×

豆腐編集する

最終更新： mitsuko_tada mitsuko_tada 2025年07月05日(土) 06:07:47履歴

豆を加工した食品で代表的なものとして『豆腐』がある。

【韓国の豆腐】

「두부（dubu）」は「豆腐」で、これは中国語の「豆腐（Dòufu）」からきている。
「순두부」は「水豆腐」、おぼろ豆腐のような柔らかい豆腐という意味で中国語の借用語（中国語だとこの豆腐は「南豆腐」と書く）であり、18世紀頃になって日本からもたらされた製法の豆腐である（それまでは中国式の固めな豆腐が作られている（おぼろ豆腐は、また別の名称がある）。

【豆腐の俗説】

最近の韓国では「井戸水と海水を使って偶然に朝鮮で作られた」という俗説が流れているが、これまた嘘である。
豆腐は中国がまず最初に出てきており、次に日本。それに遅れて朝鮮半島で見られる食品である。
実はこの「井戸水と海水を使って偶然作られた」という俗説は、中国で豆腐を作られた逸話の変形にすぎないだろう。
【中国の豆腐】
中国の逸話では「豆腐は豆の絞り汁（中国の伝統的な健康飲料である「豆漿」）に不純物が入った海水が誤って混ざり偶然発見された」というのがある。この中国の逸話を朝鮮のものとパクったものだろう（この作り方は、固めな豆腐が出来る）。実際、17世紀までの朝鮮の豆腐は日本の豆腐とは違う、中国と同じ水分量が少ない固い豆腐であった事は分かっており（当時の日本では既に水分量が多い豆腐である。ちなみにその前は、同じような豆腐であり中国の作り方を踏襲していたので江戸時代の物より固く、この作り方をする豆腐も日本国内の地方にある）、朝鮮では中国の作り方をしていた事が分かる。

中国も古い時代から続く作り方は内陸部で多いのは石膏を凝固剤に使った作り方で、これが沿海地域では凝固剤が海水になる。また、基本的に生絞り製法で作っている。
【島豆腐】
また、そもそもが間違っていて、『海水』を使うのは「島豆腐」とも呼ばれる生搾り法と呼ばれる作り方で、豆に水を吸わせ、そのまま煮ずに搾っておからと豆乳に分け、豆乳を煮てから『海水』を入れて脱水成型するもの。つまり韓国の俗説は従来からあるこちらの手法の事だが、この豆腐は固めの豆腐であり「순두부」つまり「水豆腐」とは違うものである（たぶん『にがり』を「海水から」という事しか知らずに捏造創作されたのだろう）。 『にがり』を使う「豆腐」は煮搾り法で、豆を煮て、それを搾っておからと豆乳に分け、豆乳を煮てから『にがり』を入れて脱水成型し、水の中に入れエグミを取るというもの。
『にがり』だけを使うか『海水』を使うかの違いがある。
ちなみに、沖縄も入れて南西諸島では島ごとに作り方に差異が少しずつあり、その時系列的な製法の変化がよく分かる。

日本には海水を凝固剤にする生絞り製法が最初に来ている。ただ、ここから日本は独自性が出てくる。
日本に入ってくると、内陸部で生絞り製法のまま凝固剤はにがりを使うものに変わっていく。これが、平安時代や鎌倉時代となる（後に出てくるが、源氏に敗れて散った「平氏の落人」が地方拡大にも影響してくる）。
その後、生絞り製法が熱絞り製法に変わっていき日本の豆腐製法の主流となり、水分量の多い豆腐が作られてくるようになってくる。
その為、南西諸島では沖縄辺りだと「生絞り製法で島豆腐は海水でなければだめ」となるし、他の島では「生絞り製法だけど凝固剤はにがり」であるし、九州に近付くと「凝固剤はにがりだけど熱絞り製法」と本州に近い造り方の島豆腐になる。
また、この「にがり」や「熱絞り製法」、そして「絹漉し豆腐」など『水分量の多い柔らかい豆腐』が逆輸入的に中国の沿岸にも入ってきます。
ちなみに、絹漉し豆腐なども日本発祥の豆腐である。
【韓国の豆腐】
朝鮮時代では『豆腐』は『豆泡』と書くが、これは茹でた豆ではなく水に浸した豆から作るからこそ（水に浸した豆からは泡が出る）のもので、やはり中国式の豆腐作りをしていたのも判る。
また、朝鮮半島の「水豆腐」は古くなく近代以降に出来たものだと判っている。水分量が多く滑らかな豆腐は、その匂いから中国の石膏粉式ではなく、日本式なのでこれは日本統治時代に教わった（伝聞ではなく、正しく日本式の豆腐作りを教わった――日本統治時代に、日本式の豆腐を作る朝鮮豆腐株式会社が作られており、ここでの作り方の系譜が今の韓国の豆腐の作り方の大部分になる）ものだろう。

韓国ではこんな事を言っているのもあった。
1597年6月22日（旧暦）。壬辰倭乱ている。数多くの勝利にもかかわらず、母艦に李舜臣将軍のビョスルギルは切れた。命も救ったのが幸いである。白衣従軍。権慄将軍があった慶南陜川に向かった。その日の朝「乱中日記」の記録である。（陜川）哨戒郡守がヨンポ（湯）を設けて訪ねてきて勧めた。顔に傲慢な気配がはっきり感じられた。
「ヨンポタン（軟泡湯）」の「フォー（泡）」は、泡である。「ヨンポ」は絹ごし豆腐だ。豆腐を作る時にクリーム状になる。豆腐を「フォー」と呼んだ。
という説明をしているものもあるが、これは嘘である。この「クリーム状に」というのだと、豆乳（半島だと、水分を吸わせた大豆を潰してそのまま漉し搾った、日本とは違う生臭い豆乳）の事である。また、絹漉し豆腐はありえず、あってゆし豆腐である（そもそも、まだこの時代に日本発祥の絹漉し豆腐はない）。「朝鮮時代では『豆腐』は『豆泡』と書く」と先に書いてあるが、『豆泡』は「dupo」と呼ぶのであって、『豆腐』を「フォー」とは呼ばない。
と、独自の新解釈ばかりという嘘の俗説を信じている人が多いようだ。

実際を言うと、「軟泡湯」は朝鮮時代の文献の記録で「豆腐を主材料とするスープ」を指す。
1766年(英祖42年)、柳重臨が『山林経済』を増補して編纂した『�疂篁確啖从僉戮法崙靄�湯の作り方」が記録されている。
1849年(憲宗15年)に完成された洪錫謨の『東國歲時記』10月条には、「今食べるおかずの中で最も良い食べ物は豆腐であり、豆腐を細く切って串に刺して油で焼いた後、鶏肉を混ぜてスープを煮てこれを軟泡湯という」と書かれている。
朝鮮後期に書かれたと推定される料理書『酒饌』にも「軟泡」の記録がある。

『�疂篁確啖从僉戮砲蓮�
軟泡湯は、鶏肉をきれいに手入れし、牛肉一塊と一緒に煮込み、牛肉は取り出し、鶏肉は細かく裂く。一方、豆腐を作るにはしっかりと押さえる必要があり、長さ8〜9分（24〜27mm）、四方幅2〜3分（6〜9mm）に切り、塩をふりかけてしばらく置く。鍋の蓋を炭火の上に置き、油をたっぷり塗って豆腐を焼くが、豆腐に焼けない部分がないように均等に焼く。次に、まず牛肉を茹でて肉を取り出し、脇に置いておき、焼いた豆腐を牛肉のスープに入れ、また油と味噌を入れて味付けを整えた後、生姜、ネギ、椎茸を必ず細かく刻んで入れる。 また、ボウルに肉汁を少し入れ、細かい小麦粉を均等に混ぜるが、あまり多く入れてはいけない。もう一つの方法は、焼いた豆腐を3〜4枚ずつ細長い串を縦に刺して串を作り、スープに浸して食べる。
とある。
『酒饌』には、
豆腐を指のように切って油で炒めて、鶏の茹で汁を混ぜて煎じる。茹でた鶏肉を乱切りにしてみじん切りにし、椎茸、ネギ、生姜もみじん切りにして混ぜ合わせ、粉汁も少しほぐして全部入れて煮る。コショウ、コショウの粉をふりかけて苦くする。
とある。
つまり、細長く切った豆腐を満遍なく焼いて焼き豆腐にし、牛・鶏や鶏のスープに浸して食べる料理である。豆腐はやはり中国的であり、このように細長く切れ、串に刺せるという事は堅めな豆腐だった事が判る。ただ、なんで「軟泡」と呼ぶのかは、調べてもよく分からなかった。
朝鮮半島だと、中国から生絞り製法で凝固剤は海水の豆腐が伝わり、それが李氏朝鮮時代でも作られている。
実際、李氏朝鮮時代の文献資料を調査しても、「豆腐に海水を使って作っていた」という記載はされている。
そして「にがり（苦汁）を使って作っていた」という記述は見当たらない。
また、李氏朝鮮時代の記録で、沿岸地域で豆腐を作っていた記録は確認できるのだが、それらは海水を使っている。海岸から遠い内陸部でも豆腐は作られていたが、その場合は凝固剤として塩を水に溶かした水（「간수：かんすい」と呼ぶ）を使っていた事が『文宗實錄』に書いている（中国麺で使う「かん水」とも違うし、日本語で使う「にがり（苦汁）」とも違う。言うならば独自に豆腐の凝固剤である）。
最近の韓国では、「塩を水に溶かした水（「간수：かんすい」と呼ぶ）」を「にがりの事だ」と説明しているものも見掛けたが、『文宗實錄』に書かれている「塩を水に溶かしたものをかん水として使った（소금을 녹인 물을 간수로 사용한다는）」という話とはまるで違うので、やはり近代になって歪曲されたものであるようだ。

ここら辺が、朝鮮時代では日本で言う所の麺、中国で言う所の面のような料理がほぼなく、一般的には蕎麦と緑豆澱粉を使った中国式の押し出し麺が使われていた要因かもしれません（切り麺は1809年の『閨閤叢書』に出てくる、日本の麺を真似した新しい食べ方です）。
ちなみにアルカリ塩水（中国語で使う「かん水」）でも豆腐は作れなくないが、その場合はとろとろの柔らか豆腐になる。また、逆で分量にさえ気を付ければ、中華麺をにがりで作る事はできます。
日本では中華麺が来るまで「かん水（中国語の意味）」を使っていた記録はない、のだが。実はかん水を使った記録自体は古くて、1488年には日本で「経帯麺」というかん水を使った現在の中華麺に近いレシピの麺が出されたという記録があります。ただ、定着するのは明治以降ですね。なにより、その「かん水（中国語の意味）」が日本国内では手に入らなかったので。

【豆腐の文献】

ちなみに、朝鮮で豆腐に関する記録が最初に登場するのは異色（1328〜1396年）の「首家（牧隱集）」です。
日本はそれより古く1183年の奈良・春日神社の供物帖の中に「唐府」という記述があり、豆腐自体は奈良時代の遣唐使で伝わったものだと考えられている（この豆腐は島豆腐の作り方で、今の豆腐より固いもの）。

簡単に纏めると、豆腐を作り始めたのは漢代あるいは唐代末の中国で間違いがない。
この豆腐作りが、日本に、そして少し遅れて朝鮮にと双方の国に渡り、その作り方を日本統治前まで大きな変化がなく続けてきたのが朝鮮半島。そして独自の作り方に変えていき様々な豆腐を持つようになったのが日本というわけである。
その日本独自の作り方が日本統治時代に朝鮮人に教え、それが今の韓国の豆腐の主流になっている。

【土佐田舎豆腐】

疑問に思うのが、高知にある「土佐田舎豆腐」である。
これを「朝鮮出兵時に連れて来た朝鮮人が教えた」としきりに喧伝しているが、これには疑問がある。
  1. そもそも、当時の日本の豆腐は今の日本の豆腐より固い（水分量が少ない）ものである。
    勿論、奈良時代に来た豆腐よりは柔らかくなっているのだが。
  2. 1183年の時点で「豆腐」は「唐腐」と呼ばれるものであり、中国からであり朝鮮からきたからではない（実際は奈良時代に来たと言われている）。
  3. 堅豆腐は、既に日本（石川県のものが有名）にある。また、土佐田舎豆腐を作っている高知西部や、そのさらに西の宮崎や熊本にもあり、高知の北西の徳島にも堅豆腐がある。これらの地方には全て平氏の落人伝承があり、彼らが作ったと言う口伝がある。
  4. 12世紀には長野・東北地方の冬場の食材で「凍み豆腐」という名称で作られており、その後の室町時代から安土桃山時代の頃、作って吊しておくうちに自然に乾燥することが発見され、これを保存食・兵糧食としたもの。
  5. 長曾我部が朝鮮人を連れてきていたのは確かだが、そこで豆腐屋を開いた朝鮮人は元武人の家系である（つまり両班）。
  6. 「唐人町」と町の名前があるのが証拠と言うが、「唐」は「日本以外の国」という意味でしかない（朝鮮人が住んだから出来たというのは、たぶん、あっている）。
これが「朝鮮人が豆腐を教えた」というのが本当かどうかは、実は「土佐田舎豆腐」がどう作られているかで判る。
【日本と朝鮮の豆腐の違い】
日本の室町時代の豆腐作りと朝鮮半島の朝鮮時代の豆腐作りは、作り方が当時でそもそも少し違う。
朝鮮の作り方（朝鮮時代）日本の作り方（室町時代）
大豆を水に浸す大豆を水に浸す
石臼で大豆をすり潰す石臼で大豆をすり潰す
潰した大豆「呉」を煮る
布で豆乳を漉して搾る布で豆乳を漉して搾る
豆乳を煮る
豆乳に海水を混ぜて固める豆乳ににがりを混ぜて固める
生絞り製法熱絞り製法
この朝鮮の豆腐の作り方は、そのまま中国式の古来からの作り方である。
朝鮮出兵があった時点で、基本的な豆腐の作り方は日本の主流となっている作り方と朝鮮半島では違っている。
「主流」と付くのは、日本国内では既に幾種類もの作り方があり、地方の特色になっているからである。
  • 当時の朝鮮半島と同じ「島豆腐（生絞り製法で海水を使う）」の作り方
  • 生絞り製法でも海水ではなくにがりを使った作り方
  • 熱絞り製法でにがりを使った作り方
安土桃山時代の日本の豆腐製法
生絞り製法熱絞り製法
大豆を水に浸す大豆を水に浸す大豆を水に浸す
石臼で大豆を磨り潰す石臼で大豆を磨り潰す石臼で大豆を磨り潰す
潰した大豆「呉」を煮る
潰した大豆「呉」を漉して搾る潰した大豆「呉」を漉して搾る煮た「呉」を漉して搾る
豆乳を煮る豆乳を煮る
豆乳に海水を混ぜ固める豆乳ににがりを混ぜ固める豆乳ににがりを混ぜ固める
凝固剤は海水凝固剤はにがり
あるいは他にもある。また木綿豆腐以外にも、ゆし豆腐・朧豆腐・凍み豆腐・高野豆腐・湯葉などもあるし、堅豆腐もある（絹漉し豆腐が現れるのはもう少し後の時代）。
日本は長いですから、地方々々で古来の作り方も、改造された作り方も、全て何処かに残っているわけです。

熱絞り製法でにがりを使用する方法は日本で生まれた豆腐製造方法あり、生絞り製法で海水を使う中国の製造方法をそのまま利用している朝鮮の豆腐製造方法式とは異なります。
熱絞り製法は、潰した大豆を煮てから絞ることで、より効率的に豆乳を抽出し、しっかりとした食感の豆腐を作るのに適しています 。一方、生絞り製法は潰した大豆を煮沸せずに豆乳を搾るため、大豆本来の風味が生かされると言われています。
実は高知の「土佐田舎豆腐」もその作り方がどうかで、朝鮮から来たものか判る。
ちなみにだが、今の韓国の豆腐は「熱絞り製法」が主流で、これは日本統治時代に伝わった製法である。
朝鮮半島の作り方については、例えば江陵草堂豆腐の俗説では「朝鮮中期の文人で姓が草堂の許曄（1517〜1580)が海水で豆腐を作り始めたことから名付けられた」という説がある。これは豆腐の名称に関する説なのだが、韓国ではこの説をもって「韓国が豆腐を作り始めた」と言っているのも見掛けるが、嘘である。その証拠に、許曄より前の時代にある記録『文宗実録』文宗1年（1450年ぐらい）に豆腐の作り方が記載されており、豆腐を作るのに海水を使ったり、塩を溶かした水を使うという話が記録されている。
朝鮮時代の作り方（沿岸部）朝鮮時代の作り方（内陸部）
大豆を水に浸す大豆を水に浸す
石臼で大豆をすり潰す石臼で大豆をすり潰す
布で豆乳を漉して搾る布で豆乳を漉して搾る
豆乳を煮る豆乳を煮る
豆乳に海水を混ぜて固める豆乳に塩に水を混ぜた「かん水」を混ぜて固める
凝固剤は海水凝固剤は塩を水に溶かしたかん水
ここで言う朝鮮での豆腐製造で使う「かん水」は、中国麺を作る際の「かん水（塩湖のアルカリ塩水）」とは異なり、広義での「塩水」を指す物であり、「海水」も「塩を水に溶かした物」もこれに含まれます。「塩辛い水」だけを取り上げて中国の言葉をそのまま借用したからだと思います。
『にがり』を使った豆腐でもありません。
【土佐田舎豆腐の作り方】
では、話題になっている高知の硬豆腐「土佐田舎豆腐」の作り方はどうか、というと。
朝鮮の作り方（朝鮮時代）土佐田舎豆腐の作り方日本の作り方（室町時代）
大豆を水に浸す＝大豆を水にさらしてふやかす＝大豆を水に浸す
石臼で大豆をすり潰す＝大豆を潰し液体（呉）にする＝石臼で大豆をすり潰す
✖「呉」を煮込む＝潰した大豆を煮る
布で「呉」を漉して豆乳を搾る＝布で包み豆乳を搾り出す＝布で豆乳を漉して搾る
豆乳を煮る✖＝
豆乳に海水を混ぜて固める✖豆乳ににがりを加える＝豆乳ににがりを混ぜて固める
土佐田舎豆腐の作り方は「水に浸ける」→「豆を潰す」→「煮る」→「絞る」という『熱絞り製法』の工程であり、日本式の豆腐だと判る。
高知の別の地域の田舎豆腐の作り方を見ても、同様である。
また、海に近い土佐で作られているにも関わらず、凝固剤が「海水」ではなく「にがり」を使っているのも朝鮮式ではない。
この製作手順から、土佐田舎豆腐は朝鮮から伝わったものではありません。
沖縄の島豆腐のように「生絞り製法で海水を使う島豆腐の作り方」だと判らなかったのですが、明らかに日本式の作り方なので判ります。

土佐の熱絞り製法は、「平家の落人」伝承がある近隣の他の地域（徳島、宮崎、熊本など）とも共通しています 。この製法の類似性は、これらの地域における豆腐製造の歴史的な繋がりや、共通の食文化の基盤を示唆するものです。
ちなみに、「水に浸した大豆を笊にあげて水をきり、やわらかくなった大豆に水を加えながら、水挽きする」手法は『湿式粉砕』と言い、その挽き汁を日本では『呉汁』と呼びます。中国から来たことがよく分かる名称ですね。『呉』という名称を使っていますので、豆腐というのは実は奈良時代より前の弥生時代（豆腐の起源が漢代からだったらですが）から来ていた可能性もあります（唐代に来ていたら『唐汁』とでもなってそうですし）。
【「平家の落人」伝承】
実は土佐も「平家の落人」伝承がある地があり、高知市・越知町・西土佐村・宿毛市・土佐清水市・大道・三原村などです。
この地域と言うのは、ほとんどが「土佐田舎豆腐」がちょうど作られている土地になります。そもそも「高知田舎豆腐」は「高知県の山間部で伝統的に作られてきた豆腐」であり、高知の唐人町で作られ始めた豆腐ではないのですね。
ですので、「朝鮮人が」というのは最近になって、この「平家の落人」伝承を塗りつぶす様に後から作られたものにすぎない。
高知県西部の四万十町大道の「豆腐の味噌漬け」という郷土料理があり、平家の落人の保存食とも言われ「平家の落人」伝承の残る山間地で昔から作られてきたものです。つまり、長曾我部が朝鮮人が連れてくる前から土佐に豆腐は存在していたという事ですね。

そもそもが、この「朝鮮人が豆腐を伝えた」という説は、『皆山集』という郷土資料にあり、これは明治に入ってから様々な文献を基に編纂して作られたものです。これには注意として「真偽がはっきりしないものも、伝承は伝承なので編纂の中に入れている」というもので、内容自体の真偽は関係がないものです。
そして、そもそもが「朝鮮人が豆腐を伝えた」という記載はなく、あるのは「豆腐製造の専売権を与えた」という内容です。
  • 口伝では800年前に豆腐が伝えられている。
  • 江戸時代に入ってから朝鮮人を唐人町に住まわせ、高知城下の豆腐製造の専売権を与えた。
  • 当時の高知城の城下町には豆腐作りする者がいなかった。
確かと言えるのはこれだけです。
【唐人豆腐】
実際のところを言うと、「豆腐を伝えた」とは書かれていません。
この名称は「「唐人豆腐」という名称は、江戸時代初期に唐人町での豆腐の専売が推奨されたことに由来する」という説からのものであり、唐人町で作った豆腐が土佐に広がったという話ではありません（実際「唐人町で作った豆腐は、周囲の豆腐に比べても美味しかった」と、他の場所では豆腐が作られている事も書かれている）。

これは勝手に拡大解釈しているだけで、書かれている内容は「慶長六年（1601年）、山内一豊が土佐に入国後、高知城を築城すると、朴好仁らは城下唐人町に移住し、六十八座の豆腐製造の専売特許を受けた」とあるだけです。この「68座」とは、ここでは「高知城下での豆腐製造の専売権」という話になります。といのも、土佐藩が「高知城下の豆腐販売の人数を69座以上にはしていけない」と定めたからです。この「座」の意味は時代によって異なりますが、ここでは「豆腐製造ができるものは68座（人）＝68店まで」とし、その68座（人）＝68店の任命権を秋月種信が持ったという意味です。
土佐国でも高知城下町の外には及ばない、高知城下町内に限られた豆腐製造の専売という事です。
高知城下の豆腐座（豆腐製造の専売業者の組織）の所属は68座（68人＝68店）までとし、その68座（68人）を任命する権限を秋月家に与えた
という意味ですね。
「座」とは銀座（銀の専売を行う業者）や米座・塩座などの地域の特定商売の独占権を持つ業者組織という意味で、「楽座（市場に限定して座による商売の独占を否定し、楽市令をより強化する政策）」などでも使われる「座」であり、「座」に属する者を「座人」と言います。他の人に座を渡す（無料でも有料でも）と製造者が増えますし、誰にも座を渡さなかったり、親族にしか渡さなければ特定業種を独占も可能になる訳です。

関ヶ原の戦いの後に長宗我部が改易となり、秋月種信は浪人となっている。慶長六年（1601年）に山内一豊が新しい領主として赴任すると、彼は好仁たちの生活を保障し、諸役も免除するなど手厚い保護を加えた。最初は扶持も貰えていたのだが凶作により打ち切られ、再度扶持を貰えるようになるのだが。扶持を貰っていたのは秋月種信でなく、その父の朴好仁である。朴好仁が朝鮮に帰ると、残された秋月種信は武士ではなく浪人身分なので扶持は与えられない。その代わりに、山内一豊が「城下での豆腐製造の専売権」を与えたというものである。
【朝鮮人捕虜の庇護】
これは、豊臣秀吉が文禄・慶長の役で指示した内容が関係しています。
  • 当時の大名家文書
    九州の大名家に残された記録の中に、秀吉からの命令や指示を記した書状が含まれています。これらの書状には、人狩りの禁止や捕虜の扱いに関する記述が見られます。
複数の書簡で確認できる内容です。
  • 「日本戦史・朝鮮役」
    参謀本部が編纂した戦史であり、文禄・慶長の役に関する詳細な記録が残されています。この中にも、秀吉の命令や指示に関する記述が含まれています。
で判っているのですが、
  • 人狩りの禁止
    朝鮮の人々を捕らえて奴隷として売買することを厳しく禁じています。
    特に、キリシタン大名による人狩り行為を強く戒めています。
  • 捕虜の扱い
    捕虜となった人々に対しては、丁重に扱い、虐待を加えないように指示しています。
    捕虜の身分や状況に応じて、適切な処遇を与えるように求めています。また、戦場における略奪行為も禁止し、違反者には厳しい処罰を科すことを命じました。
と、韓国がナショナリズムで偏向して喧伝している「人狩りや奴隷のような扱い」は実際に行われておらず、禁止しています。
その前の長曾我部の時代には「秋月城主・朴好仁らは、浦戸城下に住み「湯薬師朴好仁」の看板を門前に掲げていたというので、捕虜となっていますので日本に連れてきていますが、その生活は強制的に労働させられるようなものではありません。『土佐物語』巻第17「山内七郎兵衛妻女の事」には、文禄3年（1594年）、元親勢が生け捕った朝鮮人は380余人とあり、土佐へ帰国すると共に、元親は彼らを不憫に思い、唐人町（現高知市唐人畑、のちに唐人町の方へ移住）を形成させたとある。
仕事にした「湯薬」とは煎じ薬のことで、彼も経東と同じように、薬草を採取して薬を調合していたと思われる」と書かれており、また他にも「経東」という人物がおり「高岡郡新居村（土佐市）に住み、山野にある薬草採集を心掛け、独特の薬を作り出した」という人物である。たぶんだが、朴好仁はこの経東を手伝い湯薬師をしたものだと思われる。また、山内一豊は、高知城下の唐人町に移住した彼らに、生業として豆腐業やこんにゃく業を与え、彼らの生活が守られるように専売権を与えたものと考えられる。

「優秀だから」ではなく、「異国の地での生活ができるように」ということです。
ちなみに、「優秀だから」と長宗我部が優遇したのは、優秀な医師（薬師）だった経東という人物の方です。
また、山内一豊が、唐人町に朝鮮人たちを移住させた事、また生業として新しく作った高知城下街にはまだいなかった豆腐座を秋月に与えた（さらに言えばそれを保護するように他の豆腐座が入らないようにした）のも、この経東が関係していると私は思います。
なぜならこの経東という人物は慶長4年（1599年）5月19日に61歳で卒去しているからです。

彼らが「豆腐座」の独占を山内一豊から渡された背景は大きく2つあるかとは思います。
  • 彼が亡くなった事により、土佐に連れて来られた朝鮮人が生業として行っていた湯薬師業の要を失い成り立たなくなり、彼らは窮乏に瀕したのではないかと思います。
これは、土佐に来た朝鮮人コミュニティ全体の話です。多分ですが、「薬草を取りにいく人」と「それぞれの地（近隣）で開いた湯薬師業」だが、その要は薬を作り、また調整もできる経東だったのでしょう。彼がいなくなれば、薬草も使い道がなく、湯薬師も適切な薬を提供できなくなるわけです。
もう1つが、
  • 関ケ原で西郡についた長宗我部が改易されたので、長宗我部の小姓をしていた秋月も解任され浪人になり、扶持を失った。
というのも関係するのではないかと思います。
朝鮮人コミュニティ全体の生業の維持という観点も考慮に入れると、これは一連の出来事の中で、新たな領主である山内氏が、前政権下で庇護されていた朝鮮の人々に対して、新たな生活の機会を提供したと解釈できます。
【与えられた豆腐座の範囲】
では、その豆腐製造の専売範囲というとどこかというと、これぐらい。

「土佐国全体」と勘違いしているようなのを多く見掛けるが、この「高知城下町」での豆腐製造の専売特許を与えられた、という話です。

江戸時代、城下町における特定の商品の専売権は、藩の経済政策の一環としてしばしば設けられました。高知城下における豆腐製造の専売権は製造者を68座（68店）に限定し、その任命権を秋月家に与えたという意味合いをです。これは、城下町の経済活動を統制し、特定の商人や職人を保護する目的があるものです。この独占的な措置は、新しい城下町の発展と、そこに居住する人々の生業の安定を図るためのものであったのです。

まぁ、米座や塩座といった藩全体に関わる業種は論外ですし、大工など場所を流れて行う業種ならともかく、それぞれの地域コミュニティに根差した業種は簡単には人材は移動できません。まさか、大月村の豆腐製造者を高知城下に無理矢理引っ張ってきて、大月村を豆腐ロスにする事はできませんからね。そういう視点からも、高知城下に移住したが生業を失っていた朝鮮人コミュニティに、高知城下にはまだなかった豆腐座を作り専売権を与えた、というのは、理解できる妥当な政策とも言えます。
【城下に豆腐がない】
これも勘違いしている点である。
「土佐国に豆腐が無かった」わけではなく、あくまで「高知城下に豆腐座（豆腐組合）が無かった」という話である。

それもさもありなんで、高知城下というのは慶長6年（1601年）に土佐藩初代藩主・山内一豊が城の築城を開始し、城下町の建設も開始されたという場所だからです（それ以前は人が住んでいないのだから、当然だが豆腐製造者もまだいない。ちなみに、長宗我部時代にも築城を考えられ計画はされたが、この場所は低湿地の山麓なので難しく、南の浦戸城を作った事も判っている）。「唐人町に」という自体が、新しく作っている高知城下町に人を集めるという趣旨の話で、「既に古くから町があり人が住んでおり、そこを優遇して既に住んでいた人をどけて朝鮮人たちを住まわせた」と言う話でもありません（古地図を見て分かる通り、元々は周囲には町がない人があまり住んでいない土地だったわけです。どうも人々は、もっと南の海岸側の方に住んでいたようですね）。
もちろん、土佐も時代と共に人口も増えます。
土佐国全体では人口は判っています。
  • 天和2年(1682年)：333,202人（市民）+約40,000人（武士階級及びその家族）
  • 享保5年CI720年)：399,167人（市民）+約47,000人（武士階級及びその家族）
  • 弘化2年(1845年)：507,095人（市民）+45,213人（武士階級及びその家族）
となります。　
ただし、高知城下町の人口はあまり変わらず、17世紀〜19世紀の間は15,000〜16,000人（市民）+10,000〜15,000人（武士階級及びその家族）という計25,000〜30,000人程度の城下町人口になります（それでも結構な人数の購買者がいた、という事になりますね）。これが「秋月種信が城下町で豆腐製造の専売権を得た」という唐人豆腐の商売範囲で、東西10km弱・南北3km程度の範囲で豆腐製造の専売権という事です。
この高知城下で、秋月家は明治維新まで豆腐製造の専売を続けます。秋月家が許されているのは豆腐製造の専売権は68座（人）＝68店ですから、1座（人）＝1店当たりの販売する範囲は平均して370〜440人を顧客を相手にするという事で、機械化などまだ出来ない手仕事の時代ですから、ちょうど合いますね。
1601年から始まる前の高知城および城下町の建設の前の城下町は、高知城より南で桂浜などがある沿岸にある浦戸城です。長曾我部もですが、その後の山内一豊も初めはこの城を拠点とします。

浦戸城の時代だと、高知城とその城下の場所は自然豊かな人が殆ど住んでいない土地です。
秋月種信とその父である朴好仁も最初は浦戸城下に住んでおり、「湯薬師朴好仁」という看板を掲げた煎じ薬屋を営んでいました。この「浦戸城下」で住んでいた際には豆腐を作っていた記録はありませんし、「豆腐を作る技術を持っていた」という記載もありません（そもそも、一族は朝鮮では城主であるので両班です。持っている方がおかしいでしょう）。
また、朝鮮人たちが住んでいた「浦戸城下」も「新居村」も、どちらも海のすぐ傍であるのに、土佐田舎豆腐は「朝鮮で作る凝固剤に海水を使う豆腐」ではなく、「日本の凝固剤ににがりを使う豆腐」を作っている。

ようは、土佐西部で作られていた田舎豆腐の職人を山内一豊が新しく作る城下町に引っ張ってきて田舎豆腐を作らせ始め、その元締めとして秋月種信が扶持に代わりとして豆腐製造の専売権を与えられたという事である。もしかして、浦戸城下に住んでた時の薬草採取のおりに西部の山間部で豆腐が作られている事を知り、土佐の他の土地には豆腐があったのに、新しく作っている高知城下にはまだ豆腐製造者が居ない事から商機と見て、秋月種信の方から山内一豊の方へ話を持ち掛けたのかもしれませんね。
高知城下町（今の高知市の中心部）には豆腐を作り人が無かったのは確かです。そもそも、新しく作ったばかりの町なのですから。
しかし、昔から土佐の東の地区では徳島と競合するようにドングリを使った餅やこんにゃくなどの食品が色々とあり「どんぐり料理文化圏」が存在します。
そして、昔から土佐の北東部の祖谷や、西の地区から四万十川、そして海を挟んで宮崎・熊本には、「平家の落人」伝承がある独自の「堅豆腐文化圏」が存在します。
どちらも安土桃山時代より前の、鎌倉時代（「平家の落人」伝承）やもっと古い時代（縄文時代）からの話です。
【かし豆腐】
かし豆腐とは、ドングリ粉を使った豆腐です。
「かしきり」の作り方は、
かしきりの作り方
あらかしの実を天日に干して外皮がはじけるまで待つ
外皮を取り除いた実を石臼で粗くひく
木綿袋に入れて2昼夜流水にさらして渋を抜く
渋を抜いた実を再び石臼で細かくひく
釜に入れ、水を加えて焦がさないようにゆっくり煮詰める
煮汁を木型に流してかためる
「かしきり（かし豆腐）」について、韓国ではそっくりな食品があり「朝鮮人が教えた」と言っていますがこれも嘘で、朝鮮では李氏朝鮮時代、朝鮮出兵時に北に逃げた王族・両班たちがドングリを食べた事から始まるものなので、時期がまるであいません。また、救荒食品という位置づけです。
ですが日本ではドングリは縄文時代から食べていたもので、定住地に植林までしている食材です。
つまり、日本から朝鮮にはありえるが、朝鮮から日本にというのは年代的にもありえない話である。
そもそもが、朝鮮半島の歴史も見れば分かるのだが、日本と朝鮮半島のドングリ食の歴史は、縄文人の歴史である。

遺跡で発掘されたドングリ利用の痕跡もあるが、日本では日本全国で多くみられるが、半島では僅かにみられるだけである。
日本ではドングリ食をしていた形跡は日本全国にあり、それは縄文時代草作期からみられ、縄文時代早期には既に製粉して利用していた形跡がある。
朝鮮半島では、ドングリの利用は縄文人が半島に定住し始めた時期以降にしか見られず、また、半島南側の方が総じて古く、半島北側は新しいという傾向があるので、南からドングリ食文化が伝達していった事が判る（同時に、いつの時代には縄文人は半島のどこまで進出していたかの目安にもなる）。

【日本の様々な堅豆腐】

実は日本には様々な堅豆腐が各地にあり、これらは大体が12世紀あたりに伝わったと言う伝承になている。
【石川の堅豆腐】
北陸の「堅豆腐」がある。これは、実は作り方が2種類あり、地方によって少し違ってきている。同じ白山市でも、
桑島の作り方白峰の作り方
大豆を水に浸す大豆を水に浸す
石臼で大豆をすり潰す石臼で大豆をすり潰す
潰した大豆を煮る
布で豆乳を漉して搾る布で豆乳を漉して搾る
豆乳を煮る
豆乳ににがりを混ぜて固める豆乳ににがりを混ぜて固める
生絞り製法熱絞り製法
と作り方に違いがある。
日本のその時代に既に「生絞り製法の堅豆腐」と「熱絞り製法の堅豆腐」存在していたのである。

この堅豆腐は「平家の落人が伝承した」と伝えられているので12世紀頃という事です。この年代は、長野・東北地方の「凍み豆腐」と同じ時期であり、伝わって来たというのに信憑性があるとは思います（ところが、肝心の農林水産省では「1592〜1598年の文禄・慶長の役で捕虜として渡来した永天斉という者が、寛永3（1626）年に金沢で七右衛門と名乗り豆腐の製造を始めた。この豆腐の製造方法は朝鮮半島から伝わったもので、白山の堅豆腐はその作り方を継承したとされている」という記載がされている。これが判らず「永天斉」という人物を調べるが、農林水産省にしか記載が出てこない。「平家の落人が伝承した」というのは色々と見掛けるのだが）。

他にも、石川県のその隣の富山県にも堅豆腐は伝承されて作られています。
やはり「平家の落人」伝承がある土地ですね。
【熊本の堅豆腐】
熊本県の特産品で豆腐のみそ漬けというのがあり、今を遡る800年ほど前　肥後連山の麓=五家荘に逃れた平家の落人が伝えたものという伝承があります。
豆腐の水気を絞り、火に炙り乾かし、一年以上味噌に漬けたものですね。
この時に使う豆腐を「かずら豆腐」と言いますが、つたかずらで結び、手で下げてもこわれないほどに固いことからその名が付いた豆腐です。この作り方は、
かずら豆腐の作り方
大豆を水に一晩浸す
大豆を砕く
砕いた大豆を煮る
布を敷いた容器でこして搾る
絞った液体が豆乳になる
豆乳ににがりを混ぜて固める
と、やはり熱絞り製法です。
【宮崎県の堅豆腐】
宮崎県の豆腐で、やはり「平家の落人」伝承がある山間部です。
「菜豆腐」は、やせた土地でも育つ、この地に自生する野沢菜に似た「平家かぶ」や、季節の野菜や花、椎茸や柚などをいれて貴重な大豆で大きな豆腐を作った昔ながらの知恵の伝承の郷土料理で、その作り方は、
菜豆腐の作り方
大豆を水に一晩浸す
大豆を砕く
砕いた大豆を煮る
布を敷いた容器でこして搾る
絞った液体が豆乳になる
豆乳ににがりと野菜を混ぜて型に入れて固める
と、やはり熱絞り製法です。
他にも梅酢と紫蘇で漬け込んだ「しそ豆腐」、昆布と麦みそで半年間も漬け込んだ「ねむらせ豆腐」などもあります。
【徳島県の堅豆腐】
徳島県は祖谷にも「岩豆腐（祖谷豆腐）」と呼ばれる固い豆腐がある。
ここもやはり、「平家の落人」伝承があり、そもそも平家の落人が最初に住み始めたとされている山間の場所です。
岩豆腐の作り方
大豆を水に一晩浸す
大豆を砕く
砕いた大豆を煮る
布を敷いた容器でこして搾る
絞った液体が豆乳になる
豆乳ににがりを混ぜて固める
と、やはり熱絞り製法です。
祖谷山を最初に開拓したとされる恵伊羅御子と小野姥の説話や屋島の戦いで落ち延びた「平家の落人」が住み着いたという伝説が残る。また、同じく「平家の落人」伝承で知られる熊本県の五家荘地域の伝承では、平清経が壇ノ浦の戦いの後に伊予国今治に落ち延び、祖谷を経て、伊予国八幡浜から九州に渡ったと伝えられている。
また祖谷に蕎麦を伝えたのも、平家の落人という伝承がある。
【平家の落人の堅豆腐ロード】
土佐田舎豆腐も含め、この「堅い豆腐」はどこも「平家の落人」伝承の場所であり、山間部と隠れ住む場所で発展した豆腐である。

これは、北陸でも同じ。
また郡山市の母袋燻りとうふも、一説には平家の落人が製法を伝えたとも言われています。
堅豆腐は、平家の落人と関連が深い12世紀に広がった料理だという事です。
また、この四国から九州の流れの「平家の落人」伝承で伝わった堅豆腐は、全て熱絞り製法で日本式の豆腐の付くり方です。
このエントリーをTumblrにポストClip to Evernoteこのエントリーをはてなブックマークに追加
豆腐 - 韓国おもしろ話 先頭へ
 

QRコード

アクセス解析中

管理人/副管理人のみ編集できます