魏志倭人伝
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mitsuko_tada 2025年06月30日(月) 20:56:47履歴
【倭の位置】 
【それぞれの国の位置】
魏志東夷伝での書き方には一貫性がある。
夫餘
東沃沮や挹婁は海岸があり、そこから広い場所が繋がっているという地形であり、濊は海が迫っている狭い海岸線である事を伝えている。つまり、東沃沮や挹婁は今の北朝鮮の朝鮮半島北東海岸地域ではない、ということであり。濊は今の北朝鮮の朝鮮半島北東海岸地域にあるという事である。
もし、倭が海の向こうにある場所であるならば、
そもそもが、渤海に対して黄海の事を「大海」と指しているのである。
夫餘
夫餘在長城之北去玄菟千里（夫餘は長城の北にある）高句麗
南與高句麗（南に高句麗に）
東與挹婁（東に挹婁に）
西與鮮卑（西は鮮卑に）
接（接している）
北有弱水（北は河がある）
高句麗在遼東之東千里（遼東の東75kmにある）：1里75mとすると千里＝75km東沃沮
南與朝鮮濊貊（南に朝鮮濊拍）
東與沃沮(東に沃沮）
北與夫餘（北は扶余に）
接（接している）
東沃沮在高句麗蓋馬大山之東（高句麗の蓋馬大山の東にある）挹婁
濱大海（海に面している）
而居其地形東北狹西南長可千里
北與挹婁夫餘（北に挹婁夫餘）
南與濊貊（南は濊拍に）
接（接している）
挹婁在夫餘東北千餘里（扶余の75km以上北東にある）濊
濱大海（海に面している）
南與北沃沮（南は北沃沮に）
接（接している）
濊南與辰韓（南に辰韓）韓
北與高句麗沃沮（北は高句麗に属している沃沮に）
接（接している）
東窮大海（東は海が迫っている）
韓在帶方之南（帯方郡の南にある）倭
東西以海爲限（東西は海である）
南與倭（南は倭に）
接（接している）
從郡至倭循海岸水行歷韓國（郡から倭に行くには、海岸沿いを航路で韓國を通り過ぎるとある）東沃沮や挹婁は「濱」大海で、海岸線があるとあるのだが、濊は「窮」大海であり、やはり海岸線があるのだが実はニュアンスがかなり違う。
東沃沮や挹婁は海岸があり、そこから広い場所が繋がっているという地形であり、濊は海が迫っている狭い海岸線である事を伝えている。つまり、東沃沮や挹婁は今の北朝鮮の朝鮮半島北東海岸地域ではない、ということであり。濊は今の北朝鮮の朝鮮半島北東海岸地域にあるという事である。
もし、倭が海の向こうにある場所であるならば、
從郡循海岸水行歷韓國渡南一海至倭（郡から海岸沿いを行き、韓国を過ぎ、南海を渡って日本に着く）のような書き方になる。
そもそもが、渤海に対して黄海の事を「大海」と指しているのである。
【『接』】
幾つかの「魏志倭人伝」の解説を見ると、『接は接していたという事ではない』という事を記載しているのを見掛けるが、誤読である。
「接」は、東夷伝のそれぞれの地域の説明で、その位置を説明する区切りであり、その前に記載されている四方の地域と国境が接している事を説明している、説明の区切りの文字である。
もし離れているのなら、
そう書かれていないというのが、朝鮮半島に倭がしっかりとあった事を示している。
「接」は、東夷伝のそれぞれの地域の説明で、その位置を説明する区切りであり、その前に記載されている四方の地域と国境が接している事を説明している、説明の区切りの文字である。
夫餘在長城之北去玄菟千里「南與高句麗」「東與挹婁」「西與鮮卑」接北有弱水
挹婁在夫餘東北千餘里濱大海「南與北沃沮」接未知其北所極
濊「南與辰韓」「北與高句麗沃沮」接東窮大海今朝鮮之東皆其地也
韓在帶方之南東西以海爲限「南與倭」接魏志東夷伝の中で、構文として同じように使われている「接」である。
もし離れているのなら、
韓在帶方之南東西南以海爲限「度海南倭」というぐらいにでも書かれていただろう。
韓は帯方郡の南にあり、東西南が海に囲まれ、南に海を渡ると倭
そう書かれていないというのが、朝鮮半島に倭がしっかりとあった事を示している。
【七千餘里】
「倭」の位置だが、『魏志倭人伝』では日本に至るまでの道として
具体的に言うと、「区切る位置が間違えている」のである。
この「七千餘里」が「從郡至倭」ではなく、「乍南乍東到其北岸狗邪韓國」に掛かっている。すなわち、
それ以降に書かれている
「帯方郡から約7千余里」ではなく「韓（馬韓）を通り過ぎてから約7千余里」いう書いていると考えると辻褄も合うのです。
この「韓（馬韓）」は
「郡（帯方郡）」と接しているのではなく、「従郡（帯方郡の属領）」である「馬韓を過ぎたら倭がある」のだとはっきり書かれていますね。
『後漢書』だと、
ようは何処で分けるかで、
これは「馬韓を漢の属する地域として考える（知られている場所）」か「馬韓を漢に属さない別国（知られていない場所）」という差だが、先にあるように馬韓は楽浪郡に属する場所と漢には考えられている「知己の場所」なのでしょう。
他にも判るのが、魏志韓伝ではなく、魏志倭人伝での書き方。
從郡至倭循海岸水行歷韓國乍南乍東到其北岸狗邪韓國七千餘里始度一海千餘里至對馬國とよく解説されているが、これが間違い。
具体的に言うと、「区切る位置が間違えている」のである。
この「七千餘里」が「從郡至倭」ではなく、「乍南乍東到其北岸狗邪韓國」に掛かっている。すなわち、
從郡至倭循海岸水行歷韓國という最初に「倭」の位置の説明は既にされており、これは他の東夷での説明と一緒である。
それ以降に書かれている
乍南乍東到其北岸狗邪韓國七千餘里というのは、「倭の中の一國の位置」を説明している文に繋がっている内容であり、
始度一海千餘里至對馬國
郡から海岸線を海路で進み、韓（馬韓）の横を過ぎれば倭に着く。と、ここで倭の位置の説明は区切りになり、
（そこから）更に南に、更に東にと約7千余里（約550kmほど）行けば、北岸の（倭の中の）狗邪国につく。そこから海を渡って千余里で（倭の中の）対馬国に辿り着く。と、倭の中の國の位置を説明している文章になっている。
「帯方郡から約7千余里」ではなく「韓（馬韓）を通り過ぎてから約7千余里」いう書いていると考えると辻褄も合うのです。
この「韓（馬韓）」は
漢時屬樂浪郡四時朝謁
漢代に楽浪郡に属しており、常に朝貢をしていたと書かれている、中国の属国となっている場所です。だから「郡」ではなく「從郡（郡に従う地域）」なのであり、すなわち「韓国（馬韓）」を指しています。また、「●●県から〜〜里」という書き方ではなく、「郡」であり、これは「帯方県（郡都）から」を指している訳ではない、という事です。
「郡（帯方郡）」と接しているのではなく、「従郡（帯方郡の属領）」である「馬韓を過ぎたら倭がある」のだとはっきり書かれていますね。
『後漢書』だと、
建武二十年韓人廉斯人苏馬�貪�詣樂浪貢獻とかかれており、「建武二十年」とはAD44年。この時に、韓（馬韓）を属国から楽浪郡の直轄地域（臣下）にしたと書いている。
光武封苏馬�谿抓僧�斯邑君使屬樂浪郡四時朝謁
ようは何処で分けるかで、
從郡至倭循海岸水行歷韓國乍南乍東到其北岸狗邪韓國七千餘里なのか、
從郡至倭循海岸水行歷韓國なのかで意味が随分と違ってくるのである。
乍南乍東到其北岸狗邪韓國七千餘里
これは「馬韓を漢の属する地域として考える（知られている場所）」か「馬韓を漢に属さない別国（知られていない場所）」という差だが、先にあるように馬韓は楽浪郡に属する場所と漢には考えられている「知己の場所」なのでしょう。
他にも判るのが、魏志韓伝ではなく、魏志倭人伝での書き方。
從郡至倭循海岸水行歷韓國乍南乍東到其北岸狗邪韓國七千餘里が、郡から狗邪韓國韓国まで7千余里ではなく、韓国（馬韓の端、大同江入江）を過ぎた所から7千余里だというのは、倭人条を見れば分かる。
(歷韓國 )乍南乍東 到其北岸狗邪韓國 七千餘里
(狗邪韓國 )始度一海 千餘里 至對馬國
(對馬國 )又南渡一海 千餘里 名曰瀚海至一大國
(一大國 )又渡一海 千餘里 至末盧國
(末盧國 )東南陸行 五百里 到伊都國
(伊都國 )東南 至奴國 百里
(奴國 )東行 至不彌國 百里
(書き方は「方角＋国＋距離」が基本。または「海や陸路などの手段＋距離＋国」という形で書かれている。その全て始点はその前の説明の国、終点が到着国という構成になっている。これが、不彌國 )南 至投馬國 水行二十日
自郡至女王國萬二千餘里と同じように、
乍南乍東到其北岸狗邪韓國自郡至狗邪韓國七千餘里と書かれていたら郡から狗邪韓國だが、文章の組み立て構成から、距離の到着国の前の国が始点。つまり、「歴韓国」＝「韓（馬韓）の端から」である。
【倭の位置の説明の補足】
実は、倭の位置はしっかり書かれている。
初めの部分は既知の土地（韓＝馬韓は楽方郡に臣従している国なので、中国領土）なので距離を書かれていないだけで、
つまり、「倭の位置」は、下図の�△茲蠧遒�らとなるこの�△蓮崕招粥廚如⊆�分たちの土地だから（名前だけかもしれないが）知っている場所となる。
この「従」が難しく、実は「従家」で「家から」という使い方にもなるし、「従軍」で「軍に従う」という意味にもなる。定説では前者で訳しているのだが、私は後者ではないかと思っている。というのも、「郡至倭」でも意味が通っており、そこにわざわざ「従」と付いているのは、この二文字は「従」+「郡」と分かれているのではなく「従郡」という1つの単語になっているのではと思うからである。また、東夷伝の他の条では、都市名から方向と距離を書かれている説明はあるのだが、何処にも「従」+「都市名」のような書き方をされているところはないからでもある（内部の場所の説明にはある）。
これが「従韓以南至倭」という書き方だったら、「韓（馬韓）から南は倭に至る」と訳すのですが、「従郡」至「倭」、その『従郡』＝『韓（馬韓）』で、『至倭』は『歴』+『韓（馬韓）國』と、馬韓を通り過ぎた所に倭はあると説明しているのだと解釈しています。
この「歴韓国」以降は「倭の中の國（大きな邑）の紹介」がされているのであり、この構成は東夷伝の他でも見られる構成で、だからこそ最後の到着点が「自郡至倭」ではなく「自郡至女王國」なのです。この倭の中の國は、数からして中国と交流交易している國について書かれているようですね。倭の場合は中国から見れば地理的な情報があまりなく不明な点が多かったのでしょう、倭の国の内部紹介が細かい。
ところが、「倭が朝鮮半島に勢力を持っていた」というのを無くしたいので、文の構成としては明らかにかなり不自然ですが対馬までを紹介する者が多く、それを広められたとなっているだけです。
初めの部分は既知の土地（韓＝馬韓は楽方郡に臣従している国なので、中国領土）なので距離を書かれていないだけで、
と、「倭」の場所は「歷韓國（帯方郡の従属地域である韓国＝馬韓を過ぎた所）」と最初に明確に書いてある。この構成は魏志東夷伝の他国の説明と何ら変わりがなく、どの国でも最初に「国の位置」を書いている。例えば他國の場合だと、從郡 至倭 循海岸水行歷韓國
夫餘在長城之北去玄菟千里
南與高句麗東與挹婁西與鮮卑接
北有弱水
高句麗在遼東之東千里
南與朝鮮濊貊東與沃沮北與夫餘接
東沃沮在高句麗蓋馬大山之東
濱大海而居
挹婁在夫餘東北千餘里濱大海
南與北沃沮接
未知其北所極
濊と書かれていますが、それと同じで「倭の位置」は、
南與辰韓北與高句麗沃沮接
東窮大海
今朝鮮之東皆其地也
倭人在帶方東南大海之中依山島爲國邑と「多くの国を内部に持つ」という事と「倭の始まりの位置」を説明しているのである。また、以前から倭とは交流がかなりあった事が書かれている。そこから「倭の内部の國の説明」に入り、
舊百餘國漢時有朝見者今使譯所通三十國
從郡至倭循海岸水行歷韓國
乍南乍東到其北岸狗邪韓國七千餘里「倭の始まりの位置」は「從郡至倭循海岸水行歷韓國（沿岸沿いで韓国を過ぎた所から」ときちんと書いており、その後に続いている「乍南乍東到其北岸狗邪韓國七千餘里」は既に倭の領域の話で、『狗邪韓國』は倭の中の一国、倭と中国との交易中継地になっている國を挙げているものなのである。
始度一海千餘里至對馬國其大官曰卑狗副曰卑奴母離所居絕島方可四百餘里土地山險多深林道路如禽鹿徑有千餘戶無良田食海物自活乖船南北市糴
又南渡一海千餘里名曰瀚海至一大國官亦曰卑狗副曰卑奴母離方可三百里多竹木叢林有三千許家差有田地耕田猶不足食亦南北市糴
又渡一海千餘里至末盧國有四千餘戶濱山海居草木茂盛行不見前人好捕魚鰒水無深淺皆沈沒取之
東南陸行五百里到伊都國官曰爾支副曰泄謨觚柄渠觚有千餘戶世有王皆統屬女王國郡使往來常所駐
東南至奴國百里官曰兕馬觚副曰卑奴母離有二萬餘戶
東行至不彌國百里官曰多模副曰卑奴母離有千餘家
南至投馬國水行二十日官曰彌彌副曰彌彌那利可五萬餘戶
南至邪馬壹國女王之所都水行十日陸行一月官有伊支馬次曰彌馬升次曰彌馬獲支次曰奴佳鞮可七萬餘戶自女王國以北其戶數道里可得略載
……
つまり、「倭の位置」は、下図の�△茲蠧遒�らとなるこの�△蓮崕招粥廚如⊆�分たちの土地だから（名前だけかもしれないが）知っている場所となる。
この「従」が難しく、実は「従家」で「家から」という使い方にもなるし、「従軍」で「軍に従う」という意味にもなる。定説では前者で訳しているのだが、私は後者ではないかと思っている。というのも、「郡至倭」でも意味が通っており、そこにわざわざ「従」と付いているのは、この二文字は「従」+「郡」と分かれているのではなく「従郡」という1つの単語になっているのではと思うからである。また、東夷伝の他の条では、都市名から方向と距離を書かれている説明はあるのだが、何処にも「従」+「都市名」のような書き方をされているところはないからでもある（内部の場所の説明にはある）。
これが「従韓以南至倭」という書き方だったら、「韓（馬韓）から南は倭に至る」と訳すのですが、「従郡」至「倭」、その『従郡』＝『韓（馬韓）』で、『至倭』は『歴』+『韓（馬韓）國』と、馬韓を通り過ぎた所に倭はあると説明しているのだと解釈しています。
この「歴韓国」以降は「倭の中の國（大きな邑）の紹介」がされているのであり、この構成は東夷伝の他でも見られる構成で、だからこそ最後の到着点が「自郡至倭」ではなく「自郡至女王國」なのです。この倭の中の國は、数からして中国と交流交易している國について書かれているようですね。倭の場合は中国から見れば地理的な情報があまりなく不明な点が多かったのでしょう、倭の国の内部紹介が細かい。
ところが、「倭が朝鮮半島に勢力を持っていた」というのを無くしたいので、文の構成としては明らかにかなり不自然ですが対馬までを紹介する者が多く、それを広められたとなっているだけです。
【大区分】
実際、大まかに分けて邪馬台国までの道のりが報告されている。
これが訪れていない場合であれば、
女王国を含んだの連合に含まれる國名について、「訪れていない國」の名前は羅列されています。
從郡至倭循海岸水行歷韓國「倭」に至るまでの道のりを話しており、韓国（馬韓）の海岸線を進めばその先にある事が書かれている。実は「水行」なので、海岸線沿いを陸路で進む事も含まれるので、船での移動とは限らない。
乍南乍東到其北岸狗邪韓國七千餘里ここは「水行」とは書かれていないので、海外線沿いではなく陸路で内陸部を行った可能性もある文章。当時の魏の造船技術では外洋船とは言えないので、その可能性も高い。また、こちらは「到る」なので「到着する」となる。
始度一海千餘里至對馬國其大官曰卑狗副曰卑奴母離所居絕島方可四百餘里土地山險多深林道路如禽鹿徑有千餘戶無良田食海物自活乖船南北市糴ここは「海を渡る」ときちんと書かれているので船での移動。船なので、点検修理や天候などにも左右されるものだが、対馬や壱岐の島の大きさなども細かく書かれているので、しばらく滞在していてもおかしくない。
又南渡一海千餘里名曰瀚海至一大國官亦曰卑狗副曰卑奴母離方可三百里多竹木叢林有三千許家差有田地耕田猶不足食亦南北市糴
又渡一海千餘里至末盧國有四千餘戶濱山海居草木茂盛行不見前人好捕魚鰒水無深淺皆沈沒取之
東南陸行五百里到伊都國官曰爾支副曰泄謨觚柄渠觚有千餘戶世有王皆統屬女王國郡使往來常所駐ここで「至る」ではなく2度目の「到る」。ここからが「女王国を含んだの連合の領域」になるのだと思われる。魏志倭人伝のその後ろに書かれていますが、この伊都國は外交や監査などの役割がある、つまり『関』のような役割を持つ國だったのではないでしょうか。
東南至奴國百里官曰兕馬觚副曰卑奴母離有二萬餘戶女王国を含んだの連合の内部なので「到る（到着する）」ではなく「至る（到達する）」が使われています。
東行至不彌國百里官曰多模副曰卑奴母離有千餘家
南至投馬國水行二十日官曰彌彌副曰彌彌那利可五萬餘戶
南至邪馬壹國女王之所都水行十日陸行一月官有伊支馬次曰彌馬升次曰彌馬獲支次曰奴佳鞮可七萬餘戶
これが訪れていない場合であれば、
奴國在東南百里のように書かれる。
女王国を含んだの連合に含まれる國名について、「訪れていない國」の名前は羅列されています。
自女王國以北其戶數道里可得略載其餘旁國遠絕不可得詳それ女王国を含んだの連合ではない国についても書かれています。
次有斯馬國
次有已百支國
次有伊邪國
次有都支國
次有彌奴國
次有好古都國
次有不呼國
次有姐奴國
次有對蘇國
次有蘇奴國
次有呼邑國
次有華奴蘇奴國
次有鬼國
次有爲吾國
次有鬼奴國
次有邪馬國
次有躬臣國
次有巴厘國
次有支惟國
次有烏奴國
次有奴國
此女王境界所盡
其南有狗奴國男子爲王其官有狗古智卑狗不屬女王自郡至女王國萬二千餘里また、この中国と交易をしていた倭人というのは主に九州であり、
女王國東渡海千餘里復有國皆倭種
又有侏儒國在其南人長三四尺去女王四千餘里
又有裸國�銖鑚�復在其東南船行一年可至
參問倭地絕在海中洲島之上或絕或連周旋可五千餘里と、これは九州を中心とした朝鮮半島も含む、土蜘蛛や隼人、海人族の地域を指しています。
【倭の中の國々の位置】
また、倭は
今は使者を通し30ヵ國ほどととなっているようですが、三韓ではなく、漢と直接の交流をしていたという事です。これは、「平壌楽浪郡都説」だと間に馬韓が存在し、三韓が朝鮮半島の南を占拠している状況では難しいですね。「遼東楽浪郡都説」であり「平壌国境関説」であり、「朝鮮半島倭支配域説」の方が、状況はスムーズに話が繋がります。
舊百餘國とあり、漢の時代には既に倭と中国は定期的に交流をしていた事が書かれています（実際、翡翠の遺物を見ればそれよりもはるか昔、BC60世紀ぐらいには交易をしています）。
漢時有朝見者
今使譯所通三十國
今は使者を通し30ヵ國ほどととなっているようですが、三韓ではなく、漢と直接の交流をしていたという事です。これは、「平壌楽浪郡都説」だと間に馬韓が存在し、三韓が朝鮮半島の南を占拠している状況では難しいですね。「遼東楽浪郡都説」であり「平壌国境関説」であり、「朝鮮半島倭支配域説」の方が、状況はスムーズに話が繋がります。
【女王国の位置】
『女王國』
これは卑弥呼の邪馬台国ではないかと言われていますが、この位置も論争になっていますが、存在した場所は東九州でしょうね。
というのも、
「東南」⇒「東南」⇒「東」⇒「南」⇒「南」
で女王國に着くのである
しかし、その位置を知るのには、途中から距離ではなく陸行・水行の日数での表記となっており、詳しく判りません。
その為、「ここではないか？」と言われる説があるのです。
ただ、位置を知るのに大事な部分は、実はそこではありません。その後に書かれている内容こそが、位置を知るヒントになります。
そもそも、末盧國（上陸地点）から先を見ると、
末盧國糸島説であった場合は位置がこうなります。
そもそも、女王國が成り立つには、
女王國の位置には幾つも挙げられている場所があります。
「九州朝倉説」「筑紫平野説」「九州熊本説」「九州宮崎説」「九州鹿児島説」「九州宇佐説」「山陰出雲説」「近畿畿内説」「四国徳島説」などです。
これに今回挙げている「九州佐伯説」を加えて、�´↓�を確認します。
北東から北になりますが、周防が入る「九州宇佐説」も一応入れておきます（ただ、景行天皇の九州巡行の記述を見ると、やはり東と言うのは無理とは思いますが）。
種子島の広田遺跡から出土した広田人遺骨で、当時の平均身長より低かった事が判っています。
この種子島が南に約300kmで入るのは、「九州朝倉説」「筑紫平野説」「九州佐伯説」です。『三千余里』ですからもう少し距離があると考えると、次点で「九州宇佐説」も入りますが、可能性は低くなります。
さらに、「近畿畿内説」「四国徳島説」に関しては論外で、南に約300kmに島もありません。
条件から九州の東海岸沿いにある事はだけはたしかなのです。
よく言われる大分県の『宇佐邪馬台国説』ですが、ここは上陸地点次第ですが、『末盧國糸井島説』だと距離は合うが南東ではなく東になります。『末盧國宗像説』だと南東にはなるが陸行での距離が近すぎますし、宇佐に入るのには東からであり、投馬國も邪馬壹國も不彌國の南になるのだが、南から入れない地理である（北は海なので）。
また、海は東でなく北になるので条件から外れます。この場所が「女王國」の場合は「女王國東渡海千餘里復有國皆倭種又有」ではなく「女王國北渡海千餘里復有國皆倭種又有」になります。
そこから辿りさらに南の大分市あたりはどうか？とも思ったのですが、東にある別の土地は四国の佐田岬が近くが距離が近すぎます。
さらに南に行き、佐伯あたりが条件に合い『女王國』の可能性が高いとは思います。そこから東に海を渡れば海流もあり愛媛の宇和島辺りと考えると距離が合います（宇和島には拝鷹山貝塚・津島町通り山遺跡・長松寺遺跡や、高知県には大月町ムクリ山遺跡など四国西南部に複数あり、稲作をしていた形跡もあります（また、高知県では前期・中期古墳は高知県西部のみに分布し、後期古墳を主とする高知県中部・東部ではほぼ見られないことから、ヤマト王権への服属は幡多地域から始まったと推測する説がある。この時期は、九州東沿岸、つまり邪馬台国がヤマトに降った後の時期というので、時代的にも一致する）。
また、南に300kmほどだとちょうど鹿児島県種子島あたりとなります。
日本の弥生時代終末期（3世紀）に鹿児島県種子島の「広田遺跡」出土の人骨と、古墳時代中期（5世紀）に熊本県和水町の前原長溝遺跡や同町松坂古墳出土の人骨で見られるものであり、どちらも背が当時の平均より低かった民族であった事が考古学で報告されています。
この佐伯地域は新石器時代から縄文時代・弥生時代の遺跡も多く、また九州最古級の集合集落の遺跡や、BC3世紀頃の製鉄遺跡などもあり、あまり注目されてはいませんが九州地域における古代日本の要所の1つです。
これについては『魏略』に書かれており、
ここまでで分かるのは、「魏」が交流していた「倭人」というのは、九州の北半分に居た豪族集団だという事です。
ちなみに、「佐伯邪馬台国（女王國）説」の場合、豊後、すなわち大分や日田、宇佐という場所の意味が変わってくる。
国碕（国東）は国の先、つまり大和王権にとっての国境地帯であった。豊後の各地の住民は中央から土蜘蛛と蔑称された。
邪馬台国を含む連合が中央（ヤマト政権）に降った際に、豊後ではこの国碕（国東）と大分と比多（日田）にまずは国造が置かれ王権の支配力が強められていったのではないでしょうか。国東には古代仏教が持ち込まれ六郷満山仏教文化が栄えることになる。その後、宇佐に八幡大神が発現し宇佐神宮が中央とも繋がり勢力を拡大していく。中央よりは要の抑えとして、そして邪馬台国の中心だった佐伯（女王國）の監視・管理として紀氏が派遣されてくる事になったのでしょう。
この国東・大分・日田や宇佐を地図上で見ると、ヤマト政権に黙って独自に魏など中国との交易などを佐伯地方が直接に出来ないように、念入りに配置しているようにも感じられます。
もしかして、魏志倭人伝にある魏の使者が派遣された時期には既にヤマト政権からの圧力が強くなっており、それに対抗する手段の一つとして中国側の権威を得ようとし、それが魏との交流で「親魏倭王」に任じられ、魏の後援を受けた証である金印が贈られる事に繋がるのかもしれません。その前である「漢委奴国王印」も同じように、徐々に九州に強まるヤマト政権の圧力に対抗するためのものかもしれません。
時期としては魏志倭人伝〜神功皇后の熊襲（九州南部）征伐（AD319年）までの間、AD300年かその少し前の時期に、邪馬台国を含む連合は大和朝廷に降ったのでしょう。邪馬台国を含む連合は卑弥呼が象徴として擁立されるまで70〜80年間も内部で乱れており、卑弥呼の死後では再び乱れたとあります。壹與を擁立して再び纏めようとしますが、相当に全体の国力を失っっていたのでしょう、その女王國地域と対抗的勢力であった南に居た熊襲（男王國地域）が勢いを増し、その為に九州征伐が起こったのではないでしょうか。
またこの佐伯の地は、景行天皇の時代に征伐されている。
ヤマト朝廷が九州巡幸する際に出てくる。この時に出てくる速津媛が、碩田国速見邑の女首長である。この「碩田」は「已百支（jəїrakjiei）國」ではないかと思う。
これは卑弥呼の邪馬台国ではないかと言われていますが、この位置も論争になっていますが、存在した場所は東九州でしょうね。
というのも、
乍南乍東到其北岸狗邪韓國七千餘里ここまでは海路である。この「末盧國」から本格的に内陸での行動になる。
始度一海千餘里至對馬國其大官曰卑狗副曰卑奴母離所居絕島方可四百餘里土地山險多深林道路如禽鹿徑有千餘戶無良田食海物自活乖船南北市糴
又南渡一海千餘里名曰瀚海至一大國官亦曰卑狗副曰卑奴母離方可三百里多竹木叢林有三千許家差有田地耕田猶不足食亦南北市糴
又渡一海千餘里至末盧國有四千餘戶濱山海居草木茂盛行不見前人好捕魚鰒水無深淺皆沈沒取之
東南陸行五百里到伊都國官曰爾支副曰泄謨觚柄渠觚有千餘戶世有王皆統屬女王國郡使往來常所駐これで判るのは方角で
東南至奴國百里官曰兕馬觚副曰卑奴母離有二萬餘戶
東行至不彌國百里官曰多模副曰卑奴母離有千餘家
南至投馬國水行二十日官曰彌彌副曰彌彌那利可五萬餘戶
南至邪馬壹國女王之所都水行十日陸行一月官有伊支馬次曰彌馬升次曰彌馬獲支次曰奴佳鞮可七萬餘戶自女王國以北其戶數道里可得略載
……
「東南」⇒「東南」⇒「東」⇒「南」⇒「南」
で女王國に着くのである
しかし、その位置を知るのには、途中から距離ではなく陸行・水行の日数での表記となっており、詳しく判りません。
その為、「ここではないか？」と言われる説があるのです。
ただ、位置を知るのに大事な部分は、実はそこではありません。その後に書かれている内容こそが、位置を知るヒントになります。
女王國東渡海千餘里復有國皆倭種又有
侏儒國在其南人長三四尺去女王四千餘里
又有裸國�銖鑚�復在其東南船行一年可至
女王国の東の海を渡り、千余里（80km）ほどにも国があり、倭人である。この記載から
また南には女王国から300km以上離れた場所に 侏儒國があり、背が低い。
さらに東南に一年かけていけば、有裸國（裸人の國）・�銖鑚◆併�を黒くする風習の國）がある。
- 東に海があり、距離が千余里ある事
- 海を渡った先には別の集落がある事
- 南に四千余里行くと背が低い民族がいる事
そもそも、末盧國（上陸地点）から先を見ると、
- 東南に伊都國
- 東南に奴國
- 東に不彌國
- 南に投馬國
- 南に邪馬壹國（女王の居る都）
末盧國糸島説であった場合は位置がこうなります。
そもそも、女王國が成り立つには、
�� 上陸地点より南東に位置するというのが条件になります。
�� 女王國の東に75〜80km以上の海がある
��' 女王國の東の海を渡った先に別の集落（3世紀の遺跡）がある
�� 女王国の南に約300kmほどに土地がある
��'南に約300kmの土地に住む民族は背が低い
女王國の位置には幾つも挙げられている場所があります。
「九州朝倉説」「筑紫平野説」「九州熊本説」「九州宮崎説」「九州鹿児島説」「九州宇佐説」「山陰出雲説」「近畿畿内説」「四国徳島説」などです。
これに今回挙げている「九州佐伯説」を加えて、�´↓�を確認します。
�� 女王國の東に75〜80km以上の海があるこれが成り立つのは、「四国徳島説」と「九州佐伯説」です。
��' 女王國の東の海を渡った先に別の集落（3世紀の遺跡）がある
北東から北になりますが、周防が入る「九州宇佐説」も一応入れておきます（ただ、景行天皇の九州巡行の記述を見ると、やはり東と言うのは無理とは思いますが）。
�� 女王国の南に約300kmほどに土地がある実は、これで範囲はとても絞られます。というのも、考古学的な証拠を伴うからです。
��'南に約300kmの土地に住む民族は背が低い
種子島の広田遺跡から出土した広田人遺骨で、当時の平均身長より低かった事が判っています。
この種子島が南に約300kmで入るのは、「九州朝倉説」「筑紫平野説」「九州佐伯説」です。『三千余里』ですからもう少し距離があると考えると、次点で「九州宇佐説」も入りますが、可能性は低くなります。
さらに、「近畿畿内説」「四国徳島説」に関しては論外で、南に約300kmに島もありません。
条件から九州の東海岸沿いにある事はだけはたしかなのです。
女王國東渡海千餘里復有國皆倭種又有この2文で、『女王國』の位置として当てはまる場所は正直「大分市東部から佐伯までの沿岸部」しかないのである。
侏儒國在其南人長三四尺去女王四千餘里
よく言われる大分県の『宇佐邪馬台国説』ですが、ここは上陸地点次第ですが、『末盧國糸井島説』だと距離は合うが南東ではなく東になります。『末盧國宗像説』だと南東にはなるが陸行での距離が近すぎますし、宇佐に入るのには東からであり、投馬國も邪馬壹國も不彌國の南になるのだが、南から入れない地理である（北は海なので）。
また、海は東でなく北になるので条件から外れます。この場所が「女王國」の場合は「女王國東渡海千餘里復有國皆倭種又有」ではなく「女王國北渡海千餘里復有國皆倭種又有」になります。
そこから辿りさらに南の大分市あたりはどうか？とも思ったのですが、東にある別の土地は四国の佐田岬が近くが距離が近すぎます。
さらに南に行き、佐伯あたりが条件に合い『女王國』の可能性が高いとは思います。そこから東に海を渡れば海流もあり愛媛の宇和島辺りと考えると距離が合います（宇和島には拝鷹山貝塚・津島町通り山遺跡・長松寺遺跡や、高知県には大月町ムクリ山遺跡など四国西南部に複数あり、稲作をしていた形跡もあります（また、高知県では前期・中期古墳は高知県西部のみに分布し、後期古墳を主とする高知県中部・東部ではほぼ見られないことから、ヤマト王権への服属は幡多地域から始まったと推測する説がある。この時期は、九州東沿岸、つまり邪馬台国がヤマトに降った後の時期というので、時代的にも一致する）。
また、南に300kmほどだとちょうど鹿児島県種子島あたりとなります。
日本の弥生時代終末期（3世紀）に鹿児島県種子島の「広田遺跡」出土の人骨と、古墳時代中期（5世紀）に熊本県和水町の前原長溝遺跡や同町松坂古墳出土の人骨で見られるものであり、どちらも背が当時の平均より低かった民族であった事が考古学で報告されています。
この佐伯地域は新石器時代から縄文時代・弥生時代の遺跡も多く、また九州最古級の集合集落の遺跡や、BC3世紀頃の製鉄遺跡などもあり、あまり注目されてはいませんが九州地域における古代日本の要所の1つです。
これについては『魏略』に書かれており、
倭南有侏儒国其人長三四尺去女王國四千餘里
日本の南、女王国から300kmほど離れた場所には背が小さい民族がいます。とあり、また『魏志（三国志）』でも
自女王國南四千餘里至硃儒國人長三四尺
日本の南、女王国から300kmほど離れた硃儒國があるが背が小さいとあり、これが広田人の事だと思われます。
ここまでで分かるのは、「魏」が交流していた「倭人」というのは、九州の北半分に居た豪族集団だという事です。
ちなみに、「佐伯邪馬台国（女王國）説」の場合、豊後、すなわち大分や日田、宇佐という場所の意味が変わってくる。
国碕（国東）は国の先、つまり大和王権にとっての国境地帯であった。豊後の各地の住民は中央から土蜘蛛と蔑称された。
邪馬台国を含む連合が中央（ヤマト政権）に降った際に、豊後ではこの国碕（国東）と大分と比多（日田）にまずは国造が置かれ王権の支配力が強められていったのではないでしょうか。国東には古代仏教が持ち込まれ六郷満山仏教文化が栄えることになる。その後、宇佐に八幡大神が発現し宇佐神宮が中央とも繋がり勢力を拡大していく。中央よりは要の抑えとして、そして邪馬台国の中心だった佐伯（女王國）の監視・管理として紀氏が派遣されてくる事になったのでしょう。
この国東・大分・日田や宇佐を地図上で見ると、ヤマト政権に黙って独自に魏など中国との交易などを佐伯地方が直接に出来ないように、念入りに配置しているようにも感じられます。
もしかして、魏志倭人伝にある魏の使者が派遣された時期には既にヤマト政権からの圧力が強くなっており、それに対抗する手段の一つとして中国側の権威を得ようとし、それが魏との交流で「親魏倭王」に任じられ、魏の後援を受けた証である金印が贈られる事に繋がるのかもしれません。その前である「漢委奴国王印」も同じように、徐々に九州に強まるヤマト政権の圧力に対抗するためのものかもしれません。
時期としては魏志倭人伝〜神功皇后の熊襲（九州南部）征伐（AD319年）までの間、AD300年かその少し前の時期に、邪馬台国を含む連合は大和朝廷に降ったのでしょう。邪馬台国を含む連合は卑弥呼が象徴として擁立されるまで70〜80年間も内部で乱れており、卑弥呼の死後では再び乱れたとあります。壹與を擁立して再び纏めようとしますが、相当に全体の国力を失っっていたのでしょう、その女王國地域と対抗的勢力であった南に居た熊襲（男王國地域）が勢いを増し、その為に九州征伐が起こったのではないでしょうか。
またこの佐伯の地は、景行天皇の時代に征伐されている。
ヤマト朝廷が九州巡幸する際に出てくる。この時に出てくる速津媛が、碩田国速見邑の女首長である。この「碩田」は「已百支（jəїrakjiei）國」ではないかと思う。
