話者 | 台詞 |
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料亭 |
店員 | お待たせいたしました。 こちらが治部煮です。 お好みでわさびを溶かしてお召し上がりください。 |
アヤ | うわ、金箔乗ってる! 器もめちゃくちゃ高そうだし……さっすが石川県だな……。 |
千夏 | まず目から楽しませてくれるのは、さすが加賀料理よね。 それじゃ、早速いただきましょう。 ……鼻をくすぐる匂いもいいし、煮込み加減も絶妙だわ。 |
あい | そうだね。 それに、おろしわさびが味全体を引き締めているようだ。 後味がさっぱりするよ。 |
千秋 | これは確か……すだれ麩だったかしら? とろみのついた煮汁が絡まって、とても美味しいわ。 |
礼子 | 鴨肉もちょうどいい具合に火が通っているわ。 ほら見て、綺麗な色をしてるでしょう? |
スタッフ | ……OKです! いやー、みなさんいいですね。撮りがいがありますよ。 |
スタッフ | 千夏さんとあいさんの優雅な感じに、 千秋ちゃんのクールな感想、礼子さんの色っぽさ! アヤちゃんはリアクションが面白いし……。 |
スタッフ | この「大人グルメの旅」はやっぱり、 レッドバラードのみなさんが適任でしたね! 明日もこの調子でよろしくお願いします! |
アヤ | …………。 |
撮影終了後 |
アヤ | やっぱアタシも……いや、でもなぁ……。 う〜ん……。 |
千秋 | あら、アヤ。 何か悩み事かしら? |
アヤ | いや、悩み事ってほどでもないんだけどさ。 今日の撮影、スタッフさんがアタシたちのことを褒めてたよな? |
千秋 | ええ、そうね。 もしかして、それで何か困ったことでも? |
アヤ | 困ってるってわけじゃないけど…… ただ、アタシだけリアクションで褒められただろ? それが少し気になってさ。 |
千秋 | そうなの? スタッフさんは褒めていたし、問題ないと思うけど……。 |
アヤ | まぁ、そうなんだけど……でもなー。 |
あい | ふぅ、素敵な露天風呂だったね。 景色もいいし、リラックスできて……おや? ふたりとも、真剣な顔をしてどうしたんだい? |
千秋 | あら、お帰りなさい、3人とも。 実はね、アヤが悩んでいるようなの。 |
礼子 | あら、そうなの? 同じユニットなんだし、隠し事はナシよ。 |
千夏 | そうね。 みんなで考えると、思いもよらない解決策が出るものよ。 |
アヤ | 確かに、それもそうだよな……。 じゃあみんなに聞きたいんだけど…… アタシ、このロケで浮いてたりしないか? |
あい | 浮いている? 私は別にそうは思わないが……。 アヤはどうしてそう思ったんだ? |
アヤ | さっきの食レポでもそうだったけど、 金箔にビビったりして、子どもっぽい気がしてさ。 ユニットのイメージ的にも、番組的にも、どうなんだろって。 |
千夏 | なるほどね……。 でも、それは考え過ぎじゃないかしら。 |
礼子 | 私もそう思うわ。 むしろアヤちゃんは、浮いているどころか、 このユニットに欠かせない存在だと思うけど? |
アヤ | 欠かせない存在?アタシが? |
礼子 | そうよ。 大人になるとどうしても驚くことが減ってしまうんだけど…… 刺激がなかったら、それはそれで味気ないでしょう? |
礼子 | アヤちゃんは、言うならこの番組に刺激を与えてくれる存在。 ほんの少しのアクセントが、全体の奥深さを引き立てているの。 例えるなら……このワインみたいにね♪ |
千秋 | 礼子さん、その手のワインは一体……? |
あい | どうもロケ先の店主と意気投合したらしくて、 譲ってもらったそうだ。 |
千夏 | ちょうど、後で開けようかって話をしていたところだったのよ。 千秋ちゃんも一杯いかが? |
千秋 | いえ、私は……。 |
アヤ | そっか……アタシはこのままでいいんだ。 礼子さんたちにそう言ってもらえて安心したよ。 やっぱ考えすぎてたってことかなー。 |
千夏 | 旅は自然体でするもの。 だから、アヤちゃんも自然体でいいはずよ。 |
礼子 | でも……そうね。 もしアヤちゃんが優雅で大人っぽい振る舞いを身につけたいなら、 手ほどきは任せてちょうだい。 |
礼子 | お酒は飲めなくても、話す内容や振る舞いかたで、 簡単に大人っぽく見えるものよ。 私たちと一緒に、大人な過ごしかたを勉強しましょう? |
千秋 | え?待ってこの流れって……。 |
アヤ | 大人な過ごしかた、か。 それはそれで気になるかも……! なぁ、アタシに大人な過ごしかたを教えてくれよ、礼子さん! |
礼子 | ええ、もちろん。 それじゃあ早速、準備をしましょうか♪ |
千夏 | そういえばさっき、おいしそうなおつまみを買ったのよ。 礼子さんのワインにもきっと合うわ。 待ってて、持ってくるから。 |
あい | では私は、水を持ってこようかな。 万一明日に響くことがあってはいけないからね。 あとジュースも用意するから、少し待っていてくれ。 |
アヤ | ……なぁ、千秋さん。 みんな急に活き活きしだした気がするんだけど、気のせいか? |
千秋 | 堂々と飲める口実が見つかったから、きっとそのせいね。 あの人たちの夜は長いわよ? |
アヤ | なるほどな……。 |
アヤ | でも、おかげで肩の力も抜けたし…… こんなロケも悪くないかな。 |