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朝鮮半島の農業編集する

最終更新： mitsuko_tada mitsuko_tada 2025年07月14日(月) 19:23:13履歴

【朝鮮半島の農業】

きちんと記録があるのが、1910年、つまり日本統治時代からである。
様々な測量結果や戸数、生産量をかなり細かくデータをとっている。
『朝鮮総督府統計年報』
以外にも
『日本帝国統計年鑑』
『日本帝国統計摘要』
など、毎年のように出ていたので確認できる。これらから、韓国では「日本は搾取した」と言うが、本当かどうかはデータが全て残っているのだ。
また、たまに日本の外交部が入手したそれ以前の朝鮮半島（大韓帝国）の輸出量などが記録されているものもあった。

【朝鮮での農地改革】

1910年当時は面積あたりの収穫量は日本の半分以下で、また灌漑設備が基本的になく、自然降雨に頼る農業であり3年に1度は不作になる状況であったので、実質は面積当たりで平均で日本の1/3以下程度の収穫量だった。そこで朝鮮総督府は土地測量を行い可農土地が約倍になり、灌漑設備や農地改善・農業技術改善行う。土地面積ばかり言われるが、実は灌漑設備や、それ以上に土壌改善が大変であり試行錯誤した記録がある。大量の堆肥を輸入して土壌改善をしており、今のように農業ができる土地に変えている（日本の土壌と基本的に異なり、朝鮮半島はアルカリ土壌が多く、アルカリ土壌は生産量がかなり低下する。ちなみに世界ではアルカリ土壌、すなわち不良土壌の方が多い）。

総督府の土地測量で土地は増えたが、その殆どを日本人が所有し、朝鮮人は土地を奪われた……というのも嘘で、日本人のその時の所有割合は分かっている。総督府の土地測量で可農土地面積を約2倍にしている。この全体の中で約3%つまり約200%になったうちの約6%と、総督府が所有する全体の4%（200％中8％）を合わせると、残りの約186%が朝鮮の人に再分配されたわけだ。
「土地を奪われた」というのも、嘘なのである。

ちなみに、日本人が朝鮮の農地所有が最大になるのが1935年だが、これは農業恐慌で朝鮮人農業従事者が土地を売ったのを日本人が買ったもので、強制的に奪ったものではない。この1935年時点でも日本人が朝鮮で所有した可耕作農地は全体10.2％となり、これが最大になる（ただし、生産性を考慮すると変わり、作物作成割合を見ると日本人が所有した土地での割合が増える。これを作為的に韓国では記載したデータを見せているが、実際を言うと、「購入時の生産性は、朝鮮人所有の農地よりも低い土地である」と言うのが分かる。ようは、朝鮮人が農業失敗して売りに出した土地を購入し、そこから農地や農業技術の改善する事により生産性を3倍ほどに上げたので、全体的な生産割合が高くなった、というだけである）。
【自力で出来たか？】
ちなみに、韓国人の中には「日本がしなくても出来た」などと言う者もいるが、不可能である。
これには幾つも理由があります。
まず農業そのものとしても、
  • 不正確な土地管理
    農作地が日本統治の土地計測で、倍になっている。
    今の韓国の国土地図も、この時の日本が行った測量が元になっている。
  • あまりなかった灌漑設備や治水設備
    これは、自然に任せた畑や田（天水田）が殆どだったという事と、天候によって川の氾濫などが簡単に発生したという事。3年に1度は発生したと言う飢饉の原因にもなっている。
  • 荒廃した土地
    現在の国土の15％程度しかなかった植生で、自然に対して反乱洪水や土砂崩れが普通に発生していた。
    山林が荒廃していたので大地の保水力が弱く、雨が降れば洪水のようになり栄養のある土壌が川まで洗い流されるような状態に、これも3年に1度は飢饉になっていたというのにも関係してくる。
という、土地の話。
  • 多くが野性的な品種
    品種改良をされていない野生種の形質を残した作物が多かった。
  • 基本的には種を撒いたらほったらかしという、自然任せの栽培方法。
という、農業技術の話もある。
さらに、あまり知られていないので、
  • 痩せた土地と肥料をあまり使わない農業
    土壌自体がやせ細っており、肥料も限定的に使うぐらいだったのである。使わなかったわけでもなく、朝鮮時代の農業書でも肥料の大切さなどは述べているが、日本に比べるとかなり少ないのだ。
    それを改善するために、朝鮮半島で肥料工場を作るまで朝鮮総督府は多量の肥料を輸入して土壌改造を行っている（ここらへんの人糞利用の話は、こちらが詳しい。肥料も使っていない事はないのだが、かなり限られておりはかなり限定的だったようである。「肥溜め」というのも、日本統治時代に広がったようである）。
    ちなみに京城で糞尿だらけだったのは、町ではトイレではなくおまるを使っており、パリよろしく窓から捨てていたからのようですね（ただし、パリには下水道があり雨が降れば流されたが、京城には下水道はない）。
  • 火田民（焼畑農業）が一般的であり、地力が乏しく（人が地力を焼失させている）、岩が転がる荒れた土地が多かった。
    そのため、日本統治では火田民を厳しく制限する必要があった。
というのがある。
また、根本的にだが、
  • 赤字破綻国家運営
    日本が保護国になるまえの1900年頃の時点で、歳入が歳出の半分という赤字国家運営だったのである（さらに歳出の1/4が軍備維持費、つまり歳入の半分が軍備維持費に使われていました）。
    これも、それだけでは済まず、その日本が被庇護国になる以前でもロシアやアメリカ、イギリスに騙されて朝鮮内の予算を越えるような事業を共同で行っており、大韓帝国が払えない、或いは活用がなく損失しか出ない事業を日本が助けて何とかなっていたのである。鉄道や発電所などがそれですね。これらについて、韓国人は「日本が奪った」と吹聴しているが、実際はまるで逆で、朝鮮が他外国と折半した費用も払えず、不良債権となるものを日本がカバーしたものです。そして線路や駅、電線などを咥える事により生活に使える「用がある設備」にしたから残っただけです。そうでなければ、建設だけして使い道がなく廃棄されるしかない物を作っていた行政になっていたものですね（ましてや、自国で施工する知識も技術もないので施行も他国に頼る、すなわち資産が海外流出しているわけです）。
    さらに、本来は大韓帝国が行うべき外交についても、内政に集中したいからと朝鮮側から日本に希い外交権を渡したもので、本来は大韓帝国が賄うべき外交費用を日本が負担したというものです。それでも内政失敗をし続け、歳入が歳出の1/4、あで低下。その為、大韓帝国は内政費用を作る為に軍隊を解散させます（これも、日本の負担になり。解散した軍人を雇い、治安維持に当てます。他にも、大韓帝国時代になっても進んでいなかった衛生や教育も、日本の費用で行われています。
    そもそもが、自国で生産能力があまりないので、他国に借金して賄っていた状況です。
朝鮮時代末期から大韓帝国時代というのは、政治腐敗や財政浪費など不正が蔓延り、内政に使える十分な予算を持っていない（というより浪費して消え失せている）というのも、大きな要因です。
この時代の朝鮮半島は、内政に注力したが農業に対して何かしようというのはなく（これは知識だけでなく、予算的にもですね）、ひたすら破綻の道を進んでいたのです。
【収穫量の増大】
韓国では「日本は収奪した」と学校で習うが、実際の生産量を比較できる。
・1910年では朝鮮の米収穫量は約1300万石だった（ただし3年に1度は凶作になっているので、実質は平均約867万石）。
・これを増産し、その増産分の約半分を輸出した。
というものである。この朝鮮の米生産量は韓国の出している二次史料で確認しても、
・1910年では約1300万石
・1930年には約2200万石
・ピークの1936年には約2700万石
と倍の米生産量になる。
つまり、1910年時点より多くの米が朝鮮内で生産された上で消費と輸出をされている。
ただ、誤算だったのが朝鮮時代の衛生予防や食糧事情の悪さであり、衛生教育や予防接種などで死亡率が下がり栄養改善で寿命が伸び、朝鮮の人の人口増加量が上回ったため、瞬時の数値だけで平均した場合は1人当たりの米消費量が減る（この際には総督府は朝鮮に海外米を輸入している。この輸入が出来るのも地道に朝鮮半島の経済力を上げてきたから出来るのである）。
これを歪曲して「収奪した」と韓国は言っているわけだ。
1938年からは世界恐慌が起こり、生産量は世界的にも墜ちる。それでも1910年よりはよほど多くの米を生産されている。
【米の輸出】
他の二次史料を参考にするとどうも誤差がある（実際とは違うバイアスが掛かっており、史実よりも少なく見積もっているのを感じる）ので、当時に記録された資料で生産量と輸出量などを再度調査すると、以下のようになる。

実際の記録を見ると、日本統治前は生産量が低いにも関わらず、主に中国に米を輸出していた事が判った。
日本統治では、輸出を抑制して朝鮮半島内での増産を行い、朝鮮人の腹を満たす事を優先している事が判る。1907年時の朝鮮半島の米の輸出量と同等の輸出量になるのは1923年なのだが、この時には3倍近い生産量となっており、朝鮮半島内に留まる量は1909年時より大きい。
分かりやすくするために、輸出米はマイナス方向で記載すると下図になる。

改めて、二次史料ではなく国会図書館で確認できる毎年出していた朝鮮総督府の統計発表にある記録（電子アーカイブなので無料で確認ができる）を確認すると、より明らかとなった。
ちなみに、朝鮮半島内に残った米と、当時の記録されている人口で割ると1人あたりでどうだったかも判る。

基本的に、1人当たりとなる米量を、日本統治前と同水準になるように確保していた事も判る。

また、人口が増加し足りない分は、輸出で得た金で満州から粟などの食料を輸入しており、その後は工業製品や原材料をも輸入している。
当時の朝鮮の人の1年間の消費量は0.7石/1人・年なので、統治中でも世界的恐慌後以外では飢餓などの問題なく食べる事ができている（1938年度には朝鮮南部で大旱魃が発生し、1939年は大不作になったため朝鮮総督府は「朝鮮米満支輸出禁止令」を出し、保護をしている）。日本人はこの当時の米消費量は1石/1人・年を超えている。
つまり、韓国内での「収奪した」「飢えていた」という主張が間違えているわけだ。

【実際の生産量データ】

朝鮮総督府のデータには、米以外の記録もある。
それを纏めて記載すれば、以下のように生産量が増大している（記録にある大体は集めましたが、細かいものや載っていないデータは入っていません）。


1941年・1942年はデータは種々の作物の収穫量についてのデータで見つからないものもあるので、1940年までにしています。また、ここには輸出米は入れているが、輸入雑穀類は入れていない。赤点線の直線は、人口増加で収穫量を基本としてどれぐらい増えているかを示している（これより上であれば朝鮮時代より量が多く、下回ればより厳しい状況となる）。
1934年は半島で水不足（降雨量が少ない）時期で凶作だった時期、1939年は前年の1938年に朝鮮半島南部で大干ばつが発生し翌年は大不作となった時期である。
また、これは植物類だけなので、肉類の増加も別途確認してください。

このように、全体の生産量も増加している。また、1920〜30年の米生産量は過少評価されていた事が分かったので実際はこれよりも多いとのことである。
1945年のデータだが、極端に小麦量が減っている。これは、終戦間際が収穫時期になるので、収穫まで手が回らなかったのかもしれないし、戦後の混乱でデータをきちんと記録している人が居なかったからかもしれない。また1939年に急激に落ちているのは、1938年に朝鮮半島南部で大干ばつが発生し翌年は大不作となった影響である。1940年は前年度の米不作を受け輸出量は激減させている（朝鮮総督府による保護政策でもある）。

ちなみに、大韓帝国時代だと米や麦・雑穀など穀物類が摂取の半分以上になるが、統治時代では他の作物も増産、あるいは新たに生産しており、穀物類は1/3ほどになる。食生活も変化しているのだ。
【1927年の食事量】
余談だが1927年の朝鮮人の食事量は1日で1人あたり2700kcal（米と豆だけで約1800kcalであるので、900kcalは別の食べ物による熱量になる）。それに対して日本人は2300kcalなので、日本人より食べている。この内訳でがどれくらいかというと、大体、1927年の摂取カロリーは約2700kcalだが、生産量から見た一人当たりの量を推定した米と穀物・芋類（つまり主食）からだけで計算した時の1927年頃の摂取熱量は1931kcal（うち米が約750kcal）、穀物・芋や出てこない残りの約1050kclaが来ている事になる。統治時代中期を簡単に表せば当時の朝鮮人だと米が1/3、穀物や芋類が1/3、その他の食料で1/3が賄われている訳である。

朝鮮内では1940年で米の生産量は約60％、その他の食料が約30％増大および新規の食料となっている。
増加量を加味すると1911年頃だと1947kcalほどの摂取量であり、これは1911年の摂取カロリーとほぼ同じ値になる。ただし、この当時だと新規の食料もなく、穀物類など主食は依然と同じで800kcalであまり変化していない（これは、米が収奪されていないということである。これは先ほどの石高から見た朝鮮人1人当たりの年間摂取量や摂取カロリーと同じ結果となる）。
色々なデータとして1944年発刊の朝鮮農業統計図表などもある（データの主体は1910年と1925〜35年、輸出量なども分かる）。
これを見ると、今の韓国人はフルーツをよく食べるが、これも統治時代からのものだと分かる。

芋類も、統治時代からよく食べるようになったものである。

ところが、色々と調べていると、おかしな記載が見つかりました。
韓国でポピュラーな果実「チャメ」。日本では「マクワウリ」という岐阜の伝統野菜の1つで、メロンほど甘くないですが甘味があり水分の多い、言うならば「甘さ控えめな白い果肉のスイカ」みたいなものです。
この「マクワウリ」は日本統治時代に広め定着させたものなのですが。
最近、「中国から朝鮮半島を通って日本に伝わった」という記載を見掛けます。これは嘘です。
日本では縄文時代早期から作っている歴史がある果物で、最近は見掛けませんが半世紀前までは見掛ける果物でした。この時代は朝鮮半島の歴史?にも記載していますが、この頃の半島にはほとんど人がおらず、半島南部に縄文人が定住していたぐらいです（ただし、縄文人は8200年前には中国遼寧にある興隆窪文化と海路で交易をしていたので、そこで手に入れた可能性はあります）。

今の韓国のマクワウリは、日本統治時代に持ち込み広げ、更に日本の富山で開発をマクワウリが1957年に韓国に導入され、それが今は漢湖では『伝統野菜』とされています（伝統とはなんでしょうね？ これも「作られた伝統」の1つです）。韓国語ではウンチョンチャモエ（은천 참외）と呼ばれており、ウンチョンは日本語の名前に使用されている漢字そのままの韓国語読みです。急速にそこで主要な商業品種となり、その系統が今の韓国のマクワウリで、ウンチョンから開発された品種には1970年代に開発されたシンウンチョン（「ニューウンチョン」：日本で開発されたもので、ヨーロッパ産のマスクメロンの一種であるシャランテメロンを交配して出来たプリンスメロン）と、1984年に開発（やはりこれも日本で開発されたもので、奈良県で作られた「大和野菜」）され現在主流となっているグムサラギウンチョン（금싸라기은천「ゴールドダストウンチョン」）があります。
どれも、ようは日本産です。
ただ、半島にも「カエルチャモエ」という種はあり、これは在来種ですがまったく違い、また生産量も昔から少なく、今の韓国で多く生産されているものは日本由来の「マクワウリ」です。
【生産量から見た1人当たりの1日の熱量】
米以外の作物もあり、その生産も増えている。
とある二次資料ではそもそもがその解釈がおかしかった（データにする数値もおかしかったが）ので、その二次資料のデータを基に1人当たりの1日の熱量を考える。
それをそれぞれの年の人口で割り、平均熱量を算出している（輸出された米量は入れていない）。

統治時代の始まりを基準にしてどれぐらい可食熱量が増えたかが分かる（縦軸はkcal）。
ただし、このグラフはあくまで植物類の生産量からであり、肉類水産物類はデータに入れていない。

『米・芋・豆だけから見た熱量』も記載しているのは、これは調べていく中で「日本が食料改善をしたのは嘘だ」と恣意的な捏造情報で記載しているのを見掛けたからだ。それでも元にしているのが、「米・芋・豆から見た熱量」を記載した論文からだったからだが、この3種だけから見ると確かに改善されていないように見える（そもそも、芋は朝鮮時代ではほとんど生産されていない、そのほとんどが日本統治時代からのものである）。という、恣意的な嘘を記載しているのを幾つか見掛けたからだ。
おかしいというか、それを書いていた人物は「1910年から1918年のデータは信用できない」とまで書いており、「日本の農業政策は1930年以降からしか効果が無かった」と断じているところですね。実際の農業政策を確認すれば、1910〜1918年というのは灌漑工事や土壌改善などで収穫量が上がるしかない期間（本来持っていた土地のスペックであり、それを朝鮮時代は損なっていただけ）なのですが。どちらかと言うと1920年ぐらいからの地道な農業改革こそが、ここからが本番と緩やかな上昇になる期間ですね。

1910年を基準にして横に波線を敷いているが、終戦に近付く1943〜19444年は確かに厳しい状態になっている（1945年のデータはちょうど年度の真ん中に終戦になるので、終戦前の混乱から終戦後の混乱で収穫されていないものも多いのだと思う）が、その時期以外では厳しい時でも1910年よりも摂取可能な植物性食料は増えている（さらに言えば、1910年以前は灌漑なども未熟であり、3年に1度は飢饉になっていた状態なので、朝鮮時代の朝鮮人の平均摂取熱量はより低い値となる）。
実際、某二次史料はデータ自体がおかしい。
朝鮮総督府が毎年出していた作物などの統計結果は、電子アーカイブで国会図書館などで無料で確認できる。そこの数値を積み上げていくと、
・豆類

・芋類

という生産量の増加となっている。
豆類も1909年時の2.5〜3倍の生産量になっており、朝鮮内での利用が格段に増えている。
特におかしいのは「芋類」についてであり、朝鮮半島では日本統治前では芋類の生産量はかなり少ない（そもそも、ジャガイモにしても19世紀半ばに来た食物である）。日本統治前の朝鮮半島では、ジャガイモは北方で少し食べるぐらいで、一般的な食べ物とは言えないものである。それを、朝鮮人の貧困と飢えから安定した食事を得られるようにと救荒食物として拡大させたものがジャガイモである。芋は1911年には年間100千tも作られていなかったものが、1920年には年間600千tと6倍に。ピークの1937年には年間1250tほどと10倍以上にしている生産物である。
それだけを見ても、大韓帝国時代と摂取熱量が変わらないや下がったりするはずがないのは、自明の理である。
半島南側の韓国時代の食糧事情
半島南側（今の韓国の範囲）だけのデータもあり、これだけで比較すると韓国に入ってからのデータとも比較できる。
大韓帝国直後と、年間を通しての値が分かる1934年（降水量が少なく凶作だった年）が同じ程度の熱量になるので、人口増加はだいたい点線のようになっている訳だ。また1941年・42年はデータがまたほとんど見つかっていないので分からない。また、他の作物も様々にあるが、ここで用いたデータは一部の生産物だけである。
濃い桃色部分が、統治時代最初期の朝鮮における平均的な農業生産量であり、これ以上なければ大韓帝国時代よりも厳しい状況にあったという事である。

1945年以降、米の生産は増産できておらず、日本統治時代の遺産が続いているだけである。
その中で、1945年では顕著にあるのは麦類栽培の低下、すなわち、秋撒きする種の栽培が極端に減っていたという事であり、これは戦後に行わなくてはいけない農業であり、その栽培を朝鮮人はしなかった➡そして食料が足りなくなった、という単純で明快なプロセスがあっただけなのである（なぜ、その後も麦生産をあまりしなくなっているかは、まだ分かっていない）。
また、これで分かるのは、韓国は1960年に入るまで（つまり李承晩政権中）の農業政策は無策で、日本統治時代の遺産で生産していただけであり、大韓帝国時代より厳しいぐらいの大変に飢えた時代となる。インフレ抑制の一環として米価は低価格に抑えられたものの、結果として農業従事者の収入の低下・不安定化を招き、春窮農民（朝鮮で「農民が春季の食糧端境期に食糧に窮し，山野の草根や木皮を食べて延命した状態」を指す言葉）が増大化することになった。この時期には春窮農民が農業従事者の半数に達していたとあるが、それも納得できるデータである。
戦後の韓国の失敗政策を隠す為に「戦前に日本が収奪した」という虚偽捏造した内容を流布したのだろう。

また、食生活の変化も分かる。
大韓帝国時代であれば、米（常人や奴婢階級は雑穀）が食事の主体であったが、統治時代で様々な栽培・生産量が増加する事により他の「おかず」が主体の食事に変化して言っている。
白菜・大根・芋の生産
朝鮮半島の南側と北側で分けて、生産量の違いを比較すると下図のようになる。

北側に比べると南側の生産量が格段に上がっているのが分かる。
特に1910〜1918年は急激に上がっているが、森林などがまだ残っていた北側に比べると、南側は朝鮮時代後期から大韓帝国時代までの取り返しがつかないほどの土地の荒廃が顕著で強く影響している。灌漑設備不足や山林過剰伐採による保水能力の低下、土壌の性質、低い農業技術、生産性の悪い植物種など様々にあるが、ようは朝鮮時代末期には既に生産性が極めて悪い土地になっていたからである。これに対して朝鮮総督府は灌漑工事整備、植樹事業の推進と違法伐採や火田（焼き畑農業のようなもの）の禁止といった植生の回復（山の木々は保水力を高め、また雨天時の土砂崩れを防ぐ）、大量の肥料を用いた土壌改善（日本よりアルカリ性で生産性が悪い）、農業技術を教えたり朝鮮に合う農業栽培種の研究を行ったりと様々な方法で土地のスペックを取り戻したので統治時代の初期の期間は急激に上がるしかないという土地だったのだ。
日本統治が始まる前まで、朝鮮半島の農業では肥料を使わない農業がほとんどだったのである。その為、朝鮮総督府は朝鮮半島内で肥料を作り始めるまで、相当量の肥料を輸入しているのも記録として数値がきちんと残っている。
それ以降では地道な農業改革を進めているので、北も南も似たような緩やかな上昇になる。
また、救荒植物として芋の大量に生産を始めており、これは朝鮮半島全体で生産量が格段に伸びていく。

今は白菜も韓国人は1人当たり50kgほども食べているが、大韓帝国耳朶では5kgほど、統治時代でも10kgほどでそれほど多くは食べていない。
韓国の農業
半島南側だけの生産量をグラフにして近似線を描けばわかりやすいが、

戦後の韓国の農業は、あくまでも日本統治時代に改善した農業改革が土台になっており、韓国自力での農業改革ではないという事だ。
なにより、
・土地開拓
・灌漑設備
・農業技術
・土壌改造
・品種改良
これらは日本統治下で行われたものだが、これらが残っている（日本に持って帰れるものではない）からこそ韓国政府（特に李承晩政権）が農業に対して無策であっても何とか生き延びたのだろう。――これは逆に言えば、朝鮮人活動家たちは朝鮮半島を考えて行動していなかったという証左でもある。
また、基本的な『農業が出来るように土地や灌漑設備、土壌改造』を行っている1910〜1918年あたりは生産量が凡そで倍になっている。これは、単純に言えば「人が農地に対して行える基本的な施行」をしており、土地のスペックを引き出したという話である。

【厳しい飢えの時代】

「厳しい飢え」というのは統治時代の朝鮮ではほとんどない。

朝鮮半島で厳しい飢えというと、
統治時代で食料改善される前の時代、特に朝鮮末期の時代は大変に厳しい税であった上に、土地の荒廃もあり灌漑設備も整備されていなかったので、3年に1度は凶作になるという状態にあった……これが統治時代に改善されていく。
日本統治時代に土地の再測量や土地開発・土壌改善や灌漑設備・植林事業、農業研究で大幅に改善される。
しかし……。
その次の飢えがは戦後の韓国で李承晩の時代にある。軍の兵量を政治家が収奪し私財を蓄えた事により、大変に多くの兵士が飢え死にしている。
また、韓国政府の農業無施行と朝鮮戦争後でさまざまな基盤が壊れた後で厳しい貧困になる。
春窮農民（朝鮮で「農民が春季の食糧端境期に食糧に窮し，山野の草根や木皮を食べて延命した状態」を指す言葉）が増大した時代であり、この時期には春窮農民が農業従事者の半数に達していたとある。
これは1965年以降に大幅に改善される……日本からのお金や援助で。

さらに、その後は江漢の奇跡とも呼ばれるインフラが整えられていく中にも農業や畜産が改革される……日本のODAや技術供与で。
【日本（内地）事情】
戦時中で厳しく食糧統制を受けていたのは主に日本国内である。
1942年では日本人の1日の食事量は1815kcalと1917年時（2300kcal）の80％弱ほどになっている。
これが1946年の終戦後の記録ではもっと悪化し都市部で1700kcalとなっており、1946年5月が最も厳しく1515kcalになる。これは終戦直前なども1700kcal程度だったと推定されるが、これは朝鮮半島より厳しい食料供給制限をされていたという事である。この都市部の平均が1954年に2000kcalになる。ただ、全体平均としては1946年で1900kcaになり、翌1947年には2000kcalになっている。

【朝鮮時代の森林】

朝鮮総督府は併合時に朝鮮半島の地理調査を詳細に行っている。
その際に、当時の植生がどのようなものだったかも記録で分かる。

朝鮮時代も初期は70％以上の森林があり、現代の韓国でも60％以上の森林（左端のGoogleMap画像）がある。
これが日本が統治を始めるに際して、その時の植生は7.3％程度しかない状態になっていたのだ（中央の測量図と右の統計表）。
これが、朝鮮時代は灌漑設備がろくになく、3年に1度の凶作になっていた要因の1つである（ハードモードからの開始）。

統治以前から日本は朝鮮に苗を贈ったりしていたのだが、統治になって違法伐採や採取・焼き畑農業などを厳しく禁じ、植林を積極的に行う。
朝鮮時代では植林と言う考えがなくただ自然に依存し搾取だけをしており壊滅的になっていた林業、これが復活するのは1930年ぐらいになる。
韓国のWikipediaには、この日本統治での植林活動について書かれていない。
過剰伐採
ちなみに、韓国では「日本が朝鮮の森林を伐採し、朝鮮の自然を損なった」と教えているようだが、まるで違う。
統治時代中は計画的な植林と伐採であり、治水と植林により今の80％ぐらい（つまり半島全体の50％ぐらいで、大韓帝国末の7倍ほど）まで回復させ、そこから計画的な植林と伐採を行う『朝鮮半島の林業』が行われる（それ以前から大韓帝国時代まではそのように計画的に行われる事はなかったので、朝鮮半島の豊かだった植生のほとんどは失われていた）。終戦末期で需要が上がった際には過剰伐採（森林45％以下）になりそうだったが、朝鮮総督府は伐採量を制限しており、半数を輸入材木にして朝鮮に輸入している（これは、当時の朝鮮人の林業従事者から強い反発があった。彼らからすれば「伐採すればするだけ儲かる状況であり、目の前に木々があるのに何故制限するのか？」という思いなのだろう。この時には朝鮮人が暴走しないように朝鮮総督府は朝鮮林業組合の活動を凍結させている）。

過剰伐採されるのは戦後で、韓国とアメリカが朝鮮総督府が一度凍結した林業組合を、検討もせずに復活させ無計画に伐採をし始めたからである。
1960年頃に植生がまた大韓帝国時代に戻りそうになっている問題にやっと気付き（戦後わずか15年で半分以下の20％台にまで森林が減少）、韓国政府も植生に対してそこから対策を考え始め、統治時代も含めた日本の計画的林業を模倣して植林などを初め、1970年頃からやっと効果が表れ始めて今に至る。

つまり、これもまた戦後から李承晩政権時代の施行失敗を隠す為に、戦前の日本のせいだと歪曲捏造している内容である。
今の韓国にある自然は、ほぼ全てが人工林である（なにせ、現在は65％ほども森林があるが、大韓帝国末期には全体で7.3％程度。多い場所でも9％もなかったのだから）。
また、「日本統治が始まった1910年頃は森林が7.3％しかなかった」というのも、白頭山麗の自然も入れての話なので、韓国には自然林と呼べるものは6％あるかどうかである。
さらに言えば、日本は併合前の被保護国となっていた時代から、植林を提言し専門家の声も聞き、計画している。
それも「朝鮮人が豊かになるために」である。
【擦り寄り外交】
中国を宗主国としていた時代は、迎恩門を作り、中国の意見に唯々諾々になっています。
文字を作った世宗も、自身で女性を選び大人数の女性を奴隷として中国に出していたのは記録に残っています（そして、中国側の資料にそんな彼女らが悲惨な人生を送り命を亡くしているのも確認できます）。
日清戦争で日本が清から朝鮮半島を独立国家として認めさせますが、朝鮮半島は大韓帝国と称し、次は大国ロシアに擦り寄り外交をしだします。
  • 高山の取得
  • 土地租借契約
  • 鉄道敷設権
  • 森林伐採権
などをロシアに渡します。これにより、北部の自然の残っている地域はロシア支配下に置かれ、より自然は荒廃し、自力での近代化を手放していきます。
  • 朝鮮時代からの財政難
    大韓帝国の財政難は朝鮮時代末期からの構造的な問題が引き継がれ、大韓帝国時代にさらに深刻化したとものです。内政の混乱、官僚の腐敗、近代化への支出などが要因として挙げられます。
  • ロシアへの接近と利権供与
    日清戦争後、大韓帝国がロシアに接近し、高山の取得、土地租借、鉄道敷設権、森林伐採権などの利権を供与し、これによりロシアの勢力が朝鮮半島北部に拡大し、日本の警戒感を招きます。
  • 朝鮮半島の初の鉄道建設
    朝鮮半島初の鉄道である京仁線（ソウル-仁川）は、アメリカ人実業家の提案で施行資金を折半する約束で始まりましたが、大韓帝国は分担金の1/3しか払えなず資金調達が滞り、最終的には日本の資本と技術によって完成し、日本の管理下に入ったという経緯があります。
歴史的に、自力での近代化ができる状態にはなっていないません。

さらに、荒廃した朝鮮半島の自然は日本統治の植林事業や灌漑事業で大幅に取り戻した自然なのですが、戦後には半島南側はアメリカに擦り寄ります。日本統治時代から植林などを行い大幅に回復させ、統治中期には林業も復活させたのが朝鮮総督府ですが、日本統治時代の末期、伐採量が増えた際には伐採制限を朝鮮総督府は出しており、足りない分は輸入も行って朝鮮半島の自然保護に努めていた（韓国はこの点でも嘘を教えています）のですが、韓国は無計画に伐採をしだして10年も経たずにまた日本統治前の禿山の多い土地にと戻っていきます。1960年代に入り李承晩政権が倒れた事で、やっと森林状況が悪化の一途を辿っている事を認識し、日本統治時代の森林事業や、日本からの技術や考えを受けて、1970年頃からやっと具体的な対応が出来るようになります。
――つまり、朝鮮半島の自然破壊は朝鮮人が行ったものであり、それに対して日本により朝鮮半島の森林再生は行われ持続可能な林業を作り上げた、という事です。
そもそもが、『植林』という考え自体が朝鮮には元々なく、ただひたすらに自然を浪費するという事をしていたのだ。

【種類別の生産量】

記録されている生産量を纏めると以下になる。

・米や麦、トウモロコシも入れた穀物類
・豆類
・芋類
・野菜類
で分けてグラフを描くとこうなる。
よく「日本統治時代で米の生産量を2.5倍にした」とあるが、これはあくまで1910年を基準とした場合になる。1909年を基準にすると5倍ほどにしてる。
日本で豊作不作の調査すると山梨県の事例が見つかったが1909年は別に不作の年ではなく、逆に豊年だったとある（逆に1910年が不作の年）。山梨県は緯度的に全羅北道や全羅南道と、農作で中心的な位置になる場所とほぼ同じになる。
つまり、「豊年であったが、それぐらいしか収穫できなかった」のである。
ちなみに、輸出量がかなり多い1907年も豊年の年である（これで分かるのが、朝鮮は昔から王族と一部の裕福な両班が食べる分以外は輸出して外貨を稼いでいたという事です）。

1909年は1910年に比べると豊年の年（生産量が多い年）であり、1910年が不作の年になるのだが。朝鮮半島ではこれが当てはまらない――のは、単純だが「肥料を使う農業」をしたからだと思われる。日本統治が始まるまではまだ朝鮮半島では肥料を生産しておらず、また利用していない農業をしていたので。朝鮮半島内で肥料生産が出来るようになるまでは、相当量の肥料を朝鮮総督府は輸入している。

【穀物類】

穀物類は1909年のデータもあるのだが、1941年からのデータがあまり見つからない。

米・大麦・粟が主要な穀物となっている。
肉については『朝鮮半島の畜産』を参照してください。
また。水産物についてはまだグラフに入れてません。海苔や昆布・ワカメと塩については『海苔』に少し書いてあります。

1939年に米の収穫量が減っているのは、その前年の1938年度に朝鮮半島南部で大干ばつが起こり、その影響である。また1939年には世界大戦が発生した為に素早い対応が難しかったので、その次の年まで影響を与えている。
それでも、朝鮮半島内では半島内で消費する最低限の米量を確保している。

朝鮮総督府は、朝鮮半島内の消費米量を確保するために「米輸出禁止令」を出しており、そのため1940年はほとんど輸出していない。
米不足になったのは、朝鮮半島ではなく日本本土で、米騒動が発生している。韓国では「日本に収奪されて米が不足した」と言っているがこれは誤りで、真実は真逆で、実際は「朝鮮半島の朝鮮人が消費する穀物量は、朝鮮総督府により守られた」となっています。
ちなみに「日本統治で米の収穫量が2.5倍になった」とよく言われるが、これは「日本統治の初年度の米収穫量」との比較の数値である。
これが「大韓帝国の最後の年の米の収穫量」で比較すると、4〜5倍になる。
【米の生産】
穀物類の生産で主要なのはやはり米である。

人口増加量を見れば、米だけで大体、国民が賄える量になっている。
【米の輸出】
韓国人はよく「日本は収奪した」と言うが、金銭のやり取りで行われているきちんとした貿易（買取価格を見ても輸送量が近郊で安価になる事を考えると不均衡ではなく世界標準価格。輸送費が格段に安く済むのが強い）であり、また、朝鮮人が儲かるからと過剰に日本に輸出しようとした際にはそれを止めている。
実際を更に言うと、朝鮮半島では日本統治前から米を輸出しており、その主要輸出先は日本ではなく中国が大半となっている。史料を探すと、一部、統治前の時代のデータもあったので、米の生産量と輸出量を比較してみると、

1908年までの米の生産量はないが輸出入データがあり、そこに米があったのだが。大韓帝国時代まで中国が主要米輸出先であり、その後、日本統治となり中国輸出を緩やかに縮小させ、そして日本輸出が増える形である。見てみると、大韓帝国時代は1500千トンぐらいの国内確保で他を輸出しているようだが、日本統治になり1800千トンぐらいに設定した上で、人口増加以上にに合わせて上昇させていっている（1908〜1909年は米の収穫データはあるのだが、輸出入データを見つけていない）。
1939年の大不作の状況でも、朝鮮総督府は「米輸出禁止令」を出しており、朝鮮半島内で大韓帝国末期時代の米量を確保している。ただし、それでも穀物までも入れると遥かに多くなっている。朝鮮半島では米を確保しているに対して、米不足になったのは日本である。
韓国が言っているのと真逆ですね。

1920年以降では日本としての朝鮮に完全になり、朝鮮からの細かい輸出先が分からなくなった（たぶん、別の資料にはあると思うが）。また、輸入分は米しか記載していないが、グラフ以外の部分で粟などを満州から大量輸入していたのも分かっている。
つまり、灌漑整備や土地改善・農業技術改善を行い（米は特に、面積当たりの収穫量が格段に上昇する）、それにより増産を行い、大韓帝国時代より朝鮮人に対する米確保量を増やしたうえで、それでも余裕がある分を輸出していった、と言う事である。
そもそも、朝鮮は明治23年（1890年）には既に穀物を日本に輸出しており、米・大麦・小麦・大豆などを輸出している。

（1895年『朝鮮通商事情』）
朝鮮半島の米輸出分をマイナス（輸入分をプラス）にした場合をグラフにすると、下図になる（1908年・1909年のデータはまだ見つけていない）。日本統治時代、日本への輸出量を鑑みても、朝鮮半島内で消費される米量は格段に上昇しているのである。

1939年の朝鮮半島南部の大不作という状況でも、朝鮮総督府は「米輸出禁止令」を出し、大韓帝国末期時代の1人当たりの米量を確保している。また、それ以外の穀物までも入れると1人当たりの穀物量は大韓帝国時代末期より遥かに多くなっている。

1939年に米生産量が減っているのは、それは朝鮮半島南部の大干ばつの影響によるもので、しかし、朝鮮総督府は朝鮮半島全土で幅広く農作物を作るようにと農地開発や灌漑設備管理、それぞれの場所に合った農作物を作るように指導していたために、朝鮮半島南部の大干ばつの影響は最低限に抑えられており、全体的な量は確保ができているのである。
これが日本統治前の大韓帝国や李氏朝鮮の時代であれば、稲作や幾つかの農作物は南部に集中していましたし、朝鮮半島の南部では大量の餓死者が出ていたでしょうね。

時々、「大韓帝国末期では1人当たり0.9石だったが、日本統治で1930年代は0.6石になった」という文章を見るのだが、朝鮮総督府で記録して残している当時のデータを見ると、やはりそれは韓国ナショナリズムで創作した嘘でしかないのである。
朝鮮半島内では半島内で消費する米は確保を出来ているのである。
この時、米不足になったのは日本本土の方で米騒動が起こっており、今の韓国が言っている事は創作した虚言であり、真実は真逆なのですね。

大韓帝国時代に、外貨確保のために国民を虐げて輸出していたのに対し、日本統治下ではきちんと収穫量を増産を行い、余裕分を作った上でそのまま輸出したり加工品産業を作り輸出をしている。朝鮮半島南部で大凶作になる1939年でも、大韓帝国時代より豊かな食料生産をしている。このデータでもっと恐ろしいのは、朝鮮時代や大韓帝国時代では3年に1度は土壌流出などで凶作になっていた状態であっても、両班は穀物を輸出して外貨を得ようとしていたということである。グラフから見れば分かるが、確かに日本に輸出する米量は増えていくが、それでなお朝鮮半島の人口増加を上回る割合で朝鮮半島に残る米量は増加していたのである
朝鮮半島の米生産量をもう少し分かりやすくするために、輸出分もプラス側にしてグラフを描くと、

大韓帝国時代まで、大量の米を中国に輸出している。その量は朝鮮半島の米の生産量の多くが輸出されており、朝鮮人が口にできる事は稀であったのである。
それに対して、日本統治時代は米の生産量そのものを増加させたうえで、その増加分も併せた中から朝鮮半島での消費量を増加させ確保した上で、日本に輸出して外貨を稼いでいたのである。
ちなみに、日本統治以前の食べ方は。
  • 豆を混ぜた米を、丼のような器に山盛りにする。
という食べ方が一般的である。たまに、塩漬けの葉野菜を持ちそこに豆を混ぜた穀物を乗せ、包んで食べるという「サム」という食べ方も存在する。
両班や裕福な両班でなければ米を食べる機会など早々なく、庶民などは粟・稗・黍などの雑穀が主食となる。

また米はかなり中国に輸出しており外貨をそれで稼いでいた事も判っている。
実際のデータと、その輸出量を見て1909年（大韓帝国時代）の穀物類は、上の図のようになる。
日本統治時代に両班の特権もなくなったが、1909年（基本的に豊年の年）と、日本統治に入ってからの穀物の食事の変化は劇的な変化と言える。
稲作伝来の嘘については、水田稲作の伝来を参照してください。
「朝鮮半島から日本に水田稲作が伝わった」というのは、まず当てはまりません。
そもそも陸稲の栽培であれば、日本では13000年前から行われている事が年代調査でほぼ確定しており、遥か以前から稲作は日本で行われていたものです。朝鮮半島では水田と言っても乾水田や天水田であり、日本の稲作の方法とかなり違っていたのである。
【15世紀までの稲作】
15世紀までの朝鮮半島の稲作についても、1895年発刊の『朝鮮通商事情』に記載がある。

移苗法、すなわち苗に育てた後に、その苗で田植え作業をするというよく知る作業だが、これは朝鮮出兵（1592年から1598年）時に日本から伝わったものと明記されている。当時、武将はそれぞれの場所を管理し、汚職不正する官吏には厳しく対処し、農作業なども指導しているのは当時の武将が記載している記録にも残っている。そこで教えた技術である。16世紀後半まで以前は、ただ種もみを撒くという原始的な農法なのである。
ところが、この日本が教えた稲作方法は灌漑設備など施政が必要なものであるから、朝鮮はそれを継続する事が出来無くて元に戻っているようであり、1895年時点の朝鮮半島の農業は、河には堤防も無く、また水量調整する様な灌漑設備も無く、ただ自然に任せた農業をしていたようである。そのため、時期を誤ればそれで農作物が台無しになるという、運に任せた農業であった事が書かれている（また、有機肥料なども使われていない、種を撒くだけの農業だったようだ）。
これまで「日本列島に稲作が伝来した当初の栽培方法は直播栽培であり奈良時代に入り田植えが本格化した」と考えられてきたが、近年の考古学の発掘成果で、縄文時代晩期から古墳時代にかけての水田遺構が日本各地で発見され、移植栽培の痕跡とみなされる株跡が数多く検出されており、日本では田植えが古くから行われていたことが裏付けられている。つまり、日本に水田が出来た頃から、苗代を使う農法なのだ（これが伝わってきたものであるか、日本が独自に作り上げた物かは分からない）。日本では水田でイネを栽培する水田稲作においては、通常、苗代に種籾を撒き、育った苗を本田に移し植える移植栽培の田植えが一般的であり、種籾を直接本田に撒く稲作の直播栽培は、日本においては特殊事情などによりごく一部の地域で行われるのみである。
この苗代の稲作は朝鮮半島では見られておらず、朝鮮半島では朝鮮出兵で苗代の稲作方法を教えた事が判っており、それまで苗代の農法がなく、田に直接に種もみを撒く方法で「直播栽培」が行われていたのだ。これも、日本の水田稲作が朝鮮半島から来たものではない事の証明にもなる。
【日本統治以前の朝鮮の稲作】
日本統治前の朝鮮米の研究で「近代朝鮮半島の稲作と日本の農業近代化政策」や「朝鮮在来稲の特色」が分かりやすいでしょう。
簡単な話ですが「うるち米」は税に取られていたというのと、色が付いていた米が多いというのですね。主穀用のうるち稲と異なり、もち稲は自家用としてどこでも、しかし小規模に栽培されていた結果、という事です。朝鮮の稲は野生稲の名残を有していたものが多く、白米種に比べてより劣悪な環境でも一定の収量を期待でき、耐旱性・耐寒性に優れた赤米が朝鮮半島に数多く栽培され、近代に入っても白米種に混栽れていたことはよく知られています（1927年の時点でも総督府が全鮮から取り寄せた赤米は240種に及んでいたぐらい）。

他にも1451年『文宗実録』に飢饉対策として「赤米」が登場する。これは他の農業作物が不作な年でも、赤米などの古代米は白米に比べて生命力が強く、痩せた土地や水が少ない場所でも育ちやすいという特性があり、また、耐乾性や耐寒性にも優れているため、厳しい環境下でも比較的安定した収穫が期待できるものであり、農作物の全体的な不作時でも赤米が飢饉対策となるぐらい収穫をされていたということである。1431年「世宗実録」 に「赤田」という田んぼの種類があることが記載されているなど、朝鮮時代では赤米がかなり多かった事は明確に判っている。
朝鮮総督府農事試験場は、半島各道府郡に委嘱して収集した在来品種（3331種）を水原にて試作した結果として、在来水稲品種の特徴6点を挙げている。
すなわち、
�〕�芒種が多い（古代米の形質をもった野生種に近い稲という事）
��概して早熟である
�Ｊ�藁少なく、長桿にて倒伏しやすい
�ぐ霰�病に弱い、
�ヂ舂骸錣�少ない
�Π貶耄蛙�概して多い。
また、異常生態下での栽培特性として3点を挙げている。
��耐早力に優れた稲がある
�┰佇罅狙�熟日数は概して少ない
��水分欠乏せる土壌にて発芽力が強い。

野生稲種やその形質を持った米は赤米も含めた有色米が多い。有色米には、赤・黒（紫）・黄などがあるが、赤系の色素はカテコールタンニン、黒系の色素はアントシアニンが主流だ。黄米は、色素含有の少ない赤系の米である。つまり、日本統治以前は朝鮮のうるち米に「白い米」はかなり限られており、「白い米」はもち米に多い（うるち米でも幾つかは「白い米」も存在するが、多くは色米である）。日本でも江戸時代だと色米は普通にあり、白米が全体を占めるようになったのは19世紀に入ってからなのである。
朝鮮総督府は同調査以外にも、毎年、朝鮮稲と日本稲との「比較試験」の実施とその成績結果の報告を義務付け、地域毎に優良品種の普及の参考とした。普及の対象となる「優良品種」の大半は日本稲で占められていたが、冷涼な地や劣悪な水利条件下の地では、反って、耐寒性・耐早性に優れた結果を残した朝鮮在来稲の方が普及品種として奨励される場合もあったというので、米が中流以下でも食べられるようになったのは、このように収穫性が良く土地に合った米を、朝鮮在来米も併せて審査して、施政開始後僅か20数年の間に全鮮水稲作付面積の稲の8割以上が「優良品種」となり、安定した米生産が可能になったものである。
【劣悪な稲作環境】
日本統治前の朝鮮在来稲は、日本稲に比して耐早性の強さがあるのが大きな特徴になっている。
栽培されていた稲の耐早性の強弱には、地理・地勢条件・気象条件・水利（整備）条件が強く関わっており、その中でも、気象条件に関し、朝鮮半島の降雨量の少なさを指摘できる（すなわち、耕作地としての条件が悪いからこそ、頑丈な稲が出来たのである）。朝鮮半島では稲作期間中（4〜10月）の降雨量が少なく、とくに種まきから収穫までの降雨量は日本の6割にも及ぼなかった。加えて、半島の水利環境＝灌漑設備の劣悪さ（無さ）が耐早力のある稲が広く分布した背景として挙げることができる。昭和に入ってもなお、朝鮮全土の水田の内、水利の便あるものは3割にも満たなかったという。朝鮮独特の稲作法＝水利の便なき「乾水田」はもとより、水利の便ある水田でさえ、この時代、その多くが天水田（自然の雨で水田になるというもの）化していたと言う。これは、肥料投入もほぼ行われない、自然に任せたままの稲作だったという事である。

ちなみに、この農作業の環境が、日本に朝鮮から水田稲作がきたものではないという証拠でもある。
そもそもの中国の水田稲作の発祥も、灌漑設備を整える事から始まっており、日本にはその灌漑設備を整えた水田技術が伝わっている。また植苗法が初期から行われている。
それに対して、日本統治前までに残っている朝鮮半島の農業は乾水田あるいは天水田であり、これは陸稲作の手法である。松菊里遺跡の水田が灌漑設備を整えた水田技術に対して、それに比べると日本統治前の稲作は退化しているものである。
ここら辺は、水田稲作の伝来や朝鮮半島の歴史?のページを読んで貰えばわかるのだが、朝鮮人は先に来ていた水田稲作を持つ民族・文化を滅ぼして半島に勢力を広げた元は陸稲作までしか知らない外来民族だからである。
【統治以前は有芒種米が基本】
「近代朝鮮半島の稲作と日本の農業近代化政策」に記録分析されているが、
大正4年（1915年）時点での朝鮮での稲作の中で、無芒種稲の稲作は全体の21.8％に過ぎない。
1911年の時に朝鮮総督府が調査した京畿道38府郡に登場した350種の稲の内、313種について芒の有無を記録しているが、当時の朝鮮半島では「有芒種」の稲が251種（80.2％）も占めている事が判っており、若干は作付け面積は増えているようである。

約5年毎で調査をしているが、比率なので増減量をその5年の間に比率し収穫量に当てはめると上図のようになり、日本統治以前では殆どが野生種の形質を残した有芒種米、すなわち多くが色米であった事が判る。
ちなみに、これは「水稲」についてであり、糯米種も粳米種も、ジャポニカ種もインディカ種も混ざった上での稲作の話であり、無芒種のジャポニカ種の粳稲（つまり現在で言う「白い米」）となると、本当に極少数しかなかったという事でもある。

朝鮮在来稲は、1911〜1912年の調査からわずか10年後には、日本の「産米増殖計画（大正9年実施）」の下、一部を除き、味と収穫性がいい日本稲に悉く置き換えられていった。肥料の大量投入と灌慨整備とともに、日本の農業制度：農事試験・普及組織の下、集約栽培に適した「優良品種」が移植されたのである。わずか20年間に朝鮮在来稲の8割が「優良品種（その多くは日本稲）」に置き換えられ、それにより収穫量が爆増し、庶民でも米を食べる事が出来るようになったのである。
もちろん、うるち米の白米も存在はしており、和稲の系統も記録されています（ちなみに、野生種ではない無芒種だと味がいいのだが、朝鮮の過酷な環境では育ちにくいので限られた地域だろう）であり、味がいいので税で取り上げられるので中流以下の人が口にできるものではありません。基本的に、日本統治前で「白米」というと、「うるち米」ではなく「もち米」になります。
【17〜18世紀の朝鮮での稲作】
1610年の『閑情錄』の「治濃」や18世紀初期頃に書かれた『山林経済』に少し書かれていて、
南方の水稲はその名前が一定していないが、大きく分けて3種類ある。
・早熟而緊細者曰籼（早熟で米粒が固く、粒が細いものは「インド米（セン）」）
・晩熟而香潤者曰梗（晩熟で香ばしく艶のあるものは「有芒種米（ギャェン）」）
・適中米白而糯（育成が適度で、米粒が白くて艶やかなものを「もち米（ナ）」）
この三つはすべて同時期に布種する
とある。ハングル訳だと判り難くなっていますが、
  • 「籼（セン）」は朝鮮語発音では「xiān」であり、これをハングル翻訳では「선（seon）」と当て字しています。
    意味は「インディカ米」で、日本で言う「大唐米（早熟で小さく細長く味は悪い赤米）」っぽいですね。
    ちなみに日本語では「籼」は「うるち」とも読みます。つまり、正確に言えば「籼米」は「インディカ種のうるち米」を指しています。
  • 「梗（こう）」は朝鮮語発音では「gyeong」であり、これをハングル翻訳では「갱（gaeng）」と当て字していますが、意味は「有芒種」という意味で、すなわち野生種の形質を持った穀物米の話で、赤や黒といった色米が多い。
    どうも韓国の現代語訳では『갱』を「粳（うる）」＝『멥（meb）』でと誤訳している（有芒種のうるち米もあるので全てが間違いというわけではないのですが、語彙の意味が失われる）。同じ「有芒種」を指す名称として「芒（mang）」というのがあります。現代韓国語で「粳（うる）」を指すのは『멥（meb）』であり、「梗（こう）」を指す『갱（gaeng）』は違う文字なんですね（漢字やその語彙がそもそも違う）。実際、1911年の時に朝鮮総督府が調査した京畿道38府郡に登場した350種の稲の内、313種について芒の有無を記録しているが、当時の朝鮮半島では「有芒種」の稲が251種（80.2％）も占めている（1911年で8割である。17〜18世紀だともっと割合が多かっただろう）。
    ちなみに日本語では「梗」も「粳」も「こう」とも読めます。漢字の偏（漢字の左側）が「木偏」か「米偏」かで違いがある訳です。
  • 「糯」は朝鮮語発音で「na」であり、「糯米」のこと。「もち米」だと現代朝鮮語（日本統治時代から）で「찹쌀（chabssal）」と書くが、朝鮮時代で使っていた中国漢字の「糯米」は「nami」と発音するのである（ちなみに語源はやはり中国。「糯」「nuò」で、「糯米」で「nuòmǐ」になる）。
このように「白くてつややかな米」、つまり「白米」は「もち米」を指しているのである。また、同じ時期の日本のように品種改良した無芒種米は朝鮮半島には無かったか、あったとしても殆ど無かった事を示しています。
（個人的には「宋元時代の江南における水稲品種の栽培期間」を読んで、朝鮮の17世紀の稲作は中国の宋の時代（北宋：960〜1127年・南宋：1127〜1279年）の稲作か、その前の時代の古い稲での農業が行われており、日本統治時代までそれが続いていたのではないかと思う）。

ちなみに、訓民正音では「干し稲」は「우·케（uke）」、「稲」は「·벼（byeo）」と書いていた（「벼」は今も「稲」だが、アレアが付いているので今と発音が少し違う）。
また、朝鮮時代、「白米」を表す諺文の語彙がありますが、それは「니쌀（nissal）」と表します。これは、「王の米（王族が食べる米）」という意味があるそうです（確認まではしていない）。
それよりも前の時代、中国宋の学者である孫穆が12世紀初（1103〜1104年頃）に高麗を訪れた際に、朝鮮口語約360語を当時の中国漢字音に移して『鶏林類事』という本を著しており、そこでは米は「菩薩（púsà）」と書いています。現代朝鮮語の「うるち米（멥쌀・mebssal）」「もち米（찹쌀・chabssal}」「白米（입쌀・ibssal）」「新米（햅쌀・haebssal）」にも残っている、古代朝鮮語の発音（最後の「l」は殆ど発音されず、口を噤んだ「ッ」の発音）。
たぶんですが、
・『「芒」の「米」』というので「mang・bssal」ぐらいが古代〜中世（最低でも中期朝鮮語：17世紀初頭）までの発音で、
・これが「meng・bssal」という発音になり、
・さらに「me・bssal」という発音になり（元から「ng」は無視して発音される）、
・その発音に「메쌀（me・bssal）」と諺文で当て字され、
・しかし地方で発音の区切りが変化し「meb・ssal」という発音も出てきて、
・その発音の当て字で「멥쌀（meb・ssal）」というのも使われだし、
・「芒(有芒種)の米」という意味だったはずが日本の品種改良された無芒種の倭稲が南から流れてきたり、日本統治で良品種として味のいい無芒種の稲が大きく増え、有芒種の稲が大きく減り
・いつのまにか「芒の米」という語彙がそのまま「粳米」を指すようになった（1920年には確認できる）。
のではないかと思います。
現代朝鮮語で『米』を表す「쌀」は、「サ」の音を発音する前に小さな「ン」を発音する必要が今でもあるので、「ンサル（ンは本当にかすかに発音する）」と発音する。元々は『쌀』を指す諺文の発音は「ssal」ではなく、その発音が殆どない「ン」にあたる「b」が付いた「bssal」だったのでしょう。しかし、いつの時代からか、その前の文字の発音に「b」が足され、後ろの文字の発音から「b」が消えている「ssal」形になっています。また、「ma」から「me」の変化は、本来は関係がないはずの複数形に変化をさせた為ではないだろうか（「芒」を「芒たち」にしてしまった）。
「米（有芒種米）」は本来は「메쌀（me・bssal）」と書くのだが、1907年に建てられた国語研究所（朝鮮語構文やハングルをその表音的な文字を残しつつより覚えやすい形に整理・整備を研究する場所）の検討で、「멥쌀（meb・ssal）」も同じ意味としています。つまり、本来の「메（me）」だけでなく方言で使われる「멥（meb）」も同じ意味で使えるとした事から、今の誤解か始まっているのかもしれません。実際、1920年刊『朝鮮語辞典』では『（うるち）米』を表す単語としては「멥（meb）」よりも「메（me）」の方が一般的に使われている（これは、殆どが有芒種米だったので「메쌀」あるいは「멥쌀」と書いていたものが、日本統治によって現代の米である無芒種米に多く変わったにも関わらず、無芒種米にも「芒の米」というのは変わらず使われていたわけです。ようは、朝鮮語の語彙が足らない、というか自分たちで作り出せていないだけですね。これを「무메쌀（mume・ssal）」とでも名付けていれば、まだ歴史記録が読めたのでしょうけど）。
これを韓国になってから『「うるち米」は「멥쌀（meb・ssal）」である』と決めてさらに変えてしまい、「bssal」から「ssal」になってしまい今があるのではと思う。
同じく、
・『「糯」の「米」』というので「na・bssal」ぐらいが古代〜中世（最低でも中期朝鮮語）までの発音で、
・これが「cha・bssal」という発音になり（鼻音性を弱めて破裂音に変化する現象である「非鼻音化」のため）、
・発音の区切りが変化し「chab・ssal」という発音になり、
・その発音の当て字で「찹쌀（chab・ssal）」となった。
という発音の変化になったのではないかと思います。
どちらにしろ、諺文（ハングル）という文字は発音の当て字だという事ですが。
日本でもこの頃だと有芒種の米は普通に栽培されています。
ただ、日本では「味が良くない」と米の品種改良で鎌倉時代にはと『古今著聞集』に出てくるように「古法師」と無芒種が出てきており、江戸時代中期以降は無芒種が多くなっていきます。日韓併合前、日本ではうるち米で無芒種の白い米を主に食べていたが、朝鮮では野生種の形質を残した有芒種で多くが色のついた有芒種だったのである。
1911年時点での朝鮮半島の調査だと、「倭」の名が付いた稲種が半島南側にあり、これは朝鮮の稲が有芒種だったのに対して、日本の稲が無芒種なので区別が付いたのかもしれませんね。
また、現代韓国人は中国漢文を読めない人もいるようで、朝鮮時代の中国漢文の文献には『粘米』という単語があり、これを「もち米」と訳しているのを見掛ける。が、これは間違い。
が、『粘米』とは「もち粟」の事である。
【大麦と粟】
韓国人は「朝鮮人には安い粟を食べさせた」と言うが、これは間違い。大韓帝国や朝鮮時代から粟・大麦は朝鮮人の主要な穀物食料の１つであった（日本も明治時代では大麦は主要な穀物であり、日本の主食用主要穀物の一つであった。大麦生産量の方が多かったが、次第に米と逆転し、そして脚気が発生した）。

大麦は増産をしていくが、粟は朝鮮半島の朝鮮人を飢えさせないために1920年ぐらいまでは増産しますが、それ以降は維持で、人口増加に伴う不足分は満州から購入します。生産価格価値でしょうが、朝鮮人の食生活も米を食べる量がその後に増えてきます。

大麦は冬季に比較的降水量が多い地域を原産とする作物であり、秋に発芽して冬を越し、春に大きく生長し、初夏に結実して枯れる、いわゆる冬草の一種にあたる。そのため、種を秋に蒔き、苗の状態で冬越しさせ、春に出穂（開花）・結実させて初夏に収穫する（秋蒔き）であり、やはり灌漑設備は大事な穀物（こちらの場合は排水が大事になる）でもある。日本統治前にはろくな灌漑設備がなく、天候に左右される栽培方法を取られていたので、3年に1度は危機的な不作にもなっている。これが、日本統治になり灌漑設備が整えられる事により、小麦は生産量が1.5〜2倍ほどに、大麦は3倍ほどに増産されており、朝鮮半島の食を支えていた。
【日本の米】
明治時代になると品種改良が進みますが、江戸時代ではかなり違います。
詳しく解説している動画があります。

江戸時代では、雑穀米なども普通にありますね。
朝鮮半島の朝鮮時代の米事情は、これよりも遥かに厳しいものだったのです。
庶民で米は食べる事は出来ないという社会状況です。
【小麦と裸麦】
次に多いのが小麦と裸麦になります。

小麦は順調に伸びていますが、裸麦は相性がよかったのか、それとも穀物不作の時期に合うので代替米として急激の伸びたのか、1929年ぐらいから急激に増産が増産されます。
小麦の生産量は日本統治前ではそれほどの量がなく、つまり、小麦を使った料理はそれほど活発で無かったという事です。

日本と比較すると1910年頃は1/5だったものが、その後は増産して1/3となります。
1890年には既に作られているのは確かですが、それも輸出されているので、朝鮮内での小麦消費はかなり少なかったのではないかと思われます。
また、日本統治で小麦が増産されるまで、朝鮮半島では小麦粉が極めて貴重で、大半は酒造りに使われました。中国との間で朝貢があり、開城の商人だけは、例外的に小麦粉の料理があったりします。

稗は緩やかに栽培量を減らしていっている。
これはひとえに生産性が悪いからだと思われる。冷害に強く安定した生産量を確保することが容易だった反面、米などに比べて生産性は必ずしも高くなく、穎果の構造から「稗搗節」のような労働歌を生んだほど、脱稃・精白に重労働を要したことなどが要因の１つでしょう。
ちなみに大韓帝国時代だと、乾麺（面、つまり細長い今で言う「麺」）類や唐麺（春雨）は多くは中国から輸入、素麺などは日本からの輸入が一般的です。
朝鮮だと、丸めた物や点心を作る皮みたいなもの（小さくちぎったスイトン状や平たいワンタンの皮状のもの、つまり中国で言う「麺」）などが主で、長細い麺（面）については切り麺は朝鮮通信使を通して日本から取り入れたもので、それまであったのは「麺を作り出す機械」というどう見ても押し出し麺の機械でこれは中国の調理器具で作ったものはあります。
「緑豆の澱粉を瓢箪に入れて、そこから細く出して緑豆麺を作った」という逸話があるが、この逸話はちょっと違うのでは？とも思います。中国人から技術を学び中国式に緑豆で作っていたものだそうだが、唐麺は中国から輸入していたようなので、瓢箪で作っていたという逸話は創作された俗説なのだろうと思います。

また、「うどんはカルグクスが起源」という俗説もあるが、朝鮮半島でカルグクスが出て来たのは17〜18世紀頃であり、日本のうどんは奈良時代〜平安時代と1000年以上の歴史があるので嘘である。朝鮮通信使によって日本から朝鮮にもたらされたという方が合っているだろう。
ましてや、今のカルグクスは1958年に太田で外食としてカルグクスの店ができてからである。ちなみに『ウドン（饂飩）』は朝鮮時代には「밀국수（milgugsu）」、つまり「小麦麺」と呼んでいた。また、統治前の19世紀終わりごろに、釜山近くに日本のうどん屋ができている。

他にも「すいとん」は、日本では14世紀には文献で見られるものである。漢字では「水団」のほか「水飩」「炊団」などとも書く。
が、朝鮮の歴史は無理矢理な屁理屈なもので、「1517年に記録がある」というが書かれている事はまったく別の食べ物の事で関係がない。いや、そもそも「すいとん」という呼び方が日本独自なのだから、日本統治時代に伝わったのでしょうね。似たような料理に「スジェビ」というのがあるが、これは麺（小麦粉で作った平たいシート）を手でちぎってというもので、これが1517年にある記録。すいとんとはまるで異なる料理である。
【その他の穀物】
その他の少量の穀物だが、実際に朝鮮時代から作っていたのは黍や稗などの救荒植物などで、他は殆ど作られてなかったか、日本統治になって持ってきたもののようです。

トウモロコシなどもそうです（作っていなかったわけではないが、かなり少ない）し、ライ麦などは1936年辺りから初めて出てきます。
これらの中で、生産量の伸びがあるのは蕎麦ぐらいですね。

蕎麦を原料にした押し出し麺は、18〜19世紀頃に朝鮮半島に伝わったとされています。蕎麦粉に緑豆デンプンやじゃがいもデンプンを混ぜて作るネンミョンは特に北方で発達します（ただし、ジャガイモ澱粉が使われ始めるのは日本統治から）。
蕎麦切りして作るメミルククスは、日本統治時代に日本から伝わったものですね。日本における蕎麦切りの最古の記録は天正2年（1574年）と、朝鮮半島より遥か前にあり、押し出し麺ではなく蕎麦切りした蕎麦は、中国にも日本から伝わったもの（それま中国でもはやはり押し出し麺や平たくしたもの）で18世紀頃、朝鮮半島はそれより遅く日本統治時代に伝播したものである。
判りやすく言うと、朝鮮半島のおける「麺」は比較的近代になってからのもので、北では18〜19世紀に中国式の押し出し式の麺が作られ始め、南では17〜18世紀に日本式の切り麺が作られ始めますが、それは小麦麺であり、蕎麦切りは20世紀に入ってからのもの。
確かに『蕎麦』自体は「朝鮮王朝時代から食べられている」のは間違いではないのだが、「朝鮮王朝の後期から食べられている」という方が正しいし、『蕎麦切り』は日本統治時代からになる。
【穀物類の日本伝来の嘘】
よく、「朝鮮半島から伝わった」とあるが、嘘が大変に多い。

水田稲作跡だが、
  • 「中国（遼寧地域あるいは山東半島地域→遼東半島地域）→朝鮮半島→日本」という経路だと、半島南東部が半島中央部より古いのに説明が付かない。
  • 「中国（長江下流）→日本→朝鮮半島」という経路だと、土器や石器の移動、そして水田稲作の年代、そして縄文人の半島内での活動範囲の拡大とも整合性が取れる。
となるのは、プロットしていくとよく分かる。
中国・日本・朝鮮半島の稲作を並べると、こうなる。
水田稲作
中国（玉蟾岩文化）BC14000年〜BC12000年野生から栽培への過度期の稲作発祥
中国（仙人洞/呂桶環遺跡）BC12000年最古の栽培陸稲作（焼き畑稲作）陸稲作起源/川下流
中国（馬家浜文化）BC5000年〜BC3800年最古の水田稲作水田稲作起源/川下流
日本（佐賀）BC970年日本最古の水田稲作海路
朝鮮半島（蔚山市）BC800年朝鮮最古の水田稲作?（陸稲作の可能性も）半島での縄文人の活動範囲
朝鮮半島（忠清南道）BC500年学術的確認された朝鮮最古の水田稲作半島での縄文人の活動範囲
  • 蔚山市の遺跡は、日本の水田跡がBC10世紀と判ると、韓国学会の一部がBC11世紀だと言い始めたものです。
    ただ、学界でもオクチョン遺跡がBC11世紀というのは疑問を呈しており、他の遺構や土器から紀元前6〜8世紀と言うのが一般的です。
    さらに言えば、オクチョン遺跡は水田稲作跡ではなく、陸稲作の跡ではないかとも言われています。
  • 年代で考えれば、「長江流域→日本→朝鮮半島」の方が整合が取れる。また、黄河流域の稲作についても日本と遼河文明との交易海路の途中に出てくるもので、「長江流域→日本→黄河下流」の方が年代的にも整合性が取れる。また、陸路では分からないのだが、当時は文化間の争いもあるというのもある。海流に関しても船の発達具合もある（まだ丸太舟の時代）が、沿岸流は北から南に流れており、南から北は労力がいる経路なので、「長江流域下流→黄河流域下流」は可能性が低い（これが黄河流域中流から現れているなら話が別だったのですが）。
  • よく「長江流域から日本というルートは非現実的だ」と中国から日本への直接ルートを否定しているものも見掛けるが、長江下流から日本にというルートは、伝承にあります。
  • 逆に、海流と風を考えずに「長江流域から朝鮮半島南側に伝達した」という説明をしているものも見掛けるが、それはあまりありえない。
    風向きから、沖に出ると基本的に南東に緩やかに流され、そこから対馬海流に掴まり北に急に流されつつ、偏西風で東に少しずつずれ方向を変えていく流れであるからだ（1944年に長江下流から日本への実証渡航実験がされており、1日で唐津に着いた事が記録されています）。済州島に辿り着ける確率は無きにしも非ずだが、ここに向かうとなると海流がない領域を漂う事になりそれこそ大変に時間がかかる上に、風でやはり東南東（日本の方向）に流され対馬海流に掴まる可能性があり、やはり日本に辿り着きやすくなる。また、最初から済州島を目指そうとすると中国沖の渦流に掴まり、長江流域下流に戻される可能性が高くなるのである。
  • 「釜山から対馬に、そして日本に文化が伝達された」という記載もあるが、これは的外れな嘘です。
    釜山から対馬は、対馬海流の流れが強い為に紀元前の船と航海技術では辿り着けません。これも、数度の実証試験が行われていますが全て失敗しており、動力船で牽引されています。半島からすると距離は最短ですが、近代の動力船の時代になるまではこのルートで辿り着けてません。同じく山東半島から遼東半島への渡航も紀元前2世紀ほどからで、それまでは陸路で遼寧地方から南下というルートになっています。
  • 陸稲に関しても年代を見ると、「中国（遼寧地域あるいは山東半島地域→遼東半島地域）→朝鮮半島→日本」という経路だと日本の古い陸稲作に説明が付かない。
陸稲作
中国（玉蟾岩文化）BC14000年〜BC12000年野生から栽培への過度期の稲作発祥
中国（仙人洞/呂桶環遺跡）BC12000年最古の栽培陸稲作（焼き畑稲作）陸稲作起源/川下流
日本（熊本）BC10000年日本最古の陸稲作海路
中国（後李文化）BC6500年〜BC5500年黄河域最古の陸稲作日本と遼寧文明の交易海路途中
日本（岡山）BC6000年陸稲作陸路
朝鮮半島（京畿道）BC700年朝鮮半島最古の陸稲作半島での縄文人の活動範囲拡大
蔚山市の遺跡は水田稲作ではなく、陸稲作の可能性もある遺構であり、それでも日本からというのは変わらないし、それが北上するのも縄文系民族の活動範囲拡大であり全体的な流れには関係がない。
ちなみに、朝鮮半島ではないが、遼東半島に陸稲作が来たのがBC2000年ぐらいにあると考えられているという。が、そこにあってもあまり関係がない。
  • 稗についても昔は「朝鮮半島から来た」とされていたが、現在は日本の野生種の稗が栽培種に変わった物であると分かってきている。
    縄文時代前期（約7,000〜5,500年前）には既に青森で稗が栽培種となっている事が判っており、土器の圧痕からより古い時代から利用されている事まで判っている。
  • 蕎麦も古く、北海道南西部の南茅部町ハマナス野遺跡から、縄文時代前期末（5500年前ぐらい）の遺物包含層から炭化したソバの種実が出土し、北海道でのソバ栽培が縄文時代前期末まで遡る事が判っている。
  • 他にも福井県鳥浜貝塚の縄文時代前期の遺物包含層から、エゴマ・シソ・ヒョウタン・アサ・ゴボウ・大麦といった栽培植物種子が確認されており、日本の植生は豊かだった事が判ってきている。緑豆なども縄文時代の末期頃の土器に圧痕が確認されており、朝鮮半島より同じかそれより古い事が判ってきている。
    この当時（韓国で言えば新石器時代末、縄文時代は日本独自の区分）には日本から朝鮮半島に移住した縄文人が既にいる事が分かっているので、彼らが日本から朝鮮半島に持ち込んだ可能性も高い（この当時、朝鮮半島中央には集落がなく、半島の南側に日本由来の遺物が多く見つかる）。何より、縄文人の半島南半分での活動範囲の拡大に沿うように半島での痕跡が見つかっている。
  • 稗・大豆・小豆は日本の野生種から栽培種に変わった自生種である事が判っており、半島から来たものではない。うつろ、半島南部の大豆や小豆は日本から来たものである。
  • 大麦や小麦などの麦類・緑豆・蕎麦などは野生種は見つかっていないので、南、すなわち黒潮交易によって持ち込まれた可能性か、北の樺太経由のどちらかの可能性が高い。
    中国で栽培された麦類の最古の記録は紀元前403〜前221の戦国時代（河北省邯鄲の遺跡）だが、入ってきたのはBC50世紀頃で、普及としてはBC10世紀頃からである。大麦に関しては日本はBC5000年には痕跡があるので中国からのものではない。また、小麦に関しては先に述べている紀元前403〜前221の戦国時代（河北省邯鄲の遺跡）のものであり、稲作と同様に中国から伝わったことが「日本書紀」に記載されている（つまり、大麦は可能性が高いのは南西諸島ルートでの海路交易路で伝わったものであり、小麦は長江文明との海路交易路で伝わったものである）。
  • 粟についてだが、日本の粟は独自な形態を持っている。遺伝子の構造から、日本の粟は東南アジア-台湾経由で南西諸島から入って来た種と、遼寧地方から日本に来た種がある。この「遼寧地方から」だが、「遼寧地方→朝鮮半島→日本」というルートではなく、「遼寧地方→日本」という黄海を使った直接ルートになる。時代で言えば、遼寧地方ルートは8000年前から、南西諸島ルートで6千年前ほどからと言われる（実際に見つかっている最古は臼尻B遺跡の5500年前になる）。これはどちらとも交易していたからだが、2つのルートの粟は日本で影響をしあい独自進化をした種が広がったものとなっている。南西諸島では黒潮ルートの東南中国の種の形質を持っているが、九州あたりになると遼寧種の形質を持ちながらも東南アジア寄りのステージに進化している。
  • ちなみに、朝鮮半島の粟は経路が2つ可能性がある。痕跡には日本からの南からのルート（東三洞遺跡などで8000年前。この遺跡に痕跡がある事が、既にこの時代の日本に粟があった証明にもなる）と、今は北朝鮮の領域の南の方で出土した痕跡（4000年前）がある。この北朝鮮の南の方にある痕跡も、ドングリ食の拡大を見れば日本からの粟（というより、日本が遼寧地方から日本に持ってきた粟）が北上してきたものである可能性が高い（遼河文明やその周辺の民族が遼東半島を経由して南下してくるのは、大体、BC15〜10世紀ぐらいからなので）。
  • 緑豆については調査中、ただ、日本ではBC50世紀（7000年前）に緑豆が既にあるので、朝鮮半島経由ではない事はほぼ確定的である。
  • また、黍や大豆・小豆は日本の方が古く（遼河文明より古い）、蕎麦も半島より古い。
考古学の分析方法が発達してきており、分析も詳しくできるようになってるのだが。「朝鮮半島から来た」というのは多くが誤りだったことがどんどんと分かってきている。
逆に、縄文人が10000年ほど前から朝鮮半島に進出し定住していた事により、日本から朝鮮半島に伝来したものが多いようである。
また、土器の圧痕での調査も行われているが、日本は土器の数が圧倒的と言えるほど多いですので、今後も「より古い時代からあった」という発見は増えていくでしょう。

【穀物の伝来】

それぞれの穀物は、日本にいつ頃からあるかというのが分かっており、年々古くなっている。
ただ、流石に3万年前の旧石器時代に移動してきた人々が持ってきたものかどうかまでは、分からない。
【稲の伝来】
稲は、陸稲と水田稲の2つがある。さらに、野生種か栽培種かがある。
どちらにしろ中国の南部発祥なのだが、野生稲の利用は、プラントオパールが中国並みに古くからある日本は独自の可能性もある。

平壌辺りでBC1500年頃の稲籾が見つかっているのだが、その時代の平壌周辺はドングリ食の形跡を見ても倭の領域（縄文人が定住していた領域）である。北からのものは、同じBC1500年頃に遼東半島の西端の大連の大嘴子遺跡（BC15〜12c）で中国北東部唯一の稲籾が見つかっているものもあるが、このBC1500年頃だとまだ今の中国と北朝鮮の国境となる河川を渡河できていない。

山東半島のあたりで稲が本格的に栽培されるようになるのは山東龍山文化の時代（4600〜3900年前頃）からですが、後李文化の時代（8500〜7500年前頃）でも僅かに見つかっています。ただ気温が低いために、稲の栽培はうまくいかなかったようです
人工的な灌漑設備による水田稲作は、まず中国発祥で間違いないだろうと考えられており、長江下流域が発祥となる。

陸稲の伝達だが、中国で北上するよりも海路で日本にという方が古い（もしかしたら、日本自生種という可能性もある）。
朝鮮半島、特に南半分では、陸稲はBC7世紀と日本に比べて圧倒的に若く、水田稲は松菊里遺跡でBC5世紀。半島南東部のオクキョン遺跡のものが水田跡としてもBC8世紀なので、やはり日本より若い。朝鮮半島内での伝播が、「北➨南」ではなく、「南➨北」であり、北からの伝播と言う話自体がおかしい。ここら辺は水田稲作の伝来を確認してください。
日本経由で倭によって持ってこられた水田稲作ですが、灌漑整備に手間がかかるためか、任那・伽耶が新羅によって滅亡すると衰退します。再び倭である20世紀初頭からの日本統治時代になるまで、北方式の灌漑設備を用いた水田稲作はほとんど行われず、天水田（自然に任せた古い農法）による稲作が朝鮮半島では続きます。

ただし、日本の灌漑設備は中国と違うので、独自に作られた可能性もある。
ちなみに、「韓国ではBC1500年頃には稲作が始まった」とありますが、これは間違いです。
この元ネタが先に書いた「平壌辺りでBC1500年頃の稲籾が見つかった」というものですが、これは天水田だとも言われているが、陸稲の可能性の方が高い遺構です。大連ではそもそも稲作の跡自体が見つかっていませんので、混入したものと考えられています。

ちなみに、日本ではプラントオパールでは1万年以上まえの地層から発掘されていますし、土器への圧痕でも4000年前のものは既に確認されているので、確実に朝鮮半島より古くから稲はあり、稲作はされています。
これまで、日本の稲作は弥生時代に中国大陸や朝鮮半島から伝来したというのが「定説」とされてきましたが、最新の考古学的な分析結果は、その定説を大きく見直す可能性を示唆しています。

日本の最古の痕跡:
青森県大平山元I遺跡:
約1万5000年前（縄文時代草創期）の世界最古級の土器が出土。この土器は当時の煮炊きに用いられたとされ、同時期の日本列島の複数の遺跡からイネ科植物のプラント・オパールが報告されています。
岡山県朝寝鼻貝塚・彦崎貝塚など:
約6000年前（縄文時代前期）の地層から、イネのプラント・オパールが大量に検出されており、この時期に陸稲栽培が行われていた可能性が強く指摘されています。
また、プラントオパールではなく土器の圧痕では4000年前の物には既に見つかっており、日本の稲利用は定説よりも遥かに遡ることが指摘されています。
これらの発見は、日本列島において、水稲栽培が始まるはるか以前の縄文時代から、イネ科植物（一部はイネと特定）が存在し、利用されていたことを示しています。これが野生種の利用か、初期的な栽培であったかは議論が続いていますが、「稲作の日本起源」や「独自の早期栽培」の可能性を探る重要な証拠となっています。

中国の最古の痕跡:
中国における栽培イネの起源地は、長江中下流域と考えられています。
湖南省の彭頭山遺跡（ほうとうざんいせき）や八十カン遺跡（はちじゅうかんいせき）などから、約9000年前にまで遡るイネの炭化米や籾の痕跡が発見されており、この時期に栽培イネが存在していたことが確認されています。これらの遺跡で見つかるイネは、野生種から栽培種への移行段階にあると考えられています。
イネに関しては、中国の長江流域で約9000年前の栽培イネの痕跡が確認されています。一方、日本では約1万5000年前のイネ科植物の存在、そして約6000年前のイネのプラント・オパールが検出されており、日本列島におけるイネの利用が、中国の明確な栽培イネの証拠と匹敵するか、あるいはそれ以上に古い可能性も示唆されています。 これは、イネの起源や伝播が、これまで考えられていたよりもはるかに複雑であったり、複数の独立した起源があったりする可能性を示唆する、非常に刺激的な分析結果と言えます。
【粟の伝来】
粟は、古いのは黄河文明の南側で裴李崗文化の9500年ほど前。次いで、遼河文明の興隆窪文化で8200年ほど前。
朝鮮半島は縄文様式が出てくる縄文人がいた東三洞遺跡などでやはり8000年ほど前。

面白いというか、日本と遼河文明との海路交易を考えると当たり前と言えるのですが、興隆窪文化から新楽文化に粟作が伝播（BC55世紀）するより早く、朝鮮半島の南側にBC60世紀で見つかっています。
日本の縄文人では受け入れが少し遅かったのか、5500年前ほどから確認されている。
それとは別に、北から円筒土器文化を伴い来たルートもあるようです。

書かれている中だと、「粟作」とすべきなのに、「粟・稗」と一緒にしているものをよく見掛けますが、穀物として別です。また、何故か「粟作」なのに、「粟・稲作」としているのも見掛けますが、穀物は別なのできちんと分けないといけません。この混乱の1つは、「粟の実」は「粟米」と書かれる為だとは思います。朝鮮半島でも、長らく「米」と言えば「粟米」を指します。
アワは、世界中で広く栽培されてきた雑穀の一つです。
中国:
アワの栽培化の起源は、中国の黄河流域と考えられています。中国では、約8000年前から7500年前にまで遡る遺跡（例：河北省の磁山文化遺跡、河南省の裴李崗文化遺跡など）から、大量のアワの炭化粒が出土しており、この時期に大規模な栽培が行われていたことが確認されています。これは世界最古級の栽培アワの痕跡です。
日本:
日本列島では、縄文時代早期から中期の遺跡でアワの圧痕やプラント・オパールが発見されています。例えば、福井県の鳥浜貝塚では、約6000年前の地層からアワとみられるプラント・オパールが報告されています。これは、稲作が本格化するよりもはるか以前に、縄文人がアワを利用していたことを示しています。
アワに関しては、現在のところ中国の方が約1500年〜2000年ほど古い、明確な栽培の痕跡を持っています。
【黍の伝来】
桃太郎で有名な黍ですが、中国では『黍』は上等な穀物とされていました。
日本に伝来するのはかなり遅く、弥生時代後期や古墳時代に入ってからのようです（ただし、6000年前にプラントオパールは発掘されているので、「栽培はされなかった」だけかもしれません）。

この伝達は、朝鮮半島南側でBC6世紀であり、海路ではなく陸路で南下してきた穀物になります。
ただ、史料では「水田稲作と同じ頃に来た」とあるので、BC6世紀より古い時代に水田稲作と共に長江下流域からの直接ルートで来た可能性もあります。

キビもまた、アワとともに古くから栽培されてきた雑穀です。
中国:
キビの栽培化も、中国の黄河流域が主要な起源地の一つとされています。アワとほぼ同時期か、やや遅れて広まったと考えられています。約7000年前から6000年前の遺跡（例：半坡遺跡など）から、キビの炭化粒が出土しています。
日本:
日本では、縄文時代後期から晩期にかけて、キビの圧痕やプラント・オパールが複数の遺跡で発見されています。例えば、福岡県の板付遺跡の縄文時代晩期の層（約2500年前〜3000年前）などからも報告例があります。
キビに関しても、現在のところ中国の方が約4000年ほど古い、明確な栽培の痕跡を持っています。
【稗の伝来】
稗は日本で1万年以上前からあり、7700年前に栽培種が見つかっている。

稗自体が日本の在来種から栽培種に変わっているのが判っている。
朝鮮半島は縄文様式が出てくる縄文人がいた東三洞遺跡などでやはり8000年前ほど。
豆も同じような経路で伝達しているようです。

粟作は遼河文明➨日本なのですが、稗は日本➨遼河文明となっているのですね。
日本の粟作が5500年前と少し遅れるのは、稗栽培が既にされていたかもしれません。
ヒエは、東アジアを中心に栽培されてきた雑穀で、特に日本列島では縄文時代から重要な食料でした。
日本:
日本列島におけるヒエの利用は非常に古く、特に縄文時代の遺跡から多くの痕跡が見つかっています。
福井県の鳥浜貝塚では、約9000年前（縄文時代早期）の地層から、ヒエとみられる植物の種子や花粉が発見されています。
さらに、鳥浜貝塚や他の縄文遺跡（例：岡山県の朝寝鼻貝塚など）からは、約6000年前（縄文時代前期）には栽培種とみられるヒエのプラント・オパールや圧痕が検出されており、この時期にはすでに栽培化が進んでいた可能性が強く示唆されています。
ヒエは、縄文人が独自に栽培化を進めた可能性が高いと考えられている作物の一つです。
中国:
中国におけるヒエの明確な栽培の痕跡は、一般的にアワやキビより遅れて登場します。
約4000年前頃の遺跡からヒエの出土例がありますが、これは日本の縄文時代のヒエの痕跡よりは新しいものです。中国では、アワやキビの方が主要な雑穀として先行して栽培されていました。
ヒエに関しては、現在の考古学的知見では、日本の方が中国よりも圧倒的に古い、明確な利用と栽培化の痕跡を持っています。 鳥浜貝塚の約9000年前の痕跡は、現段階で世界最古級のヒエの利用例と考えられています。
【麦の伝来】
大麦自体は大陸から来ているのが判っているのだが、中国では大麦が栽培されるのは遅く現在の所は西暦に入ってからである。
それに対して日本では7000年前のものが発掘されており、中国ではない南西ルートで東南アジアから日本に来たものと考えられる。
実は大麦は、中国は早くない。

それに対して小麦は、遼河文明・黄河文明・長江文明などにほぼ同時ぐらいに入ってきているようです（漢代以降）。
日本書紀には小麦は水田稲作と同じ時期に中国から来たとあります。
ーーが、最近の考古学発見だと岡山で4000年前の小麦のプラントオパールが見つかっている。
日本の最古の痕跡:
縄文時代後期（約4000年前）の遺跡から出土した土器の圧痕や、プラント・オパール分析によって、小麦、アワ、キビ、ヒエなどの雑穀の存在が確認されています。これは、当時の縄文人が多様な穀物を食料としていたことを示すものです。具体的な遺跡名は複数ありますが、例えば九州地方の縄文後期遺跡などで報告例が見られます。
中国の最古の痕跡:
小麦の原産地は西アジアであり、そこから東へ伝播しました。
中国では、西アジアからの伝播ルートを経て、黄河流域を中心に早くから栽培が始まりました。最も古い明確な痕跡は、中国西北部（甘粛省など）の遺跡で、約5000年前の小麦の炭化粒が見つかっています。約4000年前から3500年前（紀元前2000年〜1500年頃）には、黄河流域の遺跡（例：斉家文化、二里頭文化）から大量の小麦炭化粒が出土しており、この時期にはすでに主要な農作物として広範囲で栽培されていたことが確認されています。
とあり、約4000年前には確実に日本にあることが大体判ってきています。
近年、日本の縄文時代の遺跡から、驚くほど古い大麦の痕跡が発見されています。
沖縄県石垣島「白保竿根田原洞穴遺跡（しらほさおねたばるどうけついせき）」：
この遺跡からは、約9000年前（縄文時代早期後半）の地層から、炭化した野生の大麦の粒が発見されました。これは、栽培種ではなく野生種ですが、日本列島において、これまで考えられていたよりもはるかに古い時期に大麦が存在していたことを示す決定的な証拠です。
この発見は、南西諸島を経由して大麦が日本列島に到達した可能性を示唆しています。これは栽培種ではないものの、大麦が日本列島に存在した最古の記録であり、当時の人々の利用可能性を示唆します。
青森県「三内丸山遺跡（さんないまるやまいせき）」：
縄文時代中期（約5900年前〜4200年前）の集落遺跡である三内丸山遺跡からは、約4000年前（縄文時代中期終末〜後期初頭）の土層から、栽培種とみられる大麦のプラント・オパールが検出されています。
この発見は、日本列島本土において、弥生時代よりもはるか以前の縄文時代に、すでに栽培大麦が存在し、利用されていた可能性を示唆するものです。

ただし、日本の在来大麦は伝来大麦によって淘汰され置換された可能性が高い。
縄文時代の「在来野生オオムギの利用・初期栽培」の可能性:
縄文時代早期（約9,000年前）の痕跡は、日本列島に自生していたオオムギ属の野生種を縄文人が食料として利用し、あるいは初期的な管理・栽培を試みていた可能性を示唆します。
この段階での「栽培」は、必ずしも遺伝的な品種改良を伴うものではなく、特定の野生植物を人為的に管理して収穫量を増やす試みだったかもしれません。その収穫性は、後の本格的な栽培種と比べれば低かったと考えられます。
西洋（西アジア）起源の「栽培大麦」の伝播:
その後、中国大陸を経由して、または別のルートで、西アジアで品種改良された「非脱落性」など、より収穫効率の良い栽培大麦が日本列島に伝来します。この伝来は、弥生時代以降、水稲農耕と共に本格化したと考えられていますが、縄文時代後期などより早期の段階で断続的に伝わっていた可能性も否定できません。
という形だったのだろうと予想される。
淘汰と置換のプロセス:
収穫性が高く、安定した収量を期待できる伝来の栽培大麦は、次第に日本列島に広く普及していきます。
その結果、もし縄文時代に在来の野生種から版栽培種の大麦を利用したり、初期栽培したりしていたとしても、より優れた収穫性を持つ伝来の栽培大麦が普及するにつれて、在来種の利用や栽培は次第に衰退し、最終的には淘汰されていったと考えられます。
これは、外来栽培種がやってきたときにでもよく見られる一般的な現象です。優れた特性を持つ外来種が、在来の利用形態や低収量の在来種を置き換えていくのです。このシナリオは、以下の点で非常に合理的に繋がります。
縄文時代の古い痕跡の存在: 縄文時代早期の古い痕跡を「日本の在来種の利用・初期栽培」として説明できます。
「栽培化の起源は西アジア」という学説: 現代の栽培大麦が西アジア起源であるという遺伝学的証拠と矛盾しません。
黄河流域と日本の年代差:
黄河流域で大麦の本格的な普及が始まるよりも、日本での初期痕跡が古いという事実に、この淘汰のプロセスが関わっている可能性があります。つまり、早期に伝来した「西洋大麦」が、日本の在来種を凌駕して普及していった、という見方です。
現代の日本の栽培大麦が西アジア系であること:
現在日本で栽培されている大麦が、遺伝的に西アジア起源の系統に属していることとも整合性がとれます。
日本の在来野生オオムギが縄文時代に利用・初期栽培され、その後、より収穫効率の良い西アジア起源の栽培大麦が伝来し、それによって在来種の利用が淘汰・置換されていった
それに対して、中国における大麦の最古の痕跡は、
中国における大麦の伝播と利用は、一般的に小麦よりやや遅れて広がったとされています。大麦が中国に伝わったのは、主に西北部（新疆ウイグル自治区など）を経由し、紀元前2000年紀後半（約3500年前〜3000年前）以降に黄河流域に到達したと考えられています。具体的な遺跡としては、河南省の遺跡などから、約3500年前以降の炭化粒が出土する事例があります。
この結果から、最新の考古学的分析結果を比較すると、以下のようになります。
日本：
約9000年前に野生の大麦の存在（沖縄）。
約4000年前に栽培大麦とみられる痕跡（青森）。
中国：
約3500年前以降に黄河流域での大麦の利用が確認される。
このデータに基づくと、日本列島における大麦の存在（特に約9000年前の野生種）は、中国で大麦が広く利用され始める時期よりも、はるかに古いと言えるのが現在の考古学的調査の結果です。
【蕎麦の伝来』
日本では蕎麦栽培も古く、5500年前には北海道で栽培されている。
中国では雲南省（というよりヒマラヤの高地）が原産地とみられており。それが約8000年前である。
ただ、日本は「栽培」が5500年前であり、島根県飯石郡頓原町から10000年前の蕎麦の花粉が発見され（原産地のヒマラヤ高地より古い）、高知県高岡郡佐川町では9300年前（こちらも原産地のヒマラヤ高地より古い）、更に北海道でも5000年前の花粉が確認されている。ということは、蕎麦に関しては自生種を日本で栽培種にした可能性が高いのではないだろうか。
日本におけるソバの最古の痕跡:
福井県の**鳥浜貝塚（とりはまかいづか）では、約6000年前〜7000年前（縄文時代早期〜前期）の地層から、ソバの花粉や種子が発見されています。
これらの痕跡は、当時の縄文人がソバを食料として利用していたことを示唆しており、単なる野生種の利用に留まらず、何らかの管理（例：生育地の整備、初期的な栽培）を行っていた可能性も指摘されています。
中国におけるソバの最古の痕跡:
中国大陸でソバの明確な栽培の痕跡が確認されるのは、現在のところ一般的に約5000年前〜4000年前以降とされています。主に、ソバの主要な起源地とされる中国南西部の遺跡などからの報告が挙げられます。

比較すると、
・日本: 1万年前の蕎麦の花粉に、約6000年前〜7000年前にソバの利用・初期的な管理の痕跡。
・中国: 約5000年前〜4000年前に明確な栽培ソバの痕跡。
このデータに基づくと、日本列島におけるソバの利用・栽培化の始まりが、現在のところ確認されている中国の明確な栽培痕跡よりも古い可能性が高いと言えます。
【穀物の在来種・栽培種】
日中韓での穀物の歴史を古い順に見ると、こうなる。
古い新しい
米中国≒日本韓国
小麦日本中国韓国
大麦日本中国韓国
粟中国日本韓国
黍中国日本韓国
稗日本韓国中国
大豆日本中国韓国
蕎麦日本中国韓国
小豆日本韓国中国
考古学的な発見により、日本の歴史はどんどんと古くなっています。
作物の多くも、中国や韓国より日本の方が古いという痕跡が見つかってきています。
これからもどんどんとより古い痕跡が見つかっていくでしょうね。

【豆類】

豆類は、やはり大豆が最も多く占めます。

また、日本統治下でエンドウ豆など新たな豆の栽培も行われている。
【大豆と小豆】
もっとも作られているのは大豆。
味噌や醤油、豆腐等々。大豆は畑の肉ですね。

ですが、日本統治前の朝鮮時代では日本統治中の1/3かそれ以下しか作られていません。

実はこれは「灌漑設備があるかどうか」の差です。
大豆は湿害に弱い一方、生育旺盛期には多量の水が必要な作物です。 特に開花後の水分不足は落花・落莢や子実の肥大不足などにつながり、 土壌の乾き具合に応じて潅水する必要があります。が、朝鮮時代にはその灌漑設備がろくになく、農作業は天候に左右されるものでした。ようは、日本統治時代に農業改革でダムや灌漑設備を整備するまで運に任せるような栽培しかされていなかったわけです。
その為、日本統治後、栽培面積などはあまり増えていないのですが数年で3倍ほどの収穫量になります。

まぁ、朝鮮時代に大豆加工品食品はそこまで作られてなかった（というか作る余裕があまりなかった）というだけですが。
その上、両班などは日本統治時代の1/3ほどであった生産した大豆などを中国や日本に輸出して外貨を得ていたのである。
【それ以外の豆】
緑豆は朝鮮では代表的な豆で、昔は澱粉の材料と言えばこの緑豆です。

日本だとほとんどもやしにしか使われませんが。
この緑豆も水が豊富に必要ですので、朝鮮時代には半島南側では殆ど作られていない（というか荒れていてできない）でしょうね。灌漑設備整備で収穫量が上がった豆の1つでしょう。また、朝鮮時代に緑豆を使った麺が半島北側の加工食品であるのも、そういう水資源が必要な栽培種であるからです。

この澱粉を使う料理として16世紀前半の『需雲雑方』に、緑豆の澱粉を水溶きして加熱し、これを孔をあけたヒョウタンの殻に入れて、孔から熱湯にたらし麺状にして水にさらす食品が記載されているそうですが、本当かどうかは分かりません。また、冷麺の麺のツナギとしても使われるとの事だが、冷麺は元々は中国北東部の料理がルーツ（本来は温麺で冬の料理。冷たくする食べ方は、朝鮮通信使が日本で素麺を食べてからの話で、キムチと同じで元は中国にあり、16世紀頃からの料理で、手法は日本にある料理です）にあります。最近ではジャガイモを使う麺が存在しますが。ジャガイモをほとんど栽培していなかったのでこれは日本統治時代後の新しい麺であり、元は中国式の緑豆を使ったもので中国式の押し出し麺として、18〜19世紀頃と近代になってから現れた麺です。
また、「豆乳を飲む、あるいは料理に使う」というのも、これは今の「豆乳」とは違い、中国の伝統的な「豆漿」をルーツにもつ豆汁の事である。独特の生臭さがあり、「中国では豆に水を吸わせてから石臼で挽きそれから温めるが、朝鮮では豆を茹でてから石臼で挽いて、それを温めるという少しだけ手法に違いがある」と韓国では言われるが、これは嘘である。この「豆を茹でてから石臼で挽いて、それを温める」は日本の手法であり、統治時代に日本式の製造方法が朝鮮に伝わってからやり始めたものだからだ。
この「豆に水を吸わせる」のか「豆を茹でる」かの違いは、日本の味噌や醤油と朝鮮味噌や朝鮮醤油にもそのままで、また少し違いますが麹の作り方も茹でるか水を吸わせるかのかの違いがあります。これは利用する醸す菌の違いで、日本では日本固有の黄麹菌を使うためにも他の菌を無くすために茹でます。ですが、朝鮮では枯草菌（言ってしまえば納豆菌の仲間）を使います。日本では味噌や醤油に納豆菌が禁忌とされているのもこの醸し方の違いがあるからです。豆腐作りでも同様で、日本の豆腐（島豆腐は除く）は茹でた豆を使いますが、従来の朝鮮の豆腐は島豆腐と同じで水を吸わせた豆を使います。
朝鮮時代には茶を飲む習慣がなく、「豆漿」や「米のとぎ汁」を飲んでおり、「豆漿」は中国でよく飲まれる健康飲料でもあった。韓国の今の「豆乳」はもっぱら日本式のものである。

それ以外に、落花生なども統治時代で作り始めています。
【大豆】
また最近（2023年）ぐらいから、「味噌は朝鮮半島が発祥だ」などの出鱈目な事も言い始めている。
大豆が朝鮮半島から来たものとしたいのだろう、3000年前には大豆があり五穀があって――と説明している。しかし、日本では大豆は考古学的な発見で最古になるのは現在の所、縄文時代の草創期（約1万6000〜1万1500年前）からあり、縄文時代中期（約5,000〜4,000年前）では多くが見つかっており、縄文時代後期（約3000年前）には長崎や熊本から見つかっている事から、日本から朝鮮半島に伝わった可能性の方が高い（時代的にも朝鮮半島で見つかる遺物的にも整合が取れる）。
種子に関しても大豆は、日本列島にも自生するツルマメが原種である。遺伝子による解析は難しいが、種子のサイズデータなどからダイズの栽培開始時期の推定が探索されつつある。つまり、朝鮮半島が大豆栽培や大豆加工食品の祖ではない、という事だけは確かなのである。
（日本以外でも大豆の原産地域はあるので、半島以外でも作られる大豆が日本原産かというとそうではないのには注意）。

中国の大豆の栽培の最古の記述は『詩経』（紀元前1027〜453年）で、「3000年前には」というのと合致しますね。
ですが、日本では縄文時代の草成期には栽培種があり、5000〜4000年前には全国で栽培され、3600年前には九州でも栽培されています。考古学的に見ると、圧倒的に日本の方が古くから栽培されています。中国は古くは濊の地で大豆が作られており、それを周の時代に中国北東部に持ってきて、それを漢の時代に持ってきたことが書かれています。それを考えると、北回りで回り、ボイスマン文化圏に13％入っている縄文系民族が持ってきたのではないかと思います。
これらから、日本から中国に渡った、という方が妥当でしょう。

朝鮮については、その痕跡が半島南部に多いので、やはり日本から半島に渡ったという方が妥当でしょう。また、朝鮮時代だと「穀物に豆を混ぜて食べていた（腹もちがよくなる嵩増しです）」のですが、この混ぜる豆は小豆のものもありますが、生産量から多くは大豆です。中国より朝鮮半島の方が古く、これは中国から南下した食物ではないのは6500〜4000年前ぐらいでは遼東半島の今の平地は多くが海に浸食されており、中国から朝鮮半島江の南下するのは難しい地形だったので伝達が難しかったからですね。
大体、BC12世紀（3200年前）より以前の朝鮮半島の遺跡は、多くが日本から（あるいは縄文人の中国との交易路の中継地として）の伝達になります。
大豆（Glycine max）の野生種は東アジアに広く分布していますが、その「栽培化」の起源については、長らく中国東北部が有力視されてきました。しかし、近年の遺伝学的研究や考古学的発見が、この認識を大きく変えつつあります。

日本列島における大豆の痕跡は、極めて古く、縄文時代にまで遡ることが確認されています。
縄文時代早期〜中期（約8,000年前〜5,000年前）：
複数の縄文遺跡から、炭化したり、土器に圧痕として残ったりした大豆の粒が発見されています。
特に、岡山県の朝寝鼻貝塚（あさねばなかいづか）や、鳥取県の青谷上寺地遺跡（あおやかんじちいせき）などで、縄文時代早期後半から中期初頭にかけての層から、大豆の炭化種子が発見されています。
これらの大豆は、形態的特徴や遺伝子分析から、野生種から栽培種への移行期、あるいはすでに栽培化された初期の大豆である可能性が指摘されています。特に、野生種に比べて粒が大型化していることなどが根拠とされます。
この時期の発見は、日本の縄文人が、世界でもいち早く大豆を栽培化し、利用していたことを強く示唆するものです。

それに対して中国における大豆の栽培化は、これまで一般的に約5,000年〜4,000年前頃とされてきました。
新石器時代後期（約5,000年前〜4,000年前）：
中国の遺跡からも大豆の炭化粒が発見されていますが、その年代は、日本の縄文時代の早期〜中期のものより新しいことが多いです。
例えば、黄河流域の新石器時代遺跡などから大豆の出土例がありますが、明確な栽培化の証拠となる最古の年代は、日本の縄文時代のものに比べると後に位置づけられる傾向があります。

最新の研究、特に遺伝子解析と考古学的年代測定の結果を総合すると、
  • 日本列島における大豆の利用および栽培化の痕跡は、約8,000年前まで遡る可能性があり、これは中国における明確な栽培大豆の証拠よりも古い時期を示しています。
このことは、大豆の栽培化が中国の単一の地域で始まったというよりも、東アジアの広い範囲、特に日本列島を含む地域で、複数回あるいは並行して独立して進行した可能性を示唆しています。あるいは、大豆の栽培化が日本列島で始まり、そこから大陸に伝播していったという、これまでの定説を覆す新たなシナリオも視野に入ってきています。
【小豆】
小豆は中国原産と考えられていたが、最近の研究に日本原産である事が判ってきている。
小豆は日本では縄文時代中期である約6000年前から見つかっており、中国などよりも古い。
これも、日本から朝鮮半島に伝わった可能性が高い豆である。
（日本以外でも小豆の原産地域はあるので、半島以外でも作られる小豆が日本原産かというとそうではないのには注意）。
豆類は食べ方が難しい食物なので、「穀物（小豆）を持ってきた」というより、「穀物（小豆）の食べ方を教えた」というのが合っているかとは思う。

文献に記録されているので最も古いのは、紀元前1世紀、中国最古の農業書である「氾勝之書」に、栽培方法が記載されています。
日本では、「古事記」や「日本書紀」にあずきが五穀として登場し、縄文遺跡からも発見されています。
日本のあずきは中国からの渡来と信じられてきました。しかし、DNAを調べた研究で中国のあずきとは遺伝的に別系統で進化した日本原産となる小豆だと判っており、これが朝鮮に伝わったものだろう。この「豆の食べ方」も、縄文系統の遺伝子の広がりと合致する。

日本列島における小豆の利用は、縄文時代にまで遡ることが確認されています。
縄文時代早期〜前期（約9,000年前〜6,000年前）:
福井県の鳥浜貝塚（とりはまかいづか）からは、約9,000年前の地層から野生種の小豆の種子が発見されています。これは、日本列島に小豆が非常に古くから存在していたことを示すものです。
鳥浜貝塚や岡山県の朝寝鼻貝塚（あさねばなかいづか）など、縄文時代前期（約6,000年前）の複数の遺跡から、野生種より粒が大きく、栽培化の特徴を持つとみられる小豆の種子が発見されています。
これらの発見は、日本列島において、縄文時代早期から小豆が利用され始め、縄文時代前期にはすでに栽培化の過程、あるいは初期の栽培が行われていた可能性が強く示唆されています。これは、世界的に見ても非常に古い小豆の利用・栽培化の痕跡です。

それに対して、中国大陸における小豆の栽培化は、これまでアワやキビなどと共に黄河流域で進んだと考えられてきましたが、その明確な考古学的証拠の年代は、日本の縄文時代のものより新しい傾向にあります。
新石器時代後期〜青銅器時代（約5,000年前〜3,000年前）:
中国の複数の遺跡から小豆の炭化種子が出土していますが、その年代は、概ね約5,000年前以降のものが主流です。例えば、黄河流域の文化層などからの報告があります。
これらの小豆は栽培種と考えられています。

最新の考古学的知見を比較すると、以下のようになります。
  • 日本: 約9,000年前に野生種の小豆の存在。約6,000年前には栽培化されたとみられる小豆の痕跡。
  • 中国: 明確な栽培小豆の痕跡は、概ね約5,000年前以降。
このデータに基づくと、日本列島における小豆の利用開始（野生種）は中国よりもはるかに古く、さらに栽培化についても、日本の方が中国における明確な栽培痕跡よりも、少なくとも1000年ほど先行している可能性が高いと言えます。
【緑豆】
緑豆も日本は何気に古い。
日本では福井県の鳥浜貝塚の縄文前期（BC5000年頃・7000年前）の遺跡から緑豆が出土している。
これは、野生種から栽培種になる過度期がまだ見つからず、インドからのものと思われる。
【豆腐】
豆を加工した食品で代表的なものとして『豆腐』がある。
これも作り方が違うので、別ページで説明しています。

【芋類】

芋類は主にジャガイモとサツマイモになる。

（詳しくは芋料理にもある）
サツマイモは18世紀中頃、1764年以降のものである。
ジャガイモは19世紀、1824年以降のものである。
『咸興冷麺はジャガイモやトウモロコシなどのデンプンが用いられ、細くて白っぽく、噛み切りにくい麺である』とあるのだが、ジャガイモは19世紀、トウモロコシも本格的に作られ出したのは20世紀からなので実はそれほど歴史がある料理ではない。
芋類は朝鮮総督府で栽培が推奨されるまで、あまり栽培されていない。

ジャガイモは救荒品種なので、朝鮮の人々を助ける為に推奨され、実に6倍ほどにまでなっている。
朝鮮半島の北部では米をあまり食べられておらず燕麦が多かったそうだが、そこにジャガイモを混ぜて食べていたというのは記録にある。ただ、それも19世紀中頃以降、開国してからの食べ方である（というか、ジャガイモを混ぜていたかどうかという話し以前にジャガイモがない。時代からすると、日本の牛鍋と同世代の料理である）。

ちなみに、ジャガイモ澱粉を使いだすのも、日本統治時代に入ってからである。
その前の澱粉と言うと、主に緑豆澱粉を使っている。ジャガイモ澱粉を使うほど、ジャガイモを作っていないのだ。
日本と中国だと、日本の方が少し古い。
日本:
定説では、1598年（慶長3年）頃にオランダ船がジャワ島（ジャガタラ）から長崎へ持ち込んだとされています。このため「ジャガタラいも」が転じて「ジャガイモ」という名前になったとされます。
これは16世紀末にあたります。
中国:
中国への伝来は、一般的に17世紀とされています。主にオランダ商人によって台湾や澎湖諸島を経て、中国南東部（福建省など）に持ち込まれたと考えられています。
本格栽培は、台湾が日本統治に入ってからです。

【野菜類】

野菜は種類が多いので主要なものだけになります。
朝鮮時代から、野菜の主なものは『大根』である。

韓国では白菜を「500年、野菜の王様である」と言っているが、これは嘘である。
朝鮮時代にある『キムパブ』というのも、ご飯（白米とは限らない）を塩漬けした大根の葉で包んで食べるという食べ方を指す。
【大根と白菜】
朝鮮時代のおかずの主役とも言えるのが、大根である。

また、それも日本統治で灌漑整備や土壌改善により収穫量が向上していますが、どちらかというと栽培面積拡大により収穫量が向上しています。
1909年に日本の白玉白菜を持ち込み、更に朝鮮半島向けに改良した種が、今のキムチに使われている種のルーツになります。
本格的に白菜が拡大するのは戦後、1948年ぐらいから急に豊作になっている（白菜栽培の土地を拡大したのだろうか？　逆に豆類や麦・雑穀が格段に減っているようなのだが）。日本統治が始まって大韓帝国時代の4〜5倍以上の収穫量になり、韓国になってから大韓帝国時代の8〜10倍の栽培量になったものである。
白菜については『キムチ』に少し書いています。
ちなみに、日本でも白菜はたびたび中国から入ってきていたようですが、やはり3年ほどで変質してしまうので継続して作れなかったようです。
日本でも大根はよく食べられています。江戸時代には大根料理専門書としては、『大根一式料理秘密箱』や 『諸国名産　大根料理秘伝抄（ひでんしょう）』天明五年（1785）刊があり、料理の種類はそれぞれ五十種と四十二種ですから合わせておよそ百種類ほども当時で既にあります。
【胡瓜・南瓜・葱・茄子】
1931年から胡瓜・南瓜・葱・茄子がデータに出てくる。
【キャベツ・胡麻・エゴマ】
栽培の中で珍しく、エゴマだけは栽培量が全体的に低下していく。

キャベツなどはカボチャやキュウリと同じように1931年から本格栽培を始めているようである。

韓国焼肉なんかで見られる「包んで食べる食べ方（ポッサム）」は昔からあるのだが、それにも関わらずエゴマの栽培量が減っているのは、朝鮮人の食生活の変化が関係しているのだろう。ちなみに、朝鮮半島のエゴマも日本から持ち込まれたもので、原産は東南アジアであり南西諸島ルートで日本に入って来たものと考えられる（なぜかこれも、中国から朝鮮半島を経て〜、となっているが。朝鮮半島より日本の方が利用が遥かに古い）。
それぞれの歴史を見ると、インドでは，紀元前3000年（5000年前）頃に栄えたモヘンジョ・ダロとハラッパ遺跡から胡麻種子が出土、中国では浙江省太湖沿岸の紀元前3000年（5000年前）頃の遺跡から黒胡麻の種子が大量に出土している。……のだが、実は日本の方が利用している形跡が古い。
日本では縄文時代前期（約7,000〜5,500年前）には福井県鳥浜貝塚で栽培植物種子が確認されており、既に畑作栽培していた事が判る。
また『正倉院文書』所収の、諸国の毎年の正税の収納高・支出・残高などを書き上げた帳簿の中、伊豆国・但馬国・淡路国の『正税帳（730〜739年）』でも出てきており、弥生時代のまな板から刻んで薬味として使っていたであろう事や、葉で包んだ食べ方以外に、エゴマ油を使っていた事も判っている。
エゴマの葉で包む食べ方も、『延喜式』にある漬物手法の「えづつみ」に「カブ、ショウガなど荏胡麻の葉で包み、これを醤に漬け込んだもの」という記述があり、葉をそのまま使う手法も既にあったという事です。
朝鮮半島で本格的に栽培したのは統一新羅時代の800年代前後であり、それまではそこまで使われていなかった食材であり、葉で包んで食べる手法も日本の方が古くから存在しているわけである。そのため、「サム」という食べ方自体が日本から統一新羅に伝わった可能性が高い。
中国の浙江省というと、中国文化が日本へ直接伝ったと考えられている場所で、実際に実証実験でもそこから日本の九州に渡れることは確認されている場所です（海流を使うので意外と近く、風も使えれば1日掛からない距離）。この辺り中国でより古いエゴマ利用の痕跡が見つかれば中国→日本というルートですが、周囲の土器の型式などを考えると日本→中国で伝わった（この場合はエゴマの野生種は既にあるでしょうから、食べれる事を伝えたという事でしょうが）可能性も出てきます。
また、荏胡麻ではなく胡麻は、日本ではこれまた歴史が古く、
  • 縄文時代:
縄文時代後期から弥生時代にかけての遺跡からゴマの種子が発見されており、食用や灯油として使われていた可能性が示唆されています。
  • 奈良時代:
中国からゴマ油の製油技術が伝わり、灯油として使われるようになったとされていますが、考古学的にはもっと昔から食用や灯油に使われていた可能性があります。
  • 平安時代:
食用として一般的に使われるようになったのは平安時代以降とされています。
  • 正倉院文書:
正倉院文書には、米や麦の粉を蜜でからめて、ごま油で揚げたかりんとうのような菓子があったことが記載されていますが、これは貴族の間で食べられていたものです。
  • 調味料としての利用:
奈良時代には、ゴマ油が調味料としても使われていたようです。

と歴史があります。
【人参】
人参は日本統治前のデータもあったので、それを追加すると以下になる。

この1910年頃の人参の壊滅的な状況は日本がなにかしたものではなく、「1902年頃から人参に病毒蔓延し、官民がこれを放置」と記載があった。
ほぼ壊滅状態にあった朝鮮の人参を復活させ、さらに1902年以前の5〜6倍ほどになるまで増産したのが朝鮮総督府である。

【日本と中国】

日本と中国の作物の開始時期を並べると、こうなる。
日本と中国における主要作物の利用・栽培化年代比較
以下の表は、各作物について、日本と中国における最も古い利用または栽培化の痕跡を比較したものです。これは、最新の考古学的研究成果に基づく、現在の学術的な見解を反映するものです。
作物名日本での最新の研究結果中国での最新の研究結果比較
稲 (イネ)縄文時代早期〜前期:15,000年前〜6,000年前
プラント・オパール、栽培化の可能性		新石器時代早期:9,000年前
長江流域での栽培化		中国が大規模な栽培化の起源としては古い。しかし、日本列島では縄文時代に極めて古い段階でのイネ科植物の利用・栽培化の可能性が指摘されており、単なる伝播ではない独自の進化や、複数起源の可能性が議論されている。
粟 (アワ)縄文時代早期〜前期:6,000年前
鳥浜貝塚など		新石器時代早期:8,000年前〜7,500年前
黄河流域での栽培化		中国の方が約1,500年〜2,000年古い。
アワの栽培化の起源地は中国。
黍 (キビ)縄文時代後期〜晩期:4,000年前〜2,500年前
板付遺跡など		新石器時代中期:河北省の磁山遺跡で約8,000年前
黄河流域での栽培化		中国の方が約4,000年古い。
キビの栽培化の起源地は中国。
稗 (ヒエ)縄文時代早期:9,000年前
鳥浜貝塚での利用。
縄文時代前期:6,000年前
栽培化の可能性		新石器時代中期:4,000年前頃
利用痕跡		日本の方が約2,000年〜5,000年古い。
ヒエは日本列島での独自栽培化の可能性が非常に高い。
大麦 (オオムギ)縄文時代早期:9,000年前
白保竿根田原洞穴遺跡での野生種の存在。
縄文時代中期:4,000年前
三内丸山遺跡での栽培種とみられる痕跡
ただし、中国経由で西洋大麦がくると在来大麦は淘汰されていったと考えられる。		新石器時代後期:3,500年前〜3,000年前以降
黄河流域での利用が本格化		野生種の存在や栽培種の初期痕跡は日本の方が古い。
栽培化の起源は西アジアだが、東アジアでの伝播史において、日本での利用・栽培開始は中国より早い。
小麦 (コムギ)縄文時代後期（約4000年前）から
岡山県の遺跡（例：津島遺跡など）から小麦のプラント・オパールが見つかっているほか、九州地方の縄文後期遺跡（例：坂戸山遺跡など）からも土器の圧痕やプラント・オパール分析によって、小麦を含む雑穀の存在が確認		中国西北部（甘粛省など）の遺跡で、約5000年前の小麦の炭化粒中国の方が約1,000年ほど古い
大豆 (ダイズ)縄文時代早期〜前期:8,000年前〜5,000年前
栽培化とみられる痕跡		新石器時代後期:約5,000年前
明確な栽培痕跡		日本の方が約1,000年〜3,000年古い可能性が高い。
日本列島が栽培化の重要な拠点の一つであった可能性が指摘されている。
小豆 (アズキ)縄文時代早期:9,000年前
鳥浜貝塚での野生種の利用。
縄文時代前期:6,000年前
栽培化の可能性		新石器時代後期:約5,000年前
明確な栽培痕跡		日本の方が約1,000年〜4,000年古い可能性が高い。
日本列島が栽培化の重要な拠点の一つであった可能性が指摘されている。
クリ (栗・どんぐり)縄文時代早期:10,000年以上前
鳥浜貝塚での利用痕跡		新石器時代早期:9,000年前
磁山文化遺跡での大規模な利用痕跡		日本の方が約1,000年〜数千年古い。
縄文時代の大規模な森林管理も特筆される。
両国とも野生種の利用だが、縄文人の高度なアク抜き技術が特筆される。
ヒョウタン (瓢箪)縄文時代早期:9,000年前
鳥浜貝塚での利用痕跡		新石器時代早期:
9,000年前
賈湖文化遺跡での利用痕跡		ほぼ同時期。
どちらも非常に古く、世界最古級の利用痕跡を持つ。
エゴマ/シソ縄文時代早期:約7,000年前
利用痕跡		新石器時代後期:約5,000年前
竜山文化遺跡での利用痕跡		日本の方が約2,000年古い。
ジャガイモ (馬鈴薯)伝来:16世紀末（約1598年）伝来:17世紀日本の方が僅かに早い伝来。ただし、栽培起源は南米アンデス高地であり、利用普及は両国とも18世紀で少しだけ日本が早い。
分かりやすく書くと、
「日本が中国より古い」と明確に言える食物作物:
  • 稗（ヒエ）
  • 大豆（ダイズ）
  • 小豆（アズキ）
  • クリ（栗）
  • ドングリ（団栗）
  • 大麦（オオムギ） (野生種の存在と初期栽培痕跡)
  • エゴマ/シソ
「日本も中国も非常に古い（ほぼ同時代）」作物:
  • ヒョウタン
「中国が日本より古い」作物:
  • 粟（アワ）
  • 黍（キビ）
  • 小麦（コムギ）
「日本と中国が同じように古いので、わからない）
  • 稲（イネ）/(大規模栽培の起源としては中国の方が古い）
「伝来が日本の方が早い」作物:
  • ジャガイモ
この包括的な比較から、日本列島の縄文時代は、これまで考えられていた以上に、東アジアにおける多様な農耕文化の発展において、独自の、そして先行する役割を果たしていたことが強く示唆されます。特に、稗、大豆、小豆、クリ、ドングリに関しては、日本列島がその利用・栽培化の初期段階で顕著な特徴を持ち、中国大陸の初期痕跡よりも古い、あるいは匹敵する時期であることが現在の考古学では有力な見解となっています。
朝鮮半島は、基本的に日本や中国より新しいので、論外なのである。
【中国文明に対する日本の影響】
中国大陸における初期の定住化と農耕文明の発展に、日本列島、すなわち縄文時代の人々が何らかの形で深く関与し、影響を与えた可能性は、現在の研究が強く示唆されています。
これまでの伝統的な歴史観では、中国大陸の農耕文明が日本列島に一方的に伝播した、という「大陸→日本」の一方向モデルが主流でした。しかし、以下の事実から、双方向的、あるいは日本列島が先行する要素を持つ交流があった可能性が高まっています。

縄文人の関与が示唆される根拠
世界最古級のヒスイ交流（約8000年前）：
中国東北部の興隆窪文化（約8200年前〜7200年前）という、中国新石器時代最古級の農耕文化（初期農耕と定住が進行）から、日本の新潟県糸魚川産のヒスイが発見されました。これは、縄文人が約8000年前という非常に早い段階で、既に長距離の海洋航海能力と、貴重な資源を大陸に供給する交易ネットワークを持っていたことを示します。このような物質の交流は、単なるモノのやり取りに留まらず、人と人との接触を通じて、知識や技術、情報も交換された可能性を強く示唆します。
日本列島で先行する、あるいは同等に古い食物作物の利用・栽培化：
稗（ヒエ）、大豆、小豆については、日本列島で確認される利用・栽培化の痕跡が、中国大陸の明確な痕跡よりも約1,000年〜数千年古い可能性があります。クリやドングリなどの堅果類も、日本列島では約10,000年以上前から大規模な利用や管理が行われており、中国の明確な利用開始時期よりも古い可能性があります。
これらの作物は、初期の畑作や、定住生活の食料基盤を支える上で極めて重要です。もし日本列島でこれらの作物の利用・栽培化が先行していたとすれば、その知識や技術、あるいは作物の種子が、交流を通じて中国大陸に伝わった、または影響を与えたあると考えられています。
中国沿岸部での日本産黒曜石の発見：
長江流域の河姆渡文化（約7000年前〜5000年前）など、中国の初期農耕の中心地からも、日本の九州北部産の黒曜石が見つかっています。
これもまた、縄文人が中国の主要な農耕文明地域と継続的に接触していた証拠です。このような接触の場で、食料生産に関する情報交換が行われても不思議ではありません。
これらの考古学的発見は、縄文時代の人々が、中国大陸における初期の定住生活や農耕文明の形成に、単なる受容者ではなく、能動的な役割、場合によっては影響を与える側として関与していた可能性が十分にあることを示しています。彼らが持っていた高度な海洋航海技術、貴重な資源を供給する交易ネットワーク、そして独自に発展させた植物の利用・栽培化の知識が、東アジア全体の古代文明の発展に、私たちがこれまで想像していた以上に複雑で多方向的な影響を与えていたと考えるべきです。
この視点は、東アジアの古代史、特に農耕の起源と伝播に関する私たちの理解を根本から見直す、極めて重要なものとなっています。

【料理】

どのように植物性のものを食べていたかが記録されているものもある。

【大韓帝国時代】

これは1906〜1909年と大韓帝国時代で両班がまだいた時代に朝鮮に訪れた日本人が記録した『朝鮮の生活と文化』に書かれており、
  • 菜（ナムル）：浸し（材料としては花・實（実）・葉・芽・茎・外皮・真皮・根など）
  • 羮（クク）：清汁・味噌汁
  • チチミ（チチミ）：煮付
  • 醤菜（チャンアチー）：醤油漬
  • ヌルングチョク（ヌルングチョク）：揚げ物
  • 包葉（サム）：葉巻飯（これはサンチュみたいな葉物で巻いて食べる方法の事）
などにするとある。
また、穀物については
  • 朝晩、米の飯を食うのは上流だけ
  • 中流以下だと粟・稗・麦に豆類、トウモロコシ・ジャガイモを混ぜて食べる
と、朝鮮人が一般的に米を食べられるようになったのは日本統治下からの話だと分かる。
また、ここでは「ジャガイモを混ぜる」と書いてあるが、これは元からそうなのではなく、これも19世紀中頃以降の話である。さらに北方ではそれらでなく主に燕麦だったらしい。
また、中流以下では肉を食べる機会はほとんどなく、
  • 野菜の味噌汁
  • 清汁に漬物
  • 焼海苔（板海苔を焼いたものではなく、バラ海苔を焼いたもの）、焼昆布、貝類、塩辛く硬い干し魚
といったものが食事であったとある。

【甘味】

元々は砂糖は大変に貴重で口にできるものではなく、蜂蜜はあったようですが砂糖は殆どなかったようです。これが開国後に砂糖が入ってきて、過剰なほど甘い食べ物が一気に増えます。開国後に砂糖をまぶした菓子が出てきますが、これらは全て19世紀後半から日本統治の間で生まれた菓子が殆どです。日本の和菓子のように古い歴史があるものはほぼありません。

【朝鮮の料理】

西洋諸国では長らく「四味」、すなわち「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」（正確に言えばもっと色々とあるのだが）になる。
だが、日本・中国・朝鮮では「五味」になる。
日本と中国は5番目の味に「旨味」であり、これは乾物などから得られるもので、今は「旨味」を感じる味蕾があるのは知られている。

――しかし、朝鮮半島での5番目の味は「辛味」である。
日本や中国では「旨味」を活かした料理が多数存在するが、朝鮮半島は朝鮮時代には中国料理を模倣した料理が多くあるが表面的な模倣であり、日本統治になるまでそのような料理がほとんど存在していないのだ。昆布なども朝鮮時代には日本の様に出汁のために使われる事はしていない。
「辛味」とは実は痛覚で、痛みにより脳が誤認し脳内分泌物が出て多幸性を得られるという中毒性があるものである（そのため、辛味を好むと、より多幸性を得ようとどんどんと辛い料理を食べるようになる）。
朝鮮人は「旨味」を感じる味蕾が少なく、所謂「味わい」が判り難い民族なのである。
昔、世界各国の料理人の味覚を調査した論文（ただ母数が少ないのだが）があるのだが、それだと、日本人を100とすると、フランス人で80、その他で70〜60に対して、韓国人の料理人の味覚は50ほどだったというのがある。「味わい」が分からないので、濃い味、すなわち大蒜が聞いており唐辛子を多用するような『刺激の強い味』を好んでいるわけです（韓国人は「味が多彩だ」と自意識をもっているようだが、日本人や中国人、フランス人からすると「味が単調で深みがない」なのですけどね）。この「濃い味」は、味に鈍感だからこそ好むもので、昔のアメリカなどもそうですね。フランスにおいてもバターを多用する「コク」を重視していたほどです。
ただ、フランス料理でも昨今は日本料理の手法を積極的に取り入れた「味わい」を大事にした料理が増えている。
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