日）の一等功臣である李貴の夫人である麟東長が王室から百日酒の製造法を学び、この家系で製造し、代々受け継がれてきたお酒」と言われている。が、色々と疑問があり、たぶん創作捏造された嘘の逸話。
作り方は、
甕を地中に深く埋め、もち米を蒸した酒米に松葉・杜仲・黄菊・ツツジの花を入れ、酒を浸し、百日後に開封する。この時、ツツジの花とクワ、黃菊はよく乾燥させたものを薄い布で包んで毒に浸しておくそうです。酒をろ過する際に、窓拭き紙を使用するのが特徴だ。とある。この作り方、同じ忠清南道の清陽地域の『�慷� 枸杞子酒』に大変に似ており、クコの根と葉・茎の代わりに松葉を、甘草の代わりにツツジを入れたものである。ちなみに、クコも甘草も生産地は中国の寧夏回族自治区であり、それが朝鮮国内で賄える材料に変えた物に見える。たぶん、『枸杞酒』のアレンジ酒である『【�慷� 枸杞子酒（19世紀中期ぐらいから）』よりもさらに新しい酒で、『百日酒：閨壼要覽（19世紀初頭から中期）』の「地面に埋める」という手法も取り入れて、19世紀末から20世紀に入ってから創作された酒だと思われる。
米を粉にして餅や粥にしていない所も、日本的手法が垣間見える。
濾紙でろ過するため、色が透明で粘りがあり、クワ・黄菊などによる独特の香りと色合いを持つのが特徴である。アルコール度数は17°〜18°である。機能保持者は池福男である。
中国は宗の時代11世紀の東坡蘇軾が詩に『洞庭春』と書いているが、無関係。中国湖北省に左遷された人物なので朝鮮とは関係がない（というより、当時の宗の首都からすると朝鮮から離れる方向への左遷である）。
単に中国の有名な詩の名前を付けた酒であろう。
『林園經濟志（1900年前後）』『朝鮮無雙新式料理製法（1924年）』に記載があり、酒造方法は、
URL先の説明では色々書いてあるが、それは様々に試してみて作者が自分の感想を言っているだけなので、作り方が合っているかは不明。手順で勝手に穴餅を覚ますのにほぐしているが、それは手順にないのでは？
また、「伝統酒を作っている醸造所」として『山水醸造所』があるのだが、この醸造所自体が近年に作られた醸造所であり、歴史も伝統も無い。
単に中国の有名な詩の名前を付けた酒であろう。
『林園經濟志（1900年前後）』『朝鮮無雙新式料理製法（1924年）』に記載があり、酒造方法は、
白米1俵を小分けして孔餠3個を作り、1杯の水で蒸した後、冷めたら麹粉1俵と混ぜて麹を作り、4日間発酵させる。再びもち米1俵を固く炊いて冷やし、先に作った麹と混ぜて甕に入れ、発行したら窯に入れ、冷水と鉄の器を用意する。と書かれている。
URL先の説明では色々書いてあるが、それは様々に試してみて作者が自分の感想を言っているだけなので、作り方が合っているかは不明。手順で勝手に穴餅を覚ますのにほぐしているが、それは手順にないのでは？
また、「伝統酒を作っている醸造所」として『山水醸造所』があるのだが、この醸造所自体が近年に作られた醸造所であり、歴史も伝統も無い。
清酒（日本酒）に黄鉛と胡椒を入れた酒瓶を沸騰した清水の上に掛け、温めて作ったお酒。
薬用酒に分類される。
『蓬莱春』に関する記録は『林園經濟志（1900年前後）』『朝鮮無雙新式料理製法（1924年）』にある。作り方は、
日本ではあまりなじみがないが、酒×スパイスはよくある飲み方。甘味汚加えると言う、中国的とも言える飲み方。
似た酒は高麗時代にもあり、『椒觴』『椒花』『椒花酒』などの他、『煮酒：曆酒方文（19世紀中期）』『椒柏酒：林園經濟志（1900年前後）』などがある。ようは、日本酒（蓬莱酒）を使った『煮酒：曆酒方文（19世紀中期）』が『逢來春』である。
薬用酒に分類される。
『蓬莱春』に関する記録は『林園經濟志（1900年前後）』『朝鮮無雙新式料理製法（1924年）』にある。作り方は、
材料は、清酒一本に黄鉛七分、胡椒一錢または酒一杯に黄臘二錢、竹の葉一枚、天南省半粒である。
まず、清酒一本に黄臘七分、胡椒一錢を刺し、瓶に入れ、密封する。または、酒一杯に黄臘二錢、米の葉一枚、天南省半粒を入れることもあり、秋と冬には天南省九粒を入れ、春・夏には米の葉を入れて腐敗を防ぐ。釜に清らかな水を入れた後、強い火で沸騰させ、酒壺を釜の上に掛け、一日中蒸し焼きにする。冬は藁で甕を包み、夏は冷やして飲用する。1〜2日の間に全部飲まなければならず、長く置くと味が変わる。
日本ではあまりなじみがないが、酒×スパイスはよくある飲み方。甘味汚加えると言う、中国的とも言える飲み方。
似た酒は高麗時代にもあり、『椒觴』『椒花』『椒花酒』などの他、『煮酒：曆酒方文（19世紀中期）』『椒柏酒：林園經濟志（1900年前後）』などがある。ようは、日本酒（蓬莱酒）を使った『煮酒：曆酒方文（19世紀中期）』が『逢來春』である。
『林園經濟志（1900年前後）』に出てくる酒。
作り方がいまいちピンっと来なかったのですが、朝鮮語辞書で「신선벽도춘 」の定義に「松を壺型にし、酒の原料と混ぜ、土で密封して熟成させる」とある事から分かりました。
よくよく読めば、この酒は『山林經濟（18世紀初期頃）』『増補山林經濟（1766年）』に書かれている『臥松酒』のアレンジ酒ですね。樽から材料に松を使うのが特徴と言えます。オーク樽を使った焼酎なんかがあるのと同じですが、基本的に朝鮮酒は甕を使って造る酒であり樽を使って造る酒は大変に珍しく、この樽を使う酒造りは日本の酒造りの真似をしたものでしょう（日本では安土桃山時代あたり、16世紀後半頃には樽で作るのも一般的になっていたらしいです）。
説明文と当時のコメ事情を考えると、
有芒種米（赤米）は吸水に時間が掛かるので、粉にしないと醸しにくいのでしょうかね。
作り方がいまいちピンっと来なかったのですが、朝鮮語辞書で「신선벽도춘 」の定義に「松を壺型にし、酒の原料と混ぜ、土で密封して熟成させる」とある事から分かりました。
よくよく読めば、この酒は『山林經濟（18世紀初期頃）』『増補山林經濟（1766年）』に書かれている『臥松酒』のアレンジ酒ですね。樽から材料に松を使うのが特徴と言えます。オーク樽を使った焼酎なんかがあるのと同じですが、基本的に朝鮮酒は甕を使って造る酒であり樽を使って造る酒は大変に珍しく、この樽を使う酒造りは日本の酒造りの真似をしたものでしょう（日本では安土桃山時代あたり、16世紀後半頃には樽で作るのも一般的になっていたらしいです）。
説明文と当時のコメ事情を考えると、
有芒種米はペクソルギ（つまり、粉にして餅にした形状）、もち米は蒸し米の方が良い。生松の中を壺の形に掘り、米と麹を入れ、密封して泥を塗り、空の大鉢で覆う。生松がない場合は、松の木を切って移し、同じ方法で作る。泥を塗る前に豆の葉をかぶせるとより良い。冬・夏が適している（春・秋は不適切）。とあります。
有芒種米（赤米）は吸水に時間が掛かるので、粉にしないと醸しにくいのでしょうかね。
【20世紀からの酒】076
保城康河酒は、全羅南道保城郡会川面地域を中心に伝承されている伝統酒である。全羅南道保城郡を代表する酒。
作り方は,
香りと味が濃く、二日酔いがなく、飲んだときに柔らかく後味がすっきりしているという。2009年7月3日に全羅南道無形文化財(現・無形遺産)に指定されている。
濁酒と清酒を混ぜて作った過夏酒系のお酒なので『過夏酒』とも呼ばれる。
寶城過夏酒の伝承者である陶花子は16歳(1963年)の時から母親から伝統酒の作り方を学び、その母親は母方の祖母に教わったということで、寶城過夏酒は3代にわたって受け継がれてきた（ということは日本統治の時代で作られていたという事であり、やはり朝鮮総督府は民族酒を禁止していた事実が無い事が判る）。醸造技法上、下酒、上酒、蒸留酒の添加など重釀後に混釀する複雑な過程を経るが、先進的な醸造技法を示している。
――とあるが、これ、日本では江戸時代に既にあったアルコール添加の技法で、それを真似しただけでは？
また、朝鮮では普通はもち米を餅や粥にするがそれをしていない事、また朝鮮では酒作りに使う麦は普通は小麦だがここでは大麦を使っている事から、日本の酒造り手法の影響が見える。
というか、「伝統酒」って言えるの？
作り方は,
まずもち米を1合炊き、麹と水を注ぎ、よく混ぜて混ぜ合わせた後、大きな甕に一粒一粒よく入れます。その上に蒸したナツメ、すりおろした生姜、炒めたクコの実、そしてきれいに洗ったカンゲン、竜眼肉、シナモンなどの漢方薬を載せた甕を15日間暖かい場所に置いておきます。こうして1次発酵が終わったら、ここに30〜40度程度の酒を瓶にたっぷりと注ぎ、2次発酵をさせる。そして適切に発酵が終わったら、これをふるいにかけると薑荷酒が完成する。続く説明には「製造過程で大麦を使用して蒸留酒を作る全羅道地域の特徴的な技法を披露」「小麦、麦、麦米、もち米などすべての主穀がすべて入っている」とあるのだが、大麦が材料に見えない。どこかに入っているのかもしれない。
香りと味が濃く、二日酔いがなく、飲んだときに柔らかく後味がすっきりしているという。2009年7月3日に全羅南道無形文化財(現・無形遺産)に指定されている。
濁酒と清酒を混ぜて作った過夏酒系のお酒なので『過夏酒』とも呼ばれる。
寶城過夏酒の伝承者である陶花子は16歳(1963年)の時から母親から伝統酒の作り方を学び、その母親は母方の祖母に教わったということで、寶城過夏酒は3代にわたって受け継がれてきた（ということは日本統治の時代で作られていたという事であり、やはり朝鮮総督府は民族酒を禁止していた事実が無い事が判る）。醸造技法上、下酒、上酒、蒸留酒の添加など重釀後に混釀する複雑な過程を経るが、先進的な醸造技法を示している。
――とあるが、これ、日本では江戸時代に既にあったアルコール添加の技法で、それを真似しただけでは？
また、朝鮮では普通はもち米を餅や粥にするがそれをしていない事、また朝鮮では酒作りに使う麦は普通は小麦だがここでは大麦を使っている事から、日本の酒造り手法の影響が見える。
というか、「伝統酒」って言えるの？
忠清南道舒川郡韓山地域で伝承される酒。1979年に忠清南道無形文化財(現・無形遺産)に指定された。この酒は忠清南道舒川郡韓山面を中心に伝承されている酒。
酒の由来は定かではなく、「百済の流民が国を失い、その恨みを晴らすために造られた百済時代の宮廷酒」とされているが、これはまず嘘だろう（そもそも、その地域は伽耶任那の地域で百済とは関係がないし、百済が滅亡した後だと、その地域は百済を裏切り唐に従属し、唐と共に百済を滅ぼした新羅の地域になっているので、流民がそこに行くような状況にない。韓国人は百済も自分たちの祖先と思っているようだが、歴史的に見ると、韓国人の祖先は百済という他民族の他国を滅ぼした怨敵と言える関係である）。『小麴酒』だと「高麗時代から」となっているし、『韓山 素麯酒』では「百済の流民が」となっており、ようはいつぐらいに出来た物か不明。特に「百済時代の宮廷酒」というのは、何も根拠がない俗説である（このような出鱈目に後付けで付けられたり改竄された史料を元にした俗説が多いので、韓国の俗説は信用が無いのだ）。
名前がそっくりの『小麴酒』であれば、出てくるのは『要録（1680年頃）』と17世紀後半あたりからという酒であるが、この『韓山 素麯酒』はそれとは違い、その作り方から日本統治時代以降に出来ている、20世紀になってから出来ている酒である。
つまり、伝統もなにもない。
作り方は小麴酒と同じようであるが、
酒は毒が強いので、嫁が酒の味を確かめるために箸で浸して食べると、知らず知らずのうちに酔って立ち上がることもできず、座り込んだように這いずり回るという言い伝えが伝わり、「座り込み酒」とも呼ばれています。
名前がそっくりの『小麴酒』は「冷水のような輝きを放ち、酔いも少ない」という酒なので、まるで違う。
酒の色から、日本統治時代に来た黄麹菌を使った酒ではないかと思う。
酒の由来は定かではなく、「百済の流民が国を失い、その恨みを晴らすために造られた百済時代の宮廷酒」とされているが、これはまず嘘だろう（そもそも、その地域は伽耶任那の地域で百済とは関係がないし、百済が滅亡した後だと、その地域は百済を裏切り唐に従属し、唐と共に百済を滅ぼした新羅の地域になっているので、流民がそこに行くような状況にない。韓国人は百済も自分たちの祖先と思っているようだが、歴史的に見ると、韓国人の祖先は百済という他民族の他国を滅ぼした怨敵と言える関係である）。『小麴酒』だと「高麗時代から」となっているし、『韓山 素麯酒』では「百済の流民が」となっており、ようはいつぐらいに出来た物か不明。特に「百済時代の宮廷酒」というのは、何も根拠がない俗説である（このような出鱈目に後付けで付けられたり改竄された史料を元にした俗説が多いので、韓国の俗説は信用が無いのだ）。
名前がそっくりの『小麴酒』であれば、出てくるのは『要録（1680年頃）』と17世紀後半あたりからという酒であるが、この『韓山 素麯酒』はそれとは違い、その作り方から日本統治時代以降に出来ている、20世紀になってから出来ている酒である。
つまり、伝統もなにもない。
作り方は小麴酒と同じようであるが、
もち米で餅を蒸し、餅と麹の粉を薄く混ぜて下麹で発酵させて酒母を作る。もち米で再び酒米を蒸し、麹は小麦粉のように細かく挽いた粉麹を用意する。甑の一番下に酒米、その上に麹の粉、その上に麹を敷いて、まるで甑餅のように座らせた後に100日間地中に埋めておく。100日が過ぎた後、土を掘って開いてみると粘り気のある真っ黄色の酒になっている。という酒で、通常、収穫が終わった後の旧暦10月頃に多く造られるのですが、この酒を造る日には、近所の女性たちが風呂敷を敷き、着替えをし、心を込めて造るそうです（鏡餅自体が日本の平安時代からある独自の伝統風習なのだが、つまり韓山の酒は日本統治開始以降に出来ている酒という事である）。
酒は毒が強いので、嫁が酒の味を確かめるために箸で浸して食べると、知らず知らずのうちに酔って立ち上がることもできず、座り込んだように這いずり回るという言い伝えが伝わり、「座り込み酒」とも呼ばれています。
名前がそっくりの『小麴酒』は「冷水のような輝きを放ち、酔いも少ない」という酒なので、まるで違う。
酒の色から、日本統治時代に来た黄麹菌を使った酒ではないかと思う。
慶尚北道安東地方で造られている酒。
安東では各家庭ごとに独特の材料と製法で作られた清酒が伝えられてきたが、この清酒を蒸留して作ったのが焼酎であり、純米酒である。アルコール度数は45度にもなり、主に5〜10月の間に飲まれる。
1915年、安東市南門洞に設立された安東酒造会社が焼酎を生産し、この焼酎が外部の人々の間で安東焼酎と呼ばれるようになった。つまり日本統治中に作られ始めた酒であり、日本的な作り方の酒である。1962年の酒税法改正などで米を使った酒の生産が禁止され、名脈を失っていた安東焼酎は、1990年代に民俗酒の生産が再開されてから、韓国の代表的な伝統酒として定着した。
いや、伝統もなにもなく、日本式の焼酎の模倣じゃないの？ というか、1990年代から作られているのに、なぜ伝統酒なのだろうか？
安東焼酎の製造過程は、
昔（?）から安東焼酎は傷の消毒、腹痛、食欲不振、消化不良などの救急薬としても活用されたという。安東焼酎は1987年に慶尚北道無形文化財(現、無形遺産)に指定され、無形文化財に関連する伝統安東焼酎製造機能保持者としてチョ・オクファが2000年に指定された。一方、無形文化財とは関係ないが、伝統と現代を折衷した安東焼酎は、1995年に大韓民国食品名人に指定されたパク・ジェソ(박재서)によっても伝承されている。
まだ100年ちょっとしか経っていないお酒で、近代のお酒。
なんでこれが韓国で「伝統酒」とされており、「民俗酒」になっているかまるで不明（たぶん「ピビンバ」の名付けと一緒で、たんなる歪んだナショナリズムによるものだとは思う）。なんで「無形遺産」にしてるの？ 韓国人が言う「日帝残滓」だよ？この酒。
安東では各家庭ごとに独特の材料と製法で作られた清酒が伝えられてきたが、この清酒を蒸留して作ったのが焼酎であり、純米酒である。アルコール度数は45度にもなり、主に5〜10月の間に飲まれる。
1915年、安東市南門洞に設立された安東酒造会社が焼酎を生産し、この焼酎が外部の人々の間で安東焼酎と呼ばれるようになった。つまり日本統治中に作られ始めた酒であり、日本的な作り方の酒である。1962年の酒税法改正などで米を使った酒の生産が禁止され、名脈を失っていた安東焼酎は、1990年代に民俗酒の生産が再開されてから、韓国の代表的な伝統酒として定着した。
いや、伝統もなにもなく、日本式の焼酎の模倣じゃないの？ というか、1990年代から作られているのに、なぜ伝統酒なのだろうか？
安東焼酎の製造過程は、
うるち米またはもち米を蒸した後、これを麹・麦芽・水を混ぜて甕に入れ、暖かい場所で2〜3日発酵させる。そして、釜に水を少し入れて沸騰させ、発酵させた酒を猪口に入れ、その上に乗せて沸騰させる。焼酎の上にくぼんだ蓋をかぶせ、冷たい水を交互に注ぎ、蓋の下に酒が露のように結露するようにして焼酎を取り出す。いや、米を細かくせず、蒸した後も餅形状や粥にしない。って、これ、まるまる日本の作り方の模倣じゃない。あと、火入れもしているというので、もち米を使う日本焼酎以外の何物でもない気がします。
昔（?）から安東焼酎は傷の消毒、腹痛、食欲不振、消化不良などの救急薬としても活用されたという。安東焼酎は1987年に慶尚北道無形文化財(現、無形遺産)に指定され、無形文化財に関連する伝統安東焼酎製造機能保持者としてチョ・オクファが2000年に指定された。一方、無形文化財とは関係ないが、伝統と現代を折衷した安東焼酎は、1995年に大韓民国食品名人に指定されたパク・ジェソ(박재서)によっても伝承されている。
まだ100年ちょっとしか経っていないお酒で、近代のお酒。
なんでこれが韓国で「伝統酒」とされており、「民俗酒」になっているかまるで不明（たぶん「ピビンバ」の名付けと一緒で、たんなる歪んだナショナリズムによるものだとは思う）。なんで「無形遺産」にしてるの？ 韓国人が言う「日帝残滓」だよ？この酒。
釜山広域市東来区金井山城周辺で伝統的に造られてきた米のマッコリ、と韓国ではしている。
ここでマッコリを作り始めたのは300年ほど前、吳・張・金の3氏が定住してからだという。ここは土質がひどいため、3ヶ月分の食べ物程度の収穫しかないため、生計を立てるために小麦麹を作って売ったと伝えられている。この麹は黄色いカビが咲き、香ばしい匂いがする黄麹菌の麹で、満州・日本まで売られていた特産品だった。――とあるが、これは嘘だと判る。
そももそ「黄麹菌」はニホンコウジカビで、日本古来の麹菌で黄土色から緑色に変色するカビで、朝鮮には元々はないカビです。この黄麹菌の麹の話は『韓國食品社會史(1984年)』に書かれた根拠無根な俗説でしかありません。この黄麹菌の麹は朝鮮半島では作られておらず、日本式の醤油作りでも日本のような深い味わいが作れずに、日本から麹菌を盗んだ事は有名な話です。ですから、この黄麹菌は日本から輸入した物（そういう話は見つかりませんが）か、日本統治時代に入ってから以降の麹となります。
また、「米」といいつつもち米ではなくうるち米を使っている時点で新しい酒とも判る。
このような逸話
そもそもが、黄麹菌の麹は日本から輸入するしかなく、それだけ大量の黄麹菌が入手可能かどうかという話になります。
韓国ではこのような、韓国のナショナリズムで歪曲や創作された説明がとても多く、特に近年では問題になるほど多い。
実際、朝鮮時代のマッコリに相当する庶民の酒は、 粟、稗、黍などの雑穀が主体であり、米は補助的な原料として使用されている酒である。
地域によって主原料に差が見られ、例えば、北部の寒冷地では粟が、南部の温暖な地域では米（当時だと色からすると糯米だと思われる）の割合が多くなる。
また、時代差もあり、時代が下るにつれて、米の利用が増加する傾向が見られたが、これは日本統治時代以降の現象であり、朝鮮時代においては、雑穀が主原料であった。
もし、朝鮮時代から庶民が飲んでいた濁酒を再現したいならば、本来は粟、稗、黍などの雑穀を主体とした酒を造らないといけない。
ここでマッコリを作り始めたのは300年ほど前、吳・張・金の3氏が定住してからだという。ここは土質がひどいため、3ヶ月分の食べ物程度の収穫しかないため、生計を立てるために小麦麹を作って売ったと伝えられている。この麹は黄色いカビが咲き、香ばしい匂いがする黄麹菌の麹で、満州・日本まで売られていた特産品だった。――とあるが、これは嘘だと判る。
そももそ「黄麹菌」はニホンコウジカビで、日本古来の麹菌で黄土色から緑色に変色するカビで、朝鮮には元々はないカビです。この黄麹菌の麹の話は『韓國食品社會史(1984年)』に書かれた根拠無根な俗説でしかありません。この黄麹菌の麹は朝鮮半島では作られておらず、日本式の醤油作りでも日本のような深い味わいが作れずに、日本から麹菌を盗んだ事は有名な話です。ですから、この黄麹菌は日本から輸入した物（そういう話は見つかりませんが）か、日本統治時代に入ってから以降の麹となります。
また、「米」といいつつもち米ではなくうるち米を使っている時点で新しい酒とも判る。
このような逸話
このような良い麹と、東莱蕪が軍졸を雇って運ばせるほど清らかで美味しかったこの地の良い水で造られたマッコリは、自然な味に優れていた。は、近年に作られた創作話でしかないでしょう。
このマッコリの味が初めて知られるようになったのは、肅宗時代の1703年、金井山城を築城する際、副官軍5万人余りが新茶として飲んだことからである。
そもそもが、黄麹菌の麹は日本から輸入するしかなく、それだけ大量の黄麹菌が入手可能かどうかという話になります。
家で少しずつ造っていたものが、1980年に国税庁によって郷土酒に指定・良化され、現在は共同醸造所で造られ、町内でのみ消費されるようになっています。というように、韓国で飲まれるようになっているのも最近の話。また、説明の続きに、
そのため、休日にはこのマッコリを求める人々が列をなす。米で造られた酸味のあるマッコリ一杯を、そこ特有の山羊肉の焼き肉をつまみに飲むと最高に美味しいと言われている。とあるが、山羊は大韓帝国時代からほとんど畜産しておらず、ほとんど食べられていない。韓国になっても1960年代だと全羅南道の宝城あたりでしか食べられておらず、滋養強壮として山羊肉のスープ「염소탕（ヨムソタン）」や、山羊肉を野菜と一緒に煮込んだ「염소전골（ヨムソチョンゴル）」などの料理として食べられていた記録があるぐらい。1980年代以降になると山羊肉料理専門店が登場し始め、山羊肉の消費量も増加傾向はあるものの、やはり牛肉や豚肉に比べると、山羊肉は依然としてマイナーな食材であり、釜山周辺で特有の食べ物というものではない。つまり、この俗説は昔からある風習などではなく、1980年代以降に作られた新しい内容だと判る。
韓国ではこのような、韓国のナショナリズムで歪曲や創作された説明がとても多く、特に近年では問題になるほど多い。
実際、朝鮮時代のマッコリに相当する庶民の酒は、 粟、稗、黍などの雑穀が主体であり、米は補助的な原料として使用されている酒である。
地域によって主原料に差が見られ、例えば、北部の寒冷地では粟が、南部の温暖な地域では米（当時だと色からすると糯米だと思われる）の割合が多くなる。
また、時代差もあり、時代が下るにつれて、米の利用が増加する傾向が見られたが、これは日本統治時代以降の現象であり、朝鮮時代においては、雑穀が主原料であった。
もし、朝鮮時代から庶民が飲んでいた濁酒を再現したいならば、本来は粟、稗、黍などの雑穀を主体とした酒を造らないといけない。
もち米で造られた忠清北道忠州地方の酒。
1993年に忠清北道無形文化財(現・無形遺産)に指定されている。
説明に「日本統治時代に制定された醸造法のせいで製造ができなくなった」とあるが、日本統治時代の酒税令では製造を禁止するような事はしていないので嘘である。実際、日本統治中でも会社を作り届け出をして許可をきちんと受けた上で、清酒・濁酒・薬酒を製造販売していた会社もあり、統治中でも作られた酒が幾つも存在する。
つまり、個人が酒税を払う事を厭い届け出をしなかったというだけでしかない。
また、米を使った酒造りを禁止したのは、韓国になってからである。
一年24節気のうち、清明日に使うために漬けたことから清明酒と呼ばれる。
説明には
また、『忠州 �飜声髻拏�体は、1986年に復元した酒なので新しい酒である。
この元になったのが金海金氏家門所蔵していた『��傳錄』という文献で、この清明酒は民間薬榜文が収録されている。作り方はまず、
忠州清明酒の製造にかかる時間は約100日間で、清明日になったら封を開け、水を入れて清酒を浮かべる。アルコール度数が18〜20°で一般的な穀物酒より高く、忠州で飲むと文殊斎に行くと酔いが覚めるという逸話がある。
いや、この酒、1986年に復刻したというので、新しい酒なのに。なぜ無形文化財？
また、作り方は『�飜声�』より『壺山春』に近い。
1993年に忠清北道無形文化財(現・無形遺産)に指定されている。
説明に「日本統治時代に制定された醸造法のせいで製造ができなくなった」とあるが、日本統治時代の酒税令では製造を禁止するような事はしていないので嘘である。実際、日本統治中でも会社を作り届け出をして許可をきちんと受けた上で、清酒・濁酒・薬酒を製造販売していた会社もあり、統治中でも作られた酒が幾つも存在する。
つまり、個人が酒税を払う事を厭い届け出をしなかったというだけでしかない。
また、米を使った酒造りを禁止したのは、韓国になってからである。
一年24節気のうち、清明日に使うために漬けたことから清明酒と呼ばれる。
説明には
最初に作った時期と人物に関する正確な記録は定かではない。家禽面昌洞里に代々住んでいた金海金氏家門で、朝鮮時代以前から代々作り、貴重な客を迎える時に接待していた酒だと説明にはある。とあるが、本当かはどうか分からないし、『�飜声�』は『酒方文（17世紀）』から出てくるもので、朝鮮中期から末期に出てくる酒であるので「朝鮮時代以前から代々作り」は盛った嘘の俗話に過ぎないだろう。
忠州清明酒が製造された場所は、朝鮮時代には南漢江を通る船路と科挙の通り道だった。そのため、名声が高く、宮中に献上され、四大夫家で貴賓の接待酒として使われました。
また、『忠州 �飜声髻拏�体は、1986年に復元した酒なので新しい酒である。
この元になったのが金海金氏家門所蔵していた『��傳錄』という文献で、この清明酒は民間薬榜文が収録されている。作り方はまず、
小麦を粉にし練り、直径10〜12cmの大きさにまとめて麹を浮かせる。浸漬の一日前にもち米のお粥を一升炊きして冷やす。これを作ってみた人のプログもあり、まぁ、小麦粉ともち米粥と小麦麹で付くったどぶろくである。
麹を適当に混ぜて削り、もち米を洗い、蒸して粥にする。甕に、もち米、麹、粥の順で繰り返し入れていく。
麹を漬けてから約15日経つと主発酵は終わり、後発酵が行われる。約35日後には後発酵も終わり、清明酒が完成する。その後、約50日ほど熟成させ、清明酒固有の味を持つようにする。
忠州清明酒の製造にかかる時間は約100日間で、清明日になったら封を開け、水を入れて清酒を浮かべる。アルコール度数が18〜20°で一般的な穀物酒より高く、忠州で飲むと文殊斎に行くと酔いが覚めるという逸話がある。
いや、この酒、1986年に復刻したというので、新しい酒なのに。なぜ無形文化財？
また、作り方は『�飜声�』より『壺山春』に近い。
【玉露酒 - 옥로주（ogloju）】108
もち米と小麦と大根とヨモギで造られた京畿道地方の酒。
1994年に京畿道無形文化財(現・無形遺産)に指定されており、伝統酒としている。
が、この酒は「現機能保持者の曾祖父である柳盛根が造り始めた」とあるので、80〜100年ほどしか経っておらず、その時期と言うと日本統治時代になる。 彼は父を追って全羅北道南原の山東に移り、そこで米と雑穀を原料として初めて玉露酒を造ったという。その後、慶尚南道の河東に移り、引き続き家酒として酒を製造した。この時、家の周りに 蘿蔔（だいこん）をたくさん栽培し、米と蘿蔔（だいこん）を主原料として酒を造るようになったという。麹を作る時にも小麦と蘿蔔(だいこん)を混ぜて薬用ヨモギを加えている。
玉露酒の作り方は次の通り。
伝統酒とはまず言えないが。
1994年に京畿道無形文化財(現・無形遺産)に指定されており、伝統酒としている。
が、この酒は「現機能保持者の曾祖父である柳盛根が造り始めた」とあるので、80〜100年ほどしか経っておらず、その時期と言うと日本統治時代になる。 彼は父を追って全羅北道南原の山東に移り、そこで米と雑穀を原料として初めて玉露酒を造ったという。その後、慶尚南道の河東に移り、引き続き家酒として酒を製造した。この時、家の周りに 蘿蔔（だいこん）をたくさん栽培し、米と蘿蔔（だいこん）を主原料として酒を造るようになったという。麹を作る時にも小麦と蘿蔔(だいこん)を混ぜて薬用ヨモギを加えている。
玉露酒の作り方は次の通り。
まず、在来種の全粒小麦と大根、ヨモギを使用して麹を作る。粉砕した小麦2俵と大根7俵を沸騰させて冷やした醸造用水で練り、3〜5時間ほど置いた後、ここに乾いたヨモギを加えて再び練り、成形して浮かせる。白米と大根で作った餅1斗に、沸騰させて冷やした醸造用水1杯と酵母粉4杯の割合で酒母を作る。そして、そして50％精米した白米一升と 麹米1升をそれぞれ甑で蒸して作った麹米に、下麹7升と醸造用水2升を配合して酒母を浸す。醪の温度を20〜30℃に保ち、約10日間発酵させる。4∼5日経つと大きな泡が多く発生し、果実の香りがする。再び5〜6日経つとビーズのような泡に変わり、温度が少しずつ下がっていく。こうして発酵が終わったら蒸留する。原料を浸漬して蒸留すると、40度の酒が出きる。「50％精米」という日本的な酒造り手法が取り入れられているが、大根を使った酒は珍しく、オリジナリティがある創作された近代酒と言える（日本でも最近は大根を使った三浦大根焼酎や練馬大根焼酎がある）。
伝統酒とはまず言えないが。
様々な薬材を混ぜて造られた忠清北道清州地方の伝統酒らしい。
1994年に忠清北道無形文化財(現・無形遺産)に指定された。
製造者の祖父は、良質の生薬を原料として、経玉膏などの各種補薬材と市販の非常用薬材を製造し、家族の健康管理に使用していた。また、補腎健康用酒である神仙酒・菊酒・オガピ酒などの補腎強壮用薬酒を製造して飲用し、客接待用に使用してきたという。――いや、「祖父から」って40〜60年前、すなわち「日本統治中から韓国時代初期」という事では？ また1950年から米を使った酒造が難しくなり、1965年からは禁止されているのでこの時期に作られるはずがなく、作られたとしたら日本統治中の中期から後期では？
製造者の祖父が記録したという『玄庵詩文合集』には、神仙酒の効能と逸話が次のように記録されている。
清元新鮮酒の作り方は
1994年に忠清北道無形文化財(現・無形遺産)に指定された。
製造者の祖父は、良質の生薬を原料として、経玉膏などの各種補薬材と市販の非常用薬材を製造し、家族の健康管理に使用していた。また、補腎健康用酒である神仙酒・菊酒・オガピ酒などの補腎強壮用薬酒を製造して飲用し、客接待用に使用してきたという。――いや、「祖父から」って40〜60年前、すなわち「日本統治中から韓国時代初期」という事では？ また1950年から米を使った酒造が難しくなり、1965年からは禁止されているのでこの時期に作られるはずがなく、作られたとしたら日本統治中の中期から後期では？
製造者の祖父が記録したという『玄庵詩文合集』には、神仙酒の効能と逸話が次のように記録されている。
神仙酒は白髪を黒く変化させ、老衰を回して少年に戻し、延年益壽させる。昔、最高雲先生が神仙峰の下に庵を建て、友人たちと神仙酒を飲んだという伝説がある。それ以来、神仙峰の下で様々な禅師たちが集まって神仙酒を楽しんだという。私はこれを後世の人に伝えようと思っている。創作逸話ですね。続く説明に、
酒類製造が断絶される以前は、純穀と麹で発酵酒を作り、これを清酒または蒸留酒として製造・使用したことは一般化された事実である。 しかし、自然植物からその生薬成分を利用し、厨房(酒の作り方)に合わせて神仙酒などのような保養用の補薬酒を作って使用してきたことは、当時の生活文化の水準から見て珍しいことだと評価される。とあるが、朝鮮酒を調査しているが、珍しくも何もない、他の酒の模倣に過ぎません。
清元新鮮酒の作り方は
全粒小麦を粉にして水と混ぜて麹を作り、きれいな稲わらを使ったクッションで包み、30度程度で発酵させて粉砕して使用する。甘草、地骨皮（漢方薬、グギナの木Lycium chinense Millerまたは零河口（寧夏枸杞）Lycium barbarum Linneの根皮）を水4升で煮て2升になるように煎じ、酒を入れる水として使用する。――いや、これって『神仙固本酒』の模倣酒じゃない。逸話もそこからのパクリ改竄したものだし。
生薬であるウスル、ハトムギ粉、クコの実、天門冬・白門冬・生地黄・熟地黄・高麗人参・当帰各、肉桂を粉にしてもち米2升を基準に麹1升と先ほどの甘草と地骨皮を煎じた水に普通の酒より少し多く浸す。清原清酒は30℃で7日ほどで発酵する。これを25℃の温度で再び7日ほど置くと熟す。これを水で割って清酒をすくったり、蒸留酒にして飲用する。長く飲むと白髪が黒くなり、若返ると言われている。
【ムンベ酒 - 문배주（munbaeju）】110
「ムンベ」とは野生の梨の事。wikiの方が説明がされている。
1986年11月1日に大韓民国の国家無形遺産に指定されており、伝統酒とされている。が、本来は平壌近隣で飲まれていた郷土酒である（そのため、韓国のムンベ酒は韓国になってから作られ始めたもので伝統酒ではない）。
他の添加物なしに麦・アワ・モロコシと麦麹で作る純穀蒸留酒であり、アルコール度数は約40%と高い。
元々は石灰岩層の水で酒を浸して飲んだのが始まりだという話が伝えられている。 しかし、朝鮮戦争によって半島分断固定化されて以降、韓国で製造される酒は、かつて平壌で作られていた酒とは異なり、花崗岩層の水を使用している。というので、北朝鮮のムンベ酒は伝統的だと言えるが、韓国のムンベ酒は名前が同じだが別の酒であり、伝統はない。
高麗時代でも飲まれていたようだし、日本統治時代は平壌の酒岩山麓にあった平昌醸造場がムンベ酒製造で有名であった（歴史が示す様に、日本統治時代には朝鮮の伝統酒を断絶させるような政策はとられていない。
珍しく「伝統がある」と言える酒、ただし韓国ではなく北朝鮮の伝統酒。
1986年11月1日に大韓民国の国家無形遺産に指定されており、伝統酒とされている。が、本来は平壌近隣で飲まれていた郷土酒である（そのため、韓国のムンベ酒は韓国になってから作られ始めたもので伝統酒ではない）。
他の添加物なしに麦・アワ・モロコシと麦麹で作る純穀蒸留酒であり、アルコール度数は約40%と高い。
元々は石灰岩層の水で酒を浸して飲んだのが始まりだという話が伝えられている。 しかし、朝鮮戦争によって半島分断固定化されて以降、韓国で製造される酒は、かつて平壌で作られていた酒とは異なり、花崗岩層の水を使用している。というので、北朝鮮のムンベ酒は伝統的だと言えるが、韓国のムンベ酒は名前が同じだが別の酒であり、伝統はない。
高麗時代でも飲まれていたようだし、日本統治時代は平壌の酒岩山麓にあった平昌醸造場がムンベ酒製造で有名であった（歴史が示す様に、日本統治時代には朝鮮の伝統酒を断絶させるような政策はとられていない。
珍しく「伝統がある」と言える酒、ただし韓国ではなく北朝鮮の伝統酒。
【虎骨酒 - 호골주（hogolju）】114
【孤骨酒 - 고아주（goaju）】115
【麋骨酒 - 미골주（migolju）】116
【桂當酒：･계당･주（gyedangju）】094
「桂皮と當歸とを和して製したる酒」とあります。
桂皮も當歸も漢方です。桂酒も當歸酒も中国に古くからある酒であり、この作り方が合わさったようであります。
中国では桂酒は商・周の時代に起源を持ち、3,000年以上の歴史があります。當歸酒は魏の曹操の書簡にありますので、この時代には朝鮮半島に魏の領域がありましたので、この辺りで伝わってきたのではないでしょうか
朝鮮でも古くからあると考えられるが、定かではない。
ちなみに、「계당주」と書いて『桂糖酒』という『甘紅露』の一種があるが、これとは別の酒。ここら辺は、諺文（ハングル）が中国漢字の発音を表した当て字記号でしかないために生じてしまう。
1920年に朝鮮総督府で発刊した『朝鮮語辞典』にも掲載されている。
桂皮も當歸も漢方です。桂酒も當歸酒も中国に古くからある酒であり、この作り方が合わさったようであります。
中国では桂酒は商・周の時代に起源を持ち、3,000年以上の歴史があります。當歸酒は魏の曹操の書簡にありますので、この時代には朝鮮半島に魏の領域がありましたので、この辺りで伝わってきたのではないでしょうか
朝鮮でも古くからあると考えられるが、定かではない。
ちなみに、「계당주」と書いて『桂糖酒』という『甘紅露』の一種があるが、これとは別の酒。ここら辺は、諺文（ハングル）が中国漢字の発音を表した当て字記号でしかないために生じてしまう。
1920年に朝鮮総督府で発刊した『朝鮮語辞典』にも掲載されている。
【天竺酒】125
【美人酒】126
【暹羅酒】128
【緑豆酒】130
【鶏鳴酒】131
【紅麹酒】092
朝鮮時代に中国から輸入していた酒で、文献に薬用酒とある。
韓国では「中国の紅麹はうるち米を用いてつくられる」とあるが、これは嘘。中国の紅麹はもち米から作られている。
紅麹は一度腐敗させて独特のつくり方をすることから、宋応星の『天工開物』では「臭腐の神奇」と評している。酒は真紅の色を呈し、甘酸っぱい。現在でも福建老酒で有名。
紅酵母の使用は古くは北宋の時代にまで遡り、明代の李時珍の『清義録』の第39章に紅酵母の記録がある。
福建省は紅麹米の主な発祥地で紅麹米を生産しており、明代の万里版『古田県記』や『八民同志』巻第25「福州県」にも「紅酵母」と書かれており、「古田県の外では四方八方に広がっており、古田県の生産量は全体の4分の3を占め、特に北郷が多く、東郷にも拡大した」とある。紅麹米の原料と製造原理は、明代の『曲強』の『天宮開武』第17章や乾隆版『古田県志』第二巻に詳しく記載されているらしい。
1920年に朝鮮総督府で発刊した『朝鮮語辞典』にも掲載されている。
韓国では「中国の紅麹はうるち米を用いてつくられる」とあるが、これは嘘。中国の紅麹はもち米から作られている。
紅麹は一度腐敗させて独特のつくり方をすることから、宋応星の『天工開物』では「臭腐の神奇」と評している。酒は真紅の色を呈し、甘酸っぱい。現在でも福建老酒で有名。
紅酵母の使用は古くは北宋の時代にまで遡り、明代の李時珍の『清義録』の第39章に紅酵母の記録がある。
福建省は紅麹米の主な発祥地で紅麹米を生産しており、明代の万里版『古田県記』や『八民同志』巻第25「福州県」にも「紅酵母」と書かれており、「古田県の外では四方八方に広がっており、古田県の生産量は全体の4分の3を占め、特に北郷が多く、東郷にも拡大した」とある。紅麹米の原料と製造原理は、明代の『曲強』の『天宮開武』第17章や乾隆版『古田県志』第二巻に詳しく記載されているらしい。
1920年に朝鮮総督府で発刊した『朝鮮語辞典』にも掲載されている。
【清酒】
日本の日本酒。
輸入していたようです。
輸入していたようです。
【酒が出てくる資料たち】
酒が書かれている資料の多くは、朝鮮時代と言っても後期の本が多い。
ちなみにだが、韓国ではよく「古い資料は日本の朝鮮出兵の時に焼失した」と記載もあるが、焼いたのは日本（豊臣軍）ではなく、朝鮮の民衆。豊臣軍が順調に（朝鮮軍の抵抗があったとは思えないほど）素早く北上しており、近付いてくるのに民衆を捨てて逃げ出す王族や両班に民衆は怒り石を投げ打ち、宮殿は略奪され火を放たれており、京城（ソウル）に豊臣軍が入城した時には宮殿が燃え上がっていた事が当時の武将が手記した中に記録されている。
ちなみにだが、韓国ではよく「古い資料は日本の朝鮮出兵の時に焼失した」と記載もあるが、焼いたのは日本（豊臣軍）ではなく、朝鮮の民衆。豊臣軍が順調に（朝鮮軍の抵抗があったとは思えないほど）素早く北上しており、近付いてくるのに民衆を捨てて逃げ出す王族や両班に民衆は怒り石を投げ打ち、宮殿は略奪され火を放たれており、京城（ソウル）に豊臣軍が入城した時には宮殿が燃え上がっていた事が当時の武将が手記した中に記録されている。
1123年に宋の使節の一人として高麗に来た徐肯が著した見聞録。
高麗人ではなく、宋の使者の視点で12世紀当時の高麗社会を見たという点で、『高麗史（元本からの改竄歪曲が多く歴史史料価値は低い）』や『高麗使節要（高麗史に追随して記載されたものでやはり歴史資料価値は低い）』には伝わらない内容が多く、『高麗史（1444年）』や『高麗使節要（1452年）』に比べると資料的価値が遥かに高い。
高麗の様々な実情を絵と文章で説明したため「圖經」と呼ばれる。
1126年、金国が宋の首都を陥落させたときに徽宗に献上した正本が失われた。1167年、徐蕆の甥の徐蕆が徐蕆の家にあった副本に基づき景江郡で刊刻したが、その副本には絵がない。
今ある本は、『知不足齋叢書』にこの本を収録・刊行したことに由来する。この本は清の乾隆年間に鮑廷博(1728‐1814)が編集し，子の鮑志祖が続修して1821〜1850年で作られた物。つまり19世紀中期の刊行物で、1123年版とどれぐらい違うかは分かっていない。
今ある本自体が、明朝末期（17世紀前半頃）の鄭休仲の鄭本がベースになっているが、自分の所蔵の写本と正本を參合して刊行したものである。鮑廷博は「建都3年（北宋だと1000年だが、ここでは南宗の1129年を指す）に刊行された宋版本と刊行年代不詳の高麗版本があるが見ることができず、世に伝わるのは明朝末期の鄭休仲の鄭本だけである。この正本は鄭休仲の鄭本が脱字が数千字に達し、また錯簡（書物のページの順序や文字・文章の前後が乱れていること）で読めない部分がある」と指摘していることからも、その鄭本が良くなかったようだ。
しかし、その知不足齋本も不十分な点が多く、彼は発問の中で「宋版本の出現を待ってその誤りを正すと」いう言葉で残念な気持ちを表ている通り、かなり不備や誤字脱字が多いものになっている本である。
この本を朝鮮で近代に広めたのは1910年代初頭に日本人が「朝鮮の文献保護」の為に1908年に設立した『朝鮮古書刊行会』で中国で19世紀に刊行された『知不足齋本』を活印したから。
1932年には日本人学者今西龍も『朝鮮学叢書』の一つとして活印したが、やはり『知不足齋本』を活印した。
建都3年に刊行された宋版本一質を所蔵していた中国北京の故宮博物院で1931年『天祿琳琅叢書』第1集の一つとして影印している。これは現在、米国ハーバード大学の哈佛燕京図書館に所蔵されており、1970年に梨花女子大学の梨花史学研究所で再印刷されたものがある。
韓国では「高麗の歴史的事実を誤って理解して記述した部分も少なくない」と言っている者もいるが、高麗時代の後期に高麗の正当性をるために、歴史的な史実を無視し、改竄歪曲捏造創作した内容が数多く盛り込まれている『三國史記（12世紀）』『三國遺事（13世紀）』。あるいは、朝鮮時代の朝鮮の正当性を作る為に、歴史的な史実を無視し、改竄歪曲捏造創作した内容が数多く盛り込まれている『高麗史（1444年）』や『高麗使節要（1452年』よりよほど当時の事を書いている。
というか、高麗時代・朝鮮時代・韓国時代などでは、改竄歪曲捏造創作した文献が多すぎる。
高麗人ではなく、宋の使者の視点で12世紀当時の高麗社会を見たという点で、『高麗史（元本からの改竄歪曲が多く歴史史料価値は低い）』や『高麗使節要（高麗史に追随して記載されたものでやはり歴史資料価値は低い）』には伝わらない内容が多く、『高麗史（1444年）』や『高麗使節要（1452年）』に比べると資料的価値が遥かに高い。
高麗の様々な実情を絵と文章で説明したため「圖經」と呼ばれる。
1126年、金国が宋の首都を陥落させたときに徽宗に献上した正本が失われた。1167年、徐蕆の甥の徐蕆が徐蕆の家にあった副本に基づき景江郡で刊刻したが、その副本には絵がない。
今ある本は、『知不足齋叢書』にこの本を収録・刊行したことに由来する。この本は清の乾隆年間に鮑廷博(1728‐1814)が編集し，子の鮑志祖が続修して1821〜1850年で作られた物。つまり19世紀中期の刊行物で、1123年版とどれぐらい違うかは分かっていない。
今ある本自体が、明朝末期（17世紀前半頃）の鄭休仲の鄭本がベースになっているが、自分の所蔵の写本と正本を參合して刊行したものである。鮑廷博は「建都3年（北宋だと1000年だが、ここでは南宗の1129年を指す）に刊行された宋版本と刊行年代不詳の高麗版本があるが見ることができず、世に伝わるのは明朝末期の鄭休仲の鄭本だけである。この正本は鄭休仲の鄭本が脱字が数千字に達し、また錯簡（書物のページの順序や文字・文章の前後が乱れていること）で読めない部分がある」と指摘していることからも、その鄭本が良くなかったようだ。
しかし、その知不足齋本も不十分な点が多く、彼は発問の中で「宋版本の出現を待ってその誤りを正すと」いう言葉で残念な気持ちを表ている通り、かなり不備や誤字脱字が多いものになっている本である。
この本を朝鮮で近代に広めたのは1910年代初頭に日本人が「朝鮮の文献保護」の為に1908年に設立した『朝鮮古書刊行会』で中国で19世紀に刊行された『知不足齋本』を活印したから。
1932年には日本人学者今西龍も『朝鮮学叢書』の一つとして活印したが、やはり『知不足齋本』を活印した。
建都3年に刊行された宋版本一質を所蔵していた中国北京の故宮博物院で1931年『天祿琳琅叢書』第1集の一つとして影印している。これは現在、米国ハーバード大学の哈佛燕京図書館に所蔵されており、1970年に梨花女子大学の梨花史学研究所で再印刷されたものがある。
韓国では「高麗の歴史的事実を誤って理解して記述した部分も少なくない」と言っている者もいるが、高麗時代の後期に高麗の正当性をるために、歴史的な史実を無視し、改竄歪曲捏造創作した内容が数多く盛り込まれている『三國史記（12世紀）』『三國遺事（13世紀）』。あるいは、朝鮮時代の朝鮮の正当性を作る為に、歴史的な史実を無視し、改竄歪曲捏造創作した内容が数多く盛り込まれている『高麗史（1444年）』や『高麗使節要（1452年』よりよほど当時の事を書いている。
というか、高麗時代・朝鮮時代・韓国時代などでは、改竄歪曲捏造創作した文献が多すぎる。
高齢時代1251年の史料。
『牧隱集』목은집10
『圃隱集』포은집34
『高麗史』고려사02
世宗の時代に編纂されたもので、高麗時代に書かれた物ではない。漢文。
1444年に発刊したようだが、それは現存せず、あるのは1445年版。
高麗は1392年に滅亡しているが、この趣旨が朝鮮王朝の正当性を流布する為のものであり、内容には政治的な恣意的選択や歪曲があるのは分かっている。
1392年に編纂された『高麗国史』を元にしているが、朝鮮王朝を正当化させるために改竄に次ぐ改竄をされているので、世宗の時代の考えを知る為の史料にはなるが、高麗時代の史料にはならない。
高麗時代の『三国史記』や『三国遺事』もそうだし、朝鮮時代の『高麗史』もそうだが、それぞれの時代の王が、自分の王朝の権威付けや正当性を作ろうと、歴史的事実を歪曲改竄捏造創作しているものである。
これを見ると、諺文（ハングル）を作った世宗という人物像だが、自国には碌な文化歴史がないから、中国や日本の古く長い歴史や文化を模倣したかっただけでは？と思えますね。
1444年に発刊したようだが、それは現存せず、あるのは1445年版。
高麗は1392年に滅亡しているが、この趣旨が朝鮮王朝の正当性を流布する為のものであり、内容には政治的な恣意的選択や歪曲があるのは分かっている。
1392年に編纂された『高麗国史』を元にしているが、朝鮮王朝を正当化させるために改竄に次ぐ改竄をされているので、世宗の時代の考えを知る為の史料にはなるが、高麗時代の史料にはならない。
高麗時代の『三国史記』や『三国遺事』もそうだし、朝鮮時代の『高麗史』もそうだが、それぞれの時代の王が、自分の王朝の権威付けや正当性を作ろうと、歴史的事実を歪曲改竄捏造創作しているものである。
これを見ると、諺文（ハングル）を作った世宗という人物像だが、自国には碌な文化歴史がないから、中国や日本の古く長い歴史や文化を模倣したかっただけでは？と思えますね。
『高麗史（1444年）に追随する形でその僅か後に作成された、1452年の本。
内容の概ねは、朝鮮王朝を正当化させるために改竄に次ぐ改竄をされている高麗時代の史料にはならない『高麗史（1444年）』を縮約したと見ることができるもので、やはり歴史資料的価値は低いものだが、『高麗史（1444年）』にない内容が多数含まれている。
内容の概ねは、朝鮮王朝を正当化させるために改竄に次ぐ改竄をされている高麗時代の史料にはならない『高麗史（1444年）』を縮約したと見ることができるもので、やはり歴史資料的価値は低いものだが、『高麗史（1444年）』にない内容が多数含まれている。
15世紀に書かれている農業書。漢文。
農業に関する内容は、高麗時代の『農桑輯要』とかなり一致しているが、内容のうち、中国だけにある野菜や果物、動物の飼い方は削除されており、本来はない養蚕の部分が含まれている。食品部分は、焼酎・香料・玉子春など51種類の酒造りと酒の味を変えないようにする方法など4項、味噌は未醤・合わせ味噌・醤など13種類と味噌の味付けがあり、さらに7種類の酢づくりとキュウリ・ナス・冬瓜・冬虫夏草など22種類のキムチが出てくる。食品は魚・羊・豚皮・桔梗・たけのこ・キジなど7種類があり、生果・ナス・茄子・ワラビなど13種類の保存法と魚・卵・肉の干し方・茹で方8種類に加え、お粥6種類、餅7種類、麺類7種類、その他餃子・前菜・左盤・食혜・湯類と鶏肉や牛肉の煮物など180余りの項目が掲載されている。
農業に関する内容は、高麗時代の『農桑輯要』とかなり一致しているが、内容のうち、中国だけにある野菜や果物、動物の飼い方は削除されており、本来はない養蚕の部分が含まれている。食品部分は、焼酎・香料・玉子春など51種類の酒造りと酒の味を変えないようにする方法など4項、味噌は未醤・合わせ味噌・醤など13種類と味噌の味付けがあり、さらに7種類の酢づくりとキュウリ・ナス・冬瓜・冬虫夏草など22種類のキムチが出てくる。食品は魚・羊・豚皮・桔梗・たけのこ・キジなど7種類があり、生果・ナス・茄子・ワラビなど13種類の保存法と魚・卵・肉の干し方・茹で方8種類に加え、お粥6種類、餅7種類、麺類7種類、その他餃子・前菜・左盤・食혜・湯類と鶏肉や牛肉の煮物など180余りの項目が掲載されている。
『東文選』동문선 22
『東文選』は2つある。
1つは1478年の詩門選集『東文選』で、もう1つはは1713年の詩門選集『東文選』である。
酒の事が載っているのは、たぶん1478年版であるが、仏教を論破するなど朝鮮王朝を正当化し美化する記述が多々見られる。
漢文。
1つは1478年の詩門選集『東文選』で、もう1つはは1713年の詩門選集『東文選』である。
酒の事が載っているのは、たぶん1478年版であるが、仏教を論破するなど朝鮮王朝を正当化し美化する記述が多々見られる。
漢文。
1554年発刊。現存最も古いのは1568年に発刊された乙亥資版。漢文。
朝鮮時代の事大交隣をはじめ、日常生活に欠かせない一般常識などを選んでまとめたものである。
魚宿権の原撰から1771年に徐命膺が『攷事新書(ゴサシンソ)』として大幅に改訂・増補するまで、12回にわたって追記や改竄・内容の削除などがされ続けている。
初版本は現在伝わっているものはない。ただ、後刊本によってその体裁と内容が推測されるが、現存する最古本は1568年に発行された乙亥字本である。
對明関係を維持していた時期に編纂されたものは對明関係の記事が増加するが、明が滅亡した後に刊行されたものは對�肬襍犬竜�事を故意に採用しなかった（つまり削除している）。
前の刊本の對明関係記事を形式的に踏襲しながら、我が国の記事を大幅に増加させると改竄されているのである。
1576年に刊行された乙亥字復刻本は、坊刻本(民間で営利を目的とした書店刊行の書籍)の中で最も古いもの（日本ではもっと古いが）。
ちなみに説明には「日本の朝鮮出兵で多くが焼かれた」と言うが、焼いたのは王朝（王族や両班）に不満を持っていたそれ以外の朝鮮人たちである。
朝鮮出兵で何かまともな抵抗があったのかと疑問に思うほど素早く順調に北上清軍しており、それにびびり豊臣軍が来る前に自分たちだけはと宮殿から逃げ出した王族や両班に対して民衆が石を投げ打つなどをしており、豊臣軍が京城に辿り着いた時には、宮殿内を略奪した上で宮殿は燃え上がっていた事が記録に残っている。また、豊臣軍を歓迎し、協力しようとしていた事も記録されている（何故か、韓国では民衆が王族や両班に付き従い戦ったという具合に教えているようだが、史実は逆である。官吏が王族を捕まえ、加藤清正に差し出そうとしたが、暴行を加えた上で縄で縛っている様子に「主君筋に難たることを」と官吏に怒り、王族の縄を解き遇した記録もある）。また、豊臣軍は寺を1院焼いているが、この寺は既に朝鮮王朝により廃寺にされており、そこを武器などの倉庫にしていたのである。初め、加藤清正は「素晴らしい寺だ、保護しなければ」だったのだが、その神聖なる寺院を朝鮮王朝が荒らし武器などを置く倉庫にしていた事に仏に不敬と激しく怒り、仏の為にも仏罰として燃やしたというものである。
朝鮮時代の事大交隣をはじめ、日常生活に欠かせない一般常識などを選んでまとめたものである。
魚宿権の原撰から1771年に徐命膺が『攷事新書(ゴサシンソ)』として大幅に改訂・増補するまで、12回にわたって追記や改竄・内容の削除などがされ続けている。
初版本は現在伝わっているものはない。ただ、後刊本によってその体裁と内容が推測されるが、現存する最古本は1568年に発行された乙亥字本である。
對明関係を維持していた時期に編纂されたものは對明関係の記事が増加するが、明が滅亡した後に刊行されたものは對�肬襍犬竜�事を故意に採用しなかった（つまり削除している）。
前の刊本の對明関係記事を形式的に踏襲しながら、我が国の記事を大幅に増加させると改竄されているのである。
1576年に刊行された乙亥字復刻本は、坊刻本(民間で営利を目的とした書店刊行の書籍)の中で最も古いもの（日本ではもっと古いが）。
ちなみに説明には「日本の朝鮮出兵で多くが焼かれた」と言うが、焼いたのは王朝（王族や両班）に不満を持っていたそれ以外の朝鮮人たちである。
朝鮮出兵で何かまともな抵抗があったのかと疑問に思うほど素早く順調に北上清軍しており、それにびびり豊臣軍が来る前に自分たちだけはと宮殿から逃げ出した王族や両班に対して民衆が石を投げ打つなどをしており、豊臣軍が京城に辿り着いた時には、宮殿内を略奪した上で宮殿は燃え上がっていた事が記録に残っている。また、豊臣軍を歓迎し、協力しようとしていた事も記録されている（何故か、韓国では民衆が王族や両班に付き従い戦ったという具合に教えているようだが、史実は逆である。官吏が王族を捕まえ、加藤清正に差し出そうとしたが、暴行を加えた上で縄で縛っている様子に「主君筋に難たることを」と官吏に怒り、王族の縄を解き遇した記録もある）。また、豊臣軍は寺を1院焼いているが、この寺は既に朝鮮王朝により廃寺にされており、そこを武器などの倉庫にしていたのである。初め、加藤清正は「素晴らしい寺だ、保護しなければ」だったのだが、その神聖なる寺院を朝鮮王朝が荒らし武器などを置く倉庫にしていた事に仏に不敬と激しく怒り、仏の為にも仏罰として燃やしたというものである。
1554年の書物。漢文。
飢餓に疲れ栄養失調で重態に陥った人々の救急法から始まり、代用植物の調製法、それに必要な調味料と集中治療者の蘇生に必要な非常用酒を浸す方法も記述した。朝鮮時代初・中期の食糧政策の一環を見る資料となる。
飢餓に疲れ栄養失調で重態に陥った人々の救急法から始まり、代用植物の調製法、それに必要な調味料と集中治療者の蘇生に必要な非常用酒を浸す方法も記述した。朝鮮時代初・中期の食糧政策の一環を見る資料となる。
唐代漢樂の『四時贊要』を要約した1590年の農業書。
申洬が編纂した『農家集成』下篇に収録されている写本。
この本は、唐の韓鄂が作ったという『四時纂要』を要約したものと思われるが、一部、朝鮮のものも入っている。
1960年に日本で朝鮮時代の1590年に版刻された『四時纂要』(995年の中国本の複製)が発見され、1961年にその影印本が山本書店で刊行されたことがある。この影印本の解題も指摘しているように、唐時代の農業技術や農村民俗を知るのに良い資料である。
というか、唐の時代の農法書を手に入れて朝鮮が研究しようとした本でしかない。また、記載内容から、ここに書かれている朝鮮酒が唐時代からあった事にならない。
申洬が編纂した『農家集成』下篇に収録されている写本。
この本は、唐の韓鄂が作ったという『四時纂要』を要約したものと思われるが、一部、朝鮮のものも入っている。
1960年に日本で朝鮮時代の1590年に版刻された『四時纂要』(995年の中国本の複製)が発見され、1961年にその影印本が山本書店で刊行されたことがある。この影印本の解題も指摘しているように、唐時代の農業技術や農村民俗を知るのに良い資料である。
というか、唐の時代の農法書を手に入れて朝鮮が研究しようとした本でしかない。また、記載内容から、ここに書かれている朝鮮酒が唐時代からあった事にならない。
『酒方文』주방문04
『飮食法』최씨음식법 13
『破閑集』파한집21
1670年の書物。ハングルだけで書かれた最初の調理書。
母親が娘と嫁の為に書いたものらしい。
麺・餅・餃子・沈菜・蒸し物・煮物・汁物・薬菓など25種類の料理の作り方や、酒・蝋燭の作り方、肉・果物・野菜・魚介類の保存方法などが記されている。
全132項目のうち、酒に関するものが51項目あり、酒作りが上流階級の主婦の重要な仕事であったことがわかる。また、犬肉の調理法も多く記されており、犬肉の茹で方、犬肉の煮込み方、犬肉の煮込み方、犬肉の煮込み方など、犬肉を多様に利用していたことがわかる。高麗末期に登場した発酵餅である霜花の具体的な調理法が文献上初めて記載されていたり、でんぷん・緑豆粉・そばなどを利用した麺類（これは押し出し麺で中国式の麺）や、燻煙法による肉の保存法が記されている。
母親が娘と嫁の為に書いたものらしい。
麺・餅・餃子・沈菜・蒸し物・煮物・汁物・薬菓など25種類の料理の作り方や、酒・蝋燭の作り方、肉・果物・野菜・魚介類の保存方法などが記されている。
全132項目のうち、酒に関するものが51項目あり、酒作りが上流階級の主婦の重要な仕事であったことがわかる。また、犬肉の調理法も多く記されており、犬肉の茹で方、犬肉の煮込み方、犬肉の煮込み方、犬肉の煮込み方など、犬肉を多様に利用していたことがわかる。高麗末期に登場した発酵餅である霜花の具体的な調理法が文献上初めて記載されていたり、でんぷん・緑豆粉・そばなどを利用した麺類（これは押し出し麺で中国式の麺）や、燻煙法による肉の保存法が記されている。
『穡經』색경23
1676年の書物。
種穀として、水稲・大麦・小麦・雑穀・キビ・モロコシ・大豆・小豆・ゴマ・シソ・麻・苧麻・綿花などについて説明し、 種諸瓜菜法で胡瓜・西瓜・瓢箪・冬瓜・里芋・あおさ・茄子・大根・蕪・辛子・生姜・大蒜・葱・韮・レタス・茸・紅花・藍などの栽培法、種諸樹法で木々の栽培法を説明している。また、種諸果法として、梨・桃・オヤツ・アンズ・杏・菱・ナツメ・栗・柿・柿・モモ・銀杏・ブドウなどの栽培法、 種諸花法として蓮・菊・菊・地黄・フェンネル・麻・ウイキョウなどの草花や薬草の栽培法、そして果樹の接ぎ木法である身椄・眼椄・皮椄・枝椄・圧椄・塔椄などの各方法などを詳しく説明している。これとともに、豚・鶏・ガチョウ・アヒルなどの飼育方法や養殖・養蜂に関する内容も記載されている。下巻では、養桑(養桑)と養蠶經(養蠶經)に大きく分け、細分化された項目に沿って、蚕の種処理から繭の糸を抜く過程まで詳しく述べられている。続いて、田家月令・田家占驗・製酒・製醋などが添付されている。
種穀として、水稲・大麦・小麦・雑穀・キビ・モロコシ・大豆・小豆・ゴマ・シソ・麻・苧麻・綿花などについて説明し、 種諸瓜菜法で胡瓜・西瓜・瓢箪・冬瓜・里芋・あおさ・茄子・大根・蕪・辛子・生姜・大蒜・葱・韮・レタス・茸・紅花・藍などの栽培法、種諸樹法で木々の栽培法を説明している。また、種諸果法として、梨・桃・オヤツ・アンズ・杏・菱・ナツメ・栗・柿・柿・モモ・銀杏・ブドウなどの栽培法、 種諸花法として蓮・菊・菊・地黄・フェンネル・麻・ウイキョウなどの草花や薬草の栽培法、そして果樹の接ぎ木法である身椄・眼椄・皮椄・枝椄・圧椄・塔椄などの各方法などを詳しく説明している。これとともに、豚・鶏・ガチョウ・アヒルなどの飼育方法や養殖・養蜂に関する内容も記載されている。下巻では、養桑(養桑)と養蠶經(養蠶經)に大きく分け、細分化された項目に沿って、蚕の種処理から繭の糸を抜く過程まで詳しく述べられている。続いて、田家月令・田家占驗・製酒・製醋などが添付されている。
『要錄』요록19
1698年の食品の種類や加工法、農作物栽培などについて記録した農業書。
『飮食譜』음식보12
1766年の編纂書。
中国の文献も多く入り、従来の『森林経済』を修正・添削はもちろん大幅に増補することになったもの。
『山林經濟（18世紀初期頃）』と比較すれば、約50年の間にどのような文化が出来たかもわかる（はず）。
「金陽雑録」を多く引用し、「甘底種食法」の内容も加えられている。他に稲の品種名が追加され、名前にもハングル名が追加されたことがわかる。
また、トウモロコシの栽培法が最初にでてくるのもこの本。
日本にはトウモロコシは1579年と187年前に来ており、江戸時代の農学者宮崎安貞が『農業全書』（1697年）の中で菓子の原料に向くと記載した[51]。人見必大による料理書『本朝食鑑』（1697年）には「火にあぶって食べるか、乾燥して粉に挽き、餅にするのもよい」と書かれ、加工品として食されていた事が記録にある。阿蘇山麗でも栽培をしていたので、トウモロコシは日本から朝鮮半島に渡ったと考えられる。
中国の文献も多く入り、従来の『森林経済』を修正・添削はもちろん大幅に増補することになったもの。
『山林經濟（18世紀初期頃）』と比較すれば、約50年の間にどのような文化が出来たかもわかる（はず）。
「金陽雑録」を多く引用し、「甘底種食法」の内容も加えられている。他に稲の品種名が追加され、名前にもハングル名が追加されたことがわかる。
また、トウモロコシの栽培法が最初にでてくるのもこの本。
日本にはトウモロコシは1579年と187年前に来ており、江戸時代の農学者宮崎安貞が『農業全書』（1697年）の中で菓子の原料に向くと記載した[51]。人見必大による料理書『本朝食鑑』（1697年）には「火にあぶって食べるか、乾燥して粉に挽き、餅にするのもよい」と書かれ、加工品として食されていた事が記録にある。阿蘇山麗でも栽培をしていたので、トウモロコシは日本から朝鮮半島に渡ったと考えられる。
『三峯集』삼봉집26
19世紀初頭から中期に書かれた書物。
この本で紹介されている料理の種類は蒸し物・やや塩辛く煮詰めたり調味したりして作ったおかず（佐飯：ご飯のお供みたいなの）・チヂミ・キムチ・豆腐・餅など8種類、酒は27種類もあり、副題に主食房と書かれている。
この本で紹介されている料理の種類は蒸し物・やや塩辛く煮詰めたり調味したりして作ったおかず（佐飯：ご飯のお供みたいなの）・チヂミ・キムチ・豆腐・餅など8種類、酒は27種類もあり、副題に主食房と書かれている。
1830年頃に書いた農業書。
中国の経書・史書・農書・博物志、そして韓国の『東醫寶鑑（1610年）』『山林經濟（18世紀初期頃）』など数多くの書物を引用して編纂した書物。
酒については第10巻にあり、酒・肉膳・魚品などが論述されているが、『増補山林経済』の内容と同じであり、酒に関しては菊花酒など25種類の酒の漬け方が追加されている。肉料理は火肉など16種、魚料理は風魚法・魚醬法など15種の調理法が記されている。
中国の経書・史書・農書・博物志、そして韓国の『東醫寶鑑（1610年）』『山林經濟（18世紀初期頃）』など数多くの書物を引用して編纂した書物。
酒については第10巻にあり、酒・肉膳・魚品などが論述されているが、『増補山林経済』の内容と同じであり、酒に関しては菊花酒など25種類の酒の漬け方が追加されている。肉料理は火肉など16種、魚料理は風魚法・魚醬法など15種の調理法が記されている。
『陽酒方』양주방08
1849年発刊。
歴史的な部分には、中国の史料の引用が多い。これは、朝鮮にはほとんど残っていない為である。
先にある『京都雜志』から内容をパクっていたりする。
朝鮮時代後期については比較的しっかり記載があるが、中期以前の内容には信頼性があまりない。
内容をきちんと精査すべきだと『東國歲時記』』の本文批判も行っているが、それも韓国人が行っているのではなく（韓国では盲目的断定的に内容を利用している）、日本人が行っている。
歴史的な部分には、中国の史料の引用が多い。これは、朝鮮にはほとんど残っていない為である。
先にある『京都雜志』から内容をパクっていたりする。
朝鮮時代後期については比較的しっかり記載があるが、中期以前の内容には信頼性があまりない。
内容をきちんと精査すべきだと『東國歲時記』』の本文批判も行っているが、それも韓国人が行っているのではなく（韓国では盲目的断定的に内容を利用している）、日本人が行っている。
19世紀中期に初版が出ており、それ以後、数度の追記がされ版を重ねられている。
酒の種類が40種、その他のレシピが32種掲載されており、『山林經濟（18世紀初期頃）』や『増補山林經濟（1766年）』にもない内容が22種も収録されている。
酒の種類が40種、その他のレシピが32種掲載されており、『山林經濟（18世紀初期頃）』や『増補山林經濟（1766年）』にもない内容が22種も収録されている。
『酒饌』주찬48
1800年代に書かれた作者不明の漢文の料理本。
正確な編纂年代は不明だが、沈菜（キムチ）に唐辛子を使用している点、本の最後に乙卯という年代が記録されている点、東蘿蔔や黄香蘿蔔（ようは大根）を食べるレシピが記載されている点など、少なくとも19世紀中頃（1855年以前）に出版された本だと考えられている。
編纂者も不明だが、朝鮮味噌を忠清南道の方言であるドンジャンと呼んでいることから、少なくとも著者の出身地は忠清南道地域と考えられている。
酒の作り方80種などが載っている。が、『酒饌』には『秋葡酒』『石炭香（惜呑酒）』『節酒』『松桂春』『桃花春（桃花酒）』『銀花春』『白灘香?』『震香酒?】など、独特な酒名が多く、この『酒饌』にしかその名前が載っていない酒が多い。
所感だが、「作られていた酒」というより、酒好きの筆者が様々に試作した酒なども載せていたのでは？と思う。
例えば、『惜呑酒』の作り方を自分でしてみて、その匂いが石炭の匂いがしたから「『石炭香』という名前を付けた」とかではないだろうか。
下酒と上酒を、別々の酒の手法を組み合わせてみたらどうなるだろうか……など私的な実験をしていたのではないかと思う。
正確な編纂年代は不明だが、沈菜（キムチ）に唐辛子を使用している点、本の最後に乙卯という年代が記録されている点、東蘿蔔や黄香蘿蔔（ようは大根）を食べるレシピが記載されている点など、少なくとも19世紀中頃（1855年以前）に出版された本だと考えられている。
編纂者も不明だが、朝鮮味噌を忠清南道の方言であるドンジャンと呼んでいることから、少なくとも著者の出身地は忠清南道地域と考えられている。
酒の作り方80種などが載っている。が、『酒饌』には『秋葡酒』『石炭香（惜呑酒）』『節酒』『松桂春』『桃花春（桃花酒）』『銀花春』『白灘香?』『震香酒?】など、独特な酒名が多く、この『酒饌』にしかその名前が載っていない酒が多い。
所感だが、「作られていた酒」というより、酒好きの筆者が様々に試作した酒なども載せていたのでは？と思う。
例えば、『惜呑酒』の作り方を自分でしてみて、その匂いが石炭の匂いがしたから「『石炭香』という名前を付けた」とかではないだろうか。
下酒と上酒を、別々の酒の手法を組み合わせてみたらどうなるだろうか……など私的な実験をしていたのではないかと思う。
『酒方文』술방문47
松筍酒・百花酒・香�蘯鬚覆�8種類の酒の造り方について収録した本。ハングル写本。
「辛酉元月初七日」という延期があるが、1801年か1861年かは不明。
この本には、酒の造り方8種のほか、歌辭・書簡文などが慶尚北道安東地方の方言で書かれている。
酒の造り方としては、松筍酒・百花酒・香�蘯髻Ε献鵐献礇鷦髻�진장주）・惜呑酒・紅菜酒・杜鵑酒・月桂樹酒などが記録されている。
日本語訳をすれば同じ『酒方文』もあるが、こちらは漢文。
「辛酉元月初七日」という延期があるが、1801年か1861年かは不明。
この本には、酒の造り方8種のほか、歌辭・書簡文などが慶尚北道安東地方の方言で書かれている。
酒の造り方としては、松筍酒・百花酒・香�蘯髻Ε献鵐献礇鷦髻�진장주）・惜呑酒・紅菜酒・杜鵑酒・月桂樹酒などが記録されている。
日本語訳をすれば同じ『酒方文』もあるが、こちらは漢文。
19世紀末の酒の造り方と発酵食品の調理法について収録した調理書。
本のタイトルは「酒の作り方」になっているが、食べ物の作り方も一緒に記録されている。
合計30項のうち、酒に関するものは11項目である。酒の作り方や種類は他の本と大きく違うものがなく、食べ物の作り方としては発酵食品類11種が記録されている。
日本語訳にすると同じ名称の本があるが、別の本。でもどちらもハングル写本なので、元の本は同じかもしれない。
本のタイトルは「酒の作り方」になっているが、食べ物の作り方も一緒に記録されている。
合計30項のうち、酒に関するものは11項目である。酒の作り方や種類は他の本と大きく違うものがなく、食べ物の作り方としては発酵食品類11種が記録されている。
日本語訳にすると同じ名称の本があるが、別の本。でもどちらもハングル写本なので、元の本は同じかもしれない。
『酒政』주정30
1900年前後に発刊された百科事典。漢文。
朝鮮時代後期の農業や政府の農業政策をはじめとする漁業・医学など農村の生活全般を扱った本。
15世紀の農業書や17世紀の医学書など、朝鮮時代に作られた文献を編纂し纏めたものなので、どの年代の記述なのかは個別に調べないと分からない。
また編纂自体は、1840年代半ばにほぼ完成しているのだが刊行はされず、その後も手を入れ続けられており、何年に何処を変更しているのか分からないので、発刊年の1900年前後としている。
朝鮮時代後期の農業や政府の農業政策をはじめとする漁業・医学など農村の生活全般を扱った本。
15世紀の農業書や17世紀の医学書など、朝鮮時代に作られた文献を編纂し纏めたものなので、どの年代の記述なのかは個別に調べないと分からない。
また編纂自体は、1840年代半ばにほぼ完成しているのだが刊行はされず、その後も手を入れ続けられており、何年に何処を変更しているのか分からないので、発刊年の1900年前後としている。
1910年に設立された韓国古典刊行団体。
説明には「崔南善らが古文書の保存と反布、古文化の顕揚を目的として設立した。1907年以来、崔南善は出版事業を通じた民族の啓蒙と国権回復を目的として新文館(新聞館)を創設し、『大韓歴史』『大韓地誌』『外国地誌』などの書籍と雑誌『少年』を発刊した」とある。さらに続く「1910年、日帝は朝鮮を強占した後、毎年貴重な書籍や国宝級の国家遺産を持ち帰った。これに衝撃を受け、民族伝統の継承のための古典出版及び普及運動の必要性を感じた。崔南善・玄采・朴殷植らは朝鮮光文会を組織した。朝鮮広文会は、古典の刊行、貴重な文書の収集・編纂・開墾による保存・伝播を目的とした」と説明にあるが、これは発刊の動機は嘘であるし、崔南善は朝鮮の詩人や歴史家であり、朝鮮の近代詩文学の基礎となった近代朝鮮文学の開拓者である。
「古典の刊行、貴重な文書の収集・編纂・開墾による保存・伝播を目的とした」というのは本当だが、それよりもきちんとした「古典の刊行、貴重な文書の収集・編纂・開墾による保存・伝播を目的とした」をしていたのは、日本人の朝鮮研究者たちが主メンバーであった「朝鮮古書刊行会」である。
崔南善は自ら出版社を起こし、文学の発展に寄与した事業家で、雑誌『少年』に載せられた新体詩は朝鮮の近代詩文学の基礎となった人物である。
1901年、南善が11歳のとき玄晶運の6番目の娘と結婚。その3年後の第一次日韓協約が締結された1904年、皇室特派留学生の一人に選ばれ班長として東京府立第一中学校に入学。しかし崔麟ら彼より年上の朝鮮人留学生達の常識はずれの行動に憤り、入学から3ヶ月で帰国してしまう。その後、1906年、16歳のときに再び渡日、早稲田大学の高師部地理歴史科に入学した。だがその年、大学での「模擬国会事件」のため学校をやめ帰国。帰国した南善は傾く国（朝鮮）を立て直したいと出版社を起こすのが1908年、日本統治より前の大韓帝国時代である。
1928年12月、南善は朝鮮総督府の朝鮮史編修会の委員になる。世間はこれに対し南善を非難し韓龍雲からは「崔南善という人は、私の中ではもう亡くなった人だ」とまで言われたという。1939年、大日本帝国は満州国の長春に建国大学を設け、その教授の1人に南善を指名、南善は満州に赴き教鞭を執った。
『朝鮮光文會』に先立ち「朝鮮古書刊行会」という組織が1908年10月に設立し、韓国併合（1910年8月29日）と同時に朝鮮古典籍を出版した組織が存在する。
この「朝鮮古書刊行会」のメンバーは主に日本人であり、1911年10月の朝鮮群書体系第一期刊行完了の辞によれば「朝鮮の文献保護を思い六箇年計画にて朝鮮古書刊行を企て」たとあり、會評議員には千葉昌胤（奎章閣嘱託）・河合弘民（東洋専門学校）・小田省吾（学部書記）・黒崎美智雄（奎章閣課長）・前間恭作（通譯官）・国分象太郎（人事局長）・浅見倫太郎・鮎貝房之進・菊池謙譲らが名を連ねている。これらの人物は、みな朝鮮研究の先駆者である。このように「朝鮮民族伝統の継承のための古典出版及び普及運動」は日本人がまず行動を起こしているのである。これは、諺文（ハングル）を使うべきだと国漢文混用を作り出したり、また諺文の文字の整理や朝鮮語構文がの整備をまず日本が積極的に行っていたのと同じである（それより前、1899年に日本で作られた「朝鮮会」という朝鮮研究する組織が出来ている）。この「朝鮮古書刊行会」のメンバーの1人である前間恭作は、「朝鮮光文会」の会員であり、崔南善に協力していた事が判っている。
崔南善は李光洙と共に近代朝鮮文学の開拓者であり、日本人たちが行っていた「古典の刊行、貴重な文書の収集・編纂・開墾による保存・伝播を目的とした活動」に感銘を受け、しかしそれは本来は朝鮮人自身がするべきだと行動を起こした人物なのだ。しかし、死後は親日反民族行為者に認定されたため、2019年に春川市にあった石碑が撤去され地中に埋められた。
こういう事をするから、韓国は「正しい歴史認識が出来ない」のだろう。
日本は日韓併合時代もそうだが、それ以前から朝鮮の文化を記録し残す努力をしている。朝鮮時代の文化・資料を損なっていたのは朝鮮人たちで、崔南善はそれに対して嘆き朝鮮人として行動を起こしたという事である。朝鮮半島において朝鮮総督府による官主導の歴史・考古学的調査が大規模に行われ、これは一般に「古蹟調査」と呼び習わされるが、崔南善もこの調査に関心を持ち活動したと言うもので、朝鮮半島の史料や史跡の発掘と整理は、朝鮮人が「日本が文化抹殺を行っている」と始めたものではなく、日本人が「朝鮮の文化歴史を整理し残そう」として始めたものなのである。
1927年に「朝鮮と朝鮮民族」第1集に天から下った桓雄と壇君に代表される「不咸文化」は朝鮮起源で古代中国や日本で文化を形成し、ユーラシア全域に広まったとする朝鮮ナショナリズム満載の『不咸文化論』を発表しており、「古朝鮮の領域が中国本土まで及んでおり、百済も高句麗も新羅も日本に多くの植民地を持っていた」と主張していた人物で、今の「韓国起源説」という荒唐無稽な俗説が次々と韓国で創作するのに大きな影響を与えている（度々そのような「捏造の伝統」などは朝鮮では行われており、「三国遺事」を描いた一然なんかもそうですね）。
竹島問題にもかかわっており、李承晩ラインについて関係者が崔南善から「独島」が韓国領であることを「確信できる程度の説明を受けた」といっているが、崔南善自身は1948年発行の『朝鮮に関する一般知識』のなかで、朝鮮の東端を東経130度56分23秒（「慶尚北道 鬱陵島 竹島」、ここでいう「竹島」は鬱陵島に東接する「竹嶼」のこと）と記しており、島根県竹島（韓国名、独島）を朝鮮（韓国）領とは認めていない。また、崔が1953年8月から『ソウル新聞』に連載した「欝陵島と独島」においても、竹島を韓国領とする論拠は乏しいものであり、それは独島を、朝鮮の文献に登場する「三峰島を指すのかもしれない」「可支島ではないか」という程度のものであった。
説明には「崔南善らが古文書の保存と反布、古文化の顕揚を目的として設立した。1907年以来、崔南善は出版事業を通じた民族の啓蒙と国権回復を目的として新文館(新聞館)を創設し、『大韓歴史』『大韓地誌』『外国地誌』などの書籍と雑誌『少年』を発刊した」とある。さらに続く「1910年、日帝は朝鮮を強占した後、毎年貴重な書籍や国宝級の国家遺産を持ち帰った。これに衝撃を受け、民族伝統の継承のための古典出版及び普及運動の必要性を感じた。崔南善・玄采・朴殷植らは朝鮮光文会を組織した。朝鮮広文会は、古典の刊行、貴重な文書の収集・編纂・開墾による保存・伝播を目的とした」と説明にあるが、これは発刊の動機は嘘であるし、崔南善は朝鮮の詩人や歴史家であり、朝鮮の近代詩文学の基礎となった近代朝鮮文学の開拓者である。
「古典の刊行、貴重な文書の収集・編纂・開墾による保存・伝播を目的とした」というのは本当だが、それよりもきちんとした「古典の刊行、貴重な文書の収集・編纂・開墾による保存・伝播を目的とした」をしていたのは、日本人の朝鮮研究者たちが主メンバーであった「朝鮮古書刊行会」である。
崔南善は自ら出版社を起こし、文学の発展に寄与した事業家で、雑誌『少年』に載せられた新体詩は朝鮮の近代詩文学の基礎となった人物である。
1901年、南善が11歳のとき玄晶運の6番目の娘と結婚。その3年後の第一次日韓協約が締結された1904年、皇室特派留学生の一人に選ばれ班長として東京府立第一中学校に入学。しかし崔麟ら彼より年上の朝鮮人留学生達の常識はずれの行動に憤り、入学から3ヶ月で帰国してしまう。その後、1906年、16歳のときに再び渡日、早稲田大学の高師部地理歴史科に入学した。だがその年、大学での「模擬国会事件」のため学校をやめ帰国。帰国した南善は傾く国（朝鮮）を立て直したいと出版社を起こすのが1908年、日本統治より前の大韓帝国時代である。
1928年12月、南善は朝鮮総督府の朝鮮史編修会の委員になる。世間はこれに対し南善を非難し韓龍雲からは「崔南善という人は、私の中ではもう亡くなった人だ」とまで言われたという。1939年、大日本帝国は満州国の長春に建国大学を設け、その教授の1人に南善を指名、南善は満州に赴き教鞭を執った。
『朝鮮光文會』に先立ち「朝鮮古書刊行会」という組織が1908年10月に設立し、韓国併合（1910年8月29日）と同時に朝鮮古典籍を出版した組織が存在する。
この「朝鮮古書刊行会」のメンバーは主に日本人であり、1911年10月の朝鮮群書体系第一期刊行完了の辞によれば「朝鮮の文献保護を思い六箇年計画にて朝鮮古書刊行を企て」たとあり、會評議員には千葉昌胤（奎章閣嘱託）・河合弘民（東洋専門学校）・小田省吾（学部書記）・黒崎美智雄（奎章閣課長）・前間恭作（通譯官）・国分象太郎（人事局長）・浅見倫太郎・鮎貝房之進・菊池謙譲らが名を連ねている。これらの人物は、みな朝鮮研究の先駆者である。このように「朝鮮民族伝統の継承のための古典出版及び普及運動」は日本人がまず行動を起こしているのである。これは、諺文（ハングル）を使うべきだと国漢文混用を作り出したり、また諺文の文字の整理や朝鮮語構文がの整備をまず日本が積極的に行っていたのと同じである（それより前、1899年に日本で作られた「朝鮮会」という朝鮮研究する組織が出来ている）。この「朝鮮古書刊行会」のメンバーの1人である前間恭作は、「朝鮮光文会」の会員であり、崔南善に協力していた事が判っている。
崔南善は李光洙と共に近代朝鮮文学の開拓者であり、日本人たちが行っていた「古典の刊行、貴重な文書の収集・編纂・開墾による保存・伝播を目的とした活動」に感銘を受け、しかしそれは本来は朝鮮人自身がするべきだと行動を起こした人物なのだ。しかし、死後は親日反民族行為者に認定されたため、2019年に春川市にあった石碑が撤去され地中に埋められた。
こういう事をするから、韓国は「正しい歴史認識が出来ない」のだろう。
日本は日韓併合時代もそうだが、それ以前から朝鮮の文化を記録し残す努力をしている。朝鮮時代の文化・資料を損なっていたのは朝鮮人たちで、崔南善はそれに対して嘆き朝鮮人として行動を起こしたという事である。朝鮮半島において朝鮮総督府による官主導の歴史・考古学的調査が大規模に行われ、これは一般に「古蹟調査」と呼び習わされるが、崔南善もこの調査に関心を持ち活動したと言うもので、朝鮮半島の史料や史跡の発掘と整理は、朝鮮人が「日本が文化抹殺を行っている」と始めたものではなく、日本人が「朝鮮の文化歴史を整理し残そう」として始めたものなのである。
1927年に「朝鮮と朝鮮民族」第1集に天から下った桓雄と壇君に代表される「不咸文化」は朝鮮起源で古代中国や日本で文化を形成し、ユーラシア全域に広まったとする朝鮮ナショナリズム満載の『不咸文化論』を発表しており、「古朝鮮の領域が中国本土まで及んでおり、百済も高句麗も新羅も日本に多くの植民地を持っていた」と主張していた人物で、今の「韓国起源説」という荒唐無稽な俗説が次々と韓国で創作するのに大きな影響を与えている（度々そのような「捏造の伝統」などは朝鮮では行われており、「三国遺事」を描いた一然なんかもそうですね）。
竹島問題にもかかわっており、李承晩ラインについて関係者が崔南善から「独島」が韓国領であることを「確信できる程度の説明を受けた」といっているが、崔南善自身は1948年発行の『朝鮮に関する一般知識』のなかで、朝鮮の東端を東経130度56分23秒（「慶尚北道 鬱陵島 竹島」、ここでいう「竹島」は鬱陵島に東接する「竹嶼」のこと）と記しており、島根県竹島（韓国名、独島）を朝鮮（韓国）領とは認めていない。また、崔が1953年8月から『ソウル新聞』に連載した「欝陵島と独島」においても、竹島を韓国領とする論拠は乏しいものであり、それは独島を、朝鮮の文献に登場する「三峰島を指すのかもしれない」「可支島ではないか」という程度のものであった。
『雲養集』운양집38
日本統治時代、1919年に発刊された。
上巻には、醤・キムチ・ご飯・米飯・米酒・原米・お粥・煮物・蒸し物・煮物・禅・湯・新線路・刺身・麺・餃子・鍋・鍋・焼き物・ポー・長肉・刺身・滋味・菜の花・煮物・和え物・和え物・略式などが収録されており、下巻には、前菜・編・煮物・生実果・薬酒・供物・刺身・野菜一覧・各種染色・書答法・半上図式まで収録されている。が、作られた時期により、開国後の西洋や日本の料理や手法に影響されたものが数多くみられるので、朝鮮時代の食事や酒作りを記載していると言えるかは難しい。
そもそも、この『是議全書』という本は1919年沈�誌�という人が慶尚北道尚州軍需に赴任して、そこで両班家に所蔵されていた調理書借りて複写したといわれているが、後、彼の嫁洪貞夫人に伝わり、それが故人となった食品学者李盛雨教授に伝達され、1970年代になって初めて世の中に知られた、という何とも出自が怪しい本なのである。
上巻には、醤・キムチ・ご飯・米飯・米酒・原米・お粥・煮物・蒸し物・煮物・禅・湯・新線路・刺身・麺・餃子・鍋・鍋・焼き物・ポー・長肉・刺身・滋味・菜の花・煮物・和え物・和え物・略式などが収録されており、下巻には、前菜・編・煮物・生実果・薬酒・供物・刺身・野菜一覧・各種染色・書答法・半上図式まで収録されている。が、作られた時期により、開国後の西洋や日本の料理や手法に影響されたものが数多くみられるので、朝鮮時代の食事や酒作りを記載していると言えるかは難しい。
そもそも、この『是議全書』という本は1919年沈�誌�という人が慶尚北道尚州軍需に赴任して、そこで両班家に所蔵されていた調理書借りて複写したといわれているが、後、彼の嫁洪貞夫人に伝わり、それが故人となった食品学者李盛雨教授に伝達され、1970年代になって初めて世の中に知られた、という何とも出自が怪しい本なのである。
1924年の日本統治時代に発刊された本。このように、朝鮮文化を残す事に対して、日本は制限したりをしていない。
『林園經濟志（1900年前後）』をもとに重要な事項を選び出し、朝鮮料理を骨子としながら、ここに日本や西洋の新しい調理法・加工法を所々挿入していったもの。
つまり、「新しい韓国料理」を作っていったというものである。
朝鮮の伝統的な料理などにはならないが、日本統治の当時、どのような料理が出来てきていたかが分かる。
『林園經濟志（1900年前後）』をもとに重要な事項を選び出し、朝鮮料理を骨子としながら、ここに日本や西洋の新しい調理法・加工法を所々挿入していったもの。
つまり、「新しい韓国料理」を作っていったというものである。
朝鮮の伝統的な料理などにはならないが、日本統治の当時、どのような料理が出来てきていたかが分かる。
『』?49
『』?50
【その他】
色々と史料あげていますが、その中には後年、19世紀後半に書かれたものもあるとは思います。
特に、製作とされる年からみて19世紀や20世紀になる後年の時代まで他の史料には名前が出てこない資料については、疑わしい可能性もあるという目も持つ必要があります。
特に、製作とされる年からみて19世紀や20世紀になる後年の時代まで他の史料には名前が出てこない資料については、疑わしい可能性もあるという目も持つ必要があります。
