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bennkyotyuu 2012年02月21日(火) 20:24:10履歴
- 夜警国家
- 福祉国家
こうして人々は、各自の個人的な福祉の実現に関しても、多くの事柄を政治に期待することになる。それゆえ、現代社会において社会の統合の必要性に応えようとするなら、国家はこうした各個人の期待を満たすよう努力するほかないであろう。そこではあらゆる国家は体制の相違を超えて福祉国家の傾向を持たざるをえないのである。
ただし、一口に福祉国家といっても、国によってそのあり方は大きく異なっている。エスピン=アンデルセンによれば、福祉国家は大きく3つに類型化されるという。まずスウェーデンのように政府が中心となって手厚い社会保障サービスを提供しているのが社会民主主義型の福祉国家である。またアメリカのように自助努力を基本としつつ民間企業から社会保障サービスを購入しているのが、自由主義型の福祉国家である。さらに、ドイツのように家族が社会保障の担い手となっているのが、保守主義型の福祉国家である。現在のわが国は、保守主義型と自由主義型の中間に位置づけられている。
- 福祉国家の見直し
実際、1980年代の先進各国では、小さな政府を実現するために、さまざまな行財政改革が進められた。たとえばアメリカでは、レーガノミックス、イギリスではサッチャリズムと称される諸施策がとられ、わが国でも中曽根政権によって三公社(日本専売公社、日本電信電話公社、日本国有鉄道)の民営化などが実現した。また、90年代中頃からは、イギリスなどのアングロ・サクソン諸国を中心としてNPM改革(新公共管理)が進められ民間企業の考え方や管理手法が行政にも導入されるようになった。
「小さな政府」論を支える1つに、R.ノーズィックの提唱した最小国家論がある。ノーズィックは国家の活動によって諸個人の権利は不可避的に侵害されると考え、国家は防衛・警察・契約履行の保障という限られた機能だけを担うべきであると主張した(『アナーキー・国家・ユートピア』)。同様の考え方は、F.ハイエクによっても述べられるが、こうした政治的立場は一般にリバタリアニズム(自由至上主義)と呼ばれている。
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