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感染による症状

T-ウィルスは広く生物に感染し、人間においては次のような傾向の症状を引き起こす。
人間がゾンビ化していく様相を感染者の視点から克明に描いたファイルや某研究施設から入手したデータを元にここに記す。

初期症状

感染者の初期症状は、全身の痒み・発熱・意識レベルの低下に始まる。
その後、大脳新皮質の壊死に起因する、知性・記憶の欠如と代謝の異常による食欲の増大を引き起こす知性・記憶の欠如を如実に表す事例として、手紙や日記を書けても、日付欄に本文の一部が入ったり(欄を間違えても気付けない)日付を書かなくなったり(何日か思い出せない)、誤字・脱字が多くなったり(誤字・脱字があることに気付けない)平仮名を多用するようになる(英語では単語の羅列になる)
例:「かゆい かゆい スコットー きた(Itchy Itchy Scott came)」・「かゆい うま(Itchy Tasty)」

発症後

知能の低下と代謝促進から来る飢餓感のため、感染者は食欲を中心とした本能的行動をとるようになる。
この状態が便宜上ゾンビと呼ばれる存在の正体である。
体内の細胞が活性化し、既に死滅した細胞でさえも蘇り感染者は異常な耐久性を有することになる。
だが、それに伴い新陳代謝も加速するため、十分な栄養を摂取できない場合は体細胞の分裂と壊死のバランスが合わなくなり、筋力の衰えによる運動能力の著しい低下から始まって体が腐り落ちてしまう。
また、喋ることができても、本来話そうとした言葉の1割ほどしか正確に発音できなくなる。
さらにT-ウィルスの変種体は宿主の意識がなくなって休眠状態に陥ると体組織の再構築を行う。
その際細胞を再び活性化させ、体組織自身の改造をも行い、俊敏性の上昇とさらなる凶暴化をもたらす。
この現象は研究員により「V-ACT」と命名された。
V-ACTの発生を防ぐ方法は、頭部の破壊か死体を焼却してしまうこと。V-ACTが発生したケースは今のところゾンビにのみ確認されており、この現象の起きたゾンビは「クリムゾン・ヘッド」と呼ばれる。
これら変種体にあたる系統の最も恐ろしい性質は「本能的に「敵」と認識した者を完全に排除するまで、何処までも追跡し続ける」ことにある。
一旦ゾンビ化してしまうと、もはや安楽死させることはできず、銃などで殺すしかない。
某街の病院の医師が残したファイルによると、この状態では医学的には既に「死んでいる(生ける屍)」状態である、との見解が示されている。

突然変異

生物の種類によっては感染により巨大化、形状の変化などを伴う「進化」をすることがある。
昆虫や爬虫類はこの傾向が強く、人間も例外ではない。
発症から時間が経つと別項に記載したリッカー、あるいはそのさらなる変異体であるサスペンデッドのような変異種になる場合がある。
しかし、T-ウィルスによる「進化」を遂げた生物は進化の袋小路に入ってしまい、「始祖」ウィルスを投与しても、若干の能力向上をみる程度で劇的な変異は起きない。
リッカーの場合、嗅覚が多少鋭くなる程度の変化しか起きないとされる。

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