ちょっと怪しい黒猫のウィズ用語集

1
心地よい温もりを感じて目を覚ますと、ウィズが布団の中に──

……これはウィズなのだろうか？
ウィズにしては、なんかこう、獣っぽい。

夢？　夢にしては妙にリアルだ。
いろんな意味で、なんかこう、リアルだ。

すごく眠いので、とりあえず寝よう。


2
朝起きて、顔を洗って目を覚ましても、ウィズが妙にリアルだ。
なんていうと普段のウィズがリアルじゃないみたいだけど、なんかこう、リアルだ。

──ウィズ？

気持ちよさそうに日向ぼっこをしているウィズはこちらをチラ見して、あくびを返した。

3
ふと思い立ち、異界でもらったキャットフードをあげてみた。

ウィズはカリカリをおいしそうに食べている。
そしてあっという間に食べ終えると、だらりとくつろぎ始める。

カリカリからのだらだら。これが四聖賢ウィズか……。

4
ウィズが散歩に出かけたのでついていくことにした。

野良の猫たちと遊んだり、木登りしたり、完全に猫だった。
街の野良猫たちと比べても一番猫だ。
一番猫ってなんだという話だけど、なんかこう、一番猫としか言いようがなかった。

5
もうよくわからないから昼寝しようと思ったら、ウィズがお腹の上に飛び乗ってきた。

パン生地でもこねるみたいに、お腹をこね回してくる。
そしてお腹の上で静かに寝息を立てて眠り出した。

なんだこのあったかくてかわいい生き物。

6
──キミ、いつまで寝てるにゃ？

そんな声で目を覚ますと、猫が2匹並んでいた。

見慣れたウィズと、なんかこうリアルなウィズ（ではなかった黒猫）。
よく見たら全然違うなと思った。
あと、ウィズって言うほど黒くないなと思った。

7
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